JP2002105421A - 床養生シート固定テープ - Google Patents

床養生シート固定テープ

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JP2002105421A
JP2002105421A JP2000297933A JP2000297933A JP2002105421A JP 2002105421 A JP2002105421 A JP 2002105421A JP 2000297933 A JP2000297933 A JP 2000297933A JP 2000297933 A JP2000297933 A JP 2000297933A JP 2002105421 A JP2002105421 A JP 2002105421A
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emulsion
curing sheet
acrylic
sensitive adhesive
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JP2000297933A
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English (en)
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Katsuhiko Kamiya
克彦 神谷
Takahiro Yatagai
隆浩 矢田貝
Hideki Nagatsu
秀樹 長津
Mathieu Charlie
チャーリー・マテュー
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶剤を用いないアクリル系エマルション型粘着
剤組成物であって、剥離後の糊残り性と粗面接着性とを
両立させた床養生シート固定テープを提供することを目
的とする。 【解決手段】一般式(1):CH2=C(R1)COOR
2で表される(メタ)アクリル系モノマー60〜99重
量%(ただし、R1は水素又はメチル基、R2はC1〜C14
のアルキル基)、カルボキシル基含有ビニルモノマー1
〜8重量%、およびこれら主モノマーと共重合可能な共
重合性モノマー0〜39重量%からなるモノマー混合物
からなり、モノアルキルサクシネートスルホン酸塩を乳
化剤に用いたエマルション重合により得られるアクリル
系エマルション型重合体を含有するエマルション型粘着
剤組成物からなる、ゲル分率が30〜75%である粘着
剤を基材上に設けた床養生シート固定テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床材と床養生シー
トに対する接着性が良好で糊残りがない床養生シート固
定テープに関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の建築過程で床材を敷設後に内装
工事等をする際には、傷付き防止等を目的に床材が床養
生シートでカバーされ、その床養生シートは動かないよ
うに固定テープを介して床面に固定される。床養生シー
トは、床材保護の目的が終了すると固定テープと共に剥
離除去されるが、その際に固定テープには破断なく連続
的に容易に剥離でき、剥離後に糊残りや床材の変色等が
ないことの性能が要求される。
【0003】またエマルション型粘着剤組成物は、有機
溶剤溶解型の粘着剤組成物とは異なり無溶剤で塗工でき
るので、環境衛生や安全性などの点で優れており、近年
多用されている。特にアクリル系のエマルション型粘着
剤組成物は、粘着性や耐候性などにも優れていることか
ら、各種の分野に利用されている。しかしながら、床養
生シート固定テープへエマルション型粘着剤組成物を用
いると、剥離後の糊残りが生じたり、あるいは粗面への
接着性との両立が図れないことがあり、実用上問題とな
っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑み、溶剤を用いないアクリル系エマルション型粘
着剤組成物からなる粘着剤を有する、剥離後の糊残り性
と粗面接着性とを両立させた床養生シート固定テープの
開発を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために鋭意検討した結果、アクリル系モノマーを
エマルション重合してアクリル系エマルション型重合体
を調整する際に、カルボキシル基含有ビニルモノマーを
特定範囲の割合で配合し、乳化剤として特定構成の物を
用い、アクリル系エマルション型重合体を含有するエマ
ルション型粘着剤組成物からなる粘着剤のゲル分率を特
定範囲とすることで、剥離後の糊残り性と粗面接着性を
両立できることを知り、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、一般式(1):CH2
=C(R1)COOR2で表される(メタ)アクリル系モ
ノマー60〜99重量%(ただし、R1は水素又はメチ
ル基、R2はC1〜C14のアルキル基)、カルボキシル基含
有ビニルモノマー1〜8重量%、およびこれら主モノマ
ーと共重合可能な共重合性モノマー0〜39重量%から
なるモノマー混合物からなり、モノアルキルサクシネー
トスルホン酸塩を乳化剤に用いたエマルション重合によ
り得られるアクリル系エマルション型重合体を含有する
エマルション型粘着剤組成物からなる、ゲル分率が30
〜75%である粘着剤を基材上に設けた床養生シート固
定テープに関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるモノマ
ーは、一般式(1):CH2=C(R1)COOR2で表
されるアクリル系モノマー(ただし、R1は水素又はメ
チル基、R2はC 1〜C14のアルキル基)および、カルボキ
シル基含有ビニルモノマーで表されるアクリル系モノマ
ーを主成分とし、必要に応じてこれら主モノマーと共重
合可能な官能基含有ビニル系モノマーを加えてなるもの
である。
【0008】上記一般式(1)で表されるアクリル系モ
ノマーの具体例としては、R2がメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、イソアミル基、
ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、
イソノニル基、イソデシル基の如きC1〜C14のアルキル
基を有するアクリル酸(R1が水素)やメタクリル酸
(R1がメチル基)のエステルなどがあげられる。これ
らは、単独または2種類以上を組み合わせて用いること
ができる。
【0009】上記カルボキシル基含有ビニルモノマーと
しては、分子内にカルボキシル基および不飽和結合を有
するものであって、その具体例としては、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イ
タコン酸、などが挙げられる。これらは、単独または2
種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0010】本発明において、上記一般式(1):CH
2=C(R1)COOR2で表されるアクリル系モノマー
(ただし、R1は水素又はメチル基、R2はC1〜C14のア
ルキル基)及びカルボキシル基含有ビニルモノマーの配
合割合は、全モノマー混合物中、アクリル系モノマーが
60〜99重量%、カルボキシル基含有ビニルモノマー
が1〜8重量%、好ましくはアクリル系モノマーが60
〜98重量%、カルボキシル基含有ビニルモノマーが2
〜3.5重量%となるよう配合する必要がある。アクリ
ル系モノマーが60重量%未満では、粘着特性が損なわ
れるおそれがある。またカルボキシル基含有ビニルモノ
マーが1重量%未満では、粘着剤の凝集力が不足し糊残
りが生じ、また8重量%を超えると粗面への接着特性が
低下し、本発明の目的を達成しない。
【0011】本発明においては、一般式(1):CH2
=C(R1)COOR2で表されるアクリル系モノマー
(ただし、R1は水素又はメチル基、R2はC1〜C14のア
ルキル基)および、カルボキシル基含有ビニルモノマー
を必須成分として含むが、上記主モノマーの他に、必要
に応じてエマルション粒子の安定化、粘着剤層の基材へ
の密着性の向上、また被着体への初期接着性の向上など
を目的として、共重合性モノマーを併用してもよい。こ
の共重合性モノマーは、全モノマー混合物中39重量%
以下、好ましくは38重量%以下の範囲で、各モノマー
の種類に応じて適宜その使用量を選択できるが、良好な
感圧接着性を発現させるために、得られるポリマーのガ
ラス転移点−75〜−55℃となるように、使用量を決
める必要がある。
【0012】上記共重合性モノマーとしては、例えば2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミノエチル、
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどの
官能性モノマー;メチレンビスアクリルアミド、1,6
−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリストールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビ
ニルベンゼンなどの多官能性モノマー;酢酸ビニル、ス
チレン、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリ
ドン、(メタ)アクリロイルモルホリン、 シクロヘキ
シルマレイミド、イソプロピルマレイミド、(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−イソプロピルアクリルアミドなどを挙げること
ができる。
【0013】本発明においては、上記モノマー混合物に
重合開始剤および乳化剤などを加え、通常のエマルショ
ン重合方法を用いてアクリル系エマルション型重合体を
合成することができる。エマルション重合は、一般的な
一括重合、連続滴下重合、分割滴下重合など任意の方法
により30〜80℃程度の温度範囲で行うことができ
る。
【0014】重合開始剤としては、たとえば、2,2´
‐アゾビスイソブチロニトリル、2,2´‐アゾビス
(2‐アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2
´‐アゾビス(N,N´‐ジメチレンイソブチルアミジ
ン)などのアゾ系、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ムなどの過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、t‐ブ
チルハイドロパーオキサイドなどの過酸化物系や、過硫
酸塩と亜硫酸水素ナトリウムなどのレドックス系開始剤
などが挙げられる。これらは、単独または2種類以上を
組み合わせて用いることができる。
【0015】特に重合開始剤に過硫酸カリウムや過硫酸
アンモニウムのような過硫酸塩を用いることで、乳化重
合の際にポリマー鎖間での架橋反応を起こしゲルを生じ
させることができる。
【0016】これらの重合開始剤は、その種類やアクリ
ルモノマーの種類に応じて、その使用量が決定される
が、通常は、全モノマー混合物100重量部あたり、
0.02〜0.5重量部の範囲で使用するのが望まし
い。
【0017】本発明においては、乳化剤としては一般式
(2)で例示されるモノアルキルサクシネートスルホン
酸塩を用いることを特徴とする。具体例としては、日本
乳化剤社製の『ニューコール293』(R3=C817
m=2、X=Na)、『RA5411』(R3=C
817、m=20、X=Na)、『RA544』(R3
817、m=8、X=Na)などを挙げることがで
き、これらを用いることで糊残りなく剥離することがで
きる。このような効果は、該乳化剤が生成するポリマー
の分子量を大きくすることができ、また該乳化剤中のカ
ルボキシル基とアクリルポリマー中のカルボキシル基の
相互作用によるためと推定される。
【0018】
【化1】
【0019】本発明において、乳化剤(2)の配合量は
全モノマー混合物100重量部に対して5〜0.5重量
部、好ましくは3〜0.5重量部、さらに好ましくは1
〜0.5重量部程度である。乳化剤の配合量が5重量部
を超えると粘着剤の凝集力が低下して粘着特性が低下
し、また0.5重量部未満では安定した乳化が維持でき
ない場合があり、いずれも好ましくない。
【0020】また、その他乳化剤を添加することもで
き、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アン
モニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリ
ウムなどのアニオン系、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
などのノニオン系などが挙げられ、これらの中から、1
種または2種以上が用いられる。アニオン系およびノニ
オン系のいずれの場合も、プロペニル基などを導入した
ラジカル重合性の乳化剤を用いてもよい。これらの乳化
剤は、全乳化剤中20重量%以下、好ましくは5重量%
以下で使用される。
【0021】本発明においては、アクリルポリマーの分
子量を調整するために連鎖移動剤を用いても良い。連鎖
移動剤としては、特に限定されるものではないが、たと
えばラウリルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メル
カプトエタノール、チオグリコール酸2−エチルヘキシ
ル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノールなどが
挙げられ、その目的、用途に応じて1種または2種以上
が用いられる。
【0022】本発明の床養生シート固定テープに用いら
れるエマルション型粘着剤組成物は、上記アクリル系エ
マルション型重合体を主剤成分として含有してなり、こ
れに必要により、通常使用される添加剤として例えば粘
着付与樹脂、架橋剤、界面活性剤、老化防止剤、充填
剤、顔料、着色剤などを添加することができる。
【0023】特に架橋剤を加えることで、エマルション
型粘着剤組成物からなる粘着剤にゲル分を生じさせるこ
とができる。この場合、架橋剤は水溶性でも油溶性でも
よく、例えば多官能イソシアネート系架橋剤やエポキシ
系架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤や金属塩系架橋剤、金
属キレート系架橋剤やアミノ樹脂系架橋剤、過酸化物系
架橋剤などの、アクリル系ポリマー等における架橋関与
官能基の種類などに応じて適宜なものを用いることがで
き、特に限定はない。油溶性の場合は少量の有機溶剤に
溶かしたり、水に乳化させて加えればよく、他の添加剤
についても同様である。
【0024】本発明の床養生シート固定テープは、上記
エマルション型粘着剤組成物からなる粘着剤を基材上に
層として設けたものであって、その厚さは、粘着力等に
応じて適宜決定しうるが、一般的には100μm以下、
就中25〜50μm、特に30〜40μmとされる。
【0025】このようにして得られる粘着剤のゲル分率
は、剥離時の糊残りや床面の変色を防止する耐候性を維
持しつつ、床材や床養生シートに対する長期の接着固定
性を付与する点より30〜75%、就中35〜70%、
特に40〜60%の範囲にあることが必要である。ゲル
分率が75%を超えると粗面への接着特性が低下し、3
0%未満では粘着剤の凝集力が不足し糊残りが生じ、本
発明の目的を達成しない。
【0026】なお、本発明において、粘着剤のゲル分率
は、試料0.1gをサンプリングして精秤し、これを約
50mlの酢酸エチル中に室温で1週間浸漬したのち、
溶剤不溶分を取り出し、130℃で約1時間乾燥して、
秤量することより、上記ゲル分率(重量%)=[(浸漬
・乾燥後の重量)/試料の重量]×100として算出さ
れるものである。
【0027】さらに本発明においては、基材上にエマル
ション型粘着剤組成物からなる粘着剤を設けた後、これ
に放射線を照射して硬化処理して、粘着剤のゲル分率を
増大させることもできる。放射線には、活性エネルギー
線として、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの
電離性放射線や、紫外線などが用いられる。放射線の照
射線量は、ゲル分率が後述する所定の範囲内になるよう
調整すればよいが、電離性放射線は通常20Mrad以
下、好ましくは10Mrad以下、紫外線は通常300
0mj/cm2以下とするのがよい。照射線量が多すぎ
ると、基材の劣化が懸念される。
【0028】なお、紫外線を照射する場合、使用する紫
外線は180〜460nmの波長範囲のものが好まし
く、その発生源には、水銀ランプ、メタハライドランプ
を使用するのが好ましい。また、紫外線を照射して硬化
処理する際には、あらかじめ粘着剤組成物中に光反応開
始剤(光増感剤)を含ませておくのがよい。光反応開始
剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ジベンジル、ベンジルジメ
チルケタールなどを挙げることができる。
【0029】本発明の床養生シート固定テープに用いる
ことのできる基材としては、一軸延伸したポリプロピレ
ンフィルム、エチレン・プロピレン共重合体フィルム・
ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムやポ
リエチレンフィルムをラミネートしたクラフト紙、和
紙、クレープ紙などの紙系基材などを挙げることができ
る。またこれら基材には光線透過率の調整などを目的に
適宜な添加剤を配合することができ、また、常法により
印刷層を設けても良い。
【0030】なお、ポリプロピレンフィルムなどの一軸
延伸物は、一軸延伸物をその延伸方向がテープの幅方向
となるように用いたものが好ましい。このような構成と
することで手作業による切断性が向上し、紙基材の如く
容易に切断でき、かつその場合には切断面が紙基材のよ
うに不揃いとなることがなく良好な切断面が形成される
などの利点も有している。
【0031】これらの基材には、粘着剤層の密着力の向
上等を目的にコロナ処理やプラズマ処理等の物理的処
理、下塗り剤等の化学的処理などの適宜な表面処理を施
すことができる。また固定テープの背面にはシリコーン
系剥離剤や長鎖アルキル系剥離剤などにより背面処理を
施してもかまわない。基材の厚さは、強度等に応じて適
宜に決定しうるが、一般にはテープの薄型化等の点より
300μm以下、就中30〜120μm、特に40〜10
0μmとされる。
【0032】またこれら基材の片面には基材や粘着剤層
の紫外線等の光線による劣化の抑制を目的として光線遮
蔽層を設けることもできる。光線遮蔽層を外表面に設け
る構造とすることにより、良好な耐候性を長期間持続す
る固定テープとすることができる。光線遮蔽層は、顔料
等の光線吸収性物質、あるいは光線反射性物質を含有す
るポリマー層などとして形成することができる。
【0033】本発明の床養生シート固定テープは、上記
基材にエマルション型粘着剤組成物をリバースコータ等
による適宜な方式で塗工し、それを加熱処理して粘着剤
層を設ける方式や、セパレータ上に設けた粘着層を基材
上に移着する方式などの粘着テープ形成方法に準じた適
宜な方法で行うことができる。基材裏面にシリコーン系
や長鎖アクリル系等の適宜な剥離剤からなる背面処理層
を設けた場合には、その背面処理層上に粘着剤層を設け
て巻回体とする方式にても目的とする粘着テープを得る
ことができる。この場合には、巻回体を巻戻す際に粘着
剤層が基材面に移着して目的の固定テープ形態を形成す
る。
【0034】このように構成される床養生シート固定テ
ープは、剥離後の糊残り性と粗面接着性を両立する特性
を発揮する。
【0035】
【実施例】以下、実施例を上げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものでは
ない。なお以下において部とあるのは、すべて重量部を
意味するものである。
【0036】参考例 両面をコロナ放電式で表面酸化処理をした一軸延伸ポリ
プロピレンフィルム(厚さ40μm)の片面に、NB−
500(緑色)100部にポリイソシアネート系架橋剤
を5部添加した混合物を塗布乾燥させ厚さ2μmの印刷
層を形成し、その上に剥離剤として『ピーロイル101
0』(一方社油脂工業社製)を塗布乾燥させて0.2g
/m2の剥離層コート層を形成し基材を得た。
【0037】実施例1 冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌装置を備えた反応容
器に、水40部、乳化剤として『ニューコール293』
(日本乳化剤社製)0.5部および重合開始剤として過
硫酸カリウム0.1部を仕込み、撹拌下1時間窒素置換
した。ここに、アクリル酸2−エチルヘキシル97部、
アクリル酸3部からなるモノマー混合物100部、『ニ
ューコール293』0.3部および連鎖移動剤としてラ
ウリルメルカプタン0.01部を水35部で乳化したも
のを70℃で3時間かけて滴下し、70℃で2時間熟成
を行なった。その後、室温まで冷却し10%のアンモニ
ア水で中和してアクリル系エマルション型重合体Aを作
製した。
【0038】上記アクリル系エマルション型重合体Aを
参考例で作製したプロピレン基材の他面(剥離層コート
層を設けていない面)に塗工乾燥し、厚さ35μmの粘
着剤層を付設して床養生シート固定テープを得た。粘着
剤のゲル分率は51%であった。なお、テープの幅方向
をポリプロピレンの一軸延伸方向とした。
【0039】実施例2 モノマーをアクリル酸2−エチルヘキシル97.5部、
アクリル酸2.5部、乳化剤を『RA5411』(日本
乳化剤社製)とした以外は、実施例1と同様の処方にて
アクリルエマルション型重合体Bを作製した。続いて実
施例1と同様の処方にて床養生シート固定テープを得
た。粘着剤のゲル分率は49%であった。
【0040】実施例3 モノマーをアクリル酸イソオクチル97部、アクリル酸
3部、乳化剤を『RA544』(日本乳化剤社製)とし
た以外は、実施例1と同様の処方にてアクリル系エマル
ション型重合体Cを作製した。続いて実施例1と同様の
処方にて床養生シート固定テープを得た。粘着剤のゲル
分率は51%であった。
【0041】比較例1 乳化剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル硫酸ナトリウムとポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテルの混合物(混合比率:1対1)とした以外
は、実施例1と同様の処方にてアクリル系エマルション
型重合体Dを作製した。続いて実施例1と同様の処方に
て床養生シート固定テープを得た。粘着剤のゲル分率は
50%であった。
【0042】比較例2 モノマーをアクリル酸2−エチルヘキシル96部、アク
リル酸3部、トリメチロールプロパントリアクリレート
1部とし、ラウリルメルカプタンを加えず、重合温度を
75℃とした以外は、実施例1と同様の処方にてアクリ
ル系エマルション型重合体Eを作製した。続いて実施例
1と同様の処方にて床養生シート固定テープを得た。粘
着剤のゲル分率は82%であった。
【0043】比較例3 ラウリルメルカプタンを0.1部とした以外は、実施例
1と同様の処方にてアクリル系エマルション型重合体F
を作製した。続いて実施例1と同様の処方にて床養生シ
ート固定テープを得た。粘着剤のゲル分率は21%であ
った。
【0044】比較例4 モノマーをアクリル酸2−エチルヘキシル100部とし
た以外は、実施例1と同様の処方にてアクリル系エマル
ション型重合体Gを作製した。続いて実施例1と同様の
処方にて床養生シート固定テープを得た。粘着剤のゲル
分率は46%であった。
【0045】比較例5 モノマーをアクリル酸n−ブチル90部、アクリル酸1
0部とした以外は、実施例1と同様の処方にてアクリル
系エマルション型重合体Hを作製した。続いて実施例1
と同様の処方にて床養生シート固定テープを得た。粘着
剤のゲル分率は54%であった。
【0046】評価試験 実施例、比較例で得た床養生シート固定テープについて
下記の試験を行った。
【0047】<粗面接着性>ポリエチレンをラミネート
したクラフト紙からなる凹凸のある床養生シート(MF
社製)を直径200mmの円筒状に成型し、その湾曲面上
に各実施例および比較例で作製した床養生シート固定テ
ープ(20mm×100mm)を貼着させ、室温で24時間
経過後のテープ端部の浮き(剥がれ)の有無を調べ、下
記の基準で評価した。 ○:浮き(剥がれ)の発生がない場合 ×:テープ端部に浮き(剥がれ)が発生した場合
【0048】<糊残り性>各実施例および比較例で作製
した床養生シート固定テープをフローリング材に貼着し
て、室内の日光があたる窓際に3ヶ月放置した後、固定
テープを剥離してフローリング材の表面を目視観察し、
糊残りを調べ、下記の基準で評価した。 ○:糊残りが見られない場合 ×:糊残りが見られた場合
【0049】前記の結果を次表に示した。
【0050】
【表1】
【0051】上記表1の結果より、本発明の床養生シー
ト固定テープは粗面接着性および糊残り性に優れ、両方
の特性を両立していることが明らかである。これに対
し、比較例1では乳化剤に本発明に係る乳化剤を用い
ず、比較例2、3ではアクリル系エマルション型重合体
のゲル分率の限定範囲を満足するものでなく、さらに比
較例4、5においてはカルボキシル基含有ビニルモノマ
ーの配合量が本発明の範囲外であって、いずれも粗面接
着性および糊残り性を両立していないことが明らかであ
る。
【0052】
【発明の効果】本発明の特定のアクリル系エマルション
型重合体を含有するエマルション型粘着材組成物からな
る粘着剤を基材上に設けた床養生シート固定テープは、
水系で塗工できる水系塗工型の粘着剤組成物を実現し環
境衛生や安全性などの点で優れており、剥離後の糊残り
性と粗面接着性の特性を両立した優れた機能を備えてい
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04G 21/30 E04G 21/30 Z (72)発明者 チャーリー・マテュー 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4J004 AA10 AA17 AB01 CA04 CA06 CB02 CC02 FA08 4J011 KA04 KA12 KB14 4J040 DF041 DF051 GA07 HD13 JA03 JA09 JB09 KA38 LA06 NA12 4J100 AB02R AG04R AJ01Q AJ02Q AJ08Q AJ09Q AL03P AL04P AL05P AL08R AL09R AL10R AL62R AL63R AL66R AM02R AM17R AM19R AM24R AM45R AM47Q AQ08R BA03R BA08R BA29R BA42R BC04R BC79R CA05 EA07 FA20 JA05

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1):CH2=C(R1)COOR
    2で表される(メタ)アクリル系モノマー60〜99重
    量%(ただし、R1は水素又はメチル基、R2はC1〜C14
    のアルキル基)、カルボキシル基含有ビニルモノマー1
    〜8重量%、およびこれら主モノマーと共重合可能な共
    重合性モノマー0〜39重量%からなるモノマー混合物
    からなり、モノアルキルサクシネートスルホン酸塩を乳
    化剤に用いたエマルション重合により得られるアクリル
    系エマルション型重合体を含有するエマルション型粘着
    剤組成物からなる、ゲル分率が30〜75%である粘着
    剤を基材上に設けた床養生シート固定テープ。
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