JP3727419B2 - 吸湿性ポリエステル繊維とその製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インナー、中衣、スポーツ衣料などの衣料用素材に特に好適に使用することのできる吸湿性に優れたポリエステル繊維とその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエステルは、優れた機械的特性及び化学的特性を有し、広範な分野において使用され、特に合成繊維として極めて広い用途を有している。
しかしながら、このようなポリエステルからなる繊維は、疎水性であるため、天然繊維と比較して吸湿性が著しく劣り、吸湿性が要求される分野での利用が大きく制限されている。
【0003】
従来、ポリエステル繊維に親水性又は吸湿性を付与しようとする試みが種々なされてきたが、大部分は繊維形状の工夫や後加工によるものである。例えば、特公昭61− 60188号公報では、アルキルスルホン酸塩を含有したポリエステルを用いて中空糸を作製し、これをアルカリ減量することにより、微細孔が均一に分散しており、しかも微細孔の一部が表面から中空部への貫通孔となっている繊維が開示されている。この繊維は、毛細管現象により、ある程度の吸水性は有するものの、ポリマー自身が疎水性であるため、吸湿性には限度がある。
【0004】
一方、ポリアルキレングリコール又はポリアルキレングリコールとスルホン酸金属塩誘導体などの親水化剤を重合時あるいは紡糸時に配合したポリエステル繊維が提案されている。しかし、これらの親水化剤、特にポリアルキレングリコールは、エーテル結合を有するために、耐光性が非常に悪く、用途によっては使用できないという問題があった。
【0005】
これを解決するために、これら親水化剤を含むポリマーを芯成分とした複合繊維が提案されている。親水化剤を含むポリマーを芯成分とすることにより、耐光性という点ではある程度の効果は認められる。しかし、風合いを向上させるために一般的に行われているアルカリ減量加工を施すと、ポリアルキレングリコールが吸水、アルカリ分解することにより芯部が膨張するために、鞘部に歪みがかかって繊維表面にひびや割れが生じ、アルカリ溶解性の高い芯部の吸湿成分が溶出してしまうという問題があった。
【0006】
この鞘割れを防止するために、芯鞘構造の内部に中空部を設けるたもの(特開平4−108113号)とか、吸湿成分をポリアルキレンテレフタレートで挟んだ3層構造としたもの(特開平7−278960号)などが提案されているが、これらも過酷な加工条件では鞘割れが発生し、一部芯部が溶出した中空糸となるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、製糸性良く製造することができ、アルカリ減量加工による鞘割れの問題がなく、かつ、優れた吸湿性(及び耐光性)を有するポリエステル繊維とその製造法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するもので、その要旨は、次の通りである。
(1) 吸湿性を有する熱可塑性樹脂からなる芯層、アルカリ易溶性樹脂からなる鞘層及び芯層と鞘層との中間に配された鞘層よりもアルカリ難溶性のポリエステル樹脂からなる中間層の3層構造を有し、芯層の熱可塑性樹脂が、平均分子量 2000 20000 のポリアルキレングリコールを 10 50 重量%含有するポリアルキレンテレフタレートであることを特徴とする吸湿性ポリエステル繊維。
(2) 上記のポリエステル繊維又はこれを製編織した布帛状の繊維をアルカリ減量処理し、鞘層を溶出除去することを特徴とする吸湿性ポリエステル繊維の製造法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】
本発明において、芯層を構成する吸湿性を有する熱可塑性樹脂としては、平均分子量 2000 20000 のポリアルキレングリコールを 10 50 重量%、好ましくは 15 35 重量%含有させたポリアルキレンテレフタレートが、極めて高い吸湿性を示し、加えて紡糸、延伸性が良好であり、コスト的にも有利であるため、好ましく用いられる。 ( なお、「ポリアルキレングリコール」には、末端をエーテル化したものやエステル化したものも含まれる。 )
【0011】
ポリアルキレングリコールの分子量があまり小さいと十分な吸湿性が発現せず、逆に大きすぎると紡糸時の操業性が著しく低下するため好ましくない。また、ポリアルキレングリコールの含有量が少ないと十分な吸湿性が発現せず、逆に多すぎると操業性が著しく低下するため好ましくない。加えて、5−ナトリウムスルホイソフタル酸のようなスルホン酸塩基を有する化合物を共重合すると吸湿性の一層良好なものとすることができる。この場合、この共重合成分の量は、全酸成分の 10 モル%以下とすることが望ましく、この共重合成分の量があまり多いと、製糸性が低下するため、好ましくない。
【0012】
本発明において、中間層を形成するポリエステルとしては、ポリアルキレンテレフタレート、具体的には、ポリエチレンテレフタレート (PET) 、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。ポリアルキレンテレフタレートは、アルカリ溶解性があまり大きくならない範囲で、少量の共重合成分を含有していてもよく、共重合成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸成分、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸成分、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、 1,4−シクロヘキサンジメタノール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAやビスフェノールSのアルキレンオキシド付加物などのジオール成分、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸成分が挙げられる。
【0013】
また、鞘層は、アルカリ減量処理によって溶出除去されるものであり、鞘層を構成するアルカリ易溶性樹脂は、中間層のポリエステルよりもアルカリに対する溶解速度が2倍以上大きいものが好ましい。このようなアルカリ易溶性樹脂の具体例としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸のようなスルホン酸金属塩を 2.5モル%以上共重合した共重合PETや、スルホン酸金属塩とポリアルキレングリコールとを共重合した共重合PETなどが挙げられる。
【0014】
本発明において、芯層と中間層との割合は、体積比で15/85〜85/15の範囲にすることが望ましい。芯層の比率がこれよりも小さいと吸湿性に劣り、一方、鞘の比率がこれよりも小さいとアルカリ減量処理時に中間層に割れが生じ、好ましくない。
【0015】
一方、鞘層の割合は、体積比率で繊維全体の25〜10%の範囲にすることが望ましい。鞘層は、アルカリ減量処理によって溶出除去するものであるから、この比率をあまり大きくするとコストが高くなるばかりでなく、中間層が割れて芯層が溶出するため、好ましくない。一方、アルカリ減量処理は、布帛の風合いを向上させるもので、一般に20重量%程度の減量が有効であり、鞘層の比率があまり小さいと中間層及び芯層に影響を与えることなしにアルカリ減量処理を行うことができない。
【0016】
本発明において、中間層及び/又は芯層に酸化セリウムとタルクあるいは酸化セリウムとシリカとからなり、表面が不定形シリカで被覆された粒子(耐光剤粒子)を含有させると耐光性を向上させることができて好ましい。このような耐光剤粒子としては、平均粒子径が 0.1〜3.0 μmのものが好ましく、日本無機化学工業社から「セリガード」の商品名で市販されているものを使用することができる。
【0017】
耐光剤粒子の添加量は、芯層あるいは中間層の樹脂に対し0.05〜5重量%とするのが適当である。この添加量が0.05重量%未満であると優れた耐光性が得られず、5重量%を超えると粒子が凝集しやすくなって紡糸操業性を悪化させるばかりか、繊維の色調を悪化させる。
【0018】
繊維の複合形態は、アルカリ減量処理によって中間層にひびや割れが生じなければ、同心型、偏心型のいずれでもよく、多芯型でもよい。また、繊維の断面形状は、円形の他、三角、偏平、多葉型などの異形断面でもよい。さらに芯層の内部に中空部を設けることも可能である。
【0019】
本発明においては、前記3種の樹脂を用いて、常法によって溶融紡糸、延伸、熱処理して3層構造の複合繊維を得る。
【0020】
得られた3層構造の複合繊維をアルカリ減量処理して鞘層を溶出除去すると、吸湿性の優れた2層構造の複合繊維となる。アルカリ減量処理は、繊維(原糸又は原綿)の状態で行うこともできるが、通常は、3層構造の複合繊維に必要に応じて仮撚加工や撚糸加工を施した後、これを全部又は一部に用いて製編織して布帛としてから行われ、これにより風合いの向上した吸湿性の優れた布帛が得られる。
【0021】
アルカリ減量処理は、ポリエステル繊維のアルカリ減量加工の常法に従って、水酸化ナトリウム水溶液を用いて行えばよい。
【0022】
図面は、本発明の3層構造の複合繊維〔各図の(イ)〕及びそれをアルカリ減量処理して得られる2層構造の複合繊維〔各図の(ロ)〕の横断面を模式的に示す図であり、図1は同心型、図2は偏心型、図3は多芯型の例を示す。図において、1はアルカリ易溶性樹脂(鞘層)、2はポリエステル樹脂(中間層)、3は吸湿性を有する熱可塑性樹脂(芯層)を示す。
【0023】
【作用】
本発明によれば、鞘層の減量速度が速いために、中間層及び芯層に影響を与えることなしにアルカリ減量処理を施すことができる。そして、アルカリ減量処理によって布帛の風合いが向上すると共に、繊維表面は比較的疎水性のポリエステルとなるため、高湿度の環境下においても繊維表面が常にサラッとし、べとつきによる不快感の少ないものとなり、着用快適性の良好な布帛が得られる。
また、芯層及び/又は中間層に耐光剤粒子を含有させれば、耐光性の優れた吸湿性ポリエステル繊維とすることができる。
【0024】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を具体的に説明する。
なお、実施例における特性値などの測定、評価法は次の通りである。
(a) 極限粘度(〔η〕)
フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒として、温度20℃で測定した。
(b) アルカリ溶解性
ポリマー5gを20重量%水酸化ナトリウム水溶液で70℃で2時間処理した際の重量変化より求めた減量率を指標とした。
(c) 強伸度
オリエンティック社製テンシロン UTM−4−100 型を用い、 試料長50cm、引張速度50cm/分で測定した。
(d) 吸湿性
織物を25℃、60%RHで調湿して重量W0 を測定する。次いで、この織物を2トルの減圧下、80℃で6時間乾燥し、34℃×90%RHに設定した恒温恒湿槽に6時間放置した後、重量W1 を測定する。
そして、次式で吸湿率を算出する。
吸湿率(%)=〔(W1−W0)/W0〕×100
(e) 耐光性
JIS L-0841-74 に準じて染色耐光堅牢度を測定した。
(f) 割れの評価
織物を分解して複合糸を取り出し、繊維断面を薄片状にサンプリングして顕微鏡により、単糸ごとに割れの有無を観察し、割れのある単糸の本数の割合により、次の基準で評価した。
○: 0%、 △:15%未満、 ×:15%以上
(g) 風合い
仕上げセット後の織物の官能試験により、次の3段階で評価した。
○:極めて良い、 △:良い、 ×:悪い
【0025】
なお、実施例及び比較例で使用した「セリガードT−3018」は、日本無機化学工業の商品名で、酸化セリウムとタルクとからなる粒子の表面を不定形シリカで被膜したもので、酸化セリウム:タルク:不定形シリカの重量比が30:52:18のものである。
【0026】
参考例1
ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びそのオリゴマーの存在するエステル化反応装置にテレフタル酸とエチレングリコールとのモル比1/1.6 のスラリーを連続的に供給し、常圧下、温度 250℃で、滞留時間を6時間としてエステル化反応を行い、平均重合度 7.5のエステル化生成物を連続的に得た。
このエステル化生成物36.3kgに平均分子量が8500のポリエチレングリコールを15.0kg添加し、30分間撹拌混合後、「セリガードT−3018」の10重量%エチレングリコール溶液 1.3kg、全酸成分1モルに対し4×10-4モルの三酸化アンチモン及び酢酸ナトリウムの5重量%エチレングリコール溶液 0.5kgを加え、次いで、全酸成分に対して 0.5モル%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸のエチレングリコールエステル(SIP)を加え、徐々に減圧にして、最終的に 0.5トル、温度 270℃で3時間重縮合を行った。
得られたポリエステル(ポリマーAとする)は、色調が良好で、〔η〕は0.83であった。
ポリマーAの特性値などを表1に示す。
【0027】
参考例2〜11
ポリエチレングリコールの分子量と添加量、SIPの添加量及び「セリガードT−3018」の添加量を表1に示した値に変えた以外は、参考例1と同様にしてポリエステル(ポリマーB〜Kとする)を得た。
ポリマーB〜Kの特性値などを表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0003727419
【0029】
実施例1
芯層に参考例1で得られたポリマーA、中間層に参考例2で得られたポリマーB、鞘層に参考例3で得られたポリマーCを用い、芯層/中間層/鞘層の複合比率(体積比)が65/15/20で、同心円型3層構造複合繊維用口金装置から吐出し、1400m/分の速度で未延伸糸を巻き取った。この未延伸糸を通常の延伸機に供給し、80℃で予熱した後、3.5 倍に延伸し、温度 150℃のヒートプレートに接触させながら熱処理して巻き取り、75d/36fの複合糸を得た。
さらに、この複合糸を経糸及び緯糸に用い、経糸密度 110本/2.54cm、緯糸密度78本/2.54cmで無撚の平織物を製織し、常法に従って、精練し、次いで 0.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液により、温度95℃、時間20分の条件でアルカリ減量処理を行い、鞘層を完全に除去した後、常法に従って、染色、仕上げセットを行った。
得られた織物の風合いは良好であり、吸湿率は 5.9%、染色耐光堅牢度5級と優れた特性を示した。また、この織物を分解して複合糸を取り出し、複合糸を構成する単糸36本すべての断面を観察したが、いずれの単糸も表層にひびや割れは発生していなかった。
複合糸の強伸度及び織物の評価結果を表2に示す。
【0030】
実施例2〜13、比較例1
ポリマー及び複合比率を表2に記載したように変更して複合糸を紡糸した以外は、実施例1と同様に実施した。
なお、実施例12〜13の芯層に用いた「アクアコーク」は、ポリエチレンオキシドの架橋物からなる吸水性樹脂の住友精化社の商品名であり、実施例13では、「アクアコーク」とナイロン6(N6)との等重量混合物を用いた。
複合糸の強伸度及び織物の評価結果を表2に示す。
【0031】
比較例2
ポリマー及び複合比率を表2に記載したように変更して実施例1と同様にして複合糸を紡糸したが、紡糸時に糸切れが多発して操業性が非常に悪かった。
【0032】
【表2】
Figure 0003727419
【0033】
比較例3
芯層に参考例1で得られたポリマーA、鞘層に参考例2で得られたポリマーBを用い、芯層/鞘層の複合比率(体積比)が50/50で同心円型芯鞘複合繊維用口金装置から吐出し、実施例1と同様にして75d/36fの芯鞘型(2層構造)複合糸を得た。
得られた複合糸を経糸及び緯糸として実施例1と同様にして製織し、常法に従って、精練し、次いで 0.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液により、温度95℃、時間20分の条件でアルカリ減量処理を行い、実施例1と同様にして染色、仕上げセットを行った。
得られた織物を分解して複合糸を取り出し、複合糸を構成する単糸36本すべての断面を観察したが、すべての単糸の表面層が割れて、芯層の吸湿成分が溶出し、一部中空になっていた。その結果、染色斑が認められ、使用に耐えないものであった。
複合糸の強伸度及び織物の評価結果を表3に示す。
【0034】
比較例4〜8
ポリマー及び複合比率を表3に記載したように変更して2層構造の複合糸を紡糸した以外は、比較例3と同様に実施した。
得られた織物を分解して複合糸を取り出し、複合糸を構成する単糸36本すべての断面を観察したが、すべての単糸の表面層が割れて、芯層の吸湿成分が溶出し、一部中空になっていた。その結果、染色斑が認められ、実用に供し得ないものであった。
複合糸の強伸度及び織物の評価結果を表3に示す。
【0035】
比較例9
比較例6で得られた複合糸を比較例6と同様の方法で精練し、アルカリ減量率が20%になるまで減量し、その後比較例6と同様に染色、仕上げセットを行った。
得られた織物を分解して複合糸を取り出し、複合糸を構成する単糸36本すべての断面を観察したが、すべての単糸の表面層が割れて、芯層の吸湿成分が溶出し、一部中空になっていた。その結果、染色斑が認められ、実用に供し得ないものであった。
得られた複合糸の強伸度及び織物の評価結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
Figure 0003727419
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、製糸性良く製造することができ、アルカリ減量加工による鞘割れの問題がなく、かつ、優れた吸湿性(及び耐光性)を有するポリエステル繊維とその製造法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の同心型3層構造の複合繊維(イ)及びそれをアルカリ減量処理して得られる2層構造の複合繊維(ロ)の横断面を模式的に示す図である。
【図2】本発明の偏心型3層構造の複合繊維(イ)及びそれをアルカリ減量処理して得られる2層構造の複合繊維(ロ)の横断面を模式的に示す図である。
【図3】本発明の多芯型3層構造の複合繊維(イ)及びそれをアルカリ減量処理して得られる2層構造の複合繊維(ロ)の横断面を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 アルカリ易溶性樹脂
2 ポリエステル樹脂
3 吸湿性を有する熱可塑性樹脂

Claims (3)

  1. 吸湿性を有する熱可塑性樹脂からなる芯層、アルカリ易溶性樹脂からなる鞘層及び芯層と鞘層との中間に配された鞘層よりもアルカリ難溶性のポリエステル樹脂からなる中間層の3層構造を有し、芯層の熱可塑性樹脂が、平均分子量 2000 20000 のポリアルキレングリコールを 10 50 重量%含有するポリアルキレンテレフタレートであることを特徴とする吸湿性ポリエステル繊維。
  2. 芯層及び/又は中間層の樹脂が、酸化セリウムとタルクあるいは酸化セリウムとシリカとからなり、かつ、表面が不定形シリカで被覆された粒子を0.05〜5重量%含有するものである請求項1記載の吸湿性ポリエステル繊維。
  3. 請求項1又は2記載のポリエステル繊維又はこれを製編織した布帛状の繊維をアルカリ減量処理し、鞘層を溶出除去することを特徴とする吸湿性ポリエステル繊維の製造法。
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