JPH08151587A - Hfc系冷媒用冷凍装置 - Google Patents

Hfc系冷媒用冷凍装置

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JPH08151587A
JPH08151587A JP6296542A JP29654294A JPH08151587A JP H08151587 A JPH08151587 A JP H08151587A JP 6296542 A JP6296542 A JP 6296542A JP 29654294 A JP29654294 A JP 29654294A JP H08151587 A JPH08151587 A JP H08151587A
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JP
Japan
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oil
hfc
refrigerant
refrigerating machine
machine oil
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JP6296542A
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English (en)
Inventor
Hideki Hara
日出樹 原
Shotaro Mishina
正太郎 三科
Naoaki Izumitani
直昭 泉谷
Michio Moriwaki
道雄 森脇
Kenichi Saito
健一 斉藤
Hiromichi Ueno
広道 上野
Katsumi Kawahara
克己 河原
Fumihiko Yamaguchi
史彦 山口
Ryuzaburo Yajima
龍三郎 矢嶋
Shigeji Taira
繁治 平良
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/10Process efficiency

Abstract

(57)【要約】 【目的】HFC系冷媒に最適な冷凍機油を組み合わせ、
該冷凍機油の回収性の向上、冷凍装置の信頼性の向上を
図る。 【構成】冷凍機油として、上記HFC系冷媒と相溶性を
有し且つ該冷媒よりも比重が大きいフッ素系油を採用す
る。フッ素系油としては例えば次の2種類の化合物の混
合物を使用する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はHFC系冷媒用冷凍装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】HFC系冷媒用冷凍装置は、冷媒として
HFC(ハイドロフルオロカーボン)系のものを用いた
ものである。従来の冷凍装置ではCFC系冷媒やHCF
C系冷媒が主として用いられていたが、環境への影響等
を考慮してHFC系冷媒を冷凍装置に使用することが検
討されている。
【0003】このHFC系冷媒用冷凍装置においては、
その冷凍機油(圧縮機の潤滑油)として、上記HFC系
冷媒との相溶性を有するエステル油やポリエーテル油を
用いることが検討されている(特開平5−157379
号公報参照)。また、これらの冷凍機油に代えて、特定
構造の含フッ素脂肪族化合物を用いることや、上記CF
C系冷媒及びHFC系冷媒のいずれにも相溶性を有する
フッ素化炭化水素を用いることも提案されている(特開
平6−57275号公報、特開平3−9995号公報参
照)。これらのフッ素系油はいずれも主として冷凍機油
と冷媒との相溶性を確保する、という観点から開発ない
しは使用の検討がなされているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記HFC系
冷媒用冷凍装置において、その冷媒と冷凍機油との相溶
性を確保することは確かに重要な課題ではあるが、それ
だけでは信頼性の高い或いは効率の良い冷凍装置を提供
することができない。
【0005】すなわち、上記エステル油やポリエーテル
油は、HFC系冷媒との相溶性はあっても、加水分解す
る、酸化劣化するなど性状安定性に難点があり、HFC
系冷媒用冷凍装置に用いた場合、信頼性に問題が出てく
る。特にエステル油の場合、極性基(カルボニル基)を
有することから、スラッジないしは不純物を溶かし易
く、従って、キャピラリや膨張弁の詰まりを生じ易く、
さらに水分の共存下で加水分解してカルボン酸を発生す
るため、メッキの剥離を招き易く、また、スラッジを生
じ易い。このため、エステル油を用いる場合は製造工程
において厳しいコンタミネーションや水分の管理が必要
となり、設備コストが高くなるとともに、空調装置の据
付においてもコンタミネーションや水分が混入しないよ
うにするため、配管の洗滌、養生に多大な工数を要する
ことになる。
【0006】一方、従来のフッ素系油の場合、種々の利
点があるものの、上記公報に記載されている技術は冷凍
機油の圧縮機摺動部への供給性、該冷凍機油の回収効率
など、フッ素系油を実際に当該圧縮機に使用する場合の
具体的な問題意識から最適なフッ素系油が何かを検討し
たものではない。特に、冷媒と冷凍機油との相溶性を確
保しながら、該冷凍機油の回収効率を高めるということ
は、相反する要求を同時に満足させることを意味する。
【0007】以上の説明から明らかなように、本発明の
課題は、HFC系冷媒用冷凍装置において、そのHFC
系冷媒との相溶性や性状安定性の観点に加えて冷凍機油
の回収性、圧縮機の摺動部への給油性等の観点から最適
なフッ素系油を選択することにより、このHFC系冷媒
用冷凍装置の信頼性の向上を図ることにあり、具体的に
は、熱交換率の向上、圧縮機の潤滑性や効率の向上、当
該冷凍装置の性能安定性の向上等を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及びその作用】本発明者
は、上記課題に対し種々の実験・検討を行なった結果、
HFC系冷媒用冷凍装置においては、フッ素系油の比重
が所期の効果を得る上で重要な役割を果たすことを見出
だし、本発明を完成するに至ったものである。以下、各
請求項に係る発明について具体的に説明する。
【0009】<請求項1に係る発明>この発明は、HF
C系冷媒と冷凍機油とが冷凍サイクル中に封入されたH
FC系冷媒用冷凍装置において、上記冷凍機油が、上記
HFC系冷媒と相溶性を有し且つ該冷媒よりも比重が大
きいフッ素系油を主成分とすることを特徴とするHFC
系冷媒用冷凍装置である。
【0010】当該発明において、冷凍機油として使用す
るフッ素系油がHFC系冷媒と相溶性を有することを条
件としているのは、圧縮機の摺動部表面を部分的にHF
C系冷媒のみが覆い潤滑性が低下する、あるいは冷凍サ
イクル中の熱交換器等において冷媒通路の内壁面に冷凍
機油が付着したままになって熱交換率が悪くなる等の不
具合を避けるためである。そうして、上記フッ素系油の
比重をHFC系冷媒の比重との関係で規定しているの
は、当該冷凍機油とHFC系冷媒との相溶性を得ながら
も、該冷凍機油をHFC系冷媒から分離して回収するこ
となどを考慮したからである。
【0011】すなわち、上記フッ素系油は、HFC系冷
媒よりもその比重が大きいから、圧縮機においてHFC
系冷媒と混ざっても、該圧縮機内部において該HFC系
冷媒と共に旋回その他の運動をする過程で該HFC系冷
媒から分離し易い。例えば、後述するスクロール型圧縮
機の場合、スクロール付近において冷凍機油がHFC系
冷媒と共にケーシングの内壁に沿って旋回する。
【0012】そして、このように冷凍機油が冷媒から分
離回収され易いということは、スクロール側から比較的
多量の冷凍機油が圧縮機の油溜めに戻ってくることを意
味し、スクロール側から油溜めに通ずる油戻り通路を狭
くしても該油溜めに冷凍機油を確実に回収し、ポンプに
よって送油可能な必要量の冷凍機油を該油溜めに蓄えて
おくことができることになる。従って、例えば、圧縮機
のステータコアの断面積を小さくして該ステータの外周
部とケーシングとの間に油戻り通路を確保する場合、該
ステータのコアカット面積を小さくすることができ、逆
に言えばステータコアの断面積を大きくするとができ、
これによりモータ効率を向上させることができる。
【0013】上記冷凍機油の分離のみを考慮した場合、
冷凍機油の比重と冷媒の比重とに差があればよいとも考
えられるが、冷凍機油の方の比重を大きくしたのには意
味がある。
【0014】すなわち、ポンプによる冷凍機油の給油圧
力は該冷凍機油の比重に比例して増加するが、上述の如
く、フッ素系油の比重、従って冷凍機油の比重が大きい
ということは上記給油圧力が大きくなることを意味す
る。従って、スクロール型圧縮機の遠心ポンプのよう
に、スクロールの駆動軸がポンプの駆動軸となっており
且つ該駆動軸を給油孔が長手方向に貫通しているもので
は、同じ給油圧力を得るのであれば、従来よりも該給油
孔の径を小さくすることができることになる。
【0015】このことにより、軸径が同じであれば当該
駆動軸の剛性が高くなるため、その回転が高速になって
も該駆動軸の揺れが少なくなり、駆動軸と軸受との間の
片当りを避けることができ、これらの摩耗ないしは損傷
が防がれる。あるいは、上記駆動軸の軸径を小さくし、
軸受との摺動に伴う機械的損失を低減させることができ
る。さらに、ポンプ内の油量を減らし、圧縮機内の総油
量を減らすこともできる。
【0016】また、冷凍機油を圧縮室に高い圧力で供給
することは、圧縮機のシール性と冷却に有利になり、該
圧縮機の作動効率を高めることができるが、圧縮機から
冷媒と共に吐出される冷凍機油の量、所謂油上がり量が
増大する問題がある。これに対して、当該発明の場合
は、フッ素系油の比重が上述の如く大きく、冷凍機油が
冷媒から比較的高い効率で分離されるため、所期の量の
冷凍機油を圧縮室に比較的高い圧力で且つ上記油上がり
量を増大させることなく供給することができ、シール効
果・冷却効果を高めて、圧縮機の容積効率・図示効率を
上げ、圧縮機効率を向上させることができる。
【0017】もちろん、冷凍機油にHFC系溶媒と同じ
くフッ素系のものを用いているから、圧縮機の摺動面に
潤滑性が高いフッ化皮膜が形成され易くなり、従来のC
FC系冷媒やHCFC系冷媒と鉱油との組み合わせによ
って得られる塩化皮膜と同等以上の潤滑性が得られる。
【0018】また、上記フッ素系油は、エステル油に比
べて性状の安定性が高く、加熱によっても或いはさらに
水分が多少存在していても酸化分解し難く、さらには水
分や不純物が溶け難い、という性質がある。このため、
当該発明においては、キャピラリや膨張弁を減圧手段と
して有する冷凍装置においてキャピラリ詰まりを生ずる
ことがほとんどなくなり、不純物ないしは水分の管理が
容易になるとともに、冷媒管路の配管、洗滌を簡易なも
のにすることができる。
【0019】ここに、上記HFC系冷媒としては、種々
のものを使用することができ、例えば、HFC−134
a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、HFC
−134(1,1,2,2−テトラフルオロエタン)、
HFC−32(ジフルオロエタン)、HFC−152a
(1,1−ジフルオロエタン)、HFC−125(ペン
タフルオロエタン)、HFC−143a(1,1,1−
トリフルオロエタン)などが好適であり、さらにHFC
−32、HFC−125及びHFC−134aを混合し
てなるR407cその他の混合冷媒も好適である。
【0020】また、上記フッ素系油としても、使用する
HFC系冷媒よりも比重が大きいものであれば、種々の
ものを用いることができる。また、冷凍機油としては、
当該フッ素系油を単独で用いることができるが、必要に
応じて増粘剤その他の添加剤を添加することができる。
また、フッ素系油としては、1種類を単独で用いること
ができるが、2種以上のフッ素系油を組み合わせて冷凍
機油に用いることもできる。
【0021】また、冷凍装置に用いる圧縮機について
も、その形式を限定する必要はなく、スクロール型、揺
動形など種々の形式のものを採用することができ、さら
にインバータ制御がなされる圧縮機であってもよい。ま
た、冷凍装置に関しても、空調装置に使用するもの、電
気冷蔵庫に使用するものなど、その種類は問わない。
【0022】<請求項2に係る発明>この発明は上記請
求項1に記載されているHFC系冷媒用冷凍装置におい
て、上記フッ素系油が、一般式[1]で表わされる化合
物であることを特徴とするHFC系冷媒用冷凍装置であ
る。
【0023】
【化3】 (式中、mは1〜6の整数、R1 はCF2 −CF2 H又
はH(但し、少なくとも一のR1がCF2 −CF
2 H)、R2 〜R5 の各々は炭素数1〜100の脂肪族
基である。)
【0024】本発明を特に限定するわけではないが、上
記一般式[1]で表わされる化合物としては、例えば、
次の化4、化5のものがあり、このものは比重が1.4
以上あり、当該冷凍機油として比重が1.3程度のHF
C系冷媒と組み合わせて使用することができる。
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】そうして、上記一般式[1]で表わされる
化合物は、HFC系冷媒との相溶性が極めて高く(該化
合物とHFC系冷媒とが二層に分離する温度が低い)、
また高温での粘度低下が少なく、しかも、HFC系冷媒
が溶解しているときの焼付荷重の低下が少なく、従っ
て、圧縮機の運転許容範囲(例えば、高温限界や低温限
界、周波数、差圧)が大きく拡大する。さらに上記化合
物は発泡し難いものであり、このため、圧縮機に供給す
べき必要油量を減らすことができ、また、油切れのおそ
れが少なくなるため軸受の小型化が可能になる。
【0028】また、上記一般式[1]で表わされる化合
物は熱安定性が高く、比較的高い負荷で冷凍装置を運転
しても、該化合物の酸化劣化を生じ難い。
【0029】<請求項3に係る発明>この発明は上記請
求項1に記載されているHFC系冷媒用冷凍装置におい
て、上記フッ素系油が、上記一般式[1]で表わされる
化合物と、一般式[2]で表わされる化合物との混合物
であることを特徴とするHFC系冷媒用冷凍装置であ
る。
【0030】
【化6】 (式中、nは0〜5の整数、R1 は一般式[1]のR1
と同じもの、R7 〜R11の各々は炭素数1〜100の脂
肪族基である。)
【0031】ここに、本発明を特に限定するわけではな
いが、上記一般式[2]で表わされる化合物としては、
例えば次の化7、化8のものがあり、これと上記化4又
は化5の化合物との混合物は比重が1.4以上あり、請
求項2に係る発明と同様にHFC系冷媒と組み合わせて
使用するに好適である。また、当該発明の場合も上記混
合物とHFC系冷媒との相溶性が高いこと等によって請
求項2に係る発明と同様に圧縮機の運転許容範囲を大き
く拡大させることができ、また、上記混合物の発泡性が
低いことによって必要油量が少なくなり、あるいは油切
れが防止される。
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】上記一般式[1]の化合物と一般式[2]
の化合物との混合物に関し、その混合割合については、
例えば化4の化合物と化7の化合物との組み合わせの場
合、特に限定するわけではないが、化7の化合物の含有
量は1ppm以上とすればよく、該化7の化合物の好ま
しい含有量は5ppm〜80%、さらに好まし含有量は
10ppm〜60%である。また、化5の化合物と化8
の化合物との組み合わせの場合、特に限定するわけでは
ないが、化8の化合物の好ましい含有量は0.01%〜
90%、さらに好ましい含有量は1%〜80%である。
【0035】もちろん、上記化4、化5、化7及び化8
の各化合物を混合してなるフッ素系油も好適である。
【0036】<請求項4に係る発明>この発明は上記請
求項2に記載されているHFC系冷媒用冷凍装置におい
て、上記冷凍機油が、上記フッ素系油に、該フッ素系油
と相溶性を有するPAG系増粘剤(ポリアルキレングリ
コール系増粘剤)が添加されてなることを特徴とするH
FC系冷媒用冷凍装置である。
【0037】上記請求項2に記載されている発明のフッ
素系油は上記一般式[1]で表わされる化合物であり、
この化合物の粘度はmの数によって異なり、40℃で2
5cp〜200cp前後のものにすることができるが、
粘度が比較的低いものにおいても、上記増粘剤の添加に
よりその粘度を増大させ、当該冷凍装置の汎用性を得る
ことができる。増粘剤としてPAG系のものを用いるの
は、これがフッ素系油との相溶性が高いためである。
【0038】<請求項5に係る発明>この発明は上記請
求項3に記載されているHFC系冷媒用冷凍装置におい
て、上記冷凍機油が、上記フッ素系油に、該フッ素系油
と相溶性を有するPAG系増粘剤が添加されてなること
を特徴とするHFC系冷媒用冷凍装置である。
【0039】上記請求項3に記載されている発明のフッ
素系油は上記一般式[1]で表わされる化合物と一般式
[2]で表わされる化合物との混合物であり、この混合
物の粘度もm,nの数によって異なるが、粘度が比較的
低いものにおいても、上記増粘剤の添加によりその粘度
を増大させ、当該冷凍装置の汎用性を得ることができ
る。
【0040】<請求項6に係る発明>この発明は上記請
求項1乃至請求項5のいずれか一に記載されているHF
C系冷媒用冷凍装置において、上記冷凍サイクルに組み
込まれている圧縮機(1) が、揺動形圧縮機であることを
特徴とするHFC系冷媒用冷凍装置である。
【0041】揺動形圧縮機においても、先に述べた種々
の作用効果が得られる。
【0042】<請求項7に係る発明>この発明は上記請
求項1乃至請求項3のいずれか一に記載されているHF
C系冷媒用冷凍装置において、上記冷凍機油の40℃で
の粘度が20〜40cpであることを特徴とするHFC
系冷媒用冷凍装置である。
【0043】冷凍機油の粘度をこのような値に設定した
場合、冷蔵庫用冷凍装置として好適なものになる。
【0044】<請求項8に係る発明>この発明は上記請
求項1乃至請求項5のいずれか一に記載されているHF
C系冷媒用冷凍装置において、上記冷凍機油の40℃で
の粘度が20〜200cpであることを特徴とするHF
C系冷媒用冷凍装置である。
【0045】冷凍機油の粘度をこのような値に設定した
場合、空調装置用冷凍装置として好適なものになる。
【0046】<請求項9に係る発明>この発明は上記請
求項1乃至請求項5のいずれか一に記載されているHF
C系冷媒用冷凍装置において、上記冷凍サイクルの圧縮
機(1) の加工、防錆、組立及び洗滌の各々に使用される
オイルが、上記HFC系冷媒及び冷凍機油のいずれにも
溶けない非相溶性油であることを特徴とするHFC系冷
媒用冷凍装置である。
【0047】すなわち、圧縮機(1) の加工等に用いられ
るオイルが上記HFC系冷媒や冷凍機油に溶けるもので
あれば、当該オイルが冷媒や冷凍機油と共に圧縮機(1)
から冷凍サイクル中に持ち出され、キャピラリ等の閉塞
の原因となるが、当該発明の場合は上記オイルが上記H
FC系冷媒及び冷凍機油のいずれにも溶けないものであ
るから、このオイルの持ち出しが少なくなり、上記閉塞
が防止される。このようなオイルとしては例えば鉱油が
ある。
【0048】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、HFC系
冷媒と相溶性を有し且つ該冷媒よりも比重が大きいフッ
素系油を冷凍機油として用いたから、上記相溶性によっ
て所期の熱交換率を確保しながら、圧縮機の摺動面にフ
ッ化皮膜が形成され易くなることによって、圧縮機の潤
滑性を向上させることができ、しかも、冷凍機油の回収
性や給油性を高めて、圧縮機の潤滑性や圧縮機効率を向
上させることができ、さらに、キャピラリの詰まりも発
生し難く、HFC系冷媒用冷凍装置の性能及び信頼性を
高める上で有利になるとともに、製造コストや据付コス
トを下げることができる。
【0049】請求項2及び請求項3の各発明によれば、
さらに、圧縮機の運転許容範囲を拡大させることが可能
になるとともに、必要油量が減りあるいは油切れが防止
され、請求項4及び請求項5の各発明によれば、さら
に、冷凍機油の粘度調整によって当該冷凍装置の汎用性
が拡大し、また、請求項6に係る発明においても、揺動
形圧縮機において所期の効果を得ることができる。
【0050】また、請求項7に係る発明によれば、電気
冷蔵庫の冷凍装置として使用する上で有利になり、請求
項8に係る発明によれば、空調装置の冷凍装置として使
用する上で有利になり、請求項9に係る発明によれば、
冷凍サイクルの管路の閉塞を防止する上で有利になる。
【0051】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0052】<HFC系冷媒用冷凍装置の全体構成>図
1にHFC系冷媒を用いた冷凍装置が示されている。こ
れはビル等の空調装置として利用されるものであって、
冷房運転モードと暖房運転モードとに切り換えて運転さ
れる。
【0053】すなわち、同図において、(1) は圧縮機、
(21)は四方切換弁、(22)は室外熱交換器、(23)は室内熱
交換器、(24)は気液分離器であり、これら圧縮機(1) 、
室外熱交換器(22)、室内熱交換器(23)及び気液分離器(2
4)が上記四方切換弁(21)の各ポートに冷媒管路によって
接続されている。そして、上記室外熱交換器(22)と室内
熱交換器(23)とは、冷房用一方向弁(25)と暖房用一方向
弁(26)とが直列に介装された冷媒管路によって連絡され
ている。さらに、この冷媒管路には上記冷房用一方向弁
(25)をバイパスする暖房用膨張機構(キャピラリ)(27)
と、上記暖房用一方向弁(26)をバイパスする冷房用膨張
機構(キャピラリ)(28)とが設けられている。また、上
記室外熱交換器(22)及び室内熱交換器(23)の各々にはフ
ァン(29),(30)が設けられている。
【0054】この場合、上記圧縮機(1) 、四方切換弁(2
1)、室外熱交換器(22)、気液分離器(24)、暖房用膨張機
構(27)等が室外ユニット(31)を構成し、上記室内熱交換
器(23)、冷房用膨張機構(28)等が室内ユニット(32)を構
成している。
【0055】従って、上記冷凍装置では、冷房運転モー
ドのときは圧縮機(1) より吐出した冷媒が室外熱交換器
(22)で凝縮した後、膨張機構(28)で膨張して室内熱交換
器(23)で蒸発することによって冷風を生み出し、気液分
離器(24)を経由して圧縮機(1) に戻ることになる。暖房
運転モードのときは、四方切換弁(21)が図の破線で示す
状態に切り換えられ、これにより、圧縮機(1) より吐出
した冷媒が室内熱交換器(23)で凝縮して温風を生み出し
た後、膨張機構(27)で膨張して室外熱交換器(22)で蒸発
し、気液分離器(24)を経由して圧縮機(1) に戻ることに
なる。
【0056】<圧縮機について>上記圧縮機(1) の具体
的な構造は図2に示されている。この例の圧縮機(1) は
スクロール型であって、図2に示すように、密閉ケーシ
ング(2) 内の上部に冷媒を吸入圧縮して吐出する圧縮機
構としてのスクロール機構(3) が収容され、密閉ケーシ
ング(2) 内の下部にスクロール機構(3) を駆動するため
の駆動機構(4) が収容されている。また、ケーシング
(2) の側壁の上部にはスクロール機構(3) に冷媒を吸入
するための吸入管(5) が接続され、ケーシング(2) の天
井壁にはスクロール機構(3) によって圧縮された冷媒を
ケーシング(2) から吐出する吐出管(6) が接続されてい
る。
【0057】駆動機構(4) は、電動モータ(7) にクラン
ク軸(8) が連結されてなる。この電動モータ(7) は、ス
テータ(7a)と、該ステータ(7a)に挿入されたロータ(7b)
とから構成されている。ロータ(7b)にはクランク軸(8)
の下部が挿入されている。クランク軸(8) の下端部は、
ケーシング(2) 下部の油溜め(2a)に貯留された冷凍機油
に浸漬されて、遠心給油ポンプ(8a)を構成している。ま
た、クランク軸(8) には、給油ポンプ(8a)によって汲み
上げられた冷凍機油をスクロール機構(3) やクランク軸
(8) の各摺動部分に供給するための軸方向に延びる給油
路(8b),(8b) が形成されている。また、上記ステータ(7
a)の外周面とケーシング(2) との間には油戻り通路(2b)
が形成されている。
【0058】スクロール機構(3) は、固定スクロール(1
0)及び旋回スクロール(11)を備えてなる。固定スクロー
ル(10)は、円板状の鏡板(10a) の下面に渦巻状(インボ
リュート状)のラップ(10b) が立設されたものであっ
て、ケーシング(2) に固定されている。上記鏡板(10a)
の中央部には圧縮したガス冷媒を上方へ吐出するための
吐出口(10c) が形成されている。
【0059】旋回スクロール(11)は、円板状の鏡板(11
a) の上面に渦巻状(インボリュート状)のラップ(11b)
が立設されたものであって、該ラップ(11b) が上記固
定スクロール(10)のラップ(10b) と互いに噛合するよう
に、ケーシング(2) の内面に固着された支持ハウジング
(12)にオルダムリング(13)を介して支持されている。そ
して、旋回スクロール(11)のラップ(11b) の内周側及び
外周側の各壁面は、固定スクロール(10)のラップ(10b)
の外周側及び内周側の各壁面に複数箇所で接触してお
り、これら接触部間に冷媒を圧縮するための作用室(14)
が形成されている。
【0060】また、上記旋回スクロール(11)の鏡板(11
a) の背面には中央に軸受孔(15a) が形成されたスクロ
ール軸(15)が突設されている。
【0061】そして、上記クランク軸(8) の上部は、上
記支持ハウジング(12)に形成された軸受孔(12a) に挿通
されており、その上端には、該クランク軸(8) の軸心
(O) に対して偏心した偏心カム部(8c)が一体形成されて
いる。この偏心カム部(8c)は上記旋回スクロール(11)の
軸受孔(15a) に嵌められている。また、上記旋回スクロ
ール(11)と支持ハウジング(12)との間に介装されたオル
ダムリング(13)は旋回スクロール(11)の自転を防止する
オルダム継手(16)を構成している。以上により、旋回ス
クロール(11)はクランク軸(8) の回転に伴って自転する
ことなく公転して作用室(14)を収縮するようになってい
る。
【0062】また、図2の符号(17)は、偏心カム部(8c)
の偏心方向に対して反対側位置にあってクランク軸(8)
と一体に回転するように設けられたバランスウエイトで
あって、旋回スクロール(11)に発生する遠心力を相殺す
るものである。また、符号(18)は、クランク軸(8) の軸
受け部分の回りで該クランク軸(8) が揺動する方向に発
生するモーメントを相殺するためのカウンタウエイトで
ある。符号(19)は、固定スクロール(10)及び支持ハウジ
ング(12)の外周部に形成された切欠き部(10d),(12f) と
ケーシング(2) の内周面とによって形成された油戻り通
路である。
【0063】従って、上記圧縮機1の場合、電動モータ
(7) が作動すると、クランク軸(8)が回転し、偏心カム
部(8c)がクランク軸(8) の軸心(O) に対して公転し、こ
れに伴って、旋回スクロール(11)が固定スクロール(10)
に対して公転する。これにより、各スクロール(10),(1
1) のラップ(10b),(11b) の互いの接触箇所が、スクロ
ール機構(3) の中心部に向って移動し、これに伴って、
作用室(14)は中心部に向って渦巻状に移動しながら収縮
される。これら一連の動作によって低圧の冷媒は吸入管
(5) から作用室(14)に流入し、この作用室(14)で圧縮さ
れ高圧となって作用室(14)の中心部に達し、吐出口(10
c) を通り、スクロール機構(3) の上側の空間を経て吐
出管(6) から吐出される。
【0064】また、この圧縮動作の際、給油ポンプ(8a)
によって汲み上げられた冷凍機油は給油路(8b),(8b) を
通ってクランク軸(8) の外周側のラジアル軸受け部分
や、クランク軸(8) の上端部のスラスト軸受け部分に供
給され、クランク軸(8) や旋回スクロール(11)の摺動部
分が潤滑される。
【0065】<HFC系冷媒と冷凍機油について> −冷凍機油の回収− 上記冷媒としてHFC−134a(比重1.3)を用
い、上記冷凍機油として次の化9で示される2種類の化
合物の混合物であるFPE油(フッ素化ペンタエリスリ
トール油、比重1.550、40℃での粘度35〜60
cp、熱分解温度320℃、飽和水分濃度750pp
m)を用いて圧縮機(1) を運転した場合について説明す
る。
【0066】
【化9】
【0067】冷凍機油は給油ポンプ(8a)によって汲み上
げられ、スクロール機構3において冷媒と一部混じり合
うが、上述の如く冷媒と冷凍機油とには比重差があるた
め、該冷凍機油は冷媒と共に旋回する際に冷媒から遠心
分離され、油戻り通路(19),(2b)を経て油溜め(2a)に戻
る。このように、冷凍機油は遠心分離されやすいため、
その回収率が高くなる。
【0068】−冷凍機油と冷媒との相溶性− 上記FPE油とHFC−134a(R−134a)との
相溶性を評価すべく、低温側での二層分離温度を調べ
た。結果は従来の冷凍機油−冷媒の組み合わせのものと
併せて図3に示されている。実施例の組み合わせ(FP
E油−R134a)の場合、いずれのFPE油濃度にお
いても、−60℃では両者の層分離は生じなかった。こ
れに対し、従来のナフテン系鉱油VG56−R22の組
み合わせの場合は10℃〜−20℃で層分離を起こし、
エステル油−R134aの組み合わせでも−15℃〜−
50℃で層分離を起こした。ちなみに、上記ナフテン系
鉱油は比重0.918、エステル油は比重0.973で
ある。
【0069】上記結果から、実施例のFPE油−R13
4aの組み合わせの場合、相溶性が高いこと、圧縮機運
転における下限温度が従来より拡大することがわかる。
【0070】−焼付荷重について− 上記FPE油を冷凍機油とし、R32(ジフルオロメタ
ン)とR134aとの混合物を冷媒として、冷媒の溶解
度と焼付荷重との関係を調べた。結果は従来の冷凍機油
−冷媒の組み合わせのものと併せて図4に示されてい
る。
【0071】同図によれば、上記FPE油は、冷媒の溶
解度が零の時の焼付荷重がナフテン系鉱油VG56やエ
ステル油よりも高く、また、冷媒の溶解度が大きくなっ
ても焼付荷重の低下が少ない。従って、この結果から、
FPE油が圧縮機の摺動部の潤滑油として適することが
わかる。
【0072】−冷凍機油の熱安定性について− 冷媒としてHFC−134aを用い、冷凍機油としてF
PE油を用いて冷凍装置を運転したところ、比較的高い
負荷での運転を続けても、キャピラリチューブの詰ま
り、その他の不具合は発生しなかった。運転負荷が高く
なると、圧縮機の摺動部において冷凍機油が高温になる
が、上記FPE油は熱分解温度が高く、また、飽和水分
濃度が低く、コンタミネーションとなる酸化分解物を生
じない、若しくはその量が極めて少ないためである。
【0073】図5は空調装置に各種の冷凍機油を適用し
た場合のキャピラリ詰まりを調べた結果を示すものであ
る。同図において、FGL油(フッ素化ポリグリセリン
油)、6FIS油(6Fトリマーイソステアリル油)及
びFEPM油(フッ素化エポキシミリスチル油)は次の
化10で示されるフッ素系油である。
【0074】
【化10】
【0075】同図によれば、フッ素系油を冷凍機油とす
るものでは、空調装置の長時間の運転でもキャピラリの
流量比がほとんど低下せず、エステル油に比べてコンタ
ミネーションの発生が極めて少ないことがわかる。
【0076】また、図6は同じく上記の各冷凍機油につ
いて、その全酸価の推移を調べたものである。この場
合、各冷凍機油の水分濃度を200ppmとし、吐出温
度を150℃とした。同図によれば、フッ素系油を冷凍
機油とするものでは水分濃度が高いにも拘らず、全酸価
の上昇がほとんどなく、劣化を生じ難いことがわかり、
上記図5の結果を裏付けるものになっている。
【0077】−冷凍機油の発泡性について− 上記冷凍機油としてのFPE油の撹拌試験を行ない、撹
拌装置の回転数とFPE油の油面上の泡立ち高さとの関
係を調べた。その結果は、他の冷凍機油の試験結果と共
に図7に示されている。
【0078】同図によれば、FPE油はナフテン系鉱油
等に比べて泡立ち高さが格段に低くなっている。冷凍機
油が発泡しやすい場合、圧縮機の摺動面に泡を生じて潤
滑不良を招くが、上記FPE油によれば、この問題が解
消されること、そして、潤滑不良防止のために当該摺動
部に供給する冷凍機油の必要供給量を少なくすることが
できることがわかる。
【0079】−冷凍機油の粘度について− 上記FPE油の粘度を種々の温度で調べたところ図8に
示す結果が得られた。同図にはエステル油の粘度の温度
特性も併せて示している。このエステル油との比較か
ら、上記FPE油は、温度の上昇に伴う粘度の低下が小
さく、高温での粘度が高いこと、従って、高温でも圧縮
機の摺動部に油膜を作った状態を保つことができ、潤滑
性に優れていることがわかる。
【0080】上記図8にも示されるように、上記FPE
油の粘度は50℃では20cpになっている。従って、
電気冷蔵庫用の冷凍機油としては適するが、比較的高い
粘度が要求される空調装置用の冷凍機油として使用する
場合には増粘剤を添加することが好ましい。図9は上記
FPE油にPAG系増粘剤(75H9000)を添加し
たときのPAG系増粘剤の混合比率(濃度)と粘度との
関係を調べた結果を示す。当該冷凍機油の粘度はPAG
系増粘剤の添加量に比例して層分離等の不具合を招くこ
となく上昇した。従って、空調装置用の冷凍機油として
使用する場合には、上記FPE油にPAG系増粘剤を添
加して粘度を調整することが好適であることがわかる。
【0081】図10はFPE油にFDPE油を混合した
場合の混合割合と粘度との関係を調べたものである。こ
こにFDPE油は次の化11に示される2種類の化合物
を混合してなるフッ素化ジペンタエリスリトール油(比
重1.555、40℃での粘度400cp、熱分解温度
340℃、飽和水分濃度800ppm)であり、上記F
PE油よりも粘度が高い。
【0082】
【化11】
【0083】同図から、上記FPE油とFDPE油とを
適宜の割合で混合することによって、所期の粘度の冷凍
機油にすることができることがわかる。
【0084】−圧縮機の他の例− 図11は高圧ドーム型とした横形の揺動形圧縮機の全体
構造を示しており、内底部に油溜り(40a) をもった横形
ケーシング(40)の内部に、ステータ(41)とロータ(42)と
からなるモータが駆動軸(43)を水平にして配設されてい
るとともに、該駆動軸(43)で駆動される圧縮要素(44)が
配設されている。この圧縮要素(44)は、内部にシリンダ
室(45)をもつシリンダ(46)と、該シリンダ(46)の軸方向
両側に配設されたフロントヘッド(47)とリヤヘッド(48)
とから構成されている。
【0085】また、上記シリンダ(46)のシリンダ室(45)
には、図12にも示すように上記駆動軸(43)の偏心部(4
9)が嵌められた筒状のピストン(50)が設けられている。
このピストン(50)には、ブレード(53)が該ピストン(50)
の外周面から径方向外方に向けて一体に突設されてい
る。このブレード(53)は、上記シリンダ室(45)の内部
を、上記シリンダ(46)に設けられた吐出口(51)に連通す
る圧縮室Xと、吸入口(52)に連通する吸入室Yとに画成
するものであって、上記シリンダ(46)に回転可能に設け
た支持体(54)に揺動可能に支持されている。また、上記
フロントヘッド(47)の外側部にはマフラー(55)が設けら
れ、上記吸入口(52)には吸入管(57)が接続されている。
【0086】さらに、図12に示すように、上記ブレー
ド(53)はシリンダ(46)の上部に位置し且つ垂直になって
おり、このシリンダ(46)におけるブレード(53)の背面側
に、該ブレード(53)に給油するための閉鎖空間とされた
油室(56)が形成されている。
【0087】従って、上記圧縮機では、駆動軸3の回転
駆動に伴って、ピストン(50)がシリンダ室(45)内で公転
し、冷媒が吸入管(57)から吸入口(52)を経て吸入室Yに
吸入され、圧縮室Xで圧縮され、この圧縮された冷媒が
吐出口(51)からフロントヘッド(47)の外側部に設けたマ
フラー(55)の内部を経て前記ケーシング(40)の内部空間
へ吐出され、該ケーシング(40)の内部でモータ2側に開
口させた吐出管(58)から外部に吐出される。
【0088】冷凍機油は、高圧の圧縮室Xに供給され、
該圧縮室Xと吸入室Yとの差圧で上記ブレード(53)と支
持体(54)との間に形成される隙間などを経て油室(56)の
内部に流入し、該油室(56)からさらに上記ブレード(53)
と支持体(54)との間に形成される隙間などを経て上記吸
入室Yに流出する。この冷凍機油の流入・流出により上
記ブレード(53)の摺動部が潤滑される。
【0089】なお、上記油室(56)への給油に関しては、
シリンダ(46)に油通路を別途形成し該油通路を介して油
室(56)と油溜り(40a) とを連通させ、この油溜り(40a)
の高圧の冷凍機油を低圧状態のシリンダ室(45)との圧力
差でもって上記油室(56)に導入するようにしてもよい。
【0090】また、図13に示したように、上記油室(5
6)を閉鎖空間とし、上記ブレード(53)及びピストン(50)
のブレード突設部を該ブレード突設方向に貫通し一端が
上記ピストン(50)の内周面に開口し他端が上記油室(56)
に開口した油溝(58)を形成するようにしてもよい。
【0091】このようにすると、上記油溜り(40a) から
ピストン(50)の摺動部に給油された冷凍機油を、このピ
ストン(50)の公転に伴う遠心力により上記油溝11から
油室(56)内に積極的に給油することができ、該油室(56)
内を常に高圧の油で充満させることができ、油不足を招
くことない。しかも、この油室(56)を高圧の冷凍機油で
常に高圧にできるから、この油室(56)から冷凍機油を低
圧の上記吸入室Yに、上記支持体(54)とブレード(53)と
の隙間を介して差圧により供給することができるととも
に、圧縮室Xで圧縮される冷媒が上記油室(56)の内部圧
力と同等となるまでは、この油室(56)内の冷凍機油を上
記支持体(54)とブレード(53)との間の隙間を介して差圧
によって圧縮室Xへ供給することができる。この結果、
上記ブレード(53)の潤滑をより確実に行うことができ
る。
【0092】なお、図14に示すように上記ブレード(5
3)を上記ピストン(50)とは別に設けて、該ブレード(53)
の先端部をピストン(50)にスプリング(59)によって押圧
するようにしてもよい。
【0093】−揺動形圧縮機とフッ素系冷凍機油との関
係について− 冷凍装置の圧縮機として上記揺動形のものを用い、冷媒
としてHFC−134aを用い、冷凍機油として上記F
PE油を用いて、当該冷凍装置を運転したところ、運転
負荷が高くなっても摺動部の焼付きやキャピラリの詰ま
り等の不具合は発生せず、スクロール型圧縮機を用いた
場合よりも良い結果が得られた。
【0094】<その他のフッ素系油について>以上では
冷凍機油として好適な幾つかのフッ素系油について説明
したが、次の化12で示される各化合物FPPG油(フ
ッ素化ポリプロピレングリコール油)及びFPEP油
(フッ素化ポリエポキシ油)も本発明に係る冷凍機油と
して好適である。
【0095】
【化12】
【図面の簡単な説明】
【図1】HFC系冷媒用冷凍装置の一例を示す冷凍サイ
クル図
【図2】スクロール型圧縮機の一例を示す断面図
【図3】冷凍機油の濃度と二層分離温度との関係を示す
グラフ図
【図4】冷媒溶解度と焼付荷重との関係を示すグラフ図
【図5】各種の冷凍機油について空調装置の運転時間と
キャピラリの流量比との関係を示すグラフ図
【図6】各種の冷凍機油について空調装置の運転時間と
全酸化との関係を示すグラフ図
【図7】冷凍機油の撹拌回転数と泡立ち高さとの関係を
示すグラフ図
【図8】冷凍機油の粘度の温度特性を示すグラフ図
【図9】FPE油にPAG系増粘剤を添加したときの該
増粘剤の比率と粘度との関係を示すグラフ図
【図10】FPE油にFDPE油を混合した場合の混合
割合と粘度との関係を示すグラフ図
【図11】揺動形圧縮機の一例を示す縱断面図
【図12】上記揺動形圧縮機の圧縮要素部分の横断面図
【図13】上記揺動形圧縮機の圧縮要素部分の他の例を
示す横断面図
【図14】上記揺動形圧縮機の圧縮要素部分の他の例を
示す横断面図
【符号の説明】
(1) スクロール型圧縮機 (2) 密閉ケーシング (2a) 油溜め (2b),(19) 油戻り通路 (10) 固定スクロール (11) 旋回スクロール (10a),(11a) 鏡板 (10b),(11b) ラップ (12) 支持ハウジング (12d),(12e) 溝 (13) オルダムリング (14) 作用室 (16) オルダム継手(自転防止機構) (17) バランスウエイト (20) 油戻り通路 (21) 四方切換弁 (22) 室外熱交換器 (23) 室内熱交換器 (24) 気液分離器 (27),(28) 膨張機構(キャピラリ) (31) 室外ユニット (32) 室内ユニット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、mは1〜6の整数、R1 はCF2 −CF2 H又
はH(但し、少なくとも一のR1がCF2 −CF
2 H)、R2 〜R5 の各々は炭素数1〜100の脂肪族
基である。)
【化2】 (式中、nは0〜5の整数、R1 は一般式[1]のR1
と同じもの、R6 〜R11の各々は炭素数1〜100の脂
肪族基である。)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【化6】 (式中、nは0〜5の整数、R1 は一般式[1]のR1
と同じもの、R6 〜R11の各々は炭素数1〜100の脂
肪族基である。)
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】上記一般式[1]の化合物と一般式[2]
の化合物との混合物に関し、その混合割合については、
例えば化4の化合物と化7の化合物との組み合わせの場
合、特に限定するわけではないが、化7の化合物の含有
量は1ppm以上とすればよく、該化7の化合物の好ま
しい含有量は5ppm〜80%、さらに好ましい含有量
は10ppm〜60%である。また、化5の化合物と化
8の化合物との組み合わせの場合、特に限定するわけで
はないが、化8の化合物の好ましい含有量は0.01%
〜90%、さらに好ましい含有量は1%〜80%であ
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 105:54 145:28) C10N 30:00 A 40:30 (72)発明者 泉谷 直昭 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 森脇 道雄 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 斉藤 健一 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 上野 広道 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 河原 克己 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 山口 史彦 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 矢嶋 龍三郎 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 平良 繁治 滋賀県草津市岡本町字大谷1000番地の2 ダイキン工業株式会社滋賀製作所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 HFC系冷媒と冷凍機油とが冷凍サイク
    ル中に封入されたHFC系冷媒用冷凍装置において、 上記冷凍機油が、上記HFC系冷媒と相溶性を有し且つ
    該冷媒よりも比重が大きいフッ素系油を主成分とするこ
    とを特徴とするHFC系冷媒用冷凍装置。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載されているHFC系
    冷媒用冷凍装置において、 上記フッ素系油が、一般式[1]で表わされる化合物で
    あることを特徴とするHFC系冷媒用冷凍装置。 【化1】 (式中、mは1〜6の整数、R1 はCF2 −CF2 H又
    はH(但し、少なくとも一のR1がCF2 −CF
    2 H)、R2 〜R5 の各々は炭素数1〜100の脂肪族
    基である。)
  3. 【請求項3】 上記請求項1に記載されているHFC系
    冷媒用冷凍装置において、 上記フッ素系油が、上記一般式[1]で表わされる化合
    物と、一般式[2]で表わされる化合物との混合物であ
    ることを特徴とするHFC系冷媒用冷凍装置。 【化2】 (式中、nは0〜5の整数、R1 は一般式[1]のR1
    と同じもの、R7 〜R11の各々は炭素数1〜100の脂
    肪族基である。)
  4. 【請求項4】 上記請求項2に記載されているHFC系
    冷媒用冷凍装置において、 上記冷凍機油が、上記フッ素系油に、該フッ素系油と相
    溶性を有するPAG系増粘剤が添加されてなることを特
    徴とするHFC系冷媒用冷凍装置。
  5. 【請求項5】 上記請求項3に記載されているHFC系
    冷媒用冷凍装置において、 上記冷凍機油が、上記フッ素系油に、該フッ素系油と相
    溶性を有するPAG系増粘剤が添加されてなることを特
    徴とするHFC系冷媒用冷凍装置。
  6. 【請求項6】 上記請求項1乃至請求項5のいずれか一
    に記載されているHFC系冷媒用冷凍装置において、 上記冷凍サイクルに組み込まれている圧縮機(1) が、揺
    動形圧縮機であることを特徴とするHFC系冷媒用冷凍
    装置。
  7. 【請求項7】 上記請求項1乃至請求項3のいずれか一
    に記載されているHFC系冷媒用冷凍装置において、 上記冷凍機油の40℃での粘度が20〜40cpである
    ことを特徴とするHFC系冷媒用冷凍装置。
  8. 【請求項8】 上記請求項1乃至請求項5のいずれか一
    に記載されているHFC系冷媒用冷凍装置において、 上記冷凍機油の40℃での粘度が20〜200cpであ
    ることを特徴とするHFC系冷媒用冷凍装置。
  9. 【請求項9】 上記請求項1乃至請求項5のいずれか一
    に記載されているHFC系冷媒用冷凍装置において、 上記冷凍サイクルの圧縮機(1) の加工、防錆、組立及び
    洗滌の各々に使用されるオイルが、上記HFC系冷媒及
    び冷凍機油のいずれにも溶けない非相溶性油であること
    を特徴とするHFC系冷媒用冷凍装置。
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