JPH1111818A - エレベータの非常止め装置 - Google Patents

エレベータの非常止め装置

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Publication number
JPH1111818A
JPH1111818A JP15948597A JP15948597A JPH1111818A JP H1111818 A JPH1111818 A JP H1111818A JP 15948597 A JP15948597 A JP 15948597A JP 15948597 A JP15948597 A JP 15948597A JP H1111818 A JPH1111818 A JP H1111818A
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JP
Japan
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leaf spring
pressing
emergency stop
elevator
wedge
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JP15948597A
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English (en)
Inventor
Kenji Sato
憲治 佐藤
Hidehiko Kobayashi
英彦 小林
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Toshiba Corp
Toshiba FA Systems Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba FA Systems Engineering Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外形を増やすことなく、所定の制動特性を容易
に得ることのできるエレベータの非常止め装置を得るこ
と。 【解決手段】くさび3の背面側に設けた案内板6Aの外
面側の上下に対して、半球状の凹部に押圧座を介して両
端を係止した内側の板ばね7Aの外側に僅かに外形の大
きい板ばね7Bを並置する。この板ばね7Bの前端の内
側に押圧座8を設ける。この押圧座8も内側の板ばね7
Aの前端の外面側に形成した半球状の凹部に挿入し、板
ばね7Bの復帰力によって凹部の底部を押圧すること
で、板ばね7Bを保持する。この結果、板ばね7A,7
Bの板厚を従来の1枚で構成した板ばねの厚さの約80%
弱にして、材料の入手性と加工性を上げる。板ばね7
A,7Bの板厚を僅かに変えてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータの非常
止め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エレベータでは、安全装置として、建築
基準法施行令の第 129条の9第七号において、下降する
かごの速度が規定された値を超えると、かごの降下を自
動的に制止する装置を設けなければならないことが規定
されている。
【0003】このため、昇降路の上端の機械室には、か
ごの下降速度を検出する調速機が設置され、この調速機
に上端が巻装された調整機ロープの下端は、ピットに立
設されたロープ緊張用張り車に巻装されている。
【0004】調速機用ロープの中間部は、かごの上端の
側面から突き出たリンクの先端に繋止されて、かごの昇
降に伴って上下に駆動される。リンクには、かごの側面
に添設された引上棒の上端が連結され、この引上棒の下
端には、かごの下端両側に設けられた本発明の対象とな
る非常止め装置に組み込まれた後述する一対のくさびが
連結されている。
【0005】調速機は、かごの下降速度が前述した規定
値を超えると、この調速機に組み込まれたロープつかみ
部が作動して、調速機ロープを把持し、この結果かごの
リンクが作動し、下降するかごの引上棒の下降を止め
る。すなわち、かご側から見ると引上棒は上昇する。
【0006】すると、この引上棒の下端に連結されたく
さびも引き上げられて、このくさびの間に遊嵌し昇降路
に縦設されたたガイドレールを両側から挟み、かごの下
降を停止する。
【0007】ところで、この非常止め装置には、低速で
小形のかごに用いられる早ぎき非常止め装置と、高速の
かごに用いられる次第ぎき非常止め装置とがある。図9
は、従来の次第ぎき非常止め装置の一例を示す正面図、
図10は、図9のD−D断面図である。
【0008】図9及び図10において、この次第ぎき非常
止め装置は、かごの下梁に上面が固定され図示しない平
面図ではほぼ正方形の上部板9Aと、この上部板9Aと
ほぼ同形で板厚が僅かに薄い下部板9Bと、これらの上
部板9Aと下部板9Bの両側の間に縦設されて、これら
の上部板9Aと下部板9Bに上下が溶接される山形鋼製
の図示しない一対の柱とで骨組が構成されている。
【0009】これらの上部板9Aと下部板9Bの前面中
央部には、鎖線で示すガイドレール1の頭部が遊嵌する
U字状の溝9aが図10に示すように形成されている。上
部板9Aの前端両側には、段付部9dが形成され、下部
板9Bの前端両側の上面には、略凸字状のガイド受け9
bが固定されている。このガイド受け9bの外側上面に
は、水平な段付部が前述した上部板9Bの段付部9dと
対称的に形成されている。
【0010】これらの段付部9c,9dには、略コ字状
に形成された一対の案内板6Aの上下端の対向側に突設
された係止部6a,6bが外側から挿入され、これらの
案内板6Aの対向面は、下側の間隔が広くなって傾斜し
ている。
【0011】左右の案内板6Aの外側には、コ字状の溝
6cが形成され、この溝6cには、図10に示すようにU
字状に形成された厚板(約10mm)製の板ばね7Hの両端
が遊嵌している。
【0012】この板ばね7Hの両端には、一対の押圧座
8が内側からあらかじめ挿入され、この押圧座8の頭部
の半球部分の大部分は、案内板6Aの溝6cの上下に形
成された半球状の凹部に嵌合し、板ばね7Hの復帰力に
よって凹部に押圧され、板ばね7Hはその姿勢を維持し
ている。
【0013】符号2は、前述した引上棒を示し、帯板状
の鋼材から製作され、この引上棒2の下端には、ピンを
介して略台形状のくさび3の下端が連結されている。こ
のくさび3の前後面の外面側には、斜面と平行な案内溝
が図10に示すように形成されている。同じく、先述した
各案内板6Aの対向側の前後面にも、図10で示す案内溝
が形成されている。
【0014】この案内板6Aに形成された案内溝と前述
したくさび3に形成された案内溝には、図10に示すよう
に略樋状に形成されたローラ保持板4の両側の曲げ部が
嵌合している。
【0015】前後のローラ保持板4の中心線上に形成さ
れた5箇所の軸穴には、ガイドローラ5の両端に突設さ
れた軸部が挿入されている。したがって、ローラ保持板
4は、案内板6Aに形成された溝に片側が嵌合した曲げ
部によって、ローラ5とともに上方に移動自在となって
いる。なお、この非常止め装置は、かごの他側にも設け
られ、更につり合いおもりにも取り付けられている。
【0016】このように構成された非常止め装置におい
ては、かごの下降速度が規定された値を超えると、調速
機ロープが調速機のつかみ部で把持されて引上棒2がか
ごより先に停止し、かご及び案内板6Aに対して相対的
に上昇することで、この引上棒2の下端に係止されたく
さび3がかごに対して上昇する。
【0017】すると、一対のくさび3の対向面がガイド
レール1の頭部の側面に押圧されて、ガイドレール1を
両側から挟み、このガイドレール1とくさび3の対向と
の間の摩擦によって、かごの下降は停止される。
【0018】くさび3とともに上昇するローラ保持板4
に挿入されたローラ5は、くさび3と案内板6Aとの間
に発生する摩擦を減らし、くさび3の上昇動作を円滑に
し、ガイドレール1への押圧力の低下を防ぐために組み
込まれている。
【0019】図11は、前述した次第ぎき非常止め装置の
他の一例を示す平面図、図12は、図11の前面図で、図9
に対応し、いわゆるフレキシブル・ガイド・クランプ式
の場合を示す。
【0020】図11及び図12において、前述した図9及び
図10で示した次第ぎき非常止め装置と大きく異なるとこ
ろは、後部にコイルばねを横設し、このコイルばねを後
端で押圧し中間部の前方が軸支されたレバーによって、
くさびによるガイドレールの押圧力の反力をコイルばね
で受けることで、下降するかごの急停止に伴う乗客への
衝撃を減らしたことである。
【0021】この次第ぎき非常止め装置は、高速(45m
/min を超える)エレベータでは、必ず採用しなければ
ならないことが前述した法令で規定されている(建築基
準法施行令第 129条の9第2項)。
【0022】すなわち、図11及び図12においては、図12
において略凹字状に鋳造品で製作された取付台9Cの下
面左右に上端が固定され、相対置した案内板6Bの外面
側の上下に固定された軸受座18に貫設された支軸で、レ
バー12の前端後部が軸支されている。レバー12の前端の
対向面に案内板6Bの背面側が当接し、レバー12の後端
は、ピン12aを介してクレビス形のばね座13の端部が連
結されている。
【0023】このばね座13には、図示しない側面図にお
ける略正方形の座13aの各四隅に対して、両ねじボルト
14が貫挿され、左右のばね座13の座13aの間に対して、
両端が平面にグラインダ加工されたコイルばね11が挿入
され、このコイルばね11は、両ねじボルト14の両端から
螺合されたダブルナットによって、所定の取付圧力で圧
縮されている。
【0024】なお、左右のレバー12の中間部には、両ね
じボルト15が貫挿され、この両ねじボルト15の両端から
螺合されたダブルナットによって締め付けられ、この両
ねじボルト15の中間部は、取付台9Cの後部に図11に示
すように突き出た一対の支持部を貫通している。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このうち、
図9及び図10で示した次第ぎき非常止め装置において
は、所定のばね定数を得ることができる板ばね7Hの板
厚は、この板ばね7Hの板厚が厚いために、設計仕様を
満足する板厚が日本工業規格(JIS)で規定されてな
く、入手性に劣る場合がある。
【0026】また、所定の曲げ幅に製作することも困難
である。その理由は、この板ばね7Hを曲げ成形する場
合には、プレス機で行うが、この板ばね7を曲げ型から
外すとスプリングバックで弾性復帰するので、所定の精
度の製品を得るためには、曲げ幅の測定とプレス型への
着脱を何回も繰り返さなければならない。
【0027】また、たとえ規定の寸法に成形した場合で
も、その後の焼入れ工程の結果、寸法が変化するおそれ
もある。すると、取付時の加圧力や作動後の加圧力がば
らつくおそれがあり、そのため、かごの停止に要する時
間が大きくばらつくおそれがある。
【0028】一方、図11及び図12で示した次第ぎき非常
止め装置においては、ガイドレールを加圧するくさびの
反力をコイルばねで受けるので、組立上の僅かなばらつ
きに起因するかごの停止時の衝撃を緩和することができ
る。
【0029】また、くさびによるガイドレールへの加圧
のタイミングも、ばね座13aとコイルばね11の端面との
間にスペーサを挿入し、両ねじボルト14,15の締付を調
整することで対応することができるが、調整に時間がか
かるだけでなく、大形となるので、取付空間が増える。
すると、限られた昇降路の空間には、組み込むことがで
きなくなるだけでなく、かごの重量も増える。
【0030】さらに、くさびの加圧力の反力を受けるレ
バー12は、案内板6Bの中間部に前端が取り付けられて
いるが、くさび3の摩耗がない組込初期ではくさび3の
上部での圧力が高く、くさび3の摩耗が進行するに従い
下部に移行して、全面で均一とならないので、くさびの
接触面に耐熱性の高いセラミックスを採用した場合に
は、上下の摩擦熱の差で割れが発生するおそれもある。
そこで、本発明の目的は、外形を増やすことなく、所定
の制動特性を容易に得ることのできるエレベータの非常
止め装置を得ることである。
【0031】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する発明
は、ガイドレールの両側に対置してエレベータのかご又
はつり合いおもりに設けられかごの下降速度の超過で引
き上げられる引上棒と、この引上棒とともに上昇するく
さびの背面にガイドローラを介して対置する案内板と、
この案内板の外面側を開口端の内側の押圧具を介して押
圧するU字状の板ばねとを備えたエレベータの非常止め
装置において、板ばねを複数枚の板ばねで構成したこと
を特徴とする。
【0032】また、特に請求項2に対応する発明のエレ
ベータの非常止め装置は、案内板の外面側を押圧具を介
して押圧する第1層の板ばねの外側に並置される第2層
の板ばねの開口端の内側に、第2層の板ばねを第1層の
板ばねに係止する押圧具を突設したことを特徴とする。
【0033】また、特に請求項3に対応する発明のエレ
ベータの非常止め装置は、複数枚の板ばねの底部側を互
いに固定したことを特徴とし、請求項4に対応する発明
のエレベータの非常止め装置は、複数枚の板ばねの開口
端の押圧具を上下に設け、下側の押圧具とこの押圧具と
対置する案内板との間にくさびの上昇で密着する空隙を
形成したことを特徴とする。
【0034】さらに、請求項5に対応する発明のエレベ
ータの非常止め装置は、複数枚の板ばねの外側を順に短
くしたことを特徴とし、請求項6に対応する発明のエレ
ベータの非常止め装置は、押圧具の頭部の押圧部を球面
状としたことを特徴とする。このような手段によって、
本発明では板ばねの厚さを減らして製作を容易にすると
ともに、ばね特性の設定の自由度を上げる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエレベータの非常
止め装置の一実施形態を図面を参照して説明する。図1
は、本発明のエレベータの非常止め装置の第1の実施形
態を示す図で、従来の技術で示した図9に対応し、請求
項1及び請求項2と請求項6に対応する図である。ま
た、図2は、図1のA−A断面図で、同じく図10に対応
する図である。
【0036】図1及び図2において、従来の技術で示し
た図9及び図10と異なるところは、板ばねを複数枚で構
成したことで、他は、従来の技術で示した図9及び図10
と同一である。したがって、この図9及び図10と異なる
ところは、同一符号を付して説明を省略する。
【0037】すなわち、図1及び図2に示したエレベー
タの非常止め装置においては、板ばねは、図9及び図10
で採用した板ばね7Eと比べて板厚が薄くて曲げ深さの
浅い板ばね7Aと、この板ばね7Aとほぼ同一材料で、
曲げ深さが図9及び図10で示した板ばね7Aとほぼ同一
の板ばね7Bの重ね合わせで構成している。
【0038】また、内側の板ばね7Aの前端の外面側に
は、球面状の一対の凹部が上下に形成され、外側の板ば
ね7Bの前端の内面側から挿入された押圧座8の頭部
は、内側の板ばね7Aの前端外面側に形成された凹部に
嵌合し、板ばね7Bの復帰力によって凹部の底面に押圧
されている。
【0039】このように板ばね7A,7Bが組み込まれ
たエレベータの非常止め装置においては、板ばね7A,
7Bの厚さが薄くなったために、曲げ加工のためのプレ
ス機の容量が小さいもので加工することができるので、
製作が容易となる。
【0040】また、これらの板ばね7A,7Bは、板厚
が薄くなったことで、JIS規格の材料を使用すること
ができるので、入手性がよく、短納期のエレベータにも
対応することができるだけでなく、万一、所定のばね定
数が得られない場合には、板ばね7Aと板ばね7Bの板
厚を変え、例えば、内側の板ばね7Aの板厚は僅かに薄
く、外側の板ばね7Bは僅かに厚くすることで対応する
ことができる。
【0041】図3は、本発明のエレベータの非常止め装
置の第2の実施形態を示す正面図で、請求項3に対応
し、第1の実施形態で示した図1に対応する正面図、図
4は、同じく図2に対応する図3のB−B断面図であ
る。
【0042】図3及び図4において、第1の実施形態で
示した図1及び図2と異なるところは、外側の板ばねの
形状と2枚の板ばねを中間部において重ね互いに固定し
たことで、他は、図1及び図2と同一である。すなわ
ち、図3及び図4において、外側の板ばね7Cは、U字
状の曲げ深さが、内側の板ばね7Aの曲げ高さと同一と
なっている。
【0043】これらの板ばね7A,7Cは、底部が一対
の結束帯10で巻き付けられ、互いに締め付けられてい
る。結束帯10は、帯板状の高張力鋼で製作され、複数回
巻装され、巻き終りの部分は、その下層側に固定されて
いる。
【0044】なお、外側の板ばね7Cの前端の内側と内
側の板ばね7Aの前端の外面側との間の隙間は、図4で
は図形の錯綜を避けるために広く示しているが、実際に
は、微小な間隙となっていて、内側の板ばね7Aが僅か
に撓むと外側の板ばね7Cに接触し、くさびの反力を受
けるようになっている。
【0045】このように板ばね7A,7Cが構成された
エレベータの非常止め装置においては、図1及び図2で
示した板ばね7Bと比べて、板ばね7Cの曲げ深さを浅
くすることができるので、かごの下部に取り付けるため
の占有空間を減らすことができる。
【0046】図5は、このエレベータの非常止め装置の
作用を示すグラフで、くさびの上方への移動量とこのく
さびとガイドレールとの間にかかる面圧を示す図で、破
線は、従来の技術の図10で示した板ばね7Eを組み込ん
だ場合を示す。
【0047】図5で示すように、くさびが所定の高さだ
け上方に引き上げられると、従来の非常止め装置では、
ばねの取付圧力に対応する圧力P2がくさびとガイドレ
ールとの間に発生したが、図3及び図4で示した非常止
め装置では、圧力P2の約2分の1の圧力P1が内側の
板ばねによって加えられ、くさびが更に上昇して符号S
2の地点まで上がると、外側の板ばねで支えられる反力
によって、くさびとガイドレールとの間に働く圧力は、
内外の板ばねのばね定数の和の勾配で上昇する。
【0048】したがって、非常止め装置による制動力の
初期におけるかごの乗客への衝撃を緩和することができ
るので、従来の技術の図11及び図12で示した次第ぎき非
常止め装置と同様の特性を発揮させることができる。
【0049】なお、内外の板ばねの板厚を僅かに変える
ことで、図5の実線で示した特性をくさびの材料やかご
の仕様−重量,定格速度などに応じて、任意に対応する
こともできる。
【0050】また、外側の板ばねの作動する時間は、内
側の板ばねとの間の前述した隙間を変えることで対応さ
せることができ、例えば、球面継手8の軸部の細目ねじ
の板ばね7Aへの螺合深さを変えて、微調整を容易にし
てもよい。
【0051】また、図6は、本発明のエレベータの非常
止め装置の第3の実施形態を示す正面図で、請求項4に
対応し、第1の実施形態で示した図1及び第2の実施形
態で示した図3に対応する図である。
【0052】図6において、特に図1と異なるところ
は、外側の板ばねの両側の曲げ形状で、図6において、
下側が上側よりも広くなっていて、外側に傾斜してい
る。この結果、外側の板ばね7Dの前端下側に固定され
た押圧座8の頭部も、くさび3が上昇する前の状態で
は、板ばね7Aに形成された凹部と接触せず、僅かな空
隙で対置している。
【0053】このように板ばね7Dが形成されたエレベ
ータ用非常止め装置においては、くさび3が図6に示す
ように上方に引き上げられた状態、すなわち、くさび3
とガイドレール1との間の圧力が最大となる状態におい
て、板ばね7Aの上側の押圧座8による案内板6Aへの
押圧力が、下側の押圧座8による押圧力よりも高くな
り、くさび3の下端に印加される圧力よりも中間やや上
部に印加される圧力が高くなるので、くさび3とガイド
レール1との間に印加される押圧力を上下ほぼ均一にす
ることができ、偏荷重によるくさび3の摺動面の偏摩耗
を防ぐことができ、この偏摩耗に伴う保守・点検の頻度
の増加を防ぐこともできる。
【0054】次に、図7は、本発明のエレベータの非常
止め装置の第4の実施形態を示す正面図で、請求項3及
び請求項5に対応し、前述した実施形態で示した図1,
図3及び図6に対応する図、図8は同じく図2,図4に
対応する図7のC−C断面図である。図7及び図8にお
いて、前述した実施形態と異なるところは、板ばねの構
成で、合計4枚の長さの異なる板ばねの重ね合わせとな
っている。
【0055】すなわち、左右の案内板6Aの外面側に形
成された半球状の凹部に挿入され押圧座8を介して左右
の案内板6Aに前端が係止される板ばね7Aは、前述し
た図1〜図6で示した板ばね7Aと比べて板厚が僅かに
薄くなっており、この板ばね7Aの背面側に対して、曲
げ深さが順に浅い板ばね7E,7F,7Gが順に重ねら
れ、結束帯10Bで互いに固定されている。
【0056】すなわち、板ばね7Aの外面側に添設され
た板ばね7Eは、U字状の底部から弧状に90°曲げ加工
された後、更に板ばね7Aの両側の直線部分に僅かに伸
びている。
【0057】この板ばね7Eの外面側に添設された短い
板ばね7Fは、底部の直線部の端部から約75°の弧状部
が形成され、更にこの板ばね7Fの外面側に添設された
更に短い板ばね7Gは、底部の直線部の端部から、約60
°の弧状部を形成している。これらの板ばね7A,7
E,7F,7Gは、重ねられた弧状部に対して巻装され
た結束帯10Bで互いに固定されている。
【0058】このように構成されたエレベータの非常止
め装置においては、くさび3とガイドレール1の頭部側
面間の隙間を図1及び図2で示した非常止め装置と比べ
て狭くすることで、くさび3がガイドレール1に接触す
るまでの動作時間を短縮し、且つ、かごの停止時の衝撃
を減らすことができる。
【0059】さらに、くさび3が引き上げられることに
より、板ばね7E,7F,7Gによる反力でくさび3の
押圧力を次第に上げることができるので、かご内の乗客
に対する不快感を軽減し、かごの停止に要する時間を短
縮することもできる。
【0060】なお、上記実施形態では、かごに取り付け
られた非常止め装置の例で説明したが、つり合いおもり
に取り付けられた場合にも、全く同様に適用することが
できる。
【0061】
【発明の効果】以上、請求項1に対応する発明によれ
ば、ガイドレールの両側に対置してエレベータのかご又
はつり合いおもりに設けられかごの下降速度の超過で引
き上げられる引上棒と、この引上棒とともに上昇するく
さびの背面にガイドローラを介して対置する案内板と、
この案内板の外面側を開口端の内側の押圧具を介して押
圧するU字状の板ばねとを備えたエレベータの非常止め
装置において、板ばねを複数枚の板ばねで構成すること
で、板ばねの厚さを減らして製作を容易にするととも
に、ばね特性の設定の自由度を上げたので、外形を増や
すことなく、所定の制動特性を容易に得ることのできる
エレベータの非常止め装置を得ることができる。
【0062】また、特に請求項2に対応する発明によれ
ば、案内板の外面側を押圧具を介して押圧する第1層の
板ばねの外側に並置される第2層の板ばねの開口端の内
側に、第2層の板ばねを第1層の板ばねに係止する押圧
具を突設して、くさびの作動で撓む第2層の板ばねを押
圧具を介して第1層の板ばねに係止したので、板ばねの
厚さを減らして製作を容易にするとともに、ばね特性の
設定の自由度を上げ、外形を増やすことなく、所定の制
動特性を容易に得ることのできるエレベータの非常止め
装置を得ることができる。
【0063】また、特に請求項3に対応する発明によれ
ば、複数枚の板ばねの底部側を互いに固定することで、
請求項4に対応する発明によれば、複数枚の板ばねの開
口端の押圧具を上下に設け、下側の押圧具とこの押圧具
と対置する案内板との間にくさびの上昇で密着する空隙
を形成することで、板ばねの厚さを減らして製作を容易
にするとともに、ばね特性の設定の自由度を更に上げた
ので、外形を増やすことなく、所定の制動特性を容易に
得ることのできるエレベータの非常止め装置を得ること
ができる。
【0064】さらに、請求項5に対応する発明によれ
ば、複数枚の板ばねの外側を順に短くすることで、請求
項6に対応する発明によれば、押圧具の頭部の押圧部を
球面状とすることで、板ばねの厚さを減らして製作を容
易にするとともに、ばね特性の設定の自由度を更に上げ
るとともにくさびの作動で変形する板ばねを球面状の押
圧部で支えたので、外形を増やすことなく、所定の制動
特性を容易に得ることのできるエレベータの非常止め装
置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレベータの非常止め装置の第1の実
施形態を示す正面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本発明のエレベータの非常止め装置の第2の実
施形態を示す正面図。
【図4】図2のB−B断面図。
【図5】本発明のエレベータの非常止め装置の第2の実
施形態の作用を示すグラフ。
【図6】本発明のエレベータの非常止め装置の第3の実
施形態を示す正面図。
【図7】本発明のエレベータの非常止め装置の第4の実
施形態を示す正面図。
【図8】図7のC−C断面図。
【図9】従来の次第ぎき形のエレベータの非常止め装置
の一例を示す正面図。
【図10】図9のD−D断面図。
【図11】従来の次第ぎき形のエレベータの非常止め装
置の図9と異なる一例を示す正面図。
【図12】図11の正面図。
【符号の説明】
1…ガイドレール、2…引上棒、3…くさび、4…ロー
ラ保持板、5…ローラ、6A,6B…案内板、7A,7
B,7C,7D,7E,7F,7G,7H…板ばね、8
…押圧座、9A…上部板、9B…下部板、10A,10B…
結束帯。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 英彦 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガイドレールの両側に対置してエレベー
    タのかご又はつり合いおもりに設けられ前記かごの下降
    速度の超過で引き上げられる引上棒と、この引上棒とと
    もに上昇するくさびの背面にガイドローラを介して対置
    する案内板と、この案内板の外面側を開口端の内側の押
    圧具を介して押圧するU字状の板ばねとを備えたエレベ
    ータの非常止め装置において、前記板ばねを複数枚の板
    ばねで構成したことを特徴とするエレベータの非常止め
    装置。
  2. 【請求項2】 前記案内板の外面側を前記押圧具を介し
    て押圧する第1層の板ばねの外側に並置される第2層の
    板ばねの開口端の内側に、前記第2層の板ばねを前記第
    1層の板ばねに係止する前記押圧具を突設したことを特
    徴とする請求項1に記載のエレベータの非常止め装置。
  3. 【請求項3】 前記複数枚の板ばねの底部側を互いに固
    定したことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの
    非常止め装置。
  4. 【請求項4】 前記複数枚の板ばねの開口端の前記押圧
    具を上下に設け、下側の前記押圧具とこの押圧具と対置
    する前記案内板との間に、前記くさびの上昇で密着する
    空隙を形成したことを特徴とする請求項2に記載のエレ
    ベータの非常止め装置。
  5. 【請求項5】 前記複数枚の板ばねの外側を順に短くし
    たことを特徴とする請求項3に記載のエレベータの非常
    止め装置。
  6. 【請求項6】 前記押圧具の頭部の押圧部を球面状とし
    たことを特徴とする請求項1,2乃至請求項4のいずれ
    かに記載のエレベータの非常止め装置。
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