JPH11131063A - 精製された液晶の製造法 - Google Patents

精製された液晶の製造法

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JPH11131063A
JPH11131063A JP10045272A JP4527298A JPH11131063A JP H11131063 A JPH11131063 A JP H11131063A JP 10045272 A JP10045272 A JP 10045272A JP 4527298 A JP4527298 A JP 4527298A JP H11131063 A JPH11131063 A JP H11131063A
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producing
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purified liquid
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JP10045272A
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Yasue Yoshioka
康恵 吉岡
Masahiro Kino
正博 城野
Tomoyuki Yui
知之 油井
Takakiyo Mine
高清 峰
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K19/00Liquid crystal materials

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 工程1;反強誘電性液晶またはフェリ誘
電性液晶原料を芳香族炭化水素溶媒に溶解し、 工程2;この液晶溶液をゼオライト、アルミナ又はシリ
カゲルの一種以上の吸着剤と接触させて、吸着剤と液晶
溶液とを分離し、 工程3;得られた液晶溶液を精密ろ過し、 工程4;得られたろ液から溶媒を除去することよりなる
精製液晶の製造法。 【効果】 比抵抗5×1012Ω・cm以上、熱分解率 (空気
中 120℃、24時間放置し、高速液体クロマトグラフィー
により分析した。) 0.3重量%以下、特に 0.1%以下で
ある精製液晶を得られる結果、表示品質、表示信頼性に
優れた単純マトリックス液晶表示素子またはアクテイブ
マトリックス液晶表示素子を実現できると同時に液晶パ
ネル製造工程で液晶の熱分解を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精製された反強誘電性
液晶またはフェリ誘電性液晶の製造法であり、得られた
液晶は、熱安定性にすぐれ、かつ、電気絶縁性が良好で
ある。該液晶をもちいることにより、表示品質、表示信
頼性に優れた液晶表示素子とすることを可能とするもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、高速かつ視野角依存性のない液晶
表示素子として反強誘電性液晶素子およびフェリ誘電性
液晶素子が注目されている。反強誘電性液晶素子は単純
マトリックス駆動表示方式の液晶表示素子で使用され、
フェリ誘電性液晶素子はアクテイブマトリックス駆動表
示方式の液晶表示素子で使用される。
【0003】一般的に、液晶表示素子に用いられる液晶
材料は、化学的な不純物を含まない高純度のものが必要
とされる。特に、イオン性不純物の存在ができるだけ少
ないことが要求される。液晶中のイオン性不純物の存在
は、単純マトリックス駆動方式の場合は、配向膜表面に
不純物イオンが蓄積することによるスイッチング不良、
すなわち、焼き付きという現象を発生させ、表示むらの
多い液晶素子の原因となる。アクテイブマトリックス駆
動方式の場合は、イオン性不純物の存在は上記の焼き付
きのほか、不純物イオンによる漏れ電流があるため電圧
保持率が低下しコントラストの低下を引き起こす。
【0004】また、一般に反強誘電性液晶およびフェリ
誘電性液晶を液晶セル中に注入する際、粘度が非常に高
いため、等方相以上の温度で注入が行われる。このよう
な温度で注入が行われるとき、液晶中にイオン性不純
物、酸性物質、塩基性物質およびその他の不純物が含ま
れる場合、液晶は比較的簡単に熱分解してしまう。従っ
て、表示信頼性の高い液晶表示素子を実現するために、
液晶パネル製造工程における液晶の熱分解を抑制するた
めには、液晶中の不純物であるイオン性不純物、酸性物
質および塩基性物質などは、できるだけ存在しないこと
が望ましく、少なくともそれらの存在量をある一定量以
下に制限する必要がある。
【0005】反強誘電性液晶およびフェリ誘電性液晶は
幾つかの工程を経て製造されるが、その製造工程で不純
物の混入や生成を抑制しようとしても、不純物の混入を
免れることはできず、製造過程から考えると、通常、ア
ルカリ金属イオン、ハロゲンイオン、酢酸イオン、ぎ酸
イオン、その他が液晶中に存在していると思われる。従
来、このようなイオン性不純物を除去する方法として
は、次のような方法が提案されている。イオン性不純物
の吸着剤としてイオン交換樹脂、キレート樹脂、ゼオラ
イト、アルミナ、活性炭などを使用し、液晶と混合しイ
オン性不純物を除去する方法(特公平1-48305 、特開昭
52-59081、特開昭63-261224 、特開昭64-87685、特開平
1-281421、特開平4-013795、特開平7-72439 および特開
平7-181508等の各公報)や加熱下水で抽出する方法(特
開平8-193193)などが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】実際に、反強誘電性液
晶およびフェリ誘電性液晶はかなりのイオン性不純物を
含んでおり、その比抵抗値は約 1010 Ω・cm程度であ
る。焼き付きが発生しない、表示むらが出ないなどの表
示品質に優れた液晶表示素子を実現するためには、液晶
の比抵抗値は約 1012 Ω・cm以上であることが必要であ
るとされている。
【0007】本発明者らは、上記の諸方法を反強誘電性
液晶およびフェリ誘電性液晶の精製に適用したが、いず
れも十分な効果は得られず比抵抗値は 1011 Ω・cm程度
までにしか上昇しなかった。更に、液晶パネルの製造工
程において液晶が熱分解してしまうという問題も発生し
た。また、ある程度の効果があった方法でも、その操作
が煩雑であったり、また工業的に考えた場合、経済的で
ないという問題を含んでいるなどで簡便且つ経済的な効
果的な方法を見出す必要があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに鋭意検討した結果、反強誘電性液晶およびフェリ誘
電性液晶を芳香族炭化水素に溶解した液晶溶液を、特定
の吸着剤と接触させ、ついで精密ろ過することによっ
て、比抵抗値が高く、しかも熱分解し難い高純度の液晶
が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、工程1;精製すべき
反強誘電性液晶またはフェリ誘電性液晶を芳香族炭化水
素溶媒に溶解した溶液を調製し、 工程2;この液晶溶液をゼオライト、アルミナおよびシ
リカゲルからえらばれた少なくとも一種の吸着剤と接触
させて、該吸着剤と液晶溶液とを分離し、 工程3;ついで得られた液晶溶液を精密ろ過し、 工程4;得られたろ液から該溶媒を除去することよりな
ることを特徴とする精製された液晶の製造法である。
【0010】本発明の精製の対象である液晶は、反強誘
電性液晶またはフェリ誘電性液晶であり、反強誘電性液
晶化合物またはフェリ誘電性液晶化合物それ自体であっ
てもよく、これら化合物にその特性を改善するために他
の液晶化合物や液晶相を有しない化合物を適宜混合した
組成物を包含する。これら精製の対象となる液晶の液晶
相は、スメクチック相であることから、通常、固体に近
い状態にある。
【0011】本発明の精製された液晶の製造法に好まし
く適用される液晶化合物を示すと下記一般式(1) で表さ
れる。この一般式(1) 中に包含される反強誘電性液晶化
合物、フェリ誘電性液晶化合物或いはそれらを含む組成
物が有利に適用される。 一般式(1) : R-O-Ph-Ph-COO-Ph(X)-COO-C*HAW 式中、-Ph-は1,4-フェニレン基、-Ph(X)- は2-または3-
位にフッ素置換していてもよい1,4-フェニレン基、A は
-CH3または-CF3、C*は不斉炭素原子であり、W は、下記
(w1), (w2), (w3) または(w4)で示される基である。 (w1); -CnH2n+1 (nは4-10の整数を示す。) (w2); -(CH2)mOCrH2r+1 (mは2-8, rは1-5 の整数を示す。) (w3); -(CH2)mOCH2CHpF3-P (mは2-8, pは0-2 の整数を示す。) (w4); -(CH2)qCH(CsH2s+1)2 (qは0-5, sは1-5 の整数を示す。)
【0012】本発明の工程1は、前記した精製すべき液
晶を芳香族炭化水素溶媒に溶解した液晶溶液を調製する
工程である。この工程1に使用される溶媒は、精製すべ
き液晶を溶解することができ、かつ、空気中の水分を吸
収しがたい芳香族炭化水素が好ましく、好ましくは炭素
数 6〜10の芳香族炭化水素である。具体的には、ベンゼ
ン、トルエン、o-キシレン、m-キシレンまたはp-キシレ
ンが挙げられ、特にトルエンが好ましい。芳香族炭化水
素の使用割合は液晶の種類および溶媒の種類などによっ
てその範囲はかわるが、通常、液晶 1重量部当たり、溶
媒 5〜40重量部、好ましくは10〜30重量部である。
【0013】また、この工程1で用いる芳香族炭化水素
は、精製の目的から、純度が高いグレードのものを使用
すべき、イオン性不純物やハロゲン化合物などを実質的
に含有しないものを使用する。この工程1に適した高純
度の芳香族炭化水素は、一般的に超純グレードと称され
市販されている。この超純グレードは電子工業薬品のE
L規格において、"Electronic Grade"と称されているも
のである。工程1の液晶溶液の調製温度は液晶の溶解度
や分解を考慮して、一般に10〜70℃、好ましくは15〜50
℃の範囲が適当である。
【0014】前記工程1で得られた液晶溶液は、次の工
程2において吸着剤と接触させる。この工程2の前に、
工程1からの液晶溶液を純水で洗浄処理するしてもよ
い。この純水は、イオン性不純物を可能な限り除去した
ものが再汚染を防ぐ意味から必要であり、その比抵抗値
は 1×107 Ω・cm以上であることが望ましい。純水によ
る洗浄処理は、液晶溶液に純水を加え、十分に攪拌混合
し、その後、水を分離することを適宜繰り返す方法 (混
合洗浄法) 、その他が適用される。混合洗浄法の場合、
水洗1回あたり水の使用量は液晶1重量部当たり、水
10〜50重量部、好ましくは水 15 〜40重量部であり、通
常、2〜5回、好ましくは2〜4回繰り返すことが好ま
しい。
【0015】また、純水による洗浄処理の温度は室温近
辺でよく、通常、10〜30℃の範囲であることが好まし
い。さらに、洗浄処理の時間は、液晶と水とを十分に接
触させるに十分な時間であり、混合洗浄法の場合、合計
時間として少なくとも15分程度は必要であり、また長時
間水洗しても意味はなく、30分以内で十分である。純水
による洗浄処理をした後、水と液晶溶液とは相分離する
ので、水相を分離し、液晶溶液を得、これを工程2に供
する。なお、工程2において、吸着剤として、アルミナ
またはシリカゲルを用いるときには、洗浄処理した液晶
溶液から水分を可能な限り除去することが望ましい。
【0016】工程2では、工程1で得た液晶溶液をゼオ
ライト、アルミナおよびシリカゲルから選ばれた少なく
とも一種の吸着剤と接触させて、イオン性不純物などを
吸着剤に吸着させ除去する。この接触処理により、液晶
溶液中のイオン性不純物などは極めて少ない量に減少
し、比抵抗値が改善された液晶溶液が得られる。使用す
るゼオライト、アルミナまたはシリカゲルは、1種でも
或いは2種以上であってもよい。アルミナはα型、β型
またはγ型のいずれでもよいが、α型が好ましい。吸着
剤の中でゼオライトが最も好適であり、プロトン型ゼオ
ライト、特にH+型ゼオライトであることが望ましい。
また、ゼオライトは SiO2/Al2O3 のモル比が 3/1〜10/1
の範囲のものが適している。接触処理後、液晶溶液との
分離操作の容易性などから、形状は、直径1〜2mm、長
さ 0.5〜1.5mm の柱状結晶であることが望ましい。
【0017】工程2における吸着剤と液晶溶液との接触
処理は、両者が効率良く接触できる方法である限り、特
に制限はない。具体的には、(i).液晶溶液中に吸着剤を
加えて攪拌する方法 (攪拌混合法) および (ii).吸着剤
を充填したカラム中に液晶溶液を通過させる方法 (カラ
ム法) が挙げられる。攪拌混合法(i) において、液晶溶
液中の液晶1重量部当たり吸着剤 0.1〜5 重量部、好ま
しくは 0.5〜2 重量部の範囲が望ましく、接触処理の時
間は 1〜6 時間、好ましくは 2〜5 時間である。接触処
理を実施した後、吸着剤をろ別して得られた液晶溶液を
次の工程3において精密ろ過する。
【0018】ガラム法(ii)においては、吸着剤を充填し
たカラム中の液晶溶液が通過する時間 (接触時間) は
0.3〜10秒、好ましくは 0.5〜5 秒の範囲である。カラ
ムを通過した後液晶溶液はそのまま次の工程3において
精密ろ過する。また、工程2の接触処理は温度 10〜50
℃、好ましくは20〜30℃の範囲で実施する。更に、工程
2において、複数の充填剤を使用することは工業的に有
利である。例えば、液晶溶液をアルミナまたはシリカゲ
ルと接触処理し、ついでゼオライトと接触処理すること
によって、より高純度の液晶を得ることが可能である。
この場合、液晶溶液を、アルミナまたはシリカゲルを充
填したカラム、ついでゼオライトを充填したカラムを通
過させることができ、高価なゼオライトの吸着負荷を軽
減できる。
【0019】工程2で吸着剤と分離した液晶溶液を、工
程3において精密ろ過することにより、工程2で用いた
吸着剤の微粉末などの固体微粉末を除去する。この工程
3においては、精密ろ過を実施する前に、液晶溶液を再
汚染しない通常の孔径のろ材(例えば、ろ紙など)を用
いてろ過することは、精密ろ過の負荷を軽減するために
好ましい。精密ろ過のろ材は、再汚染を起こさず、最終
的に孔径 0.1〜0.3 μmのミクロポアーを有するろ材を
用いる。この精密ろ過により、吸着剤やその他の微粉末
がほぼ完全に除去され、熱安定性に優れ、比抵抗値の高
い液晶が得られる。精密ろ過は通常、温度20〜30℃の範
囲で実施する。
【0020】工程3で得た液晶溶液を工程4において、
溶媒を除去し、目的の精製された液晶を得る。溶媒の除
去は、通常、溶媒を留去することにより実施する。その
条件は用いた芳香族炭化水素溶媒の種類によってことな
るが、あまり高い温度での溶媒の留去は、液晶の熱劣化
を招く恐れがあり望ましくない。通常、50〜200 torr、
10〜70℃の温度で実施する。また、留去後微量の芳香族
炭化水素が液晶中に残存しないように、液晶を加熱・高
真空下 (例えば、温度 50〜100 ℃、 0.1〜0.2Torr)で
0.5〜2 時間放置することが好ましい。
【0021】
【発明の効果】本発明によって、比抵抗値が5×1012Ω
・cm以上であり、かつ熱分解率 (空気中 120℃、24時間
放置し、高速液体クロマトグラフィーにより分析するこ
とにより求めた。) が 0.3重量%以下、特に 0.1%以下
である精製された液晶を得ることができる。その結果、
表示品質、表示信頼性に優れた単純マトリックス液晶表
示素子またはアクテイブマトリックス液晶表示素子が実
現できると同時に液晶パネル製造工程において、液晶の
熱分解を抑制することができる。
【0022】
【実施例】次に、実施例及び比較例を掲げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はもちろんこれに限定さ
れるものではない。なお、実施例、比較例において、液
晶の比抵抗値の測定および熱安定性試験(熱分解率)は
下記方法により測定した。
【0023】(1). 比抵抗値の測定 図1に示される回路を使用し、抵抗R(Ω) を測定するこ
とによって求めた。ここで液体電極セルはコンデンサー
の役割を果たす。電極定数K(K=S/d=11.3*C S:電極面
積, d:電極間隔) は、液体電極セルが空の時の静電容量
C(pF)を測定することによって求められる。また、被測
定物質は、常温では固体に近い液晶物質であるので、イ
オン性不純物の分散を均一にするために次のような条件
で測定を行った。液体電極セルに被測定物質 1g を入
れ、オーブン中で 100℃に加熱し 5分間放置し、液晶を
等方相とした。ついで徐冷により25℃とし45分間放置
し、抵抗値を測定した。 (2). 熱安定性試験 空気中 120℃、24時間放置し、液晶物質を高速液体クロ
マトグラフィーにより分析することにより熱分解率
(%) を調べた。
【0024】比較例1 下記化学構造式(A) で示され、比抵抗値 6×1010Ω・cm
の反強誘電性液晶を用いて、次のように処理した。 (A) : C9H19-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(CH2)4OC2H5 (式中、-Ph-は1,4-フェニレン基、-Ph(3F)-はフェニレ
ン基の水酸基残基を基準にして3位置のフッ素置換した
1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素を示す。)
【0025】液晶A 1gを超純トルエン 20gに溶解した。
この溶液に、比抵抗値 1×107 Ω・cmの超純水 30gを加
え、5分間振とうした後、水を分離した。さらに、同様
の操作を2回繰り返した。水を分離した溶液に、ゼオラ
イト (東ソウ (株) 製; USY. HSG-330 HUD ; SiO2/Al2
O3=6/1 、平均直径 1.6mm、平均長さ 0.8mm) 1gを入
れ、3時間攪拌した。溶液をろ紙によりろ過しゼオライ
トを分離した。得られた溶液から圧力 100 Torr でトル
エンを留去し、さらに、90℃,0.1〜0.2torr の真空下1
時間処理した。その後、比抵抗値の測定と熱安定性試験
を行った結果を表1に示した。液晶の比抵抗値は大幅に
向上したが、熱安定性が不十分であった。
【0026】実施例1 比較例1において、ろ紙により柱状のゼオライトをろ過
した溶液を、さらに、0.2μmのミクロポアーを有する
テフロン製のろ材を用いてろ過した。その後、更に比較
例1と同様に処理した後、比抵抗値の測定と熱安定性試
験を行った結果を表1に示した。液晶の比抵抗値は大幅
に向上し、かつ、熱安定性も良好であった。
【0027】実施例2 比較例1で用いたと同じ比抵抗値 6×1010Ω・cmの反強
誘電性液晶(A) を用い下記のとおり処理した。液晶A 1g
を超純トルエン 20gに溶解した。この溶液に、比較例1
で用いたゼオライト (USY. HSG-330 HUD) 1gを入れ、3
時間攪拌した。その後、ゼオライトをろ紙によりろ過し
分離した。ついで、 0.2μmのミクロポアーを有するテ
フロン製のろ材を用いてろ過した。トルエンを留去し、
さらに90℃,0.1〜0.2torr の真空下1時間処理した。そ
の後、比抵抗値の測定と熱安定性試験を行った結果を表
1に示した。
【0028】
【表1】 試験種、番号 比抵抗 (Ω・cm) 熱分解率 (%) 比較例1 2×1013 1.2 実施例1 2×1013 0.0 実施例2 3×1013 0.0
【0029】比較例2 下記化学構造式で示される反強誘電性液晶(B) の比抵抗
値と熱安定性を調べた結果を表2に示した。 (B) : C9H19-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(CH2)5OC2H5 (式中、-Ph-は1,4-フェニレン基、-Ph(3F)-はフェニレ
ン基の水酸基残基を基準にして3位置のフッ素置換した
1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素を示す。)
【0030】比較例3 比較例2で用いた液晶 1.6g をトルエン28g に溶解し
た。ゼオライト(東ソウ製;USY. HSG-330HUD ;SiO2
Al2O3=6、直径 1.6mm、長さ 0.8mm(何れも平均値)
)16g を充填したカラムに液晶の流速 8.8g/秒でトル
エンに溶解した液晶を流した。この時の液晶の接触時間
は 1.8秒であった。得られた流出液よりトルエンを留去
し、比較例2と同様の試験を行った結果を表2に示し
た。比抵抗値は改善されたが、熱分解性は改善されなか
った。
【0031】実施例3 比較例3において、カラム流出液を、0.2 μmのミクロ
ポアーを有するテフロン製のろ材で液晶を含むトルエン
溶液をろ過した。その後、更に比較例3と同様に処理
し、比抵抗値の測定と熱安定性試験を行った結果を表2
に示した。比抵抗値および熱安定性とも改善されてい
た。 実施例4 実施例3において、接触時間を 0.9秒とした以外は、実
施例3とまったく同様に処理した結果を表2に示した。
【0032】比較例4 実施例3において、ゼオライトの代わりにモレキュラー
シーブ4Aを用いた以外は実施例3とまったく同様に操
作した結果を表1に示した。比抵抗値は改善されたが、
熱安定性は改善されなかった。
【0033】比較例5 比較例2と同様にして、下記の化学構造式で示されるフ
ェリ誘電性液晶化合物(C) の比抵抗値と熱安定性を調べ
た。 C : C9H19-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(CH2)3OC2H5 (式中、-Ph-は1,4-フェニレン基、-Ph(3F)-はフェニレ
ン基の水酸基残基を基準として3位置にフッ素置換した
1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素を示す。) 実施例5 比較例5で用いたフェリ誘電性液晶化合物(C) を実施例
3と同様に処理し、比抵抗値と熱安定性を調べた結果を
表2に示した。
【0034】
【表2】試験種・番号 接触時間 ろ過 比抵抗 熱分解率 比較例2 −(秒) 無 6×1012 1.2 (%) 比較例3 1.8 〃 無 2×1013 1.2 〃 実施例3 1.8 〃 有 2×1013 0 〃 実施例4 0.9 〃 有 2×1013 0 〃 比較例4 1.8 〃 有 1×1013 0.3 〃 比較例5 − 〃 無 8×1011 1.5 〃 実施例5 1.8 〃 有 5×1012 0 〃
【0035】実施例6および7 実施例2において、ゼオライトの代わりに、アルミナ
(実施例6)またはシリカゲル(実施例7)を使用する
他は同様の条件で精製した液晶を得た。なお、アルミナ
は、住友化学製活性アルミナ AC-11 (中心粒子径80〜10
0 μmであり、シリカゲルは富士シリシア製 FL60B (粒
子径60μm) である。結果を下記表3に示した。 実施例8および9 実施例1において、トルエンの代わりに、ベンゼン(実
施例8)またはo-キシレン(実施例9)を使用する他は
同様の条件で精製した液晶を得た。結果を下記表3に示
した。
【0036】
【表3】 試験種、番号 比抵抗 (Ω・cm) 熱分解率 (%) 実施例6 2×1013 0.3 実施例7 2×1013 0.3 実施例8 2×1013 0.0 実施例9 2×1013 0.0
【図面の簡単な説明】
【図1】比抵抗値を測定するための回路の説明図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 峰 高清 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工程1;精製すべき反強誘電性液晶また
    はフェリ誘電性液晶を芳香族炭化水素溶媒に溶解した溶
    液を調製し、 工程2;この液晶溶液をゼオライト、アルミナおよびシ
    リカゲルから選ばれた少なくとも一種の吸着剤と接触さ
    せて、該吸着剤と液晶溶液とを分離し、 工程3;ついで得られた液晶溶液を精密ろ過し、 工程4;得られたろ液から該溶媒を除去することよりな
    ることを特徴とする精製された液晶の製造法。
  2. 【請求項2】 該吸着剤がゼオライトである請求項1記
    載の精製された液晶の製造法。
  3. 【請求項3】 該吸着剤がプロトン型ゼオライトである
    請求項1記載の精製された液晶の製造法。
  4. 【請求項4】 該吸着剤が直径 1〜2 mm、長さ 0.5〜1.
    5mm の柱状ゼオライトである請求項1記載の精製された
    液晶の製造法。
  5. 【請求項5】 該芳香族炭化水素溶媒がベンゼン、トル
    エンまたはキシレンである請求項1記載の精製された液
    晶の製造法。
  6. 【請求項6】 該芳香族炭化水素溶媒がトルエンである
    請求項1記載の精製された液晶の製造法。
  7. 【請求項7】 該精密ろ過が孔径 0.1〜0.3 μmのミク
    ロポアを有するろ材を使用する請求項1記載の精製され
    た液晶の製造法。
  8. 【請求項8】 該工程1の液晶溶液を純水で少なくとも
    1回洗浄処理して後工程2に供給する請求項1記載の精
    製された液晶の製造法。
  9. 【請求項9】 該純水のの比抵抗値が 1×107 Ω・cm以
    上である請求項8記載の精製された液晶の製造法。
  10. 【請求項10】 該洗浄処理1回当たりの純水の使用料
    が重量で、液晶1部に対して10〜50部である請求項8記
    載の精製された液晶の製造法。
  11. 【請求項11】 該洗浄処理を温度10〜30℃で実施する
    請求項8記載の精製された液晶の製造法。
  12. 【請求項12】 該洗浄処理が合計で少なくとも15分間
    実施する請求項8記載の精製された液晶の製造法。
  13. 【請求項13】 比抵抗値が5×1012Ω・cm以上であ
    り、かつ熱分解率 (空気中 120℃、24時間放置し、高速
    液体クロマトグラフィーにより分析することにより求め
    た。) が 0.3重量%以下である精製された液晶を得る請
    求項1記載の精製された液晶の製造法。
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