JPH11106836A - 焼結鉱製造方法 - Google Patents

焼結鉱製造方法

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JPH11106836A
JPH11106836A JP28108497A JP28108497A JPH11106836A JP H11106836 A JPH11106836 A JP H11106836A JP 28108497 A JP28108497 A JP 28108497A JP 28108497 A JP28108497 A JP 28108497A JP H11106836 A JPH11106836 A JP H11106836A
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JP
Japan
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raw material
layer
sintering
material packed
oxygen
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JP28108497A
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Inventor
Tsutomu Okada
務 岡田
Yozo Hosoya
陽三 細谷
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 配合原料をドワイトロイド式焼結機のパレッ
ト上に層状に装入し、上面から点火し下方から吸引して
焼結鉱を製造する方法の生産性を向上させる。 【解決手段】 原料充填層7の表層に点火後に、表層か
ら少なくとも100mmまでが焼結完了帯となる範囲内
に原料充填層7の上方から供給する酸素含有ガスの流速
を、前記範囲を除く範囲の原料充填層7に供給する酸素
含有ガスの流速に対して0.5〜0.95倍に調節し
て、原料充填層7の上方から下方に向かって配合原料内
の燃料を燃焼させて原料粉鉱石を焼結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉製造法の原料
である焼結鉱を製造する際、成品歩留りを向上させなが
ら生産率を向上させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鉱石の焼結に関しては、ドワイトロイ
ド式焼結機が広く用いられている。これは、原料粉鉱石
に石灰石や珪石等の溶剤と粉コークス等の燃料と水とを
加えて混合、造粒した配合原料を、キャタピラ状に配列
した焼結パレット上に充填して原料充填層を形成し、焼
結パレットを順次水平移動して、点火炉内で充填層の表
面に点火した後、下方から吸引して、配合原料内のコー
クス等の燃料を燃焼させ、発生した熱で原料粉鉱石を溶
融、凝固させ、燃焼溶融帯を漸次表層部から下層部に移
行させて焼結するもので、焼結時間は20〜40分程度
である。
【0003】グリーナワルド式焼結機等のような他の回
分式焼結機に比べて、ドワイトロイド式焼結機は連続式
であり、大量生産に適しているのが広く用いられている
理由である。現在のドワイトロイド式焼結機は大型化し
ており、幅5m×長さ100mといったものまである
が、生産率は34〜43t/d/m2 程度である。
【0004】ここで、世界的な資源事情を鑑みると、高
炉製造法の原料となる塊鉱石の供給量不足が顕著となっ
ており、これに伴い塊鉱石の価格も増大する一方なの
で、粉鉱石の多量使用が求められている。ただし、焼結
鉱の生産量を増大するために、焼結機を増設し、あるい
は焼結機を更に大型化すると多額の設備投資が必要にな
ってしまうので、焼結機の生産性向上が強く求められて
いる。ただし、焼結鉱の製造は、高炉製造法から要求さ
れる成品焼結鉱の品質を維持して生産率を最大にするこ
とが要求される。
【0005】特公昭55−19299号公報には、「ス
トランド上部に負圧の前半フード部を設け、加圧の後半
フード部を設けて、後半部の加圧力と前半部の負圧力に
より後半部の排ガスを循環すれば、排ガス量を減らすと
ともに、電力費の低減、生産性の低下を防止できる」と
示されている。
【0006】また、特公平2−73924号公報には、
「パレット上原料の上部層が焼結する間に焼結層に吸引
される燃焼用空気の酸素濃度を35%以上に富化するこ
とで、生産性を向上するとともに、歩留りも向上でき
る」と示されている。
【0007】さらに、特公平5−55574号公報に
は、「パレット長手方向に複数の風箱を区分して、該区
分された複数の風箱群単位に該パレット上に装入積層さ
れた焼結原料の焼結反応に対応して、吸引負圧を焼結反
応の初期においては通常操業の吸引負圧に比較して減少
し、焼成反応終了点に到る中期においては増加し、該焼
成反応終了点付近からの終期においては減少するように
制御すれば、焼結ベッド上層部の歩留り、落下強度(S
I)、RDIが向上し、それに加えて排風電力を削減す
ることと焼結鉱顕熱を効率的に回収することができる」
と示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公昭55−
19299号公報は、生産性の低下を抑制し、設備費を
極力抑えた排ガス循環設備により排ガス量を低減させる
のが目的であり、焼結鉱の歩留りを向上させ生産性の向
上を図ることなどは何ら言及されていない。
【0009】また、特公平2−73924号公報の燃焼
用空気の酸素富化は大幅なコスト増加となるため、実際
には特にコークス燃焼速度と歩留りの低い原料充填層上
層部、つまり焼結の焼成初期の範囲に限られていた。こ
のため、原料充填層上層部の歩留りは改善できても、生
産率の向上は現状の1割程度にすぎず、コストの改善も
大きな問題であった。
【0010】さらに、特公平5−55574号公報の技
術は、焼結ベッド上層部の歩留り改善と焼結鉱の品質改
善、電力原単位低減ができても、焼成の初期と中期と後
期の大気吸引する風量のバランスを改善し省エネルギー
を図るものであり、中層部での歩留り低下、下層部でS
I低下が見られるなどの悪影響もあった。また、焼結鉱
の顕熱回収エネルギーを増大するためには、焼成終期の
成品焼結鉱の温度を増大させる必要があり、原料充填層
内の赤熱帯(燃焼溶融帯)の高さ方向の幅を増大させて
いる。赤熱帯の通気抵抗は大きいので、通気抵抗が非常
に大きくなり、生産性を大きく支配する赤熱帯の移行速
度を増すことができないので、生産性の大幅な向上は期
待できない。さらに、焼成反応の中期において生産性を
確保するために吸引負圧を増加するとあるが、同公報に
図示されているところによると、排ガス風量は、中期の
中でも焼成前期に近いところは負圧を従来法より増して
いるにも関わらず小さくなっているなど、トータルの生
産性を大きく増大させるものではないと考えられる。
【0011】前記従来の技術は、いずれも設備面の経済
性、操業コストを改善しようとするものであり、特に、
原料層上層部の歩留りを改善するとともに、焼結機の生
産性を大幅に向上しようとするものではない。
【0012】一般に、ドワイトロイド式焼結機のパレッ
ト上に装入した原料充填層表層部に点火し、下方から吸
引して焼結鉱を製造する方法においては、焼成初期、つ
まり原料充填層の表層から100mm程度の上層部はガ
スの通過流速が過多となり、熱の放散もあることから、
焼成に必要な熱量の確保が困難であり、焼結鉱の強度確
保に必要な高温保持時間の不足を避けることができなか
った。
【0013】この高温保持時間を通常操業よりも増加さ
せるためには、原料充填層表層部の吸引負圧を小さく
し、表層部の燃焼溶融帯の移行速度を遅くすることが考
えられる。しかし、焼成全体における燃焼溶融帯の移行
速度も同時に遅くなるので、充填層表層部の歩留りは改
善しても、生産性の低下は避けることができなかった。
【0014】さらに、この際問題となるのは、原料充填
層内の燃焼溶融帯の表層部から漸次下層部に移行する移
行速度である。焼結機の生産率は燃焼溶融帯の移行速度
に大きく依存する。従って、燃焼溶融帯の移行速度が従
来よりも遅くなれば、焼結完了に必要な焼結機の長さ及
び焼結時間が増加するので、歩留りの向上効果はあって
も、あまり生産率向上は期待できない。
【0015】そこで本発明は、配合原料の層厚や焼結パ
レットの移動速度を変化させて焼結機の生産性を大幅に
向上できる焼結鉱の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の焼結鉱の製造方
法は以下の通りである。
【0017】(1) 原料粉鉱石と溶剤と燃料とを含む
配合原料をドワイトロイド式焼結機のパレット上に装入
して原料充填層を形成した後、表層部に点火し、下方か
ら吸引して、パレット移動速度を増加して焼結鉱を製造
する方法において、原料充填層表層に点火後に、表層か
ら少なくとも100mmまでが焼結完了帯となる範囲内
に原料充填層上方から供給する酸素含有ガスの流速を、
前記範囲を除く範囲の原料充填層に供給する酸素含有ガ
スの流速に対して0.5〜0.95倍に調節して、原料
充填層の上方から下方に焼結することを特徴とする焼結
鉱製造方法。
【0018】(2) 原料充填層の表層から少なくとも
100mmまでが焼結完了帯となる範囲内の原料充填層
の層厚方向の差圧を、前記範囲を除く範囲の原料充填層
の層厚方向の差圧に対して0.3〜0.9倍に調節する
ことを特徴とする前記(1)の焼結鉱製造方法。
【0019】(3) 原料充填層の表層から少なくとも
100mmまでが焼結完了帯となる範囲内に供給する酸
素含有ガスの質量速度を、前記範囲を除く範囲の原料充
填層に供給する酸素含有ガスの質量速度に対して1.0
1〜1.1倍に調節することを特徴とする前記(1)ま
たは(2)の焼結鉱製造方法。
【0020】(4) 前記焼結パレット上の原料充填層
の上に酸素含有ガスを加圧供給する加圧フードを設け、
加圧フード内を大気圧に対して100〜1000mmA
qに加圧するとともに、原料充填層の下方から大気圧に
対して−1000〜−1mmAqで吸引することを特徴
とする前記(1)〜(3)のいずれかの焼結鉱製造方
法。
【0021】(5) 送風する酸素含有ガスの酸素濃度
を22〜40vol%とすることを特徴とする前記
(1)〜(4)のいずれかの焼結鉱製造方法。
【0022】(6) 原料充填層の層厚を200〜40
0mmとすることを特徴とする前記(1)〜(5)のい
ずれかの焼結鉱製造方法。
【0023】ここで、流速とは、一般に使用されている
ガス流速を示し、単位時間・単位面積当たりに流れる実
ガスの速度を表すものであり、その単位はm/sなどで
ある。質量速度とは、単位時間・単位面積当たりに流れ
るガスの質量を表すものであり、その単位はkg/(m
2 ・s)などである。また、質量速度と単位面積の積で
表される質量流量が同じであれば、ガス流速と単位面積
の積で表される体積流量は、気体の状態方程式に従い温
度や圧力によって変化するものである。
【0024】さらに、本発明における酸素含有ガスと
は、大気はもちろんのこと、焼結機から排出される排ガ
スや、他のプロセスからの排ガスなども含むと共に、大
気と排ガスの混合ガス、酸素富化したガスをも含むもの
で、酸素濃度が12〜40vol%の範囲内のガスであ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】図1(c)に、従来の原料充填層
の層厚を500〜600mmとして操業したときの、原
料充填層7内の焼結過程の概念図を示し、図1(a)
に、本発明で原料充填層7の層厚を200〜400mm
としたときの焼結過程の概念図を示す。Aは、本発明に
おいて、原料充填層7への酸素含有ガスの供給量を変更
する位置を示す。従来の焼結パレットの移動速度が2.
0〜5.0m/sであったのに対し、本発明では焼結パ
レットの移動速度を従来の1.5〜5.0倍と速くして
焼結鉱を製造する場合に、原料充填層7の表層に点火後
に、原料充填層7の表層から少なくとも100mmまで
が焼結完了帯24となる範囲内に供給する酸素含有ガス
の流速を、前記範囲を除く範囲の原料充填層7に供給す
る酸素含有ガスの流速に対して0.5〜0.95倍に減
少させ、上層部の焼成エリアでは従来よりも時間をか
け、下層部の焼成エリアでは従来よりも短時間で焼成反
応させることにしている。また、原料充填層7の層厚を
現状の操業レベルよりも低く200〜400mmに設定
して、パレット速度を増大させる操業により生産性を向
上することができる。
【0026】従来は原料充填層の上層部の歩留り、品質
の向上を図るためには、原料充填層の層厚を厚くする方
法がとられてきた。これは、通気抵抗が大きくなるため
に、上層部の焼成エリアではガス流速が減少し、歩留
り、品質向上に重要な高温保持時間を長くすることがで
きるからである。さらに、歩留り、品質が特に悪い表層
部近くの原料充填層の占める割合が相対的に減少するた
め、全体の原料充填層に及ぼす悪影響が減少するためで
ある。これに対し、本発明は、原料充填層の上層部の焼
成エリアにおいて、ガスの吸引流速を減少させ、高温保
持時間を長くすることは従来と同じである。しかし同時
に層厚を薄くすることで、原料充填層下層部での吸引負
圧は従来と同じであっても、原料充填層上下の差圧は大
きくなるので吸引流速が増し、ガスの供給量が増えるの
で、原料充填層の下層部、つまりストランド中間部以降
での燃焼溶融帯の移行速度を大幅に増加させることがで
きる。さらに、原料充填層の下層部での吸引負圧を増せ
ば、その効果は大きくなり、歩留り、品質の向上を図る
とともに、生産率を向上することができる。また、原料
充填層の層厚を低下させることにより、通気抵抗が小さ
くなるため、原料充填層の下層部での吸引負圧を従来の
層厚よりも低下させても、生産率を維持して歩留り、品
質の向上を図ることができる。
【0027】原料充填層の上層部の通気抵抗は小さく、
酸素含有ガスの入側であるため、現状より酸素含有ガス
の流速を減らしてもコークスの燃焼に必要な酸素量は十
分供給でき、生産率に大きく影響する燃焼溶融帯の移行
速度が遅くなり過ぎることはない。むしろ、酸素含有ガ
スの流速を減少させれば上層部の過剰な冷却を抑制で
き、焼成反応に十分な熱量を増加させることができるの
で、原料充填層上層部の歩留り及び焼結鉱品質を改善す
ることができる。
【0028】ここで、原料充填層の表層から少なくとも
100mmまでが焼結完了帯となる範囲内に供給する酸
素含有ガスの流速は、前記範囲を除く範囲の原料充填層
に流す酸素含有ガスの流速に対して0.5〜0.95倍
に調節する。流速が0.5倍未満ではガス流速が遅すぎ
て燃焼溶融帯の移行速度が遅くなり、生産率の低下を招
いてしまう。流速が0.95倍超では、ガス流速が増加
しすぎて燃焼溶融帯の冷却速度が速くなり、焼成反応に
十分な熱量の確保が困難になる従来の方法と大差なくな
る。
【0029】また、酸素含有ガスとして大気を吸引して
燃焼溶融帯の移行速度を増加させる場合には、上記した
ガス流速に対応する差圧とするように、原料充填層の上
下の差圧を調節すれば良い。層厚によるが、原料充填層
の表層から少なくとも100mmまでが焼結完了帯とな
る範囲内の原料充填層の層厚方向の差圧を、前記範囲を
除く範囲の原料充填層の層厚方向の差圧に対して、0.
3〜0.9倍に調節することが好ましい。ここで、差圧
が0.3倍未満では、燃焼溶融帯の移行速度が遅くなり
すぎ、0.9倍超では従来法と移行速度が変わらなくな
り、歩留りが低下するため好ましくない。
【0030】また、本発明者等は、原料充填層の表層か
ら少なくとも100mmまでが焼結完了帯となる範囲内
に供給する酸素含有ガスの質量速度を、原料充填層の下
方吸引と上方からの加圧を組み合わせて前記範囲を除く
範囲の原料充填層に吸引する酸素含有ガスの質量速度に
対して1.01〜1.1倍に調節すれば、燃焼溶融帯の
移行速度を従来の大気を吸引する方法と比較して増大す
ることができるとともに、歩留り、品質を大幅に向上で
きることを見出した。質量速度が1.01倍未満ではそ
の効果が小さく、1.1倍超ではガス流速が増加し過ぎ
る悪影響が出る。
【0031】図1(b)に、本発明において原料充填層
7の層厚を200〜400mmとし、質量速度を調節し
たときの焼結過程の概念図を示す。Aは、原料充填層7
への酸素含有ガスの供給量を変更する位置を示す。図1
(a)においては、ガス流速を低下させて、原料充填層
7の上層部の燃焼溶融帯23の前線の移行速度を低下さ
せた。しかし、図1(b)においては、原料充填層7へ
のガス流速を低下させ、なおかつ、供給する質量速度を
増加した。ガスの静圧レベルを増しガス密度を増すこと
で酸素供給量を増加できるので、コークス燃焼速度を速
くすることができ、燃焼溶融帯23の前線の移行速度が
増加できる。さらに、ガス流速に依存する割合の大きい
燃焼溶融帯23の冷却速度はあまり変わらないので、原
料充填層7の上層部の燃焼溶融帯23の層厚方向の幅を
大きくすることができる。このように、従来よりも原料
充填層7の上層部の焼成反応に必要な熱量を増大でき
る。なお、上層部以外の生産率向上効果は、前述した理
由による。
【0032】従来は原料充填層の上が大気圧で下方から
吸引して形成している原料充填層内の静圧に対して、本
発明の第3の発明では原料充填層上層部の焼成領域内の
静圧を増加できる。従来の大気を吸引する方法と原料充
填層上下の差圧が同一であっても、原料充填層の上方を
加圧した場合、原料充填層内に供給する質量速度を増加
させることができ、原料充填層内のガス密度を従来より
も大きくできる。従って、従来法に比較し、原料充填層
内への酸素含有ガスの供給量が増加して、原料充填層中
のコークス燃焼速度が速くなるので、焼成反応に必要な
熱量を増大できる。
【0033】さらに、原料充填層の上層部の焼成時に
は、原料充填層中下層部に水分凝縮帯(湿潤帯)が形成
され、その通気抵抗が大きいために通気が阻害されるの
で、原料充填層の上層部の燃焼溶融帯の移行速度を低下
させる原因となり、上層部の排ガスは過飽和状態となっ
ている。ここで、原料充填層上層部の焼成時に供給する
酸素含有ガスの質量速度を増せば、絶対湿度を低下させ
ることができるので、排ガス中への水分の混合を増すこ
とができ、水分凝縮帯の水分を除くことができる。従っ
て、原料充填層中下層部の水分凝縮帯の通気抵抗を低減
し、通気を改善できるので、燃焼溶融帯の移行速度を増
大することができる。なお、ここで絶対湿度とは、単位
重量の乾き空気中に含まれている水蒸気の重量を示すも
のであり、比湿と呼ばれることもある。
【0034】原料充填層の表層から少なくとも100m
mまでが焼結完了帯となる範囲内の原料充填層の直上に
酸素含有ガスを加圧供給する加圧フードを設け、加圧フ
ード内を加圧して、上方から原料充填層に酸素含有ガス
を加圧送風するとともに、パレット直下にあるウインド
ボックスから吸引排気し、原料充填層上方と原料充填層
下方との間の差圧を制御して、原料充填層の上方から下
方に加圧送風することが好ましい。
【0035】原料充填層内の質量速度および静圧レベル
を従来より増加させるために、原料充填層上方に設けた
加圧フード内を大気圧に対して100〜1000mmA
qの範囲で加圧し、原料充填層の下方から大気圧に対し
て−1〜−1000mmAqで吸引する。原料充填層上
方の圧力が大気圧に対して100mmAq未満であれ
ば、従来の操業に比べてあまり生産性に変化がなく、原
料充填層上方の圧力が大気圧に対して1000mmAq
超となると、ガス流速が速くなり冷却速度が増すため、
高温保持時間を十分得ることができなくなる。パレット
直下にあるウインドボックスの吸引負圧が大気圧に対し
て−1mmAq未満であれば、原料充填層上方から押し
込まれたガスを吸引することができない。大気圧に対し
て−1000mmAq超であれば、ガス流速が速くなり
過ぎる。特に、歩留り、品質の向上、さらに生産率向上
のためには、原料充填層の表層から少なくとも100m
mまでが焼結完了帯となる範囲内の原料充填層の上下の
差圧を、300〜600mmAqにするのが好ましい。
【0036】また、加圧送風に加えて、原料充填層の表
層から少なくとも100mmまでが焼結完了帯となる範
囲内の層厚方向の差圧を、前記範囲を除く範囲の原料充
填層の層厚方向の差圧に対して0.3〜0.9倍に減ら
すことができる。この場合、前記範囲外の質量速度に対
して、原料充填層の表層から少なくとも100mmまで
が焼結完了帯となる範囲内への質量速度が小さくなる
が、加圧送風せずに差圧を減らす場合に比較して質量速
度は大きくなるので、ガスの流速を低下させて燃焼溶融
帯上の冷却速度を減少させ、これによっても高温保持時
間を増大することができる。
【0037】加圧送風するガスに酸素富化して、送風ガ
スの酸素濃度を22〜40vol%とすれば、さらにコ
ークス燃焼速度を上げることもできる。40vol%超
に酸素富化しても、コストの増大を招くだけであって、
原料充填層表層部の最高到達温度を上げることはないの
で好ましくない。22vol%未満では、その効果が小
さいので好ましくない。
【0038】本発明は、加圧送風するガスとして空気を
用いる場合、原料充填層上下の差圧が同じであれば、従
来の大気を吸引する方法に比較して静圧レベルが大きい
のでガス密度が大きくなり、酸素供給量が増すため、酸
素富化量を低減することができ、酸素富化に要するコス
トを下げるとともに、焼結鉱の生産率を大幅に増大させ
ることができる。
【0039】さらに、従来のストランドをそのまま使用
するのであれば、パレット速度を大幅に速くして、焼結
機の生産性を大幅に向上できる。また、パレット速度を
大幅に向上させずに、焼結完了点を例えばストランドの
中間点に置き、ストランド後半部でストランド上でのク
ーリングを実施し、焼結鉱を冷却するクーラーを除去す
ることもできる。
【0040】図2は本発明を実施する設備の概要図であ
る。配合原料1はサージホッパー2からドラムフィーダ
ー3、原料装入装置5を介してパレット6上に連続的に
供給され、パレット6上に層状に積層される。この間、
原料給鉱側のスプロケット4を回転させてパレット6を
所定の速度で移動させると共に、点火炉13により原料
充填層7の上面に点火し、メインダクト9、排ガス集塵
機10を経て吸引ブロアー11により吸気し、煙突12
より排ガスを排出する。さらに、ガスの加圧フード14
を介して送風ブロアー21より加圧されたガスを送風
し、サブダクト15、排ガス集塵機16を経て吸引ブロ
アー17により吸気し、メインダクト9に排ガスを排出
する。この排ガスは、直接煙突12より排出しても良
い。パレット6上の原料充填層7が排鉱部に達する間に
全層にわたって焼結反応が完了するように速度制御した
連続運転を実施する。さらに、この装置のパレット6は
配合原料を層厚200〜400mmと従来よりも薄く充
填することができ、加圧フード14内とウインドボック
ス8の間の差圧を制御できる機構になっている。
【0041】また、点火部からのストランドの上側に加
圧フード14が設けてあるが、この加圧フード14の設
置範囲は、点火炉13を含んでも良いし、所定の範囲内
であれば、ストランドの一部のみに設置するなど、限定
されるものではない。さらに、加圧フード14をストラ
ンド長さ方向やパレット幅方向に複数に分割したり、加
圧や吸引による差圧の設定を自由に行ったりすることが
できる。
【0042】加圧フード14と原料充填層7の間でシー
ルすることが好ましいが、パレット6と加圧フード14
との間でシールするなど、原料充填層7上に所定の圧力
を加えられれば、加圧フード14による加圧の方法を限
るものではない。酸素含有ガスとして空気を吸引する場
合は、加圧フード14を外すこともできる。
【0043】さらに、この加圧フード14には、煙突1
2の前から送風ブロアー19を介して低酸素濃度の高温
な排ガスを吹き込むことができるし、焼結工程以外から
発生する酸素濃度が12〜21%の低酸素濃度のガスを
吹き込んだり、酸素富化することも可能である。また、
酸素含有ガスの吹き込み範囲、その濃度は自由に調整で
きる。
【0044】
【実施例】本発明を実施例1〜4および比較例により詳
細に説明する。なお、加圧あるいは吸引圧力は、大気圧
に対するものである。
【0045】焼結面積500m2 で焼結パレット幅5m
の実機焼結機を図2に示すように一部改造して、1水準
7日間ずつの操業を行った。配合原料は種々の鉄鉱石お
よび石灰石、生石灰、蛇紋岩、スケール等の雑原料、返
鉱、粉コークスを焼結鉱中のSiO2 、Al2 3 がそ
れぞれ5.8%、1.8%になるように調整し、塩基度
は1.7になるように配合した。返鉱配合率は新原料の
合計100に対して15%一定、コークス配合率は新原
料の合計100に対して4.5%一定とした。比較例、
実施例ともに同じ配合とした。
【0046】配合原料に返鉱、粉コークスを配合した後
に水を添加してミキサーで混合、造粒して焼結機に装入
した。操業は、焼結完了点が排鉱部になるようにパレッ
トスピードを調整した。
【0047】実施例1では、層厚300mm、点火部か
らストランド長さ60%の範囲の吸引負圧を−300m
mAqとして大気を吸引し、原料充填層の表層から10
0mmまでを焼結完了帯とし、前記範囲外は−600m
mAqとして大気を吸引した。このときの吸引ガス流速
は、原料充填層の直上で、点火部からストランド長さ6
0%の範囲は該範囲以外の流速に対して約0.71倍
で、差圧は0.5倍であった。パレット移動速度は、
3.1m/minであった。
【0048】実施例2では、層厚を300mmとし、点
火部からストランド長さ30%の範囲に設けた加圧フー
ド内の圧力を400mmAq、その直下にあるウインド
ボックス内の圧力を−200mmAqとして大気を送風
して、原料充填層の表層から100mmまでを焼結完了
帯とし、前記範囲外は−600mmAqとして大気を吸
引した。このときの質量速度は、原料充填層の直上で、
点火部からストランド長さ30%の範囲は該範囲以外の
質量速度に対して1.04倍であった。パレット移動速
度は、4.2m/minであった。
【0049】実施例3では、層厚を300mmとし、点
火部からストランド長さ50%の範囲に設けた加圧フー
ド内の圧力を250mmAq、その直下にあるウインド
ボックス内の圧力を−50mmAqとして大気を送風し
て、原料充填層の表層から100mmまでを焼結完了帯
とし、前記範囲外は−600mmAqとして大気を吸引
した。このときの質量速度は、原料充填層の直上で、点
火部からストランド長さ50%の範囲は該範囲以外の質
量速度に対して0.73倍であった。パレット移動速度
は、3.3m/minであった。
【0050】実施例4では、層厚を300mmとし、送
風するガスの酸素濃度を25%として、他の条件は実施
例2と同じにした。パレット移動速度は、4.0m/m
inであった。
【0051】比較例は、実施例と同じ配合原料で層厚を
500mmとし、負圧1500mmAq一定で点火部か
ら排鉱部まで大気を吸引し、原料充填層内は負圧とする
従来法で焼結した。パレット移動速度は、2.5m/m
inであった。
【0052】表1に比較例と実施例1〜4で得られた焼
結鉱の生産率、成品歩留り、RDI、NOx排出量原単
位を示す。
【0053】
【表1】
【0054】表1から分かるように、実施例1〜4では
比較例に対して生産率が著しく向上した。また、従来は
生産率が向上すると成品歩留りが低下する傾向があった
が、実施例では成品歩留りも向上した。さらに、RDI
とNOx排出量原単位も改善され、操業面および環境面
において優れた効果を発揮できた。
【0055】なお、焼結時の負圧の設定や吸引ガスの酸
素濃度と吸引時間は上記実施例に限るものではなく、生
産性指向やRDI改善指向、NOx排出抑制指向、排ガ
ス量抑制指向で変化させることができる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、操業コストを最小限に
抑え、焼結機の生産性を大幅に向上させることができ
る。さらに、成品歩留りやRDIが改善され、NOx排
出量原単位や排ガス量が低減される。このように、本発
明は両立し難い改善効果を同時にもたらしており、その
効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】原料充填層内の焼結過程の概念図である。
【図2】本発明を実施するための焼結装置の例を示す図
である。
【符号の説明】
1 配合原料 2 サージホッパー 3 ドラムフィーダー 4 スプロケット 5 原料装入装置 6 パレット 7 原料充填層 8 ウインドボックス 9 メインダクト 10 排ガス集塵機 11 吸引ブロアー 12 煙突 13 点火炉 14 加圧フード 15 サブダクト 16 排ガス集塵機 17 吸引ブロアー 18 排ガス集塵機 19 吸引ブロアー 20 ダンパー 21 送風ブロアー 22 原料帯 23 燃焼溶融帯 24 焼結完了帯

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料粉鉱石と溶剤と燃料とを含む配合原
    料をドワイトロイド式焼結機のパレット上に装入して原
    料充填層を形成した後、表層部に点火し、下方から吸引
    して、パレット移動速度を増加して焼結鉱を製造する方
    法において、原料充填層表層に点火後に、表層から少な
    くとも100mmまでが焼結完了帯となる範囲内に原料
    充填層上方から供給する酸素含有ガスの流速を、前記範
    囲を除く範囲の原料充填層に供給する酸素含有ガスの流
    速に対して0.5〜0.95倍に調節して、原料充填層
    の上方から下方に焼結することを特徴とする焼結鉱製造
    方法。
  2. 【請求項2】 原料充填層の表層から少なくとも100
    mmまでが焼結完了帯となる範囲内の原料充填層の層厚
    方向の差圧を、前記範囲を除く範囲の原料充填層の層厚
    方向の差圧に対して0.3〜0.9倍に調節することを
    特徴とする請求項1記載の焼結鉱製造方法。
  3. 【請求項3】 原料充填層の表層から少なくとも100
    mmまでが焼結完了帯となる範囲内に供給する酸素含有
    ガスの質量速度を、前記範囲を除く範囲の原料充填層に
    供給する酸素含有ガスの質量速度に対して1.01〜
    1.1倍に調節することを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の焼結鉱製造方法。
  4. 【請求項4】 前記焼結パレット上の原料充填層の上に
    酸素含有ガスを加圧供給する加圧フードを設け、加圧フ
    ード内を大気圧に対して100〜1000mmAqに加
    圧するとともに、原料充填層の下方から大気圧に対して
    −1000〜−1mmAqで吸引することを特徴とする
    請求項1から請求項3のいずれか記載の焼結鉱製造方
    法。
  5. 【請求項5】 送風する酸素含有ガスの酸素濃度を22
    〜40vol%とすることを特徴とする請求項1から請
    求項4のいずれか記載の焼結鉱製造方法。
  6. 【請求項6】 原料充填層の層厚を200〜400mm
    とすることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれ
    か記載の焼結鉱製造方法。
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