JPH11110769A - 収差補正装置及び情報再生装置 - Google Patents

収差補正装置及び情報再生装置

Info

Publication number
JPH11110769A
JPH11110769A JP9270778A JP27077897A JPH11110769A JP H11110769 A JPH11110769 A JP H11110769A JP 9270778 A JP9270778 A JP 9270778A JP 27077897 A JP27077897 A JP 27077897A JP H11110769 A JPH11110769 A JP H11110769A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crosstalk
tilt
signal
detection signal
light beam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9270778A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Kuribayashi
祐基 栗林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pioneer Electronic Corp filed Critical Pioneer Electronic Corp
Priority to JP9270778A priority Critical patent/JPH11110769A/ja
Priority to US09/166,423 priority patent/US6246648B1/en
Publication of JPH11110769A publication Critical patent/JPH11110769A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1392Means for controlling the beam wavefront, e.g. for correction of aberration
    • G11B7/13925Means for controlling the beam wavefront, e.g. for correction of aberration active, e.g. controlled by electrical or mechanical means
    • G11B7/13927Means for controlling the beam wavefront, e.g. for correction of aberration active, e.g. controlled by electrical or mechanical means during transducing, e.g. to correct for variation of the spherical aberration due to disc tilt or irregularities in the cover layer thickness
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1365Separate or integrated refractive elements, e.g. wave plates
    • G11B7/1369Active plates, e.g. liquid crystal panels or electrostrictive elements
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/08Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers
    • G11B7/09Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers with provision for moving the light beam or focus plane for the purpose of maintaining alignment of the light beam relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B7/095Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers with provision for moving the light beam or focus plane for the purpose of maintaining alignment of the light beam relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following specially adapted for discs, e.g. for compensation of eccentricity or wobble
    • G11B7/0956Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers with provision for moving the light beam or focus plane for the purpose of maintaining alignment of the light beam relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following specially adapted for discs, e.g. for compensation of eccentricity or wobble to compensate for tilt, skew, warp or inclination of the disc, i.e. maintain the optical axis at right angles to the disc

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チルトセンサ等のセンサを別途設ける必要が
なく、且つ、高精度、高信頼性を備え、更に小型化も可
能な収差補正装置及びそれを備えた情報再生装置を提供
する。 【解決手段】 光ディスクに光ビームを照射し、当該光
ビームの光ディスクからの反射光に基づいて中央検出信
号Scent、内側検出信号Sin及び外側検出信号Soutを
生成し、次に、各検出信号Scent、Sin及びSoutに基
づいて光ディスクにおけるチルトを検出する。そして、
検出したチルトに起因して光ビームに生じる波面収差を
液晶パネル3にて補正する。チルトを検出するために情
報再生用以外に別途光ビームを照射する必要がなく、収
差補正装置の構成を簡略化することができ、更に機械的
な稼動部分が不要であるので、収差補正装置としての信
頼性が向上すると共に小型化が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に情報を再
生する情報記録媒体の情報記録面と情報再生用の光ビー
ムの光軸とのなす角度が直角から傾斜すること(以下、
当該傾斜をチルトと称し、当該チルトの量をチルト量と
称する。)により当該情報記録面上に発生する波面収差
(主としてコマ収差)を補正するための収差補正装置の
技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の収差補正装置において
は、例えば、情報記録媒体としての光ディスクの半径方
向(以下、ラジアル方向と称する。)に生じる上記チル
トに起因する波面収差を補正する場合には、先ず、上記
情報再生用の光ビームとは別個にチルト量を検出するた
めの光ビームを光ディスクに照射し、当該チルト量検出
用の光ビームの反射光を半径方向に垂直な分割線により
二つの部分検出部に分割された光検出器(以下、チルト
量検出用の光ビームを出射する出射装置と上記分割され
た光検出器とを纏めてチルトセンサという。)により受
光し、夫々の部分検出部からの検出信号の差から上記チ
ルト量を算出し、当該算出されたチルト量に基づいて情
報再生用の光ビームの光軸を傾斜させてチルトを相殺
し、波面収差を補正していた。
【0003】しかし、この収差補正装置によると、機械
的な駆動装置により光軸を傾斜させてチルトを相殺する
必要があったため、製造上のコストが嵩むと共に信頼性
も低下し、更には小型化も困難であるという問題点があ
った。この問題点は、光ディスクの回転方向(以下、タ
ンジェンシャル方向と称する。)のチルトについても同
様に発生する。
【0004】そこで、従来、上記機械的な収差補正装置
の改良として、機械的なチルト相殺装置を用いずに、検
出されたチルト量に基づいて情報再生用の光ビームに対
して位相差等を与えることにより、上記チルトに起因し
て発生している波面収差を光学的に相殺する方法が考案
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような光学的に収差を相殺する方法によると、上記チル
ト自体は相殺されずに当該チルトにより生じている波面
収差の方を相殺することとなるので、波面収差を相殺し
てもチルト自体は変化せず、よって、チルトセンサから
の上記検出信号も変化しないこととなる。
【0006】従って、光学的な補正が不足なのか過剰な
のかは、チルトセンサの検出信号からは判別できず、よ
って、上記機械的な収差補正装置のようにチルトセンサ
の検出信号に基づいたいわゆるフィードバック制御がで
きず、チルトセンサからの検出信号から波面収差量(す
なわち、チルト量)を推定して補正する、いわゆるフィ
ードフォワード制御を実行することとなる。
【0007】これにより、チルトセンサでチルト量を正
確に検出できないと収差の補正が適切にできないことと
なり、従って、チルトセンサにおける部分検出部の感度
のばらつきやオフセット又は非線形性等を正確に調整し
なければならないという問題点があった。
【0008】更には、初期状態で正確にこれらの値を調
整しても、経時により変化が生じてしまう場合があると
いう問題点もあった。
【0009】更にまた、ラジアルチルト方向のチルトと
タンジャンシャル方向のチルトを共に補正する場合に
は、チルトセンサを二つ用いなければならず、ピックア
ップ部の大型化に繋がるという問題点もあった。
【0010】そこで、本発明は、上記各問題点に鑑みて
なされたもので、その課題は、上述のチルトセンサ等の
センサを別途設ける必要がなく、且つ、高精度、高信頼
性を備え、更に小型化も可能な収差補正装置及びそれを
備えた情報再生装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、記録情報が記録された
情報記録媒体に光ビームを照射し、当該光ビームの前記
情報記録媒体からの反射光に基づいて前記記録情報に対
応する検出信号を出力するディテクタ等の検出手段と、
前記検出信号に基づいて、前記情報記録媒体における情
報記録面と前記光ビームの光軸との間のチルトを検出す
る信号処理部等のチルト検出手段と、前記チルトに起因
して前記光ビームに生じる波面収差を補正する液晶パネ
ル等の補正手段と、前記検出されたチルトに基づいて、
前記補正手段を駆動する信号処理部等の駆動手段と、を
備える。
【0012】請求項1に記載の発明の作用によれば、検
出手段は、情報記録媒体に光ビームを照射し、当該光ビ
ームの情報記録媒体からの反射光に基づいて記録情報に
対応する検出信号を出力する。
【0013】次に、チルト検出手段は、検出信号に基づ
いてチルトを検出する。
【0014】一方、補正手段は、チルトに起因して光ビ
ームに生じる波面収差を補正する。
【0015】このとき、駆動手段は、検出されたチルト
に基づいて、補正手段を駆動する。
【0016】よって、情報再生用光ビームの照射により
得られる検出信号に基づいてチルトを検出するので、当
該チルトを検出するために情報再生用以外に別途光ビー
ムを照射する必要がなく、収差補正装置の構成を簡略化
することができる。
【0017】上記の課題を解決するために、請求項2に
記載の発明は、請求項1に記載の収差補正装置におい
て、前記情報記録媒体は光ディスク等のディスク状記録
媒体であると共に、前記記録情報はトラックを形成して
当該ディスク状記録媒体に記録されており、更に前記検
出手段は、再生すべき前記記録情報が記録されている中
央トラックと、当該中央トラックに対して隣接する内側
トラックと外側トラックについて、前記内側トラックを
形成する前記記録情報に対応する内側検出信号、前記再
生トラックを形成する前記記録情報に対応する中央検出
信号及び前記外側トラックを形成する前記記録情報に対
応する外側検出信号を出力すると共に、前記チルト検出
手段は、前記中央検出信号に基づいて前記トラックの前
記ディスク状記録媒体のタンジェンシャル方向における
前記チルトであるタンジェンシャルチルトを検出するタ
ンジェンシャルチルト検出部等のタンジェンシャルチル
ト検出手段と、前記内側検出信号及び前記中央検出信号
並びに前記外側検出信号に基づいて前記ディスク状記録
媒体のラジアル方向における前記チルトであるラジアル
チルトを検出するラジアルチルト検出部等のラジアルチ
ルト検出手段と、のうち、少なくともいずれか一方を備
えている。
【0018】請求項2に記載の発明の作用によれば、請
求項1に記載の発明の作用に加えて、情報記録媒体がデ
ィスク状記録媒体であると共に、記録情報がトラックを
形成して当該ディスク状記録媒体に記録されており、更
に検出手段が、再生すべき中央トラックと、当該中央ト
ラックに隣接する内側トラックと外側トラックについ
て、内側検出信号、中央検出信号及び外側検出信号を出
力すると共に、チルト検出手段におけるタンジェンシャ
ルチルト検出手段は、中央検出信号に基づいてタンジェ
ンシャルチルトを検出する。
【0019】また、チルト検出手段におけるラジアルチ
ルト検出手段は、外側検出信号及び中央検出信号並びに
内側検出信号に基づいてラジアルチルトを検出する。
【0020】よって、隣接するトラックからの検出信号
を用いてラジアル方向のチルトを検出すると共に中央ト
ラックの検出信号を用いてタンジェンシャル方向のチル
トを検出するので、正確に夫々の方向のチルトを検出し
て波面収差を補正することができる。
【0021】上記の課題を解決するために、請求項3に
記載の発明は、請求項2に記載の収差補正装置におい
て、前記ラジアルチルト検出手段は、前記内側検出信号
から前記中央検出信号へのクロストークである内側クロ
ストークと、前記外側検出信号から前記中央検出信号へ
のクロストークである外側クロストークとを夫々検出す
るクロストーク量検出部等のクロストーク検出手段を備
えると共に、前記内側クロストークと前記外側クロスト
ークとの差を前記ラジアルチルトとして検出し、更に前
記駆動手段は、当該ラジアルチルトが零となるように前
記補正手段を駆動するように構成される。
【0022】請求項3に記載の発明の作用によれば、請
求項2に記載の発明の作用に加えて、ラジアルチルト検
出手段におけるクロストーク検出手段は、内側クロスト
ークと外側クロストークとを夫々検出する。
【0023】そして、ラジアルチルト検出手段は、内側
クロストークと外側クロストークとの差をラジアルチル
トとして検出する。
【0024】これにより、駆動手段は、当該ラジアルチ
ルトが零となるように補正手段を駆動する。
【0025】よって、内側クロストークと外側クロスト
ークとを検出し、その差が零となるようにしてラジアル
方向に発生する波面収差を補正するので、簡易な構成で
正確に当該波面収差を補正することができる。
【0026】上記の課題を解決するために、請求項4に
記載の発明は、請求項2に記載の収差補正装置におい
て、前記ラジアルチルト検出手段は、前記内側検出信号
から前記中央検出信号へのクロストークである内側クロ
ストークと、前記外側検出信号から前記中央検出信号へ
のクロストークである外側クロストークとを夫々検出す
るクロストーク量検出部等のクロストーク検出手段を備
えると共に、前記内側クロストークと前記外側クロスト
ークとの和を前記ラジアルチルトとして検出し、更に前
記駆動手段は、当該ラジアルチルトが最小となるように
前記補正手段を駆動するように構成される。
【0027】請求項4に記載の発明の作用によれば、請
求項2に記載の発明の作用に加えて、ラジアルチルト検
出手段におけるクロストーク検出手段は、内側クロスト
ークと外側クロストークとを夫々検出する。
【0028】そして、ラジアルチルト検出手段は、内側
クロストークと外側クロストークとの和をラジアルチル
トとして検出する。
【0029】これにより、駆動手段は、当該ラジアルチ
ルトが最小となるように補正手段を駆動する。
【0030】よって、内側クロストークと外側クロスト
ークとを検出し、その和が最小となるようにしてラジア
ル方向に発生する波面収差を補正するので、簡易な構成
で正確に当該波面収差を補正することができる。
【0031】上記の課題を解決するために、請求項5に
記載の発明は、請求項2に記載の収差補正装置におい
て、前記タンジェンシャルチルト検出手段は、異なる三
つの時刻における前記中央検出信号である前検出信号、
後検出信号及び中間検出信号に基づいて、当該前検出信
号から前記中間検出信号へのクロストークである前クロ
ストークと、前記後検出信号から前記中間検出信号への
クロストークである後クロストークとを夫々検出するク
ロストーク量検出部等のクロストーク検出手段を備える
と共に、前記前クロストークと前記後クロストークとの
差を前記タンジェンシャルチルトして検出し、更に前記
駆動手段は、当該タンジェンシャルチルトが零となるよ
うに前記補正手段を駆動する。
【0032】請求項5に記載の発明の作用によれば、請
求項2に記載の発明の作用に加えて、タンジェンシャル
チルト検出手段におけるクロストーク検出手段は、前検
出信号、後検出信号及び中間検出信号に基づいて、前ク
ロストークと後クロストークとを夫々検出する。
【0033】そして、タンジェンシャルチルト検出手段
は、前クロストークと後クロストークとの差をタンジェ
ンシャルチルトとして検出する。
【0034】これにより、駆動手段は、当該タンジェン
シャルチルトが零となるように補正手段を駆動する。
【0035】よって、前クロストークと後クロストーク
とを検出し、その差が零となるようにしてタンジェンシ
ャル方向に発生する波面収差を補正するので、簡易な構
成で正確に当該波面収差を補正することができる。
【0036】上記の課題を解決するために、請求項6に
記載の発明は、請求項2に記載の収差補正装置におい
て、前記タンジェンシャルチルト検出手段は、異なる三
つの時刻における前記中央検出信号である前検出信号、
後検出信号及び中間検出信号に基づいて、当該前検出信
号から前記中間検出信号へのクロストークである前クロ
ストークと、前記後検出信号から前記中間検出信号への
クロストークである後クロストークとを夫々検出するク
ロストーク量検出部等のクロストーク検出手段を備える
と共に、前記前クロストークと前記後クロストークとの
和を前記タンジェンシャルチルトとして検出し、更に前
記駆動手段は、当該タンジェンシャルチルトが最小とな
るように前記補正手段を駆動する。
【0037】請求項6に記載の発明の作用によれば、請
求項2に記載の発明の作用に加えて、タンジェンシャル
チルト検出手段におけるクロストーク検出手段は、前検
出信号、後検出信号及び中間検出信号に基づいて、前ク
ロストークと後クロストークとを夫々検出する。
【0038】そして、タンジェンシャルチルト検出手段
は、前クロストークと後クロストークとの和をタンジェ
ンシャルチルトとして検出する。
【0039】これにより、駆動手段は、当該タンジェン
シャルチルトが最小となるように補正手段を駆動を補正
する。
【0040】よって、前クロストークと後クロストーク
とを検出し、その和が最小となるようにしてタンジェン
シャル方向に発生する波面収差を補正するので、簡易な
構成で正確に当該波面収差を補正することができる。
【0041】上記の課題を解決するために、請求項7に
記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の
収差補正装置において、前記補正手段は、前記光ビーム
の光路上に配置された液晶パネルを用いて前記波面収差
を補正するように構成される。
【0042】請求項7に記載の発明の作用によれば、請
求項1から6のいずれか一項に記載の発明の作用に加え
て、補正手段は、光ビームの光路上に配置された液晶パ
ネルを用いて波面収差を補正する。
【0043】よって、簡易な構成で補正手段を構成する
ことができる。
【0044】また、機械的な稼動部分が不要であるの
で、収差補正装置としての信頼性が向上すると共に小型
化が可能となる。
【0045】上記の課題を解決するために、請求項8に
記載の発明は、請求項7に記載の収差補正装置におい
て、前記液晶パネルは、前記光ビームに対して位相差を
与えることにより前記波面収差を補正する液晶と、当該
位相差を前記光ビームに与えるべく前記液晶に電圧を印
加する電極と、を備え、前記駆動手段は、前記検出され
たチルトに基づいて前記電圧を前記電極に印加する電圧
印加手段であるように構成される。
【0046】請求項8に記載の発明の作用によれば、請
求項7に記載の発明の作用に加えて、液晶パネルにおけ
る液晶は、光ビームに対して位相差を与えることにより
波面面収差を補正する。
【0047】このとき、液晶パネルにおける電極は、当
該位相差を光ビームに与えるべく液晶に電圧を印加す
る。
【0048】そして、駆動手段としての電圧印加手段
は、検出されたチルトに基づいて電圧を電極に印加す
る。
【0049】よって、効率的に光ビームに位相差を与え
て波面収差を補正することができる。
【0050】上記の課題を解決するために、請求項9に
記載の発明は、請求項8に記載の収差補正装置におい
て、前記電極は、前記傾斜量に対応して前記光ビームに
発生する前記波面収差の分布に対応した形状を有する副
電極を複数個含んで構成されていると共に、前記電圧印
加手段は、夫々の副電極に対して個別に前記電圧を印加
するように構成される。
【0051】請求項9に記載の発明の作用によれば、請
求項8に記載の発明の作用に加えて、電極が光ビームに
発生する波面収差の分布に対応した形状を有する副電極
を複数個含んで構成されていると共に、電圧印加手段
が、夫々の副電極に対して個別に電圧を印加する。
【0052】よって、波面収差の分布に対応した形状の
副電極に個別に電圧を印加して波面収差を補正するの
で、効果的に波面収差を補正することができる。
【0053】上記の課題を解決するために、請求項10
に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載
の収差補正装置において、前記補正手段は、前記検出さ
れたチルトに基づいて前記光ビームの光軸を傾斜させ、
当該チルト量を相殺する傾斜機構等の傾斜手段であるよ
うに構成される。
【0054】請求項10に記載の発明の作用によれば、
請求項1から6のいずれか一項に記載の発明の作用に加
えて、補正手段としての傾斜手段は、検出されたチルト
に基づいて光ビームの光軸を傾斜させ、当該チルトを相
殺する。
【0055】よって、チルトを検出するために情報再生
用以外に別途光ビームを照射する必要がなく、簡易な構
成で傾斜を相殺して波面収差を補正することができる。
【0056】上記の課題を解決するために、請求項11
に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記
載の収差補正装置と、前記光ビームを前記情報記録媒体
上に集光する対物レンズ等の集光手段と、前記検出信号
に基づいて前記記録情報を再生する復調部等の再生手段
と、を備える。
【0057】請求項11に記載の発明の作用によれば、
請求項1から10のいずれか一項に記載の発明の作用に
加えて、集光手段は、光ビームを情報記録媒体上に集光
する。
【0058】一方、再生手段は、検出信号に基づいて記
録情報を再生する。
【0059】よって、簡易な構成でチルトに起因する波
面収差を補正して正確に情報を再生することができる。
【0060】上記の課題を解決するために、請求項12
に記載の発明は、請求項3及び請求項5に記載の収差補
正装置と、前記光ビームを前記情報記録媒体上に集光す
る対物レンズ等の集光手段と、前記検出信号から、前記
内側クロストーク、前記外側クロストーク、前記前クロ
ストーク及び前記後クロストークの夫々を減算し、減算
検出信号を生成する減算器等の減算手段と、前記減算検
出信号に基づいて前記記録情報を再生する復調部等の再
生手段と、を備える。
【0061】請求項12に記載の発明の作用によれば、
請求項3及び請求項5に記載の発明の作用に加えて、集
光手段は光ビームを情報記録媒体上に集光する。
【0062】そして、減算手段は、検出信号から、内側
クロストーク、外側クロストーク、前クロストーク及び
後クロストークの夫々を減算し、減算検出信号を生成す
る。
【0063】そして、再生手段は、減算検出信号に基づ
いて記録情報を再生する。
【0064】よって、簡易な構成でチルトに起因する波
面収差を補正できると共に、夫々のクロストークを除去
して正確に情報を再生することができる。
【0065】
【発明の実施の形態】次に、本発明に好適な実施の形態
について、図面に基づいて説明する。
【0066】なお、以下に説明する実施の形態は、記録
情報に対応するピットにより同心円状又はスパイラル状
のトラックを形成して当該記録情報を記録したディスク
状記録媒体としての光ディスクから当該記録情報を再生
する情報再生装置に対して本発明を適用した場合の実施
形態である。
【0067】(I)第1実施形態 始めに、本発明の第1実施形態について、図1乃至図1
3を用いて説明する。
【0068】先ず、第1実施形態の情報再生装置の全体
構成について、図1を用いて説明する。
【0069】図1に示すように、第1実施形態の情報再
生装置Sは、レーザダイオード7と、回折格子6と、ビ
ームスプリッタ4と、補正手段としての液晶パネル3
と、集光手段としての対物レンズ2と、検出手段として
のディテクタ5と、三つのアンプ8と、遅延回路9及び
10と、チルト検出手段、電圧印加手段及び駆動手段と
しての信号処理部11と、再生手段としての復調部12
と、により構成されている。
【0070】次に、各部の動作を説明する。なお、光デ
ィスク1に記録されている記録情報は、図1に示すよう
に、当該記録情報に対応する複数種類の長さを有するピ
ットPがその縦方向に一列に並んでトラックを形成する
ことにより記録されている。また、当該光ディスク1の
接線方向の回転速度をVLとする。
【0071】レーザダイオード7は、レーザ光である光
ビームBを出射する。
【0072】そして、回折格子6は、光ビームBを、主
ビームBMと第1副ビームBS1と第2副ビームBS2
に分離する。
【0073】次に、ビームスプリッタ4は、主ビームB
M、第1副ビームBS1及び第2副ビームBS2夫々の一
部を透過して液晶パネル3に到達させる。
【0074】このとき、液晶パネル3は、信号処理部1
1からのチルト補正制御信号Scに基づいて主ビームB
M、第1副ビームBS1及び第2副ビームBS2に位相
差を与え、光ディスク1に発生しているチルトに起因す
る波面収差を補正する。
【0075】そして、対物レンズ2は、位相差が与えら
れた主ビームBM、第1副ビームBS1及び第2副ビー
ムBS2を光ディスク1に照射する。ここで、主ビーム
BMは再生すべき記録情報が記録されているトラック
(以下、再生トラックと称する。)に照射され、当該再
生トラック上に中央光スポットCを形成する。また、第
1副ビームBS1は当該再生トラックの一つ内側のトラ
ック(以下、内側トラックと称する。)に照射され、当
該内側トラック上に内側光スポットINを形成する。更
に、第2副ビームBS2は当該再生トラックの一つ外側
のトラック(以下、外側トラックと称する。)に照射さ
れ、当該外側トラック上に外側光スポットOUTを形成
する。
【0076】その後、各トラックに照射された主ビーム
BM、第1副ビームBS1及び第2副ビームBS2は、各
トラック上のピットPにより強度変調されると共に光デ
ィスク1で反射されることにより偏波面が回転され、再
び対物レンズ2、液晶パネル3を介してビームスプリッ
タ4に到達し、当該ビームスプリッタ4によりディテク
タ5の受光面の方向へ反射される。
【0077】次に、ディテクタ5で受光された主ビーム
BM、第1副ビームBS1及び第2副ビームBS2は、夫
々別個に電気信号に変換され、夫々主ビームBMに対応
する中央検出信号Scent、第1副ビームBS1に対応す
る内側検出信号Sin及び第2副ビームBS2に対応する
外側検出信号Soutとして夫々別個にアンプ8へ出力さ
れて夫々に増幅される。
【0078】そして、アンプ8で増幅された各検出信号
のうち、外側検出信号Soutはそのまま信号処理部11
に出力される。
【0079】一方、増幅された中央検出信号Scentは、
遅延回路9により遅延量DLで遅延された後、信号処理
部11に出力される。
【0080】更に、増幅された内側検出信号Sinは、遅
延回路10により遅延量2×DLで遅延された後、信号
処理部11に出力される。
【0081】ここで、遅延回路9及び10における遅延
量DL(又は2×DL)は、
【数1】DL=L/VL とされている。ここで、Lは内側光スポットINと中央
光スポットCとの間及び中央光スポットCと外側光スポ
ットOUTとの間の光ディスク1のトラックに沿った方
向の距離である。
【0082】なお、情報再生装置Sにおいて遅延回路9
及び10を設けている理由は以下の通りである。
【0083】すなわち、後述のように、信号処理部11
では内側検出信号Sin、中央検出信号Scent及び外側検
出信号Soutに基づいて、中央検出信号Scentに対する
内側検出信号Sinからのクロストークと中央検出信号S
centに対する外側検出信号Soutからのクロストークと
を求めて上記チルト補正制御信号Scを生成している
が、このとき、夫々の検出信号は光ディスク1の半径方
向に一直線に並んだ内側光スポットIN、中央光スポッ
トC及び外側光スポットOUTに基づいて生成されなけ
ればならない。ところが、実際の情報再生装置Sでは、
回折格子6を用いて光ビームBを分離した場合には、夫
々の光スポットを光ディスク1の半径方向に一直線に並
べることは困難である。そこで、情報再生装置Sにおい
ては、先行している内側光スポットINから生成される
内側検出信号Sinを遅延量2×DLで遅延させると共に
中央光スポットCから生成される中央検出信号Scentを
遅延量DLで遅延させることにより、外側光スポットO
UTから外側検出信号Soutが生成された時点で三つの
検出信号を同時に信号処理部11に出力することとして
いる。ここで、この遅延処理期間中でも光ディスク1自
体は速度VLで移動しているので、結局、当該遅延処理
により光ディスク1の半径方向に一直線に並ぶ位置のピ
ットPに基づく各検出信号が同時に信号処理部11に入
力されることとなり、正確に上記各クロストークが検出
されるのである。
【0084】そして、信号処理部11は、入力された内
側検出信号Sin、中央検出信号Scent及び外側検出信号
Soutに基づいて後述の処理によりチルト補正制御信号
Scを生成して液晶パネル3に出力する。これにより、
液晶パネル3は各光ビームに対して位相差を与えて光デ
ィスク1に発生しているチルトに起因する波面収差を補
正する。
【0085】一方、信号処理部11は、上記チルト補正
信号Scの生成と並行して上記中央検出信号Scentをそ
のまま復調部12に出力する。
【0086】そして、復調部12は、当該中央検出信号
Scentを復調し、光ディスク1上の再生すべき記録情報
に対応する再生信号Ssを生成する。
【0087】次に、信号処理部11の構成について、図
2を用いて説明する。
【0088】図2に示すように、信号処理部11は、A
/Dコンバータ24、25及び26と、ラジアルチルト
検出手段としてのラジアルチルト検出部20と、タンジ
ェンシャルチルト検出手段としてのタンジェンシャルチ
ルト検出部21と、ラジアルチルト制御部22と、タン
ジェンシャルチルト制御部23とにより構成されてい
る。
【0089】一方、ラジアルチルト検出部20は、クロ
ストーク検出手段としてのクロストーク量検出部30及
び31と、減算器32と、により構成されている。
【0090】また、タンジェンシャルチルト検出部21
は、クロストーク検出手段としてのクロストーク量検出
部33及び34と、減算器35と、遅延回路36及び3
7と、により構成されている。
【0091】次に、各部の動作を説明する。
【0092】A/Dコンバータ26は、遅延回路9から
出力された中央検出信号Scentをディジタル信号に変換
し、復調部12に出力すると共にクロストーク量検出部
30、31及び33に出力する。
【0093】一方、A/Dコンバータ24は、遅延回路
10から出力された内側検出信号Sinをディジタル信号
に変換し、クロストーク量検出部30に出力する。
【0094】更に、A/Dコンバータ25は、アンプ8
から出力された外側検出信号Soutをディジタル信号に
変換し、クロストーク量検出部31に出力する。
【0095】そして、クロストーク量検出部30は、入
力された内側検出信号Sinと中央検出信号Scentとを用
いて、中央検出信号Scentに対する内側検出信号Sinか
らのクロストーク量(以下、内側クロストーク量と称す
る。)を検出し、内側クロストーク信号Sctiとして減
算器32に出力する。
【0096】更に、クロストーク量検出部31は、入力
された外側検出信号Soutと中央検出信号Scentとを用
いて、中央検出信号Scentに対する外側検出信号Sout
からのクロストーク量(以下、外側クロストーク量と称
する。)を検出し、外側クロストーク信号Sctoとして
減算器32に出力する。
【0097】これにより、減算器32では、後述の検出
原理に基づいて、内側クロストーク信号Sctiと外側ク
ロストーク信号Sctoとの差を演算し、差信号Ssrを生
成し、ラジアルチルト制御部22に出力する。この差信
号Ssrがラジアル方向のチルト量を示す信号となる(詳
細は後述する。)。
【0098】そして、差信号Ssrが入力されたラジアル
チルト制御部22は、当該差信号Ssr基づいて、液晶パ
ネル3をラジアルチルト補正用に駆動するためのチルト
補正制御信号Sc1を生成し、後述する液晶パネル3のラ
ジアルチルト補正用の電極に印加する。
【0099】一方、タンジェンシャルチルト検出部21
に入力された中央検出信号Scentは、遅延回路36及び
37において後述する遅延量だけ遅延され、夫々、遅延
信号Sd1及びSd2として出力され、中央検出信号Scen
tと遅延信号Sd1がクロストーク量検出部33に、遅延
信号Sd1及びSd2がクロストーク量検出部34に夫々
入力される。
【0100】そして、これ以後、タンジェンシャルチル
ト検出部21においては、遅延信号Sd1、遅延信号Sd
2及び中央検出信号Scentについては、遅延信号Sd2
含まれている情報が光ディスク1の一のトラック上にお
いて時間的に後方の位置からの情報に相当し、遅延信号
Sd1に含まれている情報が当該一のトラック上において
時間的に中央の位置からの情報に相当し、中央検出信号
Scentに含まれている情報が当該一のトラック上におい
て時間的に前方の位置からの情報に相当するものとして
取り扱われる。そして、タンジェンシャルチルト検出部
21においては、当該遅延信号Sd1、遅延信号Sd2
び中央検出信号Scentを用いて同一トラック上の中央の
位置に対する前方の位置からのクロストーク量と後方の
位置からのクロストーク量とを算出している。
【0101】すなわち、クロストーク量検出部33は、
入力された遅延信号Sd1と中央検出信号Scentとを用い
て、遅延信号Sd1に対する中央検出信号Scentからのク
ロストーク量(すなわち、同一トラック上における中央
位置に対する前方位置からのクロストーク量。以下、前
クロストーク量と称する。)を検出し、前クロストーク
信号Sctfとして減算器35に出力する。
【0102】一方、クロストーク量検出部34は、入力
された遅延信号Sd1と遅延信号Sd 2とを用いて、遅延
信号Sd1に対する遅延信号Sd2からのクロストーク量
(すなわち、同一トラック上における中央位置に対する
後方位置からのクロストーク量。以下、後クロストーク
量と称する。)を検出し、後クロストーク信号Sctrと
して減算器35に出力する。
【0103】これにより、減算器35では、後述の検出
原理に基づいて、前クロストーク信号Sctfと後クロス
トーク信号Sctrとの差を演算し、差信号Sstを生成
し、タンジェンシャルチルト制御部23に出力する。こ
の差信号Sstがタンジェンシャル方向のチルト量を示す
信号となる(詳細は後述する。)。
【0104】そして、差信号Sstが入力されたタンジェ
ンシャルチルト制御部23は、当該差信号Sst基づい
て、液晶パネル3をタンジェンシャルチルト補正用に駆
動するためのチルト補正制御信号Sc2を生成し、後述す
る液晶パネル3のタンジェンシャルチルト補正用の電極
に印加する。
【0105】なお、図2におけるチルト補正制御信号S
c1とチルト補正制御信号Sc2とを併せたものが図1にお
けるチルト補正制御信号Scに相当する。
【0106】次に、図3乃至図5を用いて、ラジアルチ
ルト検出部20の動作について説明する。
【0107】先ず、本実施形態におけるラジアル方向の
チルト量検出の原理について、図3を用いて説明する。
【0108】ラジアル方向についてチルトがないとき
は、図3(b)上図に示すように対物レンズ2から出射
される光ビームBM(以下の説明では、光ビームBM、
BS1及びBS2を代表して光ビームBMを用いて説明す
る。)の光軸は光ディスク1の情報記録面に対して垂直
であるので、中央光スポットC自体の形状がほぼ真円と
なり、ビームプロファイル(光ディスク1上における光
ビームBMの強度分布)も図3(b)下図に示すように
光ビームBMが照射されている中央トラックに対してラ
ジアル方向に左右対称となる。従って、中央トラックに
対する内側クロストーク量は、当該中央トラックに対す
る外側クロストーク量に等しい。よって、この場合に
は、二つのクロストーク量の差をとると零となる。
【0109】一方、図3(a)に示すように、光ビーム
BMの光軸が内側トラックの方向に角度θだけずれてい
る場合を考えると、中央光スポットCの形状は光軸の傾
き方向とは逆の外側トラックの方向に広がった形状とな
る。よって、ビームプロファイルも図3(a)下図に示
すように外側トラックの方向のビーム強度が強くなり、
中央トラックに対してラジアル方向に左右対称とはなら
ない。従って、中央トラックに対する外側クロストーク
量の方が、当該中央トラックに対する内側クロストーク
量よりも多くなる。よって、この場合には、二つのクロ
ストーク量の差は零とならず、例えば、内側クロストー
ク量から外側クロストーク量を差し引いた値は負の値と
なる。
【0110】これに対し、図3(c)に示すように、光
ビームBMの光軸が外側トラックの方向に角度θだけず
れている場合を考えると、中央光スポットCの形状は内
側トラックの方向に広がった形状となる。よって、ビー
ムプロファイルも図3(c)下図に示すように内側トラ
ックの方向のビーム強度が強くなり、中央トラックに対
してラジアル方向に左右対称とはならない。従って、図
3(c)の場合には、中央トラックに対する内側クロス
トーク量の方が、当該中央トラックに対する外側クロス
トーク量よりも多くなる。よって、この場合にも、二つ
のクロストーク量の差は零とならず、例えば、内側クロ
ストーク量から外側クロストーク量を差し引いた値は正
の値となる。
【0111】以上の説明から明らかなように、内側クロ
ストーク量と外側クロストーク量との差をとれば、その
正負によりラジアル方向についてのチルトの方向が解る
と共にその量からチルト量が判明する。更に、上記差が
零となるように液晶パネル3を駆動すればラジアル方向
のチルトに起因する波面収差の補正ができることとな
る。
【0112】次に、図4及び図5を用いて、クロストー
ク量検出部30及び31の構成と共に具体的なクロスト
ーク量の検出動作について説明する。
【0113】図4に示すように、クロストーク量検出部
30は、参照信号発生回路40と、減算器42と、乗算
器44とにより構成されている。
【0114】また、クロストーク量検出部31は、参照
信号発生回路41と、減算器43と、乗算器44とによ
り構成されている。
【0115】次に、図4及び図5を用いて動作を説明す
る。なお、クロストーク量検出部30とクロストーク量
検出部31とは、同じ動作により夫々内側クロストーク
量又は外側クロストーク量を検出して内側クロストーク
信号Scti又は外側クロストーク信号Sctoを出力するの
で、以下の説明では代表してクロストーク量検出部30
を用いてその動作を説明する。
【0116】先ず、前提として、クロストーク量検出部
30における内側クロストーク量の検出は、光ビームB
Mが予め光ディスク1上に形成されている参照領域を照
射しているときに実行される。なお、この参照領域に
は、再生すべき本来の記録情報に対応するピットは形成
されておらず、予め設定された、例えば一定の長さの複
数のピットが一定の間隔をおいて連続するように形成さ
れている。
【0117】始めに、参照信号発生回路40は、上記参
照領域に対してクロストークが全くない状態で光ビーム
BMが照射されたときに得られるはずの中央検出信号S
cent(すなわち、理想的な波形の中央検出信号Scent)
と同一の波形を有する参照信号Sr1(図5上から2段目
点線波形参照)を生成し、減算器42に出力する。
【0118】次に、減算器42は、入力されている中央
検出信号Scent(図5上から2段目実線波形参照)から
参照信号Sr1を減算し、誤差信号Srr1(図5上から3
段目参照)を生成して乗算器44に出力する。この誤差
信号Srr1は、中央検出信号Scentに含まれるクロスト
ーク量の各標本値毎の値を示している。
【0119】次に、乗算器44は、生成された誤差信号
Srr1に対して、入力されている内側検出信号Sinを乗
算して上記内側クロストーク信号Scti(図5最下段参
照)を生成する。この乗算器44における処理は、誤差
信号Srr1に含まれる誤差(内側クロストーク又は外側
クロストーク)のうち、内側検出信号Sinに起因する内
側クロストーク量のみを抽出し、内側クロストーク信号
Sctiとして生成するための処理である。
【0120】そして、上述の動作によりクロストーク量
検出部30から出力された内側クロストーク信号Scti
と、同様の動作によりクロストーク量検出部31から出
力された外側クロストーク信号Sctoとが減算器32に
入力され、上述した原理に従って内側クロストーク信号
Sctiから外側クロストーク信号Sctoが減算され、ラジ
アル方向のチルト量を示す差信号Ssrが生成される。
【0121】次に、図6乃至図8を用いて、タンジェン
シャルチルト検出部21の動作について説明する。
【0122】先ず、本実施形態におけるタンジェンシャ
ル方向のチルト量検出の原理について、図6及び図7を
用いて説明する。
【0123】上述したラジアルチルト検出部20におい
ては、図6(a)に示すように、中央光スポットCに対
する内側光スポットINからの内側クロストーク量を示
す内側クロストーク信号Sctiと外側光スポットOUT
からの外側クロストーク量を示すクロストーク信号Sct
oとからラジアル方向のチルト量を検出した。
【0124】この方法を流用し、以下に説明するタンジ
ェンシャルチルト検出部21においては、同じ中央トラ
ックTcent上の三つの異なる位置に、仮想的に前方光ス
ポットFR、後方光スポットRE及び中央光スポット
C’を形成し、これらの三つの光スポットからの検出信
号(中央トラックTcent上の前後する三つの位置からの
検出信号)を用いてラジアルチルト検出部20と同様の
原理によりタンジェンシャル方向のチルト量を検出す
る。
【0125】なお、実際のタンジェンシャルチルト検出
部21では、上記仮想的な前方光スポットFR、後方光
スポットRE及び中央光スポットC’からの検出信号と
して、中央検出信号Scentそのものを前方光スポットF
Rからの検出信号と見做し、中央検出信号Scentを遅延
した遅延信号Sd1を中央光スポットC’からの検出信号
と見做し、遅延信号を更に遅延した遅延信号Sd2を後方
光スポットREからの検出信号と見做している。
【0126】次に、タンジェンシャルチルト検出の具体
的な原理について、図7を用いて説明する。
【0127】タンジェンシャル方向についてチルトがな
いときは、図7(b)上図に示すように対物レンズ2か
ら出射される光ビームBMの光軸は光ディスク1の情報
記録面に対して垂直であるので、中央光スポットC’自
体の形状がほぼ真円となり、ビームプロファイルも図7
(b)下図に示すように光ビームBMが照射されている
中央トラックTcentに対してタンジェンシャル方向に前
後対称となる。従って、中央トラックTcentにおける前
クロストーク量は後クロストーク量に等しい。よって、
この場合には、二つのクロストーク量の差をとると零と
なる。
【0128】一方、図7(a)に示すように、光ビーム
BMの光軸が光ビームBMの走査方向と反対方向に角度
γだけずれている場合を考えると、中央光スポットC’
の形状は光軸の傾き方向とは逆の光ビームBMの走査方
向の前方に広がった形状となる。よって、ビームプロフ
ァイルも図7(a)下図に示すように光ビームBMの走
査方向の前方のビーム強度が強くなり、中央トラックT
centのタンジェンシャル方向に前後対称とはならない。
従って、前クロストーク量の方が後クロストーク量より
も多くなる。よって、この場合には、二つのクロストー
ク量の差は零とならず、例えば、前クロストーク量から
後クロストーク量を差し引いた値は正の値となる。
【0129】これに対し、図7(c)に示すように、光
ビームBMの光軸が走査方向と同じ方向に角度γだけず
れている場合を考えると、中央光スポットC’の形状は
光ビームBMの走査方向の後方に広がった形状となる。
よって、ビームプロファイルも図7(c)下図に示すよ
うに光ビームBMの走査方向の後方のビーム強度が強く
なり、中央トラックTcentのタンジェンシャル方向に前
後対称とはならない。従って、前クロストーク量の方が
後クロストーク量よりも少なくなる。よって、この場合
には、例えば、前クロストーク量から後クロストーク量
を差し引いた値は負の値となる。
【0130】以上の説明から明らかなように、前クロス
トーク量と後クロストーク量との差をとれば、その正負
によりタンジェンシャル方向についてのチルトの方向
(前方か、又は後方か)が解ると共にその量からチルト
量が判明する。更に、上記差が零となるように液晶パネ
ル3を駆動すればタンジェンシャル方向のチルトに起因
する波面収差の補正ができることとなる。
【0131】なお、各遅延回路36及び37における遅
延量(通常同じ遅延量とされている。)が小さい場合
(図7中白丸で示す。)と大きい場合(図7中黒丸で示
す。)とを比較した場合には、遅延量が小さいときに
は、光ビームBMの光軸が光ビームBMの走査方向と反
対方向にずれているとき(図7(a)の場合)前クロス
トーク量が後クロストーク量より多くなり、光ビームB
Mの光軸が光ビームBMの走査方向と同じ方向にずれて
いるとき(図7(c)の場合)前クロストーク量が後ク
ロストーク量より少なくなる。
【0132】一方、遅延量が大きいときには、光ビーム
BMの光軸が光ビームBMの走査方向と反対方向にずれ
ているとき前クロストーク量が後クロストーク量より少
なくなり、光ビームBMの光軸が光ビームBMの走査方
向と同じ方向にずれているとき前クロストーク量が後ク
ロストーク量より多くなる。
【0133】従って、遅延回路36及び37の遅延量に
より検出されるチルトの極性が異なることとなるが、実
際には白丸の位置のクロストーク量又は黒丸の位置のク
ロストーク量のいずれか一方を用いればタンジェンシャ
ル方向のクロストーク量が検出できる。或いは、白丸の
位置のクロストーク量又は黒丸の位置のクロストーク量
のいずれか一方により求めたチルト量の極性を反転させ
てから両者を加算するようにしてもよい。なお、遅延回
路36及び37における遅延時間τの具体例としては、
例えば、白丸の位置のクロストーク量を検出するとき
は、λを光ビームBの波長、NAを対物レンズ2の開口
数として、
【数2】τ<0.6×(λ/NA)×(1/VL) とされ、黒丸の位置のクロストーク量を検出するとき
は、
【数3】τ≧0.6×(λ/NA)×(1/VL) とされる。
【0134】次に、図8を用いて、クロストーク量検出
部33及び34の構成と共に具体的なクロストーク量の
検出動作について説明する。
【0135】図8に示すように、クロストーク量検出部
33は、参照信号発生回路50と、減算器52と、乗算
器54とにより構成されている。
【0136】また、クロストーク量検出部34は、参照
信号発生回路51と、減算器53と、乗算器54とによ
り構成されている。
【0137】次に、図8を用いて動作を説明する。な
お、クロストーク量検出部33とクロストーク量検出部
34とは、同じ動作により夫々前クロストーク量又は後
クロストーク量を検出して前クロストーク信号Sctf又
は後クロストーク信号Sctrを出力するので、以下の説
明では代表してクロストーク量検出部33を用いてその
動作を説明する。
【0138】更に、クロストーク量検出部33とクロス
トーク量検出部34とは、上述したクロストーク量検出
部30における内側検出信号Sinをクロストーク量検出
部33における中央検出信号Scentに置換し、クロスト
ーク量検出部30又はクロストーク量検出部31におけ
る中央検出信号Scentをクロストーク量検出部33又は
クロストーク量検出部34における遅延信号Sd1に置換
し、クロストーク量検出部31における外側検出信号S
outをクロストーク量検出部34における遅延信号Sd2
に置換したものと同様であるので、クロストーク量検出
部33又は34における各部の波形図については図5を
流用する。
【0139】先ず、クロストーク量検出部30の場合と
同様に、前提として、クロストーク量検出部33におけ
る前クロストーク量の検出は、光ビームBMが上記参照
領域を照射しているときに実行される。
【0140】始めに、参照信号発生回路50は、上記参
照領域に対してクロストークが全くない状態で光ビーム
BMが照射されたときに得られるはずの遅延信号Sd1
同一の波形を有する参照信号Sr1を生成し、減算器52
に出力する。
【0141】次に、減算器52は、入力されている遅延
信号Sd1から参照信号Sr1を減算し、誤差信号Srr1
生成して乗算器54に出力する。この誤差信号Srr
1は、遅延信号Sd1に含まれるクロストーク量の各標本
値毎の値を示している。
【0142】次に、乗算器54は、生成された誤差信号
Srr1に対して、入力されている中央検出信号Scentを
乗算して上記前クロストーク信号Sctf(図5最下段参
照)を生成する。この乗算器54における処理は、誤差
信号Srr1に含まれる誤差(前クロストーク又は後クロ
ストーク)のうち、中央検出信号Scentに起因する前ク
ロストーク量のみを抽出し、前クロストーク信号Sctf
として生成する処理である。
【0143】そして、上述の動作によりクロストーク量
検出部33から出力された前クロストーク信号Sctf
と、同様の動作によりクロストーク量検出部34から出
力された後クロストーク信号Sctbとが減算器35に入
力され、上述した原理に従って前クロストーク信号Sct
fから後クロストーク信号Sctbが減算され、タンジェン
シャル方向のチルト量を示す差信号Sstが生成される。
【0144】これ以後は、上述したように、差信号Ssr
及び差信号Sstが夫々ラジアルチルト制御部22及びタ
ンジェンシャルチルト制御部23に出力される。
【0145】次に、当該ラジアルチルト制御部22及び
タンジェンシャルチルト制御部23の構成及び動作につ
いて、図9を用いて説明する。
【0146】図9に示すように、ラジアルチルト制御部
22は、積分器22Aと、ドライバ22Bとにより構成
されている。また、タンジェンシャルチルト23は、積
分器23Aと、ドライバ23Bとにより構成される。
【0147】次に、動作を説明する。
【0148】差信号Ssrが入力される積分器22Aは、
当該差信号Ssrに含まれる各標本値を所定間隔毎に平均
化し、ドライバ22Bに出力する。そして、ドライバ2
2Bは、平均化された差信号Ssrに対して増幅等の処理
を施し、チルト補正制御信号Sc1として液晶パネル3に
出力する。
【0149】一方、差信号Sstが入力される積分器23
Aは、当該差信号Sstに含まれる各標本値を所定間隔毎
に平均化し、ドライバ23Bに出力する。そして、ドラ
イバ23Bは、平均化された差信号Sstに対して増幅等
の処理を施し、チルト補正制御信号Sc2として液晶パネ
ル3に出力する。
【0150】そして、当該チルト補正制御信号Sc1とチ
ルト補正制御信号Sc2とにより液晶パネル3が駆動さ
れ、チルトにより光ビームBに生じている波面収差が補
正される。
【0151】次に、上記液晶パネル3の構成及び動作に
ついて、図10乃至図13を用いて説明する。
【0152】図10にその縦断面図を示すように、液晶
パネル3は二層構造となっており、ガラス基板3hを挟
んで、ラジアル方向のチルトによる波面収差を補正する
ための副液晶パネル3’と、タンジェンシャル方向のチ
ルトによる波面収差を補正するための副液晶パネル3”
とにより構成されている。
【0153】そして、副液晶パネル3’は、液晶分子M
を含む液晶3gを挟んで、当該液晶3gに所定の分子配
向を与えるための配向膜3e及び3fが形成され、更に夫
々の配向膜3e及び3fの外側にITO(Indium-tin Ox
ide;インジウム錫酸化物)等によりなる透明電極3c及
び透明電極3dが形成されている。そして、副液晶パネ
ル3”に接続されていない方の最外部には保護層として
のガラス基板3aが形成されている。
【0154】この構成において、透明電極3cは、後述
するように、ラジアル方向の波面収差の分布に対応した
パターン電極に分割されている。また、透明電極3dは
パターン電極を有しない一様な平面電極とされている。
【0155】一方、副液晶パネル3”は、液晶分子Mを
含む液晶3mを挟んで、配向膜3k及び3lが形成さ
れ、更に夫々の配向膜3k及び3lの外側にITO等に
よりなる透明電極3i及び透明電極3jが形成されてい
る。そして、副液晶パネル3’に接続されていない方の
最外部には保護層としてのガラス基板3bが形成されて
いる。
【0156】この構成において、透明電極3jは、後述
するように、タンジェンシャル方向の波面収差の分布に
対応したパターン電極に分割されている。また、透明電
極3iはパターン電極を有しない一様な平面電極とされ
ている。
【0157】また、液晶3g及び3mとしては、図10
に示すように液晶分子Mの光学軸方向とこれに垂直な方
向とでその屈析率が異なる、いわゆる複屈析効果を有し
ているものが用いられ、透明電極3c、3d、3i及び
3jに印加する電圧値を変化させることにより、図10
(a)乃至(c)に示すように、液晶分子Mの向きを水
平方向から垂直方向まで自在に変えることができる。
【0158】このとき、透明電極3d及び3iには一様
な電圧値を有するように駆動され、一方、透明電極3c
にはそのパターン電極毎に上述したラジアルチルト補正
用のチルト補正制御信号Sc1がラジアルチルト制御部2
2から印加され、更に、透明電極3jにはそのパターン
電極毎に上述したタンジェンシャルチルト補正用のチル
ト補正制御信号Sc2がタンジェンシャルチルト制御部2
3から印加される。
【0159】次に、各透明電極3c及び3jの構成につ
いて、図11を用いて説明する。
【0160】始めに、透明電極3cは、図11(a)に
示すように線対称に配置された五つのパターン電極60
a、60b、61a、61b及び62に分割されてお
り、夫々のパターン電極は相互に絶縁されている。ま
た、これらのパターン電極のうち、パターン電極60a
と60bが同一のチルト補正制御信号Sc1により駆動さ
れ、更にパターン電極61aと61bが同一のチルト補
正制御信号Sc1により駆動される。ここで、パターン電
極60a及び60bに印加されるチルト補正制御信号S
c1とパターン電極61a及び61bに印加されるチルト
補正制御信号Sc1とは、相互に極性が逆とされる。な
お、透明電極3cが図11(a)に示す形状に分割され
ているのは、パターン電極の形状(すなわち、独立して
駆動制御される領域の区分)を後述するラジアル方向に
発生する波面収差の分布と同一の形状とするためであ
る。また、透明電極3c全体の大きさとしては、光ビー
ムBMの当該透明電極3cへの入射範囲SPが、図11
(a)に示す範囲となるような大きさとされる。
【0161】一方、透明電極3jは、図11(b)に示
すように線対称に配置された五つのパターン電極64
a、64b、63a、63b及び65に分割されてお
り、夫々のパターン電極は相互に絶縁されている。ま
た、これらのパターン電極のうち、パターン電極64a
と64bが同一のチルト補正制御信号Sc2により駆動さ
れ、更にパターン電極63aと63bが同一のチルト補
正制御信号Sc2により駆動される。ここで、パターン電
極64a及び64bに印加されるチルト補正制御信号S
c2とパターン電極63a及び63bに印加されるチルト
補正制御信号Sc2とは、相互に極性が逆とされる。な
お、透明電極3jが図11(b)に示す形状に分割され
ているのは、透明電極3cの場合と同様に、パターン電
極の形状を後述するタンジェンシャル方向に発生する波
面収差の分布と同一の形状とするためである。また、透
明電極3j全体の大きさとしては、光ビームBの当該透
明電極3jへの入射範囲SPが、図11(b)に示す範
囲となるような大きさとされる。
【0162】次に、液晶パネル3による光ディスク1の
チルトに起因する波面収差の補正の原埋及び上記各パタ
ーン電極の形状の決定要因について、図11乃至図13
を用いて説明する。なお、以下の説明は、ラジアル方向
の波面収差を補正する場合(すなわち、透明電極3cに
チルト補正制御信号Sc1を印加して波面収差を補正する
場合)について説明するものである。
【0163】まず、対物レンズ2の瞳面における波面収
差をW(r,φ)とする。ここで、(r,φ)は瞳面の
極座標である。
【0164】今、光ディスク1が光ビームBMの軸に対
して傾いた場合(すなわち、チルトが発生した場含)に
は、上述のように波面収差(主としてコマ収差)が発生
し、対物レンズ2により光ビームBMを絞ることができ
なくなる。この場合に、チルト角に起困して発生する波
面収差Wtlt(r,φ)のうち、その大部分を占めるの
は、下記式(1)で表される波面収差である。
【0165】
【数4】 Wtlt(r,φ)≒ω31×r3×cosφ+ω11×r×cosφ …(1) ここで、ω31及びω11は光ディスク1のチルト角、基板
の厚さ、基板の屈折率及び対物レンズ2の開口数(N
A)で与えられる定数であり、ω31はコマ収差、ω11
像点の移動による収差を表している。この数式を用いて
瞳面での波面収差分布を計算した結果が、後述する図1
2により示される波面収差分布(ラジアル方向のチルト
角に起因する波面収差分布)に対応する。
【0166】また、瞳面上の波面収差W(r,φ)の標
準偏差をWrmsとすると、当該Wrmsは下記式(2)によ
り表される。
【0167】
【数5】 ここで、式(2)中のW0はW(r,φ)の瞳面上の平
均値である。このWrmsは、波面収差の評価に用いら
れ、Wrmsを小さくすれば波面収差の影響が少なく良好
な再生を行うことができる。
【0168】ところで、式(2)から明らかなように、
波面収差を補正するにはW(r,φ)を小さくすればよ
い。そこで、光ディスク1がそのラジアル方向に傾いた
ことにより発生したWtlt(r,φ)を補正するため
に、液晶パネル3の透明電極3cにおける各パターン電
極に印加されるチルト補正制御信号Sc1を制御して、あ
るパターン電極に対応する液晶3gの領域の屈析率をΔ
nだけ変化させたとすると、この屈折率の変化により当
該パターン電極に対応する領域を通過する光ビームBM
に対して光路差Δn×d(dは液晶3gの厚さ)を与え
ることができる。
【0169】そして、液晶3gで与えられる光路差をW
lc(r,φ)とすると、液晶パネル3を配置したときの
対物レンズ2の瞳面におけるラジアル方向の波面収差W
(r,φ)は以下に示す式(3)で表される。
【0170】
【数6】 W(r,φ)=Wtlt(r,φ)+Wlc(r,φ) …(3) この式(3)から明らかなように、光ディスク1のラジ
アル方向のチルトに起因する波面収差W(r,φ)を打
ち消すには、
【数7】 W(r,φ)=Wtlt(r,φ)+Wlc(r,φ)=0 とすれば良い。すなわち、液晶3gにより光ディスク1
のラジアル方向のチルトに起困する波面収差Wtlt
(r,φ)に対して逆極性の波面収差、つまり、
【数8】Wlc(r,φ)=−Wtlt(r,φ) となる波面収差Wlc(r,φ)を光ビームBMに与えれ
ばよいことがわかる。
【0171】そこで、液晶3gにより光ディスク1のチ
ルト角に起因する波面収差Wtlt(r,φ)に対して逆
極性の波面収差Wlc(r,φ)を与えるためには、図1
2で示された光ディスク1のラジアル方向のチルト角に
起因する波面収差分布に対応して液晶3gを分割するよ
うに各パターン電極を設け、各パターン電極に対応する
領域の印加電圧を、ラジアル方向のチルトに起因する波
面収差に対して逆極性の波面収差を与えるように制御す
ればよい。
【0172】ここで、図12は、当該ラジアル方向の波
面収差分布を対物レンズ2の瞳面上で見た状態を示すも
のである。より具体的には、図12は、光ディスク1の
情報記録面がラジアル方向に+1°傾いた場合の光スポ
ットの最良像点における波面収差分布を、入射する光ビ
ームBMの最大領域の範囲内において表した図であり、
当該波面収差分布を、波面収差の値が−25nm〜+2
5nmの範囲を有する領域Aを中心として50nmの範
囲幅を有する領域A乃至Kの境界線によって表してい
る。そして、図12中のX2−X2は、光ディスク1の
傾く方向に対応した軸(すなわち、ラジアル方向)であ
る。なお、図13において、当該波面収差分布をX2−
X2軸上における分布特性で表している。
【0173】また、波面収差の分布自体はラジアル方向
のチルトの大きさによらず一定の分布形状をしており、
チルトの大きさにより変化するのは、波面収差量であ
る。この点を図13を用いて説明すると、図13に示す
曲線のピーク値はチルトが大きくなれば高くなり、チル
トが小さくなれば低くなる。
【0174】本実施形態の液晶パネル3では、この波面
収差の分布に着目して、透明電極3cの分割形状を図1
2の波面収差分布に類似した形状とし、各パターン電極
に対応する領域の液晶3gにより、生じている波面収差
Wtlt(r,φ)を打ち消すように光ビームBMに位相
差を与えて、ラジアル方向のチルトに起因する波面収差
Wtlt(r,φ)の影響を再生に影響のない範囲まで減
少させている。すなわち、液晶3gの各分割領域(各パ
ターン電極に対応する分割領域)毎にチルト補正制御信
号Sc1を用いて電圧制御を行うことにより液晶分子Mの
向きを変化させ、各分割領域の屈折率を変えることによ
り光ビームBMに位相差を与えてディスク1のラジアル
方向の傾斜時に発生する波面収差Wtlt(r,φ)を補
正するのである。
【0175】以上説明したように、図11(a)に示す
各パターン電極は、光ディスク1の記録面がラジアル方
向に+1°傾いた場合の波面収差分布(図12参照)に
基づいてその形状が設定されたものであり、透明電極3
cは、波面収差を5つの値で近似した場合に対応する五
つのパターン電極を有している。
【0176】なお、パターン電極62に対応する領域は
波面収差の値が0となる領域を含む領域であり、パター
ン電極61bに対応する液晶3gの領域とパターン電極
60bに対応する液晶3gの領域は対称的な形状であ
り、透過する光ビームBMに与える位相差の値は逆極性
となっている。更に、パターン電極60aに対応する液
晶3gの領域とパターン電極61aに対応する液晶3g
の領域は対称的な形状であり、透過する光ビームBに与
える位相差の値は逆極性となっている。
【0177】なお、上述した図10乃至図13による説
明では、光ディスク1のラジアル方向に生じた波面収差
を補正する場合について説明したが、光ディスク1のタ
ンジェンシャル方向に生じた波面収差を補正する場合に
ついては、透明電極3cのパターン電極の形状等の内容
を90°回転させて適用すれば、タンジェンシャル方向
の波面収差を透明電極3jを使用して補正する場合に対
応する。従って、透明電極3jにおける各パターン電極
64a、64b、63a、63b及び65の形状につい
ても、タンジェンシャル方向に平行な対称軸を対象とし
た波面収差分布(図12におけるX2−X2軸をタンジ
ェンシャル方向とした場合の波面収差分布)に類似した
形状とされている。
【0178】そして、当該各パターン電極64a、64
b、63a、63b及び65がチルト補正制御信号Sc2
により駆動され、タンジェンシャル方向のチルトにより
生じている波面収差を補正することとなる。
【0179】以上説明したように、第1実施形態の情報
再生装置Sの動作によれば、光ビームBの照射により得
られる中央検出信号Scent等に基づいてチルトを検出す
るので、当該チルトを検出するために光ビームB以外に
別途光ビームを照射する必要がなく、収差補正のための
構成を簡略化することができる。
【0180】また、機械的な稼動部分が不要であるの
で、収差補正装置としての信頼性が向上すると共に小型
化が可能となる。
【0181】従って、簡易且つ小型化された構成で正確
に光ビームBMの光軸のチルトに起因する収差を補正す
ることができる。
【0182】また、隣接するトラックからの内側検出信
号Sin又は外側検出信号Soutを用いてラジアルチルト
を検出すると共に中央検出信号Scentを用いてタンジェ
ンシャルチルトを検出するので、正確に夫々の方向のチ
ルトを検出して波面収差を補正することができる。
【0183】更に、内側クロストーク量と外側クロスト
ーク量とを検出し、その差が零となるようにしてラジア
ル方向に発生する波面収差を補正するので、簡易な構成
で正確に当該波面収差を補正することができる。
【0184】更にまた、前クロストーク量と後クロスト
ーク量とを検出し、その差が零となるようにしてタンジ
ェンシャル方向に発生する波面収差を補正するので、簡
易な構成で正確に当該波面収差を補正することができ
る。
【0185】また、光ビームBの光路上に配置された液
晶パネル3を用いて波面収差を補正するので、簡易な構
成で波面収差を補正することができる。
【0186】更に、液晶パネル3における液晶3g又は
3mにチルトに基づいた電圧を印加することにより、光
ビームBに対して位相差を与えて波面収差を補正するの
で、効率的に光ビームBの波面収差を補正することがで
きる。
【0187】更にまた、液晶パネル3における透明電極
が、光ビームBに発生する波面収差の分布に対応した形
状を有するパターン電極を複数個含んで構成されている
と共に、ラジアルチルト制御部22又はタンジェンシャ
ルチルト制御部23が、夫々のパターン電極に対して個
別に電圧を印加して波面収差を補正するので、効果的に
波面収差を補正することができる。
【0188】また、対物レンズ2により光ビームBを光
ディスク1上に集光し、更に復調部12により記録情報
を再生するので、簡易な構成で光軸の傾斜に起因する波
面収差を補正して正確に情報を再生することができる。
【0189】(II)第2実施形態 次に、本発明の他の実施形態である第2実施形態につい
て、図14乃至図16を用いて説明する。
【0190】上述の第1実施形態では、クロストーク量
検出部30、31、33又は34内に乗算器44、4
5、54又は55を備えた構成について説明したが、第
2実施形態では、回路作成に当たって複雑な構成となる
乗算器を用いずに各クロストーク量を検出する構成とな
っている。
【0191】始めに、第2実施形態のクロストーク量検
出部の構成について、図14を用いて説明する。なお、
第2実施形態においては、各クロストーク量検出部以外
の構成は第1実施形態の情報再生装置Sと同様であるの
で、細部の説明は省略する。また、第2実施形態の情報
再生装置においても、第1実施形態の情報再生装置Sと
同様に動作を同じくするクロストーク量検出部を四つ備
えているが、以下の説明では、それらを代表して第2実
施形態における内側クロストーク量を検出するクロスト
ーク量検出部30’について説明する。
【0192】図14に示すように、第2実施形態のクロ
ストーク量検出部30’は絶対値回路70と、コンパレ
ータ71と、ゼロクロス検出回路72と、抽出回路73
と、極性選択回路74と、アンド回路77と、極性検出
回路78と、三つの遅延回路79A乃至79Cとにより
構成されている。
【0193】また、極性選択回路74は、反転器75
と、切換器76とにより構成されている。
【0194】次に、図14及び図15を用いて動作を説
明する。
【0195】なお、上述の第1実施形態の情報記録再生
Sのクロストーク量検出部30等においては、例えば、
入力された中央検出信号Scentから参照信号Sr1を減算
し、これと内側検出信号Sinとを乗算していたが、第2
実施形態のクロストーク量検出部30’では、中央検出
信号Scentにおけるゼロクロス点近傍の標本値のみを抽
出し、当該抽出した標本値によりクロストーク量を検出
している。このことは、すなわち、第1実施形態の情報
記録再生Sのクロストーク量検出部30等において、参
照信号Sr1を周期的な波形でなく一定値ゼロのみを有す
る信号とした場合と等価である。
【0196】クロストーク量検出部30’に入力された
内側検出信号Sinは、遅延回路79Aにより当該内側検
出信号Sinにおける一標本化周期分だけ遅延された後に
極性検出回路78に出力されてその極性が検出されると
共に、絶対値回路70においてその絶対値が検出され、
絶対値信号Sabとして出力される。
【0197】そして、当該絶対値信号Sabに含まれる各
標本値と予め入力されている閾値信号Sthの値とがコン
パレータ71において比較され、当該閾値信号Sthの値
よりも大きい絶対値を有する絶対値信号Sab内の標本値
のみが比較信号Scm(図15上から4段目参照)として
出力される。ここで、コンパレータ71において、閾値
信号Sthの値と絶対値信号Sabに含まれる各標本値とに
含まれる各標本値とを比較して当該閾値信号Sthの値よ
りも大きい値を有する標本値のみを抽出するのは、内側
検出信号Sinに含まれる標本値のうち、ゼロレベルに近
く閾値信号Sthの値よりも小さい値の標本値は、中央検
出信号Scentに対してクロストークを与え得ないものと
して扱えるからである。
【0198】一方、クロストーク量検出部30’に入力
された中央検出信号Scentは、遅延回路79Cにより当
該中央検出信号Scentにおける一標本化周期分だけ遅延
されて抽出回路73に出力されると共に、ゼロクロス検
出回路72に出力され、当該ゼロクロス検出回路72に
より中央検出信号Scentにおけるゼロクロス点のタイミ
ングを含み予め設定された所定のパルス幅を有するゼロ
クロス信号Szr(図15上から3段目参照)が生成され
る。
【0199】そして上記比較信号Scmを遅延回路79B
において内側検出信号Sinにおける一標本化周期分だけ
遅延させた信号とゼロクロス信号Szrとがアンド回路7
7に入力され、双方の論理積として論理積信号Sen(図
15上から5段目参照。)が出力される。この論理積信
号Senは、内側検出信号Sinがクロストークの影響を中
央検出信号Scentに及ぼし得るほど大きく、且つ中央検
出信号Scentがゼロクロス付近にあるタイミングを検出
するものであり、当該タイミングで「HIGH」となる
信号である。
【0200】そして、論理積信号Senがイネーブル端子
に入力されている抽出回路73は、当該論理積信号Sen
が「HIGH」となっているタイミングに入力される中
央検出信号Scentの標本値のみが、抽出信号Spu(図1
5上から3段目参照)として極性選択回路74に入力さ
れる。この抽出信号Spuが中央検出信号Scentにおける
ゼロクロス点付近の標本値に含まれるクロストーク量
(外側クロストーク量と、内側検出信号Sinに含まれる
標本値のうち、中央検出信号Scentに対してクロストー
クを与え得る大きさを有する標本値の影響による内側ク
ロストーク量とを加算したもの)を示すこととなる。
【0201】そして、極性選択回路74においては、入
力された抽出信号Spuは、そのままスイッチ76の一方
の端子に入力されると共に反転回路75に入力される。
その後、反転回路75は、入力されている抽出信号Spu
の標本値の極性を反転し、反転抽出信号Spurとしてス
イッチ76の他方の端子に出力する。
【0202】一方、スイッチ76には、内側検出信号S
inの極性を極性検出回路78において判定した結果であ
る極性信号Sch(図15下から2段目参照)が入力され
ている。
【0203】そして、スイッチ76においては、極性信
号Schに基づいて、内側検出信号Sinの極性が正のとき
抽出信号Spuを選択すると共に、内側検出信号Sinの極
性が負のとき反転抽出信号Spurを選択し、内側クロス
トーク信号Scti'として出力する。
【0204】この極性選択回路74の動作により、抽出
信号Spuに対して、第1実施形態の情報再生装置Sにお
ける乗算器44と同様の処理が施され、内側クロストー
クの大きさを示す内側クロストーク信号Scti'が出力さ
れることとなる。なお、以上の動作における全体のタイ
ミング調整については、遅延回路79A乃至79Cによ
り実行されている。
【0205】そして、クロストーク量検出部30’と同
様の処理により生成される外側クロストーク信号と上記
内側クロストーク信号Scti'とに基づいて、第1実施形
態の情報再生装置Sと同様の動作によりラジアル方向の
チルト量が検出され、当該チルトに起因する波面収差が
補正されることとなる。
【0206】また、タンジェンシャル方向についても、
クロストーク量検出部30’と同様の構成を有する二つ
のクロストーク量検出部により夫々前クロストーク量と
後クロストーク量とが検出され、これらに基づいて、第
1実施形態の情報再生装置Sと同様の動作によりタンジ
ェンシャル方向の方向のチルト量が検出され、当該チル
トに起因する波面収差が補正される。
【0207】次に、上記クロストーク量検出部30’に
おけるゼロクロス検出部72の構成及び動作について、
図16を用いて説明する。
【0208】図16(a)に示すように、ゼロクロス検
出部72は、絶対値回路80と、コンパレータ81と、
遅延回路82、83、85及び86と、排他的論理和回
路84と、アンド回路87及び88とにより構成されて
いる。
【0209】次に、動作について、図16(b)を用い
て説明する。
【0210】ゼロクロス検出回路72に入力された中央
検出信号Scentは、そのまま絶対値回路80及び排他的
論理和回路84の一方の端子に入力されると共に、遅延
回路82に入力される。
【0211】そして、遅延回路82において、中央検出
信号Scentにおける一標本化周期分だけ(すなわち、A
/Dコンバータ26の標本化周波数の一標本化周期分だ
け)遅延され、更に遅延回路83においても同じ時間だ
け遅延されて排他的論理和回路84の他方の端子に入力
される。すなわち、排他的論理和回路84には、図16
(b)における符号D1で示す標本値と符号D3で示す標
本値とが同時に入力される。そして、排他的論理和回路
84からは、符号D1で示す標本値と符号D3で示す標本
値におけるそれぞれの符号が異なるときだけ「HIG
H」となる排他的論理和信号Ss2が出力され、当該排他
的論理和信号Ss2がアンド回路88の一方の端子に入力
される。
【0212】一方、絶対値回路80に出力されている中
央検出信号Scentは、当該絶対値回路80においてその
絶対値が検出され、絶対値信号Sab'として出力され
る。
【0213】そして、当該絶対値信号Sab'に含まれる
各標本値と予め入力されている閾値信号Sth'の値とが
コンパレータ81において比較され、当該閾値信号St
h'の値よりも大きい絶対値を有する絶対値信号Sab'内
の標本値が入力されているとき「HIGH」となると共
に、閾値信号Sth'の値よりも小さい絶対値を有する絶
対値信号Sab'内の標本値が入力されているとき「LO
W」となる比較信号Sd5が出力され、当該比較信号Sd5
が三つの入力端子を有するアンド回路87の第1端子に
出力される。
【0214】一方、比較信号Sd5は、遅延回路85にも
出力され、A/Dコンバータ26の標本化周波数の一標
本化周期分だけ遅延され、遅延比較信号Sd4として出力
される。この遅延比較信号Sd4はそのまま次段の遅延回
路86に出力されると共に、「HIGH」又は「LO
W」が反転されてアンド回路84の第2端子に出力され
る。
【0215】次に、遅延回路86は、遅延比較信号Sd4
をA/Dコンバータ26の標本化周波数の一標本化周期
分だけ更に遅延し、遅延比較信号Sd3としてアンド回路
87の第3端子に出力する。
【0216】そして、アンド回路87は、同時に入力さ
れる三つの信号の全てが「HIGH」であるときのみ
「HIGH」となる論理積信号Ss1を生成し、アンド回
路88の他方の端子に出力する。
【0217】ここで、比較信号Sd5は図16(b)に符
号D3で示す標本値に対応し、遅延比較信号Sd4は図1
6(b)に符号D2で示す標本値に対応し、遅延比較信
号Sd 3は図16(b)に符号D1で示す標本値に対応す
る。従って、遅延比較信号Sd4については反転されてア
ンド回路87に入力されていることから、結局、アンド
回路88の上記他方の端子に入力される論理積信号Ss1
は、符号D3で示される標本値の絶対値と符号D1で示さ
れる標本値の絶対値とが共に閾値信号Sthの値よりも大
きく、且つ符号D2で示される標本値の絶対値が閾値信
号Sth'の値よりも小さいときのみ「HIGH」とな
る。
【0218】一方、アンド回路88の上記一方の端子に
は、上述のように符号D1で示す標本値と符号D3で示す
標本値におけるそれぞれの符号が異なるときだけ「HI
GH」となる排他的論理和信号Ss2が入力されているの
で、これらにより、アンド回路88の出力信号である上
記ゼロクロス信号Szrは、閾値信号Sth'の値よりも小
さい絶対値を有する標本値であって、且つ、その両隣の
標本値が異符号である符号D2で示される標本値(すな
わち、ゼロクロス標本値)が抽出回路73に入力された
タイミングで「HIGH」となる。
【0219】なお、ゼロクロス信号Szrが「HIGH」
となるのは厳密には符号D3で示される標本値がゼロク
ロス検出回路72から出力されるときであるが、抽出回
路73に入力される中央検出信号Scentが遅延回路79
Cで一標本化周期分だけ遅延されているので、結果的に
は、中央検出信号Scentにおける符号D2で示される標
本値が抽出回路73に入力されたときに「HIGH」と
なる論理積信号Senが抽出回路73のイネーブル端子に
入力されることとなる。
【0220】以上説明したように、第2実施形態のクロ
ストーク量検出部30’を含む情報再生装置によれば、
複雑な構成となる乗算器が不要となり、簡易な構成で、
第1実施形態の情報再生装置Sと同様の効果を奏するこ
とができる。
【0221】なお、上述したクロストーク量検出部3
0’の構成のうち、遅延回路79A乃至79Cはゼロク
ロス検出回路72として図16(a)に示す構成を用い
た場合に必要となるものであり、仮に、ゼロクロス検出
回路72として、遅延回路を含まない構成(例えば、単
純に、中央検出信号Scent内の標本値のうち、ゼロレベ
ル近傍の所定の閾値以下の値を有する標本値のみを抽出
してゼロクロス信号Szrとするような構成)を用いると
きは、当該遅延回路79A乃至79Cは不要となる。
【0222】(III)第3実施形態 次に、本発明の他の実施形態である第3実施形態につい
て、図17及び図18を用いて説明する。
【0223】上述した第1及び第2実施形態のラジアル
チルト検出部20及びタンジェンシャルチルト検出部2
1では、ラジアルチルト検出部20においては内側クロ
ストーク信号Sctiから外側クロストーク信号Sctoを減
算することによりラジアル方向のチルト量を示す差信号
Ssrを生成し、更にタンジェンシャルチルト検出部21
においては前クロストーク信号Sctfから後クロストー
ク信号Sctrを減算することによりタンジェンシャル方
向のチルト量を示す差信号Sstを生成していた。
【0224】これらのラジアルチルト検出部20及びタ
ンジェンシャルチルト検出部21に代えて、第3実施形
態のラジアルチルト検出部又はタンジェンシャルチルト
検出部においては、中央検出信号Scentからクロストー
クを除去するクロストークキャンセラ(いわゆるCT
C)を構成し、このCTCのおけるキャンセル量を示す
タップ係数をクロストーク量を示すパラメータと見倣し
てクロストーク量を検出している。
【0225】先ず、第3実施形態の原理を、ラジアルチ
ルトを検出する場合について説明する。
【0226】中央検出信号Scentへのクロストーク量を
数式で示すと、
【数9】Scent=Sr1+a×Sin+b×Sout となる。ここで、Sr1は上記参照信号、すなわち、クロ
ストークを含まない理想的な中央検出信号であり、aは
内側検出信号Sinからのクロストーク係数であり、bは
外側検出信号Soutからのクロストーク係数である。
【0227】一方、クロストーク除去後の中央検出信号
Scent'は、内側クロストークを除去するためのタップ
係数をCinとし、外側クロストークを除去するためのタ
ップ係数をCoutとすると、
【数10】 Scent'=Scent−Cin×Sin−Cout×Sout =Sr1+(a−Cin)×Sin+(b−Cout)×Sout となる。
【0228】ここで、第3実施形態におけるタップ係数
を制御するための係数制御部(詳細は後述)は、もし中
央検出信号Scent'にクロストークが残存していればそ
れを打ち消すようにタップ係数を制御するので、当該中
央検出信号Scent'は最終的にクロストークを含まない
信号となる。すなわち、
【数11】a−Cin=0 且つ、 b−Cout=0 であり、よって、
【数12】a=Cin 且つ、 b=Cout となって、結局、夫々のタップ係数が夫々のクロストー
ク量を示すこととなる。
【0229】次に、上記の原理に基づいてチルト量を検
出する第3実施形態のラジアルチルト検出部及びタンジ
ェンシャルチルト検出部について、図17及び図18を
用いて説明する。なお、図17及び図18において上記
第1実施形態と同様の部材には同様の部材番号を付して
細部の説明は省略する。更に、第3実施形態において、
後述するラジアルチルト検出部及びタンジェンシャルチ
ルト検出部以外の構成は第1実施形態の情報再生装置S
と同様であるので、細部の説明は省略する。
【0230】初めに、第3実施形態のラジアルチルト検
出部について、図17を用いて説明する。
【0231】図17に示すように、第3実施形態のラジ
アルチルト検出部20’は、係数制御部90及び91
と、タップ数が1のディジタルトランスバーサルフィル
タであるフィルタ94及び95と、減算手段としての減
算器96と、第1実施形態のラジアルチルト検出部20
と同様の減算器32とにより構成されている。
【0232】また、係数制御部90は、第1実施形態の
クロストーク量検出部30と、積分器92とにより構成
されている。
【0233】更に、係数制御部91は、第1実施形態の
クロストーク量検出部31と、積分器93とにより構成
されている。
【0234】次に、動作を説明する。
【0235】ラジアルチルト検出部20’に入力された
内側検出信号Sinは、フィルタ94に出力されると共に
クロストーク量検出部30内の乗算器44に出力され
る。
【0236】一方、クロストーク量検出部20’に入力
された中央検出信号Scentは、減算器96においてフィ
ルタ94からの内側クロストーク量を示すフィルタ信号
Sftiとフィルタ95からの外側クロストーク量を示す
フィルタ信号Sftoが減算された後、クロストークが低
減された中央検出信号Scent'としてクロストーク量検
出部30内の減算器42及びクロストーク量検出部31
内の減算器43に出力される。
【0237】そして、クロストーク量検出部30は、上
記入力されている内側検出信号Sinと中央検出信号Sce
nt'とを用いて、第1実施形態と同様の動作により、内
側クロストーク量を示す内側クロストーク信号Sctiを
生成し、積分器92に出力する。
【0238】その後、積分器92は、内側クロストーク
信号Sctiを積分して平均化することにより、フィルタ
94のタップ係数を制御するためのタップ制御信号Sci
n(上記タップ係数Cinに相当する。)を生成し、フィ
ルタ94に出力すると共に減算器32に出力する。
【0239】最後に、フィルタ94は、タップ制御信号
Scinに基づいて上記フィルタ信号Sftiを生成し、減算
器96に出力する。
【0240】一方、係数制御部91は、夫々入力される
中央検出信号Scent'と外側検出信号Soutと基づいて、
上述した係数制御部90と同様の動作によりフィルタ9
5のタップ係数を制御するためのタップ制御信号Scout
(上記タップ係数Coutに相当する。)を生成し、フィ
ルタ95に出力すると共に減算器32に出力する。
【0241】そして、フィルタ95は、タップ制御信号
Scoutに基づいて上記フィルタ信号Sftoを生成し、減
算器96に出力する。
【0242】そして、減算器96において、入力されて
いるフィルタ信号Sfti及びフィルタ信号Sftoを中央検
出信号Scentから減算し、新たにクロストーク量を低減
した中央検出信号Scent'を生成する。なお、中央検出
信号Scent'の生成に当たっては、中央検出信号Scent
に含まれる内側クロストーク及び外側クロストークはフ
ィルタ信号Sfti及びフィルタ信号Sftoにより一度に除
去されるのではなく、係数制御部90及び91及びフィ
ルタ94及び95を含む閉ループの動作が繰り返される
ことにより徐々に低減され、最終的に各クロストークを
含まない中央検出信号Scent'が生成される。
【0243】一方、減算器32は、上述した原理に基づ
いて、入力されているタップ制御信号Scinからタップ
制御信号Scoutを減じることにより、ラジアル方向のク
ロストーク量を示す差信号Ssr'を生成してラジアルチ
ルト制御部22に出力する。
【0244】次に、第3実施形態のタンジェンシャルチ
ルト検出部について、図18を用いて説明する。
【0245】図18に示すように、第3実施形態のタン
ジェンシャルチルト検出部21’は、係数制御部97及
び98と、タップ数が1のディジタルトランスバーサル
フィルタであるフィルタ99及び100と、減算器10
1と、夫々第1実施形態のタンジェンシャルチルト検出
部21と同様の減算器35、遅延回路36及び遅延回路
37と、により構成されている。
【0246】また、係数制御部97は、第1実施形態の
クロストーク量検出部34と、積分器102とにより構
成されている。
【0247】更に、係数制御部98は、第1実施形態の
クロストーク量検出部33と、積分器103とにより構
成されている。
【0248】次に、動作を説明する。
【0249】タンジェンシャルチルト検出部21’に入
力された中央検出信号Scentは、遅延回路36及びフィ
ルタ100に出力されると共にクロストーク量検出部3
3内の乗算器54に出力される。
【0250】そして、遅延回路36から出力された遅延
信号Sd1は、減算器101においてフィルタ100から
の前クロストーク量を示すフィルタ信号Sftfとフィル
タ999からの後クロストーク量を示すフィルタ信号S
ftrが減算された後、クロストークが低減された遅延信
号Sd1'としてクロストーク量検出部33内の減算器5
2及びクロストーク量検出部34内の減算器53に出力
される。
【0251】そして、クロストーク量検出部33は、上
記入力されている中央検出信号Scentと遅延信号Sd1'
とを用いて、第1実施形態と同様の動作により、前クロ
ストーク量を示す前クロストーク信号Sctfを生成し、
積分器103に出力する。
【0252】その後、積分器103は、前クロストーク
信号Sctfを積分して平均化することにより、フィルタ
100のタップ係数を制御するためのタップ制御信号S
cfを生成し、フィルタ100に出力すると共に減算器3
5に出力する。
【0253】最後に、フィルタ100は、タップ制御信
号Scfに基づいて上記フィルタ信号Sftfを生成し、減
算器101に出力する。
【0254】一方、係数制御部97では、夫々入力され
る遅延信号Sd1'と遅延信号Sd2(遅延信号Sd1を遅延
回路37で更に遅延したもの)と基づいて、上述した係
数制御部98と同様の動作によりフィルタ99のタップ
係数を制御するためのタップ制御信号Scrを生成し、フ
ィルタ99に出力すると共に減算器35に出力する。
【0255】最後に、フィルタ99は、タップ制御信号
Scrに基づいて上記フィルタ信号Sftrを生成し、減算
器101に出力する。
【0256】そして、減算器101において、入力され
ているフィルタ信号Sftr及びフィルタ信号Sftfを遅延
信号Sd1から減算し、新たにクロストーク量を低減した
遅延信号Sd1'を生成する。
【0257】一方、減算器35は、上述した原理に基づ
いて、入力されているタップ制御信号Scfからタップ制
御信号Scrを減じることにより、タンジェンシャル方向
のクロストーク量を示す差信号Sst'を生成してタンジ
ェンシャルチルト制御部23に出力する。
【0258】上述したラジアルチルト検出部20’及び
タンジェンシャルチルト検出部21’の動作以降は、ラ
ジアルチルト制御部22及びタンジェンシャルチルト制
御部23において夫々チルト補正制御信号Sc1及びチル
ト補正制御信号Sc2が生成され、これらにより液晶パネ
ル3が駆動されて波面収差が補正される。
【0259】以上説明したように、第3実施形態のラジ
アルチルト検出部20’及びタンジェンシャルチルト検
出部21’の動作によっても、上記第1実施形態の情報
再生装置Sと同様の効果を奏することができる。
【0260】なお、上述の第3実施形態においては、タ
ップ数が1のフィルタを4個使用してクロストーク量を
検出したが、これ以外に、タップ数が2以上あるフィル
タを用いて各方向のチルトを検出してもよい。この場合
には、例えば、ラジアル方向における内側クロストーク
に関するフィルタのタップ制御信号の和を算出して内側
クロストーク量を示すタップ制御信号とし、更に外側ク
ロストークに関するフィルタのタップ制御信号の和を算
出して外側クロストーク量を示すタップ制御信号とすれ
ばよい。
【0261】また、上述の第3実施形態においては、図
2に示すラジアルチルト検出部20又はタンジェンシャ
ルチルト検出部21に代えて、上記ラジアルチルト検出
部20’又はタンジェンシャルチルト検出部21’を用
いた構成について説明したが、これ以外に、図2に示す
ようにA/Dコンバータ26から出力される中央検出信
号Scentをそのまま復調部12に出力するのではなく、
図17に示すラジアルチルト検出部20’と図18に示
すタンジェンシャルチルト検出部21’とを直列に接続
し、ラジアルチルト検出部20’において生成された中
央検出信号Scent'をタンジェンシャルチルト検出部2
1’における中央検出信号Scentとして当該タンジェン
シャルチルト検出部21’に入力し、その結果得られた
遅延信号Sd1'を復調部12に出力して情報を再生する
こともできる。この場合には、ラジアルチルト検出部2
0’においてラジアル方向のチルト量が検出されると共
に中央検出信号Scentから内側クロストーク及び外側ク
ロストークが除去され、次にタンジェンシャルチルト検
出部21’においてタンジェンシャル方向のチルト量が
検出されると共に中央検出信号Scent'から前クロスト
ーク及び後クロストークが除去されて遅延信号Sd1'が
出力され、これに基づいて情報が再生されることとな
る。
【0262】(IV)第4実施形態 次に、本発明の他の実施形態である第4実施形態につい
て、図19乃至図21を用いて説明する。
【0263】初めに、第4実施形態の原理について説明
すると、例えば、ラジアル方向にチルトが発生している
ときは、図3(a)又は(c)に示すようにラジアル方
向に光スポットが広がるので、チルトがないときよりも
クロストークの総量(内側クロストーク量と外側クロス
トーク量との和)は増加する。すなわち、チルトがない
ときにクロストークの総量は最小となる。
【0264】同様に、タンジェンシャル方向について
も、前クロストーク量と後クロストーク量との和が最小
となるとき、チルトがないこととなる。
【0265】従って、第4実施形態では、ラジアル方向
とタンジェンシャル方向の夫々について、内側クロスト
ーク量と外側クロストーク量との和及び前クロストーク
量と後クロストーク量との和を別個に算出し、これらが
夫々に最小となるように液晶パネル3を駆動して各方向
のチルトに起因する波面収差を補正する。
【0266】次に、第4実施形態における情報再生装置
について、図19乃至図21を用いて説明する。
【0267】先ず、第4実施形態の情報再生装置におけ
る信号処理部の全体構成について、図19を用いて説明
する。なお、第4実施形態の情報再生装置においては、
信号処理部以外の構成は第1実施形態の情報再生装置S
と同一であるので、同一の部材番号を付して細部の説明
は省略する。
【0268】図19に示すように、第4実施形態の信号
処理部11”は、第1実施形態の信号処理部11のう
ち、減算器32及び35に代えて夫々加算器104及び
105を備え、更に、ラジアルチルト制御部22及びタ
ンジェンシャルチルト制御部23に代えて夫々ラジアル
チルト制御部106及びタンジェンシャルチルト制御部
107を備えて構成されている。それ以外の構成は、第
1実施形態の信号処理部11と同一である。
【0269】次に、信号処理部11”の全体動作を説明
する。
【0270】初めに、ラジアル方向のチルトに関して
は、信号処理部11”におけるラジアルチルト検出部2
0”に入力されている内側検出信号Sin、外側検出信号
Sout及び中央検出信号Scentに基づいて、上述した第
1実施形態のクロストーク量検出部30及びクロストー
ク量検出部31の動作により、上記内側クロストーク信
号Scti及び外側クロストーク信号Sctoが生成され、夫
々加算器104に入力される。
【0271】そして、加算器104において内側クロス
トーク信号Sctiと外側クロストーク信号Sctoとが加算
され、内側クロストーク量と外側クロストーク量との和
を示す和信号Srsumが生成される。
【0272】その後、ラジアルチルト制御部106は、
当該和信号Srsumを最小とするようなチルト補正制御信
号Sc1'を生成して液晶パネル3を駆動し、ラジアル方
向の波面収差を補正する。
【0273】一方、タンジェンシャル方向のチルトに関
しては、信号処理部11”におけるタンジェンシャルチ
ルト検出部21”に入力されている中央検出信号Scent
に基づいて、上述した第1実施形態の遅延回路36及び
37並びにクロストーク量検出部33及びクロストーク
量検出部34の動作により、上記前クロストーク信号S
ctf及び後クロストーク信号Sctbが生成され、夫々加算
器105に入力される。
【0274】そして、加算器105において前クロスト
ーク信号Sctfと後クロストーク信号Sctbとが加算さ
れ、前クロストーク量と後クロストーク量との和を示す
和信号Stsumが生成される。
【0275】その後、ラジアルチルト制御部106は、
当該和信号Stsumを最小とするようなチルト補正制御信
号Sc2'を生成して液晶パネル3を駆動し、タンジェン
シャル方向の波面収差を補正する。
【0276】次に、ラジアルチルト制御部106及びタ
ンジェンシャルチルト制御部107の構成について、図
20を用いて説明する。なお、ラジアルチルト制御部1
06とタンジェンシャルチルト制御部107とは、基本
的な構成は同一であるので、以下の説明では、代表して
ラジアルチルト制御部106について説明する。
【0277】図20(a)に示すように、ラジアルチル
ト制御部106は、同期検波回路110と、積分器11
1と、加算器113と、オシレータ(発振器)112
と、ドライバ114とにより構成されている。
【0278】また、同期検波部110は、図20(c)
に示すように、バンドパスフィルタ115と、反転器1
16と、スイッチ117と、コンパレータ118と、に
より構成されている。
【0279】次に、ラジアルチルト制御部106の全体
動作を図20(a)を用いて説明する。
【0280】ラジアルチルト制御部106に入力された
和信号Srsumは、同期検波回路110において、オシレ
ータ112からのウォブリング信号Sosc(液晶パネル
3による波面収差の補正に影響を与えないような振幅及
び周期を有している。)に基づいて後述するように同期
検波され、ラジアル方向のチルト量を示す検波信号Sk
が生成される。
【0281】そして、当該検波信号Skが積分器111
において平均化され、一定レベルを有する平均化信号S
k'が生成される。
【0282】その後、加算器113において上記ウォブ
リング信号Soscと平均化信号Sk'とが加算されること
により、平均化信号Sk'がウォブリング信号Soscによ
りウオブリングされて重畳平均化信号Sxとしてに入力
される。
【0283】そして、ドライバ114は、重畳平均化信
号Sxに含まれる平均化信号Sk'の絶対値が少なくなる
方向に液晶パネル3を駆動して波面収差を補正すべくチ
ルト補正制御信号Sc1'を生成して液晶パネル3に出力
する。
【0284】次に、同期検波部110の細部動作につい
て、図20(a)及び(c)並びに図21を用いて説明
する。
【0285】先ず、ラジアル方向のチルトが正の場合に
ついて説明する。
【0286】コンパレータ118は、ウォブリング信号
Sosc(図21(a)右図最上段参照)の極性を判定
し、当該極性の変化に対応して正負が入れ替わる判定信
号Scmp(図21(a)右図上から3段目参照)を生成
し、スイッチ117に出力する。
【0287】一方、バンドパスフィルタ115は、和信
号Srsum(チルトが正であるため、その中心レベルも正
方向にずれている。)に含まれる雑音を取り除き、バン
ドパス信号Sbpfを出力する。
【0288】ここで、バンドパス信号Sbpfの波形につ
いて図21(a)左図(内側クロストーク量と外側クロ
ストーク量との和とチルトとの関係を示す図)を用いて
説明すると、現在は、チルトが正の方向に発生している
ので、ドライバ114を駆動するための重畳平均化信号
Sxもその中心(平均化信号Sk')が正にずれることと
なる。従って、当該正にずれている重畳平均化信号Sx
に基づいて生成されるチルト補正制御信号Sc1'に基づ
いて波面収差が補正された光ビームBが照射されること
により得られる和信号Srsumの中心レベルも正にずれる
こととなり、結果としてバンドパス信号Sbpfも図21
(a)の左図及び右図に示すような波形となる。
【0289】よって、当該波形を有するバンドパス信号
Sbpfが一方の端子に入力され、他方の端子には当該バ
ンドパス信号Sbpfの極性を反転器116にて反転させ
た信号が他方の端子に入力されているスイッチ117
を、ウォブリング信号Soscの極性に対応する判定信号
Scompによって切り替えれば、検波信号Skの波形は、
図21(a)右図最下段のようなものとなり、従ってそ
の平均値である平均化信号Sk'も正となる。
【0290】従って、ドライバ114においては、当該
平均化信号Sk'にウォブリング信号Soscが重畳された
重畳平均化信号Sxについて、これの平均値(すなわ
ち、平均化信号Sk'のレベル)を負方向に移動させるよ
うに上記チルト補正制御信号Sc1'を生成して出力す
る。これにより、正の方向に発生してるチルトが徐々に
低減されることとなる。
【0291】次に、ラジアル方向のチルトが負の場合に
ついて説明する。
【0292】コンパレータ118は、ウォブリング信号
Sosc(図21(c)右図最上段参照)の極性を判定
し、判定信号Scmp(図21(c)右図上から3段目参
照)を生成し、スイッチ117に出力する。
【0293】一方、バンドパスフィルタ115は、和信
号Srsum(チルトが負であるため、その中心レベルも負
方向にずれている。)に含まれる雑音を取り除き、バン
ドパス信号Sbpfを出力する。
【0294】ここで、バンドパス信号Sbpfの波形につ
いて図21(c)左図を用いて説明すると、現在は、チ
ルトが負の方向に発生しているので、ドライバ114を
駆動するための重畳平均化信号Sxもその中心が負にず
れることとなる。従って、チルト補正制御信号Sc1'に
基づいて波面収差が補正された光ビームBが照射される
ことにより得られる和信号Srsumの中心レベルも負にず
れることとなり、結果としてバンドパス信号Sbpfも図
21(c)の左図及び右図に示すような波形となる。
【0295】よって、スイッチ117をウォブリング信
号Soscの極性に対応する判定信号Scompによって切り
替えれば、検波信号Skの波形は、図21(c)右図最
下段のようなものとなり、従ってその平均値である平均
化信号Sk'も負となる。
【0296】従って、ドライバ114においては、当該
平均化信号Sk'にウォブリング信号Soscが重畳された
重畳平均化信号Sxについて、これの平均値(平均化信
号Sk'のレベル)を正方向に移動させるように上記チル
ト補正制御信号Sc1'を生成して出力する。これによ
り、負の方向に発生してるチルトが徐々に低減されるこ
ととなる。
【0297】最後に、ラジアル方向のチルトがない場合
について説明する。
【0298】コンパレータ118は、ウォブリング信号
Sosc(図21(b)右図最上段参照)の極性を判定
し、判定信号Scmp(図21(b)右図上から3段目参
照)を生成し、スイッチ117に出力する。
【0299】一方、バンドパスフィルタ115は、和信
号Srsum(チルトがないので、その中心レベルもゼロレ
ベルである。)に含まれる雑音を取り除き、バンドパス
信号Sbpfを出力する。
【0300】ここで、バンドパス信号Sbpfの波形につ
いて図21(b)左図を用いて説明すると、現在は、チ
ルトがないので、ドライバ114を駆動するための重畳
平均化信号Sxはその中心がゼロレベルである。従っ
て、チルト補正制御信号Sc1'に基づいて波面収差が補
正された光ビームBが照射されることにより得られる和
信号Srsumの中心レベルもゼロレベルとなり、結果とし
てバンドパス信号Sbpfも図21(b)の左図及び右図
に示すような波形となる。
【0301】よって、スイッチ117を判定信号Scomp
によって切り替えれば、検波信号Skの波形は、図21
(b)右図最下段のようなものとなり、従ってその平均
値である平均化信号Sk'もゼロとなる。
【0302】従って、ドライバ114においては、当該
平均化信号Sk'にウォブリング信号Soscが重畳された
重畳平均化信号Sxに基づいて、光ビームBに対して補
正を与えないように(すなわち、現状を維持するよう
に)液晶パネル3を駆動すべく、上記チルト補正制御信
号Sc1'を生成して出力する。これにより、液晶パネル
3は光ビームBに対して位相差を与えることがなく、波
面収差の補正は施されない。
【0303】以上説明した動作により、発生しているチ
ルト量に対応してその中心レベルが変化する重畳平均化
信号Sxに基づいてチルト補正制御信号Sc1'により液晶
パネル3を駆動すれば、ラジアル方向のチルトに起因す
る波面収差が補正されることとなる。
【0304】なお、タンジェンシャルチルト制御部10
7においても、和信号Stsumに基づいて、上述したラジ
アルチルト制御部106と同様の動作により、タンジェ
ンシャル方向に発生しているチルト量に対応してその中
心レベルが変化する重畳平均化信号Sxに基づいてチル
ト補正制御信号Sc2'により液晶パネル3が駆動され、
タンジェンシャル方向のチルトに起因する波面収差が補
正されることとなる。
【0305】以上説明したように、第4実施形態の情報
再生装置の動作によれば、光ビームBの照射により得ら
れる中央検出信号Scent等に基づいてチルトを検出する
ので、当該チルトを検出するために光ビームB以外に別
途光ビームを照射する必要がなく、収差補正のための構
成を簡略化することができる。
【0306】また、機械的な稼動部分が不要であるの
で、収差補正装置としての信頼性が向上すると共に小型
化が可能となる。
【0307】従って、簡易且つ小型化された構成で正確
に光ビームBMの光軸のチルトに起因する収差を補正す
ることができる。
【0308】また、隣接するトラックからの内側検出信
号Sin又は外側検出信号Soutを用いてラジアルチルト
を検出すると共に中央検出信号Scentを用いてタンジェ
ンシャルチルトを検出するので、正確に夫々の方向のチ
ルトを検出して波面収差を補正することができる。
【0309】更に、内側クロストーク量と外側クロスト
ーク量とを検出し、その和が最小となるようにしてラジ
アル方向に発生する波面収差を補正するので、簡易な構
成で正確に当該波面収差を補正することができる。
【0310】更にまた、前クロストーク量と後クロスト
ーク量とを検出し、その和が最小となるようにしてタン
ジェンシャル方向に発生する波面収差を補正するので、
簡易な構成で正確に当該波面収差を補正することができ
る。
【0311】また、光ビームBの光路上に配置された液
晶パネル3を用いて波面収差を補正するので、簡易な構
成で波面収差を補正することができる。
【0312】更に、液晶パネル3における液晶3g又は
3mにチルトに基づいた電圧を印加することにより、光
ビームBに対して位相差を与えて波面収差を補正するの
で、効率的に光ビームBの波面収差を補正することがで
きる。
【0313】更にまた、液晶パネル3における透明電極
が、光ビームBに発生する波面収差の分布に対応した形
状を有するパターン電極を複数個含んで構成されている
と共に、ラジアルチルト制御部106又はタンジェンシ
ャルチルト制御部107が、夫々のパターン電極に対し
て個別に電圧を印加して波面収差を補正するので、効果
的に波面収差を補正することができる。
【0314】また、対物レンズ2により光ビームBを光
ディスク1上に集光し、更に復調部12により記録情報
を再生するので、簡易な構成で光軸の傾斜に起因する波
面収差を補正して正確に情報を再生することができる。
【0315】なお、上述の第4実施形態において、クロ
ストーク量検出部30、31、33又は34に代えて、
第2実施形態のクロストーク量検出部30’を用いても
よい。
【0316】また、ラジアルチルト検出部20”又はタ
ンジェンシャルチルト検出部21”に代えて、第3実施
形態のラジアルチルト検出部20’のうち減算器32を
加算器104に代えたもの、又はタンジェンシャルチル
ト検出部21’のうち減算器35を加算器105に代え
たものを用いてもよい。
【0317】なお、同期検波部110については、図2
0(c)に示す構成の他に、図20(b)に示すよう
に、バンドパスフィルタ115と、バンドパス信号Sbp
fとウォブリング信号Soscと乗算する乗算器119とに
より構成しても上述と同様の動作を実現させることがで
きる。
【0318】(V)第5実施形態 次に、本発明の他の実施形態である第5実施形態につい
て、図22を用いて説明する。
【0319】第5実施形態は、上述した第4実施形態に
おけるラジアルチルト制御部106又はタンジェンシャ
ルチルト制御部107の動作をソフトウエア的に実行す
るものである。
【0320】なお、第5実施形態の情報再生装置におい
ては、ラジアルチルト制御部又はタンジェンシャルチル
ト制御部以外の構成は第4実施形態の情報再生装置と同
一であるので、同一の部材番号を付して細部の説明は省
略する。また、第5実施形態のラジアルチルト制御部と
タンジェンシャルチルト制御部とは、基本的な構成は同
一であるので、以下の説明では、代表してラジアルチル
ト制御部について説明する。
【0321】図22(a)に示すように、第5実施形態
の情報再生装置におけるラジアルチルト制御部106’
は、CPU等よりなるコントローラ120と、ドライバ
121とにより構成されている。なお、コントローラ1
20内には、後述する動作を示すフローチャート(図2
2(b))に対応するプログラムを予め記憶するROM
(Read Only Memory)も含まれている。
【0322】次に、ラジアルチルト制御部106’の動
作について、図22(b)及び(c)を用いて説明す
る。
【0323】上記和信号Srsumが入力されているコント
ローラ120においては、初めに、当該コントローラ1
20から出力され、ドライバ121を駆動するための制
御信号Sccを微少量だけ増大させ(ステップS1)、当
該増大させた制御信号Sccによりドライバ121を駆動
し、ラジアル方向について液晶パネル3を駆動するため
のチルト補正制御信号Sc1"を生成させる。
【0324】そして、当該チルト補正制御信号Sc1"に
より液晶パネル3が駆動され、光ビームBの波面収差が
補正された結果生じる和信号Srsumの変化であるクロス
トーク信号Sct+を検出する(ステップS2)。
【0325】次に、上記制御信号SccをステップS1以
前の状態から微少量(その絶対値はステップS1におい
て増大させた量と同じとされる。)だけ減少させ、(ス
テップS3)、当該減少させた制御信号Sccによりドラ
イバ121を駆動し、上記チルト補正制御信号Sc1"を
生成させる。
【0326】そして、当該チルト補正制御信号Sc1"に
より液晶パネル3が駆動され、光ビームBの波面収差が
補正された結果生じる和信号Srsumの変化であるクロス
トーク信号Sct-を検出する(ステップS4)。
【0327】次に、上記検出したクロストーク信号Sct
+とクロストーク信号Sct-とを比較し(ステップS
5)、クロストーク信号Sct+がクロストーク信号Sct-
よりも大きいときは、ラジアル方向のチルトが正の方向
に発生しているとして(図22(c)第1及び第4象限
の図参照)、それによる波面収差を負方向に補正すべく
液晶パネル3を駆動するため制御信号Sccを減少させて
(ステップS6)ドライバ121に対応するチルト補正
制御信号Sc1"を生成させる。
【0328】一方、クロストーク信号Sct+がクロスト
ーク信号Sct-よりも小さいときは、ラジアル方向のチ
ルトが負の方向に発生しているとして(図22(c)第
2及び第3象限の図参照)、それによる波面収差を正方
向に補正すべく液晶パネル3を駆動するため制御信号S
ccを増加させて(ステップS7)ドライバ121に対応
するチルト補正制御信号Sc1"を生成させる。
【0329】更に、クロストーク信号Sct+とクロスト
ーク信号Sct-が等しいときは、ラジアル方向のチルト
は発生していないとして(図22(c)和信号Srsum軸
上の図参照)、制御信号Sccの変更は不要なので、現状
のままでドライバ121にチルト補正制御信号Sc1"を
生成させる。
【0330】そして、制御信号Sccの変更制御が終了す
ると、次に、第5実施形態の情報再生装置の電源が断と
されたか否かが判定され(ステップS8)、断とされて
いるときは(ステップS8;yes)そのまま処理を終
了し、断とされていないときは(ステップS8;no)
ステップS1に戻って上述のチルト補正を繰り返す。
【0331】以上説明したように、第5実施形態の情報
再生装置によれば、ソフトウエア的に波面収差を補正す
るので、簡易な構成で上記第4実施形態と同様の効果を
奏することができる。
【0332】(VI)変形形態 次に、本発明の変形形態について説明する。
【0333】上述した各実施形態においては、液晶パネ
ル3を用いて各方向のチルトに起因する波面収差を補正
したが、これ以外に、例えば、上述のチルト補正制御信
号Scを用いて、機械的に光ビームBの光軸を傾斜させ
る傾斜手段としての図示しない傾斜機構を駆動し、チル
トそのものを除去するように構成することもできる。
【0334】このようにすれば、チルトを検出するため
に光ビームB以外に別途光ビームを照射する必要がな
く、収差補正装置の構成を簡略化することができる。
【0335】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、光ビームの照射により得られる検出信号
に基づいてチルトを検出するので、当該チルトを検出す
るために情報再生用以外に別途光ビームを照射する必要
がなく、収差補正装置の構成を簡略化することができ
る。
【0336】従って、簡易且つ小型化された構成で正確
に光ビームの光軸のチルトに起因する収差を補正するこ
とができる。
【0337】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加えて、隣接するトラックからの
検出信号を用いてラジアルチルトを検出すると共に中央
トラックの検出信号を用いてタンジェンシャルチルトを
検出するので、正確に夫々の方向のチルトを検出して波
面収差を補正することができる。
【0338】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の効果に加えて、内側クロストークと外側
クロストークとを検出し、その差が零となるようにして
ラジアル方向に発生する波面収差を補正するので、簡易
な構成で正確に当該波面収差を補正することができる。
【0339】請求項4に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の効果に加えて、内側クロストークと外側
クロストークとを検出し、その和が最小となるようにし
てラジアル方向に発生する波面収差を補正するので、簡
易な構成で正確に当該波面収差を補正することができ
る。
【0340】請求項5に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の効果に加えて、前クロストークと後クロ
ストークとを検出し、その差が零となるようにしてタン
ジェンシャル方向に発生する波面収差を補正するので、
簡易な構成で正確に当該波面収差を補正することができ
る。
【0341】請求項6に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の効果に加えて、前クロストークと後クロ
ストークとを検出し、その和が最小となるようにしてタ
ンジェンシャル方向に発生する波面収差を補正するの
で、簡易な構成で正確に当該波面収差を補正することが
できる。
【0342】請求項7に記載の発明によれば、請求項1
から6のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、補
正手段が光ビームの光路上に配置された液晶パネルを用
いて波面収差を補正するので、簡易な構成で補正手段を
構成することができる。
【0343】また、機械的な稼動部分が不要であるの
で、収差補正装置としての信頼性が向上すると共に小型
化が可能となる。
【0344】請求項8に記載の発明によれば、請求項7
に記載の発明の効果に加えて、液晶パネルにおける液晶
素子にチルトに基づいた電圧を印加することにより、光
ビームに対して位相差を与えて波面収差を補正するの
で、効率的に光ビームの波面収差を補正することができ
る。
【0345】請求項9に記載の発明によれば、請求項8
に記載の発明の効果に加えて、電極が、光ビームに発生
する波面収差の分布に対応した形状を有する副電極を複
数個含んで構成されていると共に、電圧印加手段が、夫
々の副電極に対して個別に電圧を印加して波面収差を補
正するので、効果的に波面収差を補正することができ
る。
【0346】請求項10に記載の発明によれば、請求項
1から6のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、
補正手段としての傾斜手段が、検出されたチルトに基づ
いて光ビームの光軸を傾斜させ、当該チルトを相殺する
ので、チルトを検出するために情報再生用以外に別途光
ビームを照射する必要がなく、簡易な構成で傾斜を相殺
して波面収差を補正することができる。
【0347】請求項11に記載の発明によれば、請求項
1から10のいずれか一項に記載の発明の効果に加え
て、集光手段により光ビームを情報記録媒体上に集光
し、更に再生手段により検出信号に基づいて記録情報を
再生するので、簡易な構成で光軸の傾斜に起因する波面
収差を補正して正確に情報を再生することができる。
【0348】請求項12に記載の発明によれば、請求項
3及び請求項5に記載の発明の効果に加えて、集光手段
により光ビームを情報記録媒体上に集光し、検出信号か
ら、内側クロストーク、外側クロストーク、前クロスト
ーク及び後クロストークの夫々を減算して減算検出信号
を生成し、減算検出信号に基づいて記録情報を再生する
ので、簡易な構成でチルトに起因する波面収差を補正で
きると共に、夫々のクロストークを除去して正確に情報
を再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の情報再生装置の概要構成を示す
ブロック図である。
【図2】第1実施形態の信号処理部の概要構成を示すブ
ロック図である。
【図3】ラジアルチルト検出の原理を示す図であり、
(a)は内側にチルトが発生している場合を示す図であ
り、(b)はチルトが発生していない場合を示す図であ
り、(c)は外側にチルトが発生している場合を示す図
である。
【図4】第1実施形態のラジアルチルト検出部の概要構
成を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態のクロストーク量検出部の動作を
示すタイミングチャートである。
【図6】第1実施形態のタンジェンシャルチルト検出の
原理を示す図であり、(a)はラジアルチルト検出の原
理を示す図であり、(b)はタンジェンシャルチルト検
出の原理を示す図である。
【図7】タンジェンシャルチルト検出の原理を示す図で
あり、(a)は前方にチルトが発生している場合を示す
図であり、(b)はチルトが発生していない場合を示す
図であり、(c)は後方にチルトが発生している場合を
示す図である。
【図8】第1実施形態のタンジェンシャルチルト検出部
の概要構成を示すブロック図である。
【図9】ラジアルチルト制御部及びタンジェンシャルチ
ルト制御部の概要構成を示すブロック図である。
【図10】液晶パネルの構成を示す断面図であり、
(a)は全体構成を示す断面図であり、(b)は液晶分
子が光ビームに対して傾斜した場合を示す断面図であ
り、(c)は液晶分子が光ビーム対して平行である場合
を示す断面図である。
【図11】透明電極の構成を示す平面図であり、(a)
はラジアル方向チルト補正用の透明電極の構成を示す平
面図であり、(b)はタンジェンシャル方向チルト補正
用の透明電極の構成を示す平面図である。
【図12】波面収差の分布を示す平面図である。
【図13】波面収差の大きさを示す図である。
【図14】第2実施形態のクロストーク量検出部の概要
構成を示すブロック図である。
【図15】第2実施形態のクロストーク量検出部の動作
を示すタイミングチャートである。
【図16】第2実施形態のゼロクロス検出部を示す図で
あり、(a)は概要構成を示すブロック図であり、
(b)は動作を説明するタイミングチャートである。
【図17】第3実施形態のラジアルチルト検出部の概要
構成を示すブロック図である。
【図18】第3実施形態のタンジェンシャルチルト検出
部の概要構成を示すブロック図である。
【図19】第4実施形態の信号処理部の概要構成を示す
ブロック図である。
【図20】第4実施形態のラジアルチルト制御部の概要
構成を示すブロック図であり、(a)はその全体構成を
示すブロック図であり、(b)は同期検波部の構成を示
すブロック図(I)であり、(c)は同期検波部の構成
を示すブロック図(II)である。
【図21】第4実施形態のラジアルチルト制御部を示す
図であり、(a)はチルトが正のときの動作を示す図で
あり、(b)はチルトがないときの動作を示す図であ
り、(c)はチルトが負のときの動作を示す図である。
【図22】第5実施形態のラジアルチルト制御部の動作
を示す図であり、(a)はラジアルチルト制御部の概要
構成を示すブロック図であり、(b)は動作を示すフロ
ーチャートであり、(c)は動作を説明する図である。
【符号の説明】
1…光ディスク 2…対物レンズ 3…液晶パネル 3’、3”…副液晶パネル 3a、3b、3h…ガラス基板 3c、3d、3i、3j…透明電極 3e、3f、3k、3l…配向膜 3g、3m…液晶 4…ビームスプリッタ 5…ディテクタ 6…回折格子 7…レーザダイオード 8…アンプ 9、10、36、37、79A、79B、79C、8
2、83、85、86…遅延回路 11、11”…信号処理部 12…復調部 20、20’、20”…ラジアルチルト検出部 21、21”…タンジェンシャルチルト検出部 22、106、106’…ラジアルチルト制御部 22A、23A、92、93、102、103、111
…積分器 22B、23B、114、121…ドライバ 23、107、107’…タンジャンシャルチルト制御
部 24、25、26…A/Dコンバータ 30、30’、31、33、34…クロストーク量検出
部 32、35、42、43、52、53、96、101…
減算器 40、41、50、51…参照信号発生回路 44、45、54、55、119…乗算器 60a、60b、61a、61b、62、64a、64
b、63a、63b、65…パターン電極 70、80…絶対値回路 71、81、118…コンパレータ 72…ゼロクロス検出回路 73…抽出回路 74…極性選択回路 75、116…反転器 76…切換器 77、87、88…アンド回路 78…極性検出回路 84…排他的論理和回路 90、91、97、98…係数制御部 94、95、99、100…フィルタ 104、105、113…加算器 110…同期検波部 112…オシレータ 115…バンドパスフィルタ 117…スイッチ 120…コントローラ C、C’…中央光スポット IN…内側光スポット OUT…外側光スポット FR…前方光スポット RE…後方光スポット P…ピット B…光ビーム M…液晶分子 BM…主ビーム BS1…第1副ビーム BS2…第2副ビーム SP…入射範囲 Tin…内側トラック Tout…外側トラック Tcent…中央トラック S…情報再生装置 Sin…内側検出信号 Sout…外側検出信号 Scent…中央検出信号 Ss…再生信号 Sc、Sc1、Sc2、Sc1'、Sc1"、Sc2'…チルト補正制
御信号 Scti、Scti'…内側クロストーク信号 Scto…外側クロストーク信号 Ssr、Ssr'、Sst…差信号 Sctf…前クロストーク信号 Sctr…後クロストーク信号 Sd1、Sd2…遅延信号 Sd3、Sd4…遅延比較信号 Sr1…参照信号 Srr1…誤差信号 Szr…ゼロクロス信号 Sen、Ss1…論理積信号 Spu…抽出信号 Spur…反転抽出信号 Sch…極性信号 Scm、Sd5…比較信号 Sth、Sth'…閾値信号 Sab、Sab'…絶対値信号 Ss2…排他的論理和信号 Scin、Scout、Sctf、Sctr…タップ制御信号 Sftf、Sftr、Sfti、Sfto…フィルタ信号 Srsun、Stsum…和信号 Sk…検波信号 Sk'…平均化信号 Sosc…ウォブリング信号 Sx…重畳平均化信号 Scmp…判定信号 Sbpf…バンドパス信号 Scc…制御信号

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録情報が記録された情報記録媒体に光
    ビームを照射し、当該光ビームの前記情報記録媒体から
    の反射光に基づいて前記記録情報に対応する検出信号を
    出力する検出手段と、 前記検出信号に基づいて、前記情報記録媒体における情
    報記録面と前記光ビームの光軸との間のチルトを検出す
    るチルト検出手段と、 前記チルトに起因して前記光ビームに生じる波面収差を
    補正する補正手段と、 前記検出されたチルトに基づいて、前記補正手段を駆動
    する駆動手段と、 を備えることを特徴とする収差補正装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の収差補正装置におい
    て、 前記情報記録媒体はディスク状記録媒体であると共に、
    前記記録情報はトラックを形成して当該ディスク状記録
    媒体に記録されており、 更に前記検出手段は、再生すべき前記記録情報が記録さ
    れている中央トラックと、当該中央トラックに対して隣
    接する内側トラックと外側トラックについて、前記内側
    トラックを形成する前記記録情報に対応する内側検出信
    号、前記再生トラックを形成する前記記録情報に対応す
    る中央検出信号及び前記外側トラックを形成する前記記
    録情報に対応する外側検出信号を出力すると共に、 前記チルト検出手段は、前記中央検出信号に基づいて前
    記トラックの前記ディスク状記録媒体のタンジェンシャ
    ル方向における前記チルトであるタンジェンシャルチル
    トを検出するタンジェンシャルチルト検出手段と、前記
    内側検出信号及び前記中央検出信号並びに前記外側検出
    信号に基づいて前記ディスク状記録媒体のラジアル方向
    における前記チルトであるラジアルチルトを検出するラ
    ジアルチルト検出手段と、のうち、少なくともいずれか
    一方を備えていることを特徴とする収差補正装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の収差補正装置におい
    て、 前記ラジアルチルト検出手段は、前記内側検出信号から
    前記中央検出信号へのクロストークである内側クロスト
    ークと、前記外側検出信号から前記中央検出信号へのク
    ロストークである外側クロストークとを夫々検出するク
    ロストーク検出手段を備えると共に、前記内側クロスト
    ークと前記外側クロストークとの差を前記ラジアルチル
    トとして検出し、 更に前記駆動手段は、当該ラジアルチルトが零となるよ
    うに前記補正手段を駆動することを特徴とする収差補正
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の収差補正装置におい
    て、 前記ラジアルチルト検出手段は、前記内側検出信号から
    前記中央検出信号へのクロストークである内側クロスト
    ークと、前記外側検出信号から前記中央検出信号へのク
    ロストークである外側クロストークとを夫々検出するク
    ロストーク検出手段を備えると共に、前記内側クロスト
    ークと前記外側クロストークとの和を前記ラジアルチル
    トとして検出し、 更に前記駆動手段は、当該ラジアルチルトが最小となる
    ように前記補正手段を駆動することを特徴とする収差補
    正装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の収差補正装置におい
    て、 前記タンジェンシャルチルト検出手段は、異なる三つの
    時刻における前記中央検出信号である前検出信号、後検
    出信号及び中間検出信号に基づいて、当該前検出信号か
    ら前記中間検出信号へのクロストークである前クロスト
    ークと、前記後検出信号から前記中間検出信号へのクロ
    ストークである後クロストークとを夫々検出するクロス
    トーク検出手段を備えると共に、前記前クロストークと
    前記後クロストークとの差を前記タンジェンシャルチル
    トして検出し、 更に前記駆動手段は、当該タンジェンシャルチルトが零
    となるように前記補正手段を駆動することを特徴とする
    収差補正装置。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の収差補正装置におい
    て、 前記タンジェンシャルチルト検出手段は、異なる三つの
    時刻における前記中央検出信号である前検出信号、後検
    出信号及び中間検出信号に基づいて、当該前検出信号か
    ら前記中間検出信号へのクロストークである前クロスト
    ークと、前記後検出信号から前記中間検出信号へのクロ
    ストークである後クロストークとを夫々検出するクロス
    トーク検出手段を備えると共に、前記前クロストークと
    前記後クロストークとの和を前記タンジェンシャルチル
    トとして検出し、 更に前記駆動手段は、当該タンジェンシャルチルトが最
    小となるように前記補正手段を駆動することを特徴とす
    る収差補正装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか一項に記載の
    収差補正装置において、 前記補正手段は、前記光ビームの光路上に配置された液
    晶パネルを用いて前記波面収差を補正することを特徴と
    する収差補正装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の収差補正装置におい
    て、 前記液晶パネルは、 前記光ビームに対して位相差を与えることにより前記波
    面収差を補正する液晶と、 当該位相差を前記光ビームに与えるべく前記液晶に電圧
    を印加する電極と、を備え、 前記駆動手段は、前記検出されたチルトに基づいて前記
    電圧を前記電極に印加する電圧印加手段であることを特
    徴とする収差補正装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の収差補正装置におい
    て、 前記電極は、前記チルトに対応して前記光ビームに発生
    する前記波面収差の分布に対応した形状を有する副電極
    を複数個含んで構成されていると共に、 前記電圧印加手段は、夫々の副電極に対して個別に前記
    電圧を印加することを特徴とする収差補正装置。
  10. 【請求項10】 請求項1から6のいずれか一項に記載
    の収差補正装置において、 前記補正手段は、前記検出されたチルトに基づいて前記
    光ビームの光軸を傾斜させ、当該チルトを相殺する傾斜
    手段であることを特徴とする収差補正装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のいずれか一項に記
    載の収差補正装置と、 前記光ビームを前記情報記録媒体上に集光する集光手段
    と、 前記検出信号に基づいて前記記録情報を再生する再生手
    段と、 を備えることを特徴とする情報再生装置。
  12. 【請求項12】 請求項3及び請求項5に記載の収差補
    正装置と、 前記光ビームを前記情報記録媒体上に集光する集光手段
    と、 前記検出信号から、前記内側クロストーク、前記外側ク
    ロストーク、前記前クロストーク及び前記後クロストー
    クの夫々を減算し、減算検出信号を生成する減算手段
    と、 前記減算検出信号に基づいて前記記録情報を再生する再
    生手段と、を備えることを特徴とする情報再生装置。
JP9270778A 1997-10-03 1997-10-03 収差補正装置及び情報再生装置 Pending JPH11110769A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9270778A JPH11110769A (ja) 1997-10-03 1997-10-03 収差補正装置及び情報再生装置
US09/166,423 US6246648B1 (en) 1997-10-03 1998-10-05 Aberration correcting apparatus and information reproducing apparatus having the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9270778A JPH11110769A (ja) 1997-10-03 1997-10-03 収差補正装置及び情報再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11110769A true JPH11110769A (ja) 1999-04-23

Family

ID=17490873

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9270778A Pending JPH11110769A (ja) 1997-10-03 1997-10-03 収差補正装置及び情報再生装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6246648B1 (ja)
JP (1) JPH11110769A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001048744A1 (en) * 1999-12-24 2001-07-05 Koninklijke Philips Electronics N.V. Optical scanning head
EP1209669A2 (en) * 2000-11-24 2002-05-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical information processing system using optical aberrations and information medium having recording layer protected by transparent layer having thickness irregularity
US6865144B2 (en) 2000-08-04 2005-03-08 Pioneer Corporation Optical pickup apparatus and tilt amount detecting method
KR100499889B1 (ko) * 2002-06-25 2005-07-11 주식회사 신흥정밀 씨디롬 드라이브 스큐 검사 장치

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3443668B2 (ja) * 1998-04-30 2003-09-08 富士通株式会社 収差補正方法及び収差補正装置
US6545958B1 (en) 1998-08-31 2003-04-08 Ricoh Company, Ltd. Optical-pickup device and tilt-detecting method thereof
JP3573974B2 (ja) * 1998-09-18 2004-10-06 パイオニア株式会社 光ピックアップ
JP4023012B2 (ja) * 1998-11-10 2007-12-19 ソニー株式会社 光ディスク傾き検出方法、光学ピックアップ装置および光ディスク装置
US6577568B1 (en) * 1999-03-30 2003-06-10 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical disk apparatus using tilt and aberration correction control system
JP2000298860A (ja) * 1999-04-13 2000-10-24 Pioneer Electronic Corp 液晶チルトサーボ装置
JP3384393B2 (ja) * 1999-12-15 2003-03-10 日本電気株式会社 光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置並びにラジアルチルト検出方法
US6909686B2 (en) * 1999-12-20 2005-06-21 Pioneer Corporation Aberration correcting optical unit, optical pickup apparatus and information recording/reproducing apparatus with single and multi-layer electrodes
EP1115111B1 (en) * 2000-01-06 2004-11-10 Samsung Electronics Co., Ltd. Optical pickup
JP3781262B2 (ja) * 2000-03-28 2006-05-31 パイオニア株式会社 収差補正装置及びその駆動方法
JP3456579B2 (ja) * 2000-04-20 2003-10-14 日本電気株式会社 光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置
KR20010107579A (ko) * 2000-05-24 2001-12-07 마츠시타 덴끼 산교 가부시키가이샤 틸트 제어 방식 광 픽업 장치
JP3835526B2 (ja) * 2001-06-13 2006-10-18 日本電気株式会社 光ヘッド装置
CN1328723C (zh) * 2001-06-29 2007-07-25 松下电器产业株式会社 光盘原盘曝光装置和光盘原盘曝光方法以及针孔机构
EP1433170B1 (en) * 2001-10-01 2006-03-08 Pioneer Corporation Optical disc player with focus pull-in function
JP4420672B2 (ja) * 2001-10-25 2010-02-24 浜松ホトニクス株式会社 位相変調装置及び位相変調方法
JP3858761B2 (ja) * 2002-05-23 2006-12-20 日本電気株式会社 光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置
JP2004014039A (ja) * 2002-06-07 2004-01-15 Toshiba Corp 光ヘッド及び光ディスク装置
TWI222628B (en) * 2003-07-09 2004-10-21 Mediatek Inc Method of vertical deviation disc detection
US20050128902A1 (en) * 2003-12-10 2005-06-16 Ming-Hsien Tsai Optical disc system and associated tilt angle calibration method
JP2006040480A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Toshiba Corp 光ピックアップ装置及び光ディスク装置
TW200608376A (en) * 2004-08-18 2006-03-01 Lite On It Corp Method for controlling tilt angle between light axis of optical pickup head and CD and device thereof
JP2006331494A (ja) * 2005-05-24 2006-12-07 Funai Electric Co Ltd 光ディスク装置
JP4701251B2 (ja) * 2005-12-22 2011-06-15 パナソニック株式会社 光ディスク装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3795998B2 (ja) * 1996-04-30 2006-07-12 パイオニア株式会社 波面収差補正ユニット、波面収差補正装置及び光ピックアップ
JP3691188B2 (ja) * 1996-12-09 2005-08-31 パイオニア株式会社 チルトサーボシステム
JPH113531A (ja) * 1997-04-18 1999-01-06 Pioneer Electron Corp チルトサーボ制御装置
JP3211002B2 (ja) * 1997-04-24 2001-09-25 富士通株式会社 光記録媒体、チルト検出器、光ディスク装置、チルト検出方法及びチルト補正方法
JP3968151B2 (ja) * 1997-05-27 2007-08-29 パイオニア株式会社 液晶駆動信号生成装置、ディスク再生装置及びディスク記録装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001048744A1 (en) * 1999-12-24 2001-07-05 Koninklijke Philips Electronics N.V. Optical scanning head
US6865144B2 (en) 2000-08-04 2005-03-08 Pioneer Corporation Optical pickup apparatus and tilt amount detecting method
EP1209669A2 (en) * 2000-11-24 2002-05-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical information processing system using optical aberrations and information medium having recording layer protected by transparent layer having thickness irregularity
EP1209669A3 (en) * 2000-11-24 2004-01-14 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical information processing system using optical aberrations and information medium having recording layer protected by transparent layer having thickness irregularity
US7142484B2 (en) 2000-11-24 2006-11-28 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical information processing system using optical aberrations and information medium having recording layer protected by transparent layer having thickness irregularity
US7224645B2 (en) 2000-11-24 2007-05-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical information processing system using optical aberrations and information medium having recording layer protected by transparent layer having thickness irregularity
KR100499889B1 (ko) * 2002-06-25 2005-07-11 주식회사 신흥정밀 씨디롬 드라이브 스큐 검사 장치

Also Published As

Publication number Publication date
US6246648B1 (en) 2001-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11110769A (ja) 収差補正装置及び情報再生装置
JP3326946B2 (ja) 光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法
US6975574B2 (en) Device and method for controlling tilt servo
JP4972560B2 (ja) 光ディスク装置、クロストーク補正方法および集積回路
JP2005242304A (ja) ホログラム装置
JP2001067690A (ja) トラッキング誤差検出装置
JP2001273663A (ja) 収差補正装置及びその駆動方法
JPH11110802A (ja) 収差補正装置及び情報再生装置
US7304920B2 (en) Optical head that detects tilt in an optical disk
US7428193B2 (en) Optical pickup device and optical recording medium reproducing device
JP3688452B2 (ja) 制御偏差検出装置及び制御装置
JP3600016B2 (ja) 光学式情報記録再生装置及び光ピックアップ
JP2004138900A (ja) 収差補正素子、収差補正装置、情報記録再生装置及び収差補正方法
US7602690B2 (en) Aberration adjustment device, method thereof, optical pickup, and optical information recording apparatus
JP5927561B2 (ja) 光ディスク情報装置及び情報処理装置
JPH1153750A (ja) 傾き検出方法及び光ディスク装置
JP3594811B2 (ja) 液晶パネル、光ピックアップ及び情報再生装置
JP3497724B2 (ja) トラッキング制御装置
JPH09138962A (ja) 光ディスク装置
JPH05274698A (ja) トラッキングエラー検出装置
JP2000057608A (ja) 光ピックアップ、情報再生装置及び情報記録装置
JP4103137B2 (ja) 光ディスク装置における収差補正装置及び収差補正方法
JP2605949B2 (ja) トラッキング制御装置
JPS6299923A (ja) 光学式情報記録再生装置
JP2005539342A (ja) ウォブル信号処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050315