JPH1113660A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JPH1113660A
JPH1113660A JP9162491A JP16249197A JPH1113660A JP H1113660 A JPH1113660 A JP H1113660A JP 9162491 A JP9162491 A JP 9162491A JP 16249197 A JP16249197 A JP 16249197A JP H1113660 A JPH1113660 A JP H1113660A
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JP
Japan
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bearing
scroll
oil
scroll compressor
orbiting scroll
Prior art date
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Application number
JP9162491A
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English (en)
Inventor
Kenji Matsuba
謙治 松葉
Masaki Nomura
雅樹 野村
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑性が高く油戻り性の良いHFC系冷媒を
使用したスクロール圧縮機を提供する。 【解決手段】 HFC系冷媒を使用したスクロール圧縮
機において、冷凍機油として粘度グレード68のポリビ
ニルエーテル油を使用することによって、従来のHCF
C系冷媒/鉱油を用いた場合と同等の潤滑特性と低温度
流動特性を得ることができる。こうして、潤滑性が高く
油戻り性の良いHFC系冷媒を使用したスクロール圧縮
機を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハイドロフルオ
ロカーボン(以下、HFCと略称する)系冷媒を用いたス
クロール圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、スクロール圧縮機としては、
ハイドロクロロフルオロカーボン(以下、HCFCと略
称する)系冷媒を用い、スニソ4GS等の鉱油を冷凍機
油として用いたものが主流である。ところで、近年、地
球環境保護のために、スクロール圧縮機においてもHC
FC系冷媒からHFC系冷媒への転換が盛んに検討され
ている。
【0003】ところが、HFC系冷媒を用いたスクロー
ル圧縮機では、冷媒中に潤滑効果のある塩素が含まれて
いないために潤滑特性が低下する。したがって、冷凍機
油として、粘度グレード56の鉱油と同等の粘度グレー
ドの代替冷凍機油を用いた場合には、スクロール圧縮機
の滑り軸受での流体潤滑が確保できずに金属接触が生
じ、摩耗や焼き付きに至る。
【0004】そこで、従来は、滑り軸受に対する給油量
を増やすことや、冷凍機油の粘度グレードのアップ等が
検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記H
FC系冷媒と粘度グレード56相当の代替冷凍機油とを
用いたスクロール圧縮機において、滑り軸受への給油量
を増やした場合には、上記滑り軸受はスクロール部に近
い位置にあるため、給油された冷凍機油の量の増加に伴
って冷媒ガスと共に吐出口から排出される油上がり量が
増加する。その結果、過渡時にボトム油が切れたり熱交
換器の効率が悪くなるという問題がある。
【0006】また、一般には、スニソ4GS等の鉱油で
は、鉱物油であるためにワックスを完全に除去できずに
残っている。そして、ワックス分が多い程低温流動特性
が低下する。また、ワックス分がある場合には、潤滑性
向上のために粘度グレードを上げると低温流動特性が低
下する。したがって、ワックスが残っている分、粘度グ
レードのアップに伴う低温流動特性の低下に起因して、
冷媒循環系からの油戻り性能が低下してしまう。そのた
めに、過渡的に多量の冷凍機油が吐出口から吐出された
場合に、圧縮機ボトム油に油面切れが生じたり、油切れ
の時間が長くなり、潤滑不良に至るという問題がある。
【0007】また、一般に、滑り軸受の軸受隙間(オイ
ルクリアランス)を大きくするほど運転中の軸受最小油
膜厚さが小さくなる。したがって、従来のHCFC系冷
媒/粘度グレード56の鉱油を用いたスクロール圧縮機
の場合には、油膜確保のためにかなり小さい軸受隙間に
する必要があり、次のような問題が生ずる。
【0008】すなわち、組み立て工程において、上記滑
り軸受にクランクシャフト端部を挿入する場合にこじり
が生じ易く、軸受に損傷が生ずる。また、スクロール圧
縮機の運転中に、スラスト方向への冷媒ガス荷重が不足
したり低速運転になった場合には、旋回スクロールが転
覆して軸受が片当たり摩耗を起こす。また、特に、滑り
軸受材として金属系材よりも耐焼付性や耐摩耗性等に優
れた樹脂材を使用した場合には、軸受部の温度が上昇し
た場合に滑り軸受材が熱膨張によってクランクシャフト
と接触して摩耗する。
【0009】そこで、この発明の目的は、滑り軸受の十
分な最小油膜厚さを確保して高い潤滑性を保持し、組み
立て性および運転特性の良い、HFC系冷媒を使用した
スクロール圧縮機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明のスクロール圧縮機は、HFC
系冷媒とポリビニルエーテル油とを用いるスクロール圧
縮機であって、固定スクロールおよび旋回スクロール
と、上記旋回スクロールを旋回させるクランクシャフト
と、上記クランクシャフトのクランクピン部と上記旋回
スクロールとの間のピン軸受と、上記クランクピン部に
近い側で上記クランクシャフトの本体を支承する第1軸
受と、上記クランクピン部から遠い側で上記クランクシ
ャフトの本体を支承する第2軸受を備えて、上記ピン軸
受,第1軸受および第2軸受のうちの少なくとも1つは
滑り軸受であることを特徴としている。
【0011】上記構成によれば、冷凍機油として使用さ
れるポリビニルエーテル油は、ワックス分を含んではい
ない。したがって、低温度流動特性がよく、粘度を上げ
ても鉱油と同程度の低温度流動特性を呈する。したがっ
て、HFC系冷媒を用いたスクロール圧縮機の冷凍機油
として使用した場合に、HFC系冷媒の潤滑性の低さを
補うことができ、HFC系冷媒を使用した滑り軸受を擁
するスクロール圧縮機を実現可能にする。
【0012】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明のスクロール圧縮機において、上記ポリビニル
エーテル油は、低温流動点が−40℃以下であるポリビ
ニルエーテル油、あるいは、40℃における動粘度が6
1.2cSt〜74.8cStであるポリビニルエーテル油で
あることを特徴としている。
【0013】上記構成によれば、上記ポリビニルエーテ
ル油の粘度は、粘度グレード68に相当する粘度であ
る。したがって、HFC系冷媒の潤滑性の低さを補って
十分な潤滑特性を示す。
【0014】また、請求項3に係る発明は、請求項2に
係る発明のスクロール圧縮機において、上記滑り軸受に
おける軸受隙間δと軸受内径Dとの比δ/Dは、下記の
範囲内にあることを特徴としている。 0.0015≦δ/D≦0.0020
【0015】上記構成によれば、上記ポリビニルエーテ
ル油は、滑り軸受とクランクシャフトとの表面粗度以上
の最小油膜厚さを形成して、上記滑り軸受と上記クラン
クシャフトの本体あるいはクランクピン部との間の潤滑
性を確保する。また、従来よりも大きな軸受隙間δを形
成して良好な組み立て性を呈する。
【0016】また、請求項4に係る発明は、請求項3に
係る発明のスクロール圧縮機において、上記滑り軸受
は、多孔質の青銅層にポリ四フッ化エチレン,ポリイミ
ドあるいはポリアミドイミドを主成分とする樹脂を含浸
させて形成されていることを特徴としている。
【0017】上記構成によれば、上記滑り軸受を耐焼付
性や耐摩耗性に優れた樹脂を主とした材質のもので形成
しても、樹脂の熱膨張によって上記滑り軸受が上記クラ
ンクシャフトの本体あるいはクランクピン部に接触する
ことはない。
【0018】また、請求項5に係る発明は、請求項1に
係る発明のスクロール圧縮機において、上記旋回スクロ
ールのスラスト荷重を支持する支持台を備えると共に、
上記ピン軸受は滑り軸受であり、上記滑り軸受における
軸受隙間δは下記の範囲内にあることを特徴としてい
る。 δ≧(1−cosθ)(L+D) θ=tan-1(h/s) 但し、D:上記滑り軸受の内径 L:上記支持台の外径 h:上記旋回スクロールの軸方向への移動可能隙間 s:上記旋回スクロールの傾き支点から上記旋回スクロ
ール上における固定スクロールへの当接点までの水平距
【0019】上記構成によれば、スラスト方向への冷媒
ガス荷重が不足したり、低速運転になって上記旋回スク
ロールが傾いても、同時に傾く上記滑り軸受が上記クラ
ンクピン部に接触することがない。したがって、上記滑
り軸受は片当たり摩耗を起こすことがない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態のスク
ロール圧縮機における縦断面図である。クランクシャフ
ト1が電動機2によって回転されると、クランクシャフ
ト1の本体の一方の端部にシャフト中心から偏心して設
けられたクランクピン部3がクランクシャフト1本体の
軸心を中心として旋回する。そうすると、中心に設けら
れた軸受部5にクランクピン部3が挿入されている旋回
スクロール4も、クランクシャフト1本体の軸心を中心
として旋回する。そして、旋回スクロール4上に設けら
れた渦巻き状のラップ6と、固定スクロール7上に設け
られた渦巻き状のラップ8との間で中心に向かう圧縮動
作が行われる。
【0021】その結果、吸入パイプ9から取り込まれた
冷媒は、上記旋回スクロール4と固定スクロール7とに
よる圧縮動作によって圧縮されて吐出口10からチャン
バ11内に吐出される。そして、吐出パイプ12から排
出される。
【0022】ここで、上記クランクシャフト1本体に掛
かるラジアル荷重は、クランクピン部3直下の第1滑り
軸受13と、クランクシャフト1本体の他方の端部に設
けられた第2滑り軸受14とで受けられる。
【0023】図2は、図1に示すようなスクロール圧縮
機に使用される冷媒および冷凍機油の組み合わせと低温
流動特性および潤滑特性との関係を示す。冷媒を上記H
CFC系冷媒からHFC系冷媒に替える一方、冷凍機油
を粘度グレード56の鉱油から粘度グレード56のポリ
ビニルエーテル油(以下、単にエーテル油と言う)に替え
た場合には、HFC系冷媒の低潤滑性を補うことができ
ず摩耗や焼き付きが発生する。
【0024】図3は、上記冷凍機油の粘度グレードと低
温流動点との関係を示す。ここで、上記低温流動点と
は、冷凍機油を容器に入れて90度傾けた場合に、冷凍
機油が流れ出さなくなるときの雰囲気温度である。図か
ら分かるように、上記鉱油は、粘度を粘度グレード56
から粘度グレード68に上げると、低温流動特性が低下
して油戻り性能が低下して圧縮機ボトム油の油面切れに
至る。一方、エーテル油の場合には、粘度グレードを上
げると低温流動特性は低下するもののワックス分を含ん
でいないために全体的に低温流動特性は高く、粘度グレ
ード68で粘度グレード56の鉱油と同等の低温流動特
性を示す。
【0025】そこで、上記HFC系冷媒を使用する場合
の冷凍機油として粘度グレード68のエーテル油を用い
ると、図2に示すように、潤滑特性および低温流動特性
とも優れた特性を示し、HFC系冷媒の使用が可能とな
るのである。ここで、粘度グレード68とは、40℃に
おける動粘度が61.2cSt〜74.8cStに対応してい
る。
【0026】図4は、HFC系冷媒/エーテル油(粘度グ
レード68)を使用した場合と、HCFC系冷媒/鉱油
(粘度グレード56)を使用した場合とについて、軸受隙
間比δ/Dと最小油膜厚さとの関係を示す。但し、Dは
クランクピン部3を支承する滑り軸受であるピン軸受1
6の内径であり、δは軸受隙間である。上述したよう
に、軸受隙間δが小さいと組み立て性が悪くなるため
に、軸受隙間比δ/Dは0.0015以上は必要である。
また、上記最小油膜厚さがピン軸受16またはクランク
ピン部3の表面粗度等から決まる所定値(このときの潤
滑指数を1とする)以下になると、ピン軸受16とクラ
ンクピン部3との間の潤滑性を確保できない。したがっ
て、最小油膜厚さは、上記所定値より大きな値が必要で
ある。
【0027】このように、上記ピン軸受16において
は、0.0015以上の軸受隙間比δ/D(斜線領域(A))
と上記所定値よりも大きな最小油膜厚さ(斜線領域(B))
を必要とする。ところが、HCFC系冷媒/鉱油(粘度グ
レード56)を使用した場合には、2つの斜線領域(A),
(B)が交差する領域(C)に掛かってはおらず、上述のよ
うな問題を呈している。これに対して、HFC系冷媒/
エーテル油(粘度グレード68)を使用した場合には領域
(C)に掛かっており、軸受隙間比δ/Dを0.0015≦
δ/D≦0.002と制限することによって上記2つの条
件を満たすことができるのである。
【0028】その結果、軸受間隔δを従来よりも大きく
することができ、多孔質の青銅層にポリ四フッ化エチレ
ン(PTFE),ポリイミド(PI)またはポリアミドイミ
ド(PAI)を主成分とする樹脂を含浸させてピン軸受1
6を形成した場合でも、ピン軸受16が熱膨張してクラ
ンクシャフト1に接触することを防止できる。こうし
て、耐焼付性や耐摩耗性に優れた上記樹脂を主成分とし
たピン軸受16の使用が可能となる。
【0029】尚、本実施の形態においては、軸受隙間比
δ/Dの範囲をクランクピン部3のピン軸受16を例に
説明しているが、クランクシャフト1の本体の第1滑り
軸受13あるいは第2滑り軸受14にも適用できる。
【0030】上述のように、本実施の形態においては、
スクロール圧縮機を用い、冷媒としてHFC系冷媒を使
用する場合には、冷凍機油を鉱油よりも低温流動特性が
高いエーテル油とする。そうすることによって、冷凍機
油の粘度グレードを粘度グレード68に上げても、HC
FC系冷媒使用時における最もよく使用されていた粘度
グレード56の鉱油と同等の低温流動特性を得ることが
できる。したがって、上記スクロール圧縮機でHFC系
冷媒を用いる場合に、優れた潤滑特性及び低温流動特性
を得ることができ、圧縮機ボトム油の油面切れを生ずる
ことがない。したがって、各滑り軸受の摩耗や焼き付き
等の損傷を防止できる。
【0031】また、上記ピン軸受16,第1滑り軸受1
3および第2滑り軸受14における軸受隙間比δ/Dを 0.0015≦δ/D≦0.002とすることによって、
表面粗度等から決まる所定値以上の最小油膜厚さの確保
と良好な組み立て性とを可能にするのである。
【0032】上述のように、スラスト方向への冷媒ガス
圧が不足したり低速運転になった場合には、旋回スクロ
ール4が転覆して滑り軸受が片当たり摩耗を起こす場合
が生ずる。そこで、本実施の形態においては、クランク
ピン部3のピン軸受16を、次に示すような構造にす
る。
【0033】図5は、上記スクロール部の縦断面図であ
る。スクロール部21は、渦巻き状のラップ8が設けら
れている固定スクロール7と、固定スクロール7のラッ
プ8内に嵌合する渦巻き状のラップ6が設けられている
旋回スクロール4と、固定スクロール7に取り付けられ
る共に旋回スクロール4のスラストガス荷重を支持する
支持部材22で概略構成されている。上記旋回スクロー
ル4における反ラップ側の中心には、円筒形を有する軸
受部5が形成されており、軸受部5内には円筒形のピン
軸受16が嵌合されている。そして、ピン軸受16内に
は、クランクシャフト1のクランクピン部3が挿入され
ている。
【0034】上記構成を有するスクロール部21におい
て、スラスト方向への冷媒ガス圧が不足してモーメント
の釣り合いが崩れると、図6に示すように旋回スクロー
ル4が転覆する。このときの転覆の支点は、支持部材2
2における旋回スクロール4を支持する支持台24の最
外縁の一点Pとなる。また、そうしたときの旋回スクロ
ール4の最大傾き角θは、旋回スクロール4の支点Pか
ら旋回スクロール4上の固定スクロール7に当接する点
(本実施の形態においては支点Pの反対側の最外縁の上
端点)Qまでの水平距離をsとし、旋回スクロール4の
軸方向への移動可能隙間をhとすると、 θ=tan-1(h/s) となる。
【0035】そのとき、図7に示すように、上記軸受部
5内に嵌合されているピン軸受16の上端面の内周縁に
ある点Rも、支点Pを中心として点R'まで角度θだけ
回転する。それに連れて、ピン軸受16上の点Rは線分
RR"だけクランクピン部3に近付くことなる。この距
離RR"は、滑り軸受16の内径をDとし、支持台24
の外径をLとすると、 PR'=PR=(L+D)/2 ∠R'PR"=θ であるから、次のように求まる。 すなわち、 RR"=PR−PR"=PR−PR'cosθ
=(1−cosθ)(L+D)/2
【0036】ここで、上記滑り軸受16とクランクピン
部3との半径隙間δ/2を、旋回スクロール4転覆時に
おける点Rの水平方向への最大移動量であるRR"以上
に予め設定しておけば、旋回スクロール4転覆時にピン
軸受16が片当たり摩耗することはない。そこで、本実
施の形態においては、半径隙間δ/2を以下のように設
定するのである。 δ/2≧(1−cosθ)(L+D)/2 したがって、上記軸受隙間δは δ≧(1−cosθ)(L+D) となる。
【0037】このように、本実施の形態においては、上
記軸受隙間δを δ≧(1−cosθ)(L+D) としている。こうすることによって、スラスト方向への
冷媒ガス圧が不足したり低速運転になって旋回スクロー
ル4が転覆しても、クランクピン部3にピン軸受16が
片当たりしてその部分だけが摩耗することはない。
【0038】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明のスクロール圧縮機は、固定スクロールと旋回ス
クロールとを有し、上記旋回スクロールとクランクピン
部との間のピン軸受及び上記クランクシャフトの本体を
支承する第1,第2軸受のうちの少なくとも1つは滑り
軸受であり、冷凍機油としてエーテル油を用いるので、
低温度流動特性がよいエーテル油の粘度を上げることに
よって、HFC系冷媒の潤滑性の低さを補い、且つ、油
戻り性能を確保することができる。したがって、上記H
FC系冷媒を使用したスクロール圧縮機を実現できる。
【0039】また、請求項2に係る発明のスクロール圧
縮機における上記エーテル油は、低温流動点が−40℃
以下であるエーテル油、あるいは、40℃における動粘
度が61.2cSt〜74.8cStであるエーテル油である
ので、上記HFC系冷媒の潤滑性の低さを補って十分な
潤滑性を得ることができる。
【0040】また、請求項3に係る発明のスクロール圧
縮機は、上記滑り軸受における軸受隙間δと軸受内径D
との比δ/Dの範囲を 0.0015≦δ/D≦0.0020 にしたので、上記エーテル油は、滑り軸受の表面粗度以
上の最小油膜厚さを形成して上記滑り軸受と上記クラン
クシャフトの本体あるいはクランクピン部との間の潤滑
性を確保できる。また、従来よりも大きな軸受隙間δを
形成して良好な組み立て性を確保できる。
【0041】また、請求項4に係る発明のスクロール圧
縮機における上記滑り軸受は、多孔質の青銅層にポリ四
フッ化エチレン,ポリイミドあるいはポリアミドイミド
を主成分とする樹脂を含浸させて形成されているので、
耐焼付性や耐摩耗性に優れた滑り軸受を得ることができ
る。その場合に、樹脂の熱膨張によって上記滑り軸受が
上記クランクシャフトの本体あるいはクランクピン部に
接触することを防止できる。
【0042】また、請求項5に係る発明のスクロール圧
縮機は、上記旋回スクロールのスラスト荷重を支持する
支持台を備えると共に、上記ピン軸受は滑り軸受であ
り、上記滑り軸受における軸受隙間δの範囲を δ≧(1−cosθ)(L+D) θ=tan-1(h/s) 但し、D:上記滑り軸受の内径 L:上記支持台の外径 h:上記旋回スクロールの軸方向への移動可能隙間 s:上記旋回スクロールの傾き支点から上記旋回スクロ
ール上における固定スクロールへの当接点までの水平距
離 にしたので、上記旋回スクロールが傾いても、同時に傾
く上記ピン軸受が上記クランクピン部に接触することを
回避できる。したがって、上記旋回スクロールの転覆に
起因して上記滑り軸受が片当たり摩耗することを防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のスクロール圧縮機の断面図である。
【図2】図1に示すスクロール圧縮機に使用される冷媒
および冷凍機油の組み合わせと低温流動特性および潤滑
特性との関係を示す図である。
【図3】冷凍機油の粘度グレードと低温流動点との関係
を示す図である。
【図4】軸受隙間比δ/Dと最小油膜厚さとの関係を示
す図である。
【図5】図1におけるスクロール部の縦断面図である。
【図6】図1における旋回スクロールが転覆した状態を
示す図である。
【図7】図6におけるピン軸受部分の拡大図である。
【符号の説明】
1…クランクシャフト、 3…クランクピン
部、4…旋回スクロール、 5…軸受部、
6,8…ラップ、 7…固定スクロー
ル、10…吐出口、 13…第1滑
り軸受、14…第2滑り軸受、 16…ピ
ン軸受、21…スクロール部、 22…支
持部材。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハイドロフルオロカーボン系冷媒とポリ
    ビニルエーテル油とを用いるスクロール圧縮機であっ
    て、 固定スクロール(7)および旋回スクロール(4)と、 上記旋回スクロール(4)を旋回させるクランクシャフト
    (1)と、 上記クランクシャフト(1)のクランクピン部(3)と上記
    旋回スクロール(4)との間のピン軸受(16)と、 上記クランクピン部(3)に近い側で上記クランクシャフ
    ト(1)の本体を支承する第1軸受(13)と、 上記クランクピン部(3)から遠い側で上記クランクシャ
    フト(1)の本体を支承する第2軸受(14)を備えて、 上記ピン軸受(16),第1軸受(13)および第2軸受(1
    4)のうちの少なくとも1つは滑り軸受であることを特
    徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスクロール圧縮機にお
    いて、 上記ポリビニルエーテル油は、低温流動点が−40℃以
    下であるポリビニルエーテル油、あるいは、40℃にお
    ける動粘度が61.2cSt〜74.8cStであるポリビニ
    ルエーテル油であることを特徴とするスクロール圧縮
    機。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のスクロール圧縮機にお
    いて、 上記滑り軸受における軸受隙間δと軸受内径Dとの比δ
    /Dは、下記の範囲内にあることを特徴とするスクロー
    ル圧縮機。 0.0015≦δ/D≦0.0020
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のスクロール圧縮機にお
    いて、 上記滑り軸受は、多孔質の青銅層にポリ四フッ化エチレ
    ン,ポリイミドあるいはポリアミドイミドを主成分とす
    る樹脂を含浸させて形成されていることを特徴とするス
    クロール圧縮機。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のスクロール圧縮機にお
    いて、 上記旋回スクロール(4)のスラスト荷重を支持する支持
    台(24)を備えると共に、 上記ピン軸受(16)は滑り軸受であり、 上記滑り軸受(16)における軸受隙間δの範囲は、下記
    の範囲内にあることを特徴とするスクロール圧縮機。 δ≧(1−cosθ)(L+D) θ=tan-1(h/s) 但し、D:上記滑り軸受(16)の内径 L:上記支持台(24)の外径 h:上記旋回スクロール(4)の軸方向への移動可能隙間 s:上記旋回スクロール(4)の傾き支点(P)から上記旋
    回スクロール(4)上における固定スクロール(7)への当
    接点(Q)までの水平距離
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