JPH11140126A - 制振材組成物及び制振シート - Google Patents

制振材組成物及び制振シート

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JPH11140126A
JPH11140126A JP30417097A JP30417097A JPH11140126A JP H11140126 A JPH11140126 A JP H11140126A JP 30417097 A JP30417097 A JP 30417097A JP 30417097 A JP30417097 A JP 30417097A JP H11140126 A JPH11140126 A JP H11140126A
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meth
alkyl
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vibration damping
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比べてより一層優れた制振作用を発揮
し得る制振材組成物及び制振シートを得る。 【解決手段】 炭素数14〜20のアルキル基を有する
アルキル(メタ)アクリレートの単独重合体もしくは共
重合体を含む制振材組成物;炭素数14〜20のアルキ
ル基を有するアルキル(メタ)アクリレート100重量
部に対し、炭素数2〜13のアルキル基を有するアルキ
ル(メタ)アクリレート400重量部以下の割合で共重
合してなるアクリル系共重合体を含む制振材組成物、並
びにこれらの制振材組成物からなる制振材シートの一面
に金属板を積層してなる制振シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両、住宅
及び各種機械における振動を抑制するのに用いられる制
振材組成物及び制振シートに関し、より詳細には、アル
キル(メタ)アクリレートの重合体を主成分として用い
ており、優れた制振効果を発揮する制振材組成物及び制
振シートに関する。
【0002】
【従来の技術】高分子化合物のような粘弾性体は、振動
エネルギーを熱エネルギーに変換する特性を有するた
め、制振材として幅広く用いられている。中でも、アク
リル系ポリマーを主成分とする組成物からなる制振材
は、長期間の耐候性に優れており、優れた制振作用を発
揮すると共に、耐薬品性に優れているため注目されてい
る。
【0003】例えば、特開平4−202586号公報に
は、アルキル基の炭素数が8〜12であるアルキル(メ
タ)アクリレートと、ホモポリマーのガラス転移温度が
50℃以上であるカルボキシル基含有モノマーとを特定
の割合で共重合してなる共重合体を含み、溶剤不溶分が
95重量%以上である組成物が開示されており、接着性
及び耐溶剤性に優れた制振材が得られるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来より、制振材は、
各種車両や住宅等において制振作用を発揮させるために
用いられているが、より一層高い制振作用を発現するも
のが求められている。
【0005】本発明の目的は、従来の制振材に比べて、
より一層制振性に優れた制振材を得ることを可能とする
制振材組成物及び制振シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、炭素数が14〜20であるアルキル基を有するアル
キル(メタ)アクリレートの単独重合体もくしは共重合
体を含むことを特徴とする制振材組成物である。なお、
本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレ
ート及びメタクリレートを総称するものとする。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明に係る制振材組成物におけるアルキル(メ
タ)アクリレートの単独重合体もしくは共重合体が、炭
素数14〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)
アクリレートを含むモノマー100重量部に対し、光重
合開始剤を0.05〜5重量部含む組成物を光重合する
ことにより得られた単独重合体もしくは共重合体である
ことを特徴とする。
【0008】請求項3に記載の発明は、炭素数14〜2
0のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート
100重量部に対し、炭素数2〜13のアルキル基を有
するアルキル(メタ)アクリレートを400重量部以下
の割合で共重合してなるアクリル系共重合体を含むこと
を特徴とする制振材組成物である。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明に係る制振材組成物における上記アクリル系共重
合体が、炭素数14〜20のアルキル基を有するアルキ
ル(メタ)アクリレート及び炭素数2〜13のアルキル
基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含むモノマ
ー組成100重量部に対し、光重合開始剤を0.05〜
5重量部含む組成物を光重合することにより得られたア
クリル系共重合体であることを特徴とする。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載の制振材組成物からなるシートの一方面
に、金属板を積層してなることを特徴とする制振シート
である。
【0011】以下、本発明の詳細を説明する。本発明に
おいて用いられる炭素数14〜20のアルキル基を有す
るアルキル(メタ)アクリレートとしては、イソミリス
チル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート、イソステアリル(メタ)アクリレート、セチル
(メタ)アクリレート、n−ヘプタデシル(メタ)アク
リレート、n−ヘキサデシル(メタ)アクリレート、n
−ペンタデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシ
ル(メタ)アクリレート、n−ノナデシル(メタ)アク
リレート、n−エイコシル(メタ)アクリレートなどを
挙げることができる。
【0012】請求項1に記載の発明に係る制振材組成物
は、上記炭素数14〜20のアルキル(メタ)アクリレ
ートの単独重合体もしくは共重合体を含むことを特徴と
するが、このようなアクリル系制振材組成物により得ら
れた制振材は、優れた制振性を発揮する。この制振性、
すなわち振動エネルギーを熱エネルギーに変換する性能
は、従来より損失係数で表されている。
【0013】損失係数は、高分子体の粘弾性特性を測定
することにより求められ、tanδで表される。損失係
数は周波数及び温度によって変化し、ある周波数及びあ
る温度で最大値(ピーク値)となる。従って、抑制され
るべき振動の周波数及び温度に合わせて損失係数のピー
ク値を合致させることにより、制振作用を効果的に発揮
させることができる。
【0014】よって、好ましくは、上記炭素数が14〜
20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレー
トに、他のモノマーを共重合させることにより損失係数
を調整することができ、それによって用途に応じた制振
作用を効果的に発揮させることができる。
【0015】上記炭素数が14〜20のアルキル基を有
するアルキル(メタ)アクリレートと共重合させるモノ
マーとしては、炭素数2〜13のアルキル基を有するア
ルキル(メタ)アクリレートや後述の改質モノマーが挙
げられるが、好ましくは、炭素数2〜13のアルキル基
を有するアルキル(メタ)アクリレートが用いられる。
【0016】この場合、炭素数が14〜20のアルキル
基を有するアルキル(メタ)アクリレート100重量部
に対し、炭素数2〜13のアルキル基を有するアルキル
(メタ)アクリレートは400重量部以下の割合で共重
合することが望ましい。
【0017】炭素数2〜13のアルキル基を有するアル
キル(メタ)アクリレートの共重合割合が400重量部
を超えると、損失係数が低くなり、制振作用が低下す
る。炭素数2〜13のアルキル基を有するアルキル(メ
タ)アクリレートとしては、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
t−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)ア
クリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メ
タ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、n−デシル(メ
タ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、
イソノニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
トなどを挙げることができ、これらの(メタ)アクリレ
ートの1種または2種以上を用いることができる。
【0018】また、損失係数を調整するために、以下の
改質モノマーを共重合させてもよい。改質モノマーとし
ては、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
などのカルボキシル基含有モノマーもしくはその無水
物;アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N−ビ
ニルカプロラクトン、アクリロイルモルホリン、(メ
タ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドな
どの窒素含有モノマー;2−ヒドロシキエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
カプロラクトン変成(メタ)アクリレート、ポリオキシ
エチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン
(メタ)アクリレートなどの水酸基含有モノマーを好適
に用いることができる。
【0019】また、その他の改質モノマーとして、上記
アクリレートモノマーと共重合可能な種々のモノマーを
共重合してもよく、この種のモノマーとしては、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、スチレンなどを挙げること
ができる。
【0020】上記改質モノマーを用いる場合、その共重
合割合については、好ましくは、アルキル(メタ)アク
リレート100重量部(炭素数14〜20のアルキル基
を有するアルキル(メタ)アクリレート100重量部、
または炭素数14〜20のアルキル基を有するアルキル
(メタ)アクリレート及び炭素数2〜13のアルキル基
を有するアルキル(メタ)アクリレートの合計100重
量部)に対し、50重量部以下とすることが望ましい。
改質モノマーの共重合割合が50重量部を超えると、損
失係数が低くなり、制振性が低下する。
【0021】また、必要に応じて、耐熱性やクリープ特
性などを高めるために、上記アクリル系単独重合体もし
くは共重合体は、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系
架橋剤またはアジリジン系架橋剤などで架橋されていて
もよい。
【0022】本発明において、上記アクリル系重合体も
しくは共重合体は、溶媒中で重合されてなる、いわゆる
溶剤型アクリル系粘着剤の形態であってもよく、水中で
重合されたエマルジョン型アクリル系粘着剤の形態であ
ってもよく、アクリル系モノマー組成物に紫外線を照射
し塊状重合したものであってもよい。
【0023】紫外線塊状重合によりアクリル系重合体も
しくは共重合体を得る場合には、耐熱性やクリープ特性
を高めるための架橋を施すために、上記架橋剤に代え
て、共重合可能な不飽和二重結合を分子内に2個以上有
するモノマーをモノマー混合物に添加しておいてもよ
い。このような不飽和二重結合を分子内に2個以上有す
るモノマーとしては、ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニ
ル、ジビニルベンゼン、その他エポキシアクリレート、
ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなど
を好適に用いることができる。
【0024】本発明に係る制振材組成物では、必要に応
じて従来より慣用されている各種添加剤、例えば、可塑
剤;軟化剤;ガラスバルーン、フライアッシュバルー
ン、ガラスビーズ;マイカ、シラスバルーン、炭酸カル
シウム、シリカ、タルクなどの無機系充填剤;プラスチ
ックビーズやプラスチックバルーンなどの有機系充填
剤;金属粉;磁性粉;顔料;染料などを含有させてもよ
い。
【0025】本発明に係る制振材組成物における上記ア
クリル系単独重合体もしくは共重合体の重合方法につい
ては特に限定されず、溶液重合、塊状重合、乳化重合、
パール重合などの公知の任意の方法で重合され得る。溶
液重合方式を用いる場合には、酢酸エチルやトルエンな
どの溶媒の存在下で、アゾビスイソブチロニトリルやベ
ンゾイルパーオキサイドなどの熱重合開始剤を用いて共
重合することができる。
【0026】また、塊状重合方式の場合には、厚みの大
きなシートが得られ易いこと、並びに均一な重合体を得
られ易いことなどの理由により紫外線による光重合法を
用いることが最も好ましく、この場合には、上記モノマ
ー組成物に、光重合開始剤を含有させ、紫外線を照射す
ることにより重合される。
【0027】上記光重合開始剤としては、例えば、4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ
−2−プロピル)ケトン〔商品名:ダロキュア295
9、メルク社製〕;α−ヒドロキシ−α,α´−ジメチ
ル−アセトフェノン〔商品名:ダロキュア1173、メ
ルク社製〕;メトキシアセトフェノン、2,2−ジメト
キシ−2−フェニルアセトフェノン〔商品名:イルガキ
ュア651、チバガイギー社製〕;2−ヒドロキシ−2
−シクロヘキシルアセトフェノン〔商品名:イルガキュ
ア184、チバガイギー社製〕などのアセトフェノン系
開始剤;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系開
始剤;その他、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキ
シド、アシルホスフォナートなどを挙げることができ
る。
【0028】光重合に用いられる光照射用光源として
は、波長400nm以下に発光分布を有するものが好適
に用いられる。このような光源の例としては、低圧水銀
灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカル
ランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェープ励起
水銀灯、メタルハライドランプ等を挙げることができ
る。好ましくは、ケミカルランプが用いられ、ケミカル
ランプでは、光重合開始剤の活性波長領域の光を効率よ
く発光し得ると共に、光重合開始剤以外の組成物の光吸
収が少ないため、制振材内部まで光が透過し、高膜厚の
制振材を製造することができる。
【0029】上記光重合性組成物への光の照射強度は、
得られる重合体もしくは共重合体の重合度を左右する因
子であるため、目的とする制振材の性能毎に適宜調整す
ればよい。通常のアセトフェノン基を有する解裂型の光
重合開始剤を配合した場合には、光重合開始剤の光分解
に有効な波長領域(開始剤によっても異なるが、通常、
365〜420nmの光が用いられる)の光強度は、
0.1〜100mW/cm2 の範囲とすることが望まし
い。光強度が0.1mW/cm2 未満では、重合度を高
めることが困難となることがあったり、重合に長時間を
要することがあり、100mW/cm2 を超えると、分
子量が低くなって粘着性が低下することがある。
【0030】また、本発明に係る制振材組成物は、用途
に応じて適宜の形態とされるが、制振作用を発揮させる
ことが求められている部分や部材への適用を容易とする
ためには、制振材の少なくとも一面に粘着剤層を設けて
もよい。粘着剤層を設けることにより、制振材を適用部
分に容易に貼付し、固定することができる。従って、接
着剤を用いる方法やボルトもしくはビスを用いる機械的
接合方法に比べ、粘着剤層を設けることにより、制振材
を取り付ける際の作業性を高めることができる。この場
合、粘着剤としては、アクリル系もしくはゴム系のよう
な公知の粘着剤を用いることができる。
【0031】また、制振性をさらに高めるには、請求項
5に記載のように、制振材組成物からなる制振材シート
の一面に金属板を積層してなる制振シートとしてもよ
い。この場合には、金属板を積層することにより、制振
材シートが拘束され、振動時の制振材シートの変形量が
大きくなり、制振性が高くなる。
【0032】金属板としては、特に限定されるわけでは
ないが、鋼板、亜鉛メッキ鋼板などの各種メッキ鋼板、
ステンレス板、アルミニウム板、エポキシ塗装鋼板など
の各種塗装鋼板を好適に用いることができる。
【0033】金属板の厚みについては、制振材シートの
厚みを1としたとき、0.1〜3の範囲とすることが好
ましい。金属板の厚みの割合が0.1未満の場合には、
金属板を積層したことによる拘束力が十分に得られず、
制振作用をさほど高めることができないことがあり、3
を超えると拘束力が強くなりすぎ、逆に金属板により振
動が伝搬し易くなり、制振性が低下することがある。
【0034】(作用)請求項1に記載の発明に係る制振
材組成物では、炭素数14〜20のアルキル基を有する
アルキル(メタ)アクリレートの単独重合体もしくは共
重合体を主成分とするため、該単独重合体もしくは共重
合体が高い損失係数を示し、優れた制振作用を発揮す
る。
【0035】また、請求項3に記載の発明では、上記炭
素数14〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)
アクリレート100重量部に対し、炭素数2〜13のア
ルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート400
重量部以下の割合で共重合してなるアクリル系共重合体
を主成分として含む制振材組成物であるため、高い損失
係数を示し、優れた制振性を発揮する。
【0036】請求項5に記載の発明に係る制振シートで
は、上記本発明に係る制振材組成物からなる制振材シー
トの一面に金属板が積層されているため、金属板により
制振材シートが拘束され、振動時の制振材の変形量が大
きくなる。従って、制振性をより一層高め得る。
【0037】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。
【0038】(実施例1)イソミリスチルアクリレート
100重量部と、2,2−ジメチル−2−フェニルアセ
トフェノン(チバガイギー社製、商品名:イルガキュア
651)0.1重量部とを均一に分散し合うまでセパラ
ブルフラスコ中で攪拌混合し、しかる後、窒素ガスをパ
ージすることにより溶存酸素を除去した。次に、混合さ
れた上記組成物に、ブラックライトランプを用い365
nmの波長の紫外線を1分間照射したところ、組成物の
温度が上昇すると共に、粘度が高くなった。組成物の温
度が5℃上昇したところで、光照射を停止した。
【0039】上記のようにして得られた部分光重合増粘
組成物の重合転化率は3.7%であり、粘度は2200
cps(23℃)であった。さらに、ヘキサンジオール
ジアクリレート0.05重量部を組成物に配合し、混練
した後、表面が離型処理された38μmのポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルム上に、重合終了時の
厚みが1.0±0.1mmとなるように組成物を塗工
し、塗工面に同じPETフィルムを離型処理面が塗工面
に接するように被覆した。
【0040】次に、ケミカルランプを用い、PETフィ
ルム上における照射強度が2mW/cm2 となるように
ランプの高さを調整し、365nmの波長の紫外線を1
0分間照射し、制振材シートを得た。
【0041】(実施例2)セパラブルフラスコ内に、イ
ソステアリルアクリレート100重量部、ブチルアクリ
レート20重量部、アクリル酸4重量部及び2,2−ジ
メチル−2−フェニルアセトフェノン(商品名:イルガ
キュア651)0.12重量部を投入したこと、並びに
ヘキサンジオールジアクリレートの配合割合を0.08
重量部としたことを除いては、実施例1と同様にしてP
ETフィルム間に挟持された制振材シートを得た。
【0042】(実施例3)イソステアリルアクリレート
100重量部、2−エチルヘキシルアクリレート300
重量部、アクリル酸4重量部及び2,2−ジメチル−2
−フェニルアセトフェノン(商品名:イルガキュア65
1)0.4重量部を用いたこと、並びにヘキサンジオー
ルジアクリレートの配合割合を0.2重量部としたこと
を除いては、実施例1と同様にして制振材シートを得
た。
【0043】(実施例4)冷却管、温度計及び攪拌機を
備えたセパラブルフラスコに、イソステアリルアクリレ
ート100重量部、2−エチルヘキシルアクリレート3
00重量部、アクリル酸6重量部及びn−ドデカンチオ
ール0.01重量部を酢酸エチル400重量部と共に仕
込み、窒素雰囲気下で還流するまで昇温し、20分間保
持した後、ベンゾイルパーオキサイド0.5重量部を酢
酸エチル25重量部に溶解してなる溶液を滴下し、4時
間反応させた。しかる後、さらにベンゾイルパーオキサ
イド0.5重量部を酢酸エチル25重量部に溶解してな
る溶液を滴下し、さらに3時間反応させた。しかる後、
トルエン200重量部を投入し、攪拌混合し、粘度10
000cps(23℃)の溶剤型粘着剤を得た。
【0044】得られた粘着剤における重合物の重量平均
分子量は60万であった。上記粘着剤溶液100重量部
に対し、架橋剤としてアジリジン系架橋剤(相互薬工社
製、商品名:HDU)を0.1重量部添加した。次に、
上記粘着剤溶液を、乾燥時の厚みが1mmとなるように
セパレーター上に塗工し、制振材シートを得た。
【0045】(比較例1)2−エチルヘキシルアクリレ
ート100重量部、アクリル酸15重量部及び2,2−
ジメチル−2−フェニルアセトフェノン(商品名:イル
ガキュア651)0.12重量部を用いたこと、並びに
ヘキサンジオールジアクリレートの配合割合を0.08
重量部としたことを除いては、実施例1と同様にして制
振材シートを得た。
【0046】(比較例2)2−エチルヘキシルアクリレ
ート50重量部、ブチルアクリレート50重量部及びア
クリル酸4重量部を用いたことを除いては、実施例1と
同様にして、制振材シートを得た。
【0047】(比較例3)ラウリルアクリレート50重
量部、2−エチルヘキシルアクリレート50重量部を用
いたことを除いては、実施例1と同様にして、制振材シ
ートを得た。
【0048】(実施例1〜4及び比較例1〜3の評価)
レオメトリック社製、粘弾性測定機(品番:RDA−
2)を用い、損失係数tanδ(20℃における値)を
求めた。結果を下記の表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】(実施例5)実施例1で得た制振材シート
の片面に、厚さ1mmの亜鉛メッキ鋼板(日新製鋼社
製、商品名:ガルタイト)を積層し、複合制振シートを
得た。
【0051】(実施例6)実施例2で得た制振材シート
の片面に、厚さ1.5mmの亜鉛メッキ鋼板(日新製鋼
社製、商品名:ガルタイト)を積層し、複合制振シート
を得た。
【0052】(比較例4)比較例1で得た制振シートの
片面に、実施例5と同様にして1mmの亜鉛メッキ鋼板
を積層し、複合制振シートを得た。
【0053】(実施例5,6及び比較例4の評価)得ら
れた各複合制振シートを30mm×500mmの寸法に
切断し、切断されたシートと同じ大きさの厚み0.5m
mのステンレス板(SUS303)からなる支持基材上
に該シートを積層することにより試験片を構成し、片持
ちばり法によって測定を行った。この測定システムは岩
元貞雄他、「制振材料の動特性試験法と評価法及び推
定」、自動車技術、p73、Vol.43、No.1
2、1989に記載されている試験方法である。この測
定システムの概略を図1に示す。
【0054】図1において、1は恒温槽を示し、恒温槽
1内において加振器2上に試験片3を配置する。試験片
3の振動は、恒温槽1内に配置された振動計4により測
定される。振動計4には、恒温槽1外に配置された増幅
器5が接続されている。また、加振器2の振動周波数が
増幅器6に与えられるように、増幅器6が加振器2に接
続されている。増幅器5,6の出力が、周波数応答関数
解析器7に与えられる。また、周波数応答関数解析器7
には発振部8も構成されている。他方、恒温槽1内の温
度を検出するために、熱伝対温度計9が恒温槽1内に配
置されており、該熱伝対温度計9の出力と、周波数応答
関数解析器7の出力とがパソコン10に与えられ、パソ
コン10において求められた損失係数がプロッタ11に
表示される。
【0055】上記測定に際しては、共振周波数として2
50kHzを用い、23℃の温度で得られた伝達関数か
ら半値幅法により損失係数tanδを求めた。結果を下
記の表2に示す。また、比較のために、実施例1及び比
較例1で得た制振材シートをそのまま用い、すなわち金
属板と複合化せず、上記複合制振シートの場合と同様に
して試験片を作製し、損失係数を測定した。結果を下記
の表2に合わせて示す。
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、炭素数
14〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アク
リレートの単独重合体もしくは共重合体を含む制振材組
成物であるため、該単独重合体もしくは共重合体が高い
損失係数tanδを示す。従って、従来の制振材に比べ
て、制振効果に優れた制振材を提供することが可能とな
る。
【0058】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明に係る制振材組成物において、上記単独重合体
もしくは共重合体が、炭素数14〜20のアルキル基を
有するアルキル(メタ)アクリレートを含むモノマー1
00重量部に対し、光重合開始剤を0.05〜5重量部
を含む組成物を光重合することにより得られた単独重合
体もしくは共重合体であるため、厚みの大きな制振シー
トとすることが容易であり、かつ均一な重合体を得られ
易いため、均一な制振材を容易に提供することが可能と
なる。
【0059】請求項3に記載の発明に係る制振材組成物
では、炭素数14〜20のアルキル基を有するアルキル
(メタ)アクリレート100重量部に対し、炭素数2〜
13のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレー
トが400重量部以下の割合で共重合されているため、
より一層高い損失係数を示し、さらに優れた制振性を発
揮する制振材組成物を提供することが可能となる。
【0060】請求項4に記載の発明によれば、上記請求
項3に記載の発明に係る制振材組成物において、アクリ
ル系共重合体が、炭素数14〜20のアルキル基を有す
るアルキル(メタ)アクリレート及び炭素数2〜13の
アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含
むモノマー組成100重量部に対し、光重合開始剤を
0.05〜5重量部含む組成物を光重合することにより
得られているため、厚みの大きな制振シートとすること
が容易であり、かつ均一な重合体を得られ易いため、均
一な制振材を容易に提供することが可能となる。
【0061】請求項5に記載の発明に係る制振シートで
は、上記本発明に係る制振材組成物からなる制振材シー
トの一面に金属板が積層されているので、金属板により
制振材シートが拘束され、制振性がより一層高められ
る。従って、従来の制振材に比べて制振作用に優れた制
振シートを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5,6及び比較例4の複合制振シートの
評価に用いた試験システムを説明するための概略構成
図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数14〜20のアルキル基を有する
    アルキル(メタ)アクリレートの単独重合体もしくは共
    重合体を含むことを特徴とする制振材組成物。
  2. 【請求項2】 前記アルキル(メタ)アクリレートの単
    独重合体もしくは共重合体が、炭素数14〜20のアル
    キル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含むモ
    ノマー100重量部に対し、光重合開始剤を0.05〜
    5重量部含む組成物を光重合することにより得られた単
    独重合体もしくは共重合体であることを特徴とする請求
    項1に記載の制振材組成物。
  3. 【請求項3】 炭素数14〜20のアルキル基を有する
    アルキル(メタ)アクリレート100重量部に対し、炭
    素数2〜13のアルキル基を有するアルキル(メタ)ア
    クリレートを400重量部以下の割合で共重合してなる
    アクリル系共重合体を含むことを特徴とする制振材組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記アクリル系共重合体が、炭素数14
    〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレ
    ート及び炭素数2〜13のアルキル基を有するアルキル
    (メタ)アクリレートを含むモノマー組成100重量部
    に対し、光重合開始剤を0.05〜5重量部含む組成物
    を光重合することにより得られたアクリル系共重合体で
    あることを特徴とする請求項3に記載の制振材組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の制振材
    組成物からなる制振材シートの一面に金属板を積層して
    なることを特徴とする制振シート。
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