JPH111315A - 球状活性炭素材複合体及びその製造方法 - Google Patents
球状活性炭素材複合体及びその製造方法Info
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- JPH111315A JPH111315A JP9152215A JP15221597A JPH111315A JP H111315 A JPH111315 A JP H111315A JP 9152215 A JP9152215 A JP 9152215A JP 15221597 A JP15221597 A JP 15221597A JP H111315 A JPH111315 A JP H111315A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】成形材料、塗料、膜材料、電子・電気材料、画
像用材料等に有用な、ナノメ−タ−からミクロンオ−ダ
−の平均粒径を有する球状活性炭素材複合体の製造方
法、及び該製造方法により得られる、ナノメ−タ−から
ミクロンオ−ダ−の平均粒径、狭い粒径分布を有する球
状活性炭素材複合体を提供する。 【解決手段】 次の工程、フェノ−ル樹脂とセルロ−
ス誘導体と溶媒とを含む均質混合液を調製する、該均
質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル樹脂とセルロ−
ス誘導体の相分離を生じさせる、フェノ−ル樹脂を硬
化させ、フェノール樹脂複合体を得る、フェノール樹
脂複合体を賦活する、もしくはフェノール樹脂複合体を
不活性ガス雰囲気下または真空雰囲気下で焼成した後、
焼成したフェノール樹脂複合体を賦活する、からなる球
状活性炭素材複合体およびその製造方法。
像用材料等に有用な、ナノメ−タ−からミクロンオ−ダ
−の平均粒径を有する球状活性炭素材複合体の製造方
法、及び該製造方法により得られる、ナノメ−タ−から
ミクロンオ−ダ−の平均粒径、狭い粒径分布を有する球
状活性炭素材複合体を提供する。 【解決手段】 次の工程、フェノ−ル樹脂とセルロ−
ス誘導体と溶媒とを含む均質混合液を調製する、該均
質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル樹脂とセルロ−
ス誘導体の相分離を生じさせる、フェノ−ル樹脂を硬
化させ、フェノール樹脂複合体を得る、フェノール樹
脂複合体を賦活する、もしくはフェノール樹脂複合体を
不活性ガス雰囲気下または真空雰囲気下で焼成した後、
焼成したフェノール樹脂複合体を賦活する、からなる球
状活性炭素材複合体およびその製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は球状活性炭素材複合
体及びその製造方法に関する。本発明により得られる球
状活性炭素材を含有する複合体は、吸着材料、触媒、触
媒担体のほか膜材料、電子・電気材料などとして各種工
業分野で用いられる。
体及びその製造方法に関する。本発明により得られる球
状活性炭素材を含有する複合体は、吸着材料、触媒、触
媒担体のほか膜材料、電子・電気材料などとして各種工
業分野で用いられる。
【0002】
【従来の技術】活性炭素材は、その良好な多孔質性を生
かして、吸着材料、触媒、触媒担体のほか、電子・電気
部品材料、バイオ材料などとして、幅広い産業分野で使
用されている。実際には、活性炭素材はそれぞれの用途
に応じて、多孔質性や形状の異なるものが各種製造され
ている。またそれら活性炭素材は単独で用いられるほ
か、使用目的に応じてそれらの活性炭素材をバインダ−
等で結合したり、成形したりして得られる複合体の形で
用いられる場合が多い。
かして、吸着材料、触媒、触媒担体のほか、電子・電気
部品材料、バイオ材料などとして、幅広い産業分野で使
用されている。実際には、活性炭素材はそれぞれの用途
に応じて、多孔質性や形状の異なるものが各種製造され
ている。またそれら活性炭素材は単独で用いられるほ
か、使用目的に応じてそれらの活性炭素材をバインダ−
等で結合したり、成形したりして得られる複合体の形で
用いられる場合が多い。
【0003】活性炭素材の形状としては、ヤシ殻、石炭
等の原料を賦活した後粉砕し、ふるい分けにより粉末や
粒としたものや、粉末状の原料をコ−ルタ−ルやピッチ
などの粘結剤を加えて造粒した粒状のもの、更にアクリ
ロニトリル系繊維、フェノ−ル系繊維、ピッチ系繊維等
の繊維状原料を賦活した繊維状のものや、メソカ−ボン
マイクロビ−ズの様な微小粒径の炭素材を賦活した球状
のもの等が知られている。特に近年、形状が高度に制御
された繊維状活性炭素材や球状活性炭素材がその優れた
多孔質性や電気化学特性などから広く用いられるように
なってきている。
等の原料を賦活した後粉砕し、ふるい分けにより粉末や
粒としたものや、粉末状の原料をコ−ルタ−ルやピッチ
などの粘結剤を加えて造粒した粒状のもの、更にアクリ
ロニトリル系繊維、フェノ−ル系繊維、ピッチ系繊維等
の繊維状原料を賦活した繊維状のものや、メソカ−ボン
マイクロビ−ズの様な微小粒径の炭素材を賦活した球状
のもの等が知られている。特に近年、形状が高度に制御
された繊維状活性炭素材や球状活性炭素材がその優れた
多孔質性や電気化学特性などから広く用いられるように
なってきている。
【0004】活性炭素材を成形して複合体の形で用いる
場合、特に繊維状活性炭素材は不織布、織物等のシ−ト
にすることが容易であり、吸着材料、触媒材料等として
の実用上の利用価値が高い。一方、粉末状や球状の活性
炭素材の場合は、有機または無機のバインダ−を用いて
成形することが可能だが、用いたバインダ−が活性炭素
材の表面を部分的に覆うなどして性能が十分に出ない場
合が多い。
場合、特に繊維状活性炭素材は不織布、織物等のシ−ト
にすることが容易であり、吸着材料、触媒材料等として
の実用上の利用価値が高い。一方、粉末状や球状の活性
炭素材の場合は、有機または無機のバインダ−を用いて
成形することが可能だが、用いたバインダ−が活性炭素
材の表面を部分的に覆うなどして性能が十分に出ない場
合が多い。
【0005】また、バインダ−でシ−ト状やブロック状
に成形した後、賦活処理をすることも可能だが、球状活
性炭素材が均一に分散保持されたシ−トや成形物を作る
ことが困難だったり、薄い厚みの均一な球状活性炭素材
複合体が得られにくいといった問題がある。また球状活
性炭素材を分散させた塗膜状形態にて利用する場合も、
球状活性炭素材の分散不良や不均一な凝集が生じ易いな
どの問題がある。
に成形した後、賦活処理をすることも可能だが、球状活
性炭素材が均一に分散保持されたシ−トや成形物を作る
ことが困難だったり、薄い厚みの均一な球状活性炭素材
複合体が得られにくいといった問題がある。また球状活
性炭素材を分散させた塗膜状形態にて利用する場合も、
球状活性炭素材の分散不良や不均一な凝集が生じ易いな
どの問題がある。
【0006】即ち、予め調製された球状活性炭素材やそ
の前駆体粒子をバインダ−と混合複合化する場合、その
過程で不均一な凝集や分散不良が生じやすい。特に、球
状粒子の粒径が小さいほど、また球状粒子の充填量が多
いほど、球状粒子は混練時に分散不良や凝集を生じやす
く、不均一な材料になり易い傾向を有しており、如何に
より均一な球状活性炭素材の分散を達成するかが大きな
課題である。
の前駆体粒子をバインダ−と混合複合化する場合、その
過程で不均一な凝集や分散不良が生じやすい。特に、球
状粒子の粒径が小さいほど、また球状粒子の充填量が多
いほど、球状粒子は混練時に分散不良や凝集を生じやす
く、不均一な材料になり易い傾向を有しており、如何に
より均一な球状活性炭素材の分散を達成するかが大きな
課題である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、成形材料、塗料、膜材料、電子・電気材
料、画像用材料等に有用な、ナノメ−タ−からミクロン
オ−ダ−の平均粒径を有する球状活性炭素材複合体の製
造方法、及び該製造方法により得られる、ナノメ−タ−
からミクロンオ−ダ−の平均粒径、狭い粒径分布を有す
る球状活性炭素材複合体を提供することにある。
する課題は、成形材料、塗料、膜材料、電子・電気材
料、画像用材料等に有用な、ナノメ−タ−からミクロン
オ−ダ−の平均粒径を有する球状活性炭素材複合体の製
造方法、及び該製造方法により得られる、ナノメ−タ−
からミクロンオ−ダ−の平均粒径、狭い粒径分布を有す
る球状活性炭素材複合体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ナノメ−
タ−からミクロンオ−ダ−の範囲の大きさで、粒径及び
粒径分布が制御された球状活性炭素材を良好な分散状態
で含有した球状活性炭素材複合体を得るべく鋭意研究に
取り組んだ結果、フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体を
含む均質混合液から溶媒を殆ど除いた後の固相での相分
離挙動を活用し、フェノ−ル樹脂を硬化した後、賦活す
ることで、粒径及び/又は粒径分布の制御された球状活
性炭素材が良好な分散状態で含有された球状活性炭素材
複合体を得ることが出来ることを見いだし本発明を完成
するに至った。
タ−からミクロンオ−ダ−の範囲の大きさで、粒径及び
粒径分布が制御された球状活性炭素材を良好な分散状態
で含有した球状活性炭素材複合体を得るべく鋭意研究に
取り組んだ結果、フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体を
含む均質混合液から溶媒を殆ど除いた後の固相での相分
離挙動を活用し、フェノ−ル樹脂を硬化した後、賦活す
ることで、粒径及び/又は粒径分布の制御された球状活
性炭素材が良好な分散状態で含有された球状活性炭素材
複合体を得ることが出来ることを見いだし本発明を完成
するに至った。
【0009】即ち、本発明は、 (1)下記の工程からなる球状活性炭素材複合体の製造
方法、 フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体と溶媒とを含む均
質混合液を調製する。 該均質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル樹脂とセ
ルロ−ス誘導体の相分離を生じさせる。 フェノ−ル樹脂を硬化させ、フェノール樹脂複合体を
得る。 フェノール樹脂複合体を賦活する。
方法、 フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体と溶媒とを含む均
質混合液を調製する。 該均質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル樹脂とセ
ルロ−ス誘導体の相分離を生じさせる。 フェノ−ル樹脂を硬化させ、フェノール樹脂複合体を
得る。 フェノール樹脂複合体を賦活する。
【0010】(2)下記の工程からなる球状活性炭素材
複合体の製造方法、 フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体と溶媒とを含む均
質混合液を調製する。 該均質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル樹脂とセ
ルロ−ス誘導体の相分離を生じさせる。 フェノ−ル樹脂を硬化させ、フェノール樹脂複合体を
得る。 フェノール樹脂複合体を不活性ガス雰囲気下または真
空雰囲気下で焼成する。 焼成したフェノール樹脂複合体を賦活する。
複合体の製造方法、 フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体と溶媒とを含む均
質混合液を調製する。 該均質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル樹脂とセ
ルロ−ス誘導体の相分離を生じさせる。 フェノ−ル樹脂を硬化させ、フェノール樹脂複合体を
得る。 フェノール樹脂複合体を不活性ガス雰囲気下または真
空雰囲気下で焼成する。 焼成したフェノール樹脂複合体を賦活する。
【0011】(3)溶媒が非水系溶剤であることを特徴
とする(1)又は(2)に記載の球状活性炭素材複合体
の製造方法、 (4)溶媒が60%以上の非水系溶剤と40%未満の水
から成る混合溶剤であることを特徴とする(1)又は
(2)に記載の球状活性炭素材複合体の製造方法、 (5)セルロ−ス誘導体/(セルロ−ス誘導体+フェノ
−ル樹脂)の割合が0.05〜0.95であることを特
徴とする(1)〜(4)のいずれか一つに記載の球状活
性炭素材複合体の製造方法、
とする(1)又は(2)に記載の球状活性炭素材複合体
の製造方法、 (4)溶媒が60%以上の非水系溶剤と40%未満の水
から成る混合溶剤であることを特徴とする(1)又は
(2)に記載の球状活性炭素材複合体の製造方法、 (5)セルロ−ス誘導体/(セルロ−ス誘導体+フェノ
−ル樹脂)の割合が0.05〜0.95であることを特
徴とする(1)〜(4)のいずれか一つに記載の球状活
性炭素材複合体の製造方法、
【0012】(6)フェノ−ル樹脂がメタノ−ルに可溶
なレゾ−ル型またはノボラック型フェノ−ル樹脂である
ことを特徴とする、上記の(1)〜(5)のいずれか一
つに記載の球状活性炭素材複合体の製造方法、 (7)セルロ−ス誘導体が非水系溶剤に可溶または均質
懸濁可能な、セルロ−スエ−テル又はセルロ−スエステ
ルの単独又は混合物であることを特徴とする(1)〜
(5)に記載の球状活性炭素材複合体の製造方法、 (8)セルロ−スエ−テルがエチルセルロ−スであっ
て、エトキシル含有率が44〜50%であることを特徴
とする(7)に記載の球状活性炭素材複合体の製造方
法、
なレゾ−ル型またはノボラック型フェノ−ル樹脂である
ことを特徴とする、上記の(1)〜(5)のいずれか一
つに記載の球状活性炭素材複合体の製造方法、 (7)セルロ−ス誘導体が非水系溶剤に可溶または均質
懸濁可能な、セルロ−スエ−テル又はセルロ−スエステ
ルの単独又は混合物であることを特徴とする(1)〜
(5)に記載の球状活性炭素材複合体の製造方法、 (8)セルロ−スエ−テルがエチルセルロ−スであっ
て、エトキシル含有率が44〜50%であることを特徴
とする(7)に記載の球状活性炭素材複合体の製造方
法、
【0013】(9)セルロ−スエステルが酢酸セルロ−
スであって、酢化度が43〜60.8%であることを特
徴とする(7)に記載の球状活性炭素材複合体の製造方
法、 (10)平均粒径が20nm〜30μmの範囲にある球
状活性炭素材を含有し、比表面積が300m2/g以上
であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか一つ
に記載の製造方法により得られる球状活性炭素材複合
体、及び、 (11)粒径分布の標準偏差が0.5以下である球状活
性炭素材を含有することを特徴とする、(10)に記載
の球状活性炭素材複合体を含むものである。
スであって、酢化度が43〜60.8%であることを特
徴とする(7)に記載の球状活性炭素材複合体の製造方
法、 (10)平均粒径が20nm〜30μmの範囲にある球
状活性炭素材を含有し、比表面積が300m2/g以上
であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか一つ
に記載の製造方法により得られる球状活性炭素材複合
体、及び、 (11)粒径分布の標準偏差が0.5以下である球状活
性炭素材を含有することを特徴とする、(10)に記載
の球状活性炭素材複合体を含むものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、平均粒径が20nm〜
30μmの範囲にあり、好ましくは粒径分布の標準偏差
が0.5以下である球状活性炭素材を含有し、比表面積
が300m2/g以上である球状活性炭素材複合体、及
びその製造方法である。
30μmの範囲にあり、好ましくは粒径分布の標準偏差
が0.5以下である球状活性炭素材を含有し、比表面積
が300m2/g以上である球状活性炭素材複合体、及
びその製造方法である。
【0015】本発明で用いるフェノ−ル樹脂としては、
使用するセルロ−ス誘導体と共通の溶剤に可溶なもの
で、且つ熱により硬化するものが用いられる。具体的に
は、フェノ−ル、ナフト−ル、ビスフェノ−ルA等の一
価のフェノ−ル性化合物、又はレゾルシン、キシレノ−
ル等の二価のフェノ−ル性化合物、又はピロガロ−ル、
ヒドロキシヒドロキノン等の三価のフェノ−ル性化合
物、及びこれらフェノ−ル性化合物のアルキル、カルボ
キシル、ハロゲン、アミン等の誘導体の単独又は2種以
上の混合物からなるフェノ−ル系化合物と、ホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド等の脂肪族アルデヒドあるい
はベンズアルデヒド、フルフラ−ル等の芳香族アルデヒ
ドのアルデヒド化合物とを所定のモル比に配合し、塩
酸、硫酸、しゅう酸、燐酸等の酸性触媒下あるいは水酸
化ナトリウム、アンモニア、アミン等のアルカリ性触媒
下で反応して得られるレゾ−ル型あるはノボラック型の
公知のフェノ−ル樹脂である。
使用するセルロ−ス誘導体と共通の溶剤に可溶なもの
で、且つ熱により硬化するものが用いられる。具体的に
は、フェノ−ル、ナフト−ル、ビスフェノ−ルA等の一
価のフェノ−ル性化合物、又はレゾルシン、キシレノ−
ル等の二価のフェノ−ル性化合物、又はピロガロ−ル、
ヒドロキシヒドロキノン等の三価のフェノ−ル性化合
物、及びこれらフェノ−ル性化合物のアルキル、カルボ
キシル、ハロゲン、アミン等の誘導体の単独又は2種以
上の混合物からなるフェノ−ル系化合物と、ホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド等の脂肪族アルデヒドあるい
はベンズアルデヒド、フルフラ−ル等の芳香族アルデヒ
ドのアルデヒド化合物とを所定のモル比に配合し、塩
酸、硫酸、しゅう酸、燐酸等の酸性触媒下あるいは水酸
化ナトリウム、アンモニア、アミン等のアルカリ性触媒
下で反応して得られるレゾ−ル型あるはノボラック型の
公知のフェノ−ル樹脂である。
【0016】ノボラック型フェノ−ル樹脂の場合は、一
般にはヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤を添加して
用いられる。また上記フェノ−ル樹脂を主成分として有
する熱硬化性樹脂を用いることも可能である。以上のフ
ェノ−ル樹脂の内、特に水以外の非水系溶剤に溶解する
するもの、もしくは40%未満の水と非水系溶剤からな
る混合溶剤に溶解するものが用いられ、特にメタノ−ル
可溶のものは好ましく用いられる。
般にはヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤を添加して
用いられる。また上記フェノ−ル樹脂を主成分として有
する熱硬化性樹脂を用いることも可能である。以上のフ
ェノ−ル樹脂の内、特に水以外の非水系溶剤に溶解する
するもの、もしくは40%未満の水と非水系溶剤からな
る混合溶剤に溶解するものが用いられ、特にメタノ−ル
可溶のものは好ましく用いられる。
【0017】本発明で用いるセルロ−ス誘導体として
は、セルロ−ス分子に含まれる(セルロ−スの構成単位
であるグルコ−ス残基当たり3個ある)水酸基の一部が
化学反応により置換されたもので、非水系溶剤、または
60%以上の非水系溶剤と40%未満の水からなる混合
溶剤に可溶又は均質懸濁可能なものが用いられる。具体
的には、酢酸セルロ−スなどのセルロ−スエステルや、
エチルセルロ−スなどのセルロ−スエ−テルが挙げら
れ、水酸基の置換度としては、グルコ−ス残基当りの置
換度が0〜3で、上記溶剤に可溶、又は均質懸濁するも
のが用いられる。
は、セルロ−ス分子に含まれる(セルロ−スの構成単位
であるグルコ−ス残基当たり3個ある)水酸基の一部が
化学反応により置換されたもので、非水系溶剤、または
60%以上の非水系溶剤と40%未満の水からなる混合
溶剤に可溶又は均質懸濁可能なものが用いられる。具体
的には、酢酸セルロ−スなどのセルロ−スエステルや、
エチルセルロ−スなどのセルロ−スエ−テルが挙げら
れ、水酸基の置換度としては、グルコ−ス残基当りの置
換度が0〜3で、上記溶剤に可溶、又は均質懸濁するも
のが用いられる。
【0018】水酸基置換度は、一般にグルコ−ス残基当
たりの置換基の重量パ−セントで表される場合が多く、
本発明において用いられるセルロ−ス誘導体では、例え
ば酢酸セルロ−スの場合は43〜60.8重量%の酢化
度のもの、エチルセルロ−スの場合は44〜50%のエ
トキシル含有率のものが好ましく用いれ、特にフェノ−
ル樹脂と共通の溶剤に可溶、または均質懸濁するものが
好ましく用いられる。
たりの置換基の重量パ−セントで表される場合が多く、
本発明において用いられるセルロ−ス誘導体では、例え
ば酢酸セルロ−スの場合は43〜60.8重量%の酢化
度のもの、エチルセルロ−スの場合は44〜50%のエ
トキシル含有率のものが好ましく用いれ、特にフェノ−
ル樹脂と共通の溶剤に可溶、または均質懸濁するものが
好ましく用いられる。
【0019】セルロ−ス誘導体の分子量としては、前記
条件を満たすものであれば種々のものが使用可能であ
り、特に限定されないが、例えば酢酸セルロ−スの場合
は平均重合度100〜400程度のものが好ましく用い
られる。
条件を満たすものであれば種々のものが使用可能であ
り、特に限定されないが、例えば酢酸セルロ−スの場合
は平均重合度100〜400程度のものが好ましく用い
られる。
【0020】本発明で用いる溶媒としては、フェノ−ル
樹脂を溶解させ、且つセルロ−ス誘導体を溶解または均
質懸濁させるものであれば良い。例えばメタノ−ル、エ
タノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、アミルアルコ−
ル、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素、
エチレンジクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
プロピル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテ−ト、
セオソルブアセテ−ト、エチルエ−テル、セロソルブ、
ブチルセロソルブ、ベンゼン、トルエン、キシレン、ア
セトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ヂオ
キサンなどの非水系溶剤の単独または混合溶剤が挙げら
れる。
樹脂を溶解させ、且つセルロ−ス誘導体を溶解または均
質懸濁させるものであれば良い。例えばメタノ−ル、エ
タノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、アミルアルコ−
ル、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素、
エチレンジクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
プロピル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテ−ト、
セオソルブアセテ−ト、エチルエ−テル、セロソルブ、
ブチルセロソルブ、ベンゼン、トルエン、キシレン、ア
セトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ヂオ
キサンなどの非水系溶剤の単独または混合溶剤が挙げら
れる。
【0021】更に、本発明で用いる溶媒としては、フェ
ノ−ル樹脂を溶解させ、且つセルロ−ス誘導体を溶解ま
たは均質懸濁させるものであれば、水と上記の非水系溶
剤との混合溶剤を用いることも可能であるが、この場合
は該混合溶剤中の水の割合は40%未満、好ましくは2
0%未満が良い。40%以上では本発明の方法による粒
径が良好に制御された球状活性炭素材複合体を得ること
が難しい。
ノ−ル樹脂を溶解させ、且つセルロ−ス誘導体を溶解ま
たは均質懸濁させるものであれば、水と上記の非水系溶
剤との混合溶剤を用いることも可能であるが、この場合
は該混合溶剤中の水の割合は40%未満、好ましくは2
0%未満が良い。40%以上では本発明の方法による粒
径が良好に制御された球状活性炭素材複合体を得ること
が難しい。
【0022】本発明における球状活性炭素材複合体の製
造においては、以下の二つの工程のいずれかを経ること
が必須である。即ち、下記の工程からなる球状活性炭素
材複合体の製造方法、 フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体と溶媒とを含む均
質混合液を調製する。 該均質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル樹脂とセ
ルロ−ス誘導体の相分離を生じさせる。 フェノ−ル樹脂を硬化させ、フェノール樹脂複合体を
得る。 フェノール樹脂複合体を賦活する。
造においては、以下の二つの工程のいずれかを経ること
が必須である。即ち、下記の工程からなる球状活性炭素
材複合体の製造方法、 フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体と溶媒とを含む均
質混合液を調製する。 該均質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル樹脂とセ
ルロ−ス誘導体の相分離を生じさせる。 フェノ−ル樹脂を硬化させ、フェノール樹脂複合体を
得る。 フェノール樹脂複合体を賦活する。
【0023】また本発明は、以下の工程のように賦活の
前に炭素化を行う場合も含まれる。 フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体と溶媒とを含む均
質混合液を調製する。 該均質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル樹脂とセ
ルロ−ス誘導体の相分離を生じさせる。 フェノ−ル樹脂を硬化させ、フェノール樹脂複合体を
得る。 フェノール樹脂複合体を不活性ガス雰囲気下または真
空雰囲気下で焼成する。 焼成したフェノール樹脂複合体を賦活する。
前に炭素化を行う場合も含まれる。 フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体と溶媒とを含む均
質混合液を調製する。 該均質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル樹脂とセ
ルロ−ス誘導体の相分離を生じさせる。 フェノ−ル樹脂を硬化させ、フェノール樹脂複合体を
得る。 フェノール樹脂複合体を不活性ガス雰囲気下または真
空雰囲気下で焼成する。 焼成したフェノール樹脂複合体を賦活する。
【0024】均質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル
樹脂とセルロ−ス誘導体の相分離を生じさせるとは、均
質混合液から溶媒を完全に除去した後、相分離を生じさ
せても良いし、溶媒の除去過程で両樹脂の間に相分離を
生じさせても良い。更に、溶媒除去および相分離と平行
してフェノ−ル樹脂の硬化を一部生じさせることも温度
条件等を選べば可能であるが、過度にフェノ−ル樹脂の
硬化を先行させると十分な両樹脂間の相分離が生じず、
粒径及び/又は粒径分布が十分に制御されない場合があ
る。
樹脂とセルロ−ス誘導体の相分離を生じさせるとは、均
質混合液から溶媒を完全に除去した後、相分離を生じさ
せても良いし、溶媒の除去過程で両樹脂の間に相分離を
生じさせても良い。更に、溶媒除去および相分離と平行
してフェノ−ル樹脂の硬化を一部生じさせることも温度
条件等を選べば可能であるが、過度にフェノ−ル樹脂の
硬化を先行させると十分な両樹脂間の相分離が生じず、
粒径及び/又は粒径分布が十分に制御されない場合があ
る。
【0025】本発明の製造方法においては、まずフェノ
−ル樹脂とセルロ−ス誘導体とを含む均質混合液を調製
することが必要である。セルロ−ス誘導体の量は、セル
ロ−ス誘導体/(フェノ−ル樹脂+セルロ−ス誘導体)
の0.05〜0.95であることが好ましい。セルロ−
ス誘導体の量が0.05未満では粒径及び/又は粒径分
布の制御が不十分となる。また0.95以上では得られ
る複合体中の球状活性炭素材の量が少なすぎる欠点があ
る。
−ル樹脂とセルロ−ス誘導体とを含む均質混合液を調製
することが必要である。セルロ−ス誘導体の量は、セル
ロ−ス誘導体/(フェノ−ル樹脂+セルロ−ス誘導体)
の0.05〜0.95であることが好ましい。セルロ−
ス誘導体の量が0.05未満では粒径及び/又は粒径分
布の制御が不十分となる。また0.95以上では得られ
る複合体中の球状活性炭素材の量が少なすぎる欠点があ
る。
【0026】また均質混合液中の両樹脂の合計濃度は均
質混合液が調製できれば良く、特に限定されないが、好
ましくは5〜90重量%が用いられる。ここで5重量%
以下では溶剤量が過剰となり混合液からの球状活性炭素
材複合体の生成効率が悪く、また90重量%以上では溶
剤量が少量のため均質混合液の調製が困難な場合が多
い。
質混合液が調製できれば良く、特に限定されないが、好
ましくは5〜90重量%が用いられる。ここで5重量%
以下では溶剤量が過剰となり混合液からの球状活性炭素
材複合体の生成効率が悪く、また90重量%以上では溶
剤量が少量のため均質混合液の調製が困難な場合が多
い。
【0027】本発明におけるフェノ−ル樹脂とセルロ−
ス誘導体の均質混合液としては、両樹脂が完全に溶媒に
溶解した透明溶液の他、安定した懸濁状態を保つ均質懸
濁液も含まれる。かかる均質混合液の調製方法として
は、両樹脂を別々に、同じ又は異種の溶媒に溶解または
均質懸濁させた後、混合しても良いし、両樹脂を溶媒に
同時に溶解または均質懸濁させても良い。かかる均質混
合液の調製において撹拌したり、加熱したり、溶解促進
剤を添加することなどは有効に用いられる。
ス誘導体の均質混合液としては、両樹脂が完全に溶媒に
溶解した透明溶液の他、安定した懸濁状態を保つ均質懸
濁液も含まれる。かかる均質混合液の調製方法として
は、両樹脂を別々に、同じ又は異種の溶媒に溶解または
均質懸濁させた後、混合しても良いし、両樹脂を溶媒に
同時に溶解または均質懸濁させても良い。かかる均質混
合液の調製において撹拌したり、加熱したり、溶解促進
剤を添加することなどは有効に用いられる。
【0028】本発明においては、該均質混合液から溶媒
を除去し次いで両樹脂の相分離を生じさせること、もし
くは溶媒の除去と両樹脂の相分離を同時平行的に生じさ
せることが必須である。ここで溶媒除去条件は溶媒の沸
点等によっても変わり、特に限定されないが、例えば0
〜100℃程度の温度で空気や窒素の流通下、もしくは
真空下で行うことができる。
を除去し次いで両樹脂の相分離を生じさせること、もし
くは溶媒の除去と両樹脂の相分離を同時平行的に生じさ
せることが必須である。ここで溶媒除去条件は溶媒の沸
点等によっても変わり、特に限定されないが、例えば0
〜100℃程度の温度で空気や窒素の流通下、もしくは
真空下で行うことができる。
【0029】また、両樹脂の相分離は所定の温度で一定
時間保持することで行える。相分離速度は、例えば保持
温度により変化し、一般に高温であるほど相分離は早く
進む。具体的には0〜150℃程度の温度で保持した場
合、数分以内〜10日程度で相分離が完了する。また相
分離速度は用いる両樹脂の種類、組成、溶剤種、溶媒量
や試料厚み等によっても影響される。
時間保持することで行える。相分離速度は、例えば保持
温度により変化し、一般に高温であるほど相分離は早く
進む。具体的には0〜150℃程度の温度で保持した場
合、数分以内〜10日程度で相分離が完了する。また相
分離速度は用いる両樹脂の種類、組成、溶剤種、溶媒量
や試料厚み等によっても影響される。
【0030】相分離の進行は、所定の温度での時間経過
毎の試料の断面を走差型電子顕微鏡測定により観察する
ことや、もっと容易には光透過率を測定することによっ
て観察できる。具体的には、例えば溶媒を室温でキャス
トして除去して得られた両樹脂(フェノ−ル樹脂/エチ
ルセルロ−ス=70/30重量比)の均質複合体を一定
温度(例えば50℃)で保持した場合、相分離の進行と
共に、透明性が透明(光透過率=約90%)から不透明
(光透過率=約10%)に変化することで確認できる。
ここでの光透過率はサンプル厚み100μm換算での光
透過率で示している。
毎の試料の断面を走差型電子顕微鏡測定により観察する
ことや、もっと容易には光透過率を測定することによっ
て観察できる。具体的には、例えば溶媒を室温でキャス
トして除去して得られた両樹脂(フェノ−ル樹脂/エチ
ルセルロ−ス=70/30重量比)の均質複合体を一定
温度(例えば50℃)で保持した場合、相分離の進行と
共に、透明性が透明(光透過率=約90%)から不透明
(光透過率=約10%)に変化することで確認できる。
ここでの光透過率はサンプル厚み100μm換算での光
透過率で示している。
【0031】相分離前後の光透過率の変化は、フェノ−
ル樹脂の粒径及び相分離度合いによって異なるが、本発
明における良好な球状活性炭素材複合体を与える為に
は、相分離後の光透過率が相分離前の光透過率より20
%以上低下していることが好ましい。以上の様に、一般
には溶媒除去を行った後、両樹脂の相分離を行わせる
が、溶媒除去と相分離の少なくとも一部を平行して行わ
せたり、更に、溶媒除去から両樹脂の相分離そしてフェ
ノ−ル樹脂の硬化反応までを連続して、又は同時平行的
に行なうことも、相分離による球状フェノ−ル樹脂の発
現をへて目的とする球状活性炭素材複合体が得られる限
り有効に用いられる。
ル樹脂の粒径及び相分離度合いによって異なるが、本発
明における良好な球状活性炭素材複合体を与える為に
は、相分離後の光透過率が相分離前の光透過率より20
%以上低下していることが好ましい。以上の様に、一般
には溶媒除去を行った後、両樹脂の相分離を行わせる
が、溶媒除去と相分離の少なくとも一部を平行して行わ
せたり、更に、溶媒除去から両樹脂の相分離そしてフェ
ノ−ル樹脂の硬化反応までを連続して、又は同時平行的
に行なうことも、相分離による球状フェノ−ル樹脂の発
現をへて目的とする球状活性炭素材複合体が得られる限
り有効に用いられる。
【0032】但し、溶媒が多く含まれている時点で高温
での処理をする場合は、気泡が含まれたり、粒径や粒径
分布の制御が十分で無くなる場合がある。従って、より
粒径のそろった球状活性炭素材複合体を調製するために
は、例えば相分離開始時の溶媒含有量が少ないこと、保
持する温度がサンプル全体で均一であることなどが有効
である。粒径の制御には、相分離の温度や時間の他、フ
ェノ−ル樹脂、セルロ−ス誘導体の種類や量、溶剤の種
類や量を変えることが有効である。例えば、相分離の温
度を高くすると得られる最終的に得られる複合体中の球
状炭素材の粒径は大きくなり、セルロ−ス誘導体/(セ
ルロ−ス誘導体+フェノ−ル樹脂)の割合を大きくする
と得られる複合体中の球状炭素材の粒径は小さくなる。
での処理をする場合は、気泡が含まれたり、粒径や粒径
分布の制御が十分で無くなる場合がある。従って、より
粒径のそろった球状活性炭素材複合体を調製するために
は、例えば相分離開始時の溶媒含有量が少ないこと、保
持する温度がサンプル全体で均一であることなどが有効
である。粒径の制御には、相分離の温度や時間の他、フ
ェノ−ル樹脂、セルロ−ス誘導体の種類や量、溶剤の種
類や量を変えることが有効である。例えば、相分離の温
度を高くすると得られる最終的に得られる複合体中の球
状炭素材の粒径は大きくなり、セルロ−ス誘導体/(セ
ルロ−ス誘導体+フェノ−ル樹脂)の割合を大きくする
と得られる複合体中の球状炭素材の粒径は小さくなる。
【0033】一方、フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体
の相分離を完了させること無く、相分離途中で中止して
次の工程に移ることも有効に用いられる。この部分的な
相分離によりフェノ−ル樹脂の一部が相分離して球状粒
子となり、残りはかかる球状粒子の間に結合材として存
在することとなる。従って賦活後、球状活性炭素材の周
りに、セルロ−ス誘導体由来の多孔質炭素だけでなく相
分離しなかったフェノ−ル樹脂由来の多孔質炭素がバイ
ンダ−として存在することとなり、球状活性炭素材がよ
り強固に結合された球状活性炭素材複合体が得られるこ
ととなる。
の相分離を完了させること無く、相分離途中で中止して
次の工程に移ることも有効に用いられる。この部分的な
相分離によりフェノ−ル樹脂の一部が相分離して球状粒
子となり、残りはかかる球状粒子の間に結合材として存
在することとなる。従って賦活後、球状活性炭素材の周
りに、セルロ−ス誘導体由来の多孔質炭素だけでなく相
分離しなかったフェノ−ル樹脂由来の多孔質炭素がバイ
ンダ−として存在することとなり、球状活性炭素材がよ
り強固に結合された球状活性炭素材複合体が得られるこ
ととなる。
【0034】また、フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体
の相分離を部分的に行った場合は、表面積がより大きい
球状活性炭素材複合体が得られる場合が多い。これは相
分離できなかったセルロ−ス誘導体がフェノ−ル樹脂中
に分子状に近い形で分散しており、引き続く賦活により
フェノ−ル樹脂が多孔質炭素化する際、含まれたセルロ
−ス誘導体が減量することにより表面積の大きな球状活
性炭素材複合体が得られるためと考えられる。
の相分離を部分的に行った場合は、表面積がより大きい
球状活性炭素材複合体が得られる場合が多い。これは相
分離できなかったセルロ−ス誘導体がフェノ−ル樹脂中
に分子状に近い形で分散しており、引き続く賦活により
フェノ−ル樹脂が多孔質炭素化する際、含まれたセルロ
−ス誘導体が減量することにより表面積の大きな球状活
性炭素材複合体が得られるためと考えられる。
【0035】本発明においてフェノ−ル樹脂の硬化反応
は、通常、加熱により行われ、具体的には100〜50
0℃の温度で大気中、又は不活性ガス雰囲気中で保持す
ることで行われる。また、かかる加熱による硬化と共
に、または加熱硬化後に、セルロ−ス誘導体の部分的な
除去を行うことは、炭素質バインダ−の量を制御(減
少)する場合には有効である。例えばフェノ−ル樹脂の
加熱硬化後にセルロ−ス誘導体を溶解し、且つフェノ−
ル樹脂硬化物を溶解しない溶剤(抽出剤)を用いて、一
部のセルロ−ス誘導体を抽出除去したり、200〜50
0℃の範囲の温度で加熱することにより、セルロ−ス誘
導体の一部が熱分解する加熱条件を用いる方法などが利
用できる。
は、通常、加熱により行われ、具体的には100〜50
0℃の温度で大気中、又は不活性ガス雰囲気中で保持す
ることで行われる。また、かかる加熱による硬化と共
に、または加熱硬化後に、セルロ−ス誘導体の部分的な
除去を行うことは、炭素質バインダ−の量を制御(減
少)する場合には有効である。例えばフェノ−ル樹脂の
加熱硬化後にセルロ−ス誘導体を溶解し、且つフェノ−
ル樹脂硬化物を溶解しない溶剤(抽出剤)を用いて、一
部のセルロ−ス誘導体を抽出除去したり、200〜50
0℃の範囲の温度で加熱することにより、セルロ−ス誘
導体の一部が熱分解する加熱条件を用いる方法などが利
用できる。
【0036】逆に炭素質バインダ−の量を増加させる場
合は、炭素化可能な樹脂等を溶液状態で第3成分として
共存させるか、もしくは相分離後や上記したセルロ−ス
誘導体の一部を除去した後に、含浸または塗布すること
で行うことが出来、球状活性炭素材複合体の強度を増し
たり形状を整えたりするのに有効である。
合は、炭素化可能な樹脂等を溶液状態で第3成分として
共存させるか、もしくは相分離後や上記したセルロ−ス
誘導体の一部を除去した後に、含浸または塗布すること
で行うことが出来、球状活性炭素材複合体の強度を増し
たり形状を整えたりするのに有効である。
【0037】本発明における賦活は、従来知られている
種々の賦活方法を用いることができる。例えば、水蒸気
や炭酸ガス(燃焼ガス)や酸素(空気)、その他の酸化
ガスと好ましくは700℃〜1200℃にて接触反応さ
せるガス賦活法や、塩化亜鉛、燐酸塩、水酸化カリウム
等のアルカリ金属化合物、硫酸等の酸類を含浸した後、
不活性ガス雰囲気中で好ましくは300℃〜800℃の
温度にて加熱することによる薬品賦活法が用いられる。
種々の賦活方法を用いることができる。例えば、水蒸気
や炭酸ガス(燃焼ガス)や酸素(空気)、その他の酸化
ガスと好ましくは700℃〜1200℃にて接触反応さ
せるガス賦活法や、塩化亜鉛、燐酸塩、水酸化カリウム
等のアルカリ金属化合物、硫酸等の酸類を含浸した後、
不活性ガス雰囲気中で好ましくは300℃〜800℃の
温度にて加熱することによる薬品賦活法が用いられる。
【0038】薬品賦活法の場合は、用いた薬品を酸また
はアルカリで中和したり、水洗等を用いて除去すること
が一般的に行われる。更に本発明においては、薬品賦活
法における薬品添加を相分離後の複合体に対して行うほ
か、均質混合液において行うこともその後の相分離が妨
げられない限り用いられる。
はアルカリで中和したり、水洗等を用いて除去すること
が一般的に行われる。更に本発明においては、薬品賦活
法における薬品添加を相分離後の複合体に対して行うほ
か、均質混合液において行うこともその後の相分離が妨
げられない限り用いられる。
【0039】また本発明においては、不活性ガス雰囲気
または真空雰囲気で複合体を焼成した後、賦活する方法
も、球状活性炭素材複合体の収率や比表面積を制御する
場合に用いられる。ここで不活性ガス雰囲気または真空
雰囲気での焼成は、好ましくは500〜1200℃の温
度に加熱して行われる。
または真空雰囲気で複合体を焼成した後、賦活する方法
も、球状活性炭素材複合体の収率や比表面積を制御する
場合に用いられる。ここで不活性ガス雰囲気または真空
雰囲気での焼成は、好ましくは500〜1200℃の温
度に加熱して行われる。
【0040】本発明に対して、フェノ−ル樹脂のみでセ
ルロ−ス誘導体を含まない場合は、目的とする球状活性
炭素材複合体は得られず、従来知られているフェノ−ル
樹脂由来の活性炭素材(全体が一体物となっており、表
面積が相対的に小さい)が得られるのみである。例え、
両樹脂を所定量含んだ均質混合液(例えば両樹脂の合計
濃度が30重量%の均質溶液)を調製した場合でも溶剤
を除去しないで、密閉系でそのまま保持した場合はなん
ら相分離等の変化は生じず、更に該均質混合液に水を添
加していきフェノ−ル樹脂を析出させた後、硬化、賦活
しても、本発明におけるような球状活性炭素複合体は得
られない。
ルロ−ス誘導体を含まない場合は、目的とする球状活性
炭素材複合体は得られず、従来知られているフェノ−ル
樹脂由来の活性炭素材(全体が一体物となっており、表
面積が相対的に小さい)が得られるのみである。例え、
両樹脂を所定量含んだ均質混合液(例えば両樹脂の合計
濃度が30重量%の均質溶液)を調製した場合でも溶剤
を除去しないで、密閉系でそのまま保持した場合はなん
ら相分離等の変化は生じず、更に該均質混合液に水を添
加していきフェノ−ル樹脂を析出させた後、硬化、賦活
しても、本発明におけるような球状活性炭素複合体は得
られない。
【0041】本発明の球状活性炭素材複合体は、20n
m〜100μm、好ましくは20nm〜30μm、更に
好ましくは20nm〜10μmの範囲に平均粒径を有
し、粒径分布の標準偏差が0.5以下、好ましくは0.
3以下、更に好ましくは0.2以下であるように制御さ
れた球状活性炭素材を良好な分散状態で含むものであ
り、且つ300m2/g以上、好ましくは800m2/g
以上、更に好ましくは1200m2/g以上の比表面積
を有する球状活性炭素材複合体である。このように形態
が高度に制御された球状活性炭素材複合体は、成形材
料、塗料、膜材料、電子・電気材料、画像用材料などと
して各種工業分野で用いられる。
m〜100μm、好ましくは20nm〜30μm、更に
好ましくは20nm〜10μmの範囲に平均粒径を有
し、粒径分布の標準偏差が0.5以下、好ましくは0.
3以下、更に好ましくは0.2以下であるように制御さ
れた球状活性炭素材を良好な分散状態で含むものであ
り、且つ300m2/g以上、好ましくは800m2/g
以上、更に好ましくは1200m2/g以上の比表面積
を有する球状活性炭素材複合体である。このように形態
が高度に制御された球状活性炭素材複合体は、成形材
料、塗料、膜材料、電子・電気材料、画像用材料などと
して各種工業分野で用いられる。
【0042】
【実施例】次いで本発明を実施例によって更に説明す
る。尚、例中の%は特に断りの無い限り重量基準であ
る。
る。尚、例中の%は特に断りの無い限り重量基準であ
る。
【0043】(実施例1)エチルセルロ−ス(ハ−キュ
レス社製エチルセルロ−ス、N−200:エトキシル基
含有率48〜49.5%)30gをアセトン300gに
室温で撹拌して、半透明、乳白濁の均質液を得た。フェ
ノ−ル樹脂溶液(大日本インキ化学工業株式会社製レゾ
−ル型フェノ−ル樹脂溶液、プライオ−フェンJ−32
5:メタノ−ル溶媒、固形分=58%)120g(樹脂
分70g)を上記均質液に室温で撹拌しながら混合し、
黄色味を帯びたやや乳白濁の均質混合液を得た。
レス社製エチルセルロ−ス、N−200:エトキシル基
含有率48〜49.5%)30gをアセトン300gに
室温で撹拌して、半透明、乳白濁の均質液を得た。フェ
ノ−ル樹脂溶液(大日本インキ化学工業株式会社製レゾ
−ル型フェノ−ル樹脂溶液、プライオ−フェンJ−32
5:メタノ−ル溶媒、固形分=58%)120g(樹脂
分70g)を上記均質液に室温で撹拌しながら混合し、
黄色味を帯びたやや乳白濁の均質混合液を得た。
【0044】該均質混合液中のエチルセルロ−スとフェ
ノ−ル樹脂の合計の濃度は22.2%であり、エチルセ
ルロ−ス/(エチルセルロ−ス+フェノ−ル樹脂)の比
は0.3であった。該均質混合液をアルミ容器中に最終
樹脂厚みが3mmとなるように注ぎ、乾燥空気流通下、
20℃で16時間保持し溶剤をキャストした。16時間
後のフェノ−ル樹脂/エチルセルロ−ス混合物は均質、
透明な複合体であった。次いで該フェノ−ル樹脂/エチ
ルセルロ−ス均質複合体を40℃の乾燥器に入れ24時
間の加熱処理を行った。この40℃での加熱処理過程に
おいて加熱開始後1時間以内で樹脂複合体は、均質だが
不透明となっているのが観測された。
ノ−ル樹脂の合計の濃度は22.2%であり、エチルセ
ルロ−ス/(エチルセルロ−ス+フェノ−ル樹脂)の比
は0.3であった。該均質混合液をアルミ容器中に最終
樹脂厚みが3mmとなるように注ぎ、乾燥空気流通下、
20℃で16時間保持し溶剤をキャストした。16時間
後のフェノ−ル樹脂/エチルセルロ−ス混合物は均質、
透明な複合体であった。次いで該フェノ−ル樹脂/エチ
ルセルロ−ス均質複合体を40℃の乾燥器に入れ24時
間の加熱処理を行った。この40℃での加熱処理過程に
おいて加熱開始後1時間以内で樹脂複合体は、均質だが
不透明となっているのが観測された。
【0045】100μm厚みに換算したサンプルでの光
透過率は相分離前が91%であり、40℃で24時間保
持した相分離後が6%であった。なお光透過率は日本電
色工業株式会社製濁度計NDH−300Aにより測定し
た。不透明になったのはこの間にフェノ−ル樹脂とエチ
ルセルロ−スのミクロな相分離が進行したことによるも
のであった。得られた均質、不透明な樹脂複合体を18
0℃で2時間加熱し、フェノ−ル樹脂の熱硬化反応を促
進させた後、窒素中、水蒸気存在下、10℃/分の昇温
速度で1000℃まで昇温し、3時間保持して賦活し
た。
透過率は相分離前が91%であり、40℃で24時間保
持した相分離後が6%であった。なお光透過率は日本電
色工業株式会社製濁度計NDH−300Aにより測定し
た。不透明になったのはこの間にフェノ−ル樹脂とエチ
ルセルロ−スのミクロな相分離が進行したことによるも
のであった。得られた均質、不透明な樹脂複合体を18
0℃で2時間加熱し、フェノ−ル樹脂の熱硬化反応を促
進させた後、窒素中、水蒸気存在下、10℃/分の昇温
速度で1000℃まで昇温し、3時間保持して賦活し
た。
【0046】得られた活性炭素材の断面をPtを用いて
3nmの厚みに表面コ−トし、走差型電子顕微鏡を用い
て形態観察を行った。その結果、該活性炭素材は平均粒
径1.2μm、標準偏差0.24の粒径の揃った球状活
性炭素材を均質分散成分として含有する球状活性炭素材
複合体であることが確認された。また、湯浅アイオニク
ス株式会社製全自動ガス吸着装置「オ−トソ−ブ1C」
を用いて比表面積および細孔径分布を測定した。比表面
積は1290m2/g、平均細孔径は約0.8nmであ
った。
3nmの厚みに表面コ−トし、走差型電子顕微鏡を用い
て形態観察を行った。その結果、該活性炭素材は平均粒
径1.2μm、標準偏差0.24の粒径の揃った球状活
性炭素材を均質分散成分として含有する球状活性炭素材
複合体であることが確認された。また、湯浅アイオニク
ス株式会社製全自動ガス吸着装置「オ−トソ−ブ1C」
を用いて比表面積および細孔径分布を測定した。比表面
積は1290m2/g、平均細孔径は約0.8nmであ
った。
【0047】(実施例2)40℃で24時間の加熱処理
をする代わりに、25℃で96時間保持した以外は実施
例1と同様にして活性炭素材を調製した。25℃で96
時間保持後の樹脂複合体は実施例1と同様な均質・不透
明な複合体となっていた。得られた活性炭素材は、平均
粒径0.7μm、その標準偏差0.12の球状活性炭素
材を均質分散成分とする比表面積1305m2/gの球
状活性炭素材複合体であった。
をする代わりに、25℃で96時間保持した以外は実施
例1と同様にして活性炭素材を調製した。25℃で96
時間保持後の樹脂複合体は実施例1と同様な均質・不透
明な複合体となっていた。得られた活性炭素材は、平均
粒径0.7μm、その標準偏差0.12の球状活性炭素
材を均質分散成分とする比表面積1305m2/gの球
状活性炭素材複合体であった。
【0048】(実施例3)エチルセルロ−スの種類が異
なることと、25℃で96時間保持する代わりに50℃
で3時間保持すること以外は実施例2と同様にして活性
炭素材を調製した。用いたエチルセルロ−スはハ−キュ
レス社製エチルセルロ−ス、N−7:エトキシル基含有
率48〜49.5%)。得られた活性炭素材の走差型電
子顕微鏡写真を図1に示す。該活性炭素材は平均粒径
1.55μmの球状活性炭素材を均質分散成分とする、
比表面積1200m2/gの球状活性炭素材複合体であ
った。
なることと、25℃で96時間保持する代わりに50℃
で3時間保持すること以外は実施例2と同様にして活性
炭素材を調製した。用いたエチルセルロ−スはハ−キュ
レス社製エチルセルロ−ス、N−7:エトキシル基含有
率48〜49.5%)。得られた活性炭素材の走差型電
子顕微鏡写真を図1に示す。該活性炭素材は平均粒径
1.55μmの球状活性炭素材を均質分散成分とする、
比表面積1200m2/gの球状活性炭素材複合体であ
った。
【0049】(実施例4)エチルセルロ−スの代わりに
酢酸セルロ−スを、またその溶媒としてアセトンの代わ
りにアセトンと水の混合溶媒(アセトン/水=9/1)
を用いること以外は実施例2と同様にして活性炭素材を
調製した。酢酸セルロ−スはダイセル化学工業株式会社
製酢酸セルロ−ス、LL−10(酢化度=43〜45
%、平均重合度=100〜120)を用いた。なお上記
酢酸セルロ−スを混合溶媒に溶かしたものは均質な薄い
乳白濁をした液であり、フェノ−ル樹脂を含む混合液は
均質なやや濃い乳白濁を呈した。
酢酸セルロ−スを、またその溶媒としてアセトンの代わ
りにアセトンと水の混合溶媒(アセトン/水=9/1)
を用いること以外は実施例2と同様にして活性炭素材を
調製した。酢酸セルロ−スはダイセル化学工業株式会社
製酢酸セルロ−ス、LL−10(酢化度=43〜45
%、平均重合度=100〜120)を用いた。なお上記
酢酸セルロ−スを混合溶媒に溶かしたものは均質な薄い
乳白濁をした液であり、フェノ−ル樹脂を含む混合液は
均質なやや濃い乳白濁を呈した。
【0050】また、溶剤を20℃で16時間キャスト後
の樹脂複合体は均質透明であり、96時間保持後は均質
不透明となった。得られた活性炭素材は平均粒径3.9
μm、標準偏差0.18の球状活性炭素材を均質分散成
分とする、比表面積1040m2/gの球状活性炭素材
複合体であった。
の樹脂複合体は均質透明であり、96時間保持後は均質
不透明となった。得られた活性炭素材は平均粒径3.9
μm、標準偏差0.18の球状活性炭素材を均質分散成
分とする、比表面積1040m2/gの球状活性炭素材
複合体であった。
【0051】(実施例5)酢酸セルロ−スの種類及びそ
の溶媒の種類が異なること以外は実施例4と同様にして
活性炭素材を調製した。用いた酢酸セルロ−スはダイセ
ル化学工業株式会社製酢酸セルロ−ス、LT−105
(酢化度=60.8%、平均重合度=360)を、その
溶媒としてはメチレンクロライドとメタノ−ルとの混合
溶媒(メチレンクロライド/メタノ−ル=9/1)を用
いた。得られた活性炭素材は、平均粒径24μmの球状
活性炭素材を均質分散成分とする、比表面積890m2
/gの球状活性炭素材複合体であった。
の溶媒の種類が異なること以外は実施例4と同様にして
活性炭素材を調製した。用いた酢酸セルロ−スはダイセ
ル化学工業株式会社製酢酸セルロ−ス、LT−105
(酢化度=60.8%、平均重合度=360)を、その
溶媒としてはメチレンクロライドとメタノ−ルとの混合
溶媒(メチレンクロライド/メタノ−ル=9/1)を用
いた。得られた活性炭素材は、平均粒径24μmの球状
活性炭素材を均質分散成分とする、比表面積890m2
/gの球状活性炭素材複合体であった。
【0052】(実施例6)実施例1と同じ方法で、相分
離により不透明となった、フェノ−ル樹脂/エチルセル
ロ−ス均質複合体を得た。該複合体を150℃で2時間
加熱後、窒素中315℃で30分間加熱することによ
り、エチルセルロ−スが部分的に除去された。その後、
実施例1と同じ方法で賦活し、平均粒径1.15μmの
球状活性炭素材を均質分散成分とする、比表面積136
0m2/gの球状活性炭素材複合体を得た。複合体中の
エチルセルロ−ス由来の炭素質バインダ−量は、実施例
1より2〜3割程度減少なく観察された。
離により不透明となった、フェノ−ル樹脂/エチルセル
ロ−ス均質複合体を得た。該複合体を150℃で2時間
加熱後、窒素中315℃で30分間加熱することによ
り、エチルセルロ−スが部分的に除去された。その後、
実施例1と同じ方法で賦活し、平均粒径1.15μmの
球状活性炭素材を均質分散成分とする、比表面積136
0m2/gの球状活性炭素材複合体を得た。複合体中の
エチルセルロ−ス由来の炭素質バインダ−量は、実施例
1より2〜3割程度減少なく観察された。
【0053】(実施例7)賦活する前に、窒素ガス雰囲
気で、10℃/分で950℃まで昇温し30分間保持し
て焼成を行ったこと以外は、実施例1と同じ方法で、活
性炭素材複合体の調製を行った。得られた活性炭素材複
合体は平均粒径1.2μmの球状活性炭素材を均質に分
散した球状活性炭素材複合体であった。比表面積は13
90m2/gであった。
気で、10℃/分で950℃まで昇温し30分間保持し
て焼成を行ったこと以外は、実施例1と同じ方法で、活
性炭素材複合体の調製を行った。得られた活性炭素材複
合体は平均粒径1.2μmの球状活性炭素材を均質に分
散した球状活性炭素材複合体であった。比表面積は13
90m2/gであった。
【0054】(実施例8及び9)エチルセルロ−ス/
(エチルセルロ−ス+フェノ−ル樹脂)の割合が0.5
(実施例8)及び0.7(実施例9)であること以外は
実施例2と同様にして活性炭素材を調製した。得られた
活性炭素材は平均粒径200nm(実施例8)及び平均
粒径25nm(実施例9)の球状活性炭素材を均質分散
した、比表面積1640m2/g(実施例8)及び比表
面積1730m2/g(実施例9)の球状活性炭素材複
合体であった。
(エチルセルロ−ス+フェノ−ル樹脂)の割合が0.5
(実施例8)及び0.7(実施例9)であること以外は
実施例2と同様にして活性炭素材を調製した。得られた
活性炭素材は平均粒径200nm(実施例8)及び平均
粒径25nm(実施例9)の球状活性炭素材を均質分散
した、比表面積1640m2/g(実施例8)及び比表
面積1730m2/g(実施例9)の球状活性炭素材複
合体であった。
【0055】(実施例10)エチルセルロ−ス(ハ−キ
ュレス社製エチルセルロ−ス、N−200:エトキシル
基含有率48〜49.5%)30gをアセトン270g
に室温で撹拌して、半透明、乳白濁の均質液を得た。フ
ェノ−ル樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製ノボラ
ック型フェノ−ル樹脂、プライオ−フェン5510(ヘ
キサメチレンテトラミン硬化剤含有物)70gをメタノ
−ル70gに溶解した溶液を上記均質液に室温で撹拌し
ながら混合し黄色味を帯びたやや乳白濁の均質混合液を
得た。
ュレス社製エチルセルロ−ス、N−200:エトキシル
基含有率48〜49.5%)30gをアセトン270g
に室温で撹拌して、半透明、乳白濁の均質液を得た。フ
ェノ−ル樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製ノボラ
ック型フェノ−ル樹脂、プライオ−フェン5510(ヘ
キサメチレンテトラミン硬化剤含有物)70gをメタノ
−ル70gに溶解した溶液を上記均質液に室温で撹拌し
ながら混合し黄色味を帯びたやや乳白濁の均質混合液を
得た。
【0056】該均質混合液中のエチルセルロ−スとフェ
ノ−ル樹脂の合計の濃度は22.7%であり、エチルセ
ルロ−ス/(エチルセルロ−ス+フェノ−ル樹脂)の比
は0.3であった。該均質混合液をアルミ容器中に最終
樹脂厚みが3mmとなるように注ぎ、乾燥空気流通下、
20℃で30時間保持し、次いで80℃の乾燥器に入
れ、10時間の加熱処理を行った。
ノ−ル樹脂の合計の濃度は22.7%であり、エチルセ
ルロ−ス/(エチルセルロ−ス+フェノ−ル樹脂)の比
は0.3であった。該均質混合液をアルミ容器中に最終
樹脂厚みが3mmとなるように注ぎ、乾燥空気流通下、
20℃で30時間保持し、次いで80℃の乾燥器に入
れ、10時間の加熱処理を行った。
【0057】得られた均質、不透明な樹脂複合体を15
0℃で2時間加熱し、フェノ−ル樹脂の熱硬化反応を促
進させた。得られたフェノ−ル樹脂硬化物を、水蒸気存
在下窒素中、10℃/分の昇温速度で1000℃まで昇
温し、3時間保持して賦活した。得られた活性炭素材は
平均粒径650nm、標準偏差0.15の球状活性炭素
材を均質成分として含有する、比表面積14100m2
/gの球状活性炭素材複合体であった。
0℃で2時間加熱し、フェノ−ル樹脂の熱硬化反応を促
進させた。得られたフェノ−ル樹脂硬化物を、水蒸気存
在下窒素中、10℃/分の昇温速度で1000℃まで昇
温し、3時間保持して賦活した。得られた活性炭素材は
平均粒径650nm、標準偏差0.15の球状活性炭素
材を均質成分として含有する、比表面積14100m2
/gの球状活性炭素材複合体であった。
【0058】(比較例1)エチルセルロ−スを用いない
こと以外は実施例1と同様にして活性炭素材を調製し
た。得られた活性炭素材は全体が一体となった均質な活
性炭素材として得られ、何ら球状粒子の形態は得られな
かった。また比表面積は205m2/gであった。
こと以外は実施例1と同様にして活性炭素材を調製し
た。得られた活性炭素材は全体が一体となった均質な活
性炭素材として得られ、何ら球状粒子の形態は得られな
かった。また比表面積は205m2/gであった。
【0059】
【発明の効果】本発明は、成形材料、塗料、膜材料、電
子・電気材料、画像用材料等に有用な、マイクロメ−タ
−またはそれ以下の大きさの粒径、具体的には0.1〜
30μmの範囲に平均粒径を有し、粒径分布が制御され
た球状活性炭素材を均質分散してなる高比表面積の球状
活性炭素材複合体及びその製造方法を提供できる。
子・電気材料、画像用材料等に有用な、マイクロメ−タ
−またはそれ以下の大きさの粒径、具体的には0.1〜
30μmの範囲に平均粒径を有し、粒径分布が制御され
た球状活性炭素材を均質分散してなる高比表面積の球状
活性炭素材複合体及びその製造方法を提供できる。
【図1】実施例3で得られた球状活性炭素材複合体の走
差型電子顕微鏡写真である。
差型電子顕微鏡写真である。
Claims (11)
- 【請求項1】 下記の工程からなる球状活性炭素材複合
体の製造方法。 フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体と溶媒とを含む均
質混合液を調製する。 該均質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル樹脂とセ
ルロ−ス誘導体の相分離を生じさせる。 フェノ−ル樹脂を硬化させ、フェノール樹脂複合体を
得る。 フェノール樹脂複合体を賦活する。 - 【請求項2】 下記の工程からなる球状活性炭素材複合
体の製造方法。 フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体と溶媒とを含む均
質混合液を調製する。 該均質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル樹脂とセ
ルロ−ス誘導体の相分離を生じさせる。 フェノ−ル樹脂を硬化させ、フェノール樹脂複合体を
得る。 フェノール樹脂複合体を不活性ガス雰囲気下または真
空雰囲気下で焼成する。 焼成したフェノール樹脂複合体を賦活する。 - 【請求項3】 溶媒が非水系溶剤であることを特徴とす
る請求項1又は2に記載の球状活性炭素材複合体の製造
方法。 - 【請求項4】 溶媒が60%以上の非水系溶剤と40%
未満の水から成る混合溶剤であることを特徴とする請求
項1又は2に記載の球状活性炭素材複合体の製造方法。 - 【請求項5】 セルロ−ス誘導体/(セルロ−ス誘導体
+フェノ−ル樹脂)の割合が0.05〜0.95である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の
球状活性炭素材複合体の製造方法。 - 【請求項6】 フェノ−ル樹脂がメタノ−ルに可溶なレ
ゾ−ル型またはノボラック型フェノ−ル樹脂であること
を特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の球状
活性炭素材複合体の製造方法。 - 【請求項7】 セルロ−ス誘導体が非水系溶剤に可溶ま
たは均質懸濁可能な、セルロ−スエ−テル又はセルロ−
スエステルの単独又は混合物であることを特徴とする請
求項1〜5のいずれか一つに記載の球状活性炭素材複合
体の製造方法。 - 【請求項8】 セルロ−スエ−テルがエチルセルロ−ス
であって、エトキシル含有率が44〜50%であること
を特徴とする請求項7に記載の球状活性炭素材複合体の
製造方法。 - 【請求項9】 セルロ−スエステルが酢酸セルロ−スで
あって、酢化度が43〜60.8%であることを特徴と
する請求項7に記載の球状活性炭素材複合体の製造方
法。 - 【請求項10】 平均粒径が20nm〜30μmの範囲
にある球状活性炭素材を含有し、比表面積が300m2
/g以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれ
か一つに記載の製造方法により得られる球状活性炭素材
複合体。 - 【請求項11】 粒径分布の標準偏差が0.5以下であ
る球状活性炭素材を含有することを特徴とする、請求項
10に記載の球状活性炭素材複合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9152215A JPH111315A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 球状活性炭素材複合体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9152215A JPH111315A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 球状活性炭素材複合体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH111315A true JPH111315A (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=15535600
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9152215A Pending JPH111315A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 球状活性炭素材複合体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH111315A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4658626A (en) * | 1984-01-20 | 1987-04-21 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Conveyor in plastic working machine |
US4694951A (en) * | 1985-10-04 | 1987-09-22 | Cincinnati Milacron Inc. | Bottom loader for a conveyor means |
JP2008222463A (ja) * | 2007-03-09 | 2008-09-25 | Univ Of Miyazaki | レゾルシノール系ポリマーを前駆体とした高比表面積炭素とその製造方法及び用途 |
US7947114B2 (en) | 2005-08-05 | 2011-05-24 | Ntnu Technology Transfer As | Carbon membranes |
KR101048388B1 (ko) | 2008-10-07 | 2011-07-11 | (주)한독카본 | 과립형 활성 탄소 제조방법 |
JP2012236902A (ja) * | 2011-05-11 | 2012-12-06 | Mazda Motor Corp | 球状炭素材含有樹脂材及びその製造方法 |
-
1997
- 1997-06-10 JP JP9152215A patent/JPH111315A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4658626A (en) * | 1984-01-20 | 1987-04-21 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Conveyor in plastic working machine |
US4694951A (en) * | 1985-10-04 | 1987-09-22 | Cincinnati Milacron Inc. | Bottom loader for a conveyor means |
US7947114B2 (en) | 2005-08-05 | 2011-05-24 | Ntnu Technology Transfer As | Carbon membranes |
JP2008222463A (ja) * | 2007-03-09 | 2008-09-25 | Univ Of Miyazaki | レゾルシノール系ポリマーを前駆体とした高比表面積炭素とその製造方法及び用途 |
KR101048388B1 (ko) | 2008-10-07 | 2011-07-11 | (주)한독카본 | 과립형 활성 탄소 제조방법 |
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