JPH11124738A - 高反発性布帛の製造に適した芯鞘型複合繊維及び交絡糸 - Google Patents
高反発性布帛の製造に適した芯鞘型複合繊維及び交絡糸Info
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- JPH11124738A JPH11124738A JP28935697A JP28935697A JPH11124738A JP H11124738 A JPH11124738 A JP H11124738A JP 28935697 A JP28935697 A JP 28935697A JP 28935697 A JP28935697 A JP 28935697A JP H11124738 A JPH11124738 A JP H11124738A
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Abstract
ステル複合繊維を提供する。 【解決手段】 芯成分A,鞘成分Bともにポリエチレン
テレフタレートからなり,芯成分の極限粘度が鞘成分よ
りも高く、その粘度差Δ〔η〕と芯鞘重量比率Rとが
0.07≦Δ〔η〕/ R≦0.30を満たし、かつ熱
応力Sが300mg/d以上,偏芯度が1.2である芯鞘型
複合繊維。
Description
従来発現できなかった高反発性の布帛の製造に適した芯
鞘型ポリエステル複合繊維に関する。
クラミ感のある布帛を製造するための糸条として、従来
から、2種以上の収縮率の異なる糸条を交絡してなる異
収縮混繊糸や、Δnの異なる2種以上の紡糸原糸を用い
た混繊仮撚加工糸が数多く提案され、例えば、単糸デニ
ールの太い高収縮フィラメントを芯糸とし、単糸デニー
ルの比較的細い低収縮フィラメントを側糸として配置
し、交絡点間で糸長差をもたせて糸条にふくらみを出す
ことが知られている。また布帛のハリ、コシ感の向上を
目的として、芯糸と側糸との単糸デニールの差に注目し
た技術(特公昭57-32137号公報、特公昭62-57731号公
報)や芯糸の収縮値と最大熱応力に注目した技術(特公
昭61-36099号公報)、また芯糸の弾性率に注目した技術
(特公昭62-49380号公報)が提案されているが、糸条の
外側に存在するループ化した側糸の曲げ強さに着目し、
ループ化した側糸の高反発性を利用して布帛の風合改良
を図った技術はなかった。
のある布帛の供給にあたり、用いる糸条の側面にループ
状態で存在する糸の曲げ強さに着目し、従来にないバネ
効果の高いループを糸条の側面に存在させることによ
り、新たなハリ・コシ感,シャリ感を発現させるもので
ある。
湿熱処理された後の糸条の側面に存在する単糸ループに
対し、強いバネ効果を付与するには、その曲げ強さを上
げることが必要である。そのために、一般に単独ポリマ
ーによる繊維では産業用高強力糸のように高重合度、高
配向の糸とすればよいが、かかる高強力糸は染色性に乏
しく汎用性の問題が残る。
染色性が良好でかつ湿熱処理後に高い曲げ強さを有する
糸を種々検討した結果、芯鞘型複合繊維であって、芯/
鞘の極限粘度差と重量比率とが一定の関係を満たし、一
定値以上の熱応力を有する複合繊維はバネ効果の強いル
ープを発現することができ、特有のハリ・コシ感,シャ
リ感を達成することを見出だし本発明に到達した。
ともにポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエ
ステルからなり、各々のポリエステルの極限粘度〔η〕
Aと〔η〕Bとの差Δ〔η〕及び芯成分Aと鞘成分Bとの
重量比率Rとが下記式(1)を満たし、かつ熱応力S
(mg/d)が下記式(2)を満たす芯鞘型複合繊維であ
る。 0.07≦Δ〔η〕/R1/2≦0.30 (1) S≧300 (2) ここで、Δ〔η〕=〔η〕A −〔η〕B Rは、芯成分重量>鞘成分重量なら芯成分重量/鞘成分
重量 芯成分重量<鞘成分重量なら鞘成分重量/芯成分重量 また本発明は、上記の芯鞘型複合繊維を30%以上含有
し、かつ30個/m以上の交絡点を有する交絡糸であ
る。
鞘構造を呈し、しかも芯が高粘度、鞘が低粘度の組合わ
せであることが必須である。この組合わせが逆の場合で
もある程度バネ効果のあるループとすることができる
が、本発明で目的とする強いバネ効果は得られず、また
高粘度成分の鞘配置では一般に染色性に乏しく汎用性に
欠けるものとなる。
鞘成分の〔η〕Bとの粘度差Δ〔η〕が0.07以上
で、芯/鞘重量比は1/3〜3/1、より好ましくは1
/1〜2/1が適当である。粘度差が大きい場合は比較
的広い範囲の芯/鞘重量比で本発明の効果が出るが、粘
度差が小さい場合には芯/鞘重量比は1/1〜2/1付
近に限られる。芯鞘構造で本発明の効果がでるのは、芯
鞘で粘度差のある芯鞘型複合繊維を延伸する際に、芯の
高粘度ポリエステルも鞘の低粘度ポリエステルも同じド
ラフトで延伸されるために、芯鞘で配向差が生じる事を
利用したものであり、その芯鞘の配向差に起因する潜在
的な収縮差により、熱処理後の糸に曲げに強い特性を付
与することが出来る。よって、本発明においては粘度差
のある芯鞘構造は不可欠であり、粘度差Δ〔η〕が0.
07未満では本発明の主旨とするハリコシある布帛は得
られない。
あっても芯/鞘重量比が1/3未満の細い芯の構造や、
また芯/鞘重量比が3/1よりも高い薄い鞘の構造では
同様に本発明の強いバネ効果は得られない。また極端な
粘度差では芯鞘形成が困難になり、芯鞘構造の形成のた
めに、粘度差には上限が存在する。
と芯鞘重量比率の適正範囲を探った結果、下記式(1)
を満たすことが必要であると判明した。 0.07≦Δ〔η〕/R1/2≦0.30 (1)
用いるポリエステルの〔η〕のレベルは通常の溶融紡糸
可能な範囲から選ぶことが出来るが、Δ〔η〕≧0.0
7の必要性から芯成分ポリエステルは0.6〜1.0,鞘成分
ポリエステルは0.5 〜0.9の範囲から選ぶのが適当であ
る。
ステルの種類はポリエチレンテレフタレート(PET)
の他に、例えばイソフタル酸、5−ナトリウムイソフタ
ル酸等のジカルボン酸や、ブタンジオール,ビスフェノ
ールA等のジオール成分を共重合したポリエチレンテレ
フタレートでもよく、エチレンテレフタレート単位が85
%以上のPET主体のポリエステルであれば差支えな
い。また必要に応じて各種の無機微粒子(酸化チタン、
酸化ケイ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、アルミナ,カオリン等)や着色剤、抗菌剤、消臭
剤、防虫剤、難燃剤など各種機能剤を練り込んだものも
用いることができる。
造に加えて、熱応力S(mg/d)が下記式(2)を満たすこ
とが必要である。本発明の強いバネ効果を有するループ
を作るためには、300mg/d以上の熱応力Sが必要条件
になる。 S≧300 (2) この熱応力Sの値は通常のPETの溶融紡糸において6
00〜3000m/分の引取り速度で得られた紡糸原糸
を、その破断伸度の60%以上のドラフトで延伸,熱処
理して得られる値である。原糸破断伸度60%未満の低
ドラフトでは、熱応力Sも低レベルとなり、300mg/d
を越えない。また原糸破断伸度の60%以上の延伸でも
延伸,熱固定後に一定以上の制限収縮を施すと熱応力S
の値が300mg/d以上とならないので制限収縮処理を行
なう場合は熱応力が300mg/d未満にならないような条件
で行なわなければならない。
は、鞘成分が単繊維全表面を被覆すべく芯成分と複合さ
れていなければならない。芯成分と鞘成分とは実質的に
同心的に配置されている必要があり、その偏芯度が一定
以上になるとコイルクリンプ化し、風合的に異なったも
のとなるため、例えば、円形断面の単芯芯鞘構造の複合
繊維であれば、下記式(3)で表される偏芯度が1.2
以下であることが好ましい。 T={鞘成分の最も厚い部分の厚み(a)/鞘成分の最も薄い部分の厚み(b)} (3 )
らず2芯以上の多芯構造も採用でき,断面形状も円に限
定されず、楕円、Y型,X型,△型,多角型等の異形断
面,中空断面も採用できる。このような場合において
は、偏芯度が求めにくい場合があるが、上述のように実
質的に潜在捲縮性を有さないような複合形態を採用すべ
きである。
あたっては、出来上がり糸条の側面に本発明糸条の単糸
ループ(糸長差によるもの)が存在するような糸形状であ
れば,空気乱流による交絡処理やタスラン交絡処理,仮
撚処理等、種々の加工方法で交絡糸とすることができ
る。交絡処理の際に、単糸ループの固定のために、30
個/m以上の交絡点が必要になる。30個/m未満の交
絡点では、単糸ループの固定が困難になり、本発明の目
的とする強いバネ効果を持つ側糸ループが形成されにく
い。本発明の複合繊維は単独で加工して交絡糸としても
よいし、他種糸条との混繊交絡処理を施してもよい。他
種の糸条との交絡処理の際には、本発明の糸条の含有量
は最低30%は必要である。30%未満では強いバネ効
果を持つ側糸ループの存在が稀薄となり、風合的に不満
足なものとなる。
発明は何らこれらの実施例に限定されるものでない。極
限粘度〔η〕は、ポリエステルをフェノール/テトラク
ロルエタン=1/1(重量比)の溶媒に溶解し、30℃
にて粘度を測定して求めた値である。ヤーンを構成する
単繊維の芯成分の極限粘度は、鞘成分のみをあらかじめ
100℃水酸化ナトリウム5%水溶液により溶解し、芯
成分のみを残して前記方法で測定して求めた。熱応力S
(mg/d)は乾熱収縮応力のことであり、オートグラフに2
0cmのヤーンを取り付け、50mg/dの初荷重をかけた後、
1℃/分の昇温速度で昇温し発現する力を初荷重を加え
た値として検出した。
=0.75のポリエチレンテレフタレートを用い、鞘成分B
として〔η〕B=0.56の5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸にて1.5mol%変性したポリエチレンテレフタレート
を用い、芯/鞘重量比率=1/1にて芯鞘構造とし、紡
糸速度900m/minにて常法により溶融紡糸を行い原糸を得
た。次いでこの原糸の破断伸度の70%の延伸倍率にて
延伸温度80℃で延伸し、150℃のホットプレート上を走
行させ熱固定を行い150d-48filの糸条を得た。
スラン交絡処理を施した後1500t/mの撚糸後、撚止めセ
ット行い、側面ループを有する糸条(I)を得た。この
糸条を経糸および緯糸の用いてタフタを製織し、常法の
リラックス精練を行い、布帛の反発感,ハリコシを評価
した。(風合評価)
を引き揃え供給し、空気乱流による交絡処理を施し、12
00t/mの撚糸後、撚止めセット行い、側面ループを有す
る糸条(II)を得た。この糸条を経糸および緯糸の用い
てタフタを製織し、常法のリラックス精練を行い、布帛
の反発感、ハリコシを評価した。(風合評価)
の極限粘度、芯鞘重量比率、偏芯率熱応力、Δ〔η〕/
R1/2、交絡数、風合評価を示す。風合評価は比較例1を
対照とした相対評価で、◎=非常に良好、○=良好、△
=今一歩、×=変わりなし、を表わす。
示す。 a:5-ナトリウムスルホイソフタル酸 : 1.5mol変性PET b:BaSO4 : 5.0wt% 含有PET c:5-ナトリウムスルホイソフタル酸 : 2.5mol変性PET d:SiO2 : 3.0%含有PET e:TiO2 : 0.1% 含有PET
量比率、偏芯率を表1に示すように変更すること以外
は、実施例1と同様にして複合繊維を得、最終的に布帛
としての風合評価を行なった。評価結果を表1に示し
た。
Claims (2)
- 【請求項1】 芯成分A,鞘成分Bともにポリエチレン
テレフタレートを主体とするポリエステルからなり、各
々のポリエステルの極限粘度〔η〕Aと〔η〕Bとの差Δ
〔η〕及び芯成分Aと鞘成分Bとの重量比率Rとが下記
式(1)を満たし、かつ熱応力S(mg/d)が下記式
(2)を満たすことを特徴とする芯鞘型複合繊維。 0.07≦Δ〔η〕/R1/2≦0.30 (1) S≧300 (2) ここで、Δ〔η〕=〔η〕A −〔η〕B Rは、芯成分重量>鞘成分重量なら芯成分重量/鞘成分
重量 芯成分重量<鞘成分重量なら鞘成分重量/芯成分重量 - 【請求項2】 請求項1記載の芯鞘型複合繊維を30%
以上含有し、かつ30個/m以上の交絡点を有する交絡
糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28935697A JP3693476B2 (ja) | 1997-10-22 | 1997-10-22 | 高反発性布帛の製造に適した交絡糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28935697A JP3693476B2 (ja) | 1997-10-22 | 1997-10-22 | 高反発性布帛の製造に適した交絡糸 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11124738A true JPH11124738A (ja) | 1999-05-11 |
JP3693476B2 JP3693476B2 (ja) | 2005-09-07 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP28935697A Expired - Fee Related JP3693476B2 (ja) | 1997-10-22 | 1997-10-22 | 高反発性布帛の製造に適した交絡糸 |
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JP (1) | JP3693476B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200088288A (ko) * | 2017-11-28 | 2020-07-22 | 도레이 카부시키가이샤 | 고강력 세섬도 폴리에스테르 멀티필라멘트 |
-
1997
- 1997-10-22 JP JP28935697A patent/JP3693476B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR20200088288A (ko) * | 2017-11-28 | 2020-07-22 | 도레이 카부시키가이샤 | 고강력 세섬도 폴리에스테르 멀티필라멘트 |
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