JPH11140120A - 膜の製造方法 - Google Patents
膜の製造方法Info
- Publication number
- JPH11140120A JPH11140120A JP30252497A JP30252497A JPH11140120A JP H11140120 A JPH11140120 A JP H11140120A JP 30252497 A JP30252497 A JP 30252497A JP 30252497 A JP30252497 A JP 30252497A JP H11140120 A JPH11140120 A JP H11140120A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- polyvinyl alcohol
- polyhydric
- ethanol
- polymer
- Prior art date
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- Pending
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- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高強度で透明性、耐油性といった従来のポリ
ビニルアルコール系重合体からなる膜の特徴を有し、か
つ耐熱性、耐水性および耐湿熱性にも優れた新規なポリ
ビニルアルコール系重合体からなる膜を提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系重合体からなる
膜を製造する際に、電子吸引性基に隣接したエタノール
構造を2個以上有する多価エタノール化合物をポリビニ
ルアルコール系重合体の繰り返し単位に対して0.05
〜20モル%含有あるいは付着させた後、加熱処理によ
って該重合体を架橋せしめることを特徴とする膜の製造
方法。
ビニルアルコール系重合体からなる膜の特徴を有し、か
つ耐熱性、耐水性および耐湿熱性にも優れた新規なポリ
ビニルアルコール系重合体からなる膜を提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系重合体からなる
膜を製造する際に、電子吸引性基に隣接したエタノール
構造を2個以上有する多価エタノール化合物をポリビニ
ルアルコール系重合体の繰り返し単位に対して0.05
〜20モル%含有あるいは付着させた後、加熱処理によ
って該重合体を架橋せしめることを特徴とする膜の製造
方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高強度で、耐熱性、
耐水性、耐湿熱性および耐久性に優れたポリビニルアル
コール系重合体からなる膜に関する。
耐水性、耐湿熱性および耐久性に優れたポリビニルアル
コール系重合体からなる膜に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコール膜は力学的機械的
性質、透明性、酸素バリヤ性、極低温電気絶縁性および
耐油性等に極めて優れた性質を有することから、フィル
ム、メンブレンおよびシー卜の形態で、繊維製品の包装
材料、ガスバリヤー材、各種メンブレンフィルター、分
離膜、電気絶縁材料、偏光膜基材等の光学用フィルムお
よび耐油性ベル卜材料として賞用されている。
性質、透明性、酸素バリヤ性、極低温電気絶縁性および
耐油性等に極めて優れた性質を有することから、フィル
ム、メンブレンおよびシー卜の形態で、繊維製品の包装
材料、ガスバリヤー材、各種メンブレンフィルター、分
離膜、電気絶縁材料、偏光膜基材等の光学用フィルムお
よび耐油性ベル卜材料として賞用されている。
【0003】しかし、近年は上記の材料や用途におい
て、これまで以上の過酷な条件下、特に高温高湿下での
性能保持が要求されるようになり、本質的に耐水性や耐
熱性、特に吸湿時に問題がある従来のポリビニルアルコ
ール系重合体を用いた膜では対応しきれないのが現状で
ある。これに対して、ポリビニルアルコール系重合体か
らなる膜をホルムアルデヒド、ブチルアルデヒド、ある
いはグリオキザールの単独あるいは混合物によって架橋
することで、かかる膜の耐水性、耐湿熱性を向上させ得
ることが知られているが、その効果は必ずしも十分では
なかった。
て、これまで以上の過酷な条件下、特に高温高湿下での
性能保持が要求されるようになり、本質的に耐水性や耐
熱性、特に吸湿時に問題がある従来のポリビニルアルコ
ール系重合体を用いた膜では対応しきれないのが現状で
ある。これに対して、ポリビニルアルコール系重合体か
らなる膜をホルムアルデヒド、ブチルアルデヒド、ある
いはグリオキザールの単独あるいは混合物によって架橋
することで、かかる膜の耐水性、耐湿熱性を向上させ得
ることが知られているが、その効果は必ずしも十分では
なかった。
【0004】従来、ポリビニルアルコール系重合体から
なる膜をアセタール化処理する場合は、全て酸の水溶液
中で処理する方法がとられている。しかし、この方法で
はアセタール化反応を充分進行させるため、塩酸、ある
いは硫酸のような強酸が必要であり、また、その温度も
50℃以上が必要であることが、本発明者らの検討で明
らかとなった。このような条件で処理することはポリビ
ニルアルコール系重合体にとっての良溶媒中で処理する
ことに他ならず、膜が処理中に膨潤してしまうことは避
けられないばかりか、ポリビニルアルコール系重合体自
身が一部溶解してしまう恐れもあった。これらの現象は
ポリビニルアルコール系重合体の分子配向を乱したり結
晶化度を低下させる効果があり、その結果、ポリビニル
アルコール系重合体からなる膜が本来有する力学的機械
的強度の低下を招くという問題があった。
なる膜をアセタール化処理する場合は、全て酸の水溶液
中で処理する方法がとられている。しかし、この方法で
はアセタール化反応を充分進行させるため、塩酸、ある
いは硫酸のような強酸が必要であり、また、その温度も
50℃以上が必要であることが、本発明者らの検討で明
らかとなった。このような条件で処理することはポリビ
ニルアルコール系重合体にとっての良溶媒中で処理する
ことに他ならず、膜が処理中に膨潤してしまうことは避
けられないばかりか、ポリビニルアルコール系重合体自
身が一部溶解してしまう恐れもあった。これらの現象は
ポリビニルアルコール系重合体の分子配向を乱したり結
晶化度を低下させる効果があり、その結果、ポリビニル
アルコール系重合体からなる膜が本来有する力学的機械
的強度の低下を招くという問題があった。
【0005】また、ポリビニルアルコール系重合体から
なる膜は、通常該重合体の溶液からのキャスト成膜法、
乾式成膜法(空気中や窒素等不活性気体中への押し出
し)、湿式成膜法(該ポリビニルアルコール系重合体の
貧溶媒中への押出し)、乾湿式成膜法等によって行なわ
れる。前述した酸処理工程は通常成膜後に行われるが、
アセタール化に使用した酸が残存するとポリビニルアル
コール系重合体からなる膜の着色、強度低下の原因とな
るため、実際には充分な中和と水洗工程が必要であり、
工程の高コスト化の原因となるという問題があった。
なる膜は、通常該重合体の溶液からのキャスト成膜法、
乾式成膜法(空気中や窒素等不活性気体中への押し出
し)、湿式成膜法(該ポリビニルアルコール系重合体の
貧溶媒中への押出し)、乾湿式成膜法等によって行なわ
れる。前述した酸処理工程は通常成膜後に行われるが、
アセタール化に使用した酸が残存するとポリビニルアル
コール系重合体からなる膜の着色、強度低下の原因とな
るため、実際には充分な中和と水洗工程が必要であり、
工程の高コスト化の原因となるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況下、本発明
はポリビニルアルコール系重合体が本来有する力学的機
械的特性を損なうことなく、また、煩雑な工程を必要と
することなく、耐水性及び耐湿熱性が極めて向上した膜
の製造方法を提供せんとするものである。
はポリビニルアルコール系重合体が本来有する力学的機
械的特性を損なうことなく、また、煩雑な工程を必要と
することなく、耐水性及び耐湿熱性が極めて向上した膜
の製造方法を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、ポリビニルアルコール系
重合体からなる膜を製造する際に、電子吸引性基に隣接
したエタノール構造を2個以上有する多価エタノール化
合物をポリビニルアルコール系重合体の繰り返し単位に
対して0.05〜20モル%含有あるいは付着させた
後、加熱処理によって該重合体を架橋せしめることを特
徴とする膜の製造方法を見いだし、本発明を完成するに
到った。
解決すべく鋭意検討した結果、ポリビニルアルコール系
重合体からなる膜を製造する際に、電子吸引性基に隣接
したエタノール構造を2個以上有する多価エタノール化
合物をポリビニルアルコール系重合体の繰り返し単位に
対して0.05〜20モル%含有あるいは付着させた
後、加熱処理によって該重合体を架橋せしめることを特
徴とする膜の製造方法を見いだし、本発明を完成するに
到った。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容をさらに詳細
に説明する。本発明の膜を構成するポリビニルアルコー
ル系重合体は、通常のポリビニルアルコールの製造法で
あるポリ酢酸ビニルあるいはその共重合体のけん化から
得られる。また、ピバリン酸ビニル、蟻酸ビニルのごと
き側鎖の嵩高いビニルエステルまたは極性の高いビニル
エステル、もしくはt−ブチルビニルエーテルやトリメ
チルシリルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテルの
ごときビニルエーテルの単独重合体あるいは共重合体の
分解によっても得られる。
に説明する。本発明の膜を構成するポリビニルアルコー
ル系重合体は、通常のポリビニルアルコールの製造法で
あるポリ酢酸ビニルあるいはその共重合体のけん化から
得られる。また、ピバリン酸ビニル、蟻酸ビニルのごと
き側鎖の嵩高いビニルエステルまたは極性の高いビニル
エステル、もしくはt−ブチルビニルエーテルやトリメ
チルシリルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテルの
ごときビニルエーテルの単独重合体あるいは共重合体の
分解によっても得られる。
【0009】ここで、共重合体の場合のコモノマー単位
は、けん化、あるいは分解によってビニルアルコール単
位を生成する単位とそれ以外の単位に分けられる。
は、けん化、あるいは分解によってビニルアルコール単
位を生成する単位とそれ以外の単位に分けられる。
【0010】後者のコモノマー単位は、主として変性を
目的に共重合されるもので、本発明の趣旨を損なわない
範囲で使用される。このような単位としては、たとえ
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等
のオレフィン類、アクリル酸およびその塩、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、
アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸
オクタデシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸
およびその塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロ
ピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタ
デシル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、
N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセ卜ンアク
リルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸および
その塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよび
その塩と4級塩、N−メチロールアクリルアミドおよび
その誘導体等のアクリルアミド誘導体、メタクリルアミ
ド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリ
ルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、ジアセ
卜ンメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスル
ホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチ
ルアミンおよびその塩と4級塩、N−メチロールメタク
リルアミドおよびその誘導体等のメタクリルアミド誘導
体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n
−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテ
ル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエー
テル、ベンジルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテ
ル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル
類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、酢酸アリル、塩
化アリル等のアリル化合物、マレイン酸およびその塩と
エステル、イタコン酸およびその塩とエステル、ビニル
トリメトキシシラン等のビニルシリル化合物、酢酸イソ
プロペニル等である。
目的に共重合されるもので、本発明の趣旨を損なわない
範囲で使用される。このような単位としては、たとえ
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等
のオレフィン類、アクリル酸およびその塩、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、
アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸
オクタデシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸
およびその塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロ
ピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタ
デシル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、
N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセ卜ンアク
リルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸および
その塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよび
その塩と4級塩、N−メチロールアクリルアミドおよび
その誘導体等のアクリルアミド誘導体、メタクリルアミ
ド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリ
ルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、ジアセ
卜ンメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスル
ホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチ
ルアミンおよびその塩と4級塩、N−メチロールメタク
リルアミドおよびその誘導体等のメタクリルアミド誘導
体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n
−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテ
ル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエー
テル、ベンジルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテ
ル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル
類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、酢酸アリル、塩
化アリル等のアリル化合物、マレイン酸およびその塩と
エステル、イタコン酸およびその塩とエステル、ビニル
トリメトキシシラン等のビニルシリル化合物、酢酸イソ
プロペニル等である。
【0011】該ポリビニルアルコール系重合体のけん化
度は通常70モル%以上が好ましい。特に耐熱性、耐水
性、耐油性が要求される場合のけん化度は90〜99.
99モル%が好ましい。ここで、けん化度は酢酸ビニル
の単独重合体または共重合体中のけん化によりビニルア
ルコール単位に変換され得る単位に対する、けん化後の
ビニルアルコール単位の割合を表したものあり、残基は
酢酸ビニル単位である。
度は通常70モル%以上が好ましい。特に耐熱性、耐水
性、耐油性が要求される場合のけん化度は90〜99.
99モル%が好ましい。ここで、けん化度は酢酸ビニル
の単独重合体または共重合体中のけん化によりビニルア
ルコール単位に変換され得る単位に対する、けん化後の
ビニルアルコール単位の割合を表したものあり、残基は
酢酸ビニル単位である。
【0012】該ポリビニルアルコール系重合体の重合度
も本発明の膜の性能に影響する。重合度は膜の用途によ
って適宜選ばれるが、フィルム強度や加工特性の点から
500以上、好ましくは1000以上、さらに好ましく
は2000以上であり、成膜や延伸等の加工特性の点か
らは30000以下である。
も本発明の膜の性能に影響する。重合度は膜の用途によ
って適宜選ばれるが、フィルム強度や加工特性の点から
500以上、好ましくは1000以上、さらに好ましく
は2000以上であり、成膜や延伸等の加工特性の点か
らは30000以下である。
【0013】本発明によって製造されるポリビニルアル
コール系重合体からなる膜は形状および透明性に特に制
限はなく、通常フィルム、メンブレンおよびシート等と
呼ばれるものを総称するものである。また、膜の厚さも
特に制限はなく、使用される膜の用途によって適宜選択
されるが、好ましくは10〜200μmの範囲である。
以上のごときポリビニルアルコール系重合体を用いた本
発明のポリビニルアルコール系重合体膜の製造方法は、
必要とされる膜厚や膜の用途、目的により、溶液からの
キャスト成膜法、乾式成膜法(空気中や窒素等不活性気
休中への押し出し)、湿式成膜法(該ポリビニルアルコ
ール系重合体の貧溶媒中への押出し)、乾湿式成膜法等
によって行なわれる。
コール系重合体からなる膜は形状および透明性に特に制
限はなく、通常フィルム、メンブレンおよびシート等と
呼ばれるものを総称するものである。また、膜の厚さも
特に制限はなく、使用される膜の用途によって適宜選択
されるが、好ましくは10〜200μmの範囲である。
以上のごときポリビニルアルコール系重合体を用いた本
発明のポリビニルアルコール系重合体膜の製造方法は、
必要とされる膜厚や膜の用途、目的により、溶液からの
キャスト成膜法、乾式成膜法(空気中や窒素等不活性気
休中への押し出し)、湿式成膜法(該ポリビニルアルコ
ール系重合体の貧溶媒中への押出し)、乾湿式成膜法等
によって行なわれる。
【0014】このときに使用される溶剤とは、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、エチレングリコール、グリセリン、水、へキサ
フルオロイソプロパノール等が単独または混合して使用
される。また塩化リチウム、塩化カルシウム等の無機塩
の水溶液も単独または前記有機溶剤と混合して使用でき
る。このうち、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルス
ルホキシドと水との混合液、グリセリン、エチレングリ
コール等が好んで使用される。
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、エチレングリコール、グリセリン、水、へキサ
フルオロイソプロパノール等が単独または混合して使用
される。また塩化リチウム、塩化カルシウム等の無機塩
の水溶液も単独または前記有機溶剤と混合して使用でき
る。このうち、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルス
ルホキシドと水との混合液、グリセリン、エチレングリ
コール等が好んで使用される。
【0015】成膜時のポリビニルアルコール系重合体の
濃度は成膜方法によって異なるが、通常1〜50重量%
であり、温度は通常室温から250℃の範囲である。
濃度は成膜方法によって異なるが、通常1〜50重量%
であり、温度は通常室温から250℃の範囲である。
【0016】本発明のポリビニルアルコール系重合体膜
は、本発明の趣旨を損なわない範囲において、上記のポ
リビニルアルコール系重合体以外のものを含有すること
はなんら差し支えなく、たとえば通常のポリビニルアル
コール系重合体やその他の重合体、グリセリン等の可塑
剤、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機化合物等
が挙げられる。また、必要に応じて着色のための染料や
顔料、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定化剤が添加さ
れることもある。
は、本発明の趣旨を損なわない範囲において、上記のポ
リビニルアルコール系重合体以外のものを含有すること
はなんら差し支えなく、たとえば通常のポリビニルアル
コール系重合体やその他の重合体、グリセリン等の可塑
剤、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機化合物等
が挙げられる。また、必要に応じて着色のための染料や
顔料、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定化剤が添加さ
れることもある。
【0017】本発明の特徴は、ポリビニルアルコール系
重合体からなる膜を製造する際に、該ポリビニルアルコ
ール系重合体内部あるいは表面に電子吸引性基と隣接し
たエタノール構造を2個以上有する多価エタノール化合
物をポリビニルアルコール系重合体の繰り返し単位に対
して0.05〜20モル%含有あるいは付着させた後、
加熱処理によって該重合体を架橋せしめる点である。
重合体からなる膜を製造する際に、該ポリビニルアルコ
ール系重合体内部あるいは表面に電子吸引性基と隣接し
たエタノール構造を2個以上有する多価エタノール化合
物をポリビニルアルコール系重合体の繰り返し単位に対
して0.05〜20モル%含有あるいは付着させた後、
加熱処理によって該重合体を架橋せしめる点である。
【0018】本発明で用いることのできる多価エタノー
ル化合物は、電子吸引性基に隣接したエタノール構造を
2個以上有する様な多価エタノール化合物であれば特に
限定されないが、具体例として、1,5−ジヒドロキシ
−3−ペンタノン、1,7−ジヒドロキシ−3,5−ヘ
プタンジノン、1,8−ジヒドロキシ−3,6−オクタ
ンジノン、1,9−ジヒドロキシ−3,7−ノナンジノ
ン、メチレンビス(2,2’−ヒドロキシエチレー
ト)、ビス(2,2’−ヒドロキシエチル)スルフィ
ン、((2−ヒドロキシエチル)スルフィニル)メチル
−2’−ヒドロキシエチルスルフィン、((2−ヒドロ
キシエチル)スルフィニル)エチル−2’−ヒドロキシ
エチルスルフィン、メチレンビス(2,2’−ヒドロキ
シエチルスルフィネート)、エチレンビス(2,2’−
ヒドロキシエチルスルフィネート)、ビス(2,2’−
ヒドロキシエチル)スルホン、((2−ヒドロキシエチ
ル)スルホニル)メチル−2’−ヒドロキシエチルスル
ホン、((2−ヒドロキシエチル)スルホニル)エチル
−2’−ヒドロキシエチルスルホン、メチレンビス
(2,2’−ヒドロキシエチルスルホネート)、エチレ
ンビス(2,2’−ヒドロキシエチルスルホネート)、
ビス(2,2’−ヒドロキシエチル)フォスホン、
((2−ヒドロキシエチル)フォスホニル)メチル−
2’−ヒドロキシエチルフォスホン、((2−ヒドロキ
シエチル)フォスホニル)エチル−2’−ヒドロキシエ
チルフォスホン 、メチレンビス(2,2’−ヒドロキ
シエチルフォスホネート)、エチレンビス(2,2’−
ヒドロキシエチルフォスホネート)等が挙げられる。特
にこれらのうち、高温、高湿条件下における安定性の面
から、カルボン酸エステル、スルホン酸エステルおよび
リン酸エステル等のエステル結合を化合物中に有しない
化合物が好ましい。具体的には下記の化3または化4で
表される化合物群(但し、A、A’はカルボニル基、ス
ルフィニル基、スルホニル基およびフォスホニル基の中
から選ばれる電子吸引性の連結基を示し、Xは酸素原子
または窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基を示
す。)が好ましく、これらの具体例としては、1,5−
ジヒドロキシ−3−ペンタノン、ビス(2,2’−ヒド
ロキシエチル)スルフィン、ビス(2,2’−ヒドロキ
シエチル)スルホン、ビス(2,2’−ヒドロキシエチ
ル)フォスホン等が挙げられる。また、これらの多価エ
タノール化合物は単独で又は2種以上混合して使用する
ことができる。
ル化合物は、電子吸引性基に隣接したエタノール構造を
2個以上有する様な多価エタノール化合物であれば特に
限定されないが、具体例として、1,5−ジヒドロキシ
−3−ペンタノン、1,7−ジヒドロキシ−3,5−ヘ
プタンジノン、1,8−ジヒドロキシ−3,6−オクタ
ンジノン、1,9−ジヒドロキシ−3,7−ノナンジノ
ン、メチレンビス(2,2’−ヒドロキシエチレー
ト)、ビス(2,2’−ヒドロキシエチル)スルフィ
ン、((2−ヒドロキシエチル)スルフィニル)メチル
−2’−ヒドロキシエチルスルフィン、((2−ヒドロ
キシエチル)スルフィニル)エチル−2’−ヒドロキシ
エチルスルフィン、メチレンビス(2,2’−ヒドロキ
シエチルスルフィネート)、エチレンビス(2,2’−
ヒドロキシエチルスルフィネート)、ビス(2,2’−
ヒドロキシエチル)スルホン、((2−ヒドロキシエチ
ル)スルホニル)メチル−2’−ヒドロキシエチルスル
ホン、((2−ヒドロキシエチル)スルホニル)エチル
−2’−ヒドロキシエチルスルホン、メチレンビス
(2,2’−ヒドロキシエチルスルホネート)、エチレ
ンビス(2,2’−ヒドロキシエチルスルホネート)、
ビス(2,2’−ヒドロキシエチル)フォスホン、
((2−ヒドロキシエチル)フォスホニル)メチル−
2’−ヒドロキシエチルフォスホン、((2−ヒドロキ
シエチル)フォスホニル)エチル−2’−ヒドロキシエ
チルフォスホン 、メチレンビス(2,2’−ヒドロキ
シエチルフォスホネート)、エチレンビス(2,2’−
ヒドロキシエチルフォスホネート)等が挙げられる。特
にこれらのうち、高温、高湿条件下における安定性の面
から、カルボン酸エステル、スルホン酸エステルおよび
リン酸エステル等のエステル結合を化合物中に有しない
化合物が好ましい。具体的には下記の化3または化4で
表される化合物群(但し、A、A’はカルボニル基、ス
ルフィニル基、スルホニル基およびフォスホニル基の中
から選ばれる電子吸引性の連結基を示し、Xは酸素原子
または窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基を示
す。)が好ましく、これらの具体例としては、1,5−
ジヒドロキシ−3−ペンタノン、ビス(2,2’−ヒド
ロキシエチル)スルフィン、ビス(2,2’−ヒドロキ
シエチル)スルホン、ビス(2,2’−ヒドロキシエチ
ル)フォスホン等が挙げられる。また、これらの多価エ
タノール化合物は単独で又は2種以上混合して使用する
ことができる。
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】本発明で用いる多価エタノール化合物の付
与は、該ポリビニルアルコール系重合体膜の製造工程の
何れの段階において行われても構わない。具体的には、
成膜の際に使用される溶剤中に溶解あるいは分散させ、
該ポリビニルアルコール系重合体中に含有せしめる方
法、成膜の際に貧溶媒を用いる場合はこの貧溶媒中に多
価エタノール化合物を溶解あるいは分散させる方法、さ
らには、成膜した膜表面に適当な溶剤あるいは水に溶解
あるいは分散させた多価エタノール化合物を塗布する方
法、等が挙げられる。このうち、成膜の際に使用される
溶剤中に溶解あるいは分散させ、該ポリビニルアルコー
ル系重合体中に含有せしめる方法、あるいは成膜の際に
貧溶媒を用いる場合はこの貧溶媒中に多価エタノール化
合物を溶解あるいは分散させる方法が、多価エタノール
化合物を膜中に均一かつ充分な量を含有させることがで
き、さらにその量を容易に制御できるという点において
好ましい。この場合の多価エタノール化合物を含有する
浴の温度としては−10から50℃、浴中の該化合物濃
度としては0.01〜1モル/リッターが好ましい。
与は、該ポリビニルアルコール系重合体膜の製造工程の
何れの段階において行われても構わない。具体的には、
成膜の際に使用される溶剤中に溶解あるいは分散させ、
該ポリビニルアルコール系重合体中に含有せしめる方
法、成膜の際に貧溶媒を用いる場合はこの貧溶媒中に多
価エタノール化合物を溶解あるいは分散させる方法、さ
らには、成膜した膜表面に適当な溶剤あるいは水に溶解
あるいは分散させた多価エタノール化合物を塗布する方
法、等が挙げられる。このうち、成膜の際に使用される
溶剤中に溶解あるいは分散させ、該ポリビニルアルコー
ル系重合体中に含有せしめる方法、あるいは成膜の際に
貧溶媒を用いる場合はこの貧溶媒中に多価エタノール化
合物を溶解あるいは分散させる方法が、多価エタノール
化合物を膜中に均一かつ充分な量を含有させることがで
き、さらにその量を容易に制御できるという点において
好ましい。この場合の多価エタノール化合物を含有する
浴の温度としては−10から50℃、浴中の該化合物濃
度としては0.01〜1モル/リッターが好ましい。
【0022】本発明における多価エタノール化合物の含
有あるいは付着量は膜の使用目的に応じて適宜選択され
るが、ポリビニルアルコール系重合体の繰り返し単位に
対し概ね0.05〜20モル%であり、さらに好ましく
は0.1〜10モル%である。含有量あるいは付着量が
0.05モル%未満では架橋密度が少ないため耐湿熱性
が不十分であり、20モル%を超えると分子配向を乱し
たりポリビニルアルコール系重合体の分解が促進される
ためポリビニルアルコール系重合体膜本来の優れた性質
である力学的機械的性質、透明性、耐油性等の低下を招
き、好ましくない。含有量あるいは付着量は、多価エタ
ノール化合物を含有する浴の多価エタノール化合物の含
有量を変えることによってコントロールすることができ
る。
有あるいは付着量は膜の使用目的に応じて適宜選択され
るが、ポリビニルアルコール系重合体の繰り返し単位に
対し概ね0.05〜20モル%であり、さらに好ましく
は0.1〜10モル%である。含有量あるいは付着量が
0.05モル%未満では架橋密度が少ないため耐湿熱性
が不十分であり、20モル%を超えると分子配向を乱し
たりポリビニルアルコール系重合体の分解が促進される
ためポリビニルアルコール系重合体膜本来の優れた性質
である力学的機械的性質、透明性、耐油性等の低下を招
き、好ましくない。含有量あるいは付着量は、多価エタ
ノール化合物を含有する浴の多価エタノール化合物の含
有量を変えることによってコントロールすることができ
る。
【0023】次に、適当な加熱処理を施すことによって
ポリビニルアルコール系重合体膜中に含有あるいは付着
させた多価エタノール化合物を、該ポリビニルアルコー
ル系重合体が有する水酸基と反応せしめる。反応機構と
しては、加熱処理工程において加える熱によって多価エ
タノール化合物のエタノール部位が脱水し、電子吸引性
基を隣に有した反応活性の高い二重結合を有する化合物
に変化し、この活性二重結合へのポリビニルアルコール
系重合体の水酸基の付加反応によって架橋構造が形成さ
れるものと推定される。下記の化5および化6にその反
応機構を示す。
ポリビニルアルコール系重合体膜中に含有あるいは付着
させた多価エタノール化合物を、該ポリビニルアルコー
ル系重合体が有する水酸基と反応せしめる。反応機構と
しては、加熱処理工程において加える熱によって多価エ
タノール化合物のエタノール部位が脱水し、電子吸引性
基を隣に有した反応活性の高い二重結合を有する化合物
に変化し、この活性二重結合へのポリビニルアルコール
系重合体の水酸基の付加反応によって架橋構造が形成さ
れるものと推定される。下記の化5および化6にその反
応機構を示す。
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】加熱処理工程における温度は200℃以
上、好ましくは230℃以上であり、ポリビニルアルコ
ールの分解が生じるため加熱処理温度の上限は260℃
である。加熱処理は、膜の乾燥あるいは乾熱延伸工程時
に同時に行ってもよく、乾熱延伸工程においてポリビニ
ルアルコール系重合体との架橋反応が充分進行していな
い場合は、乾熱延伸工程に続く熱処理工程を追加するこ
とができる。この際の上限加熱温度は、ポリビニルアル
コールの分解防止の点で260℃である。
上、好ましくは230℃以上であり、ポリビニルアルコ
ールの分解が生じるため加熱処理温度の上限は260℃
である。加熱処理は、膜の乾燥あるいは乾熱延伸工程時
に同時に行ってもよく、乾熱延伸工程においてポリビニ
ルアルコール系重合体との架橋反応が充分進行していな
い場合は、乾熱延伸工程に続く熱処理工程を追加するこ
とができる。この際の上限加熱温度は、ポリビニルアル
コールの分解防止の点で260℃である。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
なお、本発明における各種の物性値は以下の方法で規定
されたものである。 1)PVAの粘度平均重合度 JIS K−6726に基づき30℃におけるPVA希
薄水溶液の極限粘度〔η〕を測定し、粘度平均重合度を
算出した。
るが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
なお、本発明における各種の物性値は以下の方法で規定
されたものである。 1)PVAの粘度平均重合度 JIS K−6726に基づき30℃におけるPVA希
薄水溶液の極限粘度〔η〕を測定し、粘度平均重合度を
算出した。
【0028】2)ポリビニルアルコール系膜中の多価エ
タノール化合物含有量 多価エタノール化合物を含有せしめた、加熱処理前の膜
を50から140℃のジメチルスルホキシドに溶解せし
めプロトンNMRによりPVAのCH2基ピークに対す
る該化合物のピーク面積比を算出し、予め作成した検量
線よりポリビニルアルコール系重合体の繰り返し単位に
対する含有量を求めた。
タノール化合物含有量 多価エタノール化合物を含有せしめた、加熱処理前の膜
を50から140℃のジメチルスルホキシドに溶解せし
めプロトンNMRによりPVAのCH2基ピークに対す
る該化合物のピーク面積比を算出し、予め作成した検量
線よりポリビニルアルコール系重合体の繰り返し単位に
対する含有量を求めた。
【0029】3)膜の熱水中の溶出量 最終的に得られたポリビニルアルコール系重合体膜(厚
さ約20マイクロメートル)約100ミリグラムを試験
管中に精評し、蒸留水10ミリリットルを加えた後、封
管し、オートクレーブ(ヤマト科学製、SP22)中で
熱処理(121℃,2時間)した。試験管中のポリビニ
ルアルコール系重合体を濾別し、蒸留水で水洗後、乾燥
し(120℃,10時間以上)、溶出率を求めた。
さ約20マイクロメートル)約100ミリグラムを試験
管中に精評し、蒸留水10ミリリットルを加えた後、封
管し、オートクレーブ(ヤマト科学製、SP22)中で
熱処理(121℃,2時間)した。試験管中のポリビニ
ルアルコール系重合体を濾別し、蒸留水で水洗後、乾燥
し(120℃,10時間以上)、溶出率を求めた。
【0030】実施例1〜6 重合度1700、けん化度99.5モル%のポリビニル
アルコールをジメチルスルホキシドに溶解して20重量
%の溶液を得、該溶液をガラス板上に流延しメタノール
浴(0℃)に浸漬して膜化した。更にメタノール中で充
分に洗浄して膜中のジメチルスルホキシドを全部除去
し、最後に、表1に示した各種多価エタノール化合物
を、濃度0.2モル/リッターで添加したメタノール浴
中に、膜を室温下で30分間浸漬し、膜内部および表面
に各種多価エタノール化合物を含有させ、熱風乾燥器中
で乾燥(50℃,30分)した。次に、得られた膜を窒
素気流下で230℃,10分の熱処理を行った。乾燥後
の膜中における各化合物の含有量と、最終的に得られた
膜の溶出率を表1に示す。
アルコールをジメチルスルホキシドに溶解して20重量
%の溶液を得、該溶液をガラス板上に流延しメタノール
浴(0℃)に浸漬して膜化した。更にメタノール中で充
分に洗浄して膜中のジメチルスルホキシドを全部除去
し、最後に、表1に示した各種多価エタノール化合物
を、濃度0.2モル/リッターで添加したメタノール浴
中に、膜を室温下で30分間浸漬し、膜内部および表面
に各種多価エタノール化合物を含有させ、熱風乾燥器中
で乾燥(50℃,30分)した。次に、得られた膜を窒
素気流下で230℃,10分の熱処理を行った。乾燥後
の膜中における各化合物の含有量と、最終的に得られた
膜の溶出率を表1に示す。
【0031】比較例1 最後のメタノール浴に、多価エタノール化合物を添加し
ない点以外は、実施例1〜6と同様の手法で、成膜、乾
燥、熱処理を行った。乾燥後の膜中における各化合物の
含有量と、最終的に得られた膜の溶出率を表1に併せて
示す。
ない点以外は、実施例1〜6と同様の手法で、成膜、乾
燥、熱処理を行った。乾燥後の膜中における各化合物の
含有量と、最終的に得られた膜の溶出率を表1に併せて
示す。
【0032】実施例7〜10、比較例2 最後のメタノール浴に、多価エタノール化合物としてビ
ス(2,2’−ヒドロキシエチル)スルホンを浴に対し
て各々0.02モル/リッター、0.1モル/リッタ
ー、0.4モル/リッター、2モル/リッターで加えた
点以外は実施例1〜6と同様の手法で、成膜、乾燥、熱
処理を行った。乾燥後の膜中における各化合物の含有量
と、最終的に得られた膜の溶出率を表2に示す。
ス(2,2’−ヒドロキシエチル)スルホンを浴に対し
て各々0.02モル/リッター、0.1モル/リッタ
ー、0.4モル/リッター、2モル/リッターで加えた
点以外は実施例1〜6と同様の手法で、成膜、乾燥、熱
処理を行った。乾燥後の膜中における各化合物の含有量
と、最終的に得られた膜の溶出率を表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】上記の実施例により明らかな通り、本発
明のポリビニルアルコール系重合体から得られた膜は従
来のポリビニルアルコール系重合体膜に比べ耐水性、耐
湿熱性が特に優れている。本発明で得られたポリビニル
アルコール系重合体膜は、上記の持徴を生かし各種包装
材料、ガスバリヤ材料、偏光膜基材やフィルター基材等
の光学用膜および各種分離膜等に使用されるなど工業的
な価値が極めて高いものである。
明のポリビニルアルコール系重合体から得られた膜は従
来のポリビニルアルコール系重合体膜に比べ耐水性、耐
湿熱性が特に優れている。本発明で得られたポリビニル
アルコール系重合体膜は、上記の持徴を生かし各種包装
材料、ガスバリヤ材料、偏光膜基材やフィルター基材等
の光学用膜および各種分離膜等に使用されるなど工業的
な価値が極めて高いものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコール系重合体からなる
膜を製造する際に、電子吸引性基に隣接したエタノール
構造を2個以上有する多価エタノール化合物をポリビニ
ルアルコール系重合体の繰り返し単位に対して0.05
〜20モル%含有あるいは付着させた後、加熱処理によ
って該重合体を架橋せしめることを特徴とする膜の製造
方法。 - 【請求項2】 多価エタノール化合物が下記の化1また
は化2で表される化合物である請求項1記載の膜の製造
方法。 【化1】 【化2】 (但し、A、A’はカルボニル基、スルフィニル基、ス
ルホニル基およびフォスホニル基の中から選ばれる電子
吸引性の連結基を示し、Xは酸素原子または窒素原子を
有してもよい2価の炭化水素基を示す。) - 【請求項3】 ポリビニルアルコール系重合体が平均重
合度1000以上およびけん化度70モル%以上である
請求項1または2に記載の膜の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30252497A JPH11140120A (ja) | 1997-11-05 | 1997-11-05 | 膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30252497A JPH11140120A (ja) | 1997-11-05 | 1997-11-05 | 膜の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11140120A true JPH11140120A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=17910010
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30252497A Pending JPH11140120A (ja) | 1997-11-05 | 1997-11-05 | 膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11140120A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003072653A1 (fr) * | 2002-02-26 | 2003-09-04 | Kuraray Co., Ltd. | Composition de resine et structures multicouches |
JP2007191713A (ja) * | 2002-02-26 | 2007-08-02 | Kuraray Co Ltd | 樹脂組成物及び多層構造体 |
-
1997
- 1997-11-05 JP JP30252497A patent/JPH11140120A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003072653A1 (fr) * | 2002-02-26 | 2003-09-04 | Kuraray Co., Ltd. | Composition de resine et structures multicouches |
CN1294198C (zh) * | 2002-02-26 | 2007-01-10 | 可乐丽股份有限公司 | 树脂组合物和多层构造体 |
JP2007191713A (ja) * | 2002-02-26 | 2007-08-02 | Kuraray Co Ltd | 樹脂組成物及び多層構造体 |
US7534829B2 (en) | 2002-02-26 | 2009-05-19 | Kuraray Co., Ltd. | Resin composition and multi-layer structures |
KR100906949B1 (ko) | 2002-02-26 | 2009-07-08 | 가부시키가이샤 구라레 | 수지 조성물 및 다층 구조체 |
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