JPH11130713A - ジベンゾシクロヘプテノン誘導体及びその塩 - Google Patents

ジベンゾシクロヘプテノン誘導体及びその塩

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JPH11130713A
JPH11130713A JP9309706A JP30970697A JPH11130713A JP H11130713 A JPH11130713 A JP H11130713A JP 9309706 A JP9309706 A JP 9309706A JP 30970697 A JP30970697 A JP 30970697A JP H11130713 A JPH11130713 A JP H11130713A
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JP
Japan
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Withdrawn
Application number
JP9309706A
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English (en)
Inventor
Atsushi Inoue
淳 井上
Oushiyou Sai
応渉 崔
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Senju Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 糖尿病性合併症の予防、治療に有効なアルド
ース還元酵素阻害作用を有するジベンゾシクロヘプテン
誘導体を提供する。 【解決手段】 一般式1 [R1とR2は独立に水酸基、アリール基で置換されて
もよい低級アルコキシ基、ハロゲンを表し、但しその一
方がハロゲンの時他方は水酸基を表し;R3とR4は一
方が水素、他方がヒドロキシメチル、低級アルキルアミ
ノメチル、カルボキシ低級アルキルアミノメチル、ジオ
キソチアゾリジリデンメチル、カルボキシル、ホルミ
ル、オキソ−4H−オキサジアゾール基を表すか、R3
とR4は共に酸素を表すか若しくは連結してテトラヒド
ロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピロリジン、イミ
ダゾリジン、ピラゾリジン、チアゾリジン、オキサゾリ
ジン、シクロペンタン、オキサチオラン、ピロリジンジ
オン、テトラヒドロフランジオン環を形成する。]のジ
ベンゾシクロヘプテン誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジベンゾシクロヘ
プテン誘導体及びその薬剤学的に許容し得る塩、これら
化合物の製造法並びにこれら化合物を有効成分とする糖
尿病性合併症の予防・治療剤及びアルドース還元酵素阻
害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病性白内障、糖尿病性網膜症、糖尿
病性神経障害、糖尿病性腎症その他種々の糖尿病性合併
症が知られている。これら糖尿病性合併症を引き起こす
要因としては、従来よりポリオール代謝異常の存在が考
えられている。細胞内の過剰なグルコースは、本来、細
胞内で解塘系により代謝されるが、糖尿病に罹患し長期
間グルコース濃度が高い状態が続くと、解塘系のみでは
代謝しきれなくなり、ソルビトール経路が動き出す。す
なわち、アルドース還元酵素の活性が高まり、ソルビト
ールの産生量が増大し、過剰のソルビトールの細胞内へ
の蓄積が起こる。その結果、細胞内の浸透圧が上昇して
細胞外から水が侵入し、細胞が膨潤し細胞膜が破綻し、
種々の疾患を引き起こすに至ると考えられている。
【0003】現在まで、世界中の多くの研究者によっ
て、数々のアルドース還元酵素阻害剤が合成され、その
効果が確認されている。一例として、日本では、キネダ
ック(Kinedak:登録商標)(一般名エパルレスタット:
Epalrestat))が市販され糖尿病性神経症の治療薬とし
て用いられている。
【0004】一方、ジシクロヘプテン誘導体の中には生
理活性を示すものもいくつか報告されており、たとえば
鎮痙作用(USP No. 3994918)、抗炎症作用(Journal o
f Medicinal Chemistry, 20, 1557 (1977))、鎮咳作用
(Journal of Medicinal Chemistry, 22, 1357 (197
9))等が知られており、更に、アルドース還元酵素阻害
作用を示すものも報告されている(Journal of Medicin
al Chemistry, 29, 2347(1986))が、ジシクロヘプテン
誘導体における種々の置換基の効果については、十分検
討されておらず、課題が残されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これまで見いだされて
きたアルドース還元酵素阻害剤には、組織移行性の悪い
ものが多く、又、毒性を有するものも多かったため、ほ
とんどは開発中止になっている。特に、糖尿病性網膜
症、糖尿病性白内障といった眼科分野においては、薬剤
の開発が遅れており、今なお、臨床の場で有用な薬剤が
望まれている。また、前述のとおり、シクロヘプテノン
誘導体における種々の修飾によるアルドース還元酵素阻
害作用の増強についての知見は従来得られておらず、更
に研究をすることによって優れたアルドース還元酵素阻
害剤を創出することが望まれてきた。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような事情の下に研
究を行った結果、本発明者らは、ある種のジベンゾシク
ロヘプテン誘導体に強力なアルドース還元酵素阻害作用
が存在することを見いだし、更に研究を重ね本発明を完
成させた。すなわち本発明は、一般式(I)
【0007】
【化2】
【0008】[式中、R1及びR2は独立に、ヒドロキ
シル基、アリール基で置換されていてもよい低級アルコ
キシ基、又はハロゲン原子を表し、但しR1とR2の一
方がハロゲン原子を表すときは他方はヒドロキシル基を
表し;R3及びR4は、一方が水素原子を表し、他方
が、ヒドロキシメチル基、低級アルキルアミノメチル
基、カルボキシ低級アルキルアミノメチル基、ジオキソ
チアゾリジリデンメチル基、カルボキシル基、ホルミル
基、オキソ−4H−オキサジアゾール基を表すか、又は
R3とR4は、一緒になって酸素原子を表すか若しくは
相互に連結して、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロ
チオフェン環、ピロリジン環、イミダゾリジン環、ピラ
ゾリジン環、チアゾリジン環、オキサゾリジン環、シク
ロペンタン環、オキサチオラン環、ピロリジンジオン環
若しくはテトラヒドロフランジオン環を形成してい
る。]で示されるジベンゾシクロヘプテン誘導体及びそ
の薬剤学的に許容し得る塩(以下、「本発明化合物」と
呼ぶことがある。)を提供する。
【0009】また、本発明は、上記式(I)で表される
ジベンゾシクロヘプテン誘導体またはその薬剤学的に許
容し得る塩の製造方法をも提供する。
【0010】更にまた本発明は、上記式(I)で表され
るジベンゾシクロヘプテン誘導体またはその製薬的に許
容し得る塩を有効成分とする、アルドース還元酵素阻害
剤をも提供する。
【0011】更に加えて、本発明は、上記式(I)で表
されるジベンゾシクロヘプテン誘導体またはその製薬的
に許容し得る塩を有効成分とする、糖尿病合併症予防・
治療剤をも提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の有効成分であるジベンゾ
シクロヘプテノン誘導体又はその製薬的に許容しうる塩
は、優れたアルドース還元酵素阻害作用を有し、糖尿病
性合併症の予防・治療薬として有用である。
【0013】本発明のジベンゾシクロヘプテノン誘導体
(I)において、R1及びR2で表されるアリール基で
置換されていてもよい低級アルコキシ基のアルコキシ部
分は、炭素数が1乃至3のものをいい、具体的には、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びイソプロポキ
シ基である。特に好ましいのは、炭素数1のものであ
る。低級アルコキシ基を置換していてよいアリール基と
しては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、それら
は芳香環にメチル基、トリフルオロメチル基、クロロ、
フルオロ、アミノ基、ニトロ基等の置換基を有していて
よく、特に好ましくはトリフルオロフェニル基を有して
いてよい。低級アルコキシ基を置換していてよいアリー
ル基として特に好ましいのは、トリフルオロメチルフェ
ニル基である。
【0014】一般式(I)中、R1及びR2のハロゲン
原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ
る。特に好ましいのはフッ素である。
【0015】一般式(I)中、R3又はR4で表される
「低級アルキルアミノメチル基」及び「カルボキシ低級
アルキルアミノメチル基」において、「低級アルキル」
部分は炭素数1乃至3のものが好ましい。これらの基の
具体例としては、メチルアミノメチル基、エチルアミノ
メチル基、プロピルアミノメチル基、カルボキシメチル
アミノメチル基、カルボキシエチルアミノメチル基及び
カルボキシプロピルアミノメチル基である。これらのう
ち取り分け好ましいのは、カルボキシメチルアミノメチ
ル基である。
【0016】一般式(I)中、R3又はR4が表すジオ
キソチアゾリジリデンメチル基として特に好ましいの
は、2,4−ジオキソ−5−チアゾリジリデンメチル基
である。また、R3又はR4が表すオキソ−4H−オキ
サジアゾール基として特に好ましいのは、5−オキソ−
4H−1,2,4−オキソジアゾール−3−イル基であ
る。
【0017】R3とR4とが一緒になって表すピロリジ
ンジオン環として特に好ましいのは、3−ピロリジン−
2,5−ジオン環である。またR3とR4とが一緒にな
って表すテトラヒドロフランジオン環として特に好まし
いのは3−テトラヒドロフラン−2,5−ジオン環であ
る。
【0018】上記の薬剤学的に許容し得る塩としては、
塩基との塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのア
ルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのア
ルカリ土類金属塩、及び酸との塩例えば、塩酸塩、臭化
水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸との塩
及び酢酸塩、クエン酸塩、トルエンスルホン酸塩等の有
機酸との塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】更に、本発明は、本発明化合物(I)及び
その塩の各種の溶媒和や結晶多形の物質をも包含する。
【0020】本発明の糖尿病性合併症予防・治療剤は、
経口的にあるいは非経口的に適宜に使用される。製剤の
形態としては、例えば錠剤、顆粒、散剤、カプセル剤、
軟膏剤などの固形製剤または注射剤や点眼剤などの液剤
のいずれにも、公知の方法により適宜調製することがで
きる。これら製剤には通常用いられる賦形剤、結合剤、
崩壊剤、分散剤、吸収促進剤、緩衝剤、界面活性剤、溶
解補助剤、保存剤、乳化剤、等張化剤、安定化剤やpH調
整剤などの各種添加剤を適宜使用してもよい。
【0021】本化合物を糖尿病性合併症予防・治療剤と
して使用する場合、その用量は、対象とする疾患の種
類、使用する化合物の種類、患者の年齢、体重、適応症
状及びその剤型などによっても異なるが、たとえば内服
剤の場合は、成人1日数回、1回量約1mg〜100mg
程度投与するのがよい。また、注射剤の場合は、成人1
日1回約0.1mg〜30mg程度投与するのがよい。さら
に、点眼剤の場合は本化合物を約0.01 w/v%〜1.0 w/v
%、好ましくは約0.05 w/v%〜0.5 w/v%含有する点眼
剤を、症状に応じて、1回量1〜数滴、1日1〜4回程
度投与するのがよい。
【0022】本発明の製剤には、目的と必要に応じて、
本発明化合物のうち1種または2種以上を適宜組み合わ
せて含有させることもできる。
【0023】本発明の製剤によって予防・治療されうる
糖尿病性合併症としては、たとえば糖尿病性白内障、糖
尿病性網膜症、糖尿病性角膜障害、糖尿病性腎症、糖尿
病性神経症などが挙げられる。
【0024】本発明の製剤には、本発明の目的に反しな
い限り、その他のアルドース還元酵素阻害成分、糖尿病
性合併症予防・治療成分及び/または別種の薬効成分を
適宜含有させてもよい。
【0025】以下に、一般式(1)で示す本発明の化合
物の一般的製造方法につき説明する。
【0026】
【化3】
【0027】(製造法1)一般式(I)において、R3
とR4が一緒になって酸素原子を表し、R1及びR2が
低級アルコキシ基あるいはハロゲン原子である場合の本
発明ジベンゾシクロヘプテノン誘導体、すなわち一般式
(II)
【0028】
【化4】 [式(II)中R1及びR2は独立して低級アルコキシ基
あるいはハロゲン原子を表す。]で示す化合物は、公知
の方法(Journal of Medicinal Chemistry, 22,1557(1
977)を参照)に準じて、次の一般式(III)で示す化合
物を出発原料として製造される。
【0029】
【化5】
【0030】[式(III)中R1は低級アルコキシ基あ
るいはハロゲン原子を表す。]
【0031】すなわち、一般式(III)で示す化合物を
硫酸銅(II)及びペルオキソ二硫酸カリウムを用い緩和
に酸化しモノアルデヒドとし、さらに亜塩素酸ナトリウ
ムを用いて酸化しモノカルボン酸を得る。得られたカル
ボン酸をエステル化した後、メチル基をブロモ化し、種
々のベンズアルデヒドとウィッティヒ反応を行い、さら
にエステルを加水分解することにより、次の一般式(I
V)で示される化合物を得る。
【0032】
【化6】
【0033】[式(IV)中R1及びR4は独立に低級ア
ルコキシ基あるいはハロゲン原子を表す。]
【0034】続いて、一般式(IV)で示す化合物を接触
還元した後、ポリリン酸を用いて閉環し、さらにブロモ
化した後、脱臭化水素することにより、目的とする一般
式(II)で示される化合物を合成することができる。
【0035】また、別の方法として一般式(IV)で示さ
れる化合物を、直接、分子内フリーデル−クラフト反応
により閉環することにより、目的とする一般式(II)で
示す化合物を合成することもできる。
【0036】(製造法2)一般式(I)において、R3
又はR4がカルボキシル基の場合における本発明のジベ
ンゾシクロヘプテノン誘導体、すなわち一般式(V)
【0037】
【化7】
【0038】[式(V)中R1及びR2は独立して低級
アルコキシ基あるいはハロゲン原子を表す。]で示され
る化合物の製造方法は、先ず、製造法1で得られた、一
般式(II)で示される化合物を還元し、次いでクロル化
した後、シアン化することにより一般式(VI)
【0039】
【化8】
【0040】[式(VI)中R1及びR2は独立して低級
アルコキシ基あるいはハロゲン原子を表す。]で示され
る化合物を得る。
【0041】続いて、一般式(VI)で表される化合物を
加水分解すれば、目的とする一般式(V)で表される化
合物を得ることができる。
【0042】(製造法3)一般式(I)において、R3
又はR4がホルミル基の場合における本発明のジベンゾ
シクロヘプテノン誘導体、すなわち一般式(VII)
【0043】
【化9】
【0044】[式(VII)中R1及びR2は独立して低
級アルコキシ基あるいはハロゲン原子を表す。]で示さ
れる化合物の製造は、製造法2で得られた一般式(VI)
で示される化合物を還元することより行うことができ
る。
【0045】(製造法4)一般式(I)において、R3
又はR4がヒドロキシメチル基の場合における本発明の
ジベンゾシクロヘプテノン誘導体、すなわち一般式(VI
II)
【0046】
【化10】
【0047】[式(VIII)中R1及びR2は独立して低
級アルコキシ基あるいはハロゲン原子を表す。]で示さ
れる化合物の製造は、製造法3で得られた一般式(VI
I)で示される化合物を還元することにより行うことが
できる。
【0048】(製造法5)一般式(I)において、R3
又はR4がカルボキシメチルアミノメチル基の場合にお
ける本発明ジベンゾシクロヘプテノン誘導体、すなわち
一般式(IX)
【0049】
【化11】
【0050】[式(IX)中R1及びR2は独立して低級
アルコキシ基あるいはハロゲン原子を表す。]で示され
る化合物の製造は、製造法2で得られた一般式(VI)で
表される化合物のニトリル基を還元してアミノメチル基
にし、次に、エトキシカルボニルメチルハライドと反応
させた後、アルカリ条件下で加水分解することにより行
うことができる。
【0051】(製造法6)一般式(I)において、R3
又はR4が、4−オキサジアゾール基の場合における本
発明のジベンゾシクロヘプテノン誘導体、すなわち一般
式(X)
【0052】
【化12】
【0053】[式(X)中R1及びR2は独立して低級
アルコキシ基あるいはハロゲン原子を表す。]で示され
る化合物の製造は、製造法2で得られた一般式(VI)で
示される化合物のニトリル基にヒドロキシルアミンを付
加させた後、ホルミル化し、閉環させることによって行
うことができる。
【0054】(製造法7)一般式(I)においてR3又
はR4が2、4−ジオキソ−5−チアゾリジリデンメチ
ルの場合の本発明のジベンゾシクロヘプテノン誘導体、
すなわち一般式(XI)
【0055】
【化13】
【0056】[式(XI)中R1及びR2は独立して低級
アルコキシ基あるいはハロゲン原子を表す。]で示され
る化合物の製造は、製造法3で得られた一般式(VII)
で示される化合物に、2,4−チアゾリジンジオンを縮
合させることにより行うことができる。
【0057】(製造法8)一般式(I)において、R3
とR4が一緒になって形成する環が、3−ピロリジン−
2,5−ジオン環である場合における本発明のジベンゾ
シクロヘプテノン誘導体、すなわち一般式(XII)
【0058】
【化14】
【0059】[式(XII)中R1及びR2は独立して低
級アルコキシ基あるいはハロゲン原子を表す。]で示さ
れる化合物の製造方法としては、先ず、製造法2で得ら
れた一般式(VI)で示される化合物にブロモ酢酸エチル
を反応させた後、アルカリ加水分解し一般式(XIII)
【0060】
【化15】
【0061】[式(XIII)中R1及びR2は独立して低
級アルコキシ基あるいはハロゲン原子を表す。]で示さ
れる化合物を得る。得られた一般式(XIII)で表される
化合物を閉環させることにより目的とする一般式(XI
I)で示される化合物を得る事ができる。
【0062】(製造法9)一般式(I)において、R3
とR4とが一緒になって形成する環が3−テトラヒドロ
フラン−2,5−ジオン環の場合における本発明のジベ
ンゾシクロヘプテノン誘導体、すなわち一般式(XIV)
【0063】
【化16】
【0064】[式(XIV)中R1及びR2は独立して低
級アルコキシ基あるいはハロゲン原子を表す。]で示さ
れる化合物の製造は、製造法8で得られた一般式(XII
I)で表される化合物を加水分解しジカルボン酸とした
後、閉環させることにより行うことができる。
【0065】(製造法10)一般式(I)においてR1
及びR2が共にヒドロキシル基である場合における本発
明のジベンゾシクロヘプテノン誘導体、すなわち一般式
(XV)
【0066】
【化17】
【0067】で示される化合物の製造は、前述の製造法
1〜9によって得られた低級アルコキシ基を有するジベ
ンゾシクロヘプテノン誘導体を脱アルキル化することに
よって行うことができる。
【0068】(製造法11)一般式(I)において R1
及びR2が独立にヒドロキシル基又は置換されてもよい
低級アルコキシ基である場合における本発明のジベンゾ
シクロヘプテノン誘導体、すなわち一般式(XVI)
【0069】
【化18】
【0070】[式(XVI)中R5は置換されてもよい低
級アルキル基を表す。]で示される化合物の製造は、製
造法10によって得られた一般式(XV)で示される化合
物をアルキル化することによって行うことができる。
【0071】
【実施例】次に典型的な実施例の幾つかを挙げて本発明
を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
なお実施例に述べる化合物の物性値において、プロトン
核磁気共鳴スペクトル(NMR)は、Varian Gemini 20
00 (300MHz)を、融点は、Shibata MEL-270 を用いてそ
れぞれ測定したものである。
【0072】(実施例1) 2,8−ジメトキシ−5H
−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(2)
の合成法
【0073】
【化19】
【0074】James P. Dunn らの方法(Journal of Med
icinal Chemistry, 22, 1557 (1977))に準じて以下の
行程で合成した。
【0075】行程1:3,4−ジメチルアニソール(8
0g、0.587 mol)のアセトニトリル(2L)
溶液に、硫酸銅(II)5水和物(146.67g、0.
587mol)とペルオキソ二硫酸カリウム(383.
47g、1.41mol)の水(2L)混合物を加え、
反応液の色が濃緑色になるまで還流した。室温まで放冷
した後、分離した水層を塩化メチレンで抽出し、飽和食
塩水で洗浄した。先の有機層とあわせ無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、溶媒を留去し粗4−メトキシ−2−メ
チルベンズアルデヒドを得た。得られた4−メトキシ−
2−メチルベンズアルデヒドをテトラヒドロフラン(6
00mL)に溶解し、スルファミン酸(74.0g、
0.763mol)の水溶液(100mL)を加えた
後、室温で5分間撹拌し、亜塩素酸ナトリウム(68.
0g,0.75mol)の水溶液(200mL)を滴下
し、室温で更に1時間攪拌した。酢酸エチル(500m
L)を加えた後、2N水酸化ナトリウム水溶液(500
ml)で抽出し、氷冷下、濃塩酸でpHを2に調製し、
さらに塩化メチレンで抽出した。飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、4−
メトキシ−2−メチル安息香酸を得た。得られた4−メ
トキシ−2−メチル安息香酸をメタノール(1L)に溶
解し、濃硫酸(50mL)を滴下した後、8時間還流し
た。放冷した後、メタノールを減圧濃縮し、残渣を氷水
中に注ぎ塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、得られた残渣
をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサ
ン=1:20)により精製し4−メトキシ−2−メチル
安息香酸メチルエステル(60.48g、57%)を無
色油状物として得た。1H-NMR (CDCl3): δ2.60 (3H,
s), 3.84 (3H, s), 3.86 (3H, s), 6.72-6.76 (2H, m),
7.93 (1H, d, J=9.2 Hz). 元素分析(C10123とし
て):理論値:C, 66.65; H, 6.71、実測値:C, 66.
50; H, 6.61.
【0076】行程2:N−ブロモサクシンイミド(5.
43g、0.031mol)と2,2’−アゾビス(イ
ソブチロニトリル)(50mg、0.30mmol)を
4−メトキシ−2−メチル安息香酸メチルエステル
(5.5g、0.031mol)の四塩化炭素溶液(5
0mL)に加え、90分間還流した。放冷後、ヘキサン
(50mL)で希釈し、不溶物を濾去し、濾液を減圧下
濃縮した後、残渣をアセトニトリルに溶解しトリフェニ
ルフォスフィン(8.73g、0.033mol)を加
え1時間還流した。アセトニトリルを留去した後、残渣
にジエチルエーテルを加え、無色の2−カルボキシ−5
−メトキシベンジルトリフェニルフォスフォニウムブロ
マイドを得た。得られた2−カルボキシ−5−メトキシ
ベンジルトリフェニルフォスフォニウムブロマイドをア
セトニトリル(100mL)に溶解し、m−アニスアル
デヒド(4.03g,0.029mol)と1,5−ジ
アザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(4.22
g、0.034mol)を加え、10分間還流した。溶
媒を留去した後、残渣をクロロフォルムに溶解し、希塩
酸、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した後、溶媒を減圧濃縮し、2−[β−(3−メトキ
シフェニル)ビニル]−4−メトキシ安息香酸メチルエ
ステルを得た。得られた2−[β−(3−メトキシフェ
ニル)ビニル]−4−メトキシ安息香酸メチルエステル
をメタノール(50mL)に溶解し、水酸化カリウム
(3g、0.054mol)の水溶液(50mL)を加
え、8時間還流した。メタノールを留去し、残渣をクロ
ロフォルムで洗浄した後、濃塩酸でpHを2に調整し、
クロロフォルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄
した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し2
−[β−(3−メトキシフェニル)ビニル]−4−メト
キシ安息香酸(3.26g、37%)を得た。元素分析
(C17164・1.6H2Oとして):理論値:C,65.21;
H,6.18.、実測値:C,65.10;H,5.96.
【0077】行程3:2−[β−(3−メトキシフェニ
ル)ビニル]−4−メトキシ安息香酸(3.26g、1
1.47mol)をエタノール(50mL)に溶解し、
5%パラジウムカーボン存在下、室温にて常圧で接触水
素化を行い、2−[β−(3−メトキシ)エチル]−4
−メトキシ安息香酸(2.98g、91%)を無色結晶
として得た。
【0078】行程4:2−[β−(3−メトキシ)エチ
ル]−4−メトキシ安息香酸(2.6g、9.08mm
ol)のスルフォラン(20mL)溶液にポリリン酸
(16.5g、0.0488mol)を加え110℃で
3時間攪拌した。放冷後、冷水中に注ぎ、クロロフォル
ムで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩
水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶
媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
(酢酸エチル:ヘキサン=1:20)により精製し2,
8−ジメトキシ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(1.95g、
80%)を無色結晶として得た。
【0079】行程5:2,8−ジメトキシ−10,11
−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン
−5−オン(1.0g、3.73mmol)の四塩化炭
素(20mL)溶液に、N−ブロモサクシンイミド(8
00mg、4.49mmol)と2,2’−アゾビス
(イソブチロニトリル)(10mg、0.06mmo
l)を加え、3時間還流した。放冷後、ヘキサン(50
mL)で希釈し、不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮し
た後、残渣をDMFに溶解し、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]ノナ−5−エン(925mg、7.46
mmol)を加え、80℃で20分間攪拌した。反応液
を冷水中に注いだ後、クロロフォルムで抽出し、希塩
酸、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:20)により精製
し、目的とする2,8−ジメトキシ−5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテン−5−オン(2I)(755
mg、76%)を無色結晶として得た。融点133-134
℃. 1H-NMR (CDCl3) :δ3.91 (6H, s), 6.93 (2H, d,
J=2.6 Hz), 6.95(2H, s), 7.08 (2H, dd, J=8.6, 2.6 H
z), 8.33 (2H, d, J=8.6 Hz).元素分析(C17143
・0.1H2Oとして):理論値:C,76.16; H,5.34、実
測値:C,76.16; H,5.30.
【0080】(実施例2) 3−フルオロ−8−メトキ
シ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オ
ン(3)の合成法
【0081】
【化20】
【0082】行程1:実施例1、行程1の4−メトキシ
−2−メチル安息香酸の代わりに、5−フルオロ−2−
メチル安息香酸(49g、0.318mol)を用い同
様の操作をし、5−フルオロ−2−メチル安息香酸メチ
ルエステル(52.39g、98%)を無色油状物とし
て得た。
【0083】行程2 実施例1、行程2の4−メトキシ−2−メチル安息香酸
メチルエステルの代わりに、5−フルオロ−2−メチル
安息香酸メチルエステル(52.39g、0.312m
ol)を用い同様の操作をし、2−[β−(3−メトキ
シフェニル)ビニル]−5−フルオロ安息香酸(44.
16g、88%)を得た。
【0084】行程3:2−[β−(3−メトキシフェニ
ル)ビニル]−5−フルオロ安息香酸(5.0g、1
8.36mmol)のクロロホルム(60mL)溶液に
五塩化リン(8g、38.42mmol)と塩化ジルコ
ニウム(5g、21.46mmol)を加え、室温で一
晩攪拌した後、冷水中に注ぎ、不溶物を濾去した。濾液
を塩化メチレンで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム、飽
和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:10)により精製
し3−フルオロ−8−メトキシ−5H−ジベンゾ[a,
d]シクロヘプテン−5−オン(3)(3.28g、7
0%)を無色結晶として得た。融点126-127 ℃. 1H-NM
R (CDCl3):δ3.92 (3H, s), 6.94 (1H, d, J=12.3 Hz),
6.96 (1H, d, J=2.7 Hz), 7.01 (1H, d, J=12.3 Hz),
7.11 (1H, dd, J=8.7, 2.7 Hz), 7.31 (1H, m), 7.53
(1H, dd, J=8.7, 5.4 Hz), 8.02 (1H, dd, J=10.2, 2.7
Hz), 8.29 (1H, d, J=8.7 Hz). 19F-NMR (CDCl3): δ
-113.5. 元素分析(C1611FO2として):理論値:
C,75.58; H,4.36. 実測値:C,75.54; H,4.18.
【0085】(実施例3) 2−ヒドロキシ−8−メトキシ−5H−ジベンゾ[a,
d]シクロヘプテン−5−オン(4)の合成法
【0086】
【化21】
【0087】実施例1で得た、2,8−ジメトキシ−5
H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(3
90mg、1.46mmol)を加熱溶融した塩化ピリ
ジニウム(3g)に加え、160℃で1時間攪拌した。
反応液を冷水中に注いだ後、塩化メチレンで抽出し、飽
和食塩水で洗浄し、2N水酸化ナトリウム水溶液で抽出
した。水層を濃塩酸で酸性にし、塩化メチレンで抽出
し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た後、溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルとヘキサンの
1:1混液で洗浄し、目的とする2−ヒドロキシ−8−
メトキシ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−
5−オン(4)(120mg、34%)を無色結晶とし
て得た。融点172-173 ℃. 1H-NMR (CDCl3): δ 3.92
(3H, s), 5.53 (1H, s), 6.93-6.96 (4H, m), 7.02 (1
H, dd, J=8.9, 2.6 Hz), 7.10 (1H, dd, J=8.9, 2.6 H
z), 8.29 (1H, d, J=7.9 Hz), 8.33 (1H, d, J=8.9 H
z).元素分析(C16123・0.1H2Oとして):理論
値:C,76.18; H,4.79:実測値:C,75.70; H,4.68.
【0088】(実施例4) 2,8−ジヒドロキシ−5H−ジベンゾ[a,d]シク
ロヘプテン−5−オン(5)の合成法
【0089】
【化22】
【0090】実施例1で得た、2,8−ジメトキシ−5
H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(3
00mg、1.13mmol)を加熱溶融した塩化ピリ
ジニウム(3g)に加え、175℃で1時間攪拌した。
反応液を冷水中に注いだ後、酢酸エチルで抽出し、飽和
食塩水で洗浄し、続いて2N水酸化ナトリウム水溶液で
抽出した。水層を濃塩酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出
し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た後、溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルとヘキサンの
1:1混液で洗浄し、目的とする2,8−ジヒドロキシ
−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン
(5)(158mg、59%)を無色結晶として得た。
融点>250 ℃. 1H-NMR (DMSO-d6): δ7.00-7.05 (6H,
m), 8.14 (2H, d, J=8.9 Hz), 10.47 (2H, brs).元素分
析(C15103・0.5H2Oとして):理論値:C,72.8
7; H,4.48、実測値:C,72.97; H,4.23
【0091】(実施例5) 7−フルオロ−2−ヒドロ
キシ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−
オン(6)の合成法
【0092】
【化23】
【0093】実施例4の2,8−ジメトキシ−5H−ジ
ベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オンの代わり
に、実施例2で得た、3−フルオロ−8−メトキシ−5
H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(3
10mg、1.22mmol)を用い同様の操作をし、
7−フルオロ−2−ヒドロキシ−5H−ジベンゾ[a,
d]シクロヘプテン−5−オン(6)(150mg、5
1%)を無色結晶として得た。融点>250 ℃. 1H-NMR (D
MSO-d6):δ 7.03-7.18 (4H, m), 7.51 (1H, m),7.78 (1
H, dd, J=8.7, 5.4 Hz), 7.94 (1H, dd, J=10.5, 2.7 H
z), 8.19 (1H, d, J=8.7 Hz).
【0094】(実施例6) スピロ{2,8−ジメトキ
シ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5,
3’−ピロリジン}−2’,5’−ジオン(7)の合成
【0095】
【化24】
【0096】行程1.実施例1で得た、2,8−ジメト
キシ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−
オン(2.5mg、9.39mmol)をTHF(50
mL)に溶解し、水素化ホウ素リチウム(240.0m
g、11.02mmol)を0℃で加え、室温で30分
攪拌した。水(5mL)を加え、THFを留去した後、
残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、2,8−
ジメトキシ−5−ヒドロキシ−5H−ジベンゾ[a,
d]シクロヘプテンを淡黄色結晶として得た。 得られ
た2,8−ジメトキシ−5−ヒドロキシ−5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテンをクロロホルム(50m
L)に溶解し、塩化チオニル(1.3 mL、17.8m
mol)を0℃で滴下し室温で2時間攪拌した後、過剰
の塩化チオニルを留去し、粗2,8−ジメトキシ−5−
クロロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテンを得
た。得られた2,8−ジメトキシ−5−クロロ−5H−
ジベンゾ[a,d]シクロヘプテンをクロロホルム(5
0mL)に溶解し、触媒量のテトラブチルアンモニウム
フルオリド (250.0 mg, 0.96 mmol)
とシアン化カリウム (3.00g, 46.07 mmo
l)の水溶液(10mL)を加え、2日間室温で激しく
攪拌した。その後、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留
去し、残渣を酢酸エチルで洗浄し、2,8−ジメトキシ
−5−シアノ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテ
ン(1.88g、72%)を無色結晶として得た。融点
174-175 ℃. 1H-NMR (DMSO-d6): δ 3.77 (6H, s), 5.
57 (1H, brs), 7.00-7.06 (4H, m), 7.15 (2H, s), 7.4
8 (2H, d, J=8.3 Hz). 元素分析(C1815NO2とし
て):理論値:C,77.96; H,5.45; N,5.05、実測値:
C,77.72; H,5.48; N,4.99.
【0097】行程2.行程1で得られた2,8−ジメト
キシ−5−シアノ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘ
プテン (1.00 g, 3.61 mmol)の乾燥TH
F溶液(20mL)に、n−ブチルリチウム(1.6 mo
l/L ヘキサン溶液) (2.7mL,4.33 mmo
l)を窒素雰囲気下、0℃で加えた後、ブロモ酢酸エチ
ルエステル(0.44 mL, 3.97 mmol)を滴下
した。室温で一晩攪拌した後、水(5mL)を加え、T
HFを留去した後、残渣を塩化メチレンで抽出し、1N
塩酸、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマト
グラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:10)により
精製し、2,8−ジメトキシ−5−シアノ−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテン−5−酢酸エチルエステル
(820 mg, 63%) を無色油状物として得た。 1H
-NMR (CDCl3): δ 1.05 (3H, t, J=6.9 Hz), 3.22 (2H,
s), 3.81 (6H,s), 3.93 (2H, q, J=6.9 Hz), 6.85 (2
H, d, J=2.9 Hz), 6.97 (2H, dd, J=8.9, 2.9 Hz), 6.9
8 (2H, s), 7.98 (2H, d, J=8.9 Hz).
【0098】行程3.行程2で得られた2,8−ジメト
キシ−5−シアノ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン
−5−酢酸エチルエステル (800 mg, 2.20 m
mol)のTHF(2 mL)、エタノール(10 mL)混液に
水酸化カリウム(135 mg,2.41 mmol)のエ
タノール(5 mL)溶液を加え、室温で一晩攪拌した
後、水(5mL)を加えた。THFとエタノールを留去
し、残渣水層をヘキサンで洗浄し、1N塩酸で酸性にし
た後、塩化メチレンで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し2,8−
ジメトキシ−5−シアノ−ジベンゾ[a,d]シクロヘ
プテン−5−酢酸(720 mg,98 %) を粉末で得
た。1H-NMR (CDCl3): δ 3.25 (2H, s), 3.80 (6H, s),
6.84 (2H, d, J=3.0 Hz), 6.95 (2H, dd, J=8.8, 3.0
Hz), 6.96 (2H, s), 7.94 (2H, d, J=8.8Hz).元素分析
(C2017NO4・0.25H2Oとして):理論値:C,70.
68; H,5.19; N,4.12、実測値:C,70.65; H,5.38;
N,4.01.
【0099】行程4.行程4で得られた2,8−ジメト
キシ−5−シアノ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン
−5−酢酸(700 mg, 2.09 mmol)と濃塩
酸(10 mL)混合物を5時間還流し放冷した後、水
(20 mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を
飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィ
−(酢酸エチル:ヘキサン=1:20)により精製し目
的とする、スピロ{2,8−ジメトキシ−5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテン−5,3’−ピロリジン}
−2’,5’−ジオン(7)(409 mg,58%)
を無色結晶で得た。融点101-103 ℃. 1H-NMR (CDC
l3):δ 3.09 (2H, s), 3.79 (6H, s), 6.85 (2H, d, J=
2.6 Hz), 6.89 (2H, dd, J=8.9, 2.6 Hz), 6.90 (2H,
s), 7.74 (2H, d, J=8.9 Hz), 8.72 (1H, brs).元素分
析(C2017NO4・0.25H2Oとして):理論値:C,7
0.68; H,5.19;N,4.12、実測値:C,70.42; H,5.11;
N,4.03.
【0100】(実施例7) スピロ{2,8−ジヒドロキシ−5H−ジベンゾ[a,
d]シクロヘプテン−5,3’−ピロリジン}−2’,
5’−ジオン(8)の合成法
【0101】
【化25】
【0102】実施例4の2,8−ジメトキシ−5H−ジ
ベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オンの代わり
に、実施例6で得た、スピロ{2,8−ジメトキシ−5
H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5,3’−ピ
ロリジン}−2’,5’−ジオン (160 mg, 0.
48 mmol) を用い、目的とするスピロ{2,8−
ジヒドロキシ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテ
ン−5,3’−ピロリジン}−2’,5’−ジオン
(8) (122 mg,83 %) を無色結晶で得た。融
点>250 ℃(分解). 1H-NMR (DMSO-d6):δ2.84 (2H, s),
3.35 (6H, s), 6.75 (2H, dd, J=8.9, 2.4 Hz), 6.83
(2H, d, J=2.4 Hz), 6.96 (2H, s), 7.51 (2H,d, J=8.8
Hz), 9.54 (2H, s), 11.84 (1H, brs). EIMS: m/z 3
07(M+, 78), 262 (100), 236 (42), 219 (15), 216
(7), 118 (14).元素分析(C1813NO4・0.5H2Oと
して):理論値:C,68.35; H,4.46; N,4.43、実測
値:C,68.40;H,4.30; N,4.39.
【0103】(実施例8) スピロ{2,8−ジヒドロキシ−8−[(3−トリフル
オロメチル)ベンジルオキシ]−5H−ジベンゾ[a,
d]シクロヘプテン−5,3’−ピロリジン}−2’,
5’−ジオン(9)の合成法
【0104】
【化26】
【0105】実施例7で得られたスピロ{2,8−ジヒ
ドロキシ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−
5,3’−ピロリジン}−2’,5’−ジオン(95 m
g,0.31 mmol)とトリエチルアミン(0.05
mL, 0.37 mmol)のTHF溶液(5 mL)に、
水素化ナトリウム (8.0 mg, 0.34 mmol)
を加え、続いてm−(トリフルオロメチル)ベンジルク
ロライド (0.05 mL, 0.34 mmol)を滴下
した。室温で1晩攪拌した後、水(2mL)を加え、溶
媒を留去した後、酢酸エチル(20 mL)を加え、1N
水酸化ナトリウム、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、目的とするス
ピロ{2,8−ジヒドロキシ−8−[(3−トリフルオ
ロメチル)ベンジルオキシ]−5H−ジベンゾ[a,
d]シクロヘプテン−5,3’−ピロリジン}−2’,
5’−ジオン(9) (20 mg, 14 %)を無色結晶と
して得た。融点138 ℃ (分解). 1H-NMR (CD3OD): δ 2.
91 (2H, s), 3.78 (2H, s), 3.79 (3H, S), 6.73-7.00
(7H, m), 7.53-7.73 (5H, m). 19F-NMR (CD3OD):δ -
64.8.
【0106】(実施例9) スピロ{7−フルオロ−2−メトキシ−5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテン−5,3’−ピロリジン}−
2’,5’−ジオン(10)の合成法
【0107】
【化27】
【0108】実施例6の2,8−ジメトキシ−5H−ジ
ベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オンの代わりに
実施例2で得られた3−フルオロ−8−メトキシ−5H
−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(3)
を用い、同様の操作を行いスピロ{7−フルオロ−2−
メトキシ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−
5,3’−ピロリジン}−2’,5’−ジオン(10)
(0.53 g, 44 %) を無色結晶として得た。 1H-NM
R (CDCl3):δ3.03 (1H, d, J=18.6 Hz), 3.11(1H, d, J
=18.6 Hz), 3.80 (3H, s), 6.88-6.99 (3H, m), 7.00
(1H, d, J=11.7Hz), 7.05 (1H, d, J=11.7 Hz), 7.37
(1H, dd, J=8.4, 6.0 Hz), 7.64 (1H, dd, J=11.1, 2.7
Hz), 7.73 (1H, d, J=8.7 Hz), 9.25 (1H, brs).
【0109】(実施例10) スピロ{7−フルオロ−
2−ヒドロキシ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテ
ン−5,3’−ピロリジン}−2’,5’−ジオン(1
1)の合成法
【0110】
【化28】
【0111】実施例4の2,8−ジメトキシ−5H−ジ
ベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オンの代わり
に、実施例9で得た、スピロ{7−フルオロ−2−メト
キシ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5,
3’−ピロリジン}−2’,5’−ジオン(10) (4
53 mg, 1.40 mmol) を用い、目的とするス
ピロ{7−フルオロ−2−ヒドロキシ−5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテン−5,3’−ピロリジン}−
2’,5’−ジオン(11) (312 mg, 72 %)
を無色結晶で得た。融点>250 ℃. 1H-NMR (DMSO-d6):
δ2.84 (1H, d,J=18.3 Hz), 2.92 (1H, d, J=18.3 H
z), 6.78 (1H, dd, J=8.7, 2.7 Hz), 6.85(1H, d, J=2.
7 Hz), 7.00 (1H, d, J=12.0 Hz), 7.08 (1H, d, J=12.
0 Hz), 7.16 (1H, m), 7.45 (1H, d, J=9.0 Hz), 7.52
(1H, dd, J=8.7, 6.3 Hz), 7.57 (1H, dd, J=11.7, 2.7
Hz), 9.64 (1H, s), 11.9 (1H, brs). 19F-NMR (DMSO
-d6):δ-116.3.元素分析(C1812FNO3・0.3H2
として):理論値:C,68.70;H, 4.04; N, 4.45、実
測値:C, 68.80; H, 3.98; N, 4.32.
【0112】(実施例11) スピロ{2,8−ジメト
キシ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5,
3’−テトラヒドロフラン}−2’,5’−ジオン(1
2)の合成法
【0113】
【化29】
【0114】行程1.実施例6の行程3で得た、2,8
−ジメトキシ−5−シアノ−ジベンゾ[a,d]シクロ
ヘプテン−5−酢酸(700 mg, 2.09 mmol
)と濃塩酸(10 mL)の混合物を5時間還流し放冷し
た後、水(20 mL)を加え、酢酸エチルで洗浄した。
有機層をさらに飽和炭酸水素ナトリウム溶液で抽出した
後、先の水層とあわせ1N塩酸で酸性にし、酢酸エチル
で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去することにより2、
8−ジメトキシ−5−カルボキシジベンゾ[a,d]シ
クロヘプテン−5−酢酸(220 mg, 30 %) を無
色結晶で得た。 1H-NMR (CDCl3):δ3.70 (2H, brs), 3.
77 (6H, s), 6.83 (2H, d, J=2.9 Hz), 6.88 (2H, dd,
J=8.8, 2.9 Hz),6.97 (2H, s), 7.94 (2H, d, J=8.8 H
z).元素分析(C20186・0.75H2Oとして):理論
値:C, 65.30; H, 5.34、実測値:C, 65.37; H, 5.
21.
【0115】行程2.行程1で得られた2,8−ジメト
キシ−5−カルボキシジベンゾ[a,d]シクロヘプテ
ン−5−酢酸(200 mg, 0.56 mmol )と
トリエチルアミン (0.1 mL, 0.72 mmol)
の乾燥テトラヒドロフラン溶液 (10mL)に塩化チオ
ニル (0.02 mL, 0.27 mmol)を加え室温
で2時間攪拌した後、揮発性成分を減圧留去した。残渣
をジクロロメタンに溶解し1N塩酸、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し析出した結晶を
濾取しヘキサンで洗浄することにより スピロ{2,8
−ジメトキシ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテ
ン−5,3’−テトラヒドロフラン}−2’5’−ジオ
ン(12)(172 mg, 91 %) を無色結晶として
得た。 融点70-72 ℃. 1H-NMR (CDCl3):δ 3.31 (2H,
s), 3.80 (6H, s), 6.88-6.93 (4H, m), 7.03 (2H,
s), 7.67 (2H, dd, J=8.6, 0.9 Hz). 元素分析(C20
165・0.25H2O):理論値:C, 70.48; H, 4.8
8、実測値:C, 70.20; H, 4.91.
【0116】(実施例12) スピロ{2,8−ジヒド
ロキシ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−
5,3’−テトラヒドロフラン}−2’,5’−ジオン
(13)の合成法
【0117】
【化30】
【0118】実施例4の2,8−ジメトキシ−5H−ジ
ベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オンの代わり
に、実施例11で得た、スピロ{2,8−ジメトキシ−
5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5,3’−
テトラヒドロフラン}−2’5’−ジオン (50 mg,
0.15 mmol) を用い、目的とするスピロ
{2,8−ジヒドロキシ−5H−ジベンゾ[a,d]シ
クロヘプテン−5,3’−テトラヒドロフラン}−
2’,5’−ジオン(13)(24 mg, 53 %) を
無色結晶で得た。融点136-138 ℃. 1H-NMR (CD3OD):δ
3.39 (2H, s), 6.88 (2H,dd, J=8.7, 2.7 Hz), 6.94 (2
H, d, J=2.7 Hz), 7.07 (2H, s), 7.61 (2H, d, J=8.7
Hz).元素分析(C18125・3H2Oとして):理論
値:C, 59.67; H,5.01、実測値:C, 59.92; H, 5.1
9.
【0119】(実施例13) 2,8−ジメトキシ−5
−ホルミル−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン
(14)の合成法
【0120】
【化31】
【0121】実施例6の行程1で得られた、2,8−ジ
メトキシ−5−シアノ−5H−ジベンゾ[a,d]シク
ロヘプテン(9.3 g,33.54 mmol) をテト
ラヒドロフラン(200 mL)に溶解し水素化ジイソブ
チルアルミニウム (ヘキサン中1M溶液、50 mL、
50 mmol)を室温で滴下し、続いて一時間還流し
た。放冷後、冷水中に注ぎ、揮発性成分を減圧留去し
た。残渣をクロロフォルムに溶解し、1N塩酸で洗浄し
た後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル−ヘキサンから再結
晶し、目的とする2,8−ジメトキシ−5−ホルミル−
5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(14)
(7.59 g, 81 %) を無色結晶で得た。融点120-1
21 ℃. 1H-NMR(CDCl3):δ3.81 (6H, s), 4.48 (1H,
s), 6.83 (2H, s), 6.88 (2H, d, J=2.7 Hz) 6.94 (2H,
dd, J=8.4, 2.7 Hz) , 7.25 (2H, d, J=8.4 Hz), 9.56
(1H, s).元素分析(C18163として):理論値:
C, 77.12; H, 5.75、実測値:C,76.93; H, 5.73.
【0122】(実施例14) 2,8−ジヒドロキシ−
5−ホルミル−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテ
ン(15)の合成法
【0123】
【化32】
【0124】実施例4の2,8−ジメトキシ−5H−ジ
ベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オンの代わり
に、実施例13で得られた2,8−ジメトキシ−5−ホ
ルミル−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(1
4)(200 mg, 0.71mmol) を用いて同様の
操作を行い、目的とする2,8−ジヒドロキシ−5−ホ
ルミル−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(1
5) (68 mg, 38 %) を無色結晶で得た。融点>2
50 ℃. 1H-NMR (CDCl3):δ4.76 (1H, s), 6.72-6.83
(6H, m), 7.23 (2H, d, J=8.1 Hz), 9.37 (1H, s), 9.4
9 (2H, brs).元素分析(C16123・0.75H2Oとし
て):理論値:C, 72.31; H, 5.12、実測値:C, 72.
58; H, 5.29.
【0125】(実施例15) 2,8−ジメトキシ−5−ヒドロキシメチル−5H−ジ
ベンゾ[a,d]シクロヘプテン(16)の合成法
【0126】
【化33】
【0127】実施例13で得られた、2,8−ジメトキ
シ−5−ホルミル−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘ
プテン(14) (2.0 g, 7.13 mmol) のテ
トラヒドロフラン(20 mL) 溶液に水素化ホウ素ナト
リウム(270.0 mg, 7.13 mmol) を0℃,
で加え、続いて室温で30分攪拌した。その後、冷水
中に注ぎ、減圧下テトラヒドロフランを留去し、残渣を
酢酸エチルで抽出した。有機層を1N塩酸で洗浄した
後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶
し、目的とする2,8−ジメトキシ−5−ヒドロキシメ
チル−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(1
6)を無色結晶で得た。融点134-136℃. 1H-NMR (CDCl
3): δ3.78 (2H, m), 3.80 (6H, s), 4.11 (1H, t, J=
8.1 Hz), 6.79 (2H, s), 6.83 (2H, d,J=2.7 Hz), 6.89
(2H, dd, J= 8.4, 2.7 Hz), 7.23 (2H, d, J=8.4 Hz).
元素分析(C18183・0.1H2Oとして):理論値:
C, 76.09; H, 6.46、実測値:C, 76.01; H, 6.47.
【0128】(実施例16) 2,8−ジヒドロキシ−
5−ヒドロキシメチル−5H−ジベンゾ[a,d]シク
ロヘプテン(17)の合成法
【0129】
【化34】
【0130】実施例4の2,8−ジメトキシ−5H−ジ
ベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オンの代わり
に、実施例15で得られた2,8−ジメトキシ−5−ヒ
ドロキシメチル−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテ
ン(16)(150 mg, 0.53 mmol) を用い
て同様の操作を行い、目的とする2,8−ジヒドロキシ
−5−ヒドロキシメチル−5H−ジベンゾ[a,d]シ
クロヘプテン(17) (118 mg, 86 %)を無色
結晶で得た。融点>250 ℃. 1H-NMR (DMSO-d6):δ3.45
(2H, m), 4.31 (1H, t, J=7.2 Hz), 6.69-6.77 (6H,
m), 7.05 (2H, d, J=8.1 Hz). 元素分析(C16143
・0.25H2Oとして):理論値:C, 74.26;H, 5.65、
実測値:C, 74.41; H, 5.68.
【0131】(実施例17) 2,8−ジメトキシ−5
−(2,4−チアゾリジンジオン−5−イリデン)−5
H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(18)の合成
【0132】
【化35】
【0133】実施例13で得られた、2,8−ジメトキ
シ−5−ホルミル−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘ
プテン(14) (500 mg, 1.78 mmol) の
エタノ−ル(10 mL) 溶液にピペリジン(0.09 m
L, 0.89 mmol)と2,4−チアゾリジンジオン
(208 mg, 1.78 mmol)を加え20時間還
流した後、エタノールを留去し、残渣を酢酸エチルに溶
解し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクラマ
トグラフィーにて精製し目的とする2,8−ジメトキシ
−5−(2,4−チアゾリジンジオン−5−イリデン)
−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(18)
(230 mg, 34 %) を無色結晶で得た。融点 99-1
01 ℃. 1H-NMR (CDCl3):δ3.78 (1H, d, J=4.8 Hz),
3.80 (6H, s), 3.82 (1H, d, J=4.8Hz), 6.78-6.92 (5
H, m), 7.12 (1H, d, J=8.1 Hz), 7.20 (1H, d, J=8.1
Hz),and 7.44 (1H, d, J=8.4 Hz). HRMS:C21H17NO4S
(M+), 理論値: 379.0878、実測値:379.0875。
【0134】(実施例18) 2,8−ジヒドロキシ−
5−(2,4−チアゾリジンジオン−5−イリデン)−
5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(19)の合
成法
【0135】
【化36】
【0136】実施例4の2,8−ジメトキシ−5H−ジ
ベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オンの代わり
に、実施例17で得られた2,8−ジメトキシ−5−
(2,4−チアゾリジンジオン−5−イリデン)−5H
−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(18) (180 m
g, 0.47 mmol) を用いて同様の操作を行い、
目的とする2,8−ジヒドロキシ−5−(2,4−チア
ゾリジンジオン−5−イリデン)−5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテン(19) (98 mg, 59
%)を淡黄色結晶で得た。融点>250 ℃. 1H-NMR (DMSO-
d6):δ3.75 (1H, d, J=4.8 Hz), 3.76 (1H, d, J=4.8 H
z), 6.73-6.85 (5H, m), 7.06 (1H, d, J=8.4 Hz), 7.1
2 (1H, d, J=8.4 Hz), 7.24 (1H, d, J=9.0 Hz), 9.40
(1H, brs), 9.41(1H,brs), 9.52 (1H, brs). HRMS:C
19H13NO4S (M+), 理論値: 351.0565、実測値:351.05
62.
【0137】(実施例19) 2,8−ジメトキシ−5
H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボン
酸(20)の合成法
【0138】0
【化37】
【0139】実施例6の行程1で得られた、2,8−ジ
メトキシ−5−シアノ−5H−ジベンゾ[a,d]シク
ロヘプテン (800 mg, 2.88 mmol)のエチ
レングリコール(10 mL)溶液に、水酸化カリウム(8
00 mg, 14.25 mmol)を加え、150 ℃で
終夜攪拌した。水 (5 mL) を加えクロロホルムで洗
浄し、水層を濃塩酸で酸性にした後クロロホルムで抽出
した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し溶媒を留去することにより目的とする2,8
−ジメトキシ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテ
ン−5−カルボン酸(20) (150 mg, 18 %)
を無色結晶で得た。融点194-196 ℃. 1H-NMR (DMSO-
d6):δ 3.76 (6H, s), 4.99 (1H, s), 6.88-6.91 (6H,
m), 7.31 (2H, d, J=9.0 Hz). 元素分析(C18164
・0.6H2Oとして):理論値:C, 70.39; H, 5.64、
実測値:C, 70.40; H, 5.20.
【0140】(実施例20) 2,8−ジヒドロキシ−
5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボ
ン酸(21)の合成法
【0141】
【化38】
【0142】実施例4の2,8−ジメトキシ−5H−ジ
ベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オンの代わり
に、実施例18で得られた2,8−ジメトキシ−5H−
ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボン酸
(19) (120 mg, 0.41 mmol) を用いて
同様の操作を行い、目的とする2,8−ジヒドロキシ−
5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボ
ン酸(21) (65 mg, 60 %)を無色結晶で得
た。融点>250 ℃. 1H-NMR (DMSO-d6):δ4.84 (1H,s),
6.70-6.76 (6H, m), 7.31 (2H, d, J=8.7 Hz), 9.33 (2
H, brs). 元素分析(C16124・0.5H2Oとし
て): 理論値:C, 69.31; H, 4.73、実測値:C, 6
9.03; H, 5.02.
【0143】(実施例21) 2,8−ジメトキシ−5
−(2’,5’−ジヒドロ−5’−オキソ−4’H−
1’,2’,4’−オキソジアゾ−ル−3’−イル)−
5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(22)の合
成法
【0144】
【化39】
【0145】行程1:塩化ヒドロキシアンモニウム
(2.5 g, 36 mmol)のDMSO(10 mL)懸
濁液にトリエチルアミン(5 mL, 36 mmol) を
加え暫く攪拌する。不溶性物質を濾去した後テトラヒド
ロフランで洗浄し、濾液を濃縮しヒドロキシアンモニウ
ムのDMSO溶液を得る。この溶液に、実施例6の行程
1で得られた、2,8−ジメトキシ−5−シアノ−5H
−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(2.0 g, 7.
21 mmol) を加え70〜80 ℃で15時間攪拌し
た。放冷後、水 (20 mL)を加え、酢酸エチルで抽出
し、有機層をさらに1N塩酸で抽出した。水層を水酸化
ナトリウムでpH10に調製し再び酢酸エチルで抽出し
た。有機層は、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮し、2,8−ジメトキ
シ−5−ヒドロキシアミジノ−5H−ジベンゾ[a,
d]シクロヘプテン(2.02 g, 90 %) を無色結
晶で得た。融点198 ℃ (分解). 1H-NMR (CDCl3):δ0.9
1 (3H, t, J=7.2 Hz), 3.66 (2H, q, J=7.2 Hz), 3.79
(3H, S), 3.81 (3H, S), 3.89 (1H, d, J=9.6 Hz), 4.4
7 (1H, d,J=9.6 Hz), 6.82-6.93 (6H, m), 7.06 (1H,
d, J=9.3 Hz), 7.23 (1H, d, J=8.4Hz).
【0146】行程2 行程1で得られた2,8−ジメトキシ−5−ヒドロキシ
アミジノ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン
(1.15 g, 3.71 mmol) とピリジン(0.3
5 mL, 4.45 mmol) の DMF (10 mL) 混
液に2−エチルヘキシルクロロホルメイト(0.73 m
L, 3.71 mmol) を0 ℃で加え、さらに30分
間攪拌した。水 (20 mL)を反応液に加え、酢酸エチ
ルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮し、残渣をキ
シレン (100 mL)に溶解し、2時間、還流した。反
応液を放冷した後、キシレンを減圧下留去し、残渣を酢
酸エチルから再結晶することにより目的とする、2,8
−ジメトキシ−5−(2’,5’−ジヒドロ−5’−オ
キソ−4’H−1’,2’,4’−オキソジアゾ−ル−
3’−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテ
ン(22) (866 mg, 69 %) を無色結晶で得
た。融点195-198 ℃ (分解). 1H-NMR (CDCl3):δ 3.76
(6H, s), 5.52 (1H, s), 6.92 (2H, s), 6.96-7.00 (4
H, m), 7.44 (2H, d, J=9.0 Hz). 元素分析(C19
1624・0.1H2Oとして):理論値:C, 67.49; H,
4.83; N,8.28、実測値:C, 67.56; H, 5.10; N,
7.97.
【0147】(実施例22) 2,8−ジヒドロキシ−
5−(2’,5’−ジヒドロ−5’−オキソ−4’H−
1’,2’,4’−オキソジアゾ−ル−3’−イル)−
5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(23)の合
成法
【0148】
【化40】
【0149】 実施例4の2,8−ジメトキシ−5H−
ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オンの代わり
に、実施例21で得られた2,8−ジメトキシ−5−
(2’,5’−ジヒドロ−5’−オキソ−4’H−
1’,2’,4’−オキソジアゾ−ル−3’−イル)−
5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(22)(3
00 mg, 0.89 mmol) を用いて同様の操作を
行い、目的とする2,8−ジヒドロキシ−5−(2’,
5’−ジヒドロ−5’−オキソ−4’H−1’,2’,
4’−オキソジアゾ−ル−3’−イル)−5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテン(23)(22 mg, 8 %)
を黄色結晶で得た。融点>250 ℃.
【0150】(実施例23) 2,8−ジメトキシ−5
−(N−カルボキシメチル)アミノメチル−5H−ジベ
ンゾ[a,d]シクロヘプテン(24)の合成法
【0151】
【化41】
【0152】行程1 実施例6の行程1で得られた、2,8−ジメトキシ−5
−シアノ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン
(9.3 g, 33.54 mmol) をテトラヒドロフ
ラン(200 mL)に溶解し水素化ジイソブチルアルミ
ニウム (ヘキサン中1M溶液、50 mL, 50 mmo
l)を室温で滴下し、続いて一時間還流した。放冷後、
冷水中に注ぎ、揮発性成分を減圧留去した。残渣をクロ
ロホルムに溶解し、1N塩酸を加えしばらく攪拌し、析
出した結晶を濾取しクロロホルムで洗浄した。結晶をク
ロロホルムと飽和炭酸水素ナトリウムの混液に加え、激
しく攪拌した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去することにより、
2,8−ジメトキシ−5−アミノメチル−5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテンを無色結晶で得た。融点12
8-129 ℃. 1H-NMR (CDCl3):δ2.92 (2H, d, J=8.1 H
z), 3.80 (6H, s), 3.85 (1H, t, J=8.1 Hz), 6.79(2H,
s), 6.83 (2H, d, J=2.7 Hz), 6.88 (2H, dd, J=8.4,
2.7 Hz) , 7.19 (2H, d, J=8.4 Hz). 元素分析(C18
19NO2・0.25H2O:理論値:C, 75.63;H, 6.88;
N,4.90、実測値:C, 75.84; H, 6.76; N,4.84.
【0153】行程2 行程1で得られた2,8−ジメトキシ−5−アミノメチ
ル−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(800
mg, 2.52 mmol)のDMF (20 mL)溶液に
ナトリウムアミド(196 mg, 5.03 mmol)と
ブロモ酢酸エチル(0.28 mL, 2.52 mmol)
を滴下し100度で1時間攪拌した。放冷後、水 (50
mL) を加えジクロロメタンで抽出した。有機層を1
N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、飽和食塩水で順
次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した
後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−にて精
製して2,8−ジメトキシ−5−(N−エトキシカルボ
ニルメチル)アミノメチル−5H−ジベンゾ[a,d]
シクロヘプテン (502 mg, 54 %)を無色結晶で
得た。 1H-NMR (CDCl3):δ1.21 (3H, t, J=7.2 Hz), 2.
35 (2H, s), 2.89(2H, d, J=8.1 Hz), 3.79 (6 H, s),
4.10 (2H, q, J=7.2 Hz), 4.13 (1H, t,J=8.1 Hz), 6..
81-6.83 (4H, m), 6.89 (2H, dd, J=8.4, 2.7 Hz), 7.2
3 (2H, d, J=8.4 Hz).
【0154】行程3 行程2で得た2,8−ジメトキシ−5−(N−エトキシ
カルボニルメチル)アミノメチル−5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテン(450 mg, 1.22mm
ol) のエタノ−ル(10 mL) 溶液に水酸化カリウム
(141 mg, 2.52 mmol)のエタノール(5 m
L)溶液を加え、室温で6時間攪拌した。水(5 mL)
を加えエタノールを減圧留去し、残渣をジクロロメタン
で洗浄した後、水層を1N塩酸で酸性にし酢酸エチルで
抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥し溶媒を留去して目的とする2,8−ジメ
トキシ−5−(N−カルボキシメチル)アミノメチル−
5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(24) (8
0 mg, 19 %)を無色結晶で得た。 1H-NMR (DMSO-d
6):δ 3.17 (2H, d, J=8.1 Hz), 3.74 (3 H, s), 3.76
(6 H, s), 4.48 (1H,t, J=8.1 Hz), 4.13 (1H, t, J=8.
1 Hz), 6.95-7.01 (6H, m), 7.30 (2H, d, J=8.7 Hz).
【0155】(アルドース還元酵素(AR)阻害活性及
び披検薬物の阻害活性測定方法)上記実施例に掲げた化
合物につき、試験管内における、ラット水晶体のアルド
ース還元酵素阻害活性の測定を行った。AR阻害活性の
測定は、実施例化合物の存在下/不存在下における、A
R活性の差を測定することにより行った。AR活性の測
定は、基質としてDL-グリセルアルデヒド、補酵素とし
てNADPHを用い、ARの還元作用によりDL-グリセルアル
デヒドがDL-グリセルアルコールになるときに共役して
起こるNADPHの減少速度を、340nmの吸光度(A340
の減少速度の測定により求めることによって行った。反
応液の調製は以下の方法で行った(Kador, P. and Shar
pless, N.E., Biophysical Chemistry, 8:81-85 (197
8))。
【0156】測定法:4種又は5種の反応液を順に加え
て行き、総液量500μLをマイクロセルに加え、25℃に
て5分間反応させ、NADPHの340 nmにおける吸光度の減
少を追跡した。先ず、被験薬物を含まない反応系(表
1)におけるAR活性を測定し対照値とし、次に被験薬
物を含む反応系(表2)で測定して実験値とした。
【0157】
【表1】 表1: 対照値測定用の反応系(測定法I) ───────────────────────────────── 反応液 試料側 参照側 ───────────────────────────────── 0.1M,pH6.2 リン酸緩衝液 350 μL 400 μL 酵素液 50 μL 50 μL 1.04 mM NADPH 50 μL 50 μL 15 mM DL-ク゛リセルアルテ゛ヒト゛ 50 μL − ───────────────────────────────── 計 500 μL 500 μL ─────────────────────────────────
【0158】
【表2】 表2: 実験値測定用の反応系(測定法I) ───────────────────────────────── 反応液 試料側 参照側 ───────────────────────────────── 0.1M,pH6.2 リン酸緩衝液 300 μL 350 μL 酵素液 50 μL 50 μL 1.04 mM NADPH 50 μL 50 μL 被験薬物(試験濃度の10倍) 50 μL 50 μL 15 mM DL-ク゛リセルアルテ゛ヒト゛ 50 μL − ───────────────────────────────── 計 500 μL 500 μL ─────────────────────────────────
【0159】実施例化合物のAR阻害活性は、次の式:
AR阻害率={1-(実験値(5分間のA340の減少)/(対
照値(5分間のA340の減少)}×100(%)、により先
ず種々の濃度における阻害率(%)を算出し、次いで、
複数の濃度における阻害率から、IC50(50%阻害濃
度)(μM)として求めた。
【0160】測定結果: アルドース還元酵素活性に対
する阻害活性 本発明の実施例化合物につき、この方法で求められたA
R活性に対する50%阻害濃度を表3に示す。
【0161】
【表3】表3 ──────────────── 実施例 No. IC50(μM) ──────────────── 実施例3 25 実施例4 7.9 実施例5 830 実施例6 83 実施例7 3.0 実施例8 54 実施例10 44 実施例12 36 実施例14 29 実施例16 46 実施例17 3.4 実施例18 1.25 実施例19 74 実施例20 20 実施例21 12 実施例22 28 実施例23 38 ────────────────
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/19 A61K 31/19 31/195 31/195 31/34 31/34 31/40 31/40 31/41 31/41 31/425 31/425 C07C 33/50 C07C 33/50 43/23 43/23 C 47/46 47/46 47/47 47/47 49/747 49/747 C 49/755 49/755 62/32 62/32 62/34 62/34 229/14 229/14 C07D 209/54 C07D 209/54 271/06 271/06 277/34 277/34 307/94 307/94

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 [式中、R1及びR2は独立に、ヒドロキシル基、アリ
    ール基で置換されていてもよい低級アルコキシ基、又は
    ハロゲン原子を表し、但しR1とR2の一方がハロゲン
    原子を表すときは他方はヒドロキシル基を表し;R3及
    びR4は、一方が水素原子を表し、他方が、ヒドロキシ
    メチル基、低級アルキルアミノメチル基、カルボキシ低
    級アルキルアミノメチル基、ジオキソチアゾリジリデン
    メチル基、カルボキシル基、ホルミル基、オキソ−4H
    −オキサジアゾール基を表すか、又はR3とR4は、一
    緒になって酸素原子を表すか若しくは相互に連結して、
    テトラヒドロフラン環、テトラヒドロチオフェン環、ピ
    ロリジン環、イミダゾリジン環、ピラゾリジン環、チア
    ゾリジン環、オキサゾリジン環、シクロペンタン環、オ
    キサチオラン環、ピロリジンジオン環若しくはテトラヒ
    ドロフランジオン環を形成している。]で示されるジベ
    ンゾシクロヘプテン誘導体及びその薬剤学的に許容し得
    る塩。
  2. 【請求項2】 一般式(I)中R1又はR2がメトキシ
    基である、請求項1の誘導体及びその薬剤学的に許容し
    得る塩。
  3. 【請求項3】 一般式(I)中R1又はR2が、フェニ
    ル基において置換されていてもよいフェニルメトキシ基
    である、請求項1の誘導体及びその薬剤学的に許容し得
    る塩。
  4. 【請求項4】 該フェニル基において置換されていても
    よいフェニルメトキシ基が3−トリフルオロフェニルメ
    トキシ基である、請求項3の誘導体及びその薬剤学的に
    許容し得る塩。
  5. 【請求項5】 一般式(I)中R1又はR2がフッソ原
    子である、請求項1の誘導体及びその薬剤学的に許容し
    得る塩。
  6. 【請求項6】 一般式(I)中R1又はR2がヒドロキ
    シル基である、請求項1の誘導体及びその薬剤学的に許
    容し得る塩。
  7. 【請求項7】 一般式(I)中R3又はR4がヒドロキ
    シメチル基である、請求項1の誘導体及びその薬剤学的
    に許容し得る塩。
  8. 【請求項8】 一般式(I)中R3又はR4がカルボキ
    シメチルアミノメチル基である、請求項1の誘導体及び
    その薬剤学的に許容し得る塩。
  9. 【請求項9】 一般式(I)中R3又はR4がジオキソ
    チアゾリジリデンメチル基である、請求項1の誘導体及
    びその薬剤学的に許容し得る塩。
  10. 【請求項10】 該ジオキソチアゾリジリデンメチル基
    が、2、4−ジオキソ−5−チアゾリジリデンメチル基
    である、請求項9の誘導体及びその薬剤学的に許容し得
    る塩。
  11. 【請求項11】 一般式(I)中、R3又はR4が、オ
    キソ−4H−オキサジアゾ−ル基である、請求項1に記
    載の誘導体及びその薬剤学的に許容し得る塩。
  12. 【請求項12】 該オキソ−4H−オキサジアゾール基
    が、5−オキソ−4H−1,2,4−オキソジアゾール
    −3−イル基である、請求項11の誘導体及びその薬剤
    学的に許容し得る塩。
  13. 【請求項13】 一般式(I)中R3とR4とが一緒に
    なってピロリジンジオン環を形成している、請求項1の
    誘導体及びその薬剤学的に許容し得る塩。
  14. 【請求項14】 該ピロリジンジオン環が、3−ピロリ
    ジン−2,5,−ジオン環である、請求項13の誘導体
    及びその薬剤学的に許容し得る塩。
  15. 【請求項15】 一般式(I)中R3とR4とが一緒に
    なってテトラヒドロフランジオン環を形成している、請
    求項1に記載の誘導体及びその薬剤学的に許容し得る
    塩。
  16. 【請求項16】 該テトラヒドロフランジオン環が3−
    テトラヒドロフラン−2、5−ジオン環である、請求項
    15の誘導体及びその薬剤学的に許容し得る塩。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載の一般式(I)で示さ
    れる化合物又はその薬剤学的に許容し得る塩を有効成分
    とする、糖尿病合併症の予防・治療剤。
  18. 【請求項18】 請求項1に記載の一般式(I)で示さ
    れる化合物又はその薬剤学的に許容し得る塩を有効成分
    とする、アルドース還元酵素阻害剤。
JP9309706A 1997-10-23 1997-10-23 ジベンゾシクロヘプテノン誘導体及びその塩 Withdrawn JPH11130713A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004018414A3 (en) * 2002-08-23 2004-06-17 Upjohn Co Antibacterial agents
EP2206534A1 (de) * 2008-10-09 2010-07-14 c-a-i-r biosciences GmbH Dibenzocycloheptanonderivate und pharmazeutische Mittel, welche diese Verbindungen enthalten

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