JPH11114334A - 多孔材およびその製造方法 - Google Patents

多孔材およびその製造方法

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JPH11114334A
JPH11114334A JP27900897A JP27900897A JPH11114334A JP H11114334 A JPH11114334 A JP H11114334A JP 27900897 A JP27900897 A JP 27900897A JP 27900897 A JP27900897 A JP 27900897A JP H11114334 A JPH11114334 A JP H11114334A
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plate
porous material
holes
preliminary
hole
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JP27900897A
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English (en)
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Shohei Sawada
昌平 澤田
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Nippon Kinzoku Co Ltd
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Nippon Kinzoku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】開孔寸法が小さくかつ正確に揃った多数の成形
孔2aを有する多孔材およびその製造方法を提供する。 【解決手段】板材1に多数の予備孔を形成した板材1を
面方向に剪断変形させ、これらの予備孔を押し潰すよう
に変形させ、開孔寸法を縮小させて成形孔2aを形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フイルタ、その他
の用途に利用される複数の開孔を有する多孔材およびこ
の多孔材を製造する方法に関する。さらに特定すれば、
本発明は比較的小さな開孔を能率的かつ正確に形成でき
る多孔材およびこれを製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、フイルタ材、粒子等を保持す
る流体透過性の壁材等として、多孔材が使用されてい
る。この多孔材としては、金網、セラミック等の焼結
材、および板材に多数の孔を形成した多孔板等がある。
【0003】上記の金網は、製造が容易であるが、開孔
の目の細かいものが得られないという不具合がある。ま
た、この金網は、素線の交差部に狭い隙間が形成される
ので、この素線の交差部において目詰まりが発生しやす
く、かつ目詰まりした固体物を除去するのが困難となる
等の不具合がある。
【0004】また、上記の焼結材料のものは、開孔の目
の細かいものが得られるが、開孔の大きさが一定してい
ない。このため、フイルタとして使用した場合に、分離
する固体物の寸法が不正確となるとともに、目詰まりが
発生しやすいという不具合がある。また粒子等を保持す
る流体透過性の壁材として使用した場合には、開孔の中
に保持すべき粒子が詰まったり、またこの開孔から粒子
が流出したりする不具合がある。
【0005】これに対して、金属等の板材に多数の孔を
有する上記の多孔板は、開孔の寸法が一定であるととも
に、構造的にも強固であるという特徴がある。したがっ
て、フイルタ材として使用した場合には、その濾過特性
が正確であり、また目詰まりしにくいとともに、洗浄も
容易である等の長所がある。また、粒子等を保持する流
体透過性の壁材として使用した場合には、開孔の寸法が
一定であるので、粒子の保持が確実であり、粒子が流出
することがない等の長所がある。
【0006】しかし、このような多孔板は、その製造が
困難であるという短所がある。すなわち、たとえばステ
ンレス鋼等の金属板に多数の開孔を形成する手段として
は、ドリル等に切削や、ポンチ等による打ち抜きがあ
る。しかし、これらの機械加工では、たとえば1mm以
下の小径の開孔を形成することは困難であるとともに能
率が低いという問題がある。また、レーザー加工やエッ
チングにより開孔を形成する手段もある。このような加
工方法によれば、0.1mmあるいはそれ以下の径の開
孔を形成することが可能であるが、深穴、すなわち板材
の厚さに対して径の小さい開孔を形成することが困難で
あるとともに、開孔の径や、開孔の内周面の形状等の精
度が低いという不具合がある。一般に、いずれの加工方
法においても、開孔の径が小さくなる程、また板厚に対
する開孔の径が小さくなる程、加工が困難となり、精度
が低下し、かつ加工能率が低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の事情に
基づいてなされたもので、たとえば数μmから数100
μm程度の小さな開孔寸法の多数の開孔を有し、かつ製
造が容易で能率的であるとともに、これらの開孔の形状
寸法を正確にすることができる多孔材、およびこれを製
造する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、塑性変形可能な材料からなる板材に、この板材に予
め形成された予備孔をこの板材の面方向の剪断変形によ
り細長状に変形させた複数の成形孔が形成されているこ
とを特徴とする多孔材である。
【0009】このような多孔材は、板材の面方向の剪断
変形によって、予備孔が変形し、その開孔寸法が縮小す
る。したがって、予備孔の開孔寸法は大きくすることが
でき、これらの予備孔を容易かつ能率的に形成すること
ができ、このように予備孔を形成した板材を面方向に剪
断変形させるだけでよく、容易かつ能率的に製造するこ
とができる。また、上記の予備孔は開孔寸法が大きいの
で、正確に形成でき、このような予備孔を縮小させて所
定の成形孔とするので、この成形孔の開孔寸法が数μm
から数100μm程度の小さなものであっても、正確か
つ容易に製造することができる。また、この成形孔の開
孔寸法が正確であるため、所定大きさ以上の固体物また
は粒子等のみをを正確かつ確実に分離または保持するこ
とができる。
【0010】なお、ここで、板材の「面方向の剪断変
形」とは、この板材をその面方向に沿って一方向に伸張
し、この一方向と直交する方向には短縮するように塑性
変形させることを意味するものとする。したがって、こ
の面方向の剪断変形は、たとえば帯状または矩形の板材
をその長手方向に伸張させ、幅方向に短縮させてより細
長い形状にするような変形、または、矩形の板材を平行
四辺形に、また平行四辺形の板材を矩形に変形させるよ
うな変形、あるいは円形の板材を楕円形に、また楕円形
の板材を円形に変形させるような変形である。
【0011】また、上記の予備孔または成形孔等の開孔
の開孔寸法とは、この開孔が円形の場合にはその直径、
非円形の場合にはその最小の差し渡し寸法または所定の
部分間の差し渡し寸法を意味するものとする。
【0012】また、請求項2に記載の本発明は、前記の
予備孔は菱形をなしていることを特徴とする請求項1の
多孔材である。したがって、この予備孔を多数配列した
場合には、この板材が全体的に格子状の構造となり、こ
の板材を面方向に剪断変形させる場合に、その変形が容
易となり、変形量を大きくすることができ、また変形に
伴うクラック等をより確実に防止することができる。
【0013】また、請求項3に記載の本発明は、前記の
予備孔は円形をなしていることを特徴とする請求項1の
多孔材である。したがって、これらの予備孔は単純な円
形であるので、ドリル加工、または打ち抜き加工等によ
り容易に形成することができ、製造が容易で能率的とな
る。
【0014】また、請求項4に記載の本発明は、前記の
予備孔および成形孔の内周面はテーパ状をなしているこ
とを特徴とする請求項1の多孔材である。したがって、
フイルタ材または粒子を保持する壁材として使用した場
合において、成形孔の開孔寸法の小さい側から流体を流
通させておけば、目詰まりを確実に防止でき、また逆方
向から流体を流通させて逆洗をすれば、目詰まり物を容
易に排除することができる。
【0015】また、請求項5に記載の本発明は、前記の
予備孔および成形孔の開孔寸法は前記の板材の厚さ方向
にわたって変化していることを特徴とする請求項1の多
孔材である。したがって、上記の請求項4に記載の発明
と同様な効果が得られる。
【0016】また、請求項6に記載の本発明は、前記の
成形孔内には粒子状物が保持されていることを特徴とす
る請求項1の多孔材である。この成形孔は、製造の際に
予備孔が縮小して形成されるので、この予備孔内に予め
粒子等を収容しておけば、この予備孔の縮小により、こ
れら粒子が機械的に成形孔内に保持される。よって、触
媒、耐摩耗材、反射材等の粒子を保持した多孔材を容易
かつ能率的に製造することができる。
【0017】また、請求項7に記載の本発明は、前記の
成形孔内には繊維状物が保持されていることを特徴とす
る請求項1の多孔材である。したがって、請求項6に記
載の発明と同様に、繊維状物を保持した多孔材を容易に
製造することができる。
【0018】また、請求項8に記載の本発明は、塑性変
形可能な材料から形成された板材に複数の予備孔を形成
する工程と、この板材をその面方向に沿う一方向に伸張
させるとともにこの方向と直交する方向に圧縮してこの
板材に面方向の剪断変形を生じさせる工程と、上記の剪
断変形により上記の予備孔を所定の開孔寸法の成形孔に
変形させる工程と、を具備したことを特徴とする多孔材
の製造方法である。
【0019】したがって、開孔寸法が小さく、また開孔
寸法の形状寸法が一定に揃った多孔材を容易に製造する
ことができる。また、請求項9の本発明は、前記の板材
は帯状材であり、前記の予備孔が形成されたこの帯状材
を幅方向を拘束しない状態で長手方向に伸張させ、この
帯状材を面方向に剪断変形させることを特徴とする請求
項9の多孔材の製造方法である。よって、このような多
孔材を連続的に、また、より能率的に製造することがで
きる。
【0020】また、請求項10に記載の本発明は、前記
の板材は帯状材であり、前記の剪断変形を生じさせる工
程は、前記の予備孔が形成された上記の帯状材をその長
手方向に沿った円筒形に変形させて両縁部を衝合させつ
つ断面円形のダイス孔内を挿通させてこの円筒状の帯状
材を伸張および縮径させ、これによりこの帯状材を長手
方向に伸張するとともに幅方向に圧縮して面方向の剪断
変形を生じさせるものであることを特徴とする請求項8
の多孔材の製造方法である。
【0021】したがって、この多孔材を連続的に能率的
に製造できるとともに、この板材がダイス孔の内周面に
密着した状態で面方向に剪断変形されるので、この剪断
変形の際の板材のしわ、座屈等を効果的に防止でき、ま
た板厚の薄い板材の剪断変形も可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
形態を説明する。図1および図2には、本発明の第1の
実施形態の多孔材を示す。図1には、この多孔材の剪断
変形前の平面形状を示し、また図2には、この剪断変形
後の完成された多孔材の平面形状を示す。
【0023】この多孔材は、塑性変形可能な材料、たと
えばステンレス鋼、鉄、銅、アルミニウム等の塑性変形
可能な金属材料、あるいは熱可塑性樹脂等の塑性変形可
能なその他の材料で形成された板材1から構成されてい
る。
【0024】そして、この板材1には、図1に示すよう
に、所定の配列、たとえば千鳥状の配列で多数の予備孔
2が形成されている。この実施形態の場合には、これら
の予備孔2は菱形であり、これらが所定の間隔で千鳥状
に配列されているので、この板材1の残余の部分は格子
状に形成されている。これらの予備孔2は、打ち抜き加
工、レーザ加工、エッチング加工、その他、従来公知の
技術、あるいは任意の手段により形成される。
【0025】なお、この実施形態では、この板材1の両
側縁部は山形に形成され、この板材1の全体が完全な格
子状に形成されるように構成されている。そして、この
ような予備孔2が形成された板材は、図1の矢印に示す
ように、面方向に剪断変形するように塑性変形される。
すなわち、この実施形態の場合には、この細長状の板材
1が長手方向すなわち矢印A方向に伸張され、かつ幅方
向すなわち矢印B方向に短縮するように変形される。
【0026】この剪断変形は、基本的にはこの板材1の
肉厚の変化を伴わない変形である。すなわち、基本的に
はこの板材1の予備孔2の部分以外の部分の面積の変化
を伴わない変形である。このため、この板材1の面方向
の剪断変形により、予備孔2は押し潰されるように変形
し、最終的には図2に示すようにスリット状の成形孔2
aが形成され、多孔板すなわち多孔材が形成される。な
お、上記の板材1の両側縁部3は前記のように山形に形
成され、格子の各部の幅が一定に形成されているので、
剪断変形された後は、この図2に示すように、この板材
1は矩形または帯状となり、またスリット状の成形孔2
aは等間隔に平行に配置される。
【0027】この実施形態の場合には、この図2に示す
多孔材は一次加工製品であり、この多孔材を適宜の形状
に打ち抜いて最終的な製品、たとえばフイルタ材または
粒子等を保持する流体透過性の壁材が形成される。
【0028】上記のスリット状の成形孔2aの幅がこの
場合の開孔寸法であり、この開孔寸法以上の寸法の固体
物や粒子等の通過が阻止される。この成形孔2aの開孔
寸法すなわちスリット幅は、この板材1に最初に形成す
る予備孔2の寸法、およびこの板材1の剪断変形の変形
量を調整することにより任意に設定することができる。
よって、正確でかつ一定の開孔寸法の成形孔2aを形成
することができ、好ましい特性のフイルタ材や壁材が得
られる。
【0029】また、上述のように、成形孔2aの開孔寸
法は予備孔2の開孔寸法よりはるかに縮小したものとな
る。よって、この予備孔2の開孔寸法は大きくてもよ
く、これら予備孔2の形成が容易かつ能率的である。ま
た、これらの成形孔2aの開孔寸法が数μmから数10
0μm程度の多孔材でも容易かつ能率的に製造すること
が可能である。
【0030】また、上記のような剪断変形は、比較的大
きな塑性変形量が得られる特徴がある。したがって、材
料の割れ等を生じることなく、大きく変形させることが
できる。また、この実施形態では、菱形の予備孔2が千
鳥状に配列されているので、この板材1は格子状をなし
ている。よって、この格子状の板材1を剪断変形させる
場合には、この格子が押し潰されるように変形し、格子
の交差部分に局部的に剪断変形が生じる。このため、こ
の板材1を剪断変形させるに必要な荷重は比較的小さく
なり、製造も容易となる。
【0031】また、図3には本発明の第2の実施形態の
多孔材の剪断変形前の状態を示す。このものは、両側縁
部3aが直線状の帯状の板材1aに前記の第1の実施形
態と同様な予備孔2を形成したものである。このもの
は、この板材1が最初の形状から帯状をなしているの
で、後述するように方法によって製造する場合に、取扱
が容易となる。
【0032】なお、この第2の実施形態の板材1aを剪
断変形して最終的な形状にした場合には、その両側縁部
が凹凸状に形成される点以外は、上記の図2に示すよう
な形状の板材すなわち多孔材が形成される。
【0033】また、図4には本発明の第3の実施形態の
多孔材の剪断変形前の状態を示す。このものは、予備孔
4が円形である他は上記の第2の実施形態のものと同様
で、この板材1aを剪断変形させた後の最終的な形状は
前記の図2に示すものと略同様となる。
【0034】この第3の実施形態のものは、予備孔4が
円形であるので、ドリル加工や打ち抜き等により、これ
らの予備孔を容易かつ能率的に形成することができると
いう特徴がある。
【0035】また、図5には本発明の第4の実施形態の
多孔材を示す。このものは、全体の構成は前記の図4に
示す第3の実施形態と同様な構成であるが、図5の
(a)に示すように予備孔4がテーパ状をなしている。
したがって、板材1aを剪断変形してこの予備孔4を縮
小し、図5の(b)に示すような成形孔4aを形成した
場合にも、この成形孔4aの内周面はテーパ状となる。
なお、このようなテーパ状の予備孔4は、レーザ加工、
エッチング加工等により容易に形成することができる。
【0036】この実施形態のものは、成形孔4aがテー
パ状をなしているので、開孔寸法の小さい側から流体を
流通させるようにすれば、目詰まりの少ないフイルタ材
や流体透過性の壁材を形成することができる。また、逆
方向から流体を流通させて逆洗をすれば、目詰まりした
固体物を容易に排除することができる。
【0037】また、図6には本発明の第5の実施形態の
多孔材を示す。このものは、予備孔4を板材1aの厚さ
方向に段部を形成して径が変化した形状とし、また成形
孔4aもこれに対応してその開孔寸法が板厚方向に変化
した形状としたものである。この第5の実施形態の作用
効果は、上記の第4の実施形態の作用効果と同様のもの
である。
【0038】なお、上記の第4および第5の実施形態の
特徴は、上記の第3の実施形態のものには限らず、他の
実施形態のものにも適用することができる。また、図7
には、本発明の第6の実施形態の多孔材を示す。この実
施形態の多孔材は、フイルタ材や流体透過性の壁材に用
いられるものではなく、製造の際に予備孔が縮小して成
形孔が形成される特徴を利用し、この成形孔内に各種の
機能を有する材料を保持させたものである。
【0039】この第6の実施形態のものは、この成形孔
4a内に触媒、耐摩耗材、反射材等の粒子状物5を保持
させたものである。これらの粒子状物5は、予め予備孔
内に充填されたもので、板材1aを剪断変形させて予備
孔を縮小させることにより、これら粒子状物5はこの成
形孔4a内に圧縮して機械的に保持される。
【0040】この実施形態のものは、触媒のキヤリア、
耐摩耗性がありかつ滑り止め効果のある板材、反射板等
に利用でき、有機接着剤を使用せずに粒子状物5を機械
的に保持しているので、耐久性が高い。
【0041】また、図8には、第7の実施形態の多孔材
を示す。このものは、成形孔4a内に繊維状物6を機械
的に保持させたもので、その他の構成および作用効果は
上記の第6の実施形態と同様である。
【0042】次に、上記のような多孔材を製造する方法
を説明する。この多孔材は、個々の製品として別々に製
造することができる。この場合には、所定の面方向の剪
断変形を与えた後の形状が最終製品の形状となるような
形状に板材を打ち抜き、この板材に前述のような予備孔
を形成し、この板材を面方向に剪断変形させれば良い。
たとえば、円形のフイルタ材が最終製品である場合に
は、楕円形の板材に予備孔を形成し、この板材を適宜の
方法で面方向の剪断変形を与えて最終的な円形の形状に
すれば良い。
【0043】また、この多孔材が一次加工製品である場
合には、これを連続的に製造することにより、極めて能
率的に製造することができる。このような連続的な製造
方法の第1の実施形態を図9および図10を参照して説
明する。図9には、この製造方法に使用する製造装置の
概略を示す。
【0044】この装置には、ダイス10が設けられ、こ
のダイス10には円形でかつテーパ状のダイス孔11が
形成されている。また、このダイス10の後方には、一
対の圧延ローラ12、および一対の引張ローラ13が設
けられている。
【0045】この製造方法では、前述した図3および図
4に示す第2および第3の実施形態のような帯状の板材
1aに予備孔2,4を形成した材料を使用する。この板
材1aは、図9の矢印方向に送られ、図10の(a)に
示すように順次円弧状に湾曲され、最後に図10の
(b)に示すようにその長手方向に沿った円筒形に湾曲
されて上記のダイス10のダイス孔11内に挿通され
る。この場合に、この帯状の板材1aの両側縁部は互い
に衝合する。
【0046】そして、この円筒状の形成された板材1a
は、上記のダイス孔11内を通過する際に径が縮小され
る。この結果、この板材1aは、その幅方向に圧縮され
るとともに、長手方向に引っ張られ、その面方向の剪断
変形が与えられる。なお、この場合に、この板材1aは
ダイス孔11の内周面に密着して押圧されるので、この
板材1aにしわや座屈が発生するのが効果的に防止され
る。
【0047】次に、このように引き抜かれた円筒状板材
1´は、圧延ローラ12によりさらに径が縮小される。
これらの圧延ローラ12には、断面が半円形の溝が形成
されており、これらの溝内で円筒状板材1´が縮径され
ることにより、幅方向にさらに圧縮されるとともに長手
方向に引き伸ばされ、さらに面方向の剪断変形が与えら
れる。このようにして、所定の面方向の剪断変形を与
え、所定の開孔寸法の成形孔を形成する。
【0048】なお、上記の実施形態では、ダイス10お
よび圧延ローラ12は1段のみ示してあるが、必要に応
じてこれらを複数段設け、所定の変形量だけ剪断変形さ
せるようにしても良いことはもちろんである。
【0049】このような製造方法によれば、上述のよう
な多孔材を連続的、かつ能率的に製造することができ、
上記のような多孔材を大量生産することができる。ま
た、図11および図12には、本発明の製造方法の第2
の実施形態を示す。このものは、図12に示すような板
材1aの厚さに対応したスリット状の隙間21を有する
ダイス20内に平板状のまま板材1aを挿通させるもの
である。なお、このスリット状の隙間21は、その幅が
一定で板材1aの両側縁部を拘束せず、引っ張りにより
この板材1aの幅が自由状態で縮小するものであるが、
このスリット状の隙間21の両側壁部をテーパ状にして
この板材1aを強制的に幅方向に圧縮するように構成し
ても良い。なお、このダイス20の後方には、一対の引
張ローラ22が設けられている。
【0050】この第2の実施形態の製造方法は、上記の
第1の実施形態の製造方法と同様に、この板材1aにし
わや座屈を生じることなく連続的に剪断変形させること
ができる。
【0051】
【発明の効果】上述の如く本発明の多孔材は、板材の面
方向の剪断変形によって、予備孔が変形してその開孔寸
法が縮小し、成形孔として形成されたるので、予備孔の
開孔寸法は大きくすることができ、これらの予備孔を容
易かつ能率的に形成することができ、このように予備孔
を形成した板材を面方向に剪断変形させるだけでよく、
容易かつ能率的に製造することができる。また、上記の
予備孔は開孔寸法が大きいので、正確に形成でき、この
ような予備孔を縮小させて所定の成形孔とするので、こ
の成形孔の開孔寸法が数μmから数100μm程度の小
さなものであっても、正確かつ容易に製造することがで
きる。また、この成形孔の開孔寸法が正確であるため、
所定大きさ以上の固体物または粒子等のみをを正確かつ
確実に分離または保持することができる等、その効果は
大である。
【0052】また、本発明の製造方法によれば、板材を
連続的に剪断変形し、開孔寸法が小さく、また開孔寸法
の形状寸法が一定に揃った多孔材を容易にかつ能率的に
製造することができる等、その効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔材の第1の実施形態の剪断変形前
の平面図。
【図2】本発明の多孔材の第1の実施形態の剪断変形後
の平面図。
【図3】本発明の多孔材の第2の実施形態の剪断変形前
の平面図。
【図4】本発明の多孔材の第3の実施形態の剪断変形前
の平面図。
【図5】本発明の多孔材の第4の実施形態の断面図。
【図6】本発明の多孔材の第5の実施形態の断面図。
【図7】本発明の多孔材の第6の実施形態の断面図。
【図8】本発明の多孔材の第7の実施形態の断面図。
【図9】本発明の製造方法の第1の実施形態を実施する
装置の概略図。
【図10】図9の10a−10aおよび10b−10b
線に沿う断面図。
【図11】本発明の製造方法の第2の実施形態を実施す
る装置の概略図。
【図12】図11の12−12線に沿う断面図。
【符号の説明】
1,1a 板材 2 予備孔 2a 成形孔 4 予備孔 4a 成形孔 10a ダイス孔 21 隙間

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塑性変形可能な材料からなる板材に、こ
    の板材に予め形成された予備孔をこの板材の面方向の剪
    断変形により細長状に変形させた複数の成形孔が形成さ
    れていることを特徴とする多孔材。
  2. 【請求項2】 前記の予備孔は菱形をなしていることを
    特徴とする請求項1の多孔材。
  3. 【請求項3】 前記の予備孔は円形をなしていることを
    特徴とする請求項1の多孔材。
  4. 【請求項4】 前記の予備孔および成形孔の内周面はテ
    ーパ状をなしていることを特徴とする請求項1の多孔
    材。
  5. 【請求項5】 前記の予備孔および成形孔の開孔寸法は
    前記の板材の厚さ方向にわたって変化していることを特
    徴とする請求項1の多孔材。
  6. 【請求項6】 前記の成形孔内には粒子状物が保持され
    ていることを特徴とする請求項1の多孔材。
  7. 【請求項7】 前記の成形孔内には繊維状物が保持され
    ていることを特徴とする請求項1の多孔材。
  8. 【請求項8】 塑性変形可能な材料から形成された板材
    に複数の予備孔を形成する工程と、 この板材をその面方向に沿う一方向に伸張させるととも
    にこの方向と直交する方向に収縮させてこの板材に面方
    向の剪断変形を生じさせる工程と、 上記の剪断変形により上記の予備孔を所定の開孔寸法の
    成形孔に変形させる工程と、を具備したことを特徴とす
    る多孔材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記の板材は帯状材であり、前記の予備
    孔が形成されたこの帯状材を幅方向を拘束しない状態で
    長手方向に伸張させ、この帯状材を面方向に剪断変形さ
    せることを特徴とする請求項9の多孔材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記の板材は帯状材であり、前記の剪
    断変形を生じさせる工程は、前記の予備孔が形成された
    上記の帯状材をその長手方向に沿った円筒形に変形させ
    て両縁部を衝合させつつ断面円形のダイス孔内を挿通さ
    せてこの円筒状の帯状材を伸張および縮径させ、これに
    よりこの帯状材を長手方向に伸張するとともに幅方向に
    圧縮して面方向の剪断変形を生じさせるものであること
    を特徴とする請求項8の多孔材の製造方法。
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