JPH1111374A - 自転車 - Google Patents

自転車

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JPH1111374A
JPH1111374A JP18042697A JP18042697A JPH1111374A JP H1111374 A JPH1111374 A JP H1111374A JP 18042697 A JP18042697 A JP 18042697A JP 18042697 A JP18042697 A JP 18042697A JP H1111374 A JPH1111374 A JP H1111374A
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saddle
bicycle
piston
support
coil spring
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JP18042697A
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Kazuyoshi Tomiyama
和敬 富山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緩衝機能を有する。 【解決手段】 サドル支柱13と、フレーム1 にサドル支
柱の挿入部14とを備えた自転車において、挿入部にサド
ル支柱を弾性的に昇降変位可能に支持する緩衝支持手段
11と、フレームに対するサドルの回転防止手段とを設け
た。緩衝支持手段が、挿入部に形成したシリンダと、サ
ドル支柱に固定したピストンと、ピストンを境とした上
側室及び下側室と、ピストンを押し上げる下側室内に設
けた第1コイルばねと、ピストンを押し下げる上側室内
に設けた第2コイルばねと、上側室と下側室との各々を
各別に外界に連通した小断面積部分を有する空気通路
と、空気通路の通路断面調節手段と、を有する。サドル
支柱を、挿入部を貫通して下方に出るように延長形成し
て下端部に連結部を設け、連結部とクランクの軸受部35
とをリンク38で結合した。ヘッドパイプ40内にハンドル
支柱42の軸方向移動に対して弾性的に支持する第2緩衝
支持手段12を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前輪や後輪に凹凸
路面から作用する衝撃力を緩和できる自転車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自転車の緩衝作用は、基本的には
車輪の弾性構造に依存している。また、古くはサドルに
ばねを介在させてサドル支柱に支持するものもあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】車輪に依存した弾性構
造は、空気タイヤの空気圧が大きく影響するから、パン
クの恐れのないソリッドタイヤを使用すると、緩衝作用
が小さくなり、サドルやハンドルを介して乗り手に衝撃
が伝わりやすく、乗り手が非常に疲れやすい問題があ
る。本発明は、車輪の弾性構造とは別の緩衝機能を有す
る自転車を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】第1の本発明の手段は、
サドルに結合され下方へ伸延したサドル支柱と、フレー
ムに設けられている前記サドル支柱の挿入部とを備えた
自転車において、前記挿入部に設けられ前記サドル支柱
を弾性的に昇降変位可能に支持する緩衝支持手段と、前
記サドルと前記フレームとの間にフレームに対するサド
ルの回転を防止する回転防止手段とを設けたことを特徴
とする(請求項1)。
【0005】この手段では、緩衝支持手段をフレーム内
に設けたから、従来のサドルに設ける場合よりもゆとり
をもって設けることができ、緩衝機能を向上させること
ができる。そして、走行中に凹凸路面から車輪を介して
フレームに伝わる主に上下方向の衝撃力が、サドル支柱
の挿入部とサドル支柱との間の緩衝支持手段によって緩
和されるから、サドル側に伝わりにくい。
【0006】前記手段において、前記緩衝支持手段が、
前記挿入部に対して前記サドル支柱を上方へ押し上げる
ように設けられた第1コイルばねと、前記サドル支柱を
押し下げるように設けられた第2コイルばねとで構成さ
れていることを特徴とする(請求項2)。この構成で
は、緩衝支持手段がコイルばねで構成されているので、
簡単に製作可能である。
【0007】前記手段において、前記緩衝支持手段が、
前記挿入部に形成したシリンダと、前記サドル支柱に固
定し前記シリンダ内を昇降移動可能に設けたピストン
と、このピストンを境として前記シリンダ内に形成した
上側室及び下側室と、前記ピストンを押し上げるように
前記下側室内に設けた第1コイルばねと、前記ピストン
を押し下げるように前記上側室内に設けた第2コイルば
ねと、前記上側室と下側室との各々を各別に外界に連通
し小断面積部分を有する空気通路と、を具備することを
特徴とする(請求項3)。この手段では、フレームが路
面側から衝撃力を受けたとき、ピストンに対してシリン
ダが相対移動し、衝撃力は緩衝支持手段で緩和されてピ
ストン、サドル支柱を介してサドルに伝わる。その衝撃
力の緩衝作用は、第1及び第2コイルばねの変形による
緩衝作用と、上側及び下側室内の空気容積が変化させら
れることによる空気ばねによる緩衝作用とによるもので
ある。従って、車体側からの衝撃力をコイルばねと空気
ばねとの双方が運動エネルギーを吸収して緩衝作用す
る。そして、ばねは吸収した運動エネルギーによる反発
作用でピストン側を振動させることになるが、前記上側
及び下側室内の空気容積が変化した際に、外界に連通し
た小断面積部分を有する空気通路を通って空気が出入り
して、これらのばねによる振動を空気抵抗により減衰さ
せる、所謂ダンパー作用をする。従って、サドル側に過
大な衝撃力が伝わらず、振動が長く継続しない。
【0008】前記手段において、前記緩衝支持手段が、
前記挿入部に形成したシリンダと、前記サドル支柱に固
定し前記シリンダ内を昇降移動可能に設けたピストン
と、このピストンを境として前記シリンダ内に形成した
上側室及び下側室と、前記ピストンを押し上げるように
前記下側室内に設けた第1コイルばねと、前記ピストン
を押し下げるように前記上側室内に設けた第2コイルば
ねと、前記上側室と下側室とを連通した小断面積部分を
有する空気通路と、を具備することを特徴とする(請求
項4)。この手段では、フレームが路面側から衝撃力を
受けたとき、ピストンに対してシリンダが相対移動し、
衝撃力は緩衝支持手段で緩和されてピストン、サドル支
柱を介してサドルに伝わる。その衝撃力の緩衝作用は、
第1及び第2コイルばねの変形による緩衝作用と、上側
及び下側室内の空気容積が変化させられることによる空
気ばねによる緩衝作用とによるものである。従って、車
体側からの衝撃力をコイルばねと空気ばねとの双方が運
動エネルギーを吸収して緩衝作用する。そして、ばねは
吸収した運動エネルギーによる反発作用でピストン側を
振動させることになるが、前記上側及び下側室内の空気
容積が変化した際に、その変化は一方が大きくなると他
方が小さくなるから、上側室と下側室とを連通した小断
面積部分を有する空気通路を通って空気が行き来して、
これらのばねによる振動を空気抵抗により減衰させる、
所謂ダンパー作用をする。従って、サドル側に過大な衝
撃力が伝わらず、振動が長く継続しない。
【0009】前記手段において、前記空気通路の小断面
積部分の大きさを調節する通路断面調節手段を有するこ
とを特徴とする(請求項5)。通路の小断面積部分の大
きさを調節することにより、通路の空気抵抗を調節でき
るから、乗り手の体重や好みに応じてダンパー作用を調
節できる。
【0010】前記手段において、前記サドル支柱を、前
記挿入部を貫通して下方に出るように延長形成し、その
下方に出たサドル支柱下端部に連結部を設け、クランク
の軸受部から後方へ伸延し後端部を後輪軸の回りに回動
可能にフレーム側に結合されたチエン張りロッドを設
け、前記軸受部に同軸的に回動可能に一端を結合された
リンクを設け、このリンクの他端と前記連結部とを結合
した前記軸受部の軸線と平行な連結軸を設けてなるクラ
ンク軸受支持装置を具備することを特徴とする(請求項
6)。この構成では、フレームの挿入部を貫通している
サドル支柱は、フレームに対して緩衝支持手段を介して
支持され、下端にリンクを介して軸受部を支持してお
り、直線的に昇降移動する。チエン張りロッドを設けた
軸受部は、後輪軸から一定の距離にあり、後輪軸を中心
とする円弧に沿ってのみ移動可能であるが、リンクを介
してサドル支柱の下端と連結軸で連結されているので、
リンクが回動することにより前記円弧からはずれたサド
ル支柱の直線的昇降移動を許容する。サドル支柱の直線
的昇降移動に対して前記リンクの軸受を中心とする回動
量はあまり大きくならないので、サドルからペダルまで
の距離は殆ど変わらない。従って、緩衝支持手段の緩衝
機能を向上させるためにフレームに対するサドルの変位
量がある程度大きくなっても、ペダル操作に違和感を生
じない。
【0011】第2の本発明の手段は、フレームのヘッド
パイプ内に、前フォーク支柱に対してハンドル支柱が軸
方向に移動可能な状態で且つ回転を伝達可能である伝達
手段を設け、そのハンドル支柱の軸方向移動に対して弾
性的に支持する第2緩衝支持手段を設けたことを特徴と
する(請求項7)。
【0012】この手段では、ハンドル支柱がフレームの
ヘッドパイプ及び前フォークに対し第2緩衝支持手段を
介して軸方向移動可能に支持されているから、前輪に路
面から衝撃力を受けた場合に、衝撃力は前フォーク、第
2緩衝支持手段を介してハンドル支柱に伝わるから、第
2緩衝支持手段により衝撃が緩和される。ハンドルの回
転は伝達手段を介して前フォークに伝達される。
【0013】前記第1、第2の発明の手段において、フ
レームのヘッドパイプ内に、前フォーク支柱に対してハ
ンドル支柱が軸方向に移動可能な状態で且つ回転を伝達
可能である伝達手段を設け、そのハンドル支柱の軸方向
移動に対して弾性的に支持する第2緩衝支持手段を設け
たことを特徴とする(請求項8)。この構成では、主に
後輪から受ける衝撃をサドル支柱側の緩衝支持手段の作
用によって緩和し、主に前輪から受ける衝撃を第2緩衝
支持手段の作用によって緩和するから、前輪と後輪との
いずれからの衝撃も緩和される。
【0014】前記第2の発明の手段において、前記第2
緩衝支持手段が、前記ヘッドパイプ内に設けられハンド
ル支柱をヘッドパイプに対して押し上げるように作用す
る下コイルばね及びハンドル支柱をヘッドパイプに対し
て押し下げるように作用する上コイルばねを有すること
を特徴とする(請求項9)。この構成では、緩衝支持手
段がコイルばねで構成されているので、簡単に製作可能
である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図1
〜図3を用いて説明する。図1は第1の実施の形態の自
転車の概略の構成を示し、従来の足踏み式の自転車と略
同様に、フレーム1に、前車輪2、後車輪3、ハンドル
4、サドル5、ペダル6等を有する。この自転車の従来
のものと異なる主な点は、サドル5に対する第1緩衝支
持手段(緩衝支持手段)11、及びハンドル4に対する
第2緩衝支持手段12を設けた点である。
【0016】第1緩衝支持手段11は、図1、図2に示
すように、サドル5に結合され下方へ伸延したサドル支
柱13と、フレーム1に設けられているサドル支柱の挿
入部14との間に設けられ、サドル支柱13を弾性的に
昇降変位可能に支持するものであり、シリンダ15、ピ
ストン16、第1コイルばね17、第2コイルばね1
8、空気通路19、20、通路断面調節手段21、2
2、等を有し、この第1緩衝支持手段11を設けたこと
に付随してクランク軸受支持装置23を設けてある。
【0017】シリンダ15は、図2に示すように、サド
ル支柱13の挿入部14をサドル支柱13よりも十分に
大きい内孔を有する鋼製円筒体で形成したものであり、
上下両端に螺合した上蓋24、下蓋25を設けてある。
ピストン16は、シリンダ15内を摺動可能であり、サ
ドル支柱13をピストンロッドとしてこれに取り付けて
ある。サドル支柱13は、円形断面の鋼パイプで形成し
てあり、上方から上蓋24を摺動自在に貫通し、途中に
ピストン16を固定され、さらに下蓋25を摺動自在に
貫通しており、挿入部14を下方へ出た下端部に連結部
26を設けてある。ピストン16の固定は、例えば、サ
ドル支柱13に鍔状部27を溶接して、その上方にナイ
ロン等の合成樹脂製の円筒体28を嵌め込んだ構成であ
る。この他に止めねじや止め環で止める構成でもよい。
また、ピストン16は特に合成樹脂に限定されないが、
軽量であるものが好ましい。挿入部14内すなわちシリ
ンダ15内には、上蓋24とピストン16と下蓋25と
によって区画されて上側室29と下側室30とを形成さ
れ、下側室29内に第1コイルばね17が圧縮状態で、
上側室29内に第2コイルばね18が圧縮状態で、夫々
収容してある。第1コイルばね17は乗り手の体重の大
部分を支えることになるので、第2コイルばね18より
も強力なものとしてある。
【0018】シリンダ15の周壁には、上側室29と外
界とを連通する通路19、及び下側室30と外界とを連
通する空気通路20がピストン16から適切に離れた位
置に穿設されている。その位置は概してピストン16の
通常の移動範囲の限界位置付近である。この空気通路1
9、20に対して夫々通路断面調節手段21、22を設
けてある。通路断面調節手段21、22は、双方が同じ
構成であり、夫々空気通路19、20のシリンダ外面の
開口を覆い且つ回転できるようようにリング部材31、
32を設け、夫々にリング部材31、32の異なる回転
位置で一致して実質的に通路断面積を決定する大きさの
異なる複数の孔33、34、・・・・、を穿設してある。そ
して、図示していないが、シリンダ外面とリング部材3
1、32の間に、その各孔33、34、・・・・、が前記開
口に一致する回転位置で止まるクリックストップ装置を
設けてある。従って、所望の大きさのリング部材の孔を
空気通路19、20に一致させてその状態に保持するこ
とができる。このクリックストップ装置に加えて、ある
いは単独で、止めねじを設けて、リング部材31、32
を所望回転位置に固定するようにしてもよい。
【0019】クランク軸受支持装置23は、サドル支柱
13の下端が挿入部14の下方に出た下端部に連結部2
6を有し、クランクの軸受部35から後方へ伸延し後端
部を後輪軸36の回りに回動可能にフレーム1側に結合
されたチエン張りロッド37を設け、軸受部35に同軸
的に回動可能に一端を結合されたリンク38を設け、こ
のリンク38の他端と連結部26とを結合した軸受部3
5の軸線と平行な連結軸39を設けた構成である。この
構成では、サドル5がフレーム1に対して下降したと
き、サドル支柱13は軸線に沿って下降し、リンク38
及び軸受部35も略これに従動する。軸受部35は、別
にチエン張りロッド37によっても拘束されていて、後
輪軸から一定の距離にあり、後輪軸を中心とする円弧に
沿ってのみ移動可能である。従って、前記サドル支柱1
3の下端の連結部26が直線に沿って下降する下降軌跡
と、軸受部35の円弧に沿った下降軌跡とでは差異があ
るが、この差異をリンク38が回動することにより許容
して、サドル5の下降及び上昇に軸受部35が略従動す
るのである。図2(a)において、56はクランク、図
2(b)において、57はクランク軸である。
【0020】第2緩衝支持手段12は、ハンドル4に対
するもので、フレーム1のヘッドパイプ40内に、フォ
ーク支柱41に対してハンドル支柱42を軸方向に移動
可能で且つ回転を伝達可能である伝達手段43を設け、
そのハンドル支柱42の軸方向移動に対して設けてあ
る。伝達手段43は、図1、及び図3に示すように、ハ
ンドル支柱42の下端に固定したヘッドパイプ40内を
摺動可能なピストン状のソケット44と、これと嵌合し
たフォーク支柱41上端に設けたプラグ45とからな
り、ソケット44には軸線方向に沿った溝46を設け、
プラグ45には溝46に嵌入し軸方向に摺動可能な突条
47を設けてある。図3(b)に示すように、溝46に
は突条47とヘッドパイプ40の内面との間に予め決め
られた適切な断面積の空気通路53が残されている。こ
の嵌合部の構成は、ソケット44がスプライン穴部材
で、プラグ45がスプライン軸であってもよい。第2緩
衝支持手段12は、図3(a)に示すように、ハンドル
支柱42が回転可能に貫通しているヘッドパイプ40の
上蓋48とソケット44との間に設けた上コイルばね4
9と、フォーク支柱41が回転可能に貫通している下蓋
50とソケット44との間に設けた下コイルばね51
と、で構成されている。上下のコイルばね49、51は
双方が圧縮状態で収容されている。図3(a)におい
て、54は前フォーク52をフォーク支柱41に固定し
ている固定ねじ、55はヘッドパイプ40と前フォーク
52の間のボールベアリングである。
【0021】このように構成された第1緩衝支持手段1
1及び第2緩衝支持手段12を有する自転車は、走行中
に路面の凹凸等により、前車輪2が衝撃を受けた時は、
その衝撃が前フォーク52から主にハンドル側へ向か
い、第2緩衝支持手段12によって緩和されてハンドル
4に伝わり、後車輪3が衝撃を受けた時は、その衝撃が
フレーム1から主にサドル側に向かい、第1緩衝支持手
段11によって緩和されてサドル5に伝わる。この衝撃
は、ハンドル側では、前フォーク52、ヘッドパイプ4
0、下コイルばね51、ソケット44、ハンドル支柱4
2、ハンドル4の順に伝わり、途中で下コイルばね51
が圧縮されることで大部分の衝撃エネルギーが吸収さ
れ、次に吸収されたエネルギーは放出されてソケット4
4を介してハンドル支柱42を押し上げるように作用
し、この時上コイルばね49が圧縮され、以後は上下の
ばねがエネルギーを遣り取りして振動することになりる
が、ソケット44が移動するから機械的な摩擦抵抗及び
空気通路53を通って移動する空気の抵抗によって消費
され、急速に減衰する。また、サドル側では、フレーム
1、サドル支柱の挿入部14、下蓋25、第1コイルば
ね17、ピストン16、サドル支柱13、サドル5の順
に伝わり、途中で第1コイルばね17が圧縮されること
で大部分の衝撃エネルギーが吸収され、次に吸収された
エネルギーは放出されてピストン16を介してサドル支
柱13を押し上げるように作用し、この時第2コイルば
ね18が圧縮され、以後は第1、第2コイルばねがエネ
ルギーを遣り取りして振動することになるが、ピストン
16が移動するから機械的な摩擦抵抗及び予め断面積を
調節された空気通路19、20を通って出入りする空気
の抵抗によって消費され急速に減衰する。従って、路面
の凹凸による衝撃がハンドル4及びサドル5から乗り手
に伝わり難いから、乗り手が大きな衝撃を感じにくく、
疲れにくい。また、衝撃吸収の際に挿入部14に対して
サドル支柱13が変位しても、サドル支柱13に軸受部
35が略従動してサドル5とクランク軸57との距離が
あまり変化しないから、違和感がなく、乗り心地がよ
い。
【0022】本発明の第2の実施の形態を図4に示す。
この実施の形態では、サドルに対する緩衝支持手段11
aを有するもので、ハンドルに対する第2緩衝支持手段
は設けていないものである。第1の実施の形態の緩衝支
持手段11と異なる点は、クランクの軸受部35aが従
来の自転車におけるようにフレーム1aに固定されてい
る点、緩衝支持手段11aのピストンロッドであるサド
ル支柱13aの下端がピストン16aで終端している
点、サドル6の回転防止手段80を設けてある点等であ
る。
【0023】フレーム11aはサドル支柱13aが挿入
される挿入部14を有し、その挿入部14の下方伸延部
にクランクの軸受35aが直接固定的に設けられてい
る。挿入部14内はシリンダ15aに形成され、ピスト
ン16aが嵌入しており、ピストン16aにはサドル支
柱13aの下端部を固定してある。サドル回り止め手段
80は、図4(b)に断面を示すように、シリンダ15
aである挿入部14の内面に軸方向に沿って形成された
溝62と、ピストン16aに設けられ溝62に嵌合して
摺動可能な突条63とで構成されている。この回り止め
手段80によってピストン16aはシリンダ15a内を
上下に移動可能であるが軸線の回りに回転できない。従
って、サドル支柱13aがフレーム1aに対して回転し
ないから、サドル6も回転することはない。
【0024】この他の構成は第1の実施の形態の緩衝支
持手段11と略同じである。すなわち、シリンダ15a
に上蓋24aを設け、下端に下蓋兼ばね受け60を設け
てあり、下側室30内に第1コイルばね17を収容し、
上側室29内に第2コイルばね18を収容し、上側室2
9に空気通路19とその通路断面調節手段21を設け、
下側室30に空気通路20とその通路断面調節手段22
を設けてある。詳細な説明は省略するが、第1の実施の
形態と同等部分は同一図面符号で示してある。なお、上
蓋24aは支え64の一端を結合する構成である点で形
状が少し異なり、下蓋25に対応する下蓋兼ばね受け6
0を、ピン61で取付けた位置が挿入部14の途中であ
り、サドル支柱が貫通していない点で異なるが、緩衝機
能及び振動減衰機能は同じである。
【0025】この実施の形態は、サドル6のみが路面か
らの衝撃を緩和される構成であるから、乗り手の体重が
あまりハンドルに掛からない構成の自転車に採用して有
効である。この第2の実施の形態に第1の実施の形態に
おける第2緩衝支持手段12を組み合わせた実施の形態
もあり得る。
【0026】第2の実施の形態の変形例を図5に示す。
第2の実施の形態とは、サドル回転防止手段80aと、
空気通路70とが異なる。すなわち、サドル回転防止手
段80aは、上蓋24bの内周面に軸線の方向の2本の
溝72を設けてスプライン穴とし、サドル支柱13bの
外周に溝72に嵌合する2本の突条73を設けてスプラ
イン軸とし、互いに軸方向にのみ相対移動可能とした構
成である。この構成では、上蓋24bが挿入部14に対
して回転しないように固定する必要があるから、ロック
ナット71を設けてある。また、空気通路70は、ピス
トン16bに軸方向に沿った溝で形成してあり、上側室
29と下側室30とを連通している。この空気通路70
には通路断面調整手段が設けられていない。しかし、ダ
ンパー作用はあり、構成が簡単であるから、簡易型とし
て十分に実用可能である。図4と同等部分は同一図面符
号で示し、説明を省略する。
【0027】なお、第1の実施の形態では、クランク軸
受支持装置23がサドルの回転を防止できる構成である
から、回転防止手段を兼ねており、これとは別に回転防
止手段を設ける必要はない。
【0028】第1、第2の実施の形態において示した通
路断面調節手段21、22はシリンダ外面に開口した通
路をリング部材31、32に設けた穴を使用して適切な
大きさの小通路断面とする構成であるが、この外に前記
開口に対して開度を調節可能な既知の弁を設ける構成で
あってもよい。
【0029】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、車輪の弾性構
造に依存しないでも、緩衝機能を従来よりも向上させる
ことができ、路面からの衝撃がサドルから乗り手に衝撃
が伝わりにくく、従って乗り手が疲れにくく、長距離走
行や悪路走行に有効であり、また比較的固いソリッドタ
イヤの使用が可能となる効果を奏する。請求項2に記載
の発明は、製作コスト面で有利である効果を奏する。請
求項3、請求項4に記載の発明は、緩衝作用とダンパー
作用とにより、乗り心地が良くなる効果を奏する。請求
項5に記載の発明は、乗り手の体重に適した緩衝及びダ
ンパー機能に調節できる効果を奏する。請求項6に記載
の発明は、緩衝機能向上のためにサドルの変位量を大き
くできる効果を奏する。請求項7に記載の発明は、ハン
ドルを持つ手や肩に衝撃力が伝わりにくいから、乗り手
が疲れにくい効果を奏する。また、前輪に比較的固いソ
リッドタイヤの使用が可能となる効果を奏する。請求項
8に記載の発明は、前輪と後輪とのいずれからの衝撃も
緩和されるから、一層乗り手が疲れにくい効果を奏す
る。請求項9に記載の発明は、製作コスト面で有利であ
る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示す概略側
面図である。
【図2】同実施の形態の主要部(サドル支柱挿入部)を
示し、(a)は部分省略部分拡大概略背面図、(b)は
(a)の中央縦断概略側面図である。
【図3】同実施の形態の主要部(ヘッドパイプ部)を示
し、(a)は概略縦断正面図、(b)は(a)のA−A
断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示し、(a)は主
要部(サドル支柱挿入部)の拡大部分縦断側面図、
(b)は(a)のB−B断面図、(c)は主要部の概略
側面図である。
【図5】同第2の実施の形態の変形例を示し、(a)は
主要部(サドル支柱挿入部)の拡大部分縦断側面図、
(b)は(a)のC−C断面図である。
【符号の説明】
1 フレーム 2 前車輪 3 後車輪 4 ハンドル 5 サドル 6 ペダル 11 第1緩衝手段 12 第2緩衝手段 13 サドル支柱 14 挿入部 15 シリンダ 16 ピストン 17 第1コイルばね 18 第2コイルばね 19 空気通路 20 空気通路 21 通路断面調整手段 22 通路断面調整手段 23 軸受支持装置 24 上蓋 25 下蓋 26 連結部 27 鍔状部 28 円筒体 29 上側室 30 下側室 31 リング部材 32 リング部材 33 孔 34 孔 35 軸受部 36 後輪軸 37 チエン張りロッド 38 リンク 39 連結軸 40 ヘッドパイプ 41 フォーク支柱 42 ハンドル支柱 43 伝達手段 44 ソケット 45 プラグ 46 溝 47 突条 48 上蓋 49 上コイルばね 50 下蓋 51 下コイルばね 52 前フォーク 53 空気通路 56 クランク 57 クランク軸 80 サドル回転防止手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サドルに結合され下方へ伸延したサドル
    支柱と、フレームに設けられている前記サドル支柱の挿
    入部とを備えた自転車において、前記挿入部に設けられ
    前記サドル支柱を弾性的に昇降変位可能に支持する緩衝
    支持手段と、前記サドルと前記フレームとの間にフレー
    ムに対するサドルの回転を防止する回転防止手段とを設
    けたことを特徴とする自転車。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の自転車において、前記
    緩衝支持手段が、前記挿入部に対して前記サドル支柱を
    上方へ押し上げるように設けられた第1コイルばねと、
    前記サドル支柱を押し下げるように設けられた第2コイ
    ルばねとで構成されていることを特徴とする自転車。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の自転車において、前記
    緩衝支持手段が、前記挿入部に形成したシリンダと、前
    記サドル支柱に固定し前記シリンダ内を昇降移動可能に
    設けたピストンと、このピストンを境として前記シリン
    ダ内に形成した上側室及び下側室と、前記ピストンを押
    し上げるように前記下側室内に設けた第1コイルばね
    と、前記ピストンを押し下げるように前記上側室内に設
    けた第2コイルばねと、前記上側室と下側室との各々を
    各別に外界に連通し小断面積部分を有する空気通路と、
    を具備することを特徴とする自転車。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の自転車において、前記
    緩衝支持手段が、前記挿入部に形成したシリンダと、前
    記サドル支柱に固定し前記シリンダ内を昇降移動可能に
    設けたピストンと、このピストンを境として前記シリン
    ダ内に形成した上側室及び下側室と、前記ピストンを押
    し上げるように前記下側室内に設けた第1コイルばね
    と、前記ピストンを押し下げるように前記上側室内に設
    けた第2コイルばねと、前記上側室と下側室とを連通し
    た小断面積部分を有する空気通路と、を具備することを
    特徴とする自転車。
  5. 【請求項5】 請求項3、又は請求項4に記載の自転車
    において、前記空気通路の小断面積部分の大きさを調節
    する通路断面調節手段を有することを特徴とする自転
    車。
  6. 【請求項6】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、又は請求項5に記載の自転車において、前記サドル
    支柱を、前記挿入部を貫通して下方に出るように延長形
    成し、その下方に出たサドル支柱下端部に連結部を設
    け、クランクの軸受部から後方へ伸延し後端部を後輪軸
    の回りに回動可能にフレーム側に結合されたチエン張り
    ロッドを設け、前記軸受部に同軸的に回動可能に一端を
    結合されたリンクを設け、このリンクの他端と前記連結
    部とを結合した前記軸受部の軸線と平行な連結軸を設け
    てなるクランク軸受支持装置を具備することを特徴とす
    る自転車。
  7. 【請求項7】 フレームのヘッドパイプ内に、前フォー
    ク支柱に対してハンドル支柱が軸方向に移動可能な状態
    で且つ回転を伝達可能である伝達手段を設け、そのハン
    ドル支柱の軸方向移動に対して弾性的に支持する第2緩
    衝支持手段を設けたことを特徴とする自転車。
  8. 【請求項8】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5、又は請求項6に記載の自転車において、
    フレームのヘッドパイプ内に、前フォーク支柱に対して
    ハンドル支柱が軸方向に移動可能な状態で且つ回転を伝
    達可能である伝達手段を設け、そのハンドル支柱の軸方
    向移動に対して弾性的に支持する第2緩衝支持手段を設
    けたことを特徴とする自転車。
  9. 【請求項9】 請求項7、又は請求項8に記載の発明に
    おいて、前記第2緩衝支持手段が、前記ヘッドパイプ内
    に設けられハンドル支柱をヘッドパイプに対して押し上
    げるように作用する下コイルばね及びハンドル支柱をヘ
    ッドパイプに対して押し下げるように作用する上コイル
    ばねを有することを特徴とする自転車。
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