JPH1112311A - 水性樹脂分散体 - Google Patents
水性樹脂分散体Info
- Publication number
- JPH1112311A JPH1112311A JP9164714A JP16471497A JPH1112311A JP H1112311 A JPH1112311 A JP H1112311A JP 9164714 A JP9164714 A JP 9164714A JP 16471497 A JP16471497 A JP 16471497A JP H1112311 A JPH1112311 A JP H1112311A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin dispersion
- aqueous resin
- dimethylpolysiloxane
- water
- radically polymerizable
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】撥水性、耐水性、耐候性、耐汚染性、耐薬品性
等の良好な塗膜を提供すること。 【解決手段】ラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量
体と分子内にラジカル重合可能な不飽和2重結合を持つ
ジメチルポリシロキサンを乳化剤、重合開始剤、水を乳
化剤、重合開始剤、水を必須成分としてラジカル重合す
ることにより得られる撥水性の良好な水性樹脂分散体。
等の良好な塗膜を提供すること。 【解決手段】ラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量
体と分子内にラジカル重合可能な不飽和2重結合を持つ
ジメチルポリシロキサンを乳化剤、重合開始剤、水を乳
化剤、重合開始剤、水を必須成分としてラジカル重合す
ることにより得られる撥水性の良好な水性樹脂分散体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水性の良好な水
性樹脂分散体に関し、さらに詳しくは分子構造中にジメ
チルポリシロキサンをもつ分散樹脂の粒子径が極めて細
かく、塗料、合成樹脂、金属、ガラス、陶磁器、石膏、
紙、木材、皮革、さらには軽量コンクリ−ト、モルタ
ル、硅酸カルシュウム板、スレ−ト、または石膏ボ−ド
などの各種基材に塗布でき、撥水性、耐水性、耐候性、
耐汚染性、耐薬品性等の良好な塗膜を形成する水性樹脂
分散体に関するものである。
性樹脂分散体に関し、さらに詳しくは分子構造中にジメ
チルポリシロキサンをもつ分散樹脂の粒子径が極めて細
かく、塗料、合成樹脂、金属、ガラス、陶磁器、石膏、
紙、木材、皮革、さらには軽量コンクリ−ト、モルタ
ル、硅酸カルシュウム板、スレ−ト、または石膏ボ−ド
などの各種基材に塗布でき、撥水性、耐水性、耐候性、
耐汚染性、耐薬品性等の良好な塗膜を形成する水性樹脂
分散体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、資源等の有効利用の点から有機溶
剤型塗料から水性型塗料、特に水性エマルジョン型塗料
に代わりつつある。しかしながら、通常の水性エマルジ
ョン型塗料は、水中に分散した乳化重合型樹脂が乾燥に
際して融着して皮膜を形成するために有機溶剤型塗料に
比べ、塗膜の緻密性が悪く、塗料に要求される性能の中
で特に皮膜の耐水性が悪いという欠点を有していた。
剤型塗料から水性型塗料、特に水性エマルジョン型塗料
に代わりつつある。しかしながら、通常の水性エマルジ
ョン型塗料は、水中に分散した乳化重合型樹脂が乾燥に
際して融着して皮膜を形成するために有機溶剤型塗料に
比べ、塗膜の緻密性が悪く、塗料に要求される性能の中
で特に皮膜の耐水性が悪いという欠点を有していた。
【0003】この欠点を改良するために乳化重合系の樹
脂においてその粒子径を非常に細かくし皮膜の緻密性を
向上させる方法が知られているが、緻密な皮膜が得られ
てもシリコ−ン系のポリマ−のような耐水性、耐候性、
耐汚染性は得られない。
脂においてその粒子径を非常に細かくし皮膜の緻密性を
向上させる方法が知られているが、緻密な皮膜が得られ
てもシリコ−ン系のポリマ−のような耐水性、耐候性、
耐汚染性は得られない。
【0004】皮膜の耐水性、耐候性、撥水性を向上させ
る方法として構造中にラジカル重合可能な二重結合を持
つジメチルポリシロキサンを共重合させる手段が知られ
ている。しかし、乳化重合系で合成を行うことにより種
々の問題が生じる。例えばラジカル重合可能な不飽和2
重結合をもつジメチルポリシロキサンの分子量が100
0〜10000と大きいためにエチレン性不飽和単量体
との反応性に欠け乳化重合時に多量の凝集物を生じた
り、安定に水性樹脂分散体が得られにくいという欠点を
有している。
る方法として構造中にラジカル重合可能な二重結合を持
つジメチルポリシロキサンを共重合させる手段が知られ
ている。しかし、乳化重合系で合成を行うことにより種
々の問題が生じる。例えばラジカル重合可能な不飽和2
重結合をもつジメチルポリシロキサンの分子量が100
0〜10000と大きいためにエチレン性不飽和単量体
との反応性に欠け乳化重合時に多量の凝集物を生じた
り、安定に水性樹脂分散体が得られにくいという欠点を
有している。
【0005】さらに上に示した方法により得られた樹脂
分散体は粒子径の大きいエマルジョンであることが多
く、耐水性、耐候性、撥水性等の良好なジメチルポリシ
ロキサンで変性しても粒子径が大きいことによる塗膜欠
陥によりシリコ−ン変性による効果が得られない。
分散体は粒子径の大きいエマルジョンであることが多
く、耐水性、耐候性、撥水性等の良好なジメチルポリシ
ロキサンで変性しても粒子径が大きいことによる塗膜欠
陥によりシリコ−ン変性による効果が得られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは種々検討
の結果、ジメチルポリシロキサン変性の水性樹脂分散体
の製造時において、安定かつ得られる樹脂の粒子径が極
めて細かい耐水性の良好な水性樹脂分散体を提供するも
のである。
の結果、ジメチルポリシロキサン変性の水性樹脂分散体
の製造時において、安定かつ得られる樹脂の粒子径が極
めて細かい耐水性の良好な水性樹脂分散体を提供するも
のである。
【0007】
【0008】第一の発明は、ラジカル重合可能なエチレ
ン性不飽和単量体と分子内にラジカル重合可能な不飽和
2重結合をもつジメチルポリシロキサンを乳化剤、重合
開始剤、水を必須成分としてラジカル重合することによ
り得られる水性樹脂分散体である。
ン性不飽和単量体と分子内にラジカル重合可能な不飽和
2重結合をもつジメチルポリシロキサンを乳化剤、重合
開始剤、水を必須成分としてラジカル重合することによ
り得られる水性樹脂分散体である。
【0009】第二の発明は、水性樹脂分散体の平均粒子
径が100nm以下であることを特徴とする第一発明の
撥水性の良好な水性樹脂分散体である。
径が100nm以下であることを特徴とする第一発明の
撥水性の良好な水性樹脂分散体である。
【0010】第三の発明は、水への溶解性が0.3重量
%以下である油溶性重合開始剤を使用することを特徴と
する第一ないし第二発明の撥水性の良好な水性樹脂分散
体である。
%以下である油溶性重合開始剤を使用することを特徴と
する第一ないし第二発明の撥水性の良好な水性樹脂分散
体である。
【0011】第四の発明は、乳化剤として反応性乳化剤
を使用することを特徴とする第一ないし第三発明の撥水
性の良好な水性樹脂分散体である。
を使用することを特徴とする第一ないし第三発明の撥水
性の良好な水性樹脂分散体である。
【0012】第五の発明は、ラジカル重合可能なエチレ
ン性不飽和単量体としてカルボキシル基を有する単量体
を全単量体に対して0.5〜5重量%使用することを特
徴とする第一ないし第四発明の撥水性の良好な水性樹脂
分散体である。
ン性不飽和単量体としてカルボキシル基を有する単量体
を全単量体に対して0.5〜5重量%使用することを特
徴とする第一ないし第四発明の撥水性の良好な水性樹脂
分散体である。
【0013】第六の発明は、滴下モノマーの油滴径が
0.5μ以下であることを特徴とする第一ないし第五発
明の撥水性の良好な水性樹脂分散体である。
0.5μ以下であることを特徴とする第一ないし第五発
明の撥水性の良好な水性樹脂分散体である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に使用するエチレン性不飽
和単量体としては(メタ)アクリル酸のアルキルエステ
ルからなる単量体であり、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキ
シル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メ
タクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル等
の(メタ)アクリル酸エステル類や、スチレン、アルフ
ァメチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル等が使用することができる。
和単量体としては(メタ)アクリル酸のアルキルエステ
ルからなる単量体であり、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキ
シル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メ
タクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル等
の(メタ)アクリル酸エステル類や、スチレン、アルフ
ァメチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル等が使用することができる。
【0015】また、カルボキシル基を有する単量体とし
て、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、等が、製造時あるいは水性樹脂分散体
の保存時の安定性が向上するため併用することが好まし
い。この目的のためにカルボキシル基を有する単量体を
全単量体に対して0.5〜5重量部使用することが好ま
しい。0.5重量部以下では重合安定性、経時による粘
度安定性が悪く、また5重量部以上では得られた皮膜の
耐水性が悪くなる。
て、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、等が、製造時あるいは水性樹脂分散体
の保存時の安定性が向上するため併用することが好まし
い。この目的のためにカルボキシル基を有する単量体を
全単量体に対して0.5〜5重量部使用することが好ま
しい。0.5重量部以下では重合安定性、経時による粘
度安定性が悪く、また5重量部以上では得られた皮膜の
耐水性が悪くなる。
【0016】また、流動性、乾燥性の調整、樹脂保存時
の安定性の向上を主目的として、アクリルアミド、N−
メチロールアクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸ヒドロキシルプロピル、メタクリル酸ヒ
ドロキシエチル等が使用できる。さらに皮膜に架橋構造
を付与する目的で、エチレングリコールジメタクリジメ
タクリレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼ
ン、グリシジルメタクリレ−ト等も使用できる。これら
の目的のために、これらの1種または2種以上を混合し
て使用する。これらは全単量体に対して0.1〜10重
量部使用することが望ましく、より好ましくは、0.5
〜5重量部使用することである。0.1重量部以下では
得られた皮膜の耐水性が悪く、10重量部以上では皮膜
にワレ等が発生する。
の安定性の向上を主目的として、アクリルアミド、N−
メチロールアクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸ヒドロキシルプロピル、メタクリル酸ヒ
ドロキシエチル等が使用できる。さらに皮膜に架橋構造
を付与する目的で、エチレングリコールジメタクリジメ
タクリレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼ
ン、グリシジルメタクリレ−ト等も使用できる。これら
の目的のために、これらの1種または2種以上を混合し
て使用する。これらは全単量体に対して0.1〜10重
量部使用することが望ましく、より好ましくは、0.5
〜5重量部使用することである。0.1重量部以下では
得られた皮膜の耐水性が悪く、10重量部以上では皮膜
にワレ等が発生する。
【0017】本発明で使用するラジカル重合可能な不飽
和2重結合を持つジメチルポリシロキサンは分子内にラ
ジカル重合可能な不飽和2重結合を1個以上有するポリ
シロキサンであり、例えば下記一般式(1)、(2)で
表されるメタクリロキシ末端ジメチルポリシロキサン
(市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製X-22
-164B 、X-22-174DX、チッソ(株)製サイラプレ−ンFM
2231、FP2241、FM0711、FM0721、FM-0725 等)、一般式
(3)で表される側鎖にメタクリロキシ基を有するジメ
チルポリシロキサンがある。
和2重結合を持つジメチルポリシロキサンは分子内にラ
ジカル重合可能な不飽和2重結合を1個以上有するポリ
シロキサンであり、例えば下記一般式(1)、(2)で
表されるメタクリロキシ末端ジメチルポリシロキサン
(市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製X-22
-164B 、X-22-174DX、チッソ(株)製サイラプレ−ンFM
2231、FP2241、FM0711、FM0721、FM-0725 等)、一般式
(3)で表される側鎖にメタクリロキシ基を有するジメ
チルポリシロキサンがある。
【0018】一般式(1)
【0019】
【化1】
【0020】一般式(2)
【0021】
【化2】
【0022】一般式(3)
【0023】
【化3】
【0024】重合に際しては、これらの1種または2種
以上を混合して使用する。これらのジメチルポリシロキ
サンは分子量1000〜10000のものを、ラジカル
重合可能なエチレン性不飽和単量体100重量部に対し
0.1〜20重量部使用することが望ましく、より好ま
しくは0.5 〜10重量部使用することである。ジメ
チルポリシロキサンの量が20重量部より多い場合はラ
ジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体との反応性が
低下し残留モノマ−が発生したり、ジメチルポリシロキ
サンがブリ−ドアウトしたりする原因となる。また、重
合に際しては滴下系モノマ−の油滴径を0.5μ以下に
することが好ましく、0.5μ以上の油滴径であると重
合安定性が悪く凝集物が発生しやすい。油滴径を細かく
する方法としては、パイプラインミキサ−(ラインミキ
サ−)ホモミキサ−、高圧ホモジナイザ−等が使用でき
る。また、油滴径の測定方法としてはレ−ザ−解析法に
よる微粒子径測定装置、光学顕微鏡等が使用できる。
以上を混合して使用する。これらのジメチルポリシロキ
サンは分子量1000〜10000のものを、ラジカル
重合可能なエチレン性不飽和単量体100重量部に対し
0.1〜20重量部使用することが望ましく、より好ま
しくは0.5 〜10重量部使用することである。ジメ
チルポリシロキサンの量が20重量部より多い場合はラ
ジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体との反応性が
低下し残留モノマ−が発生したり、ジメチルポリシロキ
サンがブリ−ドアウトしたりする原因となる。また、重
合に際しては滴下系モノマ−の油滴径を0.5μ以下に
することが好ましく、0.5μ以上の油滴径であると重
合安定性が悪く凝集物が発生しやすい。油滴径を細かく
する方法としては、パイプラインミキサ−(ラインミキ
サ−)ホモミキサ−、高圧ホモジナイザ−等が使用でき
る。また、油滴径の測定方法としてはレ−ザ−解析法に
よる微粒子径測定装置、光学顕微鏡等が使用できる。
【0025】本発明で使用する反応性乳化剤は分子内に
ラジカル重合可能な不飽和2重結合を1個以上有するア
ニオン性またはノニオン性の乳化剤であり、例えば下記
一般式(4)、(5)で表されるスルホコハク酸エステ
ル系(市販品としては、例えば、花王(株)製ラテムル
S−120P、S−180A、三洋化成(株)製エレミ
ノールJS−2等)、一般式(6)で表されるアルキル
フェノールエーテル系(市販品としては、第一工業製薬
(株)製アクアロンHS−10、RN−20等)があ
る。
ラジカル重合可能な不飽和2重結合を1個以上有するア
ニオン性またはノニオン性の乳化剤であり、例えば下記
一般式(4)、(5)で表されるスルホコハク酸エステ
ル系(市販品としては、例えば、花王(株)製ラテムル
S−120P、S−180A、三洋化成(株)製エレミ
ノールJS−2等)、一般式(6)で表されるアルキル
フェノールエーテル系(市販品としては、第一工業製薬
(株)製アクアロンHS−10、RN−20等)があ
る。
【0026】一般式(4)
【0027】
【化4】
【0028】一般式(5)
【0029】
【化5】
【0030】一般式(6)
【0031】
【化6】
【0032】乳化重合に際しては、これらの1種または
2種以上を混合して使用する。これら乳化剤はラジカル
重合可能なエチレン性不飽和単量体100重量に対して
0.1〜10重量部使用することが望ましい。10重量
部以上では粒子径は小さくなるが、多量の乳化剤を使用
するため、その悪影響として被膜の耐水性が悪くなる。
2種以上を混合して使用する。これら乳化剤はラジカル
重合可能なエチレン性不飽和単量体100重量に対して
0.1〜10重量部使用することが望ましい。10重量
部以上では粒子径は小さくなるが、多量の乳化剤を使用
するため、その悪影響として被膜の耐水性が悪くなる。
【0033】さらに、これらの乳化剤が反応性を有しな
い場合には、たとえ安定な樹脂分散体が得られたとして
も活性剤の溶出による耐水性の低下は免れない。
い場合には、たとえ安定な樹脂分散体が得られたとして
も活性剤の溶出による耐水性の低下は免れない。
【0034】本発明のもう一つの特徴は、重合開始剤と
して油溶性開始剤を使用する点にある。油溶性重合開始
剤に代えて水溶性の過硫酸塩、過酸化物およびアゾビス
化合物等を熱、または還元性物質によってレドックス的
にラジカル分解して単量体の重合をせしめると重合過程
で粒子径が大きくなり、皮膜の耐水性が悪くなる。油溶
性開始剤としては、tert−ブチルパ−ベンゾエ−
ト、ラウリルパ−オキサイド、過酸化ベンゾイル、te
rt−ブチルハイドロパ−オキシド、アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビスジメチルブチロニトリル、アゾビ
スバレロニトリル等が好ましい。これら油溶性開始剤は
単独で使用することもできるが、エリソルビン酸ナトリ
ウム等の還元剤と併用によるレドックス型で使用しても
よい。
して油溶性開始剤を使用する点にある。油溶性重合開始
剤に代えて水溶性の過硫酸塩、過酸化物およびアゾビス
化合物等を熱、または還元性物質によってレドックス的
にラジカル分解して単量体の重合をせしめると重合過程
で粒子径が大きくなり、皮膜の耐水性が悪くなる。油溶
性開始剤としては、tert−ブチルパ−ベンゾエ−
ト、ラウリルパ−オキサイド、過酸化ベンゾイル、te
rt−ブチルハイドロパ−オキシド、アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビスジメチルブチロニトリル、アゾビ
スバレロニトリル等が好ましい。これら油溶性開始剤は
単独で使用することもできるが、エリソルビン酸ナトリ
ウム等の還元剤と併用によるレドックス型で使用しても
よい。
【0035】油溶性開始剤は、ラジカル重合可能なエチ
レン性単量体100重量部に対して、0.1〜10重量
部が使用される。
レン性単量体100重量部に対して、0.1〜10重量
部が使用される。
【0036】本発明において、硫酸第2銅、塩化第2銅
などの銅イオン、硫酸第2鉄、塩化第2鉄などの遷移金
属イオンを反応釜の仕込み水に対して10-7〜10-5モ
ル/リットルの範囲で添加することが望ましい。
などの銅イオン、硫酸第2鉄、塩化第2鉄などの遷移金
属イオンを反応釜の仕込み水に対して10-7〜10-5モ
ル/リットルの範囲で添加することが望ましい。
【0037】本発明により得られる水性樹脂分散体は、
染料、顔料等の着色剤、フィラ−等を配合することがで
き、合成樹脂、金属、ガラス、陶磁器、石膏、紙、木
材、皮革、さらに軽量コンクリ−ト、軽量気泡コンクリ
−ト、モルタル、硅酸カルシュウム板、スレ−ト、石膏
ボ−ド等へのトップコ−ト用塗料、塗料バインダ−、紙
加工剤、繊維処理剤等に使用することができる。
染料、顔料等の着色剤、フィラ−等を配合することがで
き、合成樹脂、金属、ガラス、陶磁器、石膏、紙、木
材、皮革、さらに軽量コンクリ−ト、軽量気泡コンクリ
−ト、モルタル、硅酸カルシュウム板、スレ−ト、石膏
ボ−ド等へのトップコ−ト用塗料、塗料バインダ−、紙
加工剤、繊維処理剤等に使用することができる。
【0038】以下、実施例により、本発明を説明する。
例中、部とは重量部を、%とは重量%をそれぞれ表す。
例中、部とは重量部を、%とは重量%をそれぞれ表す。
【0039】実施例1 攪拌機、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器
に表1に示す反応缶量を仕込み、窒素ガスで飽和させ
る。表1の滴下分は予めパイプラインミキサ−(ライン
ミキサ−)で油滴径を0.5μ以下にする。内温を80
℃に昇温した後、重合開始剤の反応釜量を添加し、5分
後に滴下を開始した。滴下量を2時間で滴下し、80℃
でさらに2時間熟成した後冷却し、アンモニアでPH8
〜9に調整した。油滴径の測定、水性樹脂分散体の粒子
径の測定はレ−ザ−解析法微粒子径測定装置(コ−ルタ
−社製ナノサイザ−)で測定した。固形分40.0%、
粘度2800cps、粒子径85nmの樹脂分散体を得
た。
に表1に示す反応缶量を仕込み、窒素ガスで飽和させ
る。表1の滴下分は予めパイプラインミキサ−(ライン
ミキサ−)で油滴径を0.5μ以下にする。内温を80
℃に昇温した後、重合開始剤の反応釜量を添加し、5分
後に滴下を開始した。滴下量を2時間で滴下し、80℃
でさらに2時間熟成した後冷却し、アンモニアでPH8
〜9に調整した。油滴径の測定、水性樹脂分散体の粒子
径の測定はレ−ザ−解析法微粒子径測定装置(コ−ルタ
−社製ナノサイザ−)で測定した。固形分40.0%、
粘度2800cps、粒子径85nmの樹脂分散体を得
た。
【0040】
【表1】
【0041】実施例2〜6 実施例1と同様の方法で、表2に示すエチレン性単量
体、ジメチルポリシロキサンの量、反応性乳化剤を変え
て樹脂分散体を得た。
体、ジメチルポリシロキサンの量、反応性乳化剤を変え
て樹脂分散体を得た。
【0042】
【表2】
【0043】比較例1〜6 ジメチルポリシロキサン(比較例1)、ジメチルポリシ
ロキサンが不飽和2重結合を有しない例(比較例2)に
ついて実施例1に準じて樹脂分散体を製造した。
ロキサンが不飽和2重結合を有しない例(比較例2)に
ついて実施例1に準じて樹脂分散体を製造した。
【0044】
【表3】
【0045】実施例、比較例より得られた水性樹脂分散
体の重合安定性、粒子径の測定をおこない結果は表4に
示した。また水性樹脂分散体に成膜助剤等を加え調整
し、樹脂皮膜の撥水性試験、耐凍結・融解試験、耐薬品
性試験、耐促進汚染性試験を行った。結果は表5に示し
たとおりであった。
体の重合安定性、粒子径の測定をおこない結果は表4に
示した。また水性樹脂分散体に成膜助剤等を加え調整
し、樹脂皮膜の撥水性試験、耐凍結・融解試験、耐薬品
性試験、耐促進汚染性試験を行った。結果は表5に示し
たとおりであった。
【0046】試験方法 1.塗膜の作成 水性樹脂分散体に成膜助剤(テキサノ−ル)でMFTが
0℃になるように調整した。
0℃になるように調整した。
【0047】2.撥水性試験方法 上質紙上に5Mil.アプリケ−タ−で塗布し、70℃
で10分熱風乾燥し30度の傾斜板板上に張り付け、注
射器で水を5滴落とし流れ落ちる状態を観察する。 判定基準 5:流れ落ち跡形が全くなし 1:流れ落ち全体に跡形がつく
で10分熱風乾燥し30度の傾斜板板上に張り付け、注
射器で水を5滴落とし流れ落ちる状態を観察する。 判定基準 5:流れ落ち跡形が全くなし 1:流れ落ち全体に跡形がつく
【0048】3.耐凍結融解試験方法 20℃の水中浸漬2時間・・−20℃水中凍結2時間を
1サイクルとし、30サイクルおこない塗膜の外観を肉
眼およびル−ペで観察した。 判定基準 5:良好(全く異常の無いもの) 1:不良(全面に著しい外観変化が認められるもの)
1サイクルとし、30サイクルおこない塗膜の外観を肉
眼およびル−ペで観察した。 判定基準 5:良好(全く異常の無いもの) 1:不良(全面に著しい外観変化が認められるもの)
【0049】4.耐薬品性試験方法 ガラス板上に10Mil.アプリケ−タ−で塗布し、室
温で24Hr常温乾燥し、5重量%の水酸化ナトリウム
水溶液に24Hr浸漬した後、白化の程度を肉眼で判定
する。 判定基準 5:良好(全く白化のないもの) 1:不良(全面に著しい白化が認められるもの)
温で24Hr常温乾燥し、5重量%の水酸化ナトリウム
水溶液に24Hr浸漬した後、白化の程度を肉眼で判定
する。 判定基準 5:良好(全く白化のないもの) 1:不良(全面に著しい白化が認められるもの)
【0050】5.促進耐汚染性試験方法 スレ−ト板上に刷毛にて厚さ0.5mmになるように塗
布し、室温で72Hr常温乾燥した塗板に、ワセリン
9:カ−ボンブラック1の割合で練ったものを、刷毛で
均一に塗り付け50℃24時間放置する。ガ−ゼで拭き
取り汚れ具合を肉眼で判定する。 判定基準 5:良好(全く汚染のないもの) 1:不良(全面に著しい汚染が認められる)
布し、室温で72Hr常温乾燥した塗板に、ワセリン
9:カ−ボンブラック1の割合で練ったものを、刷毛で
均一に塗り付け50℃24時間放置する。ガ−ゼで拭き
取り汚れ具合を肉眼で判定する。 判定基準 5:良好(全く汚染のないもの) 1:不良(全面に著しい汚染が認められる)
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【発明の効果】本発明の水性樹脂分散体は、合成樹脂、
金属、ガラス、陶磁器、石膏、紙、木材、皮革等の各種
基材に、下塗りを施すことなく塗布でき、さらには軽量
コンクリ−ト、軽量気泡コンクリ−ト、モルタル、硅酸
カルシュ−ム板、スレ−ト板、または石膏ボ−ドなどの
各種無機質基材に対しての塗布に対し良好な塗膜を形成
する。
金属、ガラス、陶磁器、石膏、紙、木材、皮革等の各種
基材に、下塗りを施すことなく塗布でき、さらには軽量
コンクリ−ト、軽量気泡コンクリ−ト、モルタル、硅酸
カルシュ−ム板、スレ−ト板、または石膏ボ−ドなどの
各種無機質基材に対しての塗布に対し良好な塗膜を形成
する。
Claims (6)
- 【請求項1】ラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量
体と分子内にラジカル重合可能な不飽和2重結合を持つ
ジメチルポリシロキサンを乳化剤、重合開始剤と水を必
須成分としてラジカル重合することにより得られる水性
樹脂分散体。 - 【請求項2】水性樹脂分散体の平均粒子径が110nm
以下であることを特徴とする請求項1記載の水性樹脂分
散体。 - 【請求項3】水への溶解性が0.3重量%以下である油
溶性重合開始剤を使用することを特徴とする請求項1〜
2のいずれか記載の水性樹脂分散体。 - 【請求項4】乳化剤として反応性乳化剤を使用すること
を特徴とする請求項1〜3いずれか記載の水性樹脂分散
体。 - 【請求項5】ラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量
体としてカルボキシル基を有する単量体を全単量体に対
して0.5〜5重量%使用することを特徴とする請求項
1〜4のいずれか記載の水性樹脂分散体。 - 【請求項6】滴下モノマーの油滴径が0.5μ以下であ
ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の水性
樹脂分散体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9164714A JPH1112311A (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | 水性樹脂分散体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9164714A JPH1112311A (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | 水性樹脂分散体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1112311A true JPH1112311A (ja) | 1999-01-19 |
Family
ID=15798500
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9164714A Pending JPH1112311A (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | 水性樹脂分散体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1112311A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003507522A (ja) * | 1999-08-16 | 2003-02-25 | ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト | 高い耐引っかき性の多層透明塗膜を製造するための被覆材料およびその使用 |
JP2016199712A (ja) * | 2015-04-13 | 2016-12-01 | 日華化学株式会社 | 非フッ素系ポリマー、撥水剤組成物、撥水性繊維製品及び撥水性繊維製品の製造方法 |
CN111087884A (zh) * | 2019-12-21 | 2020-05-01 | 张得华 | 一种有机硅石膏防水剂的制备方法 |
US10829505B2 (en) | 2016-04-20 | 2020-11-10 | Dow Silicones Corporation | Lithium alkylsiliconate composition, coating, and method of making same |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH059248A (ja) * | 1991-06-28 | 1993-01-19 | Toagosei Chem Ind Co Ltd | 水性樹脂分散体の製造方法 |
JPH05194911A (ja) * | 1992-01-22 | 1993-08-03 | Showa Highpolymer Co Ltd | 水性トップコート剤 |
JPH07181737A (ja) * | 1993-12-24 | 1995-07-21 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 電子写真トナー用バインダー |
JPH07196975A (ja) * | 1993-12-28 | 1995-08-01 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 耐候性塗料組成物 |
JPH08245733A (ja) * | 1995-03-10 | 1996-09-24 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 水性樹脂分散体 |
JPH0912655A (ja) * | 1995-06-26 | 1997-01-14 | Toagosei Co Ltd | 水性樹脂分散体の製造方法および該分散体からなるコーティング剤 |
JPH10306274A (ja) * | 1997-05-06 | 1998-11-17 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 感圧接着剤用水性樹脂分散体 |
-
1997
- 1997-06-20 JP JP9164714A patent/JPH1112311A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH059248A (ja) * | 1991-06-28 | 1993-01-19 | Toagosei Chem Ind Co Ltd | 水性樹脂分散体の製造方法 |
JPH05194911A (ja) * | 1992-01-22 | 1993-08-03 | Showa Highpolymer Co Ltd | 水性トップコート剤 |
JPH07181737A (ja) * | 1993-12-24 | 1995-07-21 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 電子写真トナー用バインダー |
JPH07196975A (ja) * | 1993-12-28 | 1995-08-01 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 耐候性塗料組成物 |
JPH08245733A (ja) * | 1995-03-10 | 1996-09-24 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 水性樹脂分散体 |
JPH0912655A (ja) * | 1995-06-26 | 1997-01-14 | Toagosei Co Ltd | 水性樹脂分散体の製造方法および該分散体からなるコーティング剤 |
JPH10306274A (ja) * | 1997-05-06 | 1998-11-17 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 感圧接着剤用水性樹脂分散体 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003507522A (ja) * | 1999-08-16 | 2003-02-25 | ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト | 高い耐引っかき性の多層透明塗膜を製造するための被覆材料およびその使用 |
JP2016199712A (ja) * | 2015-04-13 | 2016-12-01 | 日華化学株式会社 | 非フッ素系ポリマー、撥水剤組成物、撥水性繊維製品及び撥水性繊維製品の製造方法 |
US10829505B2 (en) | 2016-04-20 | 2020-11-10 | Dow Silicones Corporation | Lithium alkylsiliconate composition, coating, and method of making same |
CN111087884A (zh) * | 2019-12-21 | 2020-05-01 | 张得华 | 一种有机硅石膏防水剂的制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3410473B2 (ja) | 水性樹脂分散体およびその製造方法 | |
TW531552B (en) | Dirt pickup resistant coating binder and coatings | |
JPH1171417A (ja) | フッ素化ポリマーの製造方法 | |
JP5530156B2 (ja) | シーラー用樹脂エマルションおよびその製造方法 | |
BR112015031262B1 (pt) | uso de um polímero de acrilato de 2-octila como um agente de ligação em uma composição de revestimento | |
JPH1192708A (ja) | 建築外装塗料用エマルション組成物および該エマルション組成物を用いた建築外装塗料組成物 | |
JPS61155474A (ja) | 水性被覆用組成物 | |
JPH1112311A (ja) | 水性樹脂分散体 | |
JPH05209147A (ja) | 皮膜形成用エマルジョン組成物 | |
JP3602180B2 (ja) | 窯業セメント系外装材仕上げ塗料用エマルジョン | |
JPH1112329A (ja) | 水性樹脂分散体 | |
JP3484209B2 (ja) | 塗料用樹脂組成物 | |
JPH08333543A (ja) | 水性アクリル系共重合体分散液並びにそれを用いた水性シーラー組成物 | |
JP2000191975A (ja) | 外装材シ―ラ―用合成樹脂エマルジョンおよびその製造方法 | |
JP2015218232A (ja) | 水性塗料組成物用合成樹脂エマルション | |
JP2008274084A (ja) | 樹脂水性分散体 | |
JPH1112331A (ja) | 水性樹脂分散体 | |
JPH08245733A (ja) | 水性樹脂分散体 | |
JP2000104010A (ja) | 水性塗料組成物 | |
JPH1112333A (ja) | 水性樹脂分散体 | |
JP3463512B2 (ja) | 水性樹脂分散体 | |
JPH1112334A (ja) | 水性樹脂分散体 | |
RU2260602C1 (ru) | Способ получения водных дисперсий стиролакриловых сополимеров | |
JP3295484B2 (ja) | 水性被覆組成物 | |
JP2004107518A (ja) | 建材用エマルション塗料 |