JPH11293524A - 特殊複合繊維 - Google Patents
特殊複合繊維Info
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- JPH11293524A JPH11293524A JP11617498A JP11617498A JPH11293524A JP H11293524 A JPH11293524 A JP H11293524A JP 11617498 A JP11617498 A JP 11617498A JP 11617498 A JP11617498 A JP 11617498A JP H11293524 A JPH11293524 A JP H11293524A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ドライ、ハリコシ感、反撥感が良好でかつ軽
量性、発色性に優れた織編物を与えるポリエステル複合
繊維を提供する。 【解決手段】 5ナトリウムスルホイソフタル酸を0.
6〜3.5mol%共重合したポリエステルであって、
平均粒子径0.03〜2μmの硫酸バリウムを0.5〜
10重量%含有する共重合ポリエステルを鞘成分とし、
平均粒子径0.03〜2μmの酸化チタン微粒子を2〜
15重量%含有するポリエチレンテレフタレートを芯成
分とする芯鞘型複合繊維であって、該繊維の芯部に中空
率1〜25%の中空部が存在する中空複合繊維。
量性、発色性に優れた織編物を与えるポリエステル複合
繊維を提供する。 【解決手段】 5ナトリウムスルホイソフタル酸を0.
6〜3.5mol%共重合したポリエステルであって、
平均粒子径0.03〜2μmの硫酸バリウムを0.5〜
10重量%含有する共重合ポリエステルを鞘成分とし、
平均粒子径0.03〜2μmの酸化チタン微粒子を2〜
15重量%含有するポリエチレンテレフタレートを芯成
分とする芯鞘型複合繊維であって、該繊維の芯部に中空
率1〜25%の中空部が存在する中空複合繊維。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル系特
殊複合繊維に関し、さらに詳細には織編物等の布帛に使
用する場合に、反撥感、軽量性かつ発色性に優れたポリ
エステル系中空複合繊維に関する。
殊複合繊維に関し、さらに詳細には織編物等の布帛に使
用する場合に、反撥感、軽量性かつ発色性に優れたポリ
エステル系中空複合繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル、ポリアミドのフィ
ラメントからなる織編物等の繊維構造物は、その構成フ
ィラメントの単糸繊度や断面形状が単調であるためウー
ル、綿、麻等の天然繊維に比較して風合、光沢が単調で
冷たく、またハリ、コシ感に劣り、繊維構造物としての
品位が低いものであった。近年、これらの欠点を改良す
るために、合成繊維に捲縮加工を施したり、複合化して
捲縮を発現させたりする提案がなされているが、今だ十
分にその目的を達成していないのが現状である。
ラメントからなる織編物等の繊維構造物は、その構成フ
ィラメントの単糸繊度や断面形状が単調であるためウー
ル、綿、麻等の天然繊維に比較して風合、光沢が単調で
冷たく、またハリ、コシ感に劣り、繊維構造物としての
品位が低いものであった。近年、これらの欠点を改良す
るために、合成繊維に捲縮加工を施したり、複合化して
捲縮を発現させたりする提案がなされているが、今だ十
分にその目的を達成していないのが現状である。
【0003】たとえば、特開昭56−165015号公
報、特開昭57−5921号公報、特開昭58−984
35号公報、特開昭61−239010号公報等には、
アルカリ易溶解性ポリマーとポリエステルからなる複合
繊維からなる織編物をアルカリ減量処理することによ
り、ドライタッチでキシミ感のある風合や独特の光沢を
織編物に付与させる方法が提案されている。しかしなが
ら、これらの方法では確かにドライ感は得られるもの
の、アルカリ減量処理により織編物等の反撥感、ハリ、
コシ感は減少することになり、両方を兼ね備える織編物
は到底得られないのである。また特公昭45−1807
2号公報には麻様のシャリ感を発現させる仮撚融着糸が
提案されており、特開昭63−6123号公報には混繊
融着加工糸の製造方法が提案されている。さらに風合改
良のために中撚から強撚の撚を付与させるなどの各種提
案がなされているが、コストがかかり、特に一般のポリ
エステル繊維織編物には適用できにくい等の問題や、合
成繊維に天然繊維に近似したハリ、コシ感、ドライ感を
付与させるといった点において不十分であった。
報、特開昭57−5921号公報、特開昭58−984
35号公報、特開昭61−239010号公報等には、
アルカリ易溶解性ポリマーとポリエステルからなる複合
繊維からなる織編物をアルカリ減量処理することによ
り、ドライタッチでキシミ感のある風合や独特の光沢を
織編物に付与させる方法が提案されている。しかしなが
ら、これらの方法では確かにドライ感は得られるもの
の、アルカリ減量処理により織編物等の反撥感、ハリ、
コシ感は減少することになり、両方を兼ね備える織編物
は到底得られないのである。また特公昭45−1807
2号公報には麻様のシャリ感を発現させる仮撚融着糸が
提案されており、特開昭63−6123号公報には混繊
融着加工糸の製造方法が提案されている。さらに風合改
良のために中撚から強撚の撚を付与させるなどの各種提
案がなされているが、コストがかかり、特に一般のポリ
エステル繊維織編物には適用できにくい等の問題や、合
成繊維に天然繊維に近似したハリ、コシ感、ドライ感を
付与させるといった点において不十分であった。
【0004】また、本発明者等は特願平8-34720
6号にて多葉断面、極太デニールの繊維集合体により反
撥感、ハリ、コシ感に優れた布帛が得られることを認め
提案した。この技術により、確かに上記の特性は得られ
るものの、布帛は粗硬であり、繊細さに劣るものであっ
た。
6号にて多葉断面、極太デニールの繊維集合体により反
撥感、ハリ、コシ感に優れた布帛が得られることを認め
提案した。この技術により、確かに上記の特性は得られ
るものの、布帛は粗硬であり、繊細さに劣るものであっ
た。
【0005】一方、布帛に軽量性を付与させるために、
中空断面繊維を使用することは公知の技術であるが、従
来から一般的に用いられている中空繊維を使用したので
は反撥感、ハリ、コシ感は十分発現せず、透け防止性も
満足されない。さらに、濃色(発色性の高い)布帛が得
られにくい。
中空断面繊維を使用することは公知の技術であるが、従
来から一般的に用いられている中空繊維を使用したので
は反撥感、ハリ、コシ感は十分発現せず、透け防止性も
満足されない。さらに、濃色(発色性の高い)布帛が得
られにくい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来の問題点を解決し、一般的な布帛に用いら
れる通常デニールで繊細さを有し、天然繊維、たとえば
ウール、麻のような反撥感、ハリ、コシ感に優れ、かつ
軽量性、透け防止性、しかも発色性に優れた繊維を提供
することである。
のような従来の問題点を解決し、一般的な布帛に用いら
れる通常デニールで繊細さを有し、天然繊維、たとえば
ウール、麻のような反撥感、ハリ、コシ感に優れ、かつ
軽量性、透け防止性、しかも発色性に優れた繊維を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ポ
リエステルを構成する全酸成分中に下記(I)式で示さ
れる共重合単位が0.6〜3.5モル%含まれ、かつ平
均粒子径0.03〜2μmの微粒子を0.5〜10重量
%含有している共重合ポリエステル(A成分)と、平均
粒子径0.03〜2μmの微粒子を2〜15重量%含有
している融点150℃以上の結晶性熱可塑性ポリマー
(B成分)とから成る複合繊維であって、A成分は繊維
断面の全周長の80%以上を占有し、該複合繊維には中
空率1〜25%の中空部が存在することを特徴とする反
撥性、軽量性および発色性に優れた中空複合繊維であ
る。
リエステルを構成する全酸成分中に下記(I)式で示さ
れる共重合単位が0.6〜3.5モル%含まれ、かつ平
均粒子径0.03〜2μmの微粒子を0.5〜10重量
%含有している共重合ポリエステル(A成分)と、平均
粒子径0.03〜2μmの微粒子を2〜15重量%含有
している融点150℃以上の結晶性熱可塑性ポリマー
(B成分)とから成る複合繊維であって、A成分は繊維
断面の全周長の80%以上を占有し、該複合繊維には中
空率1〜25%の中空部が存在することを特徴とする反
撥性、軽量性および発色性に優れた中空複合繊維であ
る。
【化2】
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の複合繊維の一成分を形成
する共重合ポリエステル(以後、A成分と記述。)は、
下記(I)式で示される構造単位を有するジカルボン酸
成分であり、本発明においては、その含有率がポリエス
テルを構成する全酸成分中に0.6〜3.5mol%含
まれることが重要である。
する共重合ポリエステル(以後、A成分と記述。)は、
下記(I)式で示される構造単位を有するジカルボン酸
成分であり、本発明においては、その含有率がポリエス
テルを構成する全酸成分中に0.6〜3.5mol%含
まれることが重要である。
【化3】
【0009】該共重合成分を使用することの目的は、後
述する微粒子の高添加による発色性の低下、特に濃色性
を維持するためである。(I)式で示される共重合単位
の割合が0.6mol%未満では発色性に劣り、特に濃
色性が得られない。又3.5モル%を超えると、濃色向
上効果は頭打ちとなり、繊維物性としての強度低下の要
因となり、断糸、ケバの多発等繊維化工程性が劣り、ま
た高速紡糸性も劣る。かかる観点から、好ましい下限値
は1.0モル%であり、好ましい上限値は3.0mol
%である。
述する微粒子の高添加による発色性の低下、特に濃色性
を維持するためである。(I)式で示される共重合単位
の割合が0.6mol%未満では発色性に劣り、特に濃
色性が得られない。又3.5モル%を超えると、濃色向
上効果は頭打ちとなり、繊維物性としての強度低下の要
因となり、断糸、ケバの多発等繊維化工程性が劣り、ま
た高速紡糸性も劣る。かかる観点から、好ましい下限値
は1.0モル%であり、好ましい上限値は3.0mol
%である。
【0010】共重合単位(I)を持つ化合物としては、
重合時の耐熱性の点からArが3価である芳香族基を用
いることが好ましい。そのような基としては、例えば、
1,3,5−ベンゼントリイル基、1,2,3−ベンゼ
ントリイル基、1,2,4−ベンゼントリイル基等のベ
ンゼントリイル基、1,3,6−ナフタレントリイル
基、1,3,7−ナフタレントリイル基、1,4,5−
ナフタレントリイル基、1,4,6−ナフタレントリイ
ル基等のナフタレントリイル基などを挙げることができ
る。また、式中、Mはナトリウム、カリウム、リチウム
等のアルカリ金属原子、カルシウム、マグネシウム等の
アルカリ土類金属原子もしくはテトラ−n−ブチルホス
ホニウム基、ブチルトリフェニルホスホニウム基、エチ
ルブチルホスホニウム基等のアルキルホスホニウム基で
ある。
重合時の耐熱性の点からArが3価である芳香族基を用
いることが好ましい。そのような基としては、例えば、
1,3,5−ベンゼントリイル基、1,2,3−ベンゼ
ントリイル基、1,2,4−ベンゼントリイル基等のベ
ンゼントリイル基、1,3,6−ナフタレントリイル
基、1,3,7−ナフタレントリイル基、1,4,5−
ナフタレントリイル基、1,4,6−ナフタレントリイ
ル基等のナフタレントリイル基などを挙げることができ
る。また、式中、Mはナトリウム、カリウム、リチウム
等のアルカリ金属原子、カルシウム、マグネシウム等の
アルカリ土類金属原子もしくはテトラ−n−ブチルホス
ホニウム基、ブチルトリフェニルホスホニウム基、エチ
ルブチルホスホニウム基等のアルキルホスホニウム基で
ある。
【0011】共重合単位(I)を持つ化合物の具体例と
しては、例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、
5−カリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホ
スホニウムスルホイソフタル酸、2,6−ジカルボキシ
ナフタレン−4−スルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、α−テトラブチルホスホニウムスルホコハク酸など
が挙げられ、なかでもコストパーフォーマンスの点にお
いて5−ナトリウムスルホイソフタル酸が好ましい。
しては、例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、
5−カリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホ
スホニウムスルホイソフタル酸、2,6−ジカルボキシ
ナフタレン−4−スルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、α−テトラブチルホスホニウムスルホコハク酸など
が挙げられ、なかでもコストパーフォーマンスの点にお
いて5−ナトリウムスルホイソフタル酸が好ましい。
【0012】A成分はテレフタル酸を主たる酸成分と
し、上記共重合成分を所定量共重合した繊維形成性のポ
リエステルであれば特に限定されるものではなく、さら
にテレフタル酸成分の一部は他のジカルボン酸成分で置
き換えられていてもよい。
し、上記共重合成分を所定量共重合した繊維形成性のポ
リエステルであれば特に限定されるものではなく、さら
にテレフタル酸成分の一部は他のジカルボン酸成分で置
き換えられていてもよい。
【0013】テレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分
としては、たとえばイソフタル酸、ナフタリンジカルボ
ン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジ
カルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オ
キシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸等を挙げることができる。
としては、たとえばイソフタル酸、ナフタリンジカルボ
ン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジ
カルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オ
キシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸等を挙げることができる。
【0014】また、ジオール成分としては、たとえばエ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、トリメチレング
リコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレン
グリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリ
エチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
ビスフェノールA、ビスフェノールSのエチレンオキサ
イド付加物等の芳香族ジオール;シクロヘキサンジメタ
ノール等の脂肪族ジオールなどのジオール成分を挙げる
ことができる。
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、トリメチレング
リコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレン
グリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリ
エチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
ビスフェノールA、ビスフェノールSのエチレンオキサ
イド付加物等の芳香族ジオール;シクロヘキサンジメタ
ノール等の脂肪族ジオールなどのジオール成分を挙げる
ことができる。
【0015】また、A成分には平均粒子径0.03〜2
μmの微粒子を0.5〜10重量%添加することが不可
欠である。微粒子の添加によって織編物のドライ感がよ
り向上する。微粒子の平均粒子径は、凝集、毛羽、断糸
の発生を考慮すると下限値としては0.05μmが好ま
しく、上限値としては1.8μmが好ましい。また含有
量の下限値としては1重量%が好ましく、上限値として
は8重量%が好ましい。
μmの微粒子を0.5〜10重量%添加することが不可
欠である。微粒子の添加によって織編物のドライ感がよ
り向上する。微粒子の平均粒子径は、凝集、毛羽、断糸
の発生を考慮すると下限値としては0.05μmが好ま
しく、上限値としては1.8μmが好ましい。また含有
量の下限値としては1重量%が好ましく、上限値として
は8重量%が好ましい。
【0016】微粒子の種類としては、酸化チタン、硫酸
バリウム、酸化亜鉛、シリカ、酸化セリウム、炭酸カル
シウム等を挙げることができるが、ドライ感付与、発色
性を考慮すると光透過性の良好な硫酸バリウム、シリカ
の使用が好ましい。なお、これらの微粒子は少なくとも
1種類以上含有することが好ましい。
バリウム、酸化亜鉛、シリカ、酸化セリウム、炭酸カル
シウム等を挙げることができるが、ドライ感付与、発色
性を考慮すると光透過性の良好な硫酸バリウム、シリカ
の使用が好ましい。なお、これらの微粒子は少なくとも
1種類以上含有することが好ましい。
【0017】該微粒子のA成分への添加時期は、ポリエ
ステルの重合段階におけるエステル交換反応前のジオー
ル成分のスラリーに添加する方法、二軸混練機によるマ
スターチップ作成時に添加する方法などがあるが、紡糸
時にポリエステルに添加させることもできる。
ステルの重合段階におけるエステル交換反応前のジオー
ル成分のスラリーに添加する方法、二軸混練機によるマ
スターチップ作成時に添加する方法などがあるが、紡糸
時にポリエステルに添加させることもできる。
【0018】また、ポリエステルの極限粘度、共重合成
分の種類、その共重合量を調整することにより、さらに
所望の諸物性を繊維に付与させることができ、織編物に
使用した場合に変化に富んだ表情を有する、天然繊維に
近似した布帛を得ることが可能となる。
分の種類、その共重合量を調整することにより、さらに
所望の諸物性を繊維に付与させることができ、織編物に
使用した場合に変化に富んだ表情を有する、天然繊維に
近似した布帛を得ることが可能となる。
【0019】本発明の複合繊維のもう一方の成分である
B成分ポリマーとしては、融点150℃以上の結晶性熱
可塑性ポリマーであれば特に限定されないが、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートを代
表とするポリエステル系ポリマー及びナイロン−6、ナ
イロン−66、ナイロン−12を代表とするポリアミド
系ポリマーが好適である。
B成分ポリマーとしては、融点150℃以上の結晶性熱
可塑性ポリマーであれば特に限定されないが、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートを代
表とするポリエステル系ポリマー及びナイロン−6、ナ
イロン−66、ナイロン−12を代表とするポリアミド
系ポリマーが好適である。
【0020】ポリエステル系ポリマーとしては、例え
ば、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコ
ール、ブチレングリコールを主たるジオール成分とする
いわゆるエチレンテレフタレート単位あるいはブチレン
テレフタレート単位を繰り返し単位とするポリマーであ
り、テレフタル酸の一部を他のジカルボン酸で置き換え
たものであってもよく、また上記のジオール成分の一部
を他のジオール成分で置き換えたものであってもよい。
ば、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコ
ール、ブチレングリコールを主たるジオール成分とする
いわゆるエチレンテレフタレート単位あるいはブチレン
テレフタレート単位を繰り返し単位とするポリマーであ
り、テレフタル酸の一部を他のジカルボン酸で置き換え
たものであってもよく、また上記のジオール成分の一部
を他のジオール成分で置き換えたものであってもよい。
【0021】テレフタル酸以外のジカルボン酸として
は、イソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニ
ルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β
−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、
アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香
族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸を挙げることができ
る。また、エチレングリコール、1,4ブタンジオール
以外のジオールとしてトリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール
A、ビスフェノールS等の芳香族、脂肪族、脂環族のジ
オールを挙げることができる。
は、イソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニ
ルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β
−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、
アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香
族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸を挙げることができ
る。また、エチレングリコール、1,4ブタンジオール
以外のジオールとしてトリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール
A、ビスフェノールS等の芳香族、脂肪族、脂環族のジ
オールを挙げることができる。
【0022】B成分は、上記ような成分から重合される
ポリエステルであれば差し支えないが、中でも汎用ポリ
エステルであるエチレンテレフタレート単位、ブチレン
テレフタレート単位を80モル%以上、とくに90モル
%以上含有するポリエステルが好ましく使用される。
ポリエステルであれば差し支えないが、中でも汎用ポリ
エステルであるエチレンテレフタレート単位、ブチレン
テレフタレート単位を80モル%以上、とくに90モル
%以上含有するポリエステルが好ましく使用される。
【0023】B成分において重要なことは、平均粒子径
0.03〜2μの微粒子を2〜15重量%含有している
ことである。驚くべきことにこの成分に微粒子を高添加
することにより、織編物の良好な反撥感が得られる。こ
の理由は現時点で明確でないが、微粒子の高添加による
曲げモーメントの向上が一つの要因と推定される。
0.03〜2μの微粒子を2〜15重量%含有している
ことである。驚くべきことにこの成分に微粒子を高添加
することにより、織編物の良好な反撥感が得られる。こ
の理由は現時点で明確でないが、微粒子の高添加による
曲げモーメントの向上が一つの要因と推定される。
【0024】微粒子の平均粒子径は凝集、毛羽、断糸の
発生を考慮すると下限値として0.05、上限値として
1.8μmが好ましい。微粒子の含有量は良好な反撥感
を得ようとすると下限値として3重量%が好ましく、上
限値としては15重量%が好ましい。より好ましくは繊
維化工程性を考慮して下限値5重量%であり、上限値1
2重量%である。
発生を考慮すると下限値として0.05、上限値として
1.8μmが好ましい。微粒子の含有量は良好な反撥感
を得ようとすると下限値として3重量%が好ましく、上
限値としては15重量%が好ましい。より好ましくは繊
維化工程性を考慮して下限値5重量%であり、上限値1
2重量%である。
【0025】このB成分に含有する微粒子は反撥感付与
が目的であるため、光透過性に劣る隠蔽性の高い微粒子
も適用できる。微粒子の種類としては、酸化チタン、硫
酸バリウム、酸化亜鉛、シリカ、酸化セリウム、炭酸カ
ルシウム等を挙げることができるが、反撥感向上効果及
び得られた複合繊維の白度を考慮すると、酸化チタン、
硫酸バリウム、酸化亜鉛の使用が好ましい。これらの微
粒子は、少なくとも一種以上含有することが好ましい。
が目的であるため、光透過性に劣る隠蔽性の高い微粒子
も適用できる。微粒子の種類としては、酸化チタン、硫
酸バリウム、酸化亜鉛、シリカ、酸化セリウム、炭酸カ
ルシウム等を挙げることができるが、反撥感向上効果及
び得られた複合繊維の白度を考慮すると、酸化チタン、
硫酸バリウム、酸化亜鉛の使用が好ましい。これらの微
粒子は、少なくとも一種以上含有することが好ましい。
【0026】B成分への該微粒子の添加時期は、ポリエ
ステル系ポリマーを使用する場合には、重合段階におけ
るエステル交換反応前のジオール成分のスラリーに添加
する方法、二軸混練機によるマスターチップ作成時に添
加する方法などがあるが、紡糸時に添加させることもで
きる。
ステル系ポリマーを使用する場合には、重合段階におけ
るエステル交換反応前のジオール成分のスラリーに添加
する方法、二軸混練機によるマスターチップ作成時に添
加する方法などがあるが、紡糸時に添加させることもで
きる。
【0027】次に本発明の重要な要件である中空部につ
いて説明する。本発明の複合繊維には、中空率1〜25
%の中空部が存在することが重要である。より好ましく
は3〜20%である。1%未満では軽量性及び透け防止
効果が小さく、中空率が25%を超えると、A成分とB
成分による複合繊維であることにも起因して、中空部の
破断がおこりやすく、また各単糸間のA成分、B成分の
複合比率保持が難しくなり、繊維化工程性も悪化するこ
ととなる。かかる観点から、好ましい下限値は3%であ
り、好ましい上限値は20%である。
いて説明する。本発明の複合繊維には、中空率1〜25
%の中空部が存在することが重要である。より好ましく
は3〜20%である。1%未満では軽量性及び透け防止
効果が小さく、中空率が25%を超えると、A成分とB
成分による複合繊維であることにも起因して、中空部の
破断がおこりやすく、また各単糸間のA成分、B成分の
複合比率保持が難しくなり、繊維化工程性も悪化するこ
ととなる。かかる観点から、好ましい下限値は3%であ
り、好ましい上限値は20%である。
【0028】本発明においては、この中空部の存在によ
り、布帛にした場合のA成分とB成分の微粒子の高添加
による重量感の増大を軽減することが可能であり、又B
成分の微粒子添加との相乗効果により、優れた反撥感、
ハリコシ感と透け防止性を得ることができる。
り、布帛にした場合のA成分とB成分の微粒子の高添加
による重量感の増大を軽減することが可能であり、又B
成分の微粒子添加との相乗効果により、優れた反撥感、
ハリコシ感と透け防止性を得ることができる。
【0029】本発明の複合繊維において、A成分ポリマ
ーとB成分ポリマーの複合比率は、A:Bが80:20
〜20:80(重量比)であることが好ましく、特に7
0:30〜30:70(重量比)にすることが好まし
く、各々の複合形態や繊維形状に応じて、両者の複合割
合を調節するとよい。A成分ポリマー量が多くなると、
染色物の発色性は良好となるが、繊維強度が不十分であ
り、一方、B成分ポリマー量が多くなると繊維強度は十
分であるが、染色物の発色性が不良となり好ましくな
い。
ーとB成分ポリマーの複合比率は、A:Bが80:20
〜20:80(重量比)であることが好ましく、特に7
0:30〜30:70(重量比)にすることが好まし
く、各々の複合形態や繊維形状に応じて、両者の複合割
合を調節するとよい。A成分ポリマー量が多くなると、
染色物の発色性は良好となるが、繊維強度が不十分であ
り、一方、B成分ポリマー量が多くなると繊維強度は十
分であるが、染色物の発色性が不良となり好ましくな
い。
【0030】たとえば、A成分ポリマーとB成分ポリマ
ーとの比が50:50前後の場合、鞘成分であるA成分
ポリマーのみがカチオン染料により染色され、芯成分で
あるB成分ポリマーが染色されていない繊維の場合で
も、A成分ポリマー単独繊維のカチオン染料による染色
物に比較しても遜色のない鮮やかな発色性を有している
のである。
ーとの比が50:50前後の場合、鞘成分であるA成分
ポリマーのみがカチオン染料により染色され、芯成分で
あるB成分ポリマーが染色されていない繊維の場合で
も、A成分ポリマー単独繊維のカチオン染料による染色
物に比較しても遜色のない鮮やかな発色性を有している
のである。
【0031】本発明の複合繊維の断面において、A成分
ポリマーが繊維表面全体を覆う必要はないが、鮮やかな
発色性を発現させるために、繊維表面の80%以上がA
成分ポリマーであることが重要であり、90%以上であ
ることがより好ましい。特に、芯鞘型複合中空構造が鮮
やかな発色性、繊維強度等の点で好ましい。
ポリマーが繊維表面全体を覆う必要はないが、鮮やかな
発色性を発現させるために、繊維表面の80%以上がA
成分ポリマーであることが重要であり、90%以上であ
ることがより好ましい。特に、芯鞘型複合中空構造が鮮
やかな発色性、繊維強度等の点で好ましい。
【0032】反撥性の向上効果を発揮させるB成分に
は、上述したように隠蔽性の高い微粒子も含有すること
ができ、更には中空部も存在するため、その場合の問題
点として染色後の布帛の発色性低下を招き、特に濃色品
が得られ難いが、A成分が繊維断面の全周長の80%以
上占有すれば発色性の低下を防ぐことが可能である。
は、上述したように隠蔽性の高い微粒子も含有すること
ができ、更には中空部も存在するため、その場合の問題
点として染色後の布帛の発色性低下を招き、特に濃色品
が得られ難いが、A成分が繊維断面の全周長の80%以
上占有すれば発色性の低下を防ぐことが可能である。
【0033】本発明の複合繊維の断面形状は、中空丸断
面、三角、偏平等の中空異形断面等のいかなる断面形状
も適用可能である。本発明に係わる複合繊維には上述の
微粒子の他に、繊維に通常添加させる酸化防止剤、安定
剤、紫外線吸収剤などを添加することもできる。
面、三角、偏平等の中空異形断面等のいかなる断面形状
も適用可能である。本発明に係わる複合繊維には上述の
微粒子の他に、繊維に通常添加させる酸化防止剤、安定
剤、紫外線吸収剤などを添加することもできる。
【0034】上記した複合繊維においては、繊維の太さ
は特に限定されず、任意の太さにすることができるが、
発色性、光沢感、風合に優れた繊維を得るためには複合
繊維の単繊維繊度を0.3〜10デニール程度にしてお
くのが好ましい。また、長繊維のみならず短繊維でも本
発明の効果が期待できる。
は特に限定されず、任意の太さにすることができるが、
発色性、光沢感、風合に優れた繊維を得るためには複合
繊維の単繊維繊度を0.3〜10デニール程度にしてお
くのが好ましい。また、長繊維のみならず短繊維でも本
発明の効果が期待できる。
【0035】また、本発明の複合繊維は従来公知の紡糸
口金を用いて複合紡糸することができ、低速、中速で溶
融紡糸した後に延伸する方法、高速による直接紡糸延伸
法、紡糸後に延伸と仮撚を同時にまたは続いて行う方法
などの任意の製糸法で製造することができる。
口金を用いて複合紡糸することができ、低速、中速で溶
融紡糸した後に延伸する方法、高速による直接紡糸延伸
法、紡糸後に延伸と仮撚を同時にまたは続いて行う方法
などの任意の製糸法で製造することができる。
【0036】本発明における個々の要件は独立した要件
ではなく、いずれもが密接に関係したものであり、これ
らの要件を満足することによってはじめて布帛にした場
合の繊細さ、ハリコシ感、反撥感、ドライ感を有し、か
つ発色性に優れた織編物を得ることができるのである。
本発明の複合繊維を用いて織編物を製造する場合、該複
合繊維100%で構成する必要はなく、他の合成繊維、
天然繊維を併用してもよい。ただし、本発明の効果を十
分に発揮させるためには、織編物中の30重量%以上が
本発明の複合繊維であることが好ましい。
ではなく、いずれもが密接に関係したものであり、これ
らの要件を満足することによってはじめて布帛にした場
合の繊細さ、ハリコシ感、反撥感、ドライ感を有し、か
つ発色性に優れた織編物を得ることができるのである。
本発明の複合繊維を用いて織編物を製造する場合、該複
合繊維100%で構成する必要はなく、他の合成繊維、
天然繊維を併用してもよい。ただし、本発明の効果を十
分に発揮させるためには、織編物中の30重量%以上が
本発明の複合繊維であることが好ましい。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお、実施例中の測定値は以下の方法により測定・
算出された値である。 (1)ポリエステルの極限粘度(dl/g) フェノール/テトラクロロエタン等重量混合溶媒を使用
して30℃で測定。 (2)繊維構造物の風合評価 ハリ、コシ、反撥感 ◎;天然繊維に似たハリ、コシ感を有し、かつ反撥感が
ある。 ○;天然繊維に似たハリ、コシ感を有する。 △;ハリ、コシ感、反撥感が今一歩である。 ×;ハリ、コシ感、反撥感が全くない。 ドライ感、ふくらみ感、軽量感 10人のパネラーで風合判定実施した。 ◎;9名以上が良好なドライ感、ふくらみ感、軽量感を
有すると判定。 ○;7名以上が 〃 △;5名以上がドライ感、ふくらみ感、軽量感に劣ると
判定。 ×;8名以上がドライ感、ふくらみ感、軽量感に劣り粗
硬であると判定。 (3)発色性評価 濃色度 下記の表1に示す染色条件で布帛を染色し、その後常法
により乾燥仕上げセットした。サンプル布を自動記録式
分光光度計(日立製作所製)で測定しL*を求めた。
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお、実施例中の測定値は以下の方法により測定・
算出された値である。 (1)ポリエステルの極限粘度(dl/g) フェノール/テトラクロロエタン等重量混合溶媒を使用
して30℃で測定。 (2)繊維構造物の風合評価 ハリ、コシ、反撥感 ◎;天然繊維に似たハリ、コシ感を有し、かつ反撥感が
ある。 ○;天然繊維に似たハリ、コシ感を有する。 △;ハリ、コシ感、反撥感が今一歩である。 ×;ハリ、コシ感、反撥感が全くない。 ドライ感、ふくらみ感、軽量感 10人のパネラーで風合判定実施した。 ◎;9名以上が良好なドライ感、ふくらみ感、軽量感を
有すると判定。 ○;7名以上が 〃 △;5名以上がドライ感、ふくらみ感、軽量感に劣ると
判定。 ×;8名以上がドライ感、ふくらみ感、軽量感に劣り粗
硬であると判定。 (3)発色性評価 濃色度 下記の表1に示す染色条件で布帛を染色し、その後常法
により乾燥仕上げセットした。サンプル布を自動記録式
分光光度計(日立製作所製)で測定しL*を求めた。
【表1】 発色性、鮮明性 染色した布帛を10人のパネラーにより官能評価した。
その結果を非常に優れるを2点、優れるを1点、劣るを
0点とした。 ○;合計点が15点以上 △; 〃 が8〜14点 ×; 〃 が7点以下 (4)透け防止性評価 上記の日立製作所製、分光光度計U-3400を用い、サンプ
ル布について黒色板上及び白色板上での夫々のL*を測
定し、下記式によって不透明度を求め、下記の評価基準
で評価を行った。 不透明度(%)=(YBk/YWh)×100 YBk;黒色板(L*値=5.4)を下敷にした時のL*値 YWh/;白色板(L*値=100)を下敷にした時のL*値 <評価基準> ◎;不透明度が95%以上 ○; 〃 が95〜90% △; 〃 が90〜80% ×; 〃 が80%以下
その結果を非常に優れるを2点、優れるを1点、劣るを
0点とした。 ○;合計点が15点以上 △; 〃 が8〜14点 ×; 〃 が7点以下 (4)透け防止性評価 上記の日立製作所製、分光光度計U-3400を用い、サンプ
ル布について黒色板上及び白色板上での夫々のL*を測
定し、下記式によって不透明度を求め、下記の評価基準
で評価を行った。 不透明度(%)=(YBk/YWh)×100 YBk;黒色板(L*値=5.4)を下敷にした時のL*値 YWh/;白色板(L*値=100)を下敷にした時のL*値 <評価基準> ◎;不透明度が95%以上 ○; 〃 が95〜90% △; 〃 が90〜80% ×; 〃 が80%以下
【0038】実施例1 微粒子として硫酸バリウム(同和工業社製、平均粒子径
0.50μm)を5重量%添加し5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸を全酸成分に対して2.5モル%共重合させた
ポリエチレンテレフタレートを常法により重合し、極限
粘度〔η〕=0.62のA成分ポリマーを得た。B成分ポリ
マーとして、酸化チタン(チタン工業社製、平均粒子径
0.20μm)を10重量%添加したポリエチレンテレフタ
レート(極限粘度0.68)を用い、A成分ポリマーが鞘、
B成分ポリマーが芯になるように別々の押出機で溶融押
出し、A:B=50:50の重量比で24ホールの中空
ノズルより、紡糸温度295℃で吐出し、捲取速度10
00m/分で巻きとった。ついで得られた繊維を80℃
のホットローラー、130℃のホットプレートで倍率
3.2倍の条件で延伸を施し、中空率12%、図1に示
す芯鞘中空断面75デニール/24フィラメントの中空
芯鞘複合フィラメントを得た(表2参照)。この際、繊維
化工程性は良好で問題はなかった。次に、この複合繊維
を用いて製編し、精練、熱セット、染色、仕上げ加工を
行った。評価結果を表3に示す。
0.50μm)を5重量%添加し5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸を全酸成分に対して2.5モル%共重合させた
ポリエチレンテレフタレートを常法により重合し、極限
粘度〔η〕=0.62のA成分ポリマーを得た。B成分ポリ
マーとして、酸化チタン(チタン工業社製、平均粒子径
0.20μm)を10重量%添加したポリエチレンテレフタ
レート(極限粘度0.68)を用い、A成分ポリマーが鞘、
B成分ポリマーが芯になるように別々の押出機で溶融押
出し、A:B=50:50の重量比で24ホールの中空
ノズルより、紡糸温度295℃で吐出し、捲取速度10
00m/分で巻きとった。ついで得られた繊維を80℃
のホットローラー、130℃のホットプレートで倍率
3.2倍の条件で延伸を施し、中空率12%、図1に示
す芯鞘中空断面75デニール/24フィラメントの中空
芯鞘複合フィラメントを得た(表2参照)。この際、繊維
化工程性は良好で問題はなかった。次に、この複合繊維
を用いて製編し、精練、熱セット、染色、仕上げ加工を
行った。評価結果を表3に示す。
【0039】
【表2】
【表3】
【0040】染色された編物は良好な発色性を有し、反
撥感、ハリコシ感、軽量感に優れたものであった。
撥感、ハリコシ感、軽量感に優れたものであった。
【0041】実施例2 A成分の微粒子を硫酸バリウムに代えてシリカ(日産化
学社製、平均粒子径0.2μm)にしたこと以外は実施
例1と同様に繊維化、製編、染色、仕上げ処理、評価を
行った(表2、表3参照)。
学社製、平均粒子径0.2μm)にしたこと以外は実施
例1と同様に繊維化、製編、染色、仕上げ処理、評価を
行った(表2、表3参照)。
【0042】実施例3 B成分の酸化チタン添加量を10重量%としたこと以外
は実施例1と同様に繊維化、製編、染色、仕上げ処理、
評価を行った(表2、表3参照)。
は実施例1と同様に繊維化、製編、染色、仕上げ処理、
評価を行った(表2、表3参照)。
【0043】実施例4 A成分の共重合成分として5ナトリウムスルホイソフタ
ル酸を1.7mol%、アジピン酸を4mol%共重合
したこと以外は実施例1と同様に繊維化、製編、染色、
仕上げ処理、評価を行った(表2、表3参照)。
ル酸を1.7mol%、アジピン酸を4mol%共重合
したこと以外は実施例1と同様に繊維化、製編、染色、
仕上げ処理、評価を行った(表2、表3参照)。
【0044】実施例5 A成分として5ナトリウムスルホイソフタル酸を1.7
mol%共重合したポリブチレンテレフタレートとし、
B成分の酸化チタン添加量を7重量%としたこと以外は
実施例1と同様に繊維化、製編、染色、仕上げ処理、評
価を行った(表2、表3参照)。
mol%共重合したポリブチレンテレフタレートとし、
B成分の酸化チタン添加量を7重量%としたこと以外は
実施例1と同様に繊維化、製編、染色、仕上げ処理、評
価を行った(表2、表3参照)。
【0045】実施例6 A成分に添加する微粒子を硫酸バリウムに代えてシリカ
10重量%としたこと以外は実施例1と同様に繊維化、
製編、染色、仕上げ処理、評価を行った(表2、表3参
照)。
10重量%としたこと以外は実施例1と同様に繊維化、
製編、染色、仕上げ処理、評価を行った(表2、表3参
照)。
【0046】実施例7 B成分をナイロン6(宇部興産(株)1013BK)とし微粒
子を酸化アルミニウム(住友化学社製0.8μm)とし
たこと以外は実施例1と同様に繊維化、製編、染色、仕
上げ処理、評価を行った(表2、表3参照)。
子を酸化アルミニウム(住友化学社製0.8μm)とし
たこと以外は実施例1と同様に繊維化、製編、染色、仕
上げ処理、評価を行った(表2、表3参照)。
【0047】実施例8 A成分の共重合成分として、5-テトラブチルオニウムス
ルホイソフタル酸を2.5モル%共重合させ、繊維の断面
形状を三角形状の異形芯鞘中空とすること以外は、実施
例1と同様にして繊維化、製編、染色、仕上げ処理、評
価を行った(表2、表3参照)。
ルホイソフタル酸を2.5モル%共重合させ、繊維の断面
形状を三角形状の異形芯鞘中空とすること以外は、実施
例1と同様にして繊維化、製編、染色、仕上げ処理、評
価を行った(表2、表3参照)。
【0048】実施例2〜8のいずれにおいても繊維化工
程性は良好であり、仕上げ品は軽量感、反撥感、発色性
に優れたものであった。
程性は良好であり、仕上げ品は軽量感、反撥感、発色性
に優れたものであった。
【0049】比較例1 A成分として5ナトリウムスルホイソフタル酸を0.5
mol%共重合したポリエステルとしたこと以外は実施
例1と同様に繊維化、製編、染色、仕上げ処理、評価を
行った(表2)ところ、軽量感、反撥感には優れていた
が、発色(濃色)性に劣るものであった(表3)。
mol%共重合したポリエステルとしたこと以外は実施
例1と同様に繊維化、製編、染色、仕上げ処理、評価を
行った(表2)ところ、軽量感、反撥感には優れていた
が、発色(濃色)性に劣るものであった(表3)。
【0050】比較例2 断面形状をA成分とB成分とのサイドバイサイド型と
し、A成分が繊維断面の全周長の51%とすること以外
は実施例1と同様に繊維化、製編、染色、仕上げ処理、
評価を行った(表2)ところ、軽量感、反撥感には優れて
いたが、発色(濃色)性に劣るものであった。
し、A成分が繊維断面の全周長の51%とすること以外
は実施例1と同様に繊維化、製編、染色、仕上げ処理、
評価を行った(表2)ところ、軽量感、反撥感には優れて
いたが、発色(濃色)性に劣るものであった。
【0051】比較例3 A成分に添加する微粒子をシリカ12重量%としたこと
以外は実施例1と同様に繊維化を行った(表2)が、集中
フィルター詰まりが短時間に生じ、断糸率は40%で繊
維化工程性に劣り、評価に供する繊維が得られなかっ
た。
以外は実施例1と同様に繊維化を行った(表2)が、集中
フィルター詰まりが短時間に生じ、断糸率は40%で繊
維化工程性に劣り、評価に供する繊維が得られなかっ
た。
【0052】比較例4 B成分の酸化チタン添加量を16重量%としたこと以外
は実施例1と同様に繊維化を行った(表2)が、集中フィ
ルター詰まりが短時間に生じ、断糸率は40%で繊維化
工程性に劣り、評価に供する繊維が得られなかった。
は実施例1と同様に繊維化を行った(表2)が、集中フィ
ルター詰まりが短時間に生じ、断糸率は40%で繊維化
工程性に劣り、評価に供する繊維が得られなかった。
【0053】比較例5 実施例1で使用したA成分を、A成分用およびB成分用
の両方の押出機に供給し、実施例1と同様にして繊維化
を行い、A成分のみからなる中空繊維を製造し、実施例
1と同様にして製編、精練、熱セット、染色、仕上げ加
工を行った(表2参照)。得られた繊維は、繊維化工程
製、軽量感、発色性はまずまずであったが、ハリコシ感
および透け防止性の低い繊維であった(表3参照)。
の両方の押出機に供給し、実施例1と同様にして繊維化
を行い、A成分のみからなる中空繊維を製造し、実施例
1と同様にして製編、精練、熱セット、染色、仕上げ加
工を行った(表2参照)。得られた繊維は、繊維化工程
製、軽量感、発色性はまずまずであったが、ハリコシ感
および透け防止性の低い繊維であった(表3参照)。
【0054】比較例6 実施例1で使用したB成分を、A成分用およびB成分用
の両方の押出機に供給し、実施例1と同様にして繊維化
を行い、B成分のみからなる中空繊維を製造し、実施例
1と同様にして製編、精練、熱セット、染色、仕上げ加
工を行った(表2参照)。得られた繊維は、繊維化工程
製、ハリコシ感および透け防止性は良好であったが、ド
ライ感、発色性の悪い繊維であった(表3参照)。
の両方の押出機に供給し、実施例1と同様にして繊維化
を行い、B成分のみからなる中空繊維を製造し、実施例
1と同様にして製編、精練、熱セット、染色、仕上げ加
工を行った(表2参照)。得られた繊維は、繊維化工程
製、ハリコシ感および透け防止性は良好であったが、ド
ライ感、発色性の悪い繊維であった(表3参照)。
【0055】比較例7 実施例1と同じA成分およびB成分を使用して中空芯鞘
複合繊維を製造するにあたり、中空率が27%になるよう
に調整して繊維化を行ったが(表2)、中空部がパンクし
たり断糸が頻発して繊維化工程性が不良であり、評価に
供するための繊維が得られなかった。
複合繊維を製造するにあたり、中空率が27%になるよう
に調整して繊維化を行ったが(表2)、中空部がパンクし
たり断糸が頻発して繊維化工程性が不良であり、評価に
供するための繊維が得られなかった。
【図1】本発明の中空複合繊維の一例を示す繊維断面
図。
図。
フロントページの続き (72)発明者 井上 一郎 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 末吉 正一 大阪府大阪市北区梅田1丁目12番39号 株 式会社クラレ内
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリエステルを構成する全酸成分中に下
記(I)式で示される共重合単位が0.6〜3.5モル
%含まれ、かつ平均粒子径0.03〜2μmの微粒子を
0.5〜10重量%含有している共重合ポリエステル
(A成分)と、平均粒子径0.03〜2μmの微粒子を
2〜15重量%含有している融点150℃以上の結晶性
熱可塑性ポリマー(B成分)とから成る複合繊維であっ
て、A成分は繊維断面の全周長の80%以上を占有し、
該複合繊維には中空率1〜25%の中空部が存在するこ
とを特徴とする反撥性、軽量性および発色性に優れた中
空複合繊維。 【化1】 - 【請求項2】 微粒子がシリカ、酸化チタン、硫酸バリ
ウムからなる群より選ばれた一種以上の微粒子である請
求項1に記載の中空複合繊維。 - 【請求項3】 B成分がポリエチレンテレフタレート又
はポリブチレンテレフタレートを主成分とするポリエス
テルである請求項1又は2に記載の中空複合繊維。 - 【請求項4】 B成分がナイロン6、ナイロン66又は
ナイロン12を主成分とするポリアミドである請求項1
又は2に記載の中空複合繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11617498A JPH11293524A (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 特殊複合繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11617498A JPH11293524A (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 特殊複合繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11293524A true JPH11293524A (ja) | 1999-10-26 |
Family
ID=14680635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11617498A Pending JPH11293524A (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 特殊複合繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11293524A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100580316B1 (ko) * | 1999-12-27 | 2006-05-15 | 주식회사 코오롱 | 다기능성 중공복합섬유 |
JP2014189905A (ja) * | 2013-03-26 | 2014-10-06 | Kuraray Co Ltd | 防透性に優れたポリエステル系芯鞘型複合繊維及びその製造方法 |
-
1998
- 1998-04-09 JP JP11617498A patent/JPH11293524A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100580316B1 (ko) * | 1999-12-27 | 2006-05-15 | 주식회사 코오롱 | 다기능성 중공복합섬유 |
JP2014189905A (ja) * | 2013-03-26 | 2014-10-06 | Kuraray Co Ltd | 防透性に優れたポリエステル系芯鞘型複合繊維及びその製造方法 |
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