JPH09209049A - 焼結鉱製造方法 - Google Patents

焼結鉱製造方法

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JPH09209049A
JPH09209049A JP3909496A JP3909496A JPH09209049A JP H09209049 A JPH09209049 A JP H09209049A JP 3909496 A JP3909496 A JP 3909496A JP 3909496 A JP3909496 A JP 3909496A JP H09209049 A JPH09209049 A JP H09209049A
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JP
Japan
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vol
gas
oxygen concentration
sintering
bed
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JP3909496A
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Yozo Hosoya
陽三 細谷
Masami Fujimoto
政美 藤本
Kenichi Higuchi
謙一 樋口
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドワイトロイド式焼結機による焼結鉱製造方
法において、NOxの発生を抑制しながら、生産率と成
品歩留、焼結鉱品質を向上させる。 【解決手段】 パレットのグレート上に、高さ200〜
400mmの板状支持部材をパレット進行方向と平行に
複数枚設ける。焼結ベッド10を、点火前の焼結ベッド
表面からその層厚の15〜25%下の位置までの表層
部、その下の、点火前の焼結ベッド表面からその層厚の
40〜60%下の位置までの中層部、さらにその下の、
焼結ベッド下端までの下層部に3分割する。焼結ベッド
表層の配合原料中の炭材に点火したのち、焼結ベッド表
層部及び下層部の炭材が燃焼する際には酸素濃度18v
ol%以上21vol%以下のガス、焼結ベッド中層部
の炭材が燃焼する際には酸素濃度12vol%以上18
vol%未満のガスを焼結ベッド上面より供給し、下方
に吸引しながら焼結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はドワイトロイド式焼
結機による焼結鉱製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業界では、焼結鉱を製造するに当たり
通常ドワイトロイド式焼結機が広く用いられている。こ
の形式の焼結機では、まず、パレット上に配合原料を装
入して原料層を形成したのち、点火炉内でこの原料層の
表層に含まれている炭材に点火し、続けて空気等のガス
を下向きに吸気して、原料層内の炭材の燃焼により形成
される燃焼帯が漸次その表層部から中層部、下層部へと
移行していくことにより、焼結反応を行わせる。このよ
うな焼結過程は、例えば焼結ベッド(原料層)の層厚が
550mm前後であれば、全過程が30分程度で完了す
る。
【0003】焼結鉱製造に際して重要なことは、焼結鉱
の品質を維持して生産率を最大、燃料原単位と点火燃料
原単位を最小とすることである。従って、実操業では、
焼結鉱の品質を維持できる範囲内で、燃料として配合原
料中に添加するコークスや無煙炭等の炭材量、及び点火
時の燃料となるコークス炉ガスや微粉炭等の使用量はで
きる限り少なくする方が良い。いたずらに焼結原料に対
する炭材の配合割合や点火燃料の使用量を下げても良い
結果が得られるものではなく、それらを大幅に低減する
と焼結鉱の品質を悪化させたり、返鉱が多くなってむし
ろ燃料原単位や点火燃料原単位の上昇を引き起こすこと
になる。
【0004】例えば特公昭61−295332号公報に
は、「ドワイトロイド式焼結機による焼結鉱の製造方法
において、パレット上の原料層上方から下方に向かって
吸引される空気に原料層上方でN2 ガス又はO2 濃度の
低い排ガスを添加することにより吸引空気中のO2 濃度
を低下せしめつつ焼結を行うことを特徴とする焼結鉱の
製造方法」が記載されている。そして、この方法は還元
粉化率(RDI)と被還元率(RI)を簡易な手段で共
に改善できる効果があると記載されている。しかし、こ
の公報では、点火後から排鉱まで吸引空気中のO2 濃度
を15%未満に低下させて焼結すると、燃料として添加
している粉コークスの燃焼速度が低下して生産率が大幅
に低下するため、O2 濃度は15〜21%の範囲に調整
することが好ましいとされている。このように、点火後
から排鉱までのプロセス全体について吸引空気中のO2
濃度を15%未満に低下させて焼結すると、燃料として
添加している粉コークスの燃焼速度が低下し、生産率が
大幅に低下するという問題がある。
【0005】また、特公昭54−130403号公報に
は、「ドワイトロイド式焼結機に於いて、焼結機風箱群
を1〜0.3対1の割合で前半部風箱群と後半部風箱群
とに分け、前半部風箱群より排出される排ガスを、後半
部風箱群上を蓋被するフードに焼結用吸引ガスの一部と
して供給し、このフード内に空気または酸素を流量調整
可能に送風または吸引せしめ、上記フード内焼結用吸引
ガスの酸素濃度をコントロールすることを特徴とする鉄
鉱石焼結鉱の製造方法」が記載されている。そして、こ
の方法はコークス配合量の増加によらず、パレット上焼
結鉱の上層部及び下層部の別なく一様に耐還元粉化性を
向上することができると記載されている。また排ガス量
が従来の焼結法に比して約30〜40%削減できるの
で、排ガス処理に要する設備費及び運転費が極めて安く
なり、公害対策上極めて有利となると記載されている。
しかし、同方法は焼結ベッド下層部の燃料として添加す
る粉コークスの燃焼速度を低下させることになる。従っ
て、生産率が低下したり成品歩留が低下したりする問題
が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、点火後
に酸素濃度が空気よりも低いガスを吸引する焼結方法
は、焼結鉱品質の中でも高炉操業において重要なRDI
などを改善できる。しかし、配合原料中に添加された粉
コークスの燃焼に必要とされる酸素の吸引量が少ないこ
れらの方法では、高炉操業に必要な焼結鉱を効率よく安
定して生産するための指標である生産率と成品歩留の向
上を同時に実現することはできない。そこで本発明は、
環境対策上重要なNOx発生抑制と、生産率向上、成品
歩留向上、焼結鉱品質向上とを同時に実現する焼結鉱製
造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の焼結鉱製造方法
は、ドワイトロイド式焼結機のパレット上に配合原料を
層状に装入して焼結ベッドを形成し、上方からその表層
の配合原料中炭材に点火したのち、焼結ベッド上面より
供給するガスを下方に吸引しながら焼結鉱を製造する方
法において、前記パレットのグレート上に、シンターケ
ーキ支持面を有する高さ200〜400mmの板状支持
部材をパレット進行方向と平行に複数枚設け、焼結ベッ
ド表層の配合原料中炭材に点火したのち、焼結ベッドを
表層部、中層部、及び下層部に3分割したときの焼結ベ
ッド表層部の炭材が燃焼する際には酸素濃度18vol
%以上21vol%以下のガス、焼結ベッド中層部の炭
材が燃焼する際には酸素濃度12vol%以上18vo
l%未満のガス、さらに焼結ベッド下層部の炭材が燃焼
する際には酸素濃度18vol%以上21vol%以下
のガスを焼結ベッド上面より供給して下方に吸引しなが
ら焼結することを特徴とする焼結鉱製造方法である。
【0008】ここで、表層部、中層部、及び下層部は次
の基準で設定する。まず、全層厚を100%とし、点火
前の焼結ベッド表面からその層厚の15〜25%下の位
置までを表層部とし、次に、表層部の直下の、点火前の
焼結ベッド表面からその層厚の40〜60%下の位置ま
でを中層部、さらに、中層部の直下の、焼結ベッド下端
までを下層部とする。特に、中層部と下層部の境界位置
については、NOxの発生を抑制しつつも生産性向上を
第一に指向するか、生産性が若干低くてもNOxの発生
抑制を第一に指向するかによって決めることとし、前者
を指向するときには40%ないしは40%に近い値を選
択し、後者を指向するときには60%ないしは60%に
近い値を選択する。なお、表層部と中層部の境界位置に
ついては、15%とするのが最も好ましいが、設備面か
らの制約等により25%までの範囲で任意に選択するこ
とができる。
【0009】また、酸素濃度18vol%以上21vo
l%以下のガスとしては空気を、さらに、酸素濃度12
vol%以上18vol%未満のガスとしては、空気に
2、不活性ガス、排ガスのうち1種又は2種以上を混
合して酸素濃度を12vol%以上18vol%未満に
調節したガス、酸素濃度が12vol%以上18vol
%未満の排ガス、排ガスにN2 及び/又は不活性ガスを
混合して酸素濃度を12vol%以上18vol%未満
に調節したガスのいずれかを利用することができる。こ
の中で用いる排ガスとしては、焼結機より排出されるガ
スを利用するのが簡便である。
【0010】以上述べてきた本発明の方法は、以下の通
り規定することもできる。すなわち、ドワイトロイド式
焼結機のパレット上に配合原料を層状に装入して焼結ベ
ッドを形成し、上方からその表層の配合原料中炭材に点
火したのち、焼結ベッド上面より供給するガスを下方に
吸引しながら焼結鉱を製造する方法において、前記パレ
ットのグレート上に、シンターケーキ支持面を有する高
さ200〜400mmの板状支持部材をパレット進行方
向と平行に複数枚設け、点火炉後端から排鉱部までのス
トランド長さに対して、点火炉後端より15〜25%下
の位置から40〜60%下の位置まで、パレットを覆っ
て空気と遮断するための吹き込みフードを設け、焼結ベ
ッド表層の配合原料中炭材に点火したのち、吹き込みフ
ードの前後では空気、吹き込みフード内では酸素濃度1
2vol%以上18vol%未満のガスを焼結ベッド上
面より供給して下方に吸引しながら焼結することを特徴
とする焼結鉱製造方法である。
【0011】特に、吹き込みフード後端位置について
は、NOxの発生を抑制しつつも生産性向上を第一に指
向するか、生産性が若干低くてもNOxの発生抑制を第
一に指向するかによって決めることとし、前者を指向す
るときには40%ないしは40%に近い値を選択し、後
者を指向するときには60%ないしは60%に近い値を
選択する。なお、表層部と中層部の境界位置について
は、15%とするのが最も好ましいが、設備面からの制
約等により25%までの範囲で任意に選択することがで
きる。
【0012】また、前述したように、酸素濃度12vo
l%以上18vol%未満のガスとしては、空気に
2 、不活性ガス、排ガスのうち1種又は2種以上を混
合して酸素濃度を12vol%以上18vol%未満に
調節したガス、酸素濃度が12vol%以上18vol
%未満の排ガス、排ガスにN2 及び/又は不活性ガスを
混合して酸素濃度を12vol%以上18vol%未満
に調節したガスのいずれかを利用することができ、この
中で用いる排ガスとしては、焼結機より排出されるガス
を利用するのが簡便である。
【0013】さらに、本発明は、上述のいずれの場合に
おいても、Al23 を1.5wt%以上2.5wt%
以下含有する配合原料、あるいは、焼成後の焼結鉱中A
23 成分が1.7wt%以上2.8wt%以下とな
るように成分調整した配合原料を装入した場合に、その
効果が最も顕著となる。
【0014】なお、以下では、焼結鉱製造時の炭材とし
て、その代表である粉コークスを例にとって説明する。
【0015】本発明では、焼結ベッド内の中層部という
特定ゾーンのみを低酸素分圧で焼結する。すると、中層
部では、低酸素分圧かつ1300℃以下の条件下で、例
えば図4(この場合、酸素10-8気圧以下)の斜線部に
示すようなシリケート系融液(CaO−SiO2 −Fe
O系融液)を生成する。この融液は、図5の斜線部に示
すような空気中かつ1300℃以下の条件下で生成する
シリケート系融液に比べてその成分範囲が広いことから
容易に生成することがわかる。一方、中層部ではコーク
ス燃焼速度がやや遅くなって熱伝達速度とマッチングす
るようになり、その結果層内最高温度が上昇するので、
中層部では融液がより多く生成する。そして、融液を生
成した後には多くの気孔から中層部の通気網が形成さ
れ、下層部が焼結反応する際に効率よく酸素を供給でき
るパイプが多数造られることになる。これによって下層
部では逆にコークス燃焼速度が向上することとなり、生
産率も向上する。また、このように中層部では低酸素分
圧と層内最高温度の上昇とによって融液量が増えるた
め、成品歩留や冷間強度が従来法よりも向上する。その
後、焼結反応が下層部に進んでいくと、表・中層部のシ
ンターケーキを板状支持部材が支えるようになり、重力
によって下層部の原料充填層が圧密されるのが抑制され
て、より効率よく酸素を供給できるようになり、生産率
がさらに向上する。
【0016】中層部の炭材が燃焼しているときに、パレ
ット下方に吸引するガスの酸素濃度を12vol%以上
18vol%未満とするのは、酸素濃度が18vol%
未満になるとシリケート系融液が活発に生成するように
なり、12vol%未満では、粉コークスの燃焼速度が
低下して生産率等の低下が顕著になるためである。ま
た、酸素濃度が18vol%未満のガスをパレット下方
に吸引してコークスを燃焼させた場合には、2N+O2
=2NOのNO生成反応に対して、生成したNOがCO
ガスで還元される2NO+2CO=N2 +2CO2 のN
O還元反応も活発に行われるようになり、これによって
NOx生成反応も抑制される。
【0017】このように、本発明によれば、中層部のコ
ークスが燃焼する際に発生するNOx量の抑制と下層部
の焼結反応速度向上とを同時に実現できる。しかしなが
ら、表層部や下層部の焼結反応時に低酸素濃度のガスを
供給するのは、生産性に関していえばマイナス効果であ
る。点火炉からのストランド長さがストランド全体長さ
の15%ないし25%に満たない領域と40%ないし6
0%を超えた領域とは焼結ベッドの表層部と下層部に対
応しており、この範囲では、酸素濃度が18vol%以
上21vol%以下のガス、望ましくは酸素濃度21v
ol%の空気を吸引する。なお、ここで、表層部及び下
層部の酸素濃度の下限を18vol%としたのは、中層
部の酸素濃度18vol%未満と明確に区別するためで
あり、上限を21vol%としたのは、コスト的に最も
ポピュラーな酸素源である空気を基準とし、空気に窒素
等のガスを混合することで酸素濃度を下げるのが酸素濃
度調整法として最も簡便であるからである。
【0018】また、焼結鉱の配合原料中Al23 成分
が1.5wt%以上2.5wt%以下のとき、焼成後の
焼結鉱中Al23 成分は1.7wt%以上2.8wt
%以下となる。このとき、何も対策を採らずに通常の焼
結操業を行うと、焼結ベッド中層部の通気網形成は困難
となり、下層部の粉コークス燃焼速度の低下が顕著にな
る。従って、このような状況に本発明を実施すれば、効
果はより大きくなる。
【0019】本発明は、前述のように、操業指向によっ
て低酸素濃度ガスの吹き込み範囲をある定められた領域
内で自由に変更できる。すなわち、NOx発生を大幅に
抑制する操業を第一に指向する場合には、焼結反応が、
全焼結ベッド層厚を100%として表層から15%下の
位置から60%下の位置までの範囲で行われるときに酸
素濃度が12vol%以上18vol%未満のガスを吹
き込むのが良い。また、NOx発生を抑制しながらも高
生産性操業を第一に指向する場合には、低酸素濃度ガス
の吹き込み範囲を表層から15%下の位置から40%下
の位置までの範囲に縮小して、各パレットに複数枚設置
した高さ200〜400mmの板状支持部材により生産
性向上効果を発揮させるのが良い。
【0020】板状支持部材については、特開平4−16
8234号公報に記載されているように、パレット進行
方向と平行に幅方向について複数枚設置する。その一例
を図3に示す。板状支持部材2の最適設置枚数は2〜6
枚であり、枚数が多い方がシンターケーキに対して十分
な支持効果が発揮できる。しかし、6枚を超えると板状
支持部材の占める体積が増え、逆に生産性に対する悪影
響が顕在化し始め、生産性の低下が見られるようにな
る。パレットに板状支持部材を設置することで下部の原
料充填層にシンターケーキの荷重が加わることがなくな
り、下部充填層の通気性が損なわれず、生産性が大きく
向上する。さらに、コークス燃焼速度が増加する一方、
NOxの発生もやや抑制される。このように、パレット
に対する板状支持部材の複数枚設置と低酸素濃度ガスの
吸引とを組み合わせることにより、両立が困難であった
NOx発生抑制と、生産率向上、成品歩留向上、焼結鉱
品質向上とを同時に実現することが可能となる。
【0021】本発明を実施する具体的方法としては、点
火後から排鉱部までのストランド長さ100に対する点
火後からの位置と焼結ベッドの全層厚100に対する表
層からの距離とがほぼ1対1で対応するとして、ストラ
ンドの点火後15%ないし25%の位置から40%ない
し60%の位置までの範囲に吹き込みフードを設け、酸
素濃度12vol%以上18vol%未満のガスとして
排ガス、空気、N2 のうちの1種又は2種以上からなる
低酸素濃度の混合ガスを吹き込むのが容易である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を詳
細に説明する。
【0023】図1及び図2は本発明を実施する設備の概
要図である。配合原料4はサージホッパー5からドラム
フィーダー6等の原料装入装置を介してパレット群7上
に連続的に供給され、パレット内に層状に積層される。
この間、原料給鉱側のスプロケット11を回転させてパ
レットを所定の速度で移動させると共に、パレットの下
側に複数個設けたウインドボックス12、メインダク
ト、排ガス集塵機13を経て吸引ブロワ−14により吸
気し、煙突15より排気する。点火炉8は、パレット上
の焼結ベッド10の上面の炭材に点火し、焼結ベッド1
0が排鉱部に達するまでの間に全層にわたって焼結反応
を完了させるように速度制御された連続運転が実施され
る。
【0024】上記ドワイトロイド式焼結機において、点
火部から排鉱部までのストランド長さを100%とした
場合に、ストランドの点火後15%ないし25%の位置
から40%ないし60%の位置までの範囲に排ガス、空
気、N2 のうちの1種又は2種以上からなる低酸素濃度
の混合ガスを吹き込むための吹き込みフード9を設け
る。この吹き込みフード9には、図1に示すように、吹
き込みフード9よりも点火炉8側にあるウインドボック
ス12から排ガス集塵機16、吸引ブロワー17を介し
て得られる排ガス及び/又は吹き込みフード9よりも排
鉱部側にあるウインドボックス12から導入管22によ
り流量調整弁23、排ガス集塵機20、吸引ブロワー2
1を介して得られる排ガスを導入できるようになってい
る。また、空気にN2 を混合したガスを導入管18、流
量調整弁19を介して吹き込みフード9に供給すること
も可能である。さらに、図2に示すように、メインダク
トから煙突15に排気する排ガスを排ガス集塵機16、
吸引ブロワー17を介して吹き込みフード9に供給する
ことも可能である。
【0025】
【実施例】本発明を実施例と比較例とにより以下に詳細
に説明する。
【0026】表1に行った実験の条件を示す。種々の鉄
鉱石、及び石灰石、生石灰、蛇紋岩、スケール等の副原
料を焼結鉱中のSiO2 が5.8wt%、Al23
1.75wt%又は2.15wt%、塩基度が1.7に
なるように調整したものを新原料とした。そして、この
新原料の合計を100wt%とし、返鉱配合率を外数で
15wt%一定、コークス配合率も外数で3.8wt%
一定としてこれらを配合し、目的とする配合原料を得
た。
【0027】
【表1】
【0028】本実験は、ドワイトロイド式焼結機をシミ
ュレートできる50kg試験鍋で実施した。まず、新原
料に返鉱、粉コークスを添加した後、添加水を加えてミ
キサーで混合、造粒し、鍋に装入した後点火して、吸引
ガスの酸素濃度を変化させながら、層厚600mm、負
圧1000mmAq一定で実験した。
【0029】比較例1及び2は、点火時間が1.5分
で、点火後は空気を吸引しながら焼結した。なお、比較
例2では、グレートから300mmの高さの幅方向中央
部に30mmφの丸棒をシンターケーキ支持部材として
1本設置した。比較例3は、点火時間が1.5分で、点
火直後は空気を吸引した。その後、焼結ベッド表層から
150mm下の位置に挿入した熱電対が最高温度を示し
た時に酸素濃度14vol%のガスの吸引に切替え、さ
らに、同じく焼結ベッド表層から300mm下の位置に
挿入した熱電対が最高温度を示した時に空気の吸引に切
替えて焼結を行った。
【0030】実施例1では、グレートから300mmの
高さの幅方向中央部に30mmφの丸棒をシンターケー
キ支持部材として1本設置し、点火時間は1.5分で、
点火直後は空気を吸引した。その後、焼結ベッド表層か
ら150mm下の位置に挿入した熱電対が最高温度を示
した時に酸素濃度14vol%のガスの吸引に切替え、
さらに、同じく焼結ベッド表層から300mm下の位置
に挿入した熱電対が最高温度を示した時に空気の吸引に
切替えて焼結を行った。実施例2では、グレートから3
00mmの高さの幅方向中央部に30mmφの丸棒をシ
ンターケーキ支持部材として1本設置し、点火時間は
1.5分で、点火直後は空気を吸引した。その後、焼結
ベッド表層から150mm下の位置に挿入した熱電対が
最高温度を示した時に酸素濃度14vol%のガスの吸
引に切替え、さらに、同じく焼結ベッド表層から240
mm下の位置に挿入した熱電対が最高温度を示した時に
空気の吸引に切替えて焼結を行った。実施例3では、高
Al23 鉱石の配合比を増やして焼成後の焼結鉱中A
23 成分が2.1wt%になるようにし、その他の
条件は実施例1と同じにして焼結を行った。
【0031】なお、上記焼結実験に先立って、焼結ベッ
ド中層部が焼結する際に吸引するガス中の酸素濃度を変
化させる試験を実施した。その結果、酸素濃度を18v
ol%よりも低くするとNOx発生抑制及び歩留向上の
効果が顕著になった。しかし、さらに低くして酸素濃度
が12vol%未満になると生産率の低下が顕著となっ
た。さらに、この酸素濃度が低いガスの吸引時期につい
ても種々変化させて試験を実施した。その結果、焼結ベ
ッドの層厚を600mmとしたとき、点火前の焼結ベッ
ド表面から90mm下の位置までの燃焼過程で低酸素濃
度のガス吸引を行うと表層部の歩留が低下するという悪
影響が見られた。また、点火前の焼結ベッド表面から3
60mm下の位置を超えて低酸素濃度のガスを吸引した
場合には、生産率の低下が顕在化した。したがって、点
火後から排鉱部までのストランド長さを100%とした
ときに、酸素濃度12vol%〜18vol%のガスを
ストランド長さで点火後最小15%の位置から最大60
%の位置までの区間で吸引するように設定するのがよい
と判断された。
【0032】図6に、比較例1、2、3と実施例1、
2、3で得られた鍋試験の生産率、成品歩留、冷間強度
(SI)、低温還元粉化指数(RDI)、被還元率(J
IS−RI)、及びNOx転換率(コークス中のNがN
Oxに転換した割合)を示す。
【0033】実施例では、比較例に対してNOx転換率
が大幅に低減し、成品歩留が向上し、焼結時間が短縮し
て生産率も大幅に向上し、SI、RDI、JIS−RI
が同時に改善されることが分かった。また、焼結鉱中の
Al23 成分が増加しても、実施例では成品歩留や焼
結鉱品質は全く悪化しなかった。一方、実施例では焼結
ベッド中、下層部のヒートパターンが変化し、最高温度
が上昇して1000℃以上の温度幅が狭くなるという傾
向を得た。これが原因の一つとなって生産率と成品歩留
が同時に改善されたと考えられる。
【0034】
【発明の効果】本発明はNOx発生抑制と、生産率向
上、成品歩留向上、焼結鉱品質向上などの両立し難い改
善効果を同時にもたらし、操業指向でそれらの改善効果
の程度を調整することを可能とする。このように、環境
対策と生産性向上、焼結鉱品質向上を同時にもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための装置の例を示す図であ
る。
【図2】本発明を実施するための装置の例を示す図であ
る。
【図3】板状支持部材を設置したパレットを示す図であ
る。
【図4】金属鉄と共存下のCaO−FeO−SiO2
の3元系状態図である。
【図5】空気中のCaO−Fe23 −SiO2 系の3
元系状態図である。
【図6】実施例の生産率、成品歩留、冷間強度(S
I)、低温還元粉化指数(RDI)、被還元率(JIS
−RI)、NOx転換率を示す図である。
【符号の説明】
1 パレット 2 板状支持部材 3 グレート 4 配合原料 5 サージホッパー 6 ドラムフィーダー 7 パレット群 8 点火炉 9 吹き込みフード 10 焼結ベッド 11 スプロケット 12 ウインドボックス 13 排ガス集塵機 14 吸引ブロワー 15 煙突 16 排ガス集塵機 17 吸引ブロワー 18 導入管 19 流量調整弁 20 排ガス集塵機 21 吸引ブロワー 22 導入管 23 流量調整弁

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドワイトロイド式焼結機のパレット上に
    配合原料を層状に装入して焼結ベッドを形成し、上方か
    らその表層の配合原料中炭材に点火したのち、焼結ベッ
    ド上面より供給するガスを下方に吸引しながら焼結鉱を
    製造する方法において、前記パレットのグレート上に、
    シンターケーキ支持面を有する高さ200〜400mm
    の板状支持部材をパレット進行方向と平行に複数枚設
    け、焼結ベッド表層の配合原料中炭材に点火したのち、
    焼結ベッドを表層部、中層部、及び下層部に3分割した
    ときの焼結ベッド表層部の炭材が燃焼する際には酸素濃
    度18vol%以上21vol%以下のガス、焼結ベッ
    ド中層部の炭材が燃焼する際には酸素濃度12vol%
    以上18vol%未満のガス、さらに焼結ベッド下層部
    の炭材が燃焼する際には酸素濃度18vol%以上21
    vol%以下のガスを焼結ベッド上面より供給して下方
    に吸引しながら焼結することを特徴とする焼結鉱製造方
    法。
  2. 【請求項2】 点火前の焼結ベッド表面からその層厚の
    15〜25%下の位置までを表層部、その下の、点火前
    の焼結ベッド表面からその層厚の40〜60%下の位置
    までを中層部、さらに、その下の、焼結ベッド下端まで
    を下層部とすることを特徴とする請求項1記載の焼結鉱
    製造方法。
  3. 【請求項3】 中層部と下層部の境界位置を、NOxの
    発生を抑制しつつも生産性向上を第一に指向するときに
    は40%ないしは40%に近い値を選択し、生産性が若
    干低くてもNOxの発生抑制を第一に指向するときには
    60%ないしは60%に近い値を選択することを特徴と
    する請求項2記載の焼結鉱製造方法。
  4. 【請求項4】 酸素濃度18vol%以上21vol%
    以下のガスが空気であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか記載の焼結鉱製造方法。
  5. 【請求項5】 ドワイトロイド式焼結機のパレット上に
    配合原料を層状に装入して焼結ベッドを形成し、上方か
    らその表層の配合原料中炭材に点火したのち、焼結ベッ
    ド上面より供給するガスを下方に吸引しながら焼結鉱を
    製造する方法において、前記パレットのグレート上に、
    シンターケーキ支持面を有する高さ200〜400mm
    の板状支持部材をパレット進行方向と平行に複数枚設
    け、点火炉後端から排鉱部までのストランド長さに対し
    て、点火炉後端より15〜25%下の位置から40〜6
    0%下の位置まで、パレットを覆って空気と遮断するた
    めの吹き込みフードを設け、焼結ベッド表層の配合原料
    中炭材に点火したのち、吹き込みフードの前後では空
    気、吹き込みフード内では酸素濃度12vol%以上1
    8vol%未満のガスを焼結ベッド上面より供給して下
    方に吸引しながら焼結することを特徴とする焼結鉱製造
    方法。
  6. 【請求項6】 吹き込みフード後端位置を、NOxの発
    生を抑制しつつも生産性向上を第一に指向するときには
    40%ないしは40%に近い値を選択し、生産性が若干
    低くてもNOxの発生抑制を第一に指向するときには6
    0%ないしは60%に近い値を選択することを特徴とす
    る請求項5記載の焼結鉱製造方法。
  7. 【請求項7】 酸素濃度12vol%以上18vol%
    未満のガスが、空気にN2 、不活性ガス、排ガスのうち
    1種又は2種以上を混合して酸素濃度を12vol%以
    上18vol%未満に調節したガス、酸素濃度が12v
    ol%以上18vol%未満の排ガス、排ガスにN2
    び/又は不活性ガスを混合して酸素濃度を12vol%
    以上18vol%未満に調節したガスのいずれかである
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の焼結鉱
    製造方法。
  8. 【請求項8】 排ガスが焼結機より排出されるガスであ
    ることを特徴とする請求項7記載の焼結鉱製造方法。
  9. 【請求項9】 Al23 を1.5wt%以上2.5w
    t%以下含有する配合原料を装入することを特徴とする
    請求項1〜8のいずれか記載の焼結鉱製造方法。
  10. 【請求項10】 焼成後の焼結鉱中Al23 成分が
    1.7wt%以上2.8wt%以下となるように成分調
    整した配合原料を装入することを特徴とする請求項1〜
    8のいずれか記載の焼結鉱製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009264694A (ja) * 2008-04-28 2009-11-12 Jfe Steel Corp 焼結機およびその運転方法
WO2012038602A1 (en) * 2010-09-24 2012-03-29 Outotec Oyj Method for the continuous sintering of mineral material and sintering equipment

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