JPH11115504A - 自動車のバッテリ搭載構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】バッテリ搭載作業を容易にすると共に、バッテ
リを安定した状態で確実に固定できる自動車のバッテリ
搭載構造を提供する。 【解決手段】一側が隔壁３によって閉鎖され、隔壁３に
対向してバッテリ搬入口１４が形成されるバッテリ搭載
部１０のバッテリ載置部１１上に、予めバッテリが格納
されたバッテリキャリア２０を搬入して搭載する自動車
のバッテリ搭載構造において、バッテリ載置部１１の上
面にバッテリ搭載用ガイドレール１５と、バッテリキャ
リア２０の底面に嵌合レール２２を設け、バッテリ搬入
口１４近傍に配置された操作ハンドル３８の操作によっ
てバッテリキャリア２０を隔壁３に係止する第１ロック
部３０と、バッテリキャリア２０をバッテリ搬入口１４
近傍のバッテリ載置部１１に係止する第２ロック部とを
有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のバッテリ
搭載構造に関し、特に少なくとも一側が隔壁によって閉
鎖されると共に、該隔壁に対向してバッテリ搬入口が形
成されるバッテリ搭載部のバッテリ載置部上に、予めバ
ッテリが格納されたバッテリキャリアを上記バッテリ搬
入口から搬入して搭載する自動車のバッテリ搭載構造に
関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、排出ガスや騒音の少ない車両とし
て電気自動車や、低乃至中負荷時には電動モータにより
走行すると共に、高負荷時にはエンジンによって走行す
るハイブリッド自動車が種々開発されている。

【０００３】通常、このような電気自動車やハイブリッ
ド自動車のバッテリは、例えば特開平６−１６６３３０
号公報に開示されるように、複数個がバッテリキャリア
に格納されて車体の床下に支持され、その搭載作業は、
予め複数のバッテリが格納されたバッテリキャリアを、
車体下方からジャッキ等によって持ち上げることによっ
て車体床下に搭載している。

【０００４】また、ハイブリッドバス等にあっては、そ
の複数個数のバッテリが格納されたバッテリキャリアが
大型化し、一方ではより多くの客室のスペースを確保す
る要求があり、その対策としてエンジン房内の上方部に
バッテリ搭載部を設け、エンジン等のパワーユニットの
上方に配置することによって客室のスペースを確保して
いる。

【０００５】このようなハイブリッドバス等の大型のハ
イブリッド自動車にあっては、複数個のバッテリを格納
したバッテリキャリアが、例えば６００ｋｇとその重量
が大きく、かつ大型であることから、フォークリフトに
よって車体後方に開口するバッテリ搬入口よりバッテリ
搭載部に搬入して、バッテリ載置部上に載置すると共
に、固定具等によってバッテリキャリアを固定してい
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記、フォークリフト
によるバッテリ搭載にあっては、バッテリを格納したバ
ッテリキャリアが比較的大重量であっても搭載を可能に
する。

【０００７】しかし、フォークリフトにより限られたス
ペースのバッテリ搭載部に的確にバッテリが格納された
バッテリキャリアを搭載する作業には、高度な作業技術
と熟練が要求されると共に、ハイブリッドバス等にあっ
ては、客室とバッテリ搭載部とが隔壁によって区画され
ることから、バッテリ搭載部の奥部、換言するとバッテ
リ搭載部の隔壁側は隔壁によって閉鎖されていることか
ら、バッテリキャリアを固定具等によって係止する作業
は、作業者に多くの負担を強いることになり、或いはバ
ッテリキャリアの隔壁に近接した部位の係止が不可能で
あり、バッテリ搭載部の隔壁から離れたバッテリ搬入口
側のおいてのみでバッテリキャリアを固定することは、
その固定を不安定なもにする等の不具合を有する。

【０００８】従って、かかる点に鑑みなされた本発明の
目的は、バッテリ搭載作業を容易にすると共に、バッテ
リを安定した状態で確実に固定できる自動車のバッテリ
搭載構造を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項１に記載による自動車のバッテリ搭載構造は、少なく
とも一側が隔壁によって閉鎖されると共に、該隔壁に対
向してバッテリ搬入口が形成されるバッテリ搭載部のバ
ッテリ載置部上に、予めバッテリが格納されたバッテリ
キャリアを上記バッテリ搬入口から搬入して搭載する自
動車のバッテリ搭載構造において、上記バッテリ載置部
の上面に上記バッテリ般入口から上記隔壁方向に沿って
設けられたバッテリ搭載用ガイドレールと、上記バッテ
リキャリアの底面に設けられ、上記バッテリ搭載用ガイ
ドレールに嵌合してバッテリ載置部とバッテリキャリア
との相対位置を規制する嵌合レールと、上記バッテリ搭
載用ガイドレールに上記嵌合レールが嵌合した状態でバ
ッテリ搬入口近傍に配置された操作ハンドルの操作によ
って上記バッテリキャリアの上記隔壁に近接する部位を
隔壁乃至バッテリ載置部に係止する第１ロック部と、上
記バッテリ搭載用ガイドレールに嵌合レールが嵌合した
状態で上記バッテリキャリアの上記バッテリ搬入口に近
接する部位を上記バッテリ載置部に係止する第２ロック
部とを有することを特徴とする。

【００１０】請求項１の発明によると、バッテリが格納
されたバッテリキャリアをフォークリフト等によってバ
ッテリ搬入口からバッテリ載置部の上方に搬入して、下
降せしめることによってバッテリ載置部上に設けられた
バッテリ搭載用ガイドレールとバッテリキャリアの底面
に設けた嵌合レールとを嵌合させて、バッテリ載置部と
バッテリキャリアとの相対位置を規制し、その状態で第
１ロック部のバッテリ搬入口近傍の操作ハンドルによっ
てバッテリキャリアの隔壁に近接する部位を隔壁乃至バ
ッテリ載置部に係止し、かつ第２ロック部によってバッ
テリキャリアのバッテリ搬入口に近接する部位をバッテ
リ載置部に係止することから、バッテリキャリアの固定
がバッテリ搬入口近傍での操作によってのみ行え、隔壁
によって閉鎖させたバッテリ載置部上へのバッテリ搭載
作業が容易に実施でき、しかもバッテリキャリアがバッ
テリ搭載用ガイドレールと嵌合レールの嵌合、第１ロッ
ク部及び第２ロック部による係止によって確実に固定さ
れる。

【００１１】請求項２に記載の発明は、請求項１の自動
車のバッテリ搭載構造において、第１ロック部が、隔壁
に形成されたスライドピン挿入穴と、上記嵌合レールに
設けられたスライドピンガイド部にスライド可能に支持
されて先端が上記スライドピン挿入穴に嵌入可能なスラ
イドピンと、上記嵌合レールのバッテリ搬入口側端部に
揺動可能に基端が軸支されると共に、連結部材を介して
上記スライドピンの基端に連結されてスライドピンがス
ライドピン挿入穴に嵌入するロック位置とスライドピン
挿入穴から抜け出すアンロック位置との間を揺動する操
作ハンドルとを有することを特徴とする。

【００１２】請求項２の発明によると、嵌合レールのバ
ッテリ搬入口側端部に設けた操作ハンドルの操作によっ
て嵌合レールの設けたスライドピンガイド部にガイドさ
れるスライドピンを隔壁に設けたスライドピン嵌入穴に
係止することによってバッテリキャリアが係止され、第
１ロック部が容易に実施できる。

【００１３】請求項３に記載の発明は、請求項２の自動
車のバッテリ搭載構造において、上記バッテリ搭載用ガ
イドレールが、上方が開放した略断面略コ字形であっ
て、上記嵌合レールが該バッテリ搭載用レールに嵌合可
能な略断面コ字形であり、上記スライドピン、連結部材
及び操作ハンドルが上記嵌合レールの両側面部間に格納
配置されたことを特徴とする。

【００１４】請求項３の発明によると、スライドピン、
連結部材、操作ハンドル等の第１ロック部の作動部材が
嵌合レール内に格納され、作業者の安全性が確保される
と共に第１ロック部がコンパクトに構成される。

【００１５】請求項４に記載の発明は、請求項２または
３の自動車のバッテリ搭載構造において、上記スライド
ピンの先端が上記スライドピン挿入穴に嵌入したロック
位置に保持するロック保持機構を有することを特徴と
し、この発明によるとロック保持機構によってスライド
ピンがスライドピン挿入穴に嵌合したロック状態が確実
に維持される。

【００１６】請求項５に記載の発明は、請求項３の自動
車のバッテリ搭載構造において、略断面略コ字形に形成
された操作ハンドルの側壁部に穿設されたロックピン穴
と、上記嵌合レールの両側面に穿設されたロックピン貫
通孔と、該ロックピン貫通孔及び上記ロック位置におけ
る操作ハンドルのロックピン穴に貫通せしめられるロッ
クピンとを具備するロック機構を有することを特徴とす
る。

【００１７】請求項５の発明によると、操作ハンドルに
穿設されたロックピン穴及び嵌合レールに穿設されたロ
ックピン貫通孔にロックピンを貫通させることによって
操作ハンドルをロック位置に保持し、連結部材を介して
操作ハンドルに連結されたスライドピンがロック位置に
保持される。

【００１８】請求項６に記載の発明は、請求項５の自動
車のバッテリ搭載構造において、アンロック位置におけ
る操作ハンドルの側壁部によってロックピン貫通孔が閉
鎖されることを特徴とする。この発明によると、アンロ
ック位置においてはロックピンの挿入が阻止され、ロッ
ク位置においてのみロックピンの嵌挿が可能になり、ア
ンロック状態にもかかわらず、ロックピンを挿入する等
の誤操作が未然に回避される。

【００１９】請求項７に記載の発明は、請求項１から６
の自動車のバッテリ搭載構造において、第２ロック部
が、バッテリ搭載用ガイドレールに穿設されたロックピ
ン挿入孔と、嵌合レールに穿設されたロックピン貫通孔
と、これらロックピン挿入孔とロックピン貫通孔に貫通
せしめられるロックピンとを有することを特徴とする。

【００２０】請求項７の発明によると、第２ロック部が
バッテリ搭載用ガイドレールに穿設されたロックピン挿
入孔と、嵌合レールに穿設されたロックピン貫通孔と、
これらロックピン挿入孔とロックピン貫通孔とを貫通す
るロックピンとにより容易に構成できる。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下本発明による自動車のバッテ
リ搭載構造の一実施の形態をハイブリッドバスを例に図
によって説明する。

【００２２】図１は、本実施形態によるハイブリッドバ
スの要部を示す車体後部説明図、図２はフォークリフト
によるバッテリ搭載作業を説明する要部断面説明図であ
り、矢印Ｆ方向が車体前方である。

【００２３】ハイブリッドバス１の後部は、図１及び図
２に示すように客室２と隔壁３によって区画されたエン
ジン房内４を有し、エンジン房内４の下方部にエンジン
５、このエンジン５によって駆動される発電器６、電動
モータ７等のパワーユニットが搭載され、その上方に空
調装置８ａ等を搭載する空調装置搭載室８、インバータ
装置９ａ等を搭載するインバータ搭載室９及びバッテリ
搭載部１０等が順次積み重なるよに配置され、これらを
積み重ねるように配置することによりエンジン房内４が
占める車体前後方向の占有スペースを極力少なくして客
室２の有効スペースを確保することにより、居住性の向
上を図っている。

【００２４】上記バッテリ搭載部１０は、略矩形で棚状
のバッテリ載置部１１と、両側壁部１２（一方のみ図
示）と、天井部１３とによって囲まれたボックス状であ
って、その客室２側は、上記隔壁３によって閉鎖される
一方、隔壁３と対向するバッテリ搬入口１４となる車体
後部の開口部は、後面点検蓋（図示せず）によって開閉
自在に構成されている。

【００２５】バッテリ搭載部１０のバッテリ載置部１１
の上面には、図３に要部斜視図を示すようにバッテリ搬
入口１４側から隔壁３方向に沿って、換言すると車体前
後方向に沿って複数、本実施の形態では３個の上方が開
放する断面コ字形に形成されたバッテリ搭載用ガイドレ
ール１５が互いに離間して平行に配設されている。

【００２６】一方、複数のバッテリ（図示せず）を格納
するバッテリキャリア２０は、図３及び図５に図３の矢
視Ｂ方向からの側面図を示すように、上方が開放された
ボックス状であって、その底部に上記バッテリ載置部１
１に設けられた各バッテリ搭載用ガイドレール１５に上
方から嵌入可能な断面略コ字形の３個の嵌合レール２２
が設けられ、更に各嵌合レール２２間にフォークリフト
５０のフォーク５１を挿入するためのフォーク挿入口２
１が配設されている。

【００２７】更に、上記バッテリキャリア２０の隔壁３
に近接する部位を上記隔壁３に係止する第１ロック部３
０及びバッテリキャリア２０のバッテリ搬入口１４に近
接する部位を上記バッテリ載置部１１に係止する第２ロ
ック部４０とを有している。

【００２８】第１ロック部３０について説明すると、上
記バッテリ搭載用ガイドレール１５に対応して上記隔壁
３に開口するスライドピン挿入穴３１及びこのスライド
ピン挿入穴３１に嵌入してバッテリキャリア２０を係止
するスライドピン３２を有している。

【００２９】このスライドピン挿入穴３１が開口する隔
壁３は、図４に図３のＡ−Ａ断面を示すように、上下方
向に配設された角パイプからなるフレーム３ａと、この
フレーム３ａの客室２側に張設された客室側隔壁３ｂ
と、フレーム３ａのバッテリ搭載部１０側に張設された
バッテリ搭載部側隔壁３ｃと、両隔壁３ｂと３ｃとの間
に充填された防音及び断熱材材となる、例えばグラスウ
ール３ｄ等によって構成され、バッテリ搭載部側隔壁３
ｃ及びフレーム３ａを穿孔することによって上記スライ
ドピン挿入穴３１が形成されている。

【００３０】スライドピン３２は、その先端３２ａがテ
ーパ状に形成され、図６に図３のＣ−Ｃ断面、図７に図
６のＤ−Ｄ断面、図８に要部斜視図を示すように、嵌合
レール２２の隔壁側端部２２ａの両側面部２３間に架設
されたスライドピンガイド部３３にスライド可能に支持
され、スライドピン３２の基端３２ｂは連結部材３４を
介して操作ハンドル３８の揺動端３８ａに連結されてい
る。

【００３１】揺動端３８ａに連結部材３４が連結される
操作ハンドル３８は、断面略コ字形でその両側壁部３８
ｂの基端３８ｃが嵌合レール２２のバッテリ搬入口側端
部２２ｂ近傍において、その両側面部２３にヒンジピン
３９によって揺動自在に軸支され、揺動端３８ａの頂部
には操作用の握持部３８ｄが切り欠き形成され、更に両
側壁部３８ｂには後述するロック保持機構４５を構成す
るロックピン穴４６が穿設されている。

【００３２】スライドピン３２と操作ハンドル３８を連
結する連結部材３４は、スライドピン３２の基端３２ｂ
に揺動自在に先端３５ａが係止され、コッタピン３５ｃ
等によって抜け止めされた第１コネクティングロッド３
５と、この第１コネクティングロッド３５の基端３５ｂ
に回動自在にリテーナ３５ｃ等によって支持されたアジ
ャスタボルト３６と、先端３７ａが断面Ｌ字状に折曲さ
れてアジャスタボルト３６に螺合し基端３７ｂがハンド
ル３８の揺動端３８ａに揺動可能に軸支された第２コネ
クティングロッド３７とによって形成され、アジャスタ
ボルト３６によって第２コネクティングロッド３７に対
する螺合を調整することによって連結部材３４の長さが
調節されるように構成されている。

【００３３】これらスライドピン３２、連結部材３４、
操作ハンドル３８等の作動部材３４は、略断面コ字形に
形成された嵌合レール２２とバッテリキャリア２０の底
面によって覆われて、嵌合レール２２の両側面部２３間
に格納配置され、作業者に触れることなく作業の安全性
が確保されると共に、第１ロック部３０がコンパクトに
構成される。

【００３４】図９は、バッテリ搭載用ガイドレール１５
と嵌合レール２２が所定位置に嵌合した状態における図
３に示す矢視Ｅ部の要部拡大図であり、図１０は図９の
Ｇ方向からの説明図である。

【００３５】そして、図９に操作ハンドル３８を実線で
示すアンロック位置に回動することによって、連結部材
３４を介してスライドピン３２が図６及び図７に二点鎖
線で示すアンロック位置に、また操作ハンドル３８を図
９に二点鎖線で示すようにロック位置に回動することに
よってスライドピン３２が図６及び図７に実線で示すよ
うに突出して隔壁３に形成されたスライドピン挿入穴３
１に嵌入される。

【００３６】また、操作ハンドル３８が図９に実線で示
すアンロック位置にある状態では、嵌合レール２２の側
面部２３に穿設されたロックピン貫通孔４２が操作ハン
ドル３８の両側壁部３８ｂによって閉鎖され、二点鎖線
で示すロック位置においてのみロックピン穴４６がロッ
クピン貫通孔４２と連通してロックピン４３の挿入が許
容される。

【００３７】従って、アンロック状態にもかかわらず、
ロック状態と錯誤してロックピン４３をロックピン貫通
孔４２及びロックピン穴４６に挿入するといった誤操作
が未然に防止できる。

【００３８】第２ロック部４０は、図９及び図１０に示
すようにバッテリ搭載用ガイドレール１５のバッテリ搬
入側端部１５ａ近傍においてその両側面部１６に穿設さ
れたロックピン挿入孔４１と、嵌合レール２２の両側面
部２３に穿設された上記ロックピン貫通孔４２と、これ
らロックピン挿入孔４１及びロックピン貫通孔４２に挿
通可能なロックピン４３を有し、バッテリ搭載用ガイド
レール１５の所定位置に嵌合レール２２を嵌合せしめた
際、ロックピン挿入孔４１及びロックピン貫通孔４２が
同軸上に位置し、かつ操作ハンドル３８がロック位置状
態においてロックピン穴４６も同軸上となるように構成
されている。

【００３９】ロック保持機構４５は、嵌合レール２２の
側面部２３に穿設されたロックピン貫通孔４２と、上記
操作ハンドル３８の側壁部３８ｂに穿設されたロックピ
ン穴４６と、上記ロックピン４３によって構成される。

【００４０】そしてロック位置に操作ハンドル３８を回
動させた状態で、ロックピン貫通孔４２及びロック穴４
６にロックピン４３を貫通させることによって操作ハン
ドル３８がロック位置に保持され、スライドピン３２が
連結部材３４を介してロック位置に保持されるものであ
る。

【００４１】次に、このように構成される本実施形態の
作用について説明する。

【００４２】先ず、バッテリキャリア２０に複数のバッ
テリを格納し、操作ハンドル３８が図９に実線で示すよ
うに嵌合レール２２のバッテリ搬入口側端部２２ｂから
突出したアンロック位置、すなわちスライドピン３２を
図６及び図７に二点鎖線で示すように後退したアンロッ
ク位置の状態で準備する。

【００４３】そして、図２に示すようにフォーク挿入口
２１にフォークリフト５０のフォーク５１を挿入して、
フォークリフト５０によってバッテリキャリア２０を持
ち上げ、車体後部に開口するバッテリ挿入口１４からバ
ッテリ搭載部１０のバッテリ載置部１１の上方に搬入す
る。

【００４４】続いてフォークリフト５０によってバッテ
リキャリア２０を下降させて、バッテリキャリア２０の
底部に設けられた各嵌合レール２２をバッテリ載置部１
１に設けられたバッテリ搭載用ガイドレール１５の側面
部１６間に嵌合させ、バッテリ搭載用ガイドレール１５
にガイドさせつつ更に下降させると共に、バッテリキャ
リア２０を車体前方方向に移動させてバッテリキャリア
２０が隔壁３に接するようにセットする。

【００４５】このバッテリキャリア２０が隔壁３に接
し、嵌合レール２２がバッテリ搭載用ガイドレール１５
に上方から嵌合した状態において、第１ロック部３０の
スライドピン３２の先端３２ａの頂部は、図６及び図７
に二点鎖線で示すように隔壁３に開口するスライドピン
挿入穴３１に僅かに挿入される。

【００４６】この状態において、バッテリ搭載用ガイド
レール１５の側面部１６に穿設されるロックピン挿入孔
４１と嵌合レール２２の側面部２３に穿設されたロック
ピン貫通孔孔４２とは同軸上に位置決めされる。

【００４７】続いて、フォーク挿入口２１からフォーク
５１を引き抜きフォークリフト５０を退避させ、かつ操
作ハンドル３８をヒンジピン３９を中心に図９に二点鎖
線で示すようにロック位置に回動させて、操作ハンドル
３８に穿設されたロックピン穴４６をバッテリ搭載用ガ
イドレール１５の側面部１６及び嵌合レール２２の側面
部２３に開口する各ロックピン挿入孔４１、ロックピン
貫通孔４２と同軸上に移動させる。

【００４８】操作ハンドル３８の回動に伴って、操作ハ
ンドル３８の揺動端３８ａに連結された第２コネクティ
ングロッド３７、アジャスタボルト３６、第１コネクテ
ィングロッド３５等からなる連結部材３４を介してスラ
イドピン３２が、スライドピンガイド部３３にガイドさ
れつつ押し出され、図６及び図７に実線で示すようにス
ライドピン挿入穴３１に確実に嵌入する。

【００４９】次に、図１０に示すようにバッテリ搭載用
ガイドレール１５の側面部１６、嵌合レール２２の側面
部２３及び操作ハンドル３８の側壁３８ｂに各々穿設さ
れたロックピン挿入孔４１、ロックピン貫通孔４２及
び、ロックピン穴４６にロックピン４３を挿入させて貫
通せしめ、ロックピン４３にコッターピン４３ａを差し
込みロックピン４３の抜け止めを図る。

【００５０】これにより操作ハンドル３８の回動が規制
されて、スライドガイドピン３２がスライドピン挿入穴
３１に充分に挿入されて嵌合するロック位置に固定する
と共に、嵌合レール２２のバッテリ搭載用ガイドレール
１５に沿った方向の移動が規制されてバッテリキャリア
２０をバッテリ載置部１１上の所定位置に固定する。

【００５１】このようして搭載されたバッテリキャリア
２０は、バッテリ搭載用ガイドレール１５と嵌合レール
２２の嵌合によって車体幅方向、すなわちバッテリ搭載
用ガイドレール１５と交差する方向の移動が規制され、
隔壁３に形成されたスライドピン挿入穴３１に嵌合する
スライドピン３２によってバッテリキャリア２０におけ
る隔壁３側の部位の上下方向の移動が規制される。

【００５２】同時に、バッテリ搭載用ガイドレール１５
に穿設されたロックピン挿通孔４１と、嵌合レール２２
に穿設されたロックピン貫通孔４２とを貫通するロック
ピン４３によって、バッテリキャリア２０の主にバッテ
リ搬入口１４側に位置する部位の上下方向の移動及びバ
ッテリ搭載用ガイドレール１５の移動が規制され、バッ
テリキャリア２０は確実にバッテリ載置部１１上に固定
維持される。

【００５３】バッテリキャリア２０の取り外し作業は、
搭載作業とは逆に、先ずロックピン４３からコッタピン
４３ａを引き抜き、ロックピン４３を上記各ロックピン
挿入孔３４、ロックピン貫通孔４１及びロックピン穴４
６から抜き出し、ハンドル３８をロック位置からアンロ
ック位置へ回動させてスライドピン３２を隔壁３に形成
されたロックピン挿入穴３１から抜き出す。

【００５４】次にバッテリキャリア２０の底部に設けら
れたフォーク挿入口２１にフォークリフト５０のフォー
ク５１を挿入して、フォークリフト５０によってバッテ
リキャリア２０を持ち上げ、車体後部に開口するバッテ
リ挿入口１４から車外に搬出する。

【００５５】上記実施形態では、隔壁３のスライドピン
挿入穴３１にスライドピン３２を嵌挿してバッテリキャ
リア２０の隔壁３に近接する部位を隔壁３に係止した
が、バッテリ搭載用ガイドレール１５及び嵌合レール２
２の隔壁側端部１５ａ、２２ａ近傍の側面部１６、２３
にスライドピン挿入孔を穿設し、操作ハンドル３８の操
作によってリンク機構等を介して上記スライドピン挿入
孔にスライドピンが係脱するよう形成して、バッテリキ
ャリア２０の隔壁３に近接する部位をこれらスライドピ
ン挿入孔とスライドピンの係合によってバッテリ載置部
１１に係止することも可能である。

【００５６】またハイブリッドバスを例に説明したが、
他の自動車のバッテリ搭載構造に適用することも可能で
あり、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。

【００５７】

【発明の効果】以上説明した本発明による自動車のバッ
テリの搭載構造によると、バッテリが格納されたバッテ
リキャリアをフォークリフト等によってバッテリ般入口
からバッテリ載置部上に搬入することが可能になると共
に、バッテリ載置部及びバッテリキャリアに各々設けら
れたバッテリ搭載用ガイドレールと嵌合レールとを嵌合
し、第１ロック部のバッテリ搬入口の近傍に配置した操
作ハンドルによってバッテリキャリアの隔壁に近接する
部位を隔壁乃至バッテリ載置部に係止する一方、第２ロ
ック部によってバッテリキャリアのバッテリ搬入口に近
接する部位をバッテリ載置部に係止することから、バッ
テリキャリアが確実に固定され、かつ、この作業がバッ
テリ搬入口側からの操作のみで行え、隔壁等によって閉
鎖されたバッテリ載置部へのバッテリ搭載作業の効率化
が得られる等本発明特有の効果を有し、自動車の製造及
びメンテナンス等に貢献すること大なるのもである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明における自動車のバッテリ搭載構造の一
実施形態の概要を示すハイブリッドバスの車体後部説明
図である。

【図２】同じく、バッテリ搭載作業を説明する要部断面
説明図である。

【図３】同じく、要部斜視図である。

【図４】同じく、図３のＡ−Ａ断面図である。

【図５】同じく、図３における矢視Ｂ方向からの側面図
である。

【図６】同じく、図３におけるＣ−Ｃ断面図である。

【図７】同じく、図６におけるＤ−Ｄ断面図である。

【図８】同じく、要部斜視図である。

【図９】同じく、図２におけるＥ部の要部拡大図であ
る。

【図１０】同じく、バッテリ搭載用ガイドレールと嵌合
レールの係合状態を示す図９における矢視Ｇ方向からの
説明図である。

【符号の説明】

１ ハイブリッドバス ３ 隔壁 １０ バッテリ搭載部 １１ バッテリ載置部 １４ バッテリ搬入口 １５ バッテリ搭載用ガイドレール １６ 側面部 ２０ バッテリキャリア ２２ 嵌合レール ２２ａ 隔壁側端部 ２２ｂ バッテリ搬入口側端部 ２３ 側面部 ３０ 第１ロック部 ３１ スライドピン挿入穴 ３２ スライドピン ３３ スライドピンガイド部 ３４ 連結部材 ３８ 操作ハンドル ３８ａ 揺動端 ３８ｂ 側壁 ３８ｃ 基端 ４０ 第２ロック部 ４２ ロックピン貫通孔 ４３ ロックピン ４５ ロック保持機構 ４６ ロックピン穴

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも一側が隔壁によって閉鎖される
   と共に、該隔壁に対向してバッテリ搬入口が形成される
   バッテリ搭載部のバッテリ載置部上に、予めバッテリが
   格納されたバッテリキャリアを上記バッテリ搬入口から
   搬入して搭載する自動車のバッテリ搭載構造において、 上記バッテリ載置部の上面に上記バッテリ般入口から上
   記隔壁方向に沿って設けられたバッテリ搭載用ガイドレ
   ールと、 上記バッテリキャリアの底面に設けられ、上記バッテリ
   搭載用ガイドレールに嵌合してバッテリ載置部とバッテ
   リキャリアとの相対位置を規制する嵌合レールと、 上記バッテリ搭載用ガイドレールに上記嵌合レールが嵌
   合した状態でバッテリ搬入口近傍に配置された操作ハン
   ドルの操作によって上記バッテリキャリアの上記隔壁に
   近接する部位を隔壁乃至バッテリ載置部に係止する第１
   ロック部と、 上記バッテリ搭載用ガイドレールに嵌合レールが嵌合し
   た状態で上記バッテリキャリアの上記バッテリ搬入口に
   近接する部位を上記バッテリ載置部に係止する第２ロッ
   ク部と、 を有することを特徴とする自動車のバッテリ搭載構造。
2. 【請求項２】上記第１ロック部は、 上記隔壁に形成されたスライドピン挿入穴と、 上記嵌合レールに設けられたスライドピンガイド部にス
   ライド可能に支持されて先端が上記スライドピン挿入穴
   に嵌入可能なスライドピンと、 上記嵌合レールのバッテリ搬入口側端部に揺動可能に基
   端が軸支されると共に、連結部材を介して上記スライド
   ピンの基端に連結されてスライドピンがスライドピン挿
   入穴に嵌入するロック位置とスライドピン挿入穴から抜
   け出すアンロック位置との間を揺動する操作ハンドル
   と、 を有することを特徴とする請求項１に記載の自動車のバ
   ッテリ搭載機構。
3. 【請求項３】上記バッテリ搭載用ガイドレールは、上方
   が開放した略断面略コ字形であって、上記嵌合レールは
   上記バッテリ搭載用レールに嵌合可能な略断面コ字形で
   あり、上記スライドピン、連結部材及び操作ハンドルが
   上記嵌合レールの両側面部間に格納配置されたことを特
   徴とする請求項２に記載の自動車のバッテリ搭載構造。
4. 【請求項４】上記スライドピンの先端が上記スライドピ
   ン挿入穴に嵌入したロック位置に保持するロック保持機
   構を有することを特徴とする請求項２または３に記載の
   自動車のバッテリ搭載構造。
5. 【請求項５】略断面略コ字形に形成された上記操作ハン
   ドルの側壁部に穿設されたロックピン穴と、 上記嵌合レールの両側面に穿設されたロックピン貫通孔
   と、 該ロックピン貫通孔及び上記ロック位置における操作ハ
   ンドルのロックピン穴に貫通せしめられるロックピンと
   を具備するロック保持機構を有することを特徴とする請
   求項４に記載の自動車のバッテリ搭載構造。
6. 【請求項６】アンロック位置における操作ハンドルの側
   壁部によってロックピン貫通孔が閉鎖されることを特徴
   とする請求項５に記載の自動車のバッテリ搭載構造。
7. 【請求項７】上記第２ロック部は、 上記バッテリ搭載用ガイドレールに穿設されたロックピ
   ン挿入孔と、 上記嵌合レールに穿設されたロックピン貫通孔と、 これらロックピン挿入孔及びロックピン貫通孔に貫通せ
   しめられるロックピンと、 を有することを特徴とする請求項１〜６に記載の自動車
   のバッテリ搭載構造。