JP2016065139A - 吸着用シート及び吸着ユニットへの作業対象物の吸着方法並びにセラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents

吸着用シート及び吸着ユニットへの作業対象物の吸着方法並びにセラミックコンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な通気性を持ちながら、吸着する作業対象物へのダメージを低減させることができる吸着用シート及び該吸着用シートを用いる吸着ユニットへの作業対象物の吸着方法並びにセラミックコンデンサの製造方法を提供すること。【解決手段】作業対象物を真空吸着する吸着ユニットの吸着面に取り付けられる吸着用シートであって、前記吸着用シートは、中心軸が直線状に延びて、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する単層の樹脂シートを備え、前記樹脂シートの一方の主面の貫通孔の開口径aと他方の主面の貫通孔の開口径bとの比率a/bが80%以下であり、前記開口径aが10μm以下である吸着用シート;前記吸着用シートが前記開口径bの貫通孔を有する主面が吸着ユニットの吸着面に対向するように配置されている吸着ユニットへの作業対象物の吸着方法及びセラミックコンデンサの製造方法。【選択図】図2A

Description

本発明は、吸着用シート及び吸着ユニットへの作業対象物の吸着方法並びにセラミックコンデンサの製造方法に関する。
携帯電話等の小型電子機器の普及に伴い、当該機器に使用されるセラミックコンデンサの小型化、高容量化が求められている。セラミックコンデンサは、通常、誘電体薄膜(セラミックグリーンシート)を積層して製造される。セラミックコンデンサの小型化、高容量化の一手法としてセラミックグリーンシートの薄膜化があり、近年、1〜2μmの厚さにまで薄膜化を進めたセラミックグリーンシートが実用化され、さらに1μm以下の厚さにまで薄膜化が望まれている。
セラミックグリーンシートは、離型シート上に誘電体ペーストを塗工、乾燥することにより形成される。セラミックグリーンシートは、離型シートと一体となって、セラミックコンデンサ製造工程に供給される。供給されたセラミックグリーンシートは、必要に応じて電極膜の形成及び/又はカッティングがなされた後、離型シートから剥離され、所定の位置に搬送されて積層される。セラミックグリーンシートの離型シートからの剥離及び剥離したセラミックグリーンシートの搬送には、吸引によりセラミックグリーンシートを吸着する吸着ヘッド(suction head)の使用が一般的である(吸着搬送)。これにより、セラミックグリーンシートの安定した剥離及び搬送、並びに精度よい積層が可能となる。吸着ヘッドは、通常、金属からなるが、セラミックグリーンシートに含まれる微細なセラミック粉体によって、その吸着面(suction face)に傷が付きやすい。この傷は、後に吸着されるセラミックグリーンシートに傷が付く原因となり、セラミックコンデンサの不良発生の原因となる。このため、吸着面の保護を目的として、通気性を有する吸着用シート(suction sheet)が当該吸着面に配置される。また、吸着用シートを交換可能に配置することで、吸着ヘッド自体を取り外すことなくセラミックグリーンシート積層装置のメンテナンスが可能になる等の効果も得られる。
吸着用シートの一種に、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)からなる多孔質シートがある(例えば、特許文献1参照)。UHMWPEからなる多孔質シートは、通気性、表面平滑性、離型性に優れており、セラミックグリーンシートの剥離、吸着搬送、積層に好適である。
更に、厚さ方向にストレートな貫通孔のみを形成した吸着用シートがある(特許文献2参照)。本吸着用シートは通気性、表面平滑性、離型性に優れており、薄層のセラミックグリーンシートの剥離、吸着搬送、積層に好適である。
特開2006−26981号公報 特開2011−171728号公報
セラミックグリーンシートの薄膜化が進むと、セラミックグリーンシート自身が通気性を持つようになるとともに、離型シートとの間に働くファンデルワールス力の影響が大き
くなるため、離型シートからの剥離及び吸着搬送に必要な吸着力が増大する。このため、通気性をさらに向上させた吸着用シートの使用が望まれる。
シートの通気性を向上させるためには、通気経路の容積を大きくして通気抵抗を減らす手法が一般的である。例えば、多孔質シートの場合、その平均孔径及び/又は気孔率を大きくすることでシートの通気性が向上する。
しかしながら、多孔質シートを吸着用シートに用いる場合、平均孔径を大きくすると、セラミックグリーンシートが吸着用シート表面の孔に吸い込まれやすくなり、セラミックグリーンシートの変形及び積層不良が誘発される。一方、気孔率を大きくすると、セラミックグリーンシートの吸着時に吸着用シートが変形しやすくなり、セラミックグリーンシートの変形及び積層不良が誘発される。変形及び積層不良の問題は、薄膜化されたセラミックグリーンシートで特に起きやすい。
このような事情のもと、本発明は、良好な通気性を持ちながら、吸着する作業対象物へのダメージを低減させることができる吸着用シートの提供を目的とする。また、該吸着用シートを用いる吸着ユニットへの作業対象物の吸着方法の提供を目的とする。さらに、該吸着用シートを用いるセラミックコンデンサの製造方法の提供を目的とする。
本発明は、作業対象物を真空吸着する吸着ユニットの吸着面に取り付けられる吸着用シートであって、前記吸着用シートは、中心軸が直線状に延びて、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する単層の樹脂シートを備え、前記樹脂シートの一方の主面の貫通孔の開口径aと他方の主面の貫通孔の開口径bとの比率a/bが80%以下であり、前記開口径aが10μm以下である、吸着用シートを提供する。
また、本発明は、吸着ユニットの吸着面に、前記吸着面と作業対象物(吸着対象物)を直接的に接触させずに、吸着用シートを介して前記作業対象物を吸着させる工程を含み、前記吸着用シートは、中心軸が直線状に延びて、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する単層の樹脂シートを備え、前記樹脂シートの一方の主面の貫通孔の開口径aと他方の主面の貫通孔の開口径bとの比率a/bが80%以下であり、前記開口径aが10μm以下であり、前記吸着用シートは、前記開口径bの貫通孔を有する主面が前記吸着面に対向するように配置されている、吸着ユニットへの作業対象物の吸着方法を提供する。
さらに、本発明は、離型フィルム上に形成されたセラミックグリーンシートを、吸着ユニットの吸着面に吸着させて前記離型フィルムから剥離する剥離工程と、剥離した前記セラミックグリーンシートを、前記吸着面に吸着させたまま搬送し、搬送先で他のセラミックグリーンシートと積層する積層工程と、前記剥離工程及び前記積層工程を複数回繰り返して得られた前記セラミックグリーンシートの積層体を焼成する焼成工程と、を含み、前記吸着面に、前記セラミックグリーンシートと前記吸着面との直接の接触を防ぐ、吸着用シートが配置されており、前記吸着用シートは、中心軸が直線状に延びて、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する単層の樹脂シートを備え、前記樹脂シートの一方の主面の貫通孔の開口径aと他方の主面の貫通孔の開口径bとの比率a/bが80%以下であり、前記開口径aが10μm以下であり、前記吸着用シートは、前記開口径bの貫通孔を有する主面が前記吸着面に対向するように配置されている、セラミックコンデンサの製造方法を提供する。
上記の構成を有する本発明の吸着用シートを用いることによって、当該吸着用シートの主面に存在する孔(開口)の作業対象物の吸い込み及び吸い込みによる作業対象物へのダ
メージ(吸着痕)が抑制されながら、当該作業対象物が効率よく吸着される。
本発明の吸着方法では、中心軸が直線状に延びて、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する単層の樹脂シートを備え、前記樹脂シートの一方の主面の貫通孔の開口径aと他方の主面の貫通孔の開口径bとの比率a/bが80%以下であり、前記開口径bが10μm以下である吸着用シートを、樹脂シートの前記開口径bの貫通孔を有する主面が吸着ユニットの吸着面に対向するように配置して、吸着ユニットに作業対象物を吸着させる。この吸着用シートは、作業対象物と吸着ユニットの吸着面とを直接的に接触させないために用いる。作業対象物は、吸着用シートを介して、吸着面に吸着される。吸着用シートの配置により、吸着ユニットの吸着面が保護される。当該吸着用シートは、通気性を確保するための孔の径(開口径)が小さいながらも、高い通気性を有する。このため、本発明の吸着方法では、吸着用シートの表面に存在する孔(開口)への作業対象物の吸い込みが抑制されながら、当該対象物が効率よく吸着される。作業対象物が、セラミックコンデンサの製造に用いられるセラミックグリーンシートである場合、セラミックグリーンシートを離型シートから確実に剥離できるとともに、剥離時及び吸着搬送時におけるセラミックグリーンシートの変形が抑制され、積層工程におけるセラミックグリーンシートの積層不良の発生が抑制される。この効果は、吸着用シートの表面に存在する孔(開口)への吸い込みが発生しやすく、剥離シートから剥離しにくい薄膜化セラミックグリーンシートが作業対象物である場合に、特に顕著となる。
本発明の製造方法では、中心軸が直線状に延びて、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する単層の樹脂シートを備え、前記樹脂シートの一方の主面の貫通孔の開口径aと他方の主面の貫通孔の開口径bとの比率a/bが80%以下であり、前記開口径aが10μm以下である吸着用シートを、樹脂シートの前記開口径bの貫通孔を有する主面が吸着ユニットの吸着面に対向するように配置して、セラミックコンデンサを製造する。この吸着用シートは、セラミックグリーンシートと吸着ユニットの吸着面とを直接的に接触させないために用いる。吸着ユニットは、離型フィルム上に形成されたセラミックグリーンシートを、吸着ユニットの吸着面に吸着させて離型フィルムから剥離する剥離工程、並びに剥離したセラミックグリーンシートを、吸着面に吸着させたまま搬送(吸着搬送)し、搬送先で他のセラミックグリーンシートと積層する積層工程に使用される。吸着用シートの配置により、吸着ユニットの吸着面が保護される。当該吸着用シートは、通気性を確保するための孔の径(開口径)が小さいながらも、高い通気性を有する。このため、本発明の製造方法では、吸着用シートの表面に存在する孔(開口)へのセラミックグリーンシートの吸い込みが抑制されながら、セラミックグリーンシートが効率よく吸着される。これにより、剥離工程においてセラミックグリーンシートが離型シートから確実に剥離されるとともに、剥離時及び吸着搬送時におけるセラミックグリーンシートの変形が抑制され、積層工程におけるセラミックグリーンシートの積層不良の発生が抑制される。この効果は、吸着用シート表面に存在する孔(開口)への吸い込みが発生しやすく、剥離シートから剥離しにくい薄膜化セラミックグリーンシートを使用する場合に、特に顕著となる。
本発明の吸着方法及び製造方法に使用する吸着用シートの一例を模式的に示す平面図である。 図1に示す吸着用シートの断面B−Bを示す断面図である。 本発明の一実施態様の吸着用シートの断面B−Bを示す断面図である。 イオンビーム照射の概略を説明するための模式図である。 本発明の吸着用シートに用いる樹脂シートの製造方法における工程(II)の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の吸着用シートの一実施態様の斜視図である。 本発明の吸着用シートの一実施態様の断面図である。 本発明の吸着ユニットへの作業対象物の吸着方法の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のセラミックコンデンサの製造方法の一例における剥離工程を示す模式図である。 本発明のセラミックコンデンサの製造方法の一例における積層工程を示す模式図である。 本発明のセラミックコンデンサの製造方法の一例における焼成工程を示す模式図である。
本発明の吸着用シートは、厚さ方向に中心軸(貫通孔の軸線)が直線状に貫通し、表面と裏面の孔径が所定の比率で異なる非対称構造の貫通孔(以下、単に「非対称貫通孔」ともいう)を複数有する。吸着用シートは、当該貫通孔を除いて無孔の樹脂シートを用いるのが好ましい。
図1、図2A及び図2Bに吸着用シートの一例を示す。図2Aは、図1に示す吸着用シート11の断面B−Bを示す。吸着用シート11には、その厚さ方向に貫通する多数の貫通孔12が形成されている。吸着用シート11は、貫通孔12を除き、無孔である。貫通孔の軸線は、直線状である。
貫通孔の径とは、一方の主面における開口径a(もしくはb)の開孔の断面形状(例えば開口形状)を円とみなしたときの当該円の直径、換言すれば、一方の主面における開口径a(もしくはb)の開孔の断面積(例えば開口面積)と同一の面積を有する円の直径をいう。また、下記の開口径a及び開口径bは、特に記載のない限り、前記直径の平均値を意味する。
吸着用シートは、中心軸が直線状に延びて、厚さ方向に貫通する複数の非対称貫通孔を有する単層の樹脂シートを備える。
前記樹脂シートは、一方の主面の貫通孔の開口径aと他方の主面の貫通孔の開口径bとの比率a/bが80%以下であり、前記貫通孔の径aは10μm以下である。このような非対称貫通孔を有する樹脂シートを用いることによって、当該シートの表面に存在する孔(開口)への作業対象物(例えば、セラミックグリーンシート)の吸い込みが抑制される。貫通孔aの孔径が10μmを超えると、シートの表面に存在する開口への作業対象物の吸い込みが生じやすい。また、吸い込みが起こらないまでも、作業対象物の表面に開口の跡がつくことで、作業対象物の厚さにバラツキが生じやすい。作業対象物が薄層セラミックグリーンシートである場合、シートの厚さのバラツキは、積層工程におけるセラミックグリーンシートの積層不良の発生につながる。貫通孔aの径は5μm以下が好ましい。前記貫通孔の径bは貫通孔の径aより大きく、a/bの比率は80%以下であり、通気性の観点から60%以下が好ましい。貫通孔aの径(開口径)及びa/bの下限は、樹脂シートがJIS P8117に準拠して測定したガーレー数にして100mL当たり10秒以下である限り、特に限定されない。当該孔径aの下限は、例えば、0.05μmである。
貫通孔の開口形状は、特に限定されず、例えば、円形であってもよいし、不定形であってもよい。図1,図2Aに示す吸着用シート11では、貫通孔12の開口形状は円形である。
貫通孔の軸線は、通常、樹脂シートの主面に垂直な方向である。当該貫通孔が樹脂シートの厚さ方向に貫通する(当該貫通孔によって、樹脂シートの厚さ方向の通気が確保される)限り、貫通孔の軸線は、主面に垂直な方向から傾いていてもよい(図2B)。前記傾
きは、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、前記軸線の方向はランダムに異なっていてもよい(図2B)。
樹脂シートは複数の貫通孔を有し、貫通孔同士は、典型的には互いに独立しているが、本発明の効果を妨げない限り、2以上の貫通孔同士が結合されていてもよい。例えば、貫通孔の軸線が樹脂シートの主面に垂直な方向である場合、表面と裏面の孔径の相違に起因して、開口径aの貫通孔を有する主面の開孔同士は互いに独立し、開口径bの貫通孔を有する主面の開孔同士が結合されていてもよい。貫通孔は、例えばイオンビーム照射及びエッチングにより形成できる。イオンビーム照射及びエッチングでは、開口径及び軸線の方向が揃った多数の貫通孔を樹脂シートに形成できる。また、樹脂シートの少なくとも一部に軸線の方向がランダムに異なる部分を含む場合、前記部分はイオンビーム照射をランダム方向に行うことで形成でき、前記部分において2以上の貫通孔同士がシート内で結合されていてもよい(図2B)。
通気経路となる貫通孔の貫通方向は、樹脂シートの厚さ方向である。貫通孔の形状は、前記開口径aの貫通孔を有する主面の孔径が裏面の孔径より小さい非対称構造である。このため、開口径aの貫通孔を有する主面を作業対象物に対向させて使用することで、作業対象物に対向する主面の孔径は小さいにも関わらず、厚さ方向の通気抵抗が非常に低く、良好な通気性を有する吸着用シートとなる。また、横漏れのない吸着用シートとなる。
前記非対称貫通孔を有する樹脂シートを構成する材料としては、イオンビーム照射及びエッチングによって上記貫通孔が形成される材料である限り、特に限定されない。前記材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)からなる群から選ばれる1種以上の樹脂が好ましい。表面の平滑性に優れることから、樹脂シートはPETから構成されることがさらに好ましい。これらの樹脂は、アルカリ物質及び/又は酸化剤を含むエッチング処理液により分解される。PIは、次亜塩素酸ナトリウムを主成分として含むエッチング処理液により分解される。その他の樹脂は、水酸化ナトリウムを主成分として含むエッチング処理液により分解される。アルカリ物質は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。酸化剤は、例えば、亜塩素酸及びその塩、次亜塩素酸及びその塩、過酸化水素、過マンガン酸カリウム等が挙げられる。前記樹脂シートは、樹脂以外の材料を含んでいてもよい。前記樹脂以外の材料としては、例えば、光安定剤、酸化防止剤等の添加剤、樹脂原料に由来するオリゴマー成分、金属酸化物(例えば白色顔料:アルミナ、酸化チタン等)等が挙げられる。
前記非対称貫通孔を有する樹脂シートは、以下の製造方法により作製することができる。
イオンビームを、高分子シート(前記した材料としての樹脂シート)に照射する工程(I)と、前記イオンビーム照射後の高分子シートにおけるイオンが衝突した部分を化学エッチングして、前記イオンの衝突の軌跡に沿って延びる貫通孔を当該シートに形成する工程(II)と、を含む。前記工程(II)において、前記高分子シートの一方の主面へのマスキング層の配置により、当該一方の主面からの前記部分のエッチングに比べて、前記高分子シートの他方の主面からの前記部分のエッチングの程度が大きい化学エッチングを実施することにより得ることができる。前記製造方法は、非対称構造膜が得られる限り、工程(I)、(II)以外の任意の工程を含んでいてもよい。
[工程(I)]
工程(I)では、イオンビームを高分子シートに照射する。イオンビームは、加速されたイオンにより構成される。イオンビームの照射により、当該ビーム中のイオンが衝突した高分子シートが形成される。イオンビームを照射する方法は限定されない。例えば、高
分子シート1をチャンバーに収容し、チャンバー内の圧力を低くした後(例えば、照射するイオン2のエネルギーの減衰を抑制するために高真空雰囲気とした後)、ビームラインからイオン2を高分子シート1に照射する。チャンバー内に特定の気体を加えてもよいし、高分子シート1をチャンバーに収容するが当該チャンバー内の圧力を減圧せず、例えば大気圧でイオンビームの照射を実施してもよい。
イオンビームを高分子シートに照射すると、図3に示すように、ビーム中のイオン2が高分子シート1に衝突し、衝突したイオン2は当該シート1の内部に軌跡3(このようなイオンの衝突の軌跡を「イオントラック」ともいう)を残す。イオン2は、通常、高分子シート1を貫通する。
帯状の高分子シート1が巻回されたロールを準備し、当該ロールから高分子シート1を送り出しながら、連続的に高分子シート1にイオンビームを照射してもよい。上述したチャンバー内に上記ロール(送り出しロール)と、イオンビーム照射後の高分子シート1を巻き取る巻き取りロールとを配置し、減圧、高真空等の任意の雰囲気としたチャンバー内において送り出しロールから帯状の高分子シート1を送り出しながら連続的に当該シートにイオンビームを照射し、ビーム照射後の高分子シート1を巻き取りロールに巻き取ってもよい。
前記樹脂から構成される高分子シート1は、イオン2が衝突した部分の化学エッチングがスムーズに進行しながらも、その他の部分の化学エッチングが進行し難い特徴を有しており、高分子シート1における軌跡3に対応する部分の化学エッチングの制御が容易となる。このため、非対称貫通孔を有する樹脂シートとしての細孔の形状の制御の自由度をより高くできる。
イオンビームを照射する高分子シート1は、例えば、無孔のシートである。この場合、工程(I)及び(II)以外に当該シートに孔を設けるさらなる工程を実施しない限り、工程(I)及び(II)により形成された細孔以外の部分が無孔である樹脂シートを得ることができる。上記さらなる工程を実施した場合、工程(I)及び(II)により形成された細孔と、上記さらなる工程により形成された孔とを有する樹脂シートが得られる。
高分子シート1に照射、衝突させるイオン2の種類は限定されないが、高分子シート1を構成する樹脂との化学的な反応が抑制されることから、ネオンより質量数が大きいイオンが好ましい。具体的には、アルゴンイオン、クリプトンイオン及びキセノンイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のイオンが好ましい。
ビーム照射後の高分子シート1に形成される軌跡3の状態は、当該シートに照射したイオン2の種類及びエネルギーによっても変化する。例えば、アルゴンイオン、クリプトンイオン及びキセノンイオンでは、同じエネルギーの場合、原子番号が小さい原子のイオンほど、高分子シート1に形成される軌跡3の長さが長くなる。イオン種の変化及びイオンのエネルギーの変化に伴う軌跡3の状態の変化は、工程(II)の化学エッチング後に形成される細孔の形状に影響を与える。このため、イオン種及びそのエネルギーの選択を併用することにより、非対称貫通孔を有する樹脂シートとしての細孔の形状の制御の自由度をより高くできる。
イオン2がアルゴンイオンである場合、そのエネルギーは、典型的には100〜1000MeVである。イオン2がクリプトンイオンである場合、そのエネルギーは、典型的には100〜1000MeVである。イオン2がキセノンイオンである場合、そのエネルギーは、典型的には100〜1000MeVである。高分子シート1に照射するイオン2のエネルギーは、イオン種及び高分子シートを構成する樹脂の種類に応じて調整しうる。
高分子シート1に照射するイオン2のイオン源は限定されない。イオン源から放出されたイオン2は、例えば、イオン加速器により加速された後にビームラインを経て高分子シート1に照射される。イオン加速器としては、例えば、AVFサイクロトロン等のサイクロトロンが挙げられる。
イオン2の経路となるビームラインの圧力は、ビームラインにおけるイオン2のエネルギー減衰を抑制する観点から、10-5〜10-3Pa程度の高真空が好ましい。イオン2を照射する高分子シート1が収容されるチャンバーの圧力が高真空に達していない場合、イオン2を透過する隔壁によって、ビームラインとチャンバーとの圧力差を保持してもよい。隔壁は、例えば、チタン膜あるいはアルミニウム膜から構成される。
イオン2は、例えば、高分子シート1の主面に垂直な方向から当該シートに照射される。この場合、軌跡3がシート1の主面に垂直に延びるため、後の化学エッチングにより、シート1の主面に垂直な方向に延びる細孔が形成された樹脂シートが得られる。イオン2は、高分子シート1の主面に対して斜めの方向から当該シートに照射してもよい。この場合、後の化学エッチングにより、シート1の主面に対して斜めの方向に延びる細孔が形成された樹脂シートが得られる。高分子シート1に対してイオン2を照射する方向は、公知の手段により制御できる。
イオン2は、例えば、複数のイオン2の飛跡が互いに平行となるように当該シート1に照射される。この場合、後の化学エッチングにより、互いに平行に延びる複数の細孔が形成された樹脂シートが得られる。イオン2を、複数のイオン2の飛跡が互いに非平行(例えば互いにランダム)となるように当該シート1に照射してもよい。
イオン2は、2以上のビームラインから高分子シート1に照射してもよい。
工程(I)は、高分子シート1の主面、例えば上記一方の主面、にマスキング層が配置された状態で実施してもよい。
[工程(II)]
工程(II)では、工程(I)においてイオンビームを照射した後の高分子シート1におけるイオン2が衝突した部分を化学エッチングして、イオン2の衝突の軌跡3に沿って延びる細孔を当該シート1に形成する。
イオンビームを照射した後の高分子シート1には衝突の軌跡(イオントラック)3が残存している。軌跡3では、高分子シート1を構成するポリマー鎖に、イオン2との衝突による損傷が生じている。損傷が生じたポリマー鎖は、イオン2と衝突していないポリマー鎖に比べて、化学エッチングにより分解、除去されやすい。このためイオンビーム照射後の高分子シート1を化学エッチングすることにより、高分子シート1における軌跡3の部分が選択的に除去され、イオン2の衝突の軌跡3に沿って延びる細孔が形成された樹脂シートが得られる。
イオン2は通常高分子シート1を貫通するため、ビーム照射後の高分子シート1におけるイオン2が衝突した部分の全てを化学エッチングすることにより細孔として貫通孔が形成される。得られた樹脂シートにおける細孔以外の部分は、シート1の状態を変化させる工程をさらに実施しない限り、基本的に、イオンビーム照射前の高分子シート1と同じである。当該細孔以外の部分は、例えば無孔でありうる。
工程(II)では、高分子シート1の一方の主面にマスキング層を配置した状態で化学エッチングを実施する。このため、この化学エッチングでは、高分子シート1におけるイ
オン2が衝突した部分のエッチングについて、マスキング層を配置した上記一方の主面からのエッチングに比べて、他方の主面からのエッチングの程度が大きくなる。すなわち、工程(II)では、当該シートの双方の主面からのエッチングが非対称的に進行する化学エッチングを実施する(以下、単に「非対称エッチング」ともいう)。一方、従来の方法では、高分子シートの双方の主面からのエッチングが均等に(対称的に)進行する(以下、単に「対称エッチング」ともいう)。なお、「エッチングの程度が大きい」とは、より具体的には、例えば、上記部分について単位時間あたりのエッチング量が大きいこと、すなわち上記部分についてエッチング速度が大きいことを意味する。
工程(II)では、高分子シート1の一方の主面への、高分子シート1におけるイオン2が衝突した部分に比べて化学エッチングされ難いマスキング層の配置により、当該一方の主面からの上記部分のエッチングを抑止しながら、高分子シート1の他方の主面からの上記部分のエッチングを進行させる化学エッチングを(非対称エッチングを)実施してもよい。このようなエッチングは、例えば、マスキング層の種類及び厚さの選択、マスキング層の配置、エッチング条件の選択等により、実施できる。
マスキング層の種類は特に限定されないが、高分子シート1におけるイオン2が衝突した部分に比べて化学エッチングされ難い材料から構成される層であることが好ましい。「エッチングされ難い」とは、より具体的には、例えば、単位時間あたりにエッチングされる量が小さいこと、すなわち、被エッチング速度が小さいことを意味する。化学エッチングされ難いか否かは、工程(II)において実際に実施する非対称エッチングの条件(エッチング処理液の種類、エッチング温度、エッチング時間等)に基づいて判断できる。後述のように工程(II)において複数回の非対称エッチングを、マスキング層の種類及び/又は配置面を変えながら実施する場合、各エッチングの条件に基づいてそれぞれのエッチングについて判断すればよい。
マスキング層は、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン等)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール及び金属箔からなる群から選ばれる少なくとも1種から構成される。これらの樹脂は、化学エッチングされ難いとともに、イオンビームの照射によっても損傷を受け難い。
工程(I)において、マスキング層を配置した高分子シート1にイオンビームを照射した場合、当該マスキング層にもイオントラックが形成される。これを考慮すると、マスキング層を構成する材料は、イオンビームの照射によってもそのポリマー鎖が損傷を受け難い材料であることが好ましい。
マスキング層は、非対称エッチングを実施する領域に相当する、高分子シート1の一方の主面の少なくとも一部に配置すればよく、必要に応じて、高分子シート1の一方の主面の全体に配置してもよい。
高分子シート1の主面へのマスキング層の配置方法は、非対称エッチングを実施する間、マスキング層が当該主面から剥離しない限り限定されない。マスキング層は、例えば、粘着剤により高分子シート1の主面に配置される。すなわち工程(II)において、マスキング層が粘着剤によって上記一方の主面に貼り合わされた状態で、上記化学エッチング(非対称エッチング)を実施してもよい。粘着剤によるマスキング層の配置は、比較的容易に行うことができる。また、粘着剤の種類(例えば、シリコーン系粘着剤、アクリル系粘着剤等)を選択することにより、非対称エッチング後の高分子シート1からのマスキング層の剥離が容易となる。
工程(II)では、非対称エッチングを複数回実施してもよい。また、少なくとも一回
の非対称エッチングを実施する限り、対称エッチングを実施してもよい。例えば、エッチングの途中でマスキング層を高分子シート1から剥離することにより、非対称エッチングから対称エッチングの進行に切り替えてもよい。
工程(II)において非対称エッチングを複数回実施することにより、形成する細孔の形状、典型的にはその断面形状、の制御の自由度がより高くなる。また、マスキング層を配置する主面の入れ替え、及び/又はエッチング条件の変化を併用することにより、形成する細孔の形状の制御の自由度がさらに高くなる。図4に、工程(II)の例と、当該例において形成される細孔の形状(断面形状)を示す。
図4に示す例では、イオンビーム照射後の高分子シート1の一方の主面にマスキング層4を配置し(図4(a))、この状態で化学エッチングを実施している。これにより、マスキング層が配置されていない他方の面から、イオンビームの照射により形成された軌跡3に沿ってエッチングが進行し、当該軌跡3に沿って延びる貫通孔が細孔5として形成される(図4(b))。図4(b)に示すように、マスキング層4が配置されている主面からは、エッチングが進行せず、細孔が形成されない。軌跡3に沿う方向のエッチング速度Vtと、軌跡3の延びる方向に垂直な方向のエッチング速度Vbとの関係Vt>>Vbにより、形成された貫通孔の断面は円錐状の形状を有するとともに、エッチングのさらなる進行により、その先端がシート1の上記一方の主面に開口している。そして、当該貫通孔の上記一方の主面における開口径と、他方の主面における開口径とは互いに異なっており、エッチングの基点となった上記他方の主面における開口径の方が大きい。すなわち、図4に示す例では、円錐状の断面形状を有する貫通孔であって、その開口径が高分子シート1の双方の主面間で異なる貫通孔が形成された樹脂シート6を得ている(図4(c))。上記一方の主面における貫通孔の開口径aと、上記他方の主面における貫通孔の開口径bとの比率a/bは、80%以下であり、工程(II)におけるエッチングの条件により、この比をさらに小さい値(例えば、70%以下又は60%以下)とすることもできる。
前記製造方法では、工程(II)において、高分子シートの膜厚方向に孔径が変化している貫通孔であって、高分子シートの一方の主面における開口径aと他方の主面における開口径bとの比率a/bが80%以下となる非対称貫通孔を形成できる。貫通孔の中心軸は、通常、軌跡3に沿っている。
図4に示す例では既に一回の非対称エッチングを実施しているため、図4(c)に示すマスキング層4が剥離された状態からさらに化学エッチングを進行させてもよい。これにより、例えば、貫通孔5の開口径、あるいは高分子シート1の一方の主面における貫通孔5の開口径と、他方の主面における貫通孔5の開口径との比を制御できる。なお、図4では、説明を分かり易くするために、細孔5の幅(孔径)がその長さよりも誇張して描かれている。
工程(II)で形成する貫通孔の開口径は、特に限定されず、例えば、エッチング温度、エッチング時間、エッチング処理液の組成等のエッチング条件により制御できる。開口径の下限は、例えば、0.01μmとすることができる。
工程(I)においてイオンビーム照射を実施する高分子シート1が無孔である場合等には、全ての貫通孔の開口径が10μm以下である樹脂シート6とすることもできる。あるいは、開口径の平均(平均開口径)が10μm以下である樹脂シート6とすることもできる。
形成する貫通孔の密度(1平方センチメートル当たりの孔数)は、例えば、イオンビームの照射条件(イオン種、イオンのエネルギー、イオンの衝突密度(照射密度)等)によ
り制御でき、特に限定されないが、例えば、10個/cm2〜1×108個/cm2であってもよく、孔の数が多すぎると近接した孔同士の結合によって孔が拡大する等のシートの機械的強度が低下するおそれがあり、少なすぎると十分な通気性が得られないことから、5.0×103個/cm2〜7.0×107個/cm2程度が好ましい。
化学エッチングに使用するエッチング処理液は特に限定されない。エッチング処理液は、例えば、アルカリ性溶液、酸性溶液、又は酸化剤、有機溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を添加したアルカリ性溶液もしくは酸性溶液である。アルカリ性溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような塩基を含む溶液(典型的には水溶液)等が挙げられる。酸性溶液としては、例えば、硝酸、硫酸のような酸を含む溶液(典型的には水溶液)等が挙げられる。酸化剤としては、例えば、重クロム酸カリウム、過マンガン酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコール、アミノアルコール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等が挙げられる。
マスキング層を用いた非対称エッチングとすることを除き、具体的なエッチングの手法は公知の手法に従えばよい。例えば、エッチング処理液に、マスキング層を配置したビーム照射後の高分子シートを所定の温度かつ所定の時間、浸漬すればよい。エッチングの温度は、例えば、40〜150℃であってもよい。エッチングの時間は、例えば、10秒〜60分であってもよい。
エッチング終了後、シートを取出し、洗浄し、乾燥させ、次いで、マスキング層を剥離する。シートの取出、洗浄、乾燥、剥離等の方法は特に限定されない。これによって、非対称貫通孔を有する樹脂シートが得られる。
前記樹脂シートにおいて、貫通孔の延びる方向(中心軸の方向)は、当該シートの主面に対して垂直な方向(フィルムの法線方向)でも、傾いた方向でもありうる。垂直を含めその角度は、高分子シートに対するイオンビームの照射角度により制御できる。
吸着用シートの吸着面側の表面粗さは、JIS B0601(2001)に準拠して測定した算術平均粗さRaにして2μm以下が好ましく、1.5μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。吸着用シート表面の平滑度が高いことによって、吸着時において、厚さが極めて薄く、剛性の小さいセラミックグリーンシートのような作業対象物であっても、孔内に入り込むことがなく、作業対象物の変形が抑制される。その結果、作業対象物に凹凸や傷等の欠陥が生じるのを防止でき、例えば、セラミックグリーンシートの積層不良も防止できる。さらに、平滑度が高いことによって、作業対象物の表面に微細な傷がつくことを避けることもできる。
さらに、吸着用シートの厚み精度は、シート厚が12.5〜100μmの範囲で、±2μm程度とすることができる。吸着用シートの厚さは、シートが厚すぎると通気性が劣ることから、15〜90μm程度がより好ましく、15〜50μm程度がさらに好ましい。
吸着用シートの通気度(厚さ方向の通気度)は、JIS P8117(2009)に準拠して測定したガーレー数にして、10秒/100mL以下であり、3秒/100mL以下が好ましい。吸着用シートの通気度は、貫通孔の径及び貫通孔の密度(1平方センチメートル当たりの孔数)により調整できる。通気度の測定方法は、後記する実施例に記載のとおりである。下限値は特に限定されないが、例えば、0.01秒/100mLであってもよい。
吸着用シートの孔密度(1平方センチメートル当たりの孔数)は特に限定されないが、例えば、10個/cm2〜1×108個/cm2であってもよく、孔の数が多すぎると近接した孔同士の結合によって孔が拡大する等のシートの機械的強度が低下するおそれがあり、少なすぎると十分な通気性が得られないことから、5.0×103個/cm2〜7.0×107個/cm2程度が好ましい。
本発明の他の実施態様において、吸着用シートは、色を有していてもよい。色は、特に限定されないが、作業対象物(例えば、セラミックグリーンシート)に付着した異物(特に、黒色、緑色等の黒色系の異物)を視認しやすい点から、白色系の色が好ましい。
前記白色系の吸着用シートは、例えば、樹脂シートの内部に分散された白色粒子及び/又は前記樹脂シートの主面上に配置された白色層を有するものが好ましい。当該着色された吸着用シートにおいて、開口径aの貫通孔を有する主面のハンター白色度は、70以上が好ましく、75以上がより好ましく、80以上がさらに好ましい。
前記白色度は、吸着用シート4における白色粒子10の含有量及び粒子径により調整できる。ハンター白色度は、例えば、色差計(日本電色工業株式会社製、商品名:ND−1001DP、C光源、2゜視野)を用いて、測定することができる。ハンター白色度は、W=100−[(100−L)2+a2+b21/2(式中、Lは明度を表し、aは赤色度を表し、bは黄色度を表す。)の式を用いて求めることができる。
ここで、前記ハンター白色度は、特定の青色フィルタを通して青〜スミレ色の部分の光(主波長457nm)を45度の入射角で試験片面に投射し、垂直方向(0度の角度)に反射する光を受光したときの反射量を電気的に測定する。また、同様の条件で酸化マグネシウム標準白色板での反射量を測定し、これを100として、この相対比較によって百分率で試験片の白色度を求める。
図5に、本発明の一実施態様に係る吸着用シートを示す。吸着用シート104は、貫通孔12を有する樹脂シート9と、該樹脂シート9の内部に分散された白色粒子10を有する。
吸着用シート104の可視光透過率を低くすると、異物の発見が容易になる。この観点から、吸着用シート104の厚さ方向の可視光透過率は60%以下が好ましく、50%以下がより好ましい。本明細書において、可視光透過率は、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製、U−4100)を用い、300〜2700nmの波長域について測定した値を意味する。
本実施形態では、白色粒子10は樹脂シート9の内部において分散している。白色粒子10が分散した樹脂シート9の具体例として、テレフタル酸とエチレングリコールからなるPETポリマー溶液に酸化チタン粒子を分散させることにより作製された白色PETが挙げられる。白色粒子10の粒子径は、前記白色度を得られる限り特に限定されない。また、白色粒子10の含有量は、前記白色度を得られる限り特に限定されない。
白色粒子10を構成する粒子としては、無機粒子(無機物からなる粒子)が挙げられ、具体的には酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化ケイ素粒子、アルミナ粒子等が挙げられる。特に、酸化チタン粒子を用いると、吸着用シート104の耐候性が向上し、吸着用シート104の白色度が長期にわたって維持される。
さらに、図6に、他の実施態様に係る吸着用シートを、厚さ方向に平行な断面で切断した断面図を示す。図6に示す吸着用シート104は、樹脂シート109と、白色層131
とを備えている。
本実施態様の樹脂シート109は、内部において白色粒子が分散していないこと以外は樹脂シート9と同様のシートである。
白色層131は白色粒子10の材料と同様の材料からなる層であり、吸着用シート104の主面上の一方(作業対象物に対向する主面)に配置されている。白色層131は、例えば予め形成した白色粒子110(白色粒子10の材料と同様の材料からなる白色粒子)をコーティングして形成することができる。白色層131は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等の薄膜形成プロセスにより形成することもできる。薄膜形成プロセスによれば、白色層131(すなわち作業対象物に対向する主面104a)を平滑にできる。この場合、前記主面104aの表面粗さ(算術平均粗さRa)を0.1〜1.5μmにできる。また、白色層131の厚さは、前記白色度を得られる限り特に制限されない。
また、本実施形態では、樹脂シート109と白色層131との間に下地層132が介在している。下地層132は、樹脂シート109及び白色層131に接触している。下地層132は、吸着用シート104の光透過性を低下させるための層である。下地層132層が存在する場合は、厚さ方向の可視光透過率を例えば10%以下にできる。ただし、吸着用シート104の白色度が前記範囲内である限り、下地層132を省略してもよい。
下地層132を構成する材料は、例えば、金属、金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物及び金属フッ化物から選ばれる少なくとも1つから選択すればよい。好適な下地層132としては、アルミナ層が挙げられる。コストの観点、耐熱性及び絶縁性の観点、製造(スパッタリング)の容易さの観点、並びに取り扱いの容易さの観点から、アルミナ層が好ましい。
白色層131及び下地層132を形成する方法は特に限定されない。下地層132としてアルミナ層を形成する場合は、例えば樹脂シート109上にアルミナをスパッタリング、蒸着(真空蒸着)その他の薄膜形成プロセスにより堆積させればよい。また、下地層132を形成する場合、下地層132上に白色層131を形成する。白色層131を形成する方法は特に限定されないが、蒸着により白色層131を形成すればよい。蒸着により堆積させる白色層131の例としては、酸化チタンからなる層が挙げられる。
また、下地層132を形成しない場合に比べると、下地層132を形成する場合は、白色層131を堆積させ易くなる。すなわち、作業対象物に対向する主面の開口径aが10μm以下であり、中心軸が直線状に延びて、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する単層の樹脂シートを準備する工程と、スパッタリングによりこの樹脂シート上に下地層を堆積させる工程と、下地層上に白色層を堆積させる工程と、を備える吸着用シートの製造方法によれば、好適に吸着用シートを作製できる。なお、樹脂シートを準備する工程に代えて、樹脂基材を準備する工程と、イオンビーム照射及び非対称エッチングによって樹脂基材を厚さ方向に貫通するように延びる複数の貫通孔を形成する工程とを採用することもできる。
下地層を形成しない場合、作業対象物に対向する主面の開口径aが10μm以下であり、中心軸が直線状に延びて、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する単層の樹脂シートを準備する工程と、樹脂シート上に白色層を堆積させる工程と、を備える吸着用シートの製造方法によって、吸着用シートを作製できる。この場合、白色層を蒸着(真空蒸着)、塗布等により樹脂シート上に形成すればよい。このようにすれば、白色層を備えるとともに、樹脂シートと白色層が直接接し、樹脂シートと白色層との2層からなる吸着用シートを好適に得ることができる。下地層を形成せず、樹脂シートと白色層との2層からなる吸
着用シートを作製することによって、材料費の削減及び製造工程の削減が可能となる。
本実施形態では、吸着用シート104の主面のうち、白色層131が形成されている側とは反対側の主面である104bが、吸着ユニットの吸着面13に対向すべき主面であり、白色層131が形成されている側の主面104aが、作業対象物15(セラミックグリーンシート22)に対向すべき主面である。前記主面104aは白色層131により構成されている。
本発明のさらなる態様において、内部に白色粒子10が分散された樹脂シート9と、必要に応じて下地層132を有していてもよい上記白色層131とを組み合わせた吸着用シートとしてもよい。
本発明の吸着用シートは、開口径aの貫通孔を有する主面に、当該面の離型性を向上させるコーティングが施されていてもよい。コーティングは、例えば、フッ素化合物等、表面の摩擦係数を低下させる作用を有する化合物のコーティングである。このような吸着用シートは、当該開口径aの貫通孔を有する主面(コーティング面)が作業対象物に対向するように、吸着ユニットの吸着面に配置されて使用される。
吸着用シートは、開口径bの貫通孔を有する主面に、当該面における貫通孔の開口が露出している限り、粘着剤を有していてもよい。粘着剤の種類は特に限定されない。貫通孔の開口は、吸着用シートの通気度に関する上記規定が満たされる限り、少なくともその一部が露出していればよい。
吸着用シートを吸着ユニットの吸着面に配置する方法は特に限定されず、公知の方法に従えばよい。
本発明の吸着方法は、吸着ユニットの吸着面に作業対象物を吸着させる工程を含む。ここで、吸着用シートが吸着用ユニットの吸着面に配置されている限り、当該工程の詳細は特に限定されない。
図7に、本発明の吸着方法の一例を示す。図7に示す方法では、吸着ユニット14に作業対象物15が吸着される。吸着ユニット14の吸着面13には、図1に示す吸着用シート11が配置されており、作業対象物15は、吸着用シート11を介して吸着面13に吸着される。具体的には、吸着用シート11は、他方の主面の開口径aに対してa<b(a/bは80%以下であり、より好ましくはa/bは60%以下)を満たす開口径bの孔を有する一方の主面4b,104bが吸着ユニットの吸着面に対向し、前記他方の主面4a,104aが作業対象物15に対向するように配置される。吸着ユニット14は、吸着ユニット14に吸引力を発生させるポンプ(図示せず)に接続される。なお、図7に示す吸着ユニット14の吸着面13は複数の孔16を有し、孔16によって、吸着ユニット14の吸着面13に吸引力が発生する。吸着ユニット14における孔16が形成されている範囲L1は、作業対象物15の範囲L2よりも狭いことが好ましい。
また、他の実施態様では、吸着用シートが、樹脂シートの内部に分散された白色粒子及び/又は前記樹脂シートの主面上に配置された白色層を備えており、前記開口径aの孔を有する一方の主面4a,104aの白色度が高いため、前記主面4a,104aに異物が付着しても、付着した異物を容易に視認することができる。したがって、前記主面4a,104aに付着した異物によって作業対象物が傷つくおそれが低減する。
他の実施態様では、開口径aの貫通孔を有する主面がコーティングされた上述の吸着用シートを用いる。本吸着方法では、当該吸着用シートを、コーティング面(開口径aの貫
通孔を有する主面)が作業対象物に対向するように、吸着面に配置する。これにより、吸着ユニットからの作業対象物の離型性が向上する。
また、他の実施態様では、開口径bの貫通孔を有する主面に粘着剤を有する、上述の吸着用シートを用いる。本吸着方法では、当該吸着用シートを、粘着剤を有する面(粘着面)が吸着ユニットの吸着面と対向するように、吸着面に配置する。
次に、上記吸着用シートを用いたセラミックコンデンサの製造方法について、以下に説明する。本発明のセラミックコンデンサの製造方法は、離型フィルム上に形成されたセラミックグリーンシートを、吸着ユニットの吸着面に吸着させて離型フィルムから剥離する剥離工程と、剥離したセラミックグリーンシートを、吸着面に吸着させたまま搬送し、搬送先で他のセラミックグリーンシートと積層する積層工程と、剥離工程及び積層工程を複数回繰り返して得られたセラミックグリーンシート積層体を焼成する焼成工程と、を含む。ここで、吸着用シートが吸着ユニットの吸着面に配置されている限り、各工程の詳細は特に限定されず、公知の方法に従えばよい。
本発明の製造方法では、吸着用シートを、開口径bの貫通孔を有する主面が吸着ユニットの吸着面に対向するように配置される。樹脂シートは単層で効果を奏するため、吸着用シートとして用いることによって、孔径の異なる吸着用シートを積層する工程、積層時の貫通孔の位置合わせをする工程等の煩雑な作業が不要であり、工業的に有利である。
図8A〜図8Cに、本発明のセラミックコンデンサの製造方法の一例における各工程を示す。図8Aは剥離工程を、図8Bは積層工程を、図8Cは焼成工程を、それぞれ示す。
図8Aに示す剥離工程では、離型フィルム21上に形成されたセラミックグリーンシート22(図8Aの(1)参照)を、吸着ユニット14の吸着面13に吸着させて、離型フィルム21から剥離する(図8Aの(2),(3)参照)。吸着面13の表面には、上述した吸着用シート11が配置されており、セラミックグリーンシート22は、吸着用シート11を介して吸着面13に吸着される。
図8Bに示す積層工程では、剥離工程において剥離したセラミックグリーンシート22を、吸着面13に吸着させたまま搬送し、搬送先で他のセラミックグリーンシート22と積層する(図8Bの(1)〜(3)参照)。
図8Cに示す焼成工程では、図8Aに示す剥離工程及び図8Bに示す積層工程を複数回繰り返して得られたセラミックグリーンシート22の積層体23を焼成して、焼成体24を得る。その後、焼成体24に電極を配置する工程等を経て、セラミックコンデンサが得られる。図8Cに示す積層体23は、図を分かり易くするために8層に過ぎないが、実際には、剥離工程及び積層工程を繰り返すことによって、より多く(例えば、300枚以上等)のセラミックグリーンシート22が積層されてもよい。
本発明のセラミックコンデンサの製造方法における剥離工程、積層工程及び焼成工程の詳細は、公知のセラミックコンデンサの製造方法に従えばよい。
本発明のセラミックコンデンサの製造方法は、必要に応じ、剥離工程、積層工程及び焼成工程以外の任意の工程を含んでいてもよい。
また、製造方法の他の実施態様では、吸着用シートが、樹脂シートの内部に分散された白色粒子及び/又は前記樹脂シートの主面上に配置された白色層を備えており、前記開口径aの孔を有する一方の主面4a,104aの白色度が高い。そのため、前記主面4a,
104aに異物が付着しても、付着した異物を視認し易く、容易に異物を除去できるため、前記主面4a,104aに付着した異物によってセラミックグリーンシートが傷つき、セラミックコンデンサの品質が低下するおそれが低減する。
さらに、他の実施態様では、開口径aの貫通孔を有する主面がコーティングされた上述の吸着用シートを用いる。本製造方法では、当該吸着用シートを、コーティング面(開口径aの貫通孔を有する主面)がセラミックグリーンシートに対向するように、吸着面に配置する。これにより、吸着ユニットからのセラミックグリーンシートの離型性が向上する。
また、他の実施態様では、開口径bの貫通孔を有する主面に粘着剤を有する、上述の吸着用シートを用いる。本製造方法では、当該吸着用シートを、粘着剤を有する面(粘着面)が吸着ユニットの吸着面と対向するように、吸着面に配置する。
本発明は、本発明の効果を奏する限り、本発明の技術的範囲内において、上記の構成を種々組み合わせた態様を含む。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例のシートの各物性について、以下の方法で測定した。
[孔径]
各実施例及び比較例のシートの表面をSEM(JEOL社(日本電子株式会社)製、JSM−6510LV)により撮像し、得られたSEM像から任意に選択した10の貫通孔の孔径(直径)を各々当該像から測定し、その平均値を貫通孔の孔径とした。
[孔密度]
シートの孔密度(1平方センチメートル当たりの孔数)は、各試料について、上記の孔径の測定で使用したSEM像の孔数を目視でカウントし、1平方センチメートル当たりに換算して算出した。なお、SEM像の撮影では、可能な限り画像に含まれる孔の輪郭が欠けないように視野範囲を設定した。前記範囲において、隣接する孔とつながっている孔及び画像の境界に跨って存在する孔は、孔径、孔数及び孔密度の評価において評価対象外とした。
[表面粗さ]
表面粗さは、触針式表面粗さ計(株式会社東京精密製品、サーフコム550A)を用いて測定した。測定条件は、先端径R250μm、速度0.3mm/sec、測定長4mmとした。表面粗さとしては、算術平均粗さRaを測定した。
[通気度]
通気度としてガーレー数を評価した。ガーレー数は、JIS P8117に準拠して、ガーレー式デンソメーター(安田精機製作所製)又は王研式透気度試験装置(旭精工製、EG02−S)を用いて求めた。
[実施例1]
厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する市販のPETからなるシート(it4ip製、Track etched membrane、厚さ25μm)を準備した。このシートは、無孔のPETシートにイオンビームを照射し、照射後のシートを化学エッチングして製造されたシートである。
このシートの表面及び断面をSEMにより観察したところ、以下のことが確認された:
(1)貫通孔が、0.2μmの径を有するストレート孔である;
(2)シートの主面に対して垂直な方向に延びる貫通孔がシート内に存在している;
(3)シートの孔密度は、5.7×107個/cm2である。
次に前記多孔PETシートの一方の主面に、マスキング層としてポリエチレンフィルム(厚さ55μm)をシリコーン系粘着剤により貼付した。これを75℃に保持したエッチング処理液(エタノール濃度25質量%、水酸化カリウム濃度10質量%の水溶液)に20分浸漬した。エッチング終了後、シートを取出し、RO水(逆浸透膜水)で浸漬・洗浄し、50℃の乾燥オーブンにて乾燥した。その後、マスキング層を剥離し、非対称貫通孔が形成された吸着用シートを得た。
得られた吸着用シートの厚さ、孔密度、孔径、マスキング面の表面粗さ(Ra)、及び通気度(ガーレー数)の測定結果を下記表1に示す。
[実施例2]
厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する市販のPETからなるシート(it4ip製、Track etched membrane、厚さ50μm)を準備した。このシートは、無孔のPETシートにイオンビームを照射し、照射後のシートを化学エッチングして製造されたシートである。このシートの表面及び断面をSEMにより観察したところ、以下のことが確認された:
(1)貫通孔が、1μmの径を有するストレート孔である;
(2)シートの主面に対して垂直な方向に延びる貫通孔がシート内に存在している;
(3)シートの孔密度は、2×105個/cm2である。
次に前記多孔PETシートの一方の主面に、マスキング層としてポリエチレンフィルム(厚さ55μm)をシリコーン系粘着剤により貼付した。これを85℃に保持したエッチング処理液(エタノール濃度25質量%、水酸化カリウム濃度10質量%の水溶液)に30分浸漬した。エッチング終了後、シートを取出し、RO水(逆浸透膜水)で浸漬・洗浄し、50℃の乾燥オーブンにて乾燥した。その後、マスキング層を剥離し、非対称貫通孔が形成された吸着用シートを得た。
得られた吸着用シートの厚さ、孔密度、孔径、マスキング面の表面粗さ(Ra)、及び通気度(ガーレー数)の測定結果を下記表1に示す。
[実施例3]
厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する市販のPETからなるシート(it4ip製、Track etched membrane、厚さ50μm)を準備した。このシートは、無孔のPETシートにイオンビームを照射し、照射後のシートを化学エッチングして製造されたシートである。このシートの表面及び断面をSEMにより観察したところ、以下のことが確認された:
(1)貫通孔が、1μmの径を有するストレート孔である;
(2)シートの主面に対して垂直な方向に延びる貫通孔がシート内に存在している;
(3)シートの孔密度は、2×10個/cmである。
次に前記多孔PETシートの一方の主面に、マスキング層としてポリエチレンフィルム(厚さ55μm)をシリコーン系粘着剤により貼付した。これを85℃に保持したエッチング処理液(エタノール濃度25質量%、水酸化カリウム濃度10質量%の水溶液)に25分浸漬した。エッチング終了後、シートを取出し、RO水(逆浸透膜水)で浸漬・洗浄し、50℃の乾燥オーブンにて乾燥した。その後、マスキング層を剥離し、非対称貫通孔が形成された吸着用シートを得た。
得られた吸着用シートの厚さ、孔密度、孔径、マスキング面の表面粗さ(Ra)、及び通気度(ガーレー数)の測定結果を下記表1に示す。
[比較例1]
厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する市販のPETからなるシート(it4ip製、Track etched membrane、厚さ24μm)を準備した。このシートは、無孔のPETシートにイオンビームを照射し、照射後のシートを化学エッチングして製造されたシートである。このシートの表面及び断面をSEMにより観察したところ、以下のことが確認された:
(1)貫通孔が、0.6μmの径を有するストレート孔である;
(2)シートの主面に対して垂直な方向に延びる貫通孔がシート内に存在している;
(3)シートの孔密度は、5.7×107個/cm2である。
このシートの厚さ、孔密度、孔径、表面粗さ(Ra)、及び通気度(ガーレー数)の測定結果を下記表1に示す。
[比較例2]
厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する市販のPETからなるシート(it4ip製、Track etched membrane、厚さ25μm)を準備した。このシートは、無孔のPETシートにイオンビームを照射し、照射後のシートを化学エッチングして製造されたシートである。
このシートの表面及び断面をSEMにより観察したところ、以下のことが確認された:
(1)貫通孔が、0.4μmの径を有するストレート孔である;
(2)シートの主面に対して垂直な方向に延びる貫通孔がシート内に存在している;
(3)シートの孔密度は、5.7×107個/cm2である。
次に前記多孔PETシートの一方の主面に、マスキング層としてポリエチレンフィルム(厚さ55μm)をシリコーン系粘着剤により貼付した。これを75℃に保持したエッチング処理液(エタノール濃度23質量%、水酸化カリウム濃度10質量%の水溶液)に10分浸漬した。エッチング終了後、シートを取出し、RO水(逆浸透膜水)で浸漬・洗浄し、50℃の乾燥オーブンにて乾燥した。その後、マスキング層を剥離し、非対称貫通孔が形成された吸着用シートを得た。
得られた吸着用シートの厚さ、孔密度、孔径、マスキング面の表面粗さ(Ra)、及び通気度(ガーレー数)の測定結果を下記表1に示す。
[比較例3]
厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する市販のPETからなるシート(it4ip製、Track etched membrane、厚さ42μm)を準備した。このシートは、無孔のPETシートにイオンビームを照射し、照射後のシートを化学エッチングして製造されたシートある。このシートの表面及び断面をSEMにより観察したところ、以下のことが確認された:
(1)貫通孔が、15μmの径を有するストレート孔である;
(2)シートの主面に対して垂直な方向に延びる貫通孔がシート内に存在している;
(3)シートの孔密度は、1×105個/cm2である。
このシートの厚さ、孔密度、孔径、表面粗さ(Ra)、及び通気度(ガーレー数)の測定結果を下記表1に示す。
Figure 2016065139
表1に示すように、非対称構造の貫通孔を有する樹脂シートを吸着用シートとして用いた実施例では、ストレート構造の貫通孔を有する比較例に比べて、開口径aの貫通孔を有する主面の孔の径が小さいながらも、非常に高い通気性が実現できた。このため、吸着ユニットの吸着面に、開口径bの貫通孔を有する主面が対向するように配置して使用した場合、良好な通気性を持ちながら、吸着する作業対象物へのダメージを低減させることができる。
本発明の吸着用シート及び吸着方法は、セラミックコンデンサの製造、半導体ウェハー
の製造、微小部品の吸引固定等、幅広い用途に応用できる。
本発明の各方法において吸着用シートとして使用する樹脂シートは、吸着ユニットの吸着面に配置してセラミックグリーンシートと吸着面との接触を防ぐ目的以外にも、半導体ウェハーをカットあるいは吸引する際の固定ユニット、及び微小部品の吸引固定ユニット等、幅広い吸着ユニットに対して使用できる。
1 高分子シート
2 イオン
3 (高分子シート1におけるイオン2の衝突の)軌跡
4 マスキング層
5 細孔(貫通孔)
6,9,109 貫通孔を有する樹脂シート
10 白色粒子
4a,104a 一方面
4b,104b 他方面
11,104 吸着用シート
12 貫通孔
13 吸着面
14 吸着ユニット
15 作業対象物
16 孔
21 離型フィルム
22 セラミックグリーンシート
23 積層体
24 焼成体
131 白色層
132 下地層
a 一方面の開口径
b 他方面の開口径

Claims (7)

  1. 作業対象物を真空吸着する吸着ユニットの吸着面に取り付けられる吸着用シートであって、
    前記吸着用シートは、中心軸が直線状に延びて、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する単層の樹脂シートを備え、
    前記樹脂シートの一方の主面の貫通孔の開口径aと他方の主面の貫通孔の開口径bとの比率a/bが80%以下であり、
    前記開口径aが10μm以下である吸着用シート。
  2. 前記吸着用シートの前記開口径aの貫通孔を有する主面の表面粗さ(Ra)が2μm以下であり、厚さ方向の通気度が、JIS P8117に準拠して測定したガーレー数にして、10秒/100mL以下である請求項1に記載の吸着用シート。
  3. 前記樹脂シートが、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート及びポリフッ化ビニリデンからなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂から構成される請求項1又は2に記載の吸着用シート。
  4. 吸着ユニットの吸着面に、前記吸着面と作業対象物を直接的に接触させずに、吸着用シートを介して前記作業対象物を吸着させる工程を含み、
    前記吸着用シートは、中心軸が直線状に延びて、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する単層の樹脂シートを備え、
    前記樹脂シートの一方の主面の貫通孔の開口径aと他方の主面の貫通孔の開口径bとの比率a/bが80%以下であり、
    前記開口径aが10μm以下であり、
    前記吸着用シートは、前記開口径bの貫通孔を有する主面が前記吸着面に対向するように配置されている、
    吸着ユニットへの作業対象物の吸着方法。
  5. 前記開口径aの貫通孔を有する主面の表面粗さ(Ra)が2μm以下であり、厚さ方向の通気度が、JIS P8117に準拠して測定したガーレー数にして、10秒/100mL以下である請求項4に記載の吸着方法。
  6. 離型フィルム上に形成されたセラミックグリーンシートを、吸着ユニットの吸着面に吸着させて前記離型フィルムから剥離する剥離工程と、
    剥離した前記セラミックグリーンシートを、前記吸着面に吸着させたまま搬送し、搬送先で他のセラミックグリーンシートと積層する積層工程と、
    前記剥離工程及び前記積層工程を複数回繰り返して得られた前記セラミックグリーンシートの積層体を焼成する焼成工程と、を含み、
    前記吸着面に、前記セラミックグリーンシートと前記吸着面との直接的な接触を防ぐ、吸着用シートが配置されており、
    前記吸着用シートは、中心軸が直線状に延びて、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有する単層の樹脂シートを備え、
    前記樹脂シートの一方の主面の貫通孔の開口径aと他方の主面の貫通孔の開口径bとの比率a/bが80%以下であり、
    前記開口径aが10μm以下であり、
    前記吸着用シートは、前記開口径bの貫通孔を有する主面が前記吸着面に対向するように配置されている、
    セラミックコンデンサの製造方法。
  7. 前記吸着用シートの前記開口径aの貫通孔を有する主面の表面粗さ(Ra)が2μm以下であり、厚さ方向の通気度が、JIS P8117に準拠して測定したガーレー数にして、10秒/100mL以下である請求項6に記載の製造方法。
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