JP2000017343A - 焼結鉱の2段点火式製造方法 - Google Patents

焼結鉱の2段点火式製造方法

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JP2000017343A
JP2000017343A JP10202871A JP20287198A JP2000017343A JP 2000017343 A JP2000017343 A JP 2000017343A JP 10202871 A JP10202871 A JP 10202871A JP 20287198 A JP20287198 A JP 20287198A JP 2000017343 A JP2000017343 A JP 2000017343A
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Tsutomu Okada
務 岡田
Yozo Hosoya
陽三 細谷
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配合原料を層状に2段に分けて装入し、それ
ぞれの層で上面から点火して焼結鉱を製造する方法の生
産性を向上させる。 【解決手段】 原料粉鉱石と溶剤と燃料とを含む配合原
料をドワイトロイド式焼結機のパレット9上に装入する
際に、層高方向で上部充填層12と下部充填層11の2
段に分けて分割装入し、各原料充填層毎に点火し、酸素
含有ガスを上方から下方に供給して焼結鉱を製造する
際、上部充填層12の点火時に、下部充填層11へ供給
する酸素含有ガス中の酸素濃度を8vol%以上とす
る。上部充填層12に点火後、上部充填層12の燃焼溶
融帯の前線位置が表層から下方に上部充填層12の層厚
10%になった位置から排鉱部までのストランド長さ方
向の範囲内の一部または全部で原料充填層に供給する酸
素含有ガスの層厚方向の差圧を、それ以前の部分の差圧
に対して1.1〜5.0倍に増加させることは好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高炉製造法の原料で
ある焼結鉱を製造する方法、特に2段点火式で焼結鉱を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鉱石の焼結に関しては、ドワイトロイ
ド式焼結機が広く用いられている。これは、原料粉鉱石
に石灰石や珪石等の溶剤と粉コークス等の燃料と水とを
加えて混合、造粒した配合原料を、キャタピラ状に配列
した焼結パレット上に充填して充填層を形成し、焼結パ
レットを順次水平移動して、点火炉内で充填層の表面に
点火した後、下方から吸引することにより、配合原料内
のコークス等の燃料を燃焼させて発生した熱によって原
料粉鉱石を溶融、凝固させる燃焼帯を漸次表層部から下
層部に移行させて焼結するもので、全焼結過程は20〜
40分程度で完了する。
【0003】ドワイトロイド式焼結機は連続式で、グリ
ーナワルド式焼結機等のような他の回分式焼結機に比べ
て大量生産に適しているのが広く用いられている理由で
ある。現在のドワイトロイド式焼結機は大型化してお
り、幅5m×長さ100mといったものまであり、生産
性は34〜43t/d/m2 程度であるが、更なる生産
性の向上が追求されている。さらに、焼結鉱製造は、成
品焼結鉱の品質を維持して生産性を最大、燃料原単位と
点火燃料原単位を最小とするように操業すべきであると
されている。
【0004】このため、従来の1段式の製造方法に比較
して、吸引ガスの利用効率が高められ、見掛け焼結速度
が増加するため、生産効率向上の利点があるといわれる
2段点火式の製造方法が提案されている。
【0005】例えば、特開昭47−26304号公報に
は、原料供給装置および点火炉をパレット進行方向に位
置をずらして複数個設け、供給された各々の原料表面に
順次点火して、焼結反応を進行させる多段点火式焼結方
法により、排ガスの再利用と焼結反応速度の見掛け上の
大幅な増加が可能となり、生産性向上が達成できると示
されている。さらに、前記多段あるいは2段点火式の製
造方法を効率良く実現する提案が既に幾つか示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の技
術は、いずれも特開昭47−26304号公報に示され
た多段点火式焼結方法を改善しようとするものであり、
特に多段点火式製造方法における本質的な問題を解決す
るに至っていない。
【0007】多段点火式製造方法においては、上部充填
層の排ガスが下部充填層へ供給されるため、必ず上部充
填層よりも下部充填層へ供給する酸素含有ガスの酸素濃
度が低くなる。特に、上部充填層の表層部に点火すると
きには、従来のガスバーナーを用いれば、燃焼排ガス中
の酸素濃度が低くなる。図4に、点火近傍における排ガ
ス中の酸素濃度の変化を示す。このように、点火炉直下
では、下部充填層へ供給される酸素濃度が3〜8%程度
の範囲内に入ってしまうため、先に点火した下部充填層
内では酸欠状態となり、燃料の燃焼不足が起こる。赤熱
部あるいは燃料が再着火するのに十分な熱量が残ってい
れば、上部充填層の点火終了後から下部充填層の燃焼溶
融帯で再燃焼を始めるが、そのまま失火してしまうこと
もあった。従って、下部充填層の焼成は不安定であり、
ムラ焼けなどの焼成不良を避けることができなかった。
【0008】また、焼結機の生産率の向上に重要なの
は、原料充填層内の燃焼溶融帯の移行速度である。燃焼
溶融帯が上方から漸次下方に移行する速度が同じであれ
ば、充填層の層厚や焼結パレットの移動速度を増加させ
ると焼結完了に必要な焼結機の長さも増加するだけであ
って、生産性の向上にはつながらないからである。2段
点火式製造方法の焼成時においては、最も通気抵抗の大
きい燃焼溶融帯が2つ形成されるために、原料充填層全
体の通気抵抗が増し、燃焼溶融帯の移行速度が小さくな
り、焼結機の生産率を逆に低下させる要因となってい
た。また、配合原料の層厚を増して、焼結機の生産率を
増加させるときに、大きな阻害要因となっていた。
【0009】そこで本発明は、配合原料の層厚や焼結パ
レットの移動速度を増加させて焼結機の生産性を画期的
に向上させることのできる焼結鉱の2段点火式製造方法
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の焼結鉱の2段点
火式製造方法は以下の(1)〜(5)の通りである。
【0011】(1) 原料粉鉱石と溶剤と燃料とを含む
配合原料をドワイトロイド式焼結機のパレット上に装入
する際に、層高方向で上部充填層と下部充填層の2段に
分けて分割装入し、各原料充填層毎に点火し、酸素含有
ガスを上方から下方に供給して焼結鉱を製造する2段焼
結方法において、上部充填層の点火時に、下部充填層へ
供給する酸素含有ガス中の酸素濃度を8vol%以上と
して焼結することを特徴とする焼結鉱の2段点火式製造
方法。
【0012】(2) マイクロ波加熱および/または熱
風加熱により各層の表層部に点火することを特徴とする
前記(1)の焼結鉱の2段点火式製造方法。
【0013】(3) 予め900℃以上に加熱した添加
材を各層の表層部に装入して点火することを特徴とする
前記(1)または(2)の焼結鉱の2段点火式製造方
法。
【0014】(4) 上部充填層に点火後、上部充填層
の燃焼溶融帯の前線位置が表層から下方に上部充填層の
層厚10%になった位置から排鉱部までの範囲内の一部
または全部で原料充填層に供給する酸素含有ガスの層厚
方向の差圧を、それ以前の部分の差圧に対して1.1〜
5.0倍に増加させることを特徴とする前記(1)〜
(3)のいずれかの焼結鉱の2段点火式製造方法。
【0015】(5) 原料充填層の上方に設けた加圧フ
ードから酸素含有ガスを加圧供給するとともに、原料充
填層の下方から吸引することを特徴とする前記(1)〜
(4)のいずれかの焼結鉱の2段点火式製造方法。
【0016】本発明では、焼結鉱の2段点火式製造方法
において、上部充填層の点火時に、上部充填層から下部
充填層へ供給する酸素含有ガスの酸素濃度を8vol%
以上とすることで、下部充填層の燃料の燃焼を何ら支障
なく継続することができる。これを実現する方法として
は、例えば点火炉において、バーナー以外に酸素含有ガ
ス吹き込みノズルを設けて、下部充填層へ供給する酸素
含有ガスの酸素濃度を8vol%以上にすれば良い。た
だし、冷風を吹き込むとバーナーの燃料原単位が悪化す
るので、事前に排ガス等を利用して酸素含有ガスを30
0℃以上に予熱しておくことが好ましい。また、バーナ
ーの空気比を大きくして、排ガス中の酸素濃度を8vo
l%以上としても良いが、バーナーの吹き消え限界に注
意する必要があり、あまり実用的ではない。
【0017】さらに、上部充填層の点火時に酸素濃度を
低下させないためには、上部充填層の上方からマイクロ
波を照射するか、熱風を供給するか、またはこれらを同
時に行うことが好ましい。
【0018】マイクロ波は充填層中のFe3 4 、Al
2 3 、カーボンなどを誘電加熱し、表層部の燃料に点
火することができる。マイクロ波は、工業的用途に指定
されているISM周波数帯で定められている2450M
Hz±50MHz、5.8GHz±75MHz、24.
125GHz±125MHzのマイクロ波が使用でき
る。また、電波法上で定められた漏洩の許容限度を越え
ていなければ、915MHz±25MHzも使用でき
る。ただし、広く用いられている2450MHz±50
MHzのマイクロ波が設備面から最も好ましい。
【0019】マイクロ波加熱で所要のエネルギー量を確
保するためには、例えば印加電圧5kWや25kWのマ
イクロ波発生装置を複数台設置し、各発生装置からのマ
イクロ波を導波管を介して照射すればよい。パレット上
の原料充填層の表層部へのマイクロ波の照射最適範囲
は、20〜400kW/m2 である。20kW/m2
満ではマイクロ波によって着火する効果が見られず、4
00kW/m2 超ではマイクロ波によって着火する効果
が頭打ちになるからである。
【0020】マイクロ波加熱に熱風の供給を加えると熱
風による予熱効果が得られ、マイクロ波によって点火す
るエネルギーを低減でき、さらに熱風はマイクロ波加熱
によって発生した水蒸気を効率良く排気でき、原料充填
層の下層部で水蒸気が結露して通気性が悪化するのを防
止できるので好ましい。熱風の温度は150℃以上であ
れば良い。その供給は、マイクロ波加熱との組合せ効率
より決定すれば良い。
【0021】また、本発明では、上部充填層の表層部に
900℃以上に加熱した添加材を装入すれば、高温充填
物の熱量が充填層に伝熱し、点火できる。例えば、直径
3〜30mmの返鉱やセラミックボールを加熱して表層
部に10mm以上の層厚で装入し、点火後の添加材は排
鉱部前で上方に吸引するなどして回収することが好まし
い。
【0022】もちろん、上記した燃料への着火方法を組
み合わせることもできるし、上部充填層の点火時に、上
部充填層から下部充填層へ供給する酸素含有ガスの酸素
濃度を8vol%以上にすることができれば、これらの
方法に限るものではない。
【0023】本発明では、上部充填層に点火後、上部充
填層の燃焼溶融帯の前線位置が表層から下方に上部充填
層の層厚10%になった位置から排鉱部までの範囲内の
一部または全部で原料充填層に供給する酸素含有ガスの
層厚方向の差圧を、それ以前の部分の差圧に対して1.
1〜5.0倍に増加させることが好ましい。
【0024】原料充填層の差圧を酸素含有ガスの吸引負
圧を増加させて大きくすれば、原料充填層内に供給され
る酸素含有ガスの量、つまり酸素の供給量を増すことが
できるので、燃料の燃焼速度を増加させ、上部充填層の
燃焼溶融帯の移行速度を増加させることができる。下部
充填層においても上部充填層と同様に、上部充填層から
下部充填層へ供給される酸素含有ガスの量が増し、供給
酸素量が増加するので、燃料の燃焼速度を増加させて、
下部充填層の燃焼溶融帯の移行速度を増加させることが
できる。これに加えて、原料充填層の層厚方向の差圧を
大きくすれば、それぞれの充填層において、燃焼溶融帯
上の冷却帯の冷却速度も燃料の燃焼速度と共に大きくな
り、通気抵抗の大きい燃焼溶融帯の層厚方向の厚みが増
大することはなく、むしろ燃焼溶融帯の層厚方向の厚み
を減少できるので、通気抵抗を減少することができ、さ
らに燃焼溶融帯の移行速度を増加させることができる。
また、焼成に必要な高温保熱指数は、燃料の燃焼速度が
増加し最高到達温度が上昇するので、十分確保すること
ができる。ここで、高温保熱指数とは、例えば1100
℃以上に保持される時間とその温度との積分値などで表
される。
【0025】原料充填層の層厚方向の差圧の増加が1.
1倍未満では燃焼帯の移行速度を増加させる効果がな
く、5.0倍を超えるとガス流速が大きくなりすぎて品
質確保に必要な高温保持時間が確保できなくなる。
【0026】原料充填層に供給する酸素含有ガスの層厚
方向の差圧を増加する範囲は、上部充填層の燃焼溶融帯
の前線位置が表層から下方に上部充填層の層厚10%に
なった位置から排鉱部までのストランド長さ方向の範囲
内の一部または全部であればよい。
【0027】上部充填層の上方から下方のうち、上方か
らの厚み10%以内の範囲は原料充填層の上層部の焼成
エリアにあたり、コークスの燃焼に必要な酸素量は十分
供給されているため、現状より酸素含有ガスの質量流量
を増してもコークス燃焼速度はほとんど変わらず、むし
ろガス流速が増大するために上部充填層の上層部を過剰
に冷却し、焼結反応に必要な高温保熱指数が不足する。
このため、上部充填層の上層部の焼成過程で燃焼溶融帯
の移行速度を増加させることは、歩留りや品質悪化など
の理由から好ましくない。従って、本発明では上部充填
層の上方から下方のうち、上方からの厚み10%以内に
燃焼溶融帯の前線位置があるストランド範囲内では、従
来と同じ吸引負圧にする。好ましくは、該範囲内におい
て従来よりも絶対値の低い吸引負圧とすれば、燃焼溶融
帯の移行速度を低下させずに、上部充填層の上層部の高
温保熱指数を十分に確保することができるので、上部充
填層の歩留りや品質を改善することができる。
【0028】原料充填層に供給する酸素含有ガスの原料
充填層の層厚方向の差圧を増加させる手段としては、焼
結パレットの上面を覆う加圧フードを設け、加圧フード
内を加圧して、上方から原料充填層に加圧送風するとと
もに、パレット直下にあるウインドボックス内の圧力を
調整し、原料充填層下方に対する原料充填層上方の差圧
を制御して、原料充填層の上方から下方に加圧送風して
も良い。このようにして、従来は大気圧未満であった原
料充填層内の静圧をプラス側に増加させ、原料充填層の
上方と下方の差圧を調節して、実ガス風量は同じでも標
準状態の風量を増加させることにより、原料充填層内の
ガス密度を従来よりも大きくできる。その結果、原料充
填層内への酸素供給量が増加するため原料充填層中のコ
ークス燃焼速度を大きくでき、さらに原料充填層内の静
圧上昇で気体−固体間の伝熱速度も増加して、燃焼帯の
移行速度を増加できる。
【0029】ここで、加圧フード内を加圧する範囲は、
大気圧に対して100〜5000mmAqの範囲が好ま
しい。100mmAq未満では原料充填層内の静圧を増
加して得られるガス密度の増大効果が小さく、5000
mmAqを越えるとガス流速が大きくなりすぎてコーク
スの一部が吹き消えてしまうことがあるし、焼結パレッ
トの上面を覆う加圧フードのシールが困難になるからで
ある。
【0030】また、下方から吸引する負圧の範囲は、大
気圧に対して−3000〜−1mmAqの範囲が好まし
い。吸引する負圧の範囲を−3000mmAq以上とし
たのは、これ以下だと従来から焼結機の課題である漏風
が増加してしまうからである。漏風は、パレットとスラ
イドベッドとの間やパレットの側壁と原料充填層との間
等で発生する。また、−1mmAq以下としたのは、排
ガスを吸引するのに必要な負圧だからである。
【0031】本発明においては、パレット上に設ける加
圧フードをストランド長さ方向に複数に分割して、原料
充填層の焼成前半部は比較的差圧を小さくし、中間部以
降の差圧を比較的大きくするというような焼結ストラン
ド方向での差圧の設定を行うことができる。原料充填層
の装入密度、層厚などにより差圧パターンを決めれば良
い。
【0032】また、酸素含有ガスとは、大気はもちろん
のこと、焼結機から排出される排ガスや、他のプロセス
からの排ガスなどを含むと共に、大気と排ガスの混合ガ
ス、酸素富化したガスも含むもので、酸素濃度が12〜
40vol%のガスが好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は本発明を実施するための焼
結装置の例を示す図である。床敷原料は床敷ホッパー1
から、下部充填層11を形成する配合原料はサージホッ
パー2から原料装入装置4を介して、上部充填層12を
形成する配合原料はサージホッパー3から原料装入装置
5を介してパレット9上に連続的に供給され、パレット
9上に層状に積層される。下部充填層11の上面は点火
炉6により点火し、上部充填層12の上面はマイクロ波
加熱装置7により点火する。このマイクロ波加熱装置7
は、熱風8を同時に供給できる構成となっている。ま
た、図2のように、上部充填層12の上面に予め900
℃以上に加熱した添加材の装入装置18を設置し、添加
材19を上部充填層12の上面に装入して点火すること
もできる。この間、原料給鉱側のスプロケット10を回
転させてパレット9を所定の速度で移動させると共に、
パレット9の下側に複数個設けたウインドボックス1
3、メインダクト14、排ガス集塵機15を経て吸引ブ
ロアー16により吸気し、煙突17より排ガスを排出で
きるようになっている。
【0034】図3は本発明を実施するための焼結装置の
他の例を示す図であるが、配合原料の点火までの構成
は、前記説明と同じである。図3では、メインダクト1
4の一部を分離し、分離したメインダクト14′、排ガ
ス集塵機20を経て吸引ブロアー21により高負圧で吸
気できるようになっている。さらに、装着自在な加圧フ
ード22が原料充填層の上方に設置され、上方から酸素
含有ガスを加圧供給できるようになっている。
【0035】メインダクト14の分割の範囲および加圧
フード14の設置範囲は、ストランドの一部のみに設置
するなど、酸素含有ガスを加圧供給する範囲に合わせれ
ば良い。さらに、原料充填層の差圧を増加する方法は、
酸素含有ガスを加圧供給できればこれらの構成に限られ
るものではない。加圧フード22には、煙突17の前か
ら送風ブロアーを介して低酸素濃度の高温な排ガスを吹
き込むことができるし、焼結工程以外から発生する酸素
濃度が12〜21%の低酸素濃度のガスを吹き込むこと
や、酸素富化したガスを吹き込むことも可能である。
【0036】
【実施例】本発明を実施例および比較例により詳細に説
明する。
【0037】焼結面積500m2 で焼結パレット幅5m
の実機焼結機を図1〜3に示すように一部改造して、1
水準7日間ずつの操業を行った。配合原料は種々の鉄鉱
石および石灰石、生石灰、蛇紋岩、スケール等の雑原
料、返鉱、粉コークスを焼結鉱中のSiO2 、Al2
3 がそれぞれ5.8%、1.8%になるように調整し、
塩基度は1.7になるように配合した。返鉱配合率は新
原料の合計100に対して15%一定、コークス配合率
は新原料の合計100に対して4.0%一定とした。
【0038】配合原料に返鉱、粉コークスを配合した後
に水を添加してミキサーで混合、造粒して焼結機に装入
した。操業は、最上層となる上部充填層の層厚を350
mm一定、下部充填層の層厚を400mm一定とし、焼
結完了点が排鉱部になるようにパレットスピードを調整
した。
【0039】実施例1では、図1に示す焼結装置を用
い、点火炉では従来と同じ吸引負圧とし、下部充填層の
点火は従来と同じバーナーで行い、上部充填層は上方か
らマイクロ波と熱風の供給を同時に行うことで点火し
た。マイクロ波の周波数は2450MHzで、そのパワ
ーは100kW/m2 とした。また熱風は250℃で、
800Nm3 /min供給した。上部充填層の点火時の
上部充填層から下部充填層に入る排ガスの酸素濃度は1
5%であった。点火炉を除くストランドでは2000m
mAqの吸引負圧で大気を吸気した。
【0040】実施例2では、図2に示す焼結装置を用
い、点火炉では従来と同じ吸引負圧とし、下部充填層の
点火は従来と同じバーナーで行い、上部充填層は表層部
に1000℃に加熱した返鉱を装入して点火した。上部
充填層の点火時の上部充填層から下部充填層に入る排ガ
スの酸素濃度は16%であった。点火炉を除くストラン
ドでは2000mmAqの吸引負圧で大気を吸気した。
【0041】実施例3では、図3に示す焼結装置を用
い、実施例1と同様に点火し、上部充填層の上方から下
方のうち、燃焼溶融帯の前線位置が表層から下方に層厚
20%までのストランド長さ方向の範囲内の層厚方向の
差圧を2000mmAqとし、前記範囲以降のストラン
ド長さ方向の範囲内の層厚方向の差圧を3000mmA
qとして焼結した。ただし、原料充填層上方の加圧フー
ドは取り外した。
【0042】実施例4では、図3に示す焼結装置を用
い、実施例1と同様に点火し、上部充填層の上方から下
方のうち、上部充填層の燃焼溶融帯の前線位置が上方か
らの厚み20%までであるストランド長さ方向の範囲内
の層厚方向の差圧を2000mmAqとし、前記範囲以
降のストランド長さ方向の範囲内では、原料充填層の上
方に設けた加圧フードから1500mmAqの圧力で送
風し、下方から1500mmAqの吸引負圧で吸気し
て、原料充填層の層厚方向の差圧を3000mmAqと
して焼結した。
【0043】比較例では、原料充填層の層厚を550m
mとし、吸引負圧1500mmAq一定で点火部から排
鉱部まで大気を吸引する従来法で焼結した。
【0044】表1に比較例と実施例1〜4で得られた焼
結鉱の生産率、成品歩留、RDI、NOx排出量原単位
を示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1から分かるように、実施例1〜4では
比較例に対して生産率が著しく向上した。また、従来は
生産率が向上すると成品歩留が低下する傾向があった
が、本発明では成品歩留も向上した。さらに、RDIと
NOx排出量原単位も改善され、操業面および環境面に
おいて優れた効果を発揮できた。
【0047】なお、焼結時の差圧の設定や吸引ガスの酸
素濃度と吸引時間は上記実施例に限るものではなく、生
産性指向やRDI改善指向、NOx排出抑制指向、排ガ
ス量抑制指向で変化させることができる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、従来困難であった原料
充填層の層厚の大幅な増加が可能となり、焼結機の生産
性を大幅に向上させることができる。さらに、成品歩留
やRDIが改善され、NOx排出量原単位や排ガス量が
低減される。このように本発明は、両立し難い改善効果
を同時にもたらしており、その効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための焼結装置の例を示す図
である。
【図2】本発明を実施するための焼結装置の例を示す図
である。
【図3】本発明を実施するための焼結装置の例を示す図
である。
【図4】原料充填層の表層部に点火するときの排ガス中
の酸素濃度の推移例を示す図である。
【符号の説明】
1 床敷ホッパー 2 サージホッパー 3 サージホッパー 4 原料装入装置 5 原料装入装置 6 点火炉 7 マイクロ波加熱装置 8 熱風 9 パレット 10 スプロケット 11 下部充填層 12 上部充填層 13 ウインドボックス 14 メインダクト 15 排ガス集塵機 16 吸引ブロアー 17 煙突 18 装入装置 19 添加材 20 排ガス集塵機 21 吸引ブロアー 22 加圧フード

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料粉鉱石と溶剤と燃料とを含む配合原
    料をドワイトロイド式焼結機のパレット上に装入する際
    に、層高方向で上部充填層と下部充填層の2段に分けて
    分割装入し、各原料充填層毎に点火し、酸素含有ガスを
    上方から下方に供給して焼結鉱を製造する2段焼結方法
    において、上部充填層の点火時に、下部充填層へ供給す
    る酸素含有ガス中の酸素濃度を8vol%以上として焼
    結することを特徴とする焼結鉱の2段点火式製造方法。
  2. 【請求項2】 マイクロ波加熱および/または熱風加熱
    により各層の表層部に点火することを特徴とする請求項
    1記載の焼結鉱の2段点火式製造方法。
  3. 【請求項3】 予め900℃以上に加熱した添加材を各
    層の表層部に装入して点火することを特徴とする請求項
    1または請求項2記載の焼結鉱の2段点火式製造方法。
  4. 【請求項4】 上部充填層に点火後、上部充填層の燃焼
    溶融帯の前線位置が表層から下方に上部充填層の層厚1
    0%になった位置から排鉱部までの範囲内の一部または
    全部で原料充填層に供給する酸素含有ガスの層厚方向の
    差圧を、それ以前の部分の差圧に対して1.1〜5.0
    倍に増加させることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の焼結鉱の2段点火式製造方法。
  5. 【請求項5】 原料充填層の上方に設けた加圧フードか
    ら酸素含有ガスを加圧供給するとともに、原料充填層の
    下方から吸引することを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の焼結鉱の2段点火式製造方法。
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