JPH059248A - 水性樹脂分散体の製造方法 - Google Patents

水性樹脂分散体の製造方法

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JPH059248A
JPH059248A JP18414591A JP18414591A JPH059248A JP H059248 A JPH059248 A JP H059248A JP 18414591 A JP18414591 A JP 18414591A JP 18414591 A JP18414591 A JP 18414591A JP H059248 A JPH059248 A JP H059248A
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macromonomer
surfactant
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emulsion
silicone
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JP18414591A
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English (en)
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Yoshiharu Maeda
佳治 前田
Yoshio Mori
嘉男 森
Takashiro Azuma
貴四郎 東
Masayoshi Okubo
政芳 大久保
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ラジカル重合性シリコーン系マクロモノマーと
他のラジカル重合性単量体を、水性媒体中で乳化重合さ
せて得られるグラフトポリマーからなる水性樹脂分散体
の製造方法の提供。 【構成】ラジカル重合性基を有するシリコーン系マクロ
モノマーおよび油溶性ラジカル重合開始剤を、該マクロ
モノマーと共重合性の他の単量体に溶解して得られる溶
液を水性媒体中で、スルホコハク酸アルカリ金属系アニ
オン界面活性剤またはその他の特定の界面活性剤を用い
て乳化させた後、重合性成分を重合させることを特徴と
する水性樹脂分散体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラジカル重合性シリコ
ーン系マクロモノマーと他のラジカル重合性単量体の水
性乳化重合法に関し、本発明によれば、平均粒径が1μ
m以下の微小樹脂粒子からなる水性樹脂分散体の製造も
可能であり、該樹脂分散体は、塗料および接着剤等とし
て好適である。
【0002】
【従来技術およびその問題点】近年グラフトポリマー
は、高機能性高分子材料として有用性が認められ、工業
的に広く用いられるようになってきた。グラフトポリマ
ーは、例えばラジカル重合開始剤等を用い、幹ポリマー
とする高分子化合物の存在下に、該高分子化合物を形成
する単量体とは別種の単量体を溶液重合、塊状重合また
は乳化重合する方法により製造されていたが、かかる方
法によって製造されるグラフトポリマーは、グラフト化
されない重合体を多量に含み純度が低いという問題があ
った。これに対して、重合性基を分子の末端に有する高
分子量単量体すなわちマクロモノマーを他の共重合性単
量体と共重合させることにより、マクロモノマーに由来
する枝ポリマーを有するグラフトポリマーの製造方法
(以下マクロモノマー法という)が、グラフト効率の高
い点で、最近注目されている。
【0003】マクロモノマー法によるグラフトポリマー
の製造は、従来一般的にはマクロモノマーと他の共重合
性単量体を有機溶剤中で重合する溶液重合、または水性
媒体中で懸濁重合によってなされていた。しかしなが
ら、溶液型グラフトポリマーは、無公害や省資源という
時代の要求に応えられず、一方懸濁重合で得られるグラ
フトポリマーは、液相と固相に相分離するので、水性分
散体として液状で取り扱うことが困難であるという理由
により、それらに代わる粒子径の細かい乳化分散体から
なる水性エマルジョン型のグラフトポリマーが強く望ま
れていた。
【0004】マクロモノマー法によって、グラフトポリ
マーを水性乳化重合する方法に関して、数は少ないが、
次に示すような提案がある。ジョセフ・ピー・ケネディ
ー(Joseph. P.Kennedy)らは、ポリマーブリティン(Po
lymer Builetin)13号、441〜446頁(1985
年)において、片末端にp−ビニールフェニル基を有す
るポリイソブチレン系マクロモノマーとスチレンを乳化
共重合する方法について、ポリイソブチレン系マクロモ
ノマーをスチレン単量体に溶解し、この溶液をノニルフ
ェノキシポリエトキシエタノールスルフェートナトリウ
ム塩で水中に乳化させ、かつ平均粒径0.24μm程度
にまで微粒化させ後に、重合開始剤として油溶性のアゾ
ビスイソブチロニトリルを添加して重合することによ
り、高収率でグラフトポリマーを得ることができたと報
告している。しかしながら、ケネディーらの提案の方法
によって得られる上記グラフトポリマーの平均分子量
は、数平均分子量で6,000〜50,000程度と低
く、実用的用途が制限されるという問題があり、また本
発明者らの実験によれば、上記ポリイソブチレン系マク
ロモノマー以外のマクロモノマーに代えて、シリコーン
系マクロモノマーを用いた場合には、上記重合方法では
グリッドが多量に発生して良好な乳化分散体が得られな
かった。
【0005】また、特開昭62−64814号公報に
は、マクロモノマーをトルエン等の有機溶剤に溶解し、
これに乳化剤を加え、水中で粒径の微細な乳化分散体を
調製した後、得られた乳化液中にマクロモノマーと共重
合させる単量体を加え、ラジカル重合開始剤により共重
合するという発明が開示されている。しかしながら、上
記発明においては、マクロモノマーが共重合させる他の
単量体とは別個にミセル化されているために、マクロモ
ノマー同志および他の単量体同志の重合が優勢となり、
グラフト効率が低いという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決のため鋭意検討した結果、乳化剤として下記界面
活性剤を用い、油溶性ラジカル重合開始剤をシリコーン
系マクロモノマーと共に共重合させるビニル単量体に溶
解し、それらを同時に水性媒体中に乳化分散させる手段
を採用することにより、乳化剤の使用量が少量でも、マ
クロモノマーおよび共重合性ビニル単量体を平均粒径が
1μm以下の安定性に優れる微小なミセルに容易に乳化
分散でき、上記重合性成分を重合させて得られるグラフ
トポリマーのグラフト効率が極めて高いことを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、ラジカル重合性基を
有するシリコーン系マクロモノマーおよび油溶性ラジカ
ル重合開始剤を、該マクロモノマーと共重合性の他のビ
ニル単量体に溶解し、得られる溶液を水性媒体中で下記
界面活性剤(A)または(B)からなる乳化剤の存在下
に乳化分散させた後、昇温して前記マクロモノマーと他
のビニル単量体とを共重合させることを特徴とする水性
樹脂分散体の製造方法である。 界面活性剤(A);スルホコハク酸アルカリ金属塩系ア
ニオン性界面活性剤。 界面活性剤(B);上記(A)以外のスルホン酸アルカ
リ金属塩系または硫酸エステルアルカリ金属塩系アニオ
ン性界面活性剤と、HLB値が10以上であるノニオン
性界面活性剤とからなり、両者の合計量を基準にして、
前者が2〜98重量%で後者が98〜2重量%の割合で
含まれる界面活性剤。
【0008】以下、本発明についてさらに詳しく説明す
る。 ○シリコーン系マクロモノマー 本発明におけるシリコーン系マクロモノマーは、片末端
にラジカル重合性基を有する、シリコーンを骨格とする
高分子量単量体であり、その好ましい数平均分子量は、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定
されるポリスチレン換算の数平均分子量で1,000〜
100,000であり、より好ましくは数平均分子量が
2,000〜50,000である。マクロモノマーの数
平均分子量が1,000未満であると、得られるグラフ
トポリマーにおける枝ポリマーが短すぎてシリコーンに
由来する潤滑性、離型性、耐候性等の特性が発現し難
く、一方マクロモノマーの数平均分子量が100,00
0を超えると、共重合させるビニル単量体との共重合性
が乏しく、グラフトポリマーの収率が低くなる。上記ラ
ジカル重合性基としては、アクリロイル基、メタクリロ
イル基、スチリル基、アリル基、ビニルベンジル基、ビ
ニルエーテル基、ビニルアルキルシリル基、ビニルケト
ン基およびイソプロペニル基等が挙げられる。
【0009】シリコーン系マクロモノマーの製造方法と
しては、公知の方法が採用でき、例えばリチウムトリア
ルキルシラノレートを開始剤とし、環状シロキサンをア
ニオン重合することによりリビングポリマーを得、それ
とγ−メタクリロキシプロピルジメチルモノクロロシラ
ンを反応させるという方法(特開昭59−78236号
公報)、または末端シラノール基含有シリコーンと有機
ケイ素化合物との縮合物としてシリコーン系マクロモノ
マーを得る方法(特開昭58−167606号公報及び
特開昭60−123518号公報)等が挙げられる。
【0010】本発明においてシリコーン系マクロモノマ
ーは、後記する油溶性ラジカル重合開始剤と共に、マク
ロモノマーと共重合させるべきビニル単量体に溶解した
状態で、水性媒体中に乳化分散させることが必要であ
る。かかる手段の採用により、1個の乳化微粒子すなわ
ちミセル中に、シリコーン系マクロモノマー、共重合単
量体および重合開始剤を合わせて含むミセルが形成でき
る。その点で、ミセル内の重合開始剤濃度の制御が容易
であり、またシリコーン系マクロモノマーと共重合ビニ
ル単量体とが最初から1つのミセル内に共存しているた
め、それらの共重合が起こり易い。その結果、本発明に
よれば、従来のシリコーン系マクロモノマーの乳化重合
法と比較してグラフトポリマーの生成効率が高いという
優れた効果が奏される。なお、シリコーン系マクロモノ
マーおよび油溶性ラジカル重合開始剤をビニル単量体に
溶解する際に溶解性を高めるために、トルエン、キシレ
ン、メチルイソブチルケトンおよび酢酸エチル等の有機
溶剤を適量併用しても良い。
【0011】○共重合単量体 シリコーン系マクロモノマーと共重合させる単量体は、
水性媒体中において乳化可能なビニル単量体またはビニ
ル単量体混合物であれば良く、常温で液体であるビニル
単量体または単量体混合物がより好ましい。具体的に
は、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、ターシャリブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリ
レートなどの(メタ)アクリル酸エステル類、ポリフロ
ロアクリレート、パーフロロアルキルアクリレートなど
のフッ素含有アクリレート、アクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシランなどのシリコーン含有アクリレー
ト、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ンなどのスチレン系化合物、ならびに(メタ)アクリロ
ニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニ
ルエステル類などが挙げられる。さらに、以下に示すよ
うな単量体も、上記単量体との併用により使用すること
ができる。上記ビニル単量体と併用できる他のビニル単
量体としては、メチルアクリレート、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ビ
ニルピロリドンおよびビニルピリジン等の親水性ビニル
単量体、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレートおよび
ジエチレングリコールジアクリレート等の多官能性ビニ
ル単量体並びにステアリル(メタ)アクリレート、ベヘ
ニル(メタ)アクリレート、無水マレイン酸、ブタジエ
ン、イソプレンおよび塩化ビニリデン等が挙げられる。
【0012】シリコーン系マクロモノマーと共重合単量
体との好ましい共重合割合は、シリコーン系マクロモノ
マー1〜50重量%および共重合単量体50〜99重量
%である。シリコーン系マクロモノマーの割合が50重
量%を越えると重合時にゲル化を招き易い。また、多官
能性ビニル単量体を共重合単量体の一部として使用する
場合、該多官能ビニル単量体の好ましい使用量は、全単
量体の合計量を基準にして5重量%以下である。
【0013】○乳化剤 本発明においては、前記界面活性剤(A)または界面活
性剤(B)からなる乳化剤を使用して、マクロモノマー
および油溶性ラジカル重合開始剤を共重合単量体に溶解
させた溶液(以下単量体溶液という)を、水性媒体中に
おいて微小ミセルに乳化分散させることが必要である。
界面活性剤(A)は、前述のとおり、スルホコハク酸ア
ルカリ金属塩系アニオン性界面活性剤であり、具体例と
しては、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリ
ウム、多環フェニルポリエトキシスルホコハク酸ナトリ
ウム、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルスル
ホコハク酸モノエステルナトリウムおよびポリオキシエ
チレンラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム等が
挙げられる。界面活性剤(A)は、それ単独で乳化剤と
して使用することができるが、HLB値が10以上であ
るノニオン性界面活性剤と併用することにより、重合時
の水性乳化分散体の乳化安定性をさらに向上させること
ができる。かかるノニオン性界面活性剤の具体例として
は、後記する界面活性剤(B)の説明において、例示し
たノニオン性界面活性剤等があり、界面活性剤(A)と
ノニオン性界面活性剤との好ましい混合割合は、10〜
90重量%対90〜10重量%であり、さらに好ましく
は10〜40重量%対90〜60重量%である。
【0014】界面活性剤(B)を構成するアニオン性界
面活性剤の内、上記(A)以外のスルホン酸アルカリ金
属塩系アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン
酸アルカリ金属塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナト
リウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナト
リウムおよびナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の
アルカリ金属塩等が挙げられ、また硫酸エステルアルカ
リ金属塩系アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫
酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等のアルキル
硫酸アルカリ金属塩、ポリオキシエチレンラウリルエー
テル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルフェ
ニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンア
ルキレンエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0015】界面活性剤(B)を構成するHLB値が1
0以上であるノニオン性界面活性剤としては、市販のエ
マルゲン910、エマルゲン930、エマルゲン938
〔以上花王(株)製〕;Newcol563、Newcol566
〔以上日本乳化剤(株)製〕;ノナール210〔東邦化
学(株)製〕等のポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル、エマルゲン810、エマルゲン840S〔以上
花王(株)製〕;Newcol860、Newcol804〔以上日
本乳化剤(株)製〕;ノナール210〔東邦化学(株)
製〕等のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル、レオドールTW−L20、レオドールTW−S12
0〔以上花王(株)製〕;Newcol25、Newcol65〔以
上日本乳化剤(株)製〕;ゾルボンT−20、ゾルボン
T−60〔以上東邦化学(株)製〕等のポリオキシエチ
レンソルビタンモノアリキラート、ポリエチレングリコ
ールジステアレートおよびポリオキシエチレンセチルエ
ーテル等が挙げられる。界面活性剤(B)の構成成分と
して、HLB値が10未満であるノニオン性界面活性剤
を使用すると、重合中に水性乳化分散体の安定性が悪
く、円滑に乳化重合できない。また、界面活性剤(B)
におけるアニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤
との好ましい割合は、10〜90重量%対90〜10重
量%であり、さらに好ましくは10〜40重量%対90
〜60重量%である。
【0016】乳化分散化は、単量体溶液100重量部あ
たり、上記界面活性剤からなる乳化剤3〜5重量部およ
び水30〜100重量部の割合で使用し、それらの混合
体をホモミキサー、ホモジナイザーまたは超音波等によ
り攪拌することによって行うことができる。乳化分散体
のミセルの粒径は、できる限り小さいほど好ましく、具
体的には平均粒径で1μm以下さらには0.5μm以下
であることが好ましい。ミセルの粒径が1μmより大き
いと、得られる樹脂粒子が粒径1μmを越え、その結果
成膜性に劣り、例えばコーティング剤および粘着剤等の
用途には使用し難くなる。乳化剤の量は少ないほど、得
られる樹脂分散体の耐水性等の物性が優れ、本発明にお
いて好ましい使用量は、上記と同一の基準で0.3〜3
重量部である。得られた水性乳化分散体は、それをその
まま昇温して重合しても良いが、重合における発熱の制
御が容易である点で、該分散体を加温された水媒体中に
滴下しながら重合し、最終的に固形分濃度20〜70重
量%の水性樹脂分散体から得られるように重合すのが好
ましい。重合温度としては、50〜90℃が適当であ
る。
【0017】○重合開始剤 本発明における重合開始剤は、20℃での水に対する溶
解度が10重量%以下である油溶性のラジカル重合開始
剤であり、好ましい重合開始剤としては、アゾ系開始剤
では、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2’−アゾビス−2、4−ジメチルバレロニトリル、1
−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメ
チル−2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−
アゾビス−4−シアノ吉草酸など;有機過酸化物では、
ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジ
クミルパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、
ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチ
ルパーオキシピバレートなどが挙げられる。
【0018】重合開始剤の使用量は、シリコーン系マク
ロモノマーと共重合単量体の合計量に対して、0.1〜
10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好まし
い。重合開始剤量が0.1重量%未満では、乳化重合が
円滑に進行し難く、シリコーン系マクロモノマーや共重
合単量体が未反応で残りやすく、また10重量%を超え
ると生成するグラフトポリマーの分子量が小さくなり、
得られる水性樹脂分散体の用途が制限される。本発明に
おいて重合開始剤は、シリコーン系マクロモノマーおよ
び共重合単量体と共に乳化分散された状態で重合系に加
えられるが、それ以外の方法例えば単独で重合系に後添
加するような添加方法によると、得られる水性樹脂分散
体中に未反応のシリコーン系マクロモノマーおよび未反
応の共重合単量体が多量に含まれる。
【0019】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。なお、各例における「部」は、「重量部」を
意味する。 実施例1 ブチルメタクリレート89部及びメタクリル酸1部の混
合液に、片未端メタクリロイル基型シリコーンマクロモ
ノマー(東亞合成化学工業(株)AK−5、数平均分子
量約5,000)10部と2,2−アゾビスイソブチロ
ニトリル1.7部とを溶解し、この混合液をジ−2−エ
チルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム1.5部を乳化
剤として、ホモミキサーにより脱イオン水43部中に乳
化させ、水性乳化分散体(以下プレエマルションとい
う)を調製した。得られたプレエマルジョンの粒径をレ
ーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−
500)で測定した結果、平均粒径で0.49μmであ
り、このプレエマルジョンは1日以上分離せず安定であ
った。上記プレエマルジョンの全量を使用し、以下の方
法により重合した。攪はん機、温度計、冷却器付き1L
のフラスコに脱イオン水80部、プレエマルジョン0.
5部を入れ、チッ素をバブルさせながら、内温を80±
1℃に保つ。次いで攪拌しながら、残余のプレエマルジ
ョン145.7部を4時間かけて滴下した後、更に2時
間反応を継続させ重合を終了した。重合中フラスコの壁
に凝集物がわずかに付着した他は、分離やブロッキング
なども起こらず、安定であった。
【0020】得られた水性樹脂分散体を200メッシュ
のネットで濾過した結果、グリッド量は0.1部以下で
あった。ガスクロマトグラフィーにより測定した未反応
モノマー合計量は1%以下であり、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算
の生成グラフトポリマーの数平均分子量Mnは15.5
万で、重量平均分子量Mwは105.1万であり、また
該グラフトポリマーからなる分散樹脂の平均粒子径は
0.43μmであり、その分布は狭いものであった。ま
た、マクロモノマーの転化率(重合に供したマクロモノ
マーの内、実際に重合したマクロモノマーの割合)は7
0%であった。
【0021】実施例2 ブチルメタクリレート30部、メチルメタクリレート4
7部及びメタクリル酸3部の混合液に、片末端メタクリ
ロイル基型シリコーンマクロモノマー(チッソ(株)製
FM0725、数平均分子量約10,000)20部と
2,2−アゾビスイソブチロニトリル1.7部とを溶解
し、この混合液をポリオキシエチレンラウリルエーテル
スルホコハク酸モノエステルナトリウム3部を乳化剤と
して、ホモミキサーにより脱イオン水50部中に乳化さ
せ、プレエマルションを調整した。得られたプレエマル
ションの平均粒径は0.45μmであり、このプレエマ
ルションは、1日以上分離せず安定であった。上記プレ
エマルジョンの全量を使用し、実施例1と同様にして重
合を行った。重合中フラスコの壁に凝集物がわずかに付
着した他は、分離やブロッキングなども起こらず、安定
であった。得られた水性樹脂分散体を200メッシュの
ネットで濾過した結果、グリッド量は0.1部以下であ
った。未反応モノマー合計量は1%以下であり、グラフ
トポリマーのMnは13.7万で、Mwは101.8万
であり、またマクロモノマーの転化率は69%であっ
た。さらに、得られた分散樹脂の平均粒子径は0.40
μmであり、その分布は狭いものであった。
【0022】実施例3 実施例1に示すアニオン性乳化剤2.5部とHLB1
5.5のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系
ノニオン性乳化剤5部を使用する他は、実施例1と同じ
条件で乳化重合を行った。プレエマルジョンの安定性お
よび重合時の安定性は良好であり、プレエマルションの
平均粒径は0.41μmであり、また得られた水性樹脂
分散体を200メッシュのネットでろ過したところ、グ
リッド量は0.1部以下であった。未反応モノマー合計
量は1%以下であり、生成したグラフトポリマーのMn
は11.5万、Mwは110.7万であり、マクロモノ
マーの転化率は71%であった。また、得られた分散樹
脂の平均粒子径は0.38μmであり、その分布は狭い
ものであった。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、少量の乳化剤の使用に
よってシリコーン系マクロモノマーを微小なミセルに安
定に乳化分散できるため、乳化剤の少ない水性樹脂分散
体を得ることができる。さらに、該樹脂分散体は、グラ
フトポリマーの含有割合が高くかつ未反応のシリコーン
系マクロモノマー量が少量であるため、各種物性に優れ
ている。すなわち、本発明の方法により得られる水性樹
脂分散体は、撥水、潤滑、離型、防汚、耐候、気体透過
等の諸特性に優れているため、塗料(離型性,防汚,落
書き防止,貼紙防止,着氷防止,着雪防止,耐候性等)
およびコーティング剤(磁気テ−プ,感熱記録フイル
ム,感光記録フイルム等)等の被覆剤、粘着剤、接着
剤、顔料やフィラー等の分散改良剤、帯電防止剤および
樹脂改質剤等の用途に好適に用いられる。
【手続補正書】
【提出日】平成3年12月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、少量の乳化剤の使用に
よってシリコーン系マクロモノマーを微小なミセルに安
定に乳化分散できるため、乳化剤の少ない水性樹脂分散
体を得ることができる。さらに、該樹脂分散体は、グラ
フトポリマーの含有割合が高くかつ未反応のシリコーン
系マクロモノマー量が少量であるため、各種物性に優れ
ている。すなわち、本発明の方法により得られる水性樹
脂分散体は、撥水、潤滑、離型、防汚、耐候、気体透過
等の諸特性に優れているため、離型塗料、防汚塗料、落
書き防止塗料、貼紙防止塗料、着氷防止塗料、着雪防止
塗料および耐候性塗料などの機能性塗料;磁気テープ、
感熱記録フイルム、感光記録フイルムなどの各種フイル
ムやカセットシート、磁気カード、ICカード、キャッ
シュカード、プリペードカードなどの各種シートやカー
ド、感熱記録紙、ビデオプリンター用印画紙台紙などの
各種紙類および磁気切符などの保護潤滑コーティング
剤;紙や皮革類の艶出しコーティング剤;和がわら、レ
ンガ、木材、コンクリート等の撥水処理剤や防汚処理
剤;離型紙用、マスキングテープ、粘着テープ、菓子コ
ップ、コンクリート型枠、モルタル型枠、セメント型
枠、スタンピングホイル、プラスチック成形用金型、セ
ラミック成形用金型などの離型剤;樹脂含浸木材用高耐
候性コーティング剤などの被覆剤、ウレタンフォーム用
整泡剤、粘着剤、接着剤、顔料やフィラー等の分散改良
剤、帯電防止剤、ワックス、ポリッシュおよび樹脂改質
剤等の用途に好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 貴四郎 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内 (72)発明者 大久保 政芳 兵庫県神戸市灘区鶴甲四丁目3番19の304

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】ラジカル重合性基を有するシリコーン系マ
    クロモノマーおよび油溶性ラジカル重合開始剤を、該マ
    クロモノマーと共重合性の他のビニル単量体に溶解し、
    得られる溶液を水性媒体中で下記界面活性剤(A)また
    は(B)からなる乳化剤の存在下に乳化分散させた後、
    昇温して前記マクロモノマーと他のビニル単量体とを共
    重合体せることを特徴とする水性樹脂分散体の製造方
    法。 界面活性剤(A);スルホコハク酸アルカリ金属塩系ア
    ニオン性界面活性剤。 界面活性剤(B);上記(A)以外のスルホン酸アルカ
    リ金属塩系または硫酸エステルアルカリ金属塩系アニオ
    ン性界面活性剤と、HLB値が10以上であるノニオン
    性界面活性剤とからなり、両者の合計量を基準にして、
    前者が2〜98重量%で後者が98〜2重量%の割合で
    含まれる界面活性剤。
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