JPH11139931A - 美白用皮膚外用剤 - Google Patents

美白用皮膚外用剤

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JPH11139931A
JPH11139931A JP30207097A JP30207097A JPH11139931A JP H11139931 A JPH11139931 A JP H11139931A JP 30207097 A JP30207097 A JP 30207097A JP 30207097 A JP30207097 A JP 30207097A JP H11139931 A JPH11139931 A JP H11139931A
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skin
sugiol
preparation
whitening
cells
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JP30207097A
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Takao Hattori
孝雄 服部
Takayuki Katagiri
崇行 片桐
Akiko Kanamaru
晶子 金丸
Tomoyoshi Kato
朋美 加藤
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Pola Chemical Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 日焼け後の皮膚の黒化やシミ、ソバカス、肝
斑等の皮膚における色素沈着を予防、改善する効果に優
れる美白用皮膚外用剤を提供する。 【解決手段】 スギオールを美白用皮膚外用剤に、好ま
しくは、外用剤全量に対して0.001〜10重量%の
割合で配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は美白用皮膚外用剤に
関し、詳しくは、日焼け後の皮膚の黒化やシミ、ソバカ
ス、肝斑等の皮膚における色素沈着を予防、改善する効
果に優れる美白用皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】シミ、ソバカス、肝斑や日焼け後の皮膚
の黒化等の皮膚における色素沈着は、皮膚内に存在する
色素細胞(メラノサイト)の活性化によりメラニン産生
が著しく亢進した結果生ずるものであり、特に中高年齢
層の人々では、深刻な肌の悩みの一つになっている。一
般にメラニンは、メラノサイト中で生合成される酵素チ
ロシナーゼの働きによって、チロシンからドーパ、ドー
パからドーパキノンに変化し、ついで5,6−ジヒドロ
キシインドール等の中間体を経て形成された後、メラノ
サイトから周りの基底細胞(ケラチノサイト)に送り込
まれて、そこに貯蔵されるものとされている。
【0003】従って、皮膚における色素沈着を予防、改
善するためには、メラニン産生過程を阻害すること、あ
るいは既に産生したメラニンを淡色漂白することが考え
られる。このような考えに基づき、従来から種々の美白
成分が提案されてきた。例えば、チロシナーゼ活性を阻
害してメラニン産生を抑制するものとして、グルタチオ
ンに代表される硫黄化合物が挙げられる。また、産生し
たメラニンを淡色漂白するものとしては、過酸化水素、
ヒドロキノン、ビタミンC等が用いられてきた。さら
に、ケラチノサイト内のメラニンを減少させるものとし
てビタミンA酸やビタミンA類の局所投与が行われてき
た。あるいは、安全性等を考慮して、従来知られている
植物からの抽出物等の天然物を美白成分として用いる試
みも多数為されている。
【0004】上記の様に、これまでに色素沈着を予防、
改善する美白成分が種々提案されてきたが、上記ビタミ
ンCに代表されるアスコルビン酸類は、湿性皮膚外用剤
の如き水分を多く含む系においては酸化されやすく不安
定であり、変色、変臭の原因となる点で問題があった。
また、過酸化水素は保存時の安定性ならびに安全性上の
問題があり、グルタチオンや硫黄は著しい異臭を放つた
め皮膚外用剤へ使用することは不適当であった。さら
に、従来知られている植物からの抽出物等の天然物にお
いては、作用が緩慢であるため皮膚の黒化を十分効果的
に防止できないことがあった。一方、ヒドロキノンの色
素沈着改善効果は一応認められているが、皮膚刺激性等
の安全性上問題があるため、一般には使用が制限されて
いた。
【0005】この様に、上記メラニン産生阻害物質やメ
ラニン淡色漂白物質にはいずれも、安定性、安全性、に
おい等の点で問題があったり、あるいは期待し得る効果
が得られなかったりして、皮膚への色素沈着を防止、改
善する物質として、満足のゆくものは未だ得られていな
い。
【0006】ところで、スギオールは、ヒノキ科ヒノキ
属、ヒノキ科ビャクシン属、ヒノキ科ネズミサシ属、マ
キ科ナギ属、シソ科アキギリ属等に属する植物に含まれ
ることが知られており、その生理活性に関しては、抗菌
作用を有するという報告がある(Planta Med., 58(2),
233-234, (1992)等)。しかし、スギオールに色素細胞
を淡色化する作用があることは知られておらず、また、
皮膚における色素沈着の予防や改善のためにスギオール
を使用したという報告もない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点から
なされたものであり、日焼け後の皮膚の黒化やシミ、ソ
バカス、肝斑等の皮膚における色素沈着を予防、改善す
る効果に優れる美白用皮膚外用剤を提供することを課題
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、培養色素細胞を用いてこれを淡色化
する作用を指標に広く種々の植物由来の化学物質をスク
リーニングした結果、スギオールに前記作用があること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
【0009】すなわち本発明は、スギオールを有効成分
として含有する美白用皮膚外用剤である。また、本発明
の美白用皮膚外用剤におけるスギオールの含有量とし
て、具体的には、外用剤全量に対して0.001〜10
重量%程度の含有量を挙げることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の美白用皮膚化粧料が含有するスギオール
について説明する。
【0011】(1)スギオール 本発明の美白用皮膚外用剤は、有効成分としてスギオー
ルを含有する。スギオールは、下記化学式に表されるフ
ェノール性ジテルペンの1種である。
【0012】
【化1】
【0013】スギオールは、上述の様にヒノキ科ヒノキ
属、ヒノキ科ビャクシン属、ヒノキ科ネズミサシ属、マ
キ科ナギ属、シソ科アキギリ属等に属する植物に含まれ
ることが知られている。したがって、これらのスギオー
ルを含有する植物からスギオールを単離精製して本発明
に用いることが可能である。ここで、スギオールを含有
する植物からスギオールを単離精製する方法としては、
一般に行われている単離精製方法を採用することができ
る。
【0014】例えば、スギオールを含有する植物を適当
な溶媒に適当な時間浸漬する。この際、必要に応じて加
熱、撹拌、還流等の操作を行ってもよい。その後、濾過
等により不溶物を取り除いて、得られた濾液を必要に応
じて濃縮した後、通常の精製手段、例えば、カラムクロ
マトグラフィー等によって精製することによりスギオー
ルを得ることができる。また、スギオールは化学合成に
より製造することも可能であり、この様な化学合成よる
スギオールを本発明に用いることも何ら制限されるもの
ではない。
【0015】この様にして得られるスギオールには色素
細胞を淡色化する作用があることが、後述の実施例によ
り確認されている。この色素細胞を淡色化する作用は、
スギオールが色素細胞におけるメラニン産生を抑制する
能力を有するために得られる作用であると推察される。
また、後述の実施例によりスギオールの安全性に問題が
ないことも確認されている。
【0016】次に、スギオールを含有する本発明の美白
用皮膚外用剤について説明する。 (2)本発明の美白用皮膚外用剤 本発明の美白用皮膚外用剤は、上記スギオールを含有す
ることを特徴とする。本発明の美白用皮膚外用剤は、含
有するスギオールが上述の様に色素細胞を淡色化する作
用を有することで、皮膚における色素沈着の発生や進行
を予防、改善することができ、皮膚を美白化する効果に
優れる。
【0017】上記本発明の美白用皮膚外用剤におけるス
ギオールの含有量は、この皮膚外用剤を通常の方法で用
いた際に、皮膚における色素沈着の発生や進行を予防、
改善するのに十分な量、言い換えれば美白用として有効
に作用する量、すなわち有効量であればよい。
【0018】この様なスギオールの有効量として具体的
には、外用剤全量に対して0.001〜10重量%程度
の含有量が挙げられ、好ましくは0.1〜3.0重量%
程度の含有量が挙げられる。本発明の美白用皮膚外用剤
における上記スギオールの含有量が0.001重量%よ
り少ないと、皮膚における色素沈着を予防、改善する効
果が十分に得られないことがあり、また、10重量%を
越えた量を用いたとしても、増加分に見合った効果が望
めないことがある。
【0019】本発明の美白用皮膚外用剤の剤形は、特に
限定されるものではなく、具体的には、クリーム、乳
液、オイル、ローション、軟膏、パック、水性ゲル、オ
イルゲル、浴用剤等が挙げられるが、経皮吸収性を考慮
すると、クリーム、乳液、オイルなどがより好ましい剤
形といえる。これらの美白用皮膚外用剤は、各種剤形に
応じて上記スギオールの適当量が配合される以外は、通
常の皮膚外用剤と同様の方法で製造することができる。
【0020】また、本発明の美白用皮膚外用剤には、上
記スギオール以外に、通常、皮膚外用剤に適用される成
分、例えば、水、炭化水素類、エステル類、油脂類、高
級アルコール類、高級脂肪酸類、界面活性剤、多価アル
コール類、低級アルコール類、防腐剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、増粘剤、保湿剤、粉末成分、抗炎症剤、p
H調整剤、金属封鎖剤、糖類、香料、色剤、各種薬効成
分、さらには、上記スギオール以外の美白成分等が、必
要に応じて適宜選択されて配合される。
【0021】具体的には、炭化水素類として流動パラフ
ィン、ワセリン、スクワラン等を、エステル類としてミ
リスチン酸イソプロピル(IPM)、合成ゲイロウ、ホ
ホバ油、カルナウバワックス等を、油脂類としてオリー
ブ油、牛脂等を、高級アルコール類としてセタノール、
ステアリルアルコール等を、高級脂肪酸類としてステア
リン酸、オレイン酸等を、
【0022】界面活性剤類として、ラウリル硫酸ナトリ
ウム、アルキルスルホコハク酸エステルなどのアニオン
界面活性剤、4級アルキルアミン塩等のカチオン界面活
性剤、ポリオキシエチレンセチルエーテル、モノステア
リン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸グリ
セリン、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸
エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、脂肪
酸モノグリセライド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
などのノニオン界面活性剤、アルキルベタインなどの両
性界面活性剤等を、
【0023】多価アルコール類としてグリセリンやプロ
ピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等を、
低級アルコール類としてエタノール、プロパノール等
を、防腐剤としてパラベン類やグルコン酸クロルヘキシ
ジン等を、紫外線吸収剤としてパラアミノ安息香酸誘導
体、ベンゾフェノン誘導体等を、酸化防止剤としてビタ
ミンEやブチルヒドロキシトルエン(BHT)等を、増
粘剤としてアラビアゴム、カルボキシビニルポリマー、
キサンタンガム、ポリビニルアルコール等を、保湿剤と
してポリエチレングリコール等を、
【0024】粉体成分として酸化チタン、シリカゲル、
タルク、アクリル酸−メタクリル酸共重合体等を、抗炎
症剤としてグリチルリチン酸ジカリウム、トラネキサム
酸やその誘導体等を、pH調整剤としてクエン酸塩、酢
酸塩等を、金属封鎖剤としてエデト酸二ナトリウム、エ
デト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸
ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等を、
糖類としてグルコース、フルクトース、マンノース、シ
ョ糖、トレハロース、硫酸化トレハロース等を、また、
薬効成分として各種目的に応じた薬効成分、例えば、ヒ
アルロン酸、胎盤抽出物、甘草抽出物、朝鮮人参エキ
ス、ビタミン類、ステロール配糖体等を挙げることがで
きる。さらにこの他にも、本発明の美白用皮膚外用剤が
含有可能な任意成分として、カフェイン、タンニン、ベ
ラパミル、グラブリジン、グリチルリチン酸およびその
誘導体またはその塩、4−(1,1−ジメチルエチル)
−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、水酸化カリウ
ム等を挙げることができる。
【0025】また、スギオール以外の美白成分として、
具体的には、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネ
シウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウ
ジ酸等が挙げられる。
【0026】本発明の美白用皮膚外用剤は、皮膚の色素
沈着の予防あるいは改善のために用いることができ、そ
のような目的であれば、医薬品、医薬部外品または化粧
料等の用途は特に限定されるものではないが、より好適
な用途として、医薬部外品、化粧料等を挙げることがで
きる。
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れら実施例に制限されるものではない。まず、本発明の
美白用皮膚外用剤が含有するスギオールの製造例および
スギオールの色素細胞淡色化作用について説明する。
【0028】
【製造例】 スギオールの製造 ヒノキ科ヒノキ属に属するヒノキの樹皮500gをベン
ゼン5L中に入れ100℃で4時間加熱還流した。その
後、濾過により不溶物を除去し、得られた濾液を濃縮し
た。この濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にかけて、1.0gのスギオールを単離精製した。この
様にして得られたスギオールについて1H−NMRを測
定しスギオールであることの確認を行った。測定結果と
文献値を以下に示す。
【0029】<測定値>1H−NMR(CDCL3)δ:
0.92(3H,s),1.01(3H,s),1.20-1.30(9H,s,d,d),1.48-1.8
0(5H,m),1.86(1H,dd),2.58-2.66(2H,m),3.22(1H,sept),
3.36(1H,m),6.76(1H,s),7.85(1H,s)
【0030】<文献値>1H−NMR(CDCL3)δ:
0.92(3H,s),0.99(3H,s),1.22(3H,s),1.25(3H,d),1.27(3
H,d),1.40-1.80(5H,m),1.85(1H,dd),2.59(1H,dd),2.68
(1H,dd),3.12(1H,sept),3.21(1H,dt),6.96(1H,s),7.91
(1H,s)(Chem. Pharm. Bull., 41(8), 1415-1417, (199
3))
【0031】<スギオールに関する評価>上記製造例で
得られたスギオールを用いて、以下の方法により、スギ
オールの色素細胞淡色化作用および皮膚刺激性に関する
評価を行った。
【0032】(1)色素細胞の淡色化試験 プラスチック培養フラスコ(25cm2)24本に10
%牛胎児血清を含むイーグルMEM培地を5mLずつ入
れ、このフラスコ内の培地にそれぞれ培地1mL当たり
1.8×104個の割合でマウスメラノーマ細胞(B1
6細胞)を播種し、5%二酸化炭素雰囲気下、37℃で
一昼夜培養を行った。その後、前記フラスコを3本ずつ
8組にわけ、そのうち4組には上記製造例で得られたス
ギオールのDMSO(ジメチルスルフォキシド)溶液
を、培地中におけるスギオールの濃度がそれぞれ、2.
5、5.0、10.0、20.0μMとなるように添加
し、また別の3組にはチロシナーゼ阻害剤として知られ
ているフェニルチオウレアのDMSO溶液を、培地中に
おけるフェニルチオウレアの濃度がそれぞれ、20.
0、50.0、100.0μMとなるように添加し、さ
らに残りの1組にはDMSO溶液のみを添加し、上記培
養と同様の条件(37℃、5%CO2)でさらに2日間
培養した。
【0033】培養終了後、上記各培養フラスコから培地
を除去し、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄した
後、トリプシン及びEDTA含有溶液を用いてフラスコ
壁面から細胞を剥離させ細胞懸濁液とし、この細胞懸濁
液から遠心分離により細胞を回収した。この際、各フラ
スコ毎に回収した細胞の個数を肉眼観察で測定した。
【0034】DMSO溶液のみを添加したとき(コント
ロール)の細胞数(フラスコ3本の平均値)に対するス
ギオール添加のフラスコにおける細胞数の百分率をそれ
ぞれ求め、さらに、各添加濃度においてフラスコ3本の
平均値を求めた。得られた値を以下の評価基準によって
評価した。結果を表1に示す。
【0035】(評価基準) → : 100%(コントロールと同等) ↓ : 80%以上100%未満 ↓↓ : 50%以上80%未満 ↓↓↓ : 50%未満 死滅 : 細胞が確認できない
【0036】また、上記回収されたスギオール添加の各
フラスコにおける細胞についてその色調を、コントロー
ルおよびフェニルチオウレア添加のフラスコにおける回
収細胞の各添加濃度毎の平均的な色調と比較して、以下
の評価基準により評価した。さらに、スギオールの添加
濃度毎に3本の平均を求めた。結果を表1に示す。
【0037】(評価基準) − : コントロールの細胞と同等の色調 ± : フェニルチオウレア20.0μM添加の細胞
と同等の色調 + : フェニルチオウレア50.0μM添加の細胞
と同等の色調 ++ : フェニルチオウレア100.0μM添加の
細胞と同等の色調
【0038】ここで、マウスメラノーマ培養細胞の色調
は、培養の際に添加されたフェニルチオウレアの量が多
いほど、淡色化の度合いが大きい。
【0039】
【表1】
【0040】この結果からわかるように、本発明の美白
用皮膚外用剤に有効成分として用いるスギオールは、少
量の添加でマウスメラノーマ細胞を、チロシナーゼ阻害
剤であるフェニルチオウレアの相当量を添加した際と同
様の色調に、淡色化することができる。スギオールがこ
の様なマウスメラノーマ細胞の淡色化作用を有すること
については、スギオールがマウスメラノーマ細胞におけ
るメラニン産生の抑制に何らかの形で寄与していること
によるものと推察される。
【0041】(2)皮膚一次刺激性試験 ハートレー系モルモット(雌、10週齢)を用いて、ス
ギオールの皮膚一次刺激性試験を行った。すなわち、試
料として、上記製造例で得られたスギオールを10%、
5%、3%、1%の各濃度で分散あるいは溶解したエタ
ノール試料液、および何も溶解していないエタノールの
5種類を用意した。各試料に付き3匹ずつ用意されたモ
ルモット(モルモットNo.1〜3:スギオール10%
含有エタノール、No.4〜6:スギオール5%含有エ
タノール、No.7〜9:スギオール3%含有エタノー
ル、No.10〜12:スギオール1%含有エタノー
ル、No.13〜15:エタノール)のそれぞれ除剃毛
した背部皮膚に100μlの試料をクローズパッチし、
24時間後にパッチを除去し、除去後の皮膚反応を以下
の基準により経時的に観察した。結果を表2に示す。
【0042】(評価基準) − : 無反応(無刺激) ± : わずかな紅斑 + : 明確な紅斑 ++ : 浮腫を伴う紅斑
【0043】
【表2】
【0044】この結果から、本発明の美白用皮膚外用剤
に有効成分として用いるスギオールには、皮膚一次刺激
性がないことが明らかである。
【0045】次に、上記製造例で得られたスギオールを
含有する本発明の美白用皮膚外用剤の実施例について説
明する。なお、以下に用いる配合量は全て重量%であ
る。
【0046】
【実施例1】 水中油型クリーム 表3に示す(A)、(B)の各成分を、それぞれ80℃
で撹拌しながら溶解した。前記溶解した(A)成分と
(B)成分を混合して撹拌乳化し、その後冷却して、水
中油型クリームを得た。
【0047】また、比較のために実施例1の水中油型ク
リームにおいて、スギオールを精製水に置き換えた以外
は、全く実施例1と同様にして比較例1の水中油型クリ
ームを製造した。
【0048】
【表3】
【0049】
【実施例2】 乳液 表4に示す(A)、(B)の各成分を、それぞれ70℃
で撹拌しながら溶解した。前記溶解した(B)成分に
(A)成分を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一
に乳化し、乳化後かき混ぜながら30℃まで冷却して、
乳液を製造した。
【0050】
【表4】
【0051】
【実施例3】 化粧水 表5に示す(A)の各成分を合わせ室温下で溶解した。
一方(B)の各成分も室温下で溶解し、これを前記
(A)成分に加えて可溶化して化粧水を製造した。
【0052】
【表5】
【0053】
【実施例4】 パック料 表6に示す(A)の成分を室温にて分散溶解した。これ
に(B)成分を加えて均一に溶解して、パック料を製造
した。
【0054】
【表6】
【0055】<本発明の美白用皮膚外用剤の評価>上記
実施例1および比較例1で得られた水中油型クリーム
を、統計的に同等な各40名の色黒、シミ、ソバカスに
悩む女性パネラーに、通常の使用方法で、3ヶ月間連続
して使用してもらった。3ヶ月間の連続使用終了後、各
パネラーに実使用による色素沈着改善効果を、有効、や
や有効、無効、から選択してもらうアンケート調査を行
い、各クリームを評価した。また、実使用試験に参加し
てもらった全体の人数(40人)に対する有効あるいは
やや有効と答えた人の合計数の百分率を求め、これを有
効率として評価に用いた。結果を表7に示す。
【0056】
【表7】
【0057】この結果から明らかなように、スギオール
を含有する実施例の水中油型クリームは、スギオールを
含有しない比較例の水中油型クリームに比して、格段に
有効な色素沈着改善効果を有することが確認された。な
お、実使用期間中、各パネラーとも、実施例の水中油型
クリームの塗布部位において皮膚に好ましくない反応は
全く観察されなかった。
【0058】さらに、実施例2および実施例3で得られ
た皮膚外用剤についても、上記と同様にして実使用試験
を行ったところ、上記実施例1で得られた水中油型クリ
ームと同様にこれらの皮膚外用剤についても優れた色素
沈着改善効果が確認された。
【0059】
【発明の効果】本発明の美白用皮膚外用剤は、有効成分
としてスギオールを含有することにより、皮膚の色素沈
着を有効に予防、改善することが可能であり、美白効果
に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 朋美 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560ポーラ化 成工業株式会社戸塚研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スギオールを有効成分として含有する美
    白用皮膚外用剤。
  2. 【請求項2】 スギオールの含有量が外用剤全量に対し
    て0.001〜10重量%である請求項1記載の美白用
    皮膚外用剤。
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JP2010070501A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Noevir Co Ltd 保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤、中性脂肪蓄積抑制剤、美白剤、抗炎症剤、皮膚外用剤、経口用剤

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