JPH09157676A - 潤滑油添加剤、潤滑油および冷凍機作動流体 - Google Patents
潤滑油添加剤、潤滑油および冷凍機作動流体Info
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- JPH09157676A JPH09157676A JP8083901A JP8390196A JPH09157676A JP H09157676 A JPH09157676 A JP H09157676A JP 8083901 A JP8083901 A JP 8083901A JP 8390196 A JP8390196 A JP 8390196A JP H09157676 A JPH09157676 A JP H09157676A
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Abstract
することなく、ゴムや樹脂などを硬化させることな
く、熱酸化によるスラッジ発生の少ない潤滑油、それ
に用いる潤滑油添加剤およびそれを用いた冷凍機作動流
体を提供する。 【解決手段】 少なくとも二つの水酸基と、不飽和二重
結合を有する少なくとも一つの炭化水素基をエーテル結
合を介して含む多価アルコール部分エーテル化合物を有
効成分とする潤滑油添加剤、またはそれを含む潤滑油で
ある。
Description
た潤滑油、それに用いる潤滑油添加剤、また、それを用
いた冷凍機作動流体に関し、特にハイドロフロロカーボ
ン冷媒を用いた冷媒圧縮機用として有用な潤滑油、冷凍
機作動流体に関する。冷媒圧縮機は、冷蔵庫、カーエア
コン、産業用冷凍機、ルームエアコンに用いられてお
り、その冷媒としてクロロフルオロカーボン(塩素−フ
ッ素系炭化水素)やハイドロクロロフルオロカーボン
(水素−塩素−フッ素炭化水素)が従来用いられてい
た。これらの冷媒は、環境問題上使用が規制されること
となっており、その代替としてハイドロフルオロカーボ
ン(非塩素系、すなわち、塩素を含まず水素の少なくと
も一部分がフッ素で置換された水素−フッ素炭化水素、
以下、HFC冷媒という)が注目されている。HFC冷
媒として、R134a,R125,R32,R143
a,R152aなどの単独またはR407C,R410
A,R410Bなどの混合物が提案されている。
して従来の鉱油系基油の使用は困難であり、ポリオキシ
アルキレングリコール化合物や多価アルコールエステル
化合物を潤滑油基油として用いることが提案されてい
る。HFC冷媒を用いた場合、相対的に潤滑性が低い。
特に、鉄系材料以外に、銅系、アルミ系材料も圧縮機の
摩擦部分に使用され、これに対する耐摩耗性の向上も必
要である。このような耐摩耗性向上のための添加剤とし
て、炭素原子数8〜14のアルカンジオール(特開平3
−199296)、リン酸エステル、亜リン酸エステ
ル、多価アルコール部分脂肪酸エステル(国際公開91
/09097)、2つの水酸基と他の極性基を含む炭素
数1〜18のアルキル、アリール、アルキルアリール、
アラルキルを有するアルコール誘導体(特開平4−33
7391)などが知られている。これらは、ある程度の
効果を発揮するものの、耐摩耗性が十分に向上しな
い、圧縮機内に金属腐食が発生する、ゴムや樹脂な
どを硬化させてシール材や継ぎ手からの漏洩を生じる、
熱酸化によりスラッジが生成して熱交換効率を低下さ
せうるなどの問題があり、充分実用に耐えうる評価が得
られていない。
解決するもので、本発明の目的は、充分な耐摩耗性が
あり、金属材料を腐食することなく、ゴムや樹脂な
どのシール材を硬化させることなく、熱酸化によるス
ラッジ発生の少ない潤滑油、それに用いる潤滑油添加剤
および冷凍機作動流体を提供するものである。
解決すべく、鋭意、研究を進めた結果、特定の多価アル
コール部分エーテル化合物を潤滑油に添加することによ
り、耐摩耗性などの潤滑性が著しく向上することを見出
し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、(1)少
なくとも2つの水酸基を含み、かつ、二重結合を有する
少なくとも1つの脂肪族炭化水素基をエーテル結合を介
して含む多価アルコール部分エーテル化合物を有効成分
とする潤滑油添加剤、(2)少なくとも2つの水酸基を
含み、かつ二重結合を有する少なくとも一つの脂肪族炭
化水素基をエーテル結合を介して含む多価アルコール部
分エーテル化合物の有効量と、潤滑油基油とを含む潤滑
油、(3)冷媒と前記(2)記載の潤滑油を含む冷凍機
作動流体に関する。
とも二つの水酸基を含み、かつ二重結合を有する少なく
とも一つの脂肪族炭化水素基をエーテル結合を介して含
む多価アルコール部分エーテル化合物である。本発明の
添加剤においては上記のように二つの水酸基に加えて前
記エーテル化合物のエーテル結合を形成する炭化水素が
二重結合を有する脂肪族炭化水素基であることが重要で
ある。この場合には潤滑油添加剤の潤滑油基油に対する
溶解性が優れており、十分な潤滑性を付与し、耐摩耗性
を顕著に向上することができる。加えて、潤滑油が接触
するシール材を構成するゴムや樹脂を軟化しにくいとい
う特徴も発現することができる。本発明に使用する二重
結合を有する脂肪族炭化水素基を含む多価アルコール部
分エーテル化物のこのような特性はまったく予測を越え
た意外なものであり、特異的であるというべきものであ
る。
素基ではなく対応する炭素数のアルキル基あるいはアリ
ール基を有するエーテル結合を含む多価アルコール部分
エーテル化物では、潤滑油基油に対する溶解度が低いた
めに十分な潤滑性を付与することができないからであ
る。また、比較的短いアルキル基を有するものでは溶解
性はよくなるが、潤滑性はやはり低い。
を含む脂肪族炭化水素基は、該添加剤の潤滑油基油への
溶解性の観点及びゴムや樹脂を軟化しにくいことから炭
素数12〜24が好ましく、16〜20がより好まし
い。エーテルを形成する脂肪族炭化水素基における炭素
−炭素二重結合は1個であるものが化学的に安定である
ことから好ましいが、2個以上含むものであってもよ
い。そして、その二重結合は炭化水素基内部に存在する
ものが入手のしやすさから好ましい。また、二重結合を
有する脂肪族炭化水素基は直鎖状が好ましく、分岐状で
あるよりも潤滑性に優れている。また、前記多価アルコ
ール部分エーテル化合物は、二重結合を有する脂肪族炭
化水素基をエーテル結合で2つ以上含んでいてもよい。
二重結合を有する脂肪族炭化水素基は、その中に酸素原
子や水酸基を含んでいてもよいが、炭素原子と水素原子
のみから構成されることが好ましい。上記のような二重
結合を含む脂肪族炭化水素基としては、例えばCH
3(CH2)6CH=CH(CH2)2CH2−(4−ドデセ
ニル)、CH3(CH2)8CH=CH(CH2)2CH2−
(4−テトラデセニル)、CH3(CH2)8CH=CH
(CH2)3CH2−〔フィセテリル(5−ペンタデセニ
ル)〕、CH3(CH2)5CH=CH(CH2)7CH2−
〔パルミトオレイル(9−ヘキサデセニル)〕、CH3
(CH2)7CH=CH(CH2)7CH2−〔オレイル
(9−オクタデセニル)〕、CH3(CH2)5CH=C
H(CH2)9CH2−〔バクセニル(11−オクタデセ
ニル)〕、CH3(CH2)9CH=CH(CH2)7CH2
−〔ガドレイル(9−アイコセニル)〕、CH3(C
H2)7CH=CH(CH2)9CH2−(11−アイコセ
ニル)、CH3(CH2)9CH=CH(CH2)9CH2−
(11−ドコセニル)、CH3(CH2)7CH=CH
(CH2)11CH2−(13−ドコセニル)、CH3(C
H2)7CH=CH(CH2)13CH2−(15−テトラコ
セニル)、CH3(CH2)3(CH2CH=CH)2(C
H2)7CH2−〔リノレイル(9,12−オクタデカジ
エニル)〕、CH3(CH2CH=CH)3(CH2)7C
H2−〔リノレニル−9,12,15−オクタデカトリ
エニル)〕、CH3(CH2)3(CH2CH=CH)
3(CH2)4CH2−〔6,9,12−リノレニル(6,
9,12−オクタデカトリエニル)〕、CH3(CH2)
3(CH=CH)3(CH2)7CH2−〔エレオステアリ
ル(9,11,13−オクタデカトリエニル)〕、CH
3(CH2)6(CH2CH=CH)2(CH2)6CH2−
(8,11−アイコサジエニル)、CH3(CH2)
6(CH2CH=CH)3(CH2)3CH2−(5,8,1
1−アイコサトリエニル)などが挙げられる。
化物における多価アルコールとしては炭素数3〜10、
好ましくは3〜6を有するものが使用できる。例えばグ
リセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
ール、1,4−ソルビタン、1,5−ソルビタンなどが
好ましい。そして、このような多価アルコールの水酸基
に前記の二重結合を含む脂肪族炭化水素をエーテル結合
により有する本発明に使用する潤滑油添加剤の好ましい
ものとして以下のものを挙げることができる。
導体、式(2)で示されるトリメチロールプロパン誘導
体、式(3),(4)で示される1,4−ソルビタン誘
導体、式(5),(6)で示される1,5−ソルビタン
誘導体などがある。式(3)に示すように水酸基が3つ
以上含まれていてもよい。
2〜24のアルケニル基〕 これらの中でもとくにグリセロールおよび1,4−ソル
ビタンの誘導体が好ましく、特にグリセロールの誘導体
がさらに好ましく用いられる。本発明に用いられる多価
アルコール誘導体のエーテル結合が水酸基の1つが結合
した炭素原子に隣接する炭素原子に結合していること、
および/または、本発明に用いられる多価アルコール誘
導体が、連続する3つの炭素原子のうち2つの炭素原子
に、少なくとも2つの水酸基がそれぞれ結合しているこ
とが好ましい。
テル化合物としては、グリセロールモノオレイルエーテ
ル、1,4−ソルビタンのモノオレイルエーテル、1,
4−ソルビタンのモノリノレニルエーテル、1,5−ソ
ルビタンのモノオレイルエーテルなどが例示される。更
に他の官能基を含んでいてもよい。なお、これら多価ア
ルコール部分エーテル化合物は、(イ)相当する多価ア
ルコールの部分塩素化物(例えばグリセロールα−モノ
クロロヒドリンまたはグリセロールβ−モノクロロヒド
リン)にR−OHあるいはR−ONaを反応させる方
法、(ロ)3価以上の多価アルコールにR−Clを反応
させる方法、(ハ)グリセロールモノエーテル化合物の
製造では、エピクロロヒドリンにR−OHを反応させる
方法などで得られる。
の添加量は、潤滑部品の摩耗防止に必要な有効量であ
り、具体的には、潤滑油に対し0.01〜10重量%、
好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.2〜
2重量%である。通常、潤滑油基油に溶解しうる量を添
加し、溶解しやすい多価アルコール部分エーテル化合物
を選択している。
は、石油精製工程で得られる鉱物油、アルキルベンゼ
ン、カーボネート系エステルなどを用いることができ
る。しかし、冷媒圧縮機の潤滑に用いられる場合には、
HFCとの溶解性などの点からポリエーテル化合物、ま
たは、多価アルコールエステル化合物を主成分とするこ
とが好ましい。ポリエーテル化合物は、一つの分子中に
複数のエーテル結合を有する化合物であり、ポリオキシ
アルキレングリコール化合物のように主鎖に複数のエー
テル結合を有する化合物、ポリビニルエーテル化合物の
ように側鎖に複数のエーテル結合を有する化合物、クラ
ウエンエーテル化合物などのエーテル結合により環を形
成する環状エーテル化合物などが含まれる。ポリエーテ
ル化合物の炭素原子/酸素原子の比は、2〜8、特には
2〜4が好ましい。
しては、下記式(7)で示されるポリオキシプロピレン
グリコールのモノあるいはジアルキルエーテル、下記式
(8)で示されるポリオキシプロピレン−オキシエチレ
ングリコールのモノあるいはジアルキルエーテル(以
下、これらを総称してPAG誘導体という)を用いるこ
とが耐摩耗性向上の点から好ましい。 R1−O−(PO)m−R2 (7) R1−O−(PO)m(EO)n−R2 (8) ここで、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数
1〜4のアルキル基または水素であって、R1,R2は同
一または異なる。m,nは平均重合度を示す数であり、
(PO)m(EO)nは、ランダムまたはブロックの共
重合体基を示す。特にHFC冷媒と混合して用いられる
際には、100℃粘度が5〜20cStとなる平均重合
度が選ばれ、m:nは9:1〜7:3であることが好ま
しい。末端の水酸基をエステル化した誘導体も使用でき
る。これらPAG誘導体の複種類を混合しても良い。
としては、水酸基数2〜6の多価アルコールと脂肪酸と
で得られる多価アルコールエステルも好ましく用いるこ
とができる。特に、5個の炭素のネオ型骨格を有する多
価アルコールと1価飽和脂肪酸あるいは/および2価飽
和脂肪酸との反応で得られる中性エステルが好ましい。
多価アルコールとしては、ネオペンチルグリコール、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどを用
いることができる。1価飽和脂肪酸としては、炭素数5
〜9の非ネオ型分岐1価飽和脂肪酸、または、炭素数5
〜9の非ネオ型分岐1価飽和脂肪酸と炭素数5〜8の直
鎖1価飽和脂肪酸の混合物などを用いることができ、分
岐1価飽和脂肪酸はα位あるいはβ位の炭素にメチルあ
るいはエチル基が分岐したものが好ましい。なお、炭素
数が1〜4の脂肪酸から得られた多価アルコールエステ
ルは潤滑性、耐加水分解性、耐金属腐食性に難点があ
る。
体的には2−メチルペンタン酸、2−エチルペンタン
酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、2
−メチルヘプタン酸、2−エチルヘプタン酸、3,5,
5−トリメチルヘキサン酸が、また、直鎖1価飽和脂肪
酸としてはn−ペンタン酸、n−ヘキサン酸、n−ヘプ
タン酸、n−オクタン酸が例示される。また、2価脂肪
酸として、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメ
リン酸などを併用して、比較的粘度の高いコンプレック
スエステルの潤滑油基油を得ることもできる。これら多
価アルコールエステルから熱安定性、加水分解安定性、
耐金属腐食性に優れた組成を適宜選択しうるが、特に
は、HFC冷媒に対する溶解性が良好であるのでネオペ
ンチルグリコールエステルとペンタエリスリトールエス
テルとの混合物が好ましい。用いるエステルの酸値は、
0.1mgKOH/g、特には0.02mgKOH/g
以下が好ましい。
剤、消泡剤、金属不活性化剤などの添加剤を配合しても
よい。特に、鉄−鉄材料の耐摩耗性を一層向上しうるの
で、フォスフェート化合物を添加することが好ましい。
フォスフェート化合物としては、アリールフォスフェー
ト、アルキルフォスフェートなどがあり、炭素数は18
〜70、特には18〜50のものが好ましい。アリール
フォスフェート、特にトリアリールフォスフェートを添
加することが好ましい。トリアリールフォスフェートと
してトリフェニルフォスフェートとトリ(アルキルフェ
ニル)フォスフェートの両者を添加することがさらに好
ましい。これらトリアリールフォスフェートの総配合量
は0.1〜5.0重量%、好ましくは0.3〜4.0重
量%である。0.1重量%未満では十分な耐摩耗性効果
が得られない。5.0重量%を超えて配合しても耐摩耗
性の有効な向上はみられず、スラッジの発生が増加する
ので好ましくない。
の具体的例としては、トリクレジルフォスフェート、ト
リ(3,5−ジメチルフェニル)フォスフェート、トリ
ス(2,4−ジメチルフェニル)フォスフェート、トリ
ス(モノnブチルフェニル)フォスフェート、トリス
(モノt−ブチルフェニル)フォスフェート、トリス
(イソプロピルフェニル)フォスフェートが例示され
る。なかでもトリクレジルフォスフェートが最も実用的
である。またトリス(パラ−t−ブチルフェニル)フォ
スフェートは特に加水分解安定性に優れる。これらは単
独または2種以上を併用してもよい。他の添加剤として
は、金属不活性化剤としてベンゾトリアゾール誘導体あ
るいはアルケニルコハク酸エステル、酸化防止剤として
DBPC(2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾ
ール)あるいはp,p’−ジオクチルジフェニルアミ
ン、HFC冷媒の安定化剤として2−エチルヘキシルグ
リシジルエーテル、セコンダリーブチルフェニルグリシ
ジルエーテル、炭素数5〜10のアシル基を含有するモ
ノグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物など公知の
添加剤を必要に応じて配合することもできる。
作動流体として、冷蔵庫、カーエアコン、産業用冷凍
機、ルームエアコンなどの冷媒圧縮機に好ましく用いる
ことができる。潤滑油と冷媒の混合比は、重量比で通常
10:90〜90:10であり、特に20:80〜8
0:20が好ましい。また、用いられる冷媒が、1,
1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)、ペ
ンタフルオロエタン(R125)、ジフルオロメタン
(R32)、1,1,1−トリフルオロエタン(R14
3a)、1,1−ジフルオロエタン(R152a)など
の炭素数1〜2の炭化水素の水素をふっ素で置換したハ
イドロフロロカーボン冷媒であることが好ましい。ま
た、これらの冷媒の混合物(R407C,R410A,
R410Bなど)でも良い。潤滑油の粘度は適宜調整す
ればよく、通常、40℃粘度で5〜500cStであ
り、特には冷蔵庫用では40℃粘度が8〜32cSt、
ルームエアコン用や産業用では40℃粘度が25〜10
0cSt、カーエアコン用では100℃粘度が8〜30
cStが用いられる。
的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定さ
れるものではない。実施例及び比較例として試験油を調
製し、評価を行う。基油1は混合脂肪酸多価アルコール
エステルであり、2−エチルヘキサン酸および3,5,
5−トリメチルヘキサン酸の分岐飽和脂肪酸の混合物と
ペンタエリスリトールとの反応で得られる中性エステル
で、40℃粘度は64cStである。
ルの混合物であり、ネオペンチルグリコールと2−エチ
ルヘキサン酸との反応で得られる中性エステル80重量
%とペンタエリスリトールと2−エチルヘキサン酸との
反応で得られる中性エステル20重量%の混合物であ
り、40℃粘度は10cStである。基油3はポリオキ
シアルキレングリコールのジメチルエーテルであり、下
記式(9)で示される構造であり、100℃粘度が19
cStである。 CH3−O−〔(PO)m(EO)n〕−(EO)o−CH3 (9) ここで、〔(PO)m(EO)n〕はランダム共重合体基
を示し、(n+o)/m=0.2、n/m=0.1であ
る。
ーテル化合物は、グリセリンモノオレイルエーテル(以
下、GMOEともいう)と1,4−ソルビタンモノオレ
イルエーテル(以下、SMOEともいう)を用いる。こ
のグリセリンモノオレイルエーテルは、元素分析および
赤外線吸収スペクトルの3425cm-1、2926cm
-1、1465cm-1、1124cm-1の吸収により確認
される。また、1,4−ソルビタンモノオレイルエーテ
ルも同様に確認される。添加剤として用いるフォスフェ
ート化合物は、トリクレジルフォスフェート(以下、T
CPという)、トリフェニルフォスフェート(以下、T
PPという)を用いる。また、比較として、多価アルコ
ールエステル化合物であるグリセリンモノオレエート
(以下、GMOともいう)とソルビタンモノオレエート
(以下、SMOともいう)を用いる。
た試験油の組成を実施例1〜12、比較例1〜9とし
て、表1〜3に示す。なお、各試験油には、酸化防止剤
として0.1重量%のDBPCを添加する。試験油をH
FC冷媒と混合して、耐摩耗性、安定性、実機の
摩耗を評価する。耐摩耗性は、ファレックス耐摩耗試
験器を用い、下記の条件で評価し、その結果を摩耗量と
して表1〜3に併せて示す。
う。各試験油とHFC冷媒(R134a)を容量比7:
3で混合し、鉄、銅、アルミの触媒とともにガラス管に
封入し、175℃で336時間後にスラッジなどを観察
する。全ての実施例及び比較例において、外観に変化は
なく、また、スラッジの発生もない。 実機の摩耗の評価は、各試験油400mlとHFC冷
媒(R407)590gを混合した作動流体を家庭冷蔵
庫用の圧縮機(ロータリー型冷凍圧縮機)に充填して行
う。下記の条件で耐久試験運転の後、圧縮機を分解し、
ローラおよびベース部の摩耗状態と潤滑油中の金属分を
分析する。その結果を表4に示す。なお、用いたHFC
冷媒であるR407は、R32:R125:R134a
を23:25:52の重量比で混合したものである。
アルコール部分エーテル化合物は、エーテル結合を介し
て脂肪族炭化水素基を含むが、この脂肪族炭化水素基
は、二重結合を有することが重要であり、飽和炭化水素
基では、基油に対する溶解度が低下する。このことを実
証するため以下の試験を行った。
%の次のグリセルエーテルを添加した潤滑油を調製し
た。この潤滑油と冷媒(R134a)を1:9(容量
比)で混合し、この作動流体のフロック点をJIS K
2211に準拠して測定した。その結果を次に示す(単
位;℃)。 添 加 剤 0.2wt% 0.4wt% グリセリンモノオレイルエーテル(C18アルケニル) −15 −10 グリセリンモノステアリルエーテル(C18アルキル) 23 31 グリセリンモノセチルエーテル(C16アルキル) 18 25 フロック点は、添加剤が析出する温度であり、上記の結
果からアルキルグリセルエーテルでは溶解度が低いため
摩耗量を十分に低減するほどの量を添加することは困難
であることがわかる。
は、少なくとも二つの水酸基と、不飽和二重結合を有す
る少なくとも一つの炭化水素基をエーテル結合を介して
含む多価アルコール部分エーテル化合物を含むものであ
り、耐摩耗性が高く、金属材料の腐食およびスラッジ発
生が少ない。特にハイドロフロロカーボン冷媒を用いた
冷媒圧縮機の利用に好適なものである。
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも二つの水酸基を含み、かつ二
重結合を有する少なくとも一つの脂肪族炭化水素基をエ
ーテル結合を介して含む多価アルコール部分エーテル化
合物を有効成分とする潤滑油添加剤。 - 【請求項2】 前記脂肪族炭化水素基が炭素数が12〜
24のアルケニル基である請求項1記載の潤滑油添加
剤。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の潤滑油添加剤の有
効量と潤滑油基油とを含む潤滑油。 - 【請求項4】 潤滑油基油が多価アルコールエステル化
合物、またはポリエーテル化合物を主成分とする請求項
3記載の潤滑油。 - 【請求項5】 冷媒と請求項3又は4記載の潤滑油を含
む冷凍機作動流体。 - 【請求項6】 冷媒がハイドロフロロカーボンである請
求項5記載の冷凍機作動流体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP8390196A JP3514902B2 (ja) | 1995-04-07 | 1996-04-05 | 冷凍機用潤滑油組成物、冷凍機作動流体、冷媒圧縮機および冷凍装置 |
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JP7-107070 | 1995-10-04 | ||
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JP8390196A JP3514902B2 (ja) | 1995-04-07 | 1996-04-05 | 冷凍機用潤滑油組成物、冷凍機作動流体、冷媒圧縮機および冷凍装置 |
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JP (1) | JP3514902B2 (ja) |
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