JPH08260062A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

焼結鉱の製造方法

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JPH08260062A
JPH08260062A JP8864095A JP8864095A JPH08260062A JP H08260062 A JPH08260062 A JP H08260062A JP 8864095 A JP8864095 A JP 8864095A JP 8864095 A JP8864095 A JP 8864095A JP H08260062 A JPH08260062 A JP H08260062A
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less
vol
sintering
strand length
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JP8864095A
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Yozo Hosoya
陽三 細谷
Takuya Kawaguchi
卓也 川口
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドワイトロイド式焼結機による焼結鉱の製造
方法の生産率と成品歩留、焼結鉱品質を向上させ、NO
xや環境汚染物質の排出を抑制する。 【構成】 点火部5から排鉱部までのストランドのう
ち、ストランド長さ70%超から100%までの範囲9
の温度が100℃以上、酸素濃度が18〜21vol
%、水蒸気濃度が10vol%未満の焼結後のウインド
ボックス排ガスをストランド長さ点火部から30%未満
までの範囲7の原料層上面に供給し、下方に吸引して焼
結する。範囲7の酸素濃度が12〜18vol%、水蒸
気濃度が10vol%未満の焼結後のウインドボックス
排ガスをストランド長さ30%以上から70%以下まで
の範囲8の原料層上面に供給し、下方に吸引して焼結す
る。範囲8の水蒸気濃度が10vol%以上の焼結後の
ウインドボックス排ガスを範囲9の原料層上面に供給
し、下方に吸引して焼結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はドワイトロイド式焼結機
により焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】産業界では、通常ドワイトロイド式焼結
機が広く用いられている。この形式の焼結機では点火炉
内で配合原料の表面層に点火し、下向きに吸気すること
により原料層内の燃焼帯は漸次上層部から中層部、下層
部に移行してゆき、焼結ベッドの層厚が600mm前後
であれば、全焼結過程は30〜35分程度で完了する。
【0003】焼結鉱製造に際して重要なことは、焼結鉱
の品質を維持して生産率を最大とし、燃料原単位と点火
燃料原単位は最小とする方法を取ることである。従っ
て、実操業では焼結鉱の品質を維持する範囲内で、燃料
として添加するコークスや無煙炭等の量、点火時の燃料
であるコークス炉ガスや微粉炭等の量は少なくする方が
良い。すなわち、いたずらに焼結原料への燃料の配合割
合や点火燃料の量を下げても良い結果は得られるもので
はなく、それらを大幅に低下させると焼結鉱品質を悪化
させたり、返鉱が多くなってむしろ燃料原単位や点火燃
料原単位の悪化を引き起こすことになる。
【0004】そこで、例えば特公昭61−295332
号公報には、ドワイトロイド式焼結機による焼結鉱の製
造方法において、パレット上の原料層上方から下方に向
かって吸引される空気に原料層上方でN2 ガス又はO2
濃度の低い排ガスを添加することにより吸引空気中のO
2 濃度を低下せしめつつ焼結を行うことを特徴とする焼
結鉱の製造方法が記載されている。同方法は還元粉化率
(RDI)と被還元率(RI)を簡易な手段で共に改善
できると記載されている。しかし、点火後から排鉱まで
吸引空気中のO2 濃度を15%未満に低下させて焼結す
ると、燃料として添加する粉コークスの燃焼速度が低下
して生産率が大幅に低下するため、O2濃度は15〜2
1%の範囲に調整することが好ましいとされている。
【0005】また、特公昭54−130403号公報に
は、ドワイトロイド式焼結機に於いて、焼結機風箱群を
1〜0.3対1の割合で前半部風箱群と後半部風箱群と
に分け、前半部風箱群より排出される排ガスを、後半部
風箱群上を蓋被するフードに焼結用吸引ガスの一部とし
て供給し、このフード内に空気または酸素を流量調整可
能に送風または吸引せしめ、上記フード内焼結用吸引ガ
スの酸素濃度をコントロールすることを特徴とする鉄鉱
石焼結鉱の製造方法が記載されている。同方法はコーク
ス配合量の増加によらず、パレット上焼結鉱の上層部お
よび下層部の別なく一様に耐還元粉化性を向上すること
ができると記載されている。また、排ガス量が従来の焼
結法に比して約30〜40%削減できるので、排ガス処
理に要する設備費および運転費が極めて安くなり、公害
対策上極めて有利になると記載されている。たしかにこ
の方法は、パレット上焼結鉱の下層部の耐還元粉化性を
向上させることができるが、焼結ベッド下層部の燃料と
して添加する粉コークスの燃焼速度を低下させることに
なるので、生産率が低下したり成品歩留が低下する問題
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】点火後に低濃度の酸素
を吸引する焼結法は、焼結鉱品質の中でも高炉操業にお
いて重要な低温還元粉化率(耐還元粉化性)や被還元率
を改善できるが、燃料である粉コークスの燃焼に必要な
酸素吸引量が少ないので、高炉操業に必要な焼結鉱の生
産率と成品歩留の向上を同時に実現することはできな
い。
【0007】本発明は、生産率を向上させるだけでな
く、成品歩留向上、焼結鉱品質向上、排ガス量削減、N
Ox排出量抑制、環境汚染物質の排出抑制を同時に実現
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の焼結鉱の製造方
法は、以下の〜の通りである。
【0009】 ドワイトロイド式焼結機に配合原料を
層状に装入し上面から点火して下方に吸引する焼結鉱の
製造方法において、点火部から排鉱部までのストランド
のうちストランド長さ70%超から100%までの範囲
の温度が100℃以上、酸素濃度が18〜21vol
%、水蒸気濃度が10vol%未満の焼結後のウインド
ボックス排ガスをストランド長さ点火部から30%未満
までの範囲の原料層上面に供給し、下方に吸引して焼結
するとともに、ストランド長さ点火部から30%未満ま
での範囲の酸素濃度が12〜18vol%、水蒸気濃度
が10vol%未満の焼結後のウインドボックス排ガス
をストランド長さ30%以上から70%以下の範囲の原
料層上面に供給し、下方に吸引して焼結することを特徴
とする焼結鉱の製造方法。
【0010】 ドワイトロイド式焼結機に配合原料を
層状に装入し上面から点火して下方に吸引する焼結鉱の
製造方法において、点火部から排鉱部までのストランド
のうちストランド長さ点火部から30%未満までの範囲
の酸素濃度が12〜18vol%、水蒸気濃度が10v
ol%未満の焼結後のウインドボックス排ガスをストラ
ンド長さ30%以上から70%以下までの範囲の原料層
上面に供給し、下方に吸引して焼結するとともに、スト
ランド長さ30%以上から70%以下までの範囲の水蒸
気濃度が10vol%以上の焼結後のウインドボックス
排ガスをストランド長さ70%超から100%までの範
囲の原料層上面に供給し、下方に吸引して焼結すること
を特徴とする焼結鉱の製造方法。
【0011】 ドワイトロイド式焼結機に配合原料を
層状に装入し上面から点火して下方に吸引する焼結鉱の
製造方法において、点火部から排鉱部までのストランド
のうちストランド長さ70%超から100%までの範囲
の温度が100℃以上、酸素濃度が18〜21vol
%、水蒸気濃度が10vol%未満の焼結後のウインド
ボックス排ガスをストランド長さ点火部から30%未満
までの範囲の原料層上面に供給し、下方に吸引して焼結
するとともに、ストランド長さ点火部から30%未満の
範囲の酸素濃度が12〜18vol%、水蒸気濃度が1
0vol%未満の焼結後のウインドボックス排ガスをス
トランド長さ30%以上から70%以下までの範囲の原
料層上面に供給し、下方に吸引して焼結し、ストランド
長さ30%以上から70%以下までの範囲の水蒸気濃度
が10vol%以上の焼結後のウインドボックス排ガス
をストランド長さ70%超から100%までの範囲の原
料層上面に供給し、下方に吸引して焼結することを特徴
とする焼結鉱の製造方法。
【0012】なお、ここで、酸素濃度とは、水分を除去
した乾きガス中に含まれる酸素のvol%であり、水蒸
気濃度とは、ガス中に含まれる水蒸気のvol%であ
る。また、焼結ベッドの中層部とは、全層厚を100%
として表層から20%以上60%以下の部分をいう。
【0013】
【作用】焼結鉱製造において生産率と成品歩留の向上を
同時に実現するには、焼結ベッド中層部の通気網構造を
改善して粉コークスの燃焼性を向上させ、下層部の冷却
速度を増すことが最も重要である。そして、中層部の燃
焼時に低酸素濃度のガスを吸引すればNOx生成が抑制
され、焼結過程後半の燃料の燃焼が完了した後に水蒸気
を含むガスを吸引すれば、焼結層内の冷却速度が増して
焼結速度が増加する。また、環境汚染物質は焼結過程の
排鉱部に近い後半部でウインドボックスに排出されるの
で、その排ガスを焼結過程前半〜中間に循環すれば、焼
結完了後のシンターケーキに環境汚染物質を吸着させて
発生を抑制できる。本発明法は、焼結ベッド中層部の通
気網構造を改善し、下層部の冷却速度を増して、環境汚
染物質を焼結過程に循環させて吸着させる焼結法で、生
産率と成品歩留の向上、NOx排出の抑制、環境汚染物
質排出の抑制、排ガス量削減を同時にもたらす。
【0014】焼結ベッドの中層部の焼結反応、すなわち
粉コークスが燃焼したのち、融液が生成して凝固する反
応は、ストランド長さでいえば点火部からみて30%の
位置からほぼ開始し、70%の位置でほぼ完了する。焼
結ベッドの中層部の特定ゾーンのみを酸素濃度12vo
l%以上18vol%未満のガスを吸引して焼結する
と、そのゾーンでは図3に示すように低酸素分圧下での
1300℃以下のシリケート系融液(CaO−SiO2
−FeO融液)の生成が図4に示す空気中での1300
℃以下のシリケート系融液よりも容易になる。また、コ
ークス燃焼速度がやや遅くなって熱伝達速度とマッチン
グし、その結果層内最高温度が上昇するので融液がより
多く生成され、COガスがNOxを還元する反応も活発
化する。融液生成後に多くの気孔、すなわち中層部の通
気網が生成されるので、下層部の焼結反応時に効率よく
酸素を供給できることになる。そのため下層部では逆に
コークス燃焼速度が向上し、生産率が向上する。中層部
は酸素分圧低下と層内最高温度上昇で融液量が増えるた
め、従来法よりも成品歩留や冷間強度が改善される。中
層部の焼結時はNOx生成が抑制される。原料層の中層
部に吸引するガスの酸素濃度を12vol%以上18v
ol%未満としたのは、酸素濃度が18vol%未満に
なるとシリケート系融液の生成が活発になり始め、12
vol%未満になるとコークス燃焼速度が低下する悪影
響が顕著になるからである。吸引する排ガスの水蒸気濃
度が10vol%以上になると、焼結ベッド下層部への
水分凝縮量の増加に起因する通気性低下の悪影響が顕著
になるが、1.0vol%以下になっても何ら問題はな
い。しかし、ストランド長さ30%未満では下層部の原
料層に水分凝縮ゾーンを形成する途中であるので、水蒸
気量が10vol%未満の排ガスが多く、この排ガスを
中層部に循環することに問題はない。さらに、上層部に
100℃以上の熱風を吸引すると熱レベルが上昇し、上
層部の成分歩留が向上するが、冷却速度の低下により焼
結時間が延び、生産率が低下する問題があったが、本発
明法は中層部の焼結時に焼結時間が短縮するので、上層
部に100℃以上の熱風を吸引する焼結法と組合せても
生産率は低下しない。ただし、上層部に400℃以上の
熱風を吸引すると生産率低下が顕著になるので、400
℃未満の熱風を吸引するのが好ましい。また、下層部の
焼結時に水蒸気を多く含有する排ガスを吸引して冷却速
度を増せば、生産率が向上する。焼結機後半で排出され
る100℃以上500℃以下の排ガスに多く含まれる環
境汚染物質は、焼結ベッド上層部へ循環することにより
シンターケーキーの気孔内に吸着させることができるの
で、排出を抑制することができる。これらの吸引ガスを
空気やその他のガスと混合して最適範囲の組成に調整し
てからストランドの原料層上面に供給することも可能で
ある。
【0015】このように焼結機のウインドボックス排ガ
スを循環して焼結鉱を製造すれば、焼結機から排出され
る排ガス量を削減できるのみならず、電気集塵機などの
環境対策設備を小型化することも可能になる。
【0016】以下、図面に基づいて本発明を説明する。
【0017】図1は本発明を実施する装置の例を示す概
要図で、配合原料1はサージホッパー2からドラムフィ
ーダー3、原料装入装置を介してパレット4上に連続的
に供給され、パレット4内に層状に積層される。この
間、原料給鉱側のスプロケット20を回転させてパレッ
ト4を所定の速度で移動させると共に、パレット4の下
側に複数個設けたウインドボックス10、メインダクト
24、排ガス集塵機11を経て吸引ブロワー12により
吸気して煙突13より排気する。点火炉5でパレット4
上の積層原料6の上面に点火し、積層原料6が排鉱部に
達する間に全層にわたって焼結反応を完了させるように
速度制御して連続運転する。
【0018】上記装置において、点火部から排鉱部まで
のストランド長さを100%とした場合に、ストランド
長さ点火部から30%未満までの範囲に排ガス吹き込み
フード7を設け、ストランド長さ30%以上から70%
以下までの範囲に排ガス吹き込みフード8を設け、スト
ランド長さ70%超から100%までの範囲に排ガス吹
き込みフード9を設ける。吹き込みフード7には、焼結
機後半のストランド長さ70%超から100%までの範
囲から発生する排ガスの中で温度が100℃以上、酸素
濃度が18〜21vol%、水蒸気濃度が10vol%
未満のウインドボックス排ガスを選定して排ガス集塵機
16、吸引ブロワー17を介して供給する。吹き込みフ
ード8には、焼結機前半のストランド長さ点火部から3
0%未満までの範囲から発生する排ガスで酸素濃度が1
2〜18vol%、水蒸気濃度が10vol%未満のウ
インドボックス排ガスを選定して排ガス集塵機14、吸
引ブロワー15を介して供給する。また、吹き込みフー
ド9には、ストランド長さ30%以上から70%以下ま
での範囲から発生する排ガスで水蒸気濃度が10vol
%以上のウインドボックス排ガスを排ガス集塵機18、
吸引ブロワー19を介して供給する。それぞれの排ガス
吹き込みフード内の吸引ガス成分組成の調整のために、
流量調整弁21〜23を介して空気やその他ガスを混合
することも可能である。
【0019】
【実施例】本発明を実施例により詳細に説明する。
【0020】表1に本実験に供した配合原料の配合割合
を示す。配合原料は種々の鉄鉱石および石灰石、生石
灰、蛇紋岩、スケール等の雑原料を焼結鉱中のSiO2
が5.8%、Al2 3 が1.75%になるように調整
し、塩基度は1.7になるように配合した。鉄鉱石類と
副原料からなる新原料の合計を100%として、返鉱配
合率は15%一定、コークス配合率は3.8%一定とし
た。
【0021】
【表1】
【0022】本実験はドワイトロイド式焼結機をシミュ
レートできる50kg試験鍋で実験した。配合原料に返
鉱、粉コークスを配合後、添加水を添加してミキサーで
混合、造粒し、鍋に配合原料を装入した後点火し、吸引
ガスの酸素濃度を変化させ、層厚600mm、負圧15
00mmAq一定で実験した。比較例1は、点火時間
1.5分間で点火後は空気を吸引して焼結した。試験鍋
でドワイトロイド式焼結機をシミュレートするために、
事前に点火開始直後からウインドボックス排ガスが最高
温度を示すまでの排ガス組成の推移を測定し、その結果
に基づいて以下の試験条件を設定した。
【0023】実施例1では、点火時間1.5分間で点火
後に130℃の熱風空気を吸引し、焼結ベッド表層から
220mmの位置(ストランド長さ45%の位置)に挿
入した熱電対が最高温度を示した時に酸素濃度15vo
l%、水蒸気濃度8vol%のガスを吸引し、同じく表
層から350mmの位置(ストランド長さ65%の位
置)に挿入した熱電対が最高温度を示した時に空気の吸
引に切替え焼結した。
【0024】実施例2では、点火時間1.5分間で点火
後に空気を吸引し、焼結ベッド表層から220mmの位
置(ストランド長さ45%の位置)に挿入した熱電対が
最高温度を示した時に酸素濃度15vol%、水蒸気濃
度8vol%のガスを吸引し、同じく表層から350m
mの位置(ストランド長さ65%の位置)に挿入した熱
電対が最高温度を示した時に空気の吸引に切替え焼結
し、焼結ベッド表層から500mmの位置(ストランド
長さ80%の位置)に挿入した熱電対が最高温度を示し
た時に水蒸気濃度12vol%、酸素濃度15vol%
のガスを吸引し、焼結した。
【0025】実施例3では、点火時間1.5分間で点火
後に130℃の熱風空気を吸引し、焼結ベッド表層から
220mmの位置(ストランド長さ45%の位置)に挿
入した熱電対が最高温度を示した時に酸素濃度15vo
l%、水蒸気濃度8vol%のガスを吸引し、同じく表
層から350mmの位置(ストランド長さ65%の位
置)に挿入した熱電対が最高温度を示した時に空気の吸
引に切替え焼結し、焼結ベッド表層から500mmの位
置(ストランド長さ80%の位置)に挿入した熱電対が
最高温度を示した時に水蒸気濃度12vol%、酸素濃
度15vol%のガスを吸引し、焼結した。
【0026】なお、焼結ベッド中層部の焼結時に吸引す
るガス中の酸素濃度を変化させる試験を事前に実施した
が、酸素濃度18vol%未満まで低下させると歩留向
上の効果が顕著になり、酸素濃度12vol%未満にな
ると生産率の低下が大きくなった。水蒸気濃度も種々変
化させる試験を実施したところ、10vol%以上にな
ると熱レベル低下による成品歩留低下の悪影響がみられ
た。また、ガスの吸引時間帯についても事前に種々変化
させる試験を実施した。その結果、焼結ベッド層厚60
0mmにおいて点火前の表層位置から180mm下(ス
トランド長さ30%の位置)までの酸素濃度18vol
%以下のガス吸引は、上層部の焼結時間と成品歩留を低
下させる悪影響が見られた。また、表層から420mm
超(ストランド長さ70%の位置)まで酸素濃度18v
ol%以下のガスを吸引すると、焼結時間延長による生
産率の低下が顕在化した。したがって、点火部から排鉱
部までのストランド長さを100%としたときに、温度
が100℃以上で酸素濃度18〜21vol%、水蒸気
濃度10vol%未満の排ガスをストランド長さ点火部
から30%未満までの範囲に供給、吸引し、酸素濃度1
2〜18%vol%で水蒸気濃度が10vol%未満の
ガスをストランド長さ30%以上から70%以下の範囲
に供給、吸引するのがよい。そして、ストランド長さが
70%を超えると燃料である粉コークスの燃焼量が少な
くなってくるので、シンターケーキの冷却速度を増すた
めに水蒸気を10vol%以上含有するガスを供給、吸
引するのが良い。この場合は水蒸気濃度が10vol%
未満では効果が小さくなる。
【0027】ドワイトロイド式焼結機では、ウインドボ
ックス排ガス組成を時々刻々分析しながら循環使用する
排ガス部分を選定するのが良いが、ブロワーや集塵機の
設備は固定化されるので最適循環部位も検討した。その
結果、酸素濃度が12〜18vol%、水蒸気濃度が1
0vol%未満のガスはストランド長さ点火部から20
%の範囲を主に循環させるのが良く、水蒸気濃度10v
ol%以上のガスはストランド長さ40%から60%の
範囲を主に循環させるのが良く、温度が100℃以上で
酸素濃度が18〜21vol%のガスはストランド長さ
80〜100%の範囲を主に循環させるのが良かったの
で、本鍋試験では、この条件に合うように試験条件を設
定した。なお、空気などのその他のガスと混合してガス
組成を調整することも可能である。
【0028】図2に比較例1、実施例1〜3で得られた
鍋試験の生産率、焼結時間、成品歩留、冷間強度(S
I)、低温還元粉化指数(RDI)、被還元率(JIS
RI)、NOx排出量原単位、環境汚染物質排出量比を
示す。
【0029】本発明法を実施した場合、従来法に対して
生産率、成品歩留が向上し、SIとRDI、JIS−R
Iが改善され、NOx排出量原単位、環境汚染物質排出
量比が低減できることが分かった。排ガス量も大幅に削
減できた。
【0030】
【発明の効果】本発明は生産率向上、成品歩留向上、焼
結鉱品質向上、NOx排出量原単位低減、環境汚染物質
排出量抑制、排ガス量削減などの両立し難い改善効果を
同時にもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための装置の例を示す縦断面
図である。
【図2】鍋試験結果を示す図である。
【図3】低酸素分圧下でのCaO−酸化鉄−SiO2
の3元系状態図である。
【図4】空気中のCaO−酸化鉄−SiO2 系の3元系
状態図である。
【符号の説明】
1 配合原料 2 サージホッパー 3 ドラムフィーダー 4 パレット 5 点火炉 6 積層原料 7 排ガス吹き込みフード 8 排ガス吹き込みフード 9 排ガス吹き込みフード 10 ウインドボックス 11 排ガス集塵機 12 吸引ブロワー 13 煙突 14 排ガス集塵機 15 吸引ブロワー 16 排ガス集塵機 17 吸引ブロワー 18 排ガス集塵機 19 吸引ブロワー 20 スプロケット 21 流量調整弁 22 流量調整弁 23 流量調整弁 24 メインダクト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドワイトロイド式焼結機に配合原料を層
    状に装入し上面から点火して下方に吸引する焼結鉱の製
    造方法において、点火部から排鉱部までのストランドの
    うちストランド長さ70%超から100%までの範囲の
    温度が100℃以上、酸素濃度が18〜21vol%、
    水蒸気濃度が10vol%未満の焼結後のウインドボッ
    クス排ガスをストランド長さ点火部から30%未満まで
    の範囲の原料層上面に供給し、下方に吸引して焼結する
    とともに、ストランド長さ点火部から30%未満までの
    範囲の酸素濃度が12〜18vol%、水蒸気濃度が1
    0vol%未満の焼結後のウインドボックス排ガスをス
    トランド長さ30%以上から70%以下の範囲の原料層
    上面に供給し、下方に吸引して焼結することを特徴とす
    る焼結鉱の製造方法。
  2. 【請求項2】 ドワイトロイド式焼結機に配合原料を層
    状に装入し上面から点火して下方に吸引する焼結鉱の製
    造方法において、点火部から排鉱部までのストランドの
    うちストランド長さ点火部から30%未満までの範囲の
    酸素濃度が12〜18vol%、水蒸気濃度が10vo
    l%未満の焼結後のウインドボックス排ガスをストラン
    ド長さ30%以上から70%以下までの範囲の原料層上
    面に供給し、下方に吸引して焼結するとともに、ストラ
    ンド長さ30%以上から70%以下までの範囲の水蒸気
    濃度が10vol%以上の焼結後のウインドボックス排
    ガスをストランド長さ70%超から100%までの範囲
    の原料層上面に供給し、下方に吸引して焼結することを
    特徴とする焼結鉱の製造方法。
  3. 【請求項3】 ドワイトロイド式焼結機に配合原料を層
    状に装入し上面から点火して下方に吸引する焼結鉱の製
    造方法において、点火部から排鉱部までのストランドの
    うちストランド長さ70%超から100%までの範囲の
    温度が100℃以上、酸素濃度が18〜21vol%、
    水蒸気濃度が10vol%未満の焼結後のウインドボッ
    クス排ガスをストランド長さ点火部から30%未満まで
    の範囲の原料層上面に供給し、下方に吸引して焼結する
    とともに、ストランド長さ点火部から30%未満の範囲
    の酸素濃度が12〜18vol%、水蒸気濃度が10v
    ol%未満の焼結後のウインドボックス排ガスをストラ
    ンド長さ30%以上から70%以下までの範囲の原料層
    上面に供給し、下方に吸引して焼結し、ストランド長さ
    30%以上から70%以下までの範囲の水蒸気濃度が1
    0vol%以上の焼結後のウインドボックス排ガスをス
    トランド長さ70%超から100%までの範囲の原料層
    上面に供給し、下方に吸引して焼結することを特徴とす
    る焼結鉱の製造方法。
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