JPH11106721A - 粘着テープの製造方法 - Google Patents

粘着テープの製造方法

Info

Publication number
JPH11106721A
JPH11106721A JP26705797A JP26705797A JPH11106721A JP H11106721 A JPH11106721 A JP H11106721A JP 26705797 A JP26705797 A JP 26705797A JP 26705797 A JP26705797 A JP 26705797A JP H11106721 A JPH11106721 A JP H11106721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
sensitive adhesive
acrylate
weight
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26705797A
Other languages
English (en)
Inventor
Taihei Sugita
大平 杉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP26705797A priority Critical patent/JPH11106721A/ja
Publication of JPH11106721A publication Critical patent/JPH11106721A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化による接着力の低下が生じ難く、低
温から高温までの幅広い温度範囲にわたり良好な接着性
を示す粘着テープの製造方法を得る。 【解決手段】 アルキル(メタ)アクリレート、極性基
含有ビニルモノマー、反応性二重結合を分子内に2個以
上有する反応性モノマー及び光重合開始剤を含み、重合
により得られる接着剤膜の10秒剪断クリープコンプラ
イアンスが0.5×10-6〜2.0×10-6cm2 /d
ynとなる光重合性組成物を泡立たせ、光重合すること
により、3〜10体積%の気泡を含む気泡質感圧性接着
剤膜を得る粘着テープの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系粘着テ
ープの製造方法に関し、より詳細には、周囲温度が10
0℃以上の高温や0℃以下の低温に変化したとしても高
い接着力を示す粘着テープの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粘着テープを構成するための感圧
性接着剤として、熱重合溶剤型感圧性接着剤や光重合型
感圧性接着剤が知られている。光重合型感圧性接着剤
は、フィルム状基材表面に光重合性組成物層を設け、該
組成物層に光を照射し重合することにより得られてい
る。
【0003】感圧性接着剤においては、用途によって
は、高温や低温への温度変化が生じても高い接着力を有
することが求められることがある。感圧性接着剤におい
て耐熱接着性を高めるには、感圧性接着剤を構成するポ
リマーの弾性率を高めればよいことが知られている。特
に、光重合型感圧性接着剤では、熱重合型感圧性接着剤
に比べ、構成ポリマーの弾性率を高めやすいため、良好
な耐熱接着性を容易に得ることができる。
【0004】他方、特公平3−40752号公報には、
光重合型感圧性接着剤に平均気泡直径が0.3mmを超
えない気泡を分散させることにより、温度が低下した場
合の接着性を高め得る旨が記載されている。すなわち、
低温になると粘弾性体である粘着性ポリマーの弾性率が
上昇し、低温接着力を低下させるが、温度変化が生じ難
い気泡を含有させることにより、温度が低下した場合の
接着力の低下が抑制されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、光重
合型感圧性接着剤において耐熱接着性を高めるには、ポ
リマーの弾性率を高めることが望ましいため、弾性率の
高いポリマーを用い、かつ特公平3−40752号公報
に記載の先行技術に従って気泡を含有させれば、温度の
上昇及び低下に起因する接着力の低下を抑制し得ると考
えられる。
【0006】しかしながら、本願発明者の実験によれ
ば、弾性率の高いポリマーを用い、上記のように気泡を
含有させた場合、感圧性接着剤の凝集力の低下が著し
く、常温接着力が低下するという致命的な問題のあるこ
とがわかった。
【0007】本発明の目的は、温度が0℃以下の低温や
100℃以上の高温に変化したとしても、良好な接着性
を示す粘着テープの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る粘着テープ
の製造方法は、アルキル(メタ)アクリレート、極性基
を有するビニルモノマー、反応性二重結合を分子内に2
個以上有する反応性モノマー及び光重合開始剤を含み、
重合することにより得られる接着剤膜の10秒剪断クリ
ープコンプライアンスが0.5×10-6〜2.0×10
-6cm2 /dynとなる光重合性組成物を泡立たせて光
重合することにより、3〜10体積%の気泡を含む気泡
質感圧性接着剤膜を得ることを特徴とする。
【0009】以下、本発明の詳細を説明する。本発明に
おいて、上記アクリル(メタ)アクリレートとしては、
特に限定されるわけではないが、一般的にアクリル系粘
着剤に慣用されている炭素数1〜12のアルキル基を有
するアルキル(メタ)アクリレートが用いられ、好まし
くは、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル
(メタ)アクリレートが用いられる。なお、(メタ)ア
クリレートは、アクリレート及びメタクリレートを総称
する表現として用いることとする。
【0010】上記アルキル(メタ)アクリレートの具体
例としては、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メ
タ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレー
ト、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレートなどを挙げることができる。なお、上
記アルキル(メタ)アクリレートは単独で用いられても
よく、2種以上併用されてもよい。
【0011】また、粘着性と凝集力とのバランスを考慮
し、通常のホモポリマーのガラス転移点(Tg)が10
℃以下である(メタ)アクリレートを主成分とし、これ
にメチル(メタ)アクリレートもしくはエチル(メタ)
アクリレートなどの低級アルキル(メタ)アクリレート
を併用してもよい。
【0012】上記アクリル(メタ)アクリレートの配合
割合については、好ましくは、アルキル(メタ)アクリ
レート及び極性基を有するビニルモノマーの合計100
重量%中、70〜95重量%、より好ましくは60〜9
3重量%の範囲とされる。アクリル(メタ)アクリレー
トの配合割合が70重量%未満では、得られた粘着テー
プにおいて凝集力が高くなりすぎ、感圧接着性が低下す
ることがあり、95重量%を超えると、凝集力が低下し
すぎ、高い剪断力を得ることができないことがある。
【0013】上記極性基を有するビニルモノマーとして
は、特に限定されるものではなく、アクリル系粘着剤を
構成するのに用いられている適宜の極性ビニルモノマー
を用いることができる。上記極性基を有するビニルモノ
マーの具体的な例としては、(メタ)アクリル酸、マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸などのカルボキシル基含
有モノマーもしくはその無水物;(メタ)アクリロニト
リル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタ
ム、アクロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミドなどの窒素含有モノマー;2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル
アクリレート、カプロラクトン変成(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオ
キシプロピレン(メタ)アクリレートなどの水酸基含有
モノマーなどを挙げることができる。
【0014】上記極性基を有するビニルモノマーの配合
割合は、上記アクリル(メタ)アクリレート及び極性基
含有ビニルモノマーの合計100重量%において、5〜
30重量%とすることが好ましく、より好ましくは6〜
20重量%である。極性基含有ビニルモノマーの含有割
合が30重量%を超えると、凝集力が高くなりすぎ、感
圧接着性が低下することがあり、5重量%未満の場合に
は、凝集力が低下しすぎ、高い剪断力が得られないこと
がある。
【0015】上記分子内に二重結合を2個以上有する反
応性モノマーは、上記組成物を重合して得られるポリマ
ーを架橋するように作用し、その反応性モノマーとして
は、特に限定されるわけではないが、ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)ア
クリレート、ジビニルベンゼン、その他のエポキシアク
リレート、ポリエステルアクリレートまたはウレタンア
クリレートなどを好適に用いることができる。
【0016】分子内に二重結合を2個以上有する反応性
モノマーの配合割合は、上記アクリル(メタ)アクリレ
ート及び極性基含有ビニルモノマーの合計100重量部
に対し、好ましくは、0.01〜1.0重量部、より好
ましくは0.02〜0.8重量部とされる。上記反応性
モノマーの配合割合が0.01重量部未満の場合には、
架橋度が不足し、必要な凝集力が得られないことがあ
り、1.0重量部を超えると、架橋密度が高くなり、凝
集力が高くなりすぎ、感圧接着性が損なわれることがあ
る。
【0017】上記光重合開始剤としては、上記モノマー
組成を光重合するのに用い得る適宜の光重合開始剤を用
いることができ、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン
〔例えばチバガイギー社製、商品名:ダロキュアー29
59〕、α−ヒドロキシ−α,α´−ジメチルアセトフ
ェノン〔例えばチバガイギー社製、商品名:ダロキュア
ー1173〕、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメ
トキシ−2−フェニルアセトン〔例えばチバガイギー社
製、商品名:イルガキュアー651〕、2−ヒドロキシ
−2−シクロヘキシルアセトフェノン〔チバガイギー社
製、商品名:イルガキュアー184〕などのアセトフェ
ノン系光重合開始剤;ベンジルジメチルケタールなどの
ケタール系光重合開始剤;その他のハロゲン化ケトン、
アシルフォスフィノキシド、アシルフォスファナートな
どの光重合開始剤を挙げることができる。
【0018】上記光重合開始剤の配合割合が少なすぎる
と重合転化率が低下し、残存モノマー臭が強くなり、光
重合開始剤の含有割合が多すぎると、ラジカル発生量が
多くなりすぎ、分子量が低下し、必要な初期凝集力が得
られないことがある。従って、光重合開始剤の配合割合
は、上記アクリル(メタ)アクリレート及び極性基含有
ビニルモノマーの合計100重量部に対し、好ましくは
0.01〜2重量部、より好ましくは0.02〜1重量
部とされる。
【0019】(光重合)本発明に係る粘着テープの製造
方法では、上記必須成分を含むモノマー組成物を泡立た
せ、光重合する。この場合、光としては、可視光線、紫
外線または電子線などの電磁波を用いることができ、本
明細書において光とは、これを総称するものとする。
【0020】光照射に用いるランプ類としては、特に限
定されるわけではないが、光波長400nm以下に発光
分布を有するものが好適に用いられ、例えば、低圧水銀
灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカル
ランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起
水銀灯、メタルハライドランプなどが挙げられる。好ま
しくは、ケミカルランプが用いられる。ケミカルランプ
は、光重合開始剤の活性波長領域の光を効率よく発光す
ると共に、光重合開始剤以外の成分における光吸収を引
き起こし難いため、組成物内部まで光を透過させること
ができるので、高膜厚の粘着テープ製品の製造を可能と
する。
【0021】光の照射強度は得られるポリマーの重合度
を左右する因子であり、目的とする粘着テープの性能に
応じて適宜制御されるべきものである。もっとも、通常
のアセトフェノン基を有する開裂型光重合開始剤を用い
た場合、光重合開始剤の光分解に有効な波長領域(光重
合開始剤によっても異なるが、通常365〜420nm
の光が用いられる)の光強度は0.1〜100mW/c
2 の範囲とすることが好ましい。
【0022】なお、本発明における光重合は、空気中の
酸素及び光重合性組成物に溶解する酸素によって反応阻
害される。従って、光照射は、酸素の阻害を消去し得る
プロセス的手法により実施することが望ましい。このよ
うな手法としては、光重合性組成物を表面が離型処理さ
れたポリエチレンテレフタレート(PET)やフッ化エ
チレン樹脂などのフィルムにより被覆し、該フィルムを
介して光を光重合性組成物に照射する方法などが挙げら
れる。また、光透過性の窓を有し、窒素ガスや炭酸ガス
のような不活性ガスにより酸素を置換された雰囲気とさ
れているイナートゾーンの中で反応させてもよい。イナ
ートゾーン内で反応させる方法では、光重合性組成物の
重合転化率が99.7%となる程度まで反応を十分に完
結させるには、照射雰囲気の酸素濃度を5000ppm
以下とすることが望ましく、より好ましくは、300p
pm以下とされる。
【0023】光重合に際して、反応が急速に進行する
と、光重合性組成物が塗工されている離型処理フィルム
やカバー用離型処理フィルムが重合熱により加熱伸縮
し、得られる粘着シートに縦縞などが発生することがあ
る。この場合には、光カットフィルタによりランプから
の輻射熱を抑制したり、光が照射される側とは反対側の
シート背面を冷却板に通過接触させることにより冷却し
たりすればよい。
【0024】本発明に係る粘着テープの製造方法では、
上記光重合により上記必須成分を含む組成物が重合され
感圧性接着剤膜とされる。この接着剤膜の10秒剪断ク
リープコンプライアンスは、0.5×10-6〜2.0×
10-6cm2 /dynの範囲とされる必要がある。ここ
で、10秒剪断クリープコンプライアンスとは、得られ
る接着剤膜、すなわちポリマーの凝集力による柔軟性も
しくは硬さの程度を表す数値であり、以下の方法によっ
て測定される値である。
【0025】剪断クリープコンプライアンスの測定に際
しては、ポリテトラフルオロエチレンの平滑なフィルム
上に、試験されるべき接着剤を1mmの厚さとなるよう
に績糸注型する。しかる後、等しい面積の2つの試験片
を接着剤シートから切断し、平行板剪断クリープメータ
ー中に配置する。この配置に際しては、1つの試験片を
平行板剪断クリープメーター中の中心板の側面上に配置
し、外側板をそれぞれの露出面と接触させる。次に、接
着剤層が厚み方向に10%圧縮されるように、2つの外
側板を連結するスクリューを回転する。上記平行板をオ
ーブン中において水平に配置し、中心板の一端を線上配
置電圧トランスキーマーに連結する。なお、該トランス
キーマーは、一方のチャートレコーダーに連結されてい
る。また、中心板の反対側端部にはフックが取り付けら
れており、プーリを介して延ばされた可撓性性ワイヤー
の一端がフックに連結されている。可撓性ワイヤーの他
端は自由端とされている。また、外側板は固定位置に保
たれている。
【0026】上記のように配置した後、オーブンの温度
を所定の温度に高め、所定の温度±0.5℃で安定化
し、しかる後、適当な重量、例えば20〜1500gを
上記可撓性ワイヤーの自由端に取り付け、チャートレコ
ーダーによる記録を開始する。チャートレコーダーの出
力から、時間と重量の高さを読み取ることができ、それ
によって所定温度における接着剤の剪断クリープコンプ
ライアンスJが、以下の式により求められる。
【0027】J(t)=AAXi/hf 但し、上記式において、AAはサンプルの面積を、Xi
は変位を、hはサンプルの厚みを、fは応力を示し、t
は時間(秒)を示し、10秒剪断クリープコンプライア
ンスはt=10で与えられる。
【0028】上記式は、例えば、フェリー・ジョンDの
「Viscoelastic Properties of Polymers 」(ジョン・
ウィリー&ソンズ社、ニューヨーク、1961年、第6
章)に記載されている。
【0029】上記10秒剪断クリープコンプライアンス
J(10)が0.5×10-6cm2/dynよりも小さ
いと、凝集力が高くなりすぎ、接着力が低くなる。ま
た、2.0×10-6cm2 /dynを超えると、凝集力
が低くなり、耐熱性が極端に悪化する。
【0030】また、本発明においては、上記感圧性接着
剤膜は、3〜10体積%の割合で気泡を含有する。上記
気泡含有率が3体積%より少ない場合には、温度が低温
に変化した場合の接着性が高められず、10体積%を超
えると、感圧性接着剤膜自体の凝集力が低下し、常温で
の接着力が損なわれる。
【0031】また、気泡の径については、0.05〜
0.5mmの範囲とすることが望ましい。0.05mm
未満の気泡では接着剤膜に歪みが加えられた後、気泡と
して残存する割合が極端に減少することがあり、0.5
mmを超えると気泡が大きくなりすぎ、接着剤膜中の一
部に極端に凝集力の低いところができるため物性が低下
することがある。
【0032】上記気泡を含有させるためには、光重合に
際し、上記光重合性組成物を泡立たせておき、該泡立た
されている組成物を上記光重合プロセスにより重合す
る。また、ジカルボンジイミドなどの発泡剤を組成物に
混合しておき、泡立たせ、光重合してもよい。さらに、
上述した方法により発泡させた感圧性接着剤に、さらに
発泡させていない上記光重合性組成物を混合し、光重合
し、粘着テープとしてもよい。
【0033】重合に先立ち光重合性組成物を泡立てるた
めの方法としては、光重合性組成物にガスを高速攪拌導
入する方法や、界面活性剤を添加し、攪拌する方法など
を挙げることができる。
【0034】好ましくは、界面活性剤を光重合性組成物
に添加し、攪拌する方法が用いられる。この場合、界面
活性剤としては、HLB価が5〜18のものが好まし
く、より好ましくは6〜15である。
【0035】界面活性剤のHLB価とは、界面活性剤の
親油性−親水性のバランスを示す値であり、下記の式に
より求められる。 HLB価=W/5 但し、W=100×Mw/M なお、M:界面活性剤の分子量、Mw:界面活性剤の親
水性部分の分子量。
【0036】HLB価を5〜18の範囲とすることによ
り、平均径が0.05〜0.5mmの範囲となる気泡を
均一に接着剤膜中に分散させることができる。上記界面
活性剤としては、上述した通り、HLB価が5〜18の
範囲にあるものが好ましく用いられ、例えば、ポリオキ
シエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエ
ーテルなどのノニオン系界面活性剤が好適に用いられ
る。もっとも、その他のポリアミン系高分子化合物など
のカチオン系界面活性剤や、リン酸エステル型界面活性
剤のようなアニオン系界面活性剤についても、HLB価
が上記範囲にあれば好ましく用いられる。
【0037】また、界面活性剤の使用割合は、アクリル
(メタ)アクリレート及び極性基含有ビニルモノマーの
合計100重量部に対し、0.1〜2重量部の範囲とす
ることが好ましく、その場合、3〜10体積%の割合で
気泡を含む接着剤膜を確実に得ることができる。
【0038】なお、本発明に係る粘着テープの製造に際
しては、上記のようにして3〜10体積%の気泡を含む
気泡質感圧性接着剤膜を得るが、該気泡質感圧性接着剤
膜のみにより粘着テープを構成してもよく、あるいは従
来より慣用されている粘着テープ基材用フィルム上に上
記気泡質感圧性接着剤膜を積層した基材付きの粘着テー
プとしてもよい。
【0039】また、本発明に係る粘着テープの製造方法
では、上記光重合性組成物に、本発明の目的を阻害しな
い範囲で、上記必須成分の他、適宜の粘着付与剤や充填
剤を添加してもよい。
【0040】上記粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、
変成ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノー
ル系樹脂、C5またはC9系石油樹脂、クマロン樹脂、
あるいはこれらの水素添加物を単独でもしくは2種以上
併用して用いることができる。
【0041】また、上記無機充填材としては、例えば平
均粒子径1〜150μmの微粒子もしくは中空微粒子な
どを用いることができ、具体的には、ガラスバルーン、
シランバルーン、フライアッシュバルーンなどの無機中
空微粒子;メチルポリメタクリレート、アクリロニトリ
ル−塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、フェノー
ル樹脂などからなる有機中空微粒子;ガラスビーズ、シ
リカビーズ、合成雲母などの無機微粒子;ポリプロピレ
ンなどの有機微粒子などを挙げることができる。
【0042】(作用)本発明に係る粘着テープの製造方
法では、アルキル(メタ)アクリレート、極性基を有す
るビニルモノマー、反応性二重結合を分子内に2個以上
有する反応性モノマー及び光重合開始剤を含む光重合性
組成物を用い、該光重合性組成物を光重合すると共に、
光重合性組成物を泡立たせることにより3〜10体積%
の気泡を含む気泡質感圧性接着剤膜を得ている。しか
も、上記光重合性組成物は、得られる接着剤膜の10秒
剪断クリープコンプライアンスが0.5×10-6cm2
/dyn以上とされているため、十分な凝集力を有し、
良好な常温接着性を示すと共に、2.0×10-6cm2
/dyn以下とされているため、同じく十分な凝集力を
示すと共に、耐熱接着性も十分な大きさとされる。
【0043】さらに、気泡が3〜10体積%の割合で含
まれているため、低温になって接着剤膜を構成している
ポリマーの弾性率が高くなったとしても、気泡の温度変
化がポリマーに比べて遅く、かつ気泡により全体の柔軟
性が高められるので、低温に変化した場合の接着力が高
められる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明をより具体的に説明する。
【0045】(実施例1)ブチルアクリレート90重量
部、アクリル酸10重量部、架橋剤としてのヘキサンジ
オールジアクリレート0.5重量部、及び光重合開始剤
として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
0.5重量部を溶解槽に入れ、さらに界面活性剤として
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(第一工業
製薬社製、商品名:ノイゲンEA80、HLB価=1
0)を0.2重量部投入し、窒素を吹き入れつつ10分
間攪拌した。しかる後、上記組成物を、離型処理された
PETフィルム上に重合後の厚みが1.0mmとなるよ
うに塗布した。次に、ケミカルランプにより2.0mW
の光を10分間照射し、光重合し感圧性接着剤膜を作製
した。
【0046】(実施例2)ブチルアクリレートの配合割
合を85重量部、アクリル酸の配合割合を15重量部に
変更したこと、並びに界面活性剤をポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル系界面活性剤(第一工業製薬社
製、商品名:ノイゲンEA140、HLB価=14)に
変更したことを除いては、実施例1と同様にして感圧性
接着剤膜を得た。
【0047】(実施例3)ブチルアクリレートの配合割
合を85重量部、アクリル酸の配合割合を15重量部に
変更したこと、並びにノイゲンEA80の配合割合を
1.5重量部に変更したことを除いては、実施例1と同
様にして感圧性接着剤膜を得た。
【0048】(比較例1)光重合性組成物として、ブチ
ルアクリレート82重量部、アクリル酸18重量部、ヘ
キサンジオールジアクリレート2重量部、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン1重量部及びポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル系界面活性剤(第一
工業製薬社製、商品名:ノイゲンEA80、HLB価=
10)0.2重量部からなる組成を有するものを用いた
ことを除いては、実施例1と同様にして感圧性接着剤膜
を得た。
【0049】(比較例2)光重合性組成物として、ブチ
ルアクリレート97重量部、アクリル酸3重量部、ヘキ
サンジオールジアクリレート0.2重量部及び1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン1重量部並びに界
面活性剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル系界面活性剤(第一工業製薬社製、商品名、ノイゲ
ンEA80、HLB価=10)0.2重量部からなる組
成を用いたことを除いては、実施例1と同様にして感圧
性接着剤膜を得た。
【0050】(比較例3)光重合性組成物として、ブチ
ルアクリレート85重量部、アクリル酸15重量部、ヘ
キサンジオールジアクリレート0.2重量部、1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン1重量部及びポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル系界面活性剤
(第一工業製薬社製、商品名:ノイゲンEA80、HL
B価=10)0.05重量部からなる組成を用いたこと
を除いては、実施例1と同様にして感圧性接着剤膜を得
た。
【0051】(比較例4)光重合性組成物として、ブチ
ルアクリレート85重量部、アクリル酸15重量部、ヘ
キサンジオールジアクリレート0.2重量部、1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン1重量部及びポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル系界面活性剤
(第一工業製薬社製、商品名:ノイゲンEA80、HL
B価=10)4重量部からなる光重合性組成物を用いた
ことを除いては、実施例1と同様にして感圧性接着剤膜
を得た。
【0052】(評価)上記実施例及び比較例で得た感圧
性接着剤膜につき、気泡含有率、10秒剪断クリー
プコンプライアンス及び100℃及び−10℃に変化
させた際の接着力を以下の要領で測定した。結果を下記
の表1に示す。
【0053】気泡含有率…各実施例及び比較例に対
し、界面活性剤を用いなかったことを除いては同様にし
て得られた感圧性接着剤膜を作製し、各実施例及び比較
例に対する標準品とした。また、各実施例及び比較例に
おいて得られた感圧性接着剤膜を試験片とした。この標
準品及び試験品を、それぞれ50×50mm角の大きさ
に切断し、その重量を測定した。次に、試験片の重量を
標準品重量で除算し、1から減算し、百分率とし、気泡
含有率を求めた。
【0054】10秒剪断クリープコンプライアンス…
実施例及び比較例で得た各感圧性接着剤膜を、前述した
方法に従って測定し、10秒剪断クリープコンプライア
ンスを算出した。
【0055】100℃及び−10℃に変化させた際の
接着力…23℃の温度下において、♯280番の紙ヤス
リで研磨されたスチール板に、各感圧性接着剤膜の一端
から長さ100〜200mmの部分を2kgのローラー
を背面から1往復させて貼付し、100℃または−10
℃の温度下におき、5分後に、感圧性接着剤膜の他端を
引張り試験機を用い、300mm/分の速度で180度
剥離し、そのときの剥離抵抗を測定し、接着力(gf/
25mm幅)とした。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明に係る粘着テープの製造方法によ
れば、アルキル(メタ)アクリレート、極性基含有ビニ
ルモノマー、反応性二重結合を分子内に2個以上有する
反応性モノマー及び光重合開始剤を含むモノマー組成物
であって、重合することにより得られる接着剤膜の10
秒剪断クリープコンプライアンスが0.5×10-6
2.0×10-6cm2 /dynとなる組成物を泡立た
せ、光重合することにより3〜10体積%の気泡を含む
気泡質感圧性接着剤膜を得ており、該接着剤膜の10秒
剪断クリープコンプライアンスが上記特定の範囲とされ
ているので常温下及び高温下において十分な接着性を示
すと共に、3〜10体積%の気泡を含有しているため温
度が0℃以下の低温に変化した場合の接着性も十分な大
きさとされる。よって、低温や高温への温度変化による
接着力の変化が少ない、粘着テープを提供することが可
能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル(メタ)アクリレート、極性基
    を有するビニルモノマー、反応性二重結合を分子内に2
    個以上有する反応性モノマー及び光重合開始剤を含み、
    重合することにより得られる接着剤膜の10秒剪断クリ
    ープコンプライアンスが0.5×10-6〜2.0×10
    -6cm2 /dynとなる光重合性組成物を泡立たせ、光
    重合することにより、3〜10体積%の気泡を含む気泡
    質感圧性接着剤膜を得ることを特徴とする粘着テープの
    製造方法。
JP26705797A 1997-09-30 1997-09-30 粘着テープの製造方法 Pending JPH11106721A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26705797A JPH11106721A (ja) 1997-09-30 1997-09-30 粘着テープの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26705797A JPH11106721A (ja) 1997-09-30 1997-09-30 粘着テープの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11106721A true JPH11106721A (ja) 1999-04-20

Family

ID=17439442

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26705797A Pending JPH11106721A (ja) 1997-09-30 1997-09-30 粘着テープの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11106721A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005298654A (ja) * 2004-04-09 2005-10-27 Ricoh Co Ltd 接合方法
JP2015525282A (ja) * 2012-06-19 2015-09-03 エルジー・ハウシス・リミテッドLg Hausys,Ltd. 気泡安定性が向上した粘着剤組成物およびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005298654A (ja) * 2004-04-09 2005-10-27 Ricoh Co Ltd 接合方法
JP2015525282A (ja) * 2012-06-19 2015-09-03 エルジー・ハウシス・リミテッドLg Hausys,Ltd. 気泡安定性が向上した粘着剤組成物およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1704197B1 (en) Method of preparing a pressure-sensitive adhesive
JP5086226B2 (ja) アクリルベース接着剤を製造するための多段照射方法
EP0573570A1 (en) MULTI-STAGE RADIATION PROCESS FOR THE PRODUCTION OF COMPOSITIONS BASED ON ACRYLIC, AND COMPOSITIONS MADE THEREFORE.
JP2005511854A (ja) ホットメルトアクリル感圧接着剤およびその使用
JPH08134408A (ja) アクリル系粘着テープ
JPH11152457A (ja) アクリル系粘着テープもしくはシート
JPH08109356A (ja) アクリル系粘着テープ
JPH0733832A (ja) 光重合性組成物及び粘弾性製品の製造方法
JPH08259908A (ja) 両面粘着テープ、両面粘着テープの積層体および両面粘着テープの製造方法
JPH07145358A (ja) 両面粘着テープ
JPH11140406A (ja) 粘着剤組成物
JPH11106721A (ja) 粘着テープの製造方法
JPH11106722A (ja) 粘着テープの製造方法
JPH09221639A (ja) 難燃性粘着フィルムおよびテープ
JPH07118350A (ja) 光重合性組成物
JP2002012629A (ja) 重合性組成物、粘着剤、粘着テープ及び粘着シート
JPH09316114A (ja) 光重合性組成物及びアクリル系粘着剤
JPH093413A (ja) アクリル系粘着シート
JPH08319463A (ja) アクリル系粘着シート
JPH093418A (ja) 両面粘着テープ
JPH09263744A (ja) アクリル系粘着剤組成物及び粘着テープ
JPH10130591A (ja) 粘着テープの製造方法
JPH08151555A (ja) アクリル系両面粘着テープの製造方法
JPH08120230A (ja) アクリル系粘着テープ
JPH04366103A (ja) 光重合性組成物及び粘弾性製品