JP2001316652A - 粘着剤組成物および粘着テープまたはシート - Google Patents

粘着剤組成物および粘着テープまたはシート

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JP2001316652A JP2000137972A JP2000137972A JP2001316652A JP 2001316652 A JP2001316652 A JP 2001316652A JP 2000137972 A JP2000137972 A JP 2000137972A JP 2000137972 A JP2000137972 A JP 2000137972A JP 2001316652 A JP2001316652 A JP 2001316652A
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acrylic
monomer
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Katsuhiko Kamiya
克彦 神谷
Mathieu Charlie
マテュー チャーリー
Michio Umeda
道夫 梅田
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無溶剤で塗工できる無溶剤塗工型の粘着剤を実
現し、低温時の段ボール封緘特性が良好な粘着剤組成
物、およびテープまたはシートを提供することを目的と
する。 【解決手段】一般式(1):CH2=C(R1)COOR
2で表される(メタ)アクリル系モノマー60〜98重
量%、カルボキシル基含有ビニルモノマー2〜6重量
%、およびこれら主モノマーと共重合可能な官能基含有
ビニル系モノマー0〜38重量%からなるモノマー混合
物からなり、モノアルキルサクシネートスルホン酸塩を
乳化剤に用いたエマルション重合により得られるゲル分
率が46〜58%、ゾル分の重量平均分子量が50万以
上、ガラス転移温度が−75〜−55℃であるアクリル
系エマルション型重合体を含有する粘着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリル系エマルショ
ン型粘着剤組成物、及び支持体に該粘着剤組成物からな
る層を設けてなる粘着テープまたはシートに関する。詳
しくは低温時の粘着特性に優れた段ボール封緘用粘着剤
組成物および粘着テープまたはシートに関する。
【0002】
【従来の技術】エマルション型粘着剤は、有機溶剤溶解
型粘着剤とは異なり、無溶剤で塗工できるので、環境衛
生や安全性などの点で優れており、近年多用されてい
る。特にアクリル系のエマルション型粘着剤は、粘着性
や耐候性などにも優れていることから、各種の分野に利
用されている。
【0003】段ボール封緘用粘着テープにおいても、例
えばポリエチレンフィルムなどのプラスチックフィルム
からなる支持体の片面にアクリル系エマルション型の粘
着剤組成物を塗工したものが知られている。しかし、ア
クリル系エマルション型粘着剤はエマルション粒子間の
化学的および物理的相互作用が弱いため、段ボール封緘
用粘着テープに利用した場合、低温時の段ボール封緘性
や保持力特性に劣る問題があった。アクリル系重合体の
分子量を調整するなどして、接着特性を改良する試みも
なされているが、低温時の段ボール封緘性を十分に改良
するには至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑み、無溶剤で塗工できる無溶剤塗工型の粘着剤
を実現し、低温時の段ボール封緘特性が良好な粘着テー
プまたはシートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために鋭意検討した結果、アクリル系モノマーを
エマルション重合してアクリル系エマルション型重合体
を調整する際に、カルボキシル基含有ビニルモノマーを
特定範囲の割合で配合し、乳化剤として特定構成の物を
用い、かつ得られるエマルション型重合体のゲル分率、
ゾル分の重量平均分子量およびガラス転移温度を特定範
囲とすることで、低温時の段ボール封緘特性を向上でき
ることを知り、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、一般式(1):CH2
=C(R1)COOR2で表される(メタ)アクリル系モ
ノマー60〜98重量%(ただし、R1は水素又はメチ
ル基、R2はC1〜C14のアルキル基)、カルボキシル基含
有ビニルモノマー2〜6重量%、およびこれら主モノマ
ーと共重合可能な官能基含有ビニル系モノマー0〜38
重量%からなるモノマー混合物からなり、モノアルキル
サクシネートスルホン酸塩を乳化剤に用いたエマルショ
ン重合により得られるゲル分率が46〜58%、ゾル分
の重量平均分子量が50万以上、ガラス転移温度が−7
5〜−55℃であるアクリル系エマルション型重合体、
を含有する粘着剤組成物(請求項1)、支持体にかかる
粘着剤組成物からなる層を設けてなる粘着テープまたは
シート(請求項2)、および段ボール封緘用粘着テープ
またはシート(請求項3)を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるモノマ
ーは、一般式(1):CH2=C(R1)COOR2で表
されるアクリル系モノマー(ただし、R1は水素又はメ
チル基、R2はC 1〜C14のアルキル基)および、カルボキ
シル基含有ビニルモノマーで表されるアクリル系モノマ
ーを主成分とし、必要に応じてこれら主モノマーと共重
合可能な官能基含有ビニル系モノマーを加えてなるもの
である。
【0008】上記一般式(1)で表されるアクリル系モ
ノマーの具体例としては、R2がメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、イソアミル基、
ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、
イソノニル基、イソデシル基の如きC1〜C14のアルキル
基を有するアクリル酸(R1が水素)やメタクリル酸
(R1がメチル基)のエステルなどがあげられる。これ
らは、単独または2種類以上を組み合わせて用いること
ができる。
【0009】上記カルボキシル基含有ビニルモノマーと
しては、分子内にカルボキシル基および不飽和結合を有
するものであって、その具体例としては、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イ
タコン酸、などが挙げられる。これらは、単独または2
種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0010】本発明において、上記一般式(1):CH
2=C(R1)COOR2で表されるアクリル系モノマー
(ただし、R1は水素又はメチル基、R2はC1〜C14のア
ルキル基)及びカルボキシル基含有ビニルモノマーの配
合割合は、全モノマー混合物中、アクリル系モノマーが
60〜98重量%、カルボキシル基含有ビニルモノマー
が2〜6重量%、好ましくはアクリル系モノマーが60
〜98重量%、カルボキシル基含有ビニルモノマーが2
〜3.5重量%となるよう配合する必要がある。アクリ
ル系モノマーが60重量%未満では、粘着特性が損なわ
れるおそれがある。またカルボキシル基含有ビニルモノ
マーが2重量%未満では、粘着剤の凝集力が不足し全て
の温度領域での特性が低下し、また6重量%を超えると
特に低温時の特性が低下し、本発明の目的を達成しな
い。
【0011】本発明においては、一般式(1):CH2
=C(R1)COOR2で表されるアクリル系モノマー
(ただし、R1は水素又はメチル基、R2はC1〜C14のア
ルキル基)および、カルボキシル基含有ビニルモノマー
を必須成分として含むが、上記主モノマーの他に、必要
に応じてエマルション粒子の安定化、粘着剤層の基材へ
の密着性の向上、また被着体への初期接着性の向上など
を目的として、官能基含有ビニル系モノマーを併用して
もよい。この他のモノマーは、全モノマー混合物中38
重量%以下の範囲で、各モノマーの種類に応じて適宜そ
の使用量を選択できるが、良好な感圧接着性を発現させ
るために、得られるポリマーのガラス転移点−75〜−
55℃となるように、使用量を決める必要がある。
【0012】上記官能基含有ビニル系モノマーとして
は、例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グ
リセリンジメタクリレート、(メタ)アクリル酸グリシ
ジル、メタクリル酸メチルグリシジル、(メタ)アクリ
ル酸アミノエチル、2−メタクリロイルオキシエチルイ
ソシアネートなどの官能性モノマー、メチレンビスアク
リルアミド、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリ
レート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
ストールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリストール
トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキ
サ(メタ)アクリレートなどの多官能性モノマー、酢酸
ビニル、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、N−ビ
ニルピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリン、
シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、
(メタ)アクリルアミドなどを挙げることができる。
【0013】本発明においては、上記モノマー混合物に
重合開始剤および乳化剤などを加え、通常のエマルショ
ン重合方法を用いてアクリル系エマルション型重合体を
合成することができる。エマルション重合は、一般的な
一括重合、連続滴下重合、分割滴下重合など任意の方法
で行うことができる。
【0014】重合開始剤としては、たとえば、2,2´
‐アゾビスイソブチロニトリル、2,2´‐アゾビス
(2‐アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2
´‐アゾビス(N,N´‐ジメチレンイソブチルアミジ
ン)などのアゾ系、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ムなどの過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、t‐ブ
チルハイドロパーオキサイドなどの過酸化物系や、過硫
酸塩と亜硫酸水素ナトリウムなどのレドックス系開始剤
などが挙げられる。これらは、単独または2種類以上を
組み合わせて用いることができる。
【0015】特に重合開始剤に過硫酸カリウムや過硫酸
アンモニウムのような過硫酸塩を用いることで、乳化重
合の際にポリマー鎖間での架橋反応を起こしゲルを生じ
させることができる。
【0016】これらの重合開始剤は、その種類やアクリ
ルモノマーの種類に応じて、その使用量が決定される
が、通常は、全モノマー混合物100重量部あたり、
0.02〜0.5重量部の範囲で使用するのが望まし
い。
【0017】本発明においては、乳化剤としては一般式
(2)で例示されるモノアルキルサクシネートスルホン
酸塩を用いることを特徴とする。具体例としては、日本
乳化剤社製の『ニューコール293』(R3=C817
m=2、X=Na)、『RA5411』(R3=C
817、m=20、X=Na)、『RA544』(R3
817、m=8、X=Na)などを挙げることができ
る。該乳化剤を用いることで、低温での段ボール封緘性
を向上させることができる。
【0018】
【化1】
【0019】本発明において、乳化剤(2)の配合量は
全モノマー混合物100重量部に対して5〜0.5重量
部、好ましくは3〜0.5重量部、さらに好ましくは1
〜0.5重量部程度である。乳化剤の配合量が5重量部
を超えると粘着剤の凝集力が低下して粘着特性が低下
し、また0.5重量部未満では安定した乳化が維持でき
ない場合があり、いずれも好ましくない。
【0020】また、その他乳化剤を添加することもで
き、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アン
モニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリ
ウムなどのアニオン系、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
などのノニオン系などが挙げられ、これらの中から、1
種または2種以上が用いられる。アニオン系およびノニ
オン系のいずれの場合も、プロペニル基などを導入した
ラジカル重合性の乳化剤を用いてもよい。これらの乳化
剤は、全乳化剤中20重量%以下、好ましくは5重量%
以下で使用される。
【0021】本発明においては、アクリルポリマーの分
子量を調整するために連鎖移動剤を用いても良い。連鎖
移動剤としては、特に限定されるものではないが、たと
えばラウリルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メル
カプトエタノール、チオグリコール酸2−エチルヘキシ
ル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノールなどが
挙げられ、その目的、用途に応じて1種または2種以上
が用いられる。
【0022】本発明の粘着剤組成物は、上記アクリル系
エマルション型重合体を主剤成分として含有してなり、
これに必要により、通常使用される添加剤として例えば
粘着付与樹脂、架橋剤、界面活性剤、老化防止剤、充填
剤、顔料、着色剤などを添加することができる。
【0023】特に架橋剤を加えることで、粘着剤にゲル
分を生じさせることができる。この場合、架橋剤は水溶
性でも油溶性でもよく、油溶性の場合は少量の有機溶剤
に溶かしたり、水に乳化させて加えればよい。他の添加
剤についても同様である。
【0024】このようにして得られるアクリル系エマル
ション重合体は、そのゲル分率が46〜58%、好まし
くは49〜55%、ゾル分の重量平均分子量が50万以
上、好ましくは60万以上(通常80万以下)、ガラス
転移温度が−75〜−55℃、好ましくは−75〜−6
0℃の範囲にあることが必要である。
【0025】ゲル分率が58%を超えると低温時の段ボ
ール封緘性が低下し、46%未満では凝集力不足により
全ての温度領域で粘着特性が低下する。またゾル分の重
量平均分子量が50万未満では室温時と低温時の段ボー
ル封緘性のバランスを取りにくくなる。さらに、ガラス
転移温度が−55℃を超えると低温特性が悪く、−75
℃未満では室温から高温での特性が低下する。
【0026】なお、本発明において、アクリル系エマル
ション重合体のゲル分率は、試料0.1gをサンプリン
グして精秤し、これを約50mlの酢酸エチル中に室温
で1週間浸漬したのち、溶剤不溶分を取り出し、130
℃で約1時間乾燥して、秤量することより、上記ゲル分
率(重量%)=[(浸漬・乾燥後の重量)/試料の重
量]×100として算出されるものである。
【0027】またアクリル系エマルション重合体のゾル
分の重量平均分子量は、上記のように酢酸エチル中に浸
漬処理して、この酢酸エチル中に抽出される重量体の溶
解成分について、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー法(GPC法)により測定(ポリスチレン換算)さ
れるものである。
【0028】またアクリル系エマルション重合体のガラ
ス転移温度は、動的粘弾性測定装置のねじりモードにて
測定した損失弾性率の極大点の温度とした。測定用の試
料は、粘着剤を剥離紙上に塗布し110℃で3分間乾燥
して得た粘着剤層を、積層して作成した。測定条件は、
昇温速度5℃/分、周波数1Hzである。
【0029】本発明の粘着テープまたはシートは、ポリ
プロピレンフィルム、エチレン・プロピレン共重合体フ
ィルム・ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィ
ルムやポリエチレンフィルムをラミネートしたクラフト
紙などのクラフト紙系支持体の片面に上記した粘着剤か
らなる層を、所望の厚さに設けたものである。支持体の
粘着剤を塗布する面には、通常使用される下塗剤やコロ
ナ放電方式などの表面処理を施してもかまわない。ま
た、粘着テープの背面にはシリコーン系剥離剤や長鎖ア
ルキル系剥離剤などにより背面処理を施してもかまわな
い。
【0030】さらに本発明においては、支持体上に粘着
剤組成物を設けた後、これに放射線を照射して硬化処理
して、ゲル分率を増大させることもできる。ただし、放
射線照射後のゲル分率も前記特定範囲(46〜58%)
内とすることが必要である。放射線には、活性エネルギ
ー線として、α線、β線、γ線、中性子線、電子線など
の電離性放射線や、紫外線などが用いられる。放射線の
照射線量は、ゲル分率が所定の範囲内になるよう調整す
ればよいが、電離性放射線は通常20Mrad以下、好
ましくは10Mrad以下、紫外線は通常3000mj
/cm2以下とするのがよい。照射線量が多すぎると、
支持体の劣化が懸念される。
【0031】なお、紫外線を照射する場合、使用する紫
外線は180〜460nmの波長範囲のものが好まし
く、その発生源には、水銀ランプ、メタハライドランプ
を使用するのが好ましい。また、紫外線を照射して硬化
処理する際には、あらかじめ粘着剤組成物中に光反応開
始剤(光増感剤)を含ませておくのがよい。光反応開始
剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ジベンジル、ベンジルジメ
チルケタールなどを挙げることができる。
【0032】このように構成される粘着剤および粘着テ
ープは、低温時の段ボール封緘特性が良好となる特性を
発揮する。
【0033】
【実施例】以下、実施例を上げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものでは
ない。なお以下において部とあるのは、すべて重量部を
意味するものである。
【0034】実施例1 冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌装置を備えた反応容
器に、水40部、日本乳化剤社製『ニューコール29
3』0.5部および過硫酸カリウム0.1部を仕込み、
撹拌下1時間窒素置換した。ここに、アクリル酸2−エ
チルヘキシル97部、アクリル酸3部、日本乳化剤社製
『ニューコール293』0.3部およびラウリルメルカ
プタン0.01部を水35部で乳化したものを70℃で
3時間かけて滴下し、70℃で2時間熟成を行なった。
その後、室温まで冷却し10%のアンモニア水で中和し
てアクリル重合体Aを作製した。重合体のゲル分率は5
1%、ゾル分の重量平均分子量は70万、ガラス転移温
度は−69℃であった。
【0035】アクリル重合体Aを、コロナ放電式で表面
酸化処理をした二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ
40μm)の面に乾燥後のテープ厚さが70μmとなる
ように塗布乾燥し粘着テープを得た。
【0036】実施例2 モノマーをアクリル酸2−エチルヘキシル97.5部、
アクリル酸2.5部、乳化剤を日本乳化剤社製の『RA
5411』とした以外は、実施例1と同様の処方にてア
クリル重合体Bを作製し、粘着テープを得た。重合体の
ゲル分率は49%、ゾル分の重量平均分子量は76万、
ガラス転移温度は−70℃であった。
【0037】実施例3 モノマーをアクリル酸イソオクチル97部、アクリル酸
3部、乳化剤を日本乳化剤社製の『RA544』とした
以外は、実施例1と同様の処方にてアクリル重合体Cを
作製し、粘着テープを得た。重合体のゲル分率は51
%、ゾル分の重量平均分子量は63万、ガラス転移温度
は−69℃であった。
【0038】比較例1 モノマーをアクリル酸n−ブチル97部、アクリル酸3
部、ラウリルメルカプタン0部とした以外は、実施例1
と同様の処方にてアクリル重合体Dを作製し、粘着テー
プを得た。重合体のゲル分率は47%、ゾル分の重量平
均分子量は71万、ガラス転移温度は−43℃であっ
た。
【0039】比較例2 ラウリルメルカプタン0.03部とした以外は、実施例
1と同様の処方にてアクリル重合体Eを作製し、粘着テ
ープを得た。重合体のゲル分率は30%、ゾル分の重量
平均分子量は40万、ガラス転移温度は−69℃であっ
た。
【0040】比較例3 重合温度を76℃とした以外は、実施例1と同様の処方
にてアクリル重合体Fを作製し、粘着テープを得た。重
合体のゲル分率は64%、ゾル分の重量平均分子量は5
5万、ガラス転移温度は−69℃であった。
【0041】比較例4 乳化剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル硫酸ナトリウムとポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテルの混合物(混合比率:1対1)とした以外
は、実施例1と同様の処方にてアクリル重合体Fを作製
し、粘着テープを得た。重合体のゲル分率は50%、ゾ
ル分の重量平均分子量は50万、ガラス転移温度は−6
9℃であった。
【0042】比較例5 モノマーをアクリル酸2−エチルヘキシル92部、アク
リル酸8部とした以外は、実施例1と同様の処方にてア
クリル重合体Gを作製し、粘着テープを得た。重合体の
ゲル分率は58%、ゾル分の重量平均分子量は68万、
ガラス転移温度は−62℃であった。
【0043】比較例6 モノマーをアクリル酸2−エチルヘキシル99部、アク
リル酸1部とした以外は、実施例1と同様の処方にてア
クリル重合体Hを作製し、粘着テープを得た。重合体の
ゲル分率は46%、ゾル分の重量平均分子量は73万、
ガラス転移温度は−70℃であった。
【0044】評価試験 実施例、比較例で得た粘着テープについて、以下の試験
を行った。
【0045】<段ボール封緘性試験>0℃または23℃
×60%RH条件下で、段ボール箱を実施例および比較
例で得た各種粘着テープで封緘し、放置3日後に粘着テ
ープが剥がれ段ボール箱が開いてしまったサンプルを
「×」と評価し、一部の段ボール箱が開いてしまったサ
ンプルを「△」と評価し、粘着テープが剥がれず段ボー
ル箱が開かなかったサンプルを「○」と評価した。結果
を表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】上記の表1の結果より、本発明の実施例1
〜3の粘着剤からなる層を有する各段ボール封緘用粘着
テープは、無溶剤で塗工できる無溶剤塗工型の粘着剤を
実現し、しかも低温時の段ボール封緘特性が良好となる
特性を発揮しており、粘着剤としてすぐれた機能を備え
ているものであることが明らかである。
【0048】これに対し、比較例1〜3では、アクリル
系エマルション型重合体のゲル分率、ゾル分の重量平均
分子量およびガラス転移温度が本発明の限定範囲を満足
するものでなく、低温時の段ボール封緘性が悪いことが
分かる。さらに、比較例4では乳化剤に本発明に係る乳
化剤を用いず、また比較例5,6においてはカルボキシ
ル基含有ビニルモノマーの配合量が本発明の範囲外であ
って、いずれも段ボール封緘性を満足しないことが明ら
かである。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明においては、アクリ
ル系モノマーをエマルション重合して重合体を調整する
際に、カルボキシル基含有ビニルモノマーを特定範囲の
割合で配合し、乳化剤として特定構成の物を用い、かつ
得られるエマルション型重合体のゲル分率、ゾル分の重
量平均分子量およびガラス転移温度を特定範囲とするこ
とで、無溶剤で塗工できる無溶剤塗工型の粘着剤を実現
し、低温時の段ボール封緘特性が良好となる特性を発揮
する段ボール封緘用粘着テープを提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA10 AB01 CA02 CA04 CA06 CB02 CC02 CC03 FA06 4J011 KA02 KA04 KB29 4J040 DF061 GA07 JA03 JA09 JB09 KA38 LA01 LA06 LA07 LA08 NA07 PA23 4J100 AB02R AG04R AJ02Q AJ09Q AL03P AL04P AL05P AL08R AL09R AL10R AL62R AL63R AL66R AM02R AM15R AM21R AM23R AM45R AM47R AQ08R BA02R BA29R BA42R BC04R CA04 CA05 JA05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1):CH2=C(R1)COOR
    2で表される(メタ)アクリル系モノマー60〜98重
    量%(ただし、R1は水素又はメチル基、R2はC1〜C14
    のアルキル基)、カルボキシル基含有ビニルモノマー2
    〜6重量%、およびこれら主モノマーと共重合可能な官
    能基含有ビニル系モノマー0〜38重量%からなるモノ
    マー混合物からなり、モノアルキルサクシネートスルホ
    ン酸塩を乳化剤に用いたエマルション重合により得られ
    るゲル分率が46〜58%、ゾル分の重量平均分子量が
    50万以上、ガラス転移温度が−75〜−55℃である
    アクリル系エマルション型重合体、を含有する粘着剤組
    成物。
  2. 【請求項2】支持体に請求項1記載の粘着剤組成物から
    なる層を設けてなる粘着テープまたはシート。
  3. 【請求項3】段ボール封緘用である請求項2記載の粘着
    テープまたはシート。
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