JPH11106664A - 樹脂ペースト、膜形成法、電子部品及び半導体装置 - Google Patents

樹脂ペースト、膜形成法、電子部品及び半導体装置

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JPH11106664A
JPH11106664A JP26946697A JP26946697A JPH11106664A JP H11106664 A JPH11106664 A JP H11106664A JP 26946697 A JP26946697 A JP 26946697A JP 26946697 A JP26946697 A JP 26946697A JP H11106664 A JPH11106664 A JP H11106664A
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JP
Japan
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resin
film
bis
paste
resin paste
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Pending
Application number
JP26946697A
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English (en)
Inventor
Keizo Hirai
圭三 平井
Toichi Sakata
淘一 坂田
Hiroshi Nishizawa
▲広▼ 西澤
Tomohiro Hirata
知広 平田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP26946697A priority Critical patent/JPH11106664A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜厚の均一化が容易であり、版離れ性が良
く、解像性に優れる樹脂ペーストを提供し、この樹脂ペ
ーストを膜形成に用いることにより、耐熱性や信頼性に
優れる電子部品及び半導体装置を提供する。 【解決手段】 周波数1rad/sで測定した損失弾性
率と貯蔵弾性率の比tanδが0.2以上1.5以下で
ある樹脂ペースト、この樹脂ペーストを、線径25μm
以下かつ250メッシュ以上のメッシュ版及びゴム硬度
70度以上90度以下の樹脂製スキージを用いてスクリ
ーン印刷する膜形成法、この樹脂ペーストを、メッシュ
レスメタル版及びゴム硬度90度以上の樹脂製スキージ
又はメタル製スキージを用いてスクリーン印刷する膜形
成法、これらの膜形成法により配線板又はフレキシブル
なテープ状基板に膜を形成して乾燥させた電子部品、及
び、これらの膜形成法により半導体、リードフレーム又
はダイパッドに膜を形成して乾燥させた半導体装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂ペースト、膜
形成法、電子部品及び半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】配線板、フレキシブルなテープ状基板、
セラミック基板、半導体又はそれらに形成される回路、
搭載される電子部品上に絶縁保護膜、接着剤、電極、導
電性回路、抵抗回路、ソルダーレジスト膜等を形成する
目的で、樹脂ペーストが使用されているが、ある特定の
パターン形状に膜を形成したい場合にはスクリーン印刷
法が用いられる場合が多い。スクリーン印刷法で使用さ
れる印刷版については、例えば、線径40μm以上で1
50メッシュ程度のものを用いる場合が多く、これら一
般的なペーストと版の組み合わせでは印刷パターンにに
じみを生じ易く、また、10μm以上の厚い膜を得よう
とすると、パターンだれを生じてしまう。さらに、メッ
シュ部に目詰まりを生じる、印刷後の版離れ時にペース
トが糸を引きパターン欠損が生じる、印刷スキージでメ
ッシュ内部のペーストを削り取ってしまうことによりパ
ターン中央部の膜厚が薄くなる、等の多くの問題があ
り、従来のペーストと印刷法で均一な膜厚で厚膜を解像
性良く印刷することはほとんどできなかった。
【0003】なお、ここでいうにじみとは、印刷後にパ
ターン周辺部が外側に向かって被印刷体表面上を進展す
る樹脂ペースト薄層のことであり、光学顕微鏡等で印刷
後にパターンを上方から観察することによって評価でき
る。また、だれとは、印刷パターン断面の側壁部が印刷
後にだれて勾配を持ち、被印刷体に接しているパターン
下面の幅がパターン上面の幅よりも大きくなることであ
り、にじみと同様、光学顕微鏡等で印刷後にパターンを
上方から観察することによって評価できる。
【0004】スクリーン印刷により厚さ10μm以上の
均一な膜厚で解像性良く微細なパターンが形成できるよ
うになれば、従来ポッティング法(シリンジで押し出し
て厚盛にする方法)で形成されてきた用途へのスクリー
ン印刷法の適用による生産効率向上、従来からスクリー
ン印刷法が用いられてきた用途への適用による歩留まり
向上、又は従来感光性の材料がスクリーン印刷法やカー
テンコート法で成膜されている用途に非感光性材料を適
用して露光及び現像工程を省略することによる大幅なコ
スト削減、等が可能となる。
【0005】半導体装置関連材料としては、半導体ウエ
ハの保護絶縁膜として、エポキシ樹脂等の汎用樹脂に比
較して耐熱性が格段に優れるポリイミド系樹脂が従来よ
り使用されているが、広く実用化されている膜形成法は
粘度1Pa・s程度のワニスを用いるスピンコート法だ
けである。また、ポリイミド系樹脂は、半導体チップと
リードフレーム又はダイパッド及び半導体チップとリー
ドフレームのインナーリードとの接着剤としても用いら
れているが、粘度数十Pa・s以下の樹脂組成物をディ
スペンサーでポッティング又はテープ状に加工して貼り
つける方法が用いられている。しかし、スピンコート法
は10μm以上の厚膜形成が困難であるばかりでなく、
投入した材料の一部だけが成膜され、大部分は廃棄され
るという極めてが歩留まりが悪い方法であるため、ウエ
ハ上の必要な部分だけにスクリーン印刷法により膜形成
することができれば、大幅なコスト削減が可能となる。
また、接着剤用途においても、チップ分割以前の保護絶
縁膜が形成されたウエハのリードフレーム接着部分のみ
に接着剤を成膜又はリードフレーム自体に接着剤を成膜
することによって、コスト削減が可能となる。更に、印
刷ペーストに保護絶縁膜としての機能と接着剤としての
機能を両立させてウエハ上に成膜すれば、LOC(Le
ad On Chip)構造において従来の材料は不要
となる。
【0006】従来、スクリーン印刷用ペーストについて
は、回転粘度計による評価しか行われない場合が多い
が、ある回転数すなわち定常流で測定される粘度は時間
とともに大きく変わり、再現性のあるデータが得られな
い場合が多く、回転粘度計で得られるデータからペース
トの印刷性を評価することは極めて困難である。また、
印刷条件については現場の経験に基づいて試行錯誤によ
り最適化されてきたが、上記したように従来の膜形成用
ペーストと印刷法には多くの問題があった。本発明者ら
は、厚膜化が容易であり、にじみやだれがなく版離れ性
が良好であり、膜厚分布及び解像性にも優れる膜形成用
ペーストの粘弾性特性はどうあるべきかについて、及び
成膜後加熱して形成した膜、電子部品及び半導体装置の
特性について鋭意検討した結果、本発明に至った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、膜厚
の均一化が容易であり、版離れ性が良く、解像性に優れ
る樹脂ペーストを提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、形成する膜の特性に
優れる耐熱性の樹脂ペーストを提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、膜厚の均一化が容易
であり、版離れ性が良く、解像性に優れる膜形成法を提
供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、上記樹脂ペーストを
用いて膜形成を行った、耐熱性や信頼性に優れる電子部
品を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、上記樹脂ペーストを
用いて膜形成を行った、耐熱性や信頼性に優れる半導体
装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、周波数
1rad/sで測定した損失弾性率と貯蔵弾性率の比t
anδ(損失弾性率/貯蔵弾性率)が0.2以上1.5
以下であることを特徴とする樹脂ペーストを提供するも
のである。
【0013】本発明は、また、上記特性を有するととも
に、周波数100rad/sで測定したtanδが1r
ad/sで測定したtanδの1.5倍以上10倍以下
であることを特徴とする樹脂ペーストを提供するもので
ある。
【0014】本発明は、また、上記特性を有するととも
に、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、
ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の耐熱性樹脂を含有し、か
つ、ラクトン類、エーテル類及びケトン類からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の有機溶剤を含有してなる樹
脂ペーストを提供するものである。
【0015】本発明は、また、上記の樹脂ペーストを、
線径25μm以下かつ250メッシュ以上のメッシュ版
及びゴム硬度70度以上90度以下の樹脂製スキージを
用いてスクリーン印刷することを特徴とする膜形成法を
提供するものである。
【0016】本発明は、また、上記の樹脂ペーストを、
メッシュレスメタル版及びゴム硬度90度以上の樹脂製
スキージ又はメタル製スキージを用いてスクリーン印刷
することを特徴とする膜形成法を提供するものである。
【0017】本発明は、また、上記の膜形成法により配
線板又はフレキシブルなテープ状基板に膜を形成して乾
燥させた電子部品を提供するものである。
【0018】本発明はまた、上記の膜形成法により半導
体、リードフレーム又はダイパッドに膜を形成して乾燥
させた半導体装置を提供するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明における樹脂ペーストの動
的粘弾性特性は、レオメトリック・サイエンティフィッ
ク・エフ・イー(株)製のARES粘弾性測定装置やジ
ャスコインタナショナル(株)製のCVOレオメータ等
を用いて、測定部の2枚の円板又はコーン間にペースト
を配置してペーストに振動ひずみをかけ、ペーストに生
ずる応力を測定することによって評価する。本発明で
は、25℃、ひずみ1%で振動数を変化させて複素粘
度、貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定し、その比tan
δを求めた。
【0020】ペーストの糸引き性、すなわち粘り性が強
すぎると、メッシュ版の場合はメッシュ部分及び乳剤側
壁に、メッシュレスメタル版の場合はパターン穴側壁に
ペーストが付着したり、あるいは印刷時に基材と接触し
た版が印刷後スムースに離版しなくなり、印刷できなく
なるため、ペーストには適度のきれが必要である。しか
し逆にきれが強すぎると、ペーストと基材との密着性が
なくなり、印刷できなくなる。さらに、この糸引き性と
きれの強さが適切でないと、印刷して形成する膜の膜厚
分布も悪くなる。このような糸引き性又はきれという定
性的なペーストの特性は、上記に示した方法により貯蔵
弾性率及び損失弾性率を測定することによって評価でき
る。すなわち、周波数1rad/sで測定した損失弾性
率と貯蔵弾性率の比tanδが0.2以上1.5以下で
あれば、版へのペースト付着がなく、スムースに離版で
きるため、解像性や膜厚分布の均一性に優れた印刷を行
うことが可能になる。tanδが0.2未満の場合は、
ペーストの弾性が粘性に比べて強すぎるため、ペースト
と基材との密着性が小さくなり、ペーストが基材に転写
されずに版に残ってしまう傾向がある。また、tanδ
が1.5を超える場合は、ペーストの粘性が弾性に比べ
て強すぎるため、版へのペースト付着が起こり、スムー
スに離版しなくなる傾向がある。なお、周波数1rad
/sで測定した損失弾性率と貯蔵弾性率の比tanδ
は、0.3以上0.8以下であることがより好ましく、
0.4以上0.7以下であることが更に好ましい。
【0021】樹脂ペーストには、スクリーン印刷時にス
キージにより又はポッティング時にシリンジにより圧力
が加わった場合の粘弾性特性も重要である。この特性
は、上記に示した方法により低周波数で測定したtan
δと高周波数で測定したtanδの比を求めることによ
って評価できる。すなわち、100rad/sで測定し
たtanδは1rad/sで測定したtanδの1.5
倍以上10倍以下であることが望ましい。この値が1.
5倍未満であると、周波数1rad/sで測定したta
nδが0.2以上であっても、ペーストに圧力が加わっ
た時のペーストの弾性が粘性に比べて強すぎるため、や
はりペーストと基材との密着性が低下する傾向がある。
また、この値が10倍を超えると、周波数1rad/s
で測定したtanδが1.5以下であっても、ペースト
に圧力が加わった時のペーストの粘性率が強すぎるた
め、やはり版にペーストが付着する傾向がある。なお、
100rad/sで測定したtanδの1rad/sで
測定したtanδに対する比は、2以上7以下であるこ
とがより好ましく、3以上5以下であることが更に好ま
しい。
【0022】なお、周波数1rad/sで測定した樹脂
ペーストの複素粘度は、スクリーン印刷法で厚膜を塗布
する場合は50Pa・s以上15,000Pa・s以下
にすることが好ましく、100Pa・s以上10,00
0Pa・s以下にすることがより好ましい。一方、ポッ
ティング法、カーテンコート法、凸版印刷法、凹版印刷
法及び平板印刷法等で塗布する場合には、5Pa・s以
上100Pa・s以下にすることが好ましく、10Pa
・s以上50Pa・s以下にすることがより好ましい。
【0023】本発明の樹脂ペーストは、通常、樹脂結合
材と有機溶剤を含有する。
【0024】本発明の樹脂ペーストに用いられる有機溶
剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチル
アセトアミド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチ
ル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリ
ミジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等
の含窒素系化合物、スルホラン、ジメチルスルホキシド
等の硫黄化合物、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラク
トン、γ−カプロラクトン、γ−ヘプタラクトン、α−
アセチル−γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等
のラクトン類、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタ
ン、ジエチレングリコールジメチル(又はジエチル、ジ
プロピル、ジブチル)エーテル、トリエチレングリコー
ルジメチル(又はジエチル、ジプロピル、ジブチル)エ
ーテル、テトラエチレングリコールジメチル(又はジエ
チル、ジプロピル、ジブチル)エーテル等のエーテル
類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン類、ブタノ
ール、オクチルアルコール、エチレングリコール、グリ
セリン、ジエチレングリコールモノメチル(又はモノエ
チル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル
(又はモノエチル)エーテル、テトラエチレングリコー
ルモノメチル(又はモノエチル)エーテル等のアルコー
ル類、フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェ
ノール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブ
アセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエステル
類、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、シクロヘ
キサン等の炭化水素類などが挙げられるが、特にポリイ
ミド及びポリアミドイミド樹脂に対して適切な溶解性を
有し、かつ吸湿性が少ないことから、メッシュ版の乳剤
を比較的侵しにくいこと及び人体、環境への安全性が比
較的高いことから、ラクトン類、エーテル類又はケトン
類が好適に用いられる。
【0025】本発明の樹脂ペースト中、上記有機溶剤の
配合量は、樹脂結合材と有機溶剤の合計に対して10〜
90重量%とすることが好ましく、40〜60重量%と
することが更に好ましい。
【0026】本発明に用いられる樹脂結合材としては、
特に制限はなく、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミ
ド樹脂、ポリアミド樹脂等の耐熱性樹脂が好適に用いら
れる。なかでもエポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が好
ましく、特にポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が
好ましい。本発明の樹脂ペースト中の樹脂結合材の配合
量は、樹脂結合材と有機溶剤樹脂の合計に対して10〜
90重量%とすることが好ましく、40〜60重量%と
することが更に好ましい。
【0027】エポキシ樹脂としては、分子内に少なくと
も2個のエポキシ基を含むものであれば特に制限はな
く、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、
ビスフェノールS、ビスフェノールF若しくはハロゲン
化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの縮合物等
のエピビス型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹
脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノ
ボラック型エポキシ樹脂、又はこれらエポキシ樹脂のハ
ロゲン化物、例えば臭素化フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、臭素化エピビス型エポキシ樹脂などが挙げら
れる。これらの1種又は2種以上を使用することもでき
る。
【0028】市場で入手可能な好適なエポキシ樹脂の具
体例としては、例えば、油化シェルエポキシ(株)製
エピコート815、825、827、828、834、
1001、1004、1007、1009等のビスフェ
ノールΑ型エポキシ樹脂、エピコート152、154、
日本化薬(株)製 EPPN−201、ダウケミカル社
製 DEN−438等のフェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、日本化薬(株)製 EOCN−102S、10
3S、104S等のo−クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂、油化シェルエポキシ(株)製Epon 103
1S,チバガイギー社製アラルダイト0163、ナガセ
化成(株)製デナコールEX−611、EX−614,
EX−614B,EX−622,EX−512,EX−
521、EX−421,EX−411,EX−321等
の多官能エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ(株)製
エピコート604、東都化成(株)製 YH−434、
三菱ガス化学(株)製 TETRAD−X、TETRA
D−C、日本化薬(株)製GAN、住友化学(株)製
ELM−120等のアミン型エポキシ樹脂、チバガイギ
ー社製 アラルダイトPT810等の複素環含有エポキ
シ樹脂、UCC社製 ERL4234、4299、42
21、4206等の脂環式エポキシ樹脂などが挙げられ
る。
【0029】エポキシ樹脂は、エポキシ当量が150〜
3,000のものが好ましく、180〜1,000のも
のが更に好ましい。
【0030】フェノール樹脂としては、分子内に少なく
とも2個のフェノール性ヒドロキシル基を含むものであ
れば特に制限はなく、例えば、フェノールノボラック樹
脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボ
ラック樹脂、ポリ−p−ビニルフェノール、フェノール
アラルキル樹脂、キシリレン型フェノールノボラック樹
脂などが挙げられる。フェノール樹脂の数平均分子量
は、通常、150〜5,000であることが好ましく、
300〜3,000であることが更に好ましい(数平均
分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィにより標準ポリスチレンの検量線を用いて行う。以下
同様。)。
【0031】フェノキシ樹脂としては、数平均分子量が
20,000〜50,000のものが好ましく、30,
000〜40,000のものが更に好ましい。
【0032】エポキシ樹脂又はフェノール樹脂を用いる
場合、必ずしも硬化剤を用いる必要はないが、酸無水
物、アミン系化合物等の硬化剤を添加することができ
る。硬化剤を添加することによって樹脂ペーストの複素
粘度、損失弾性率又は貯蔵弾性率の経時変化が大きくな
り、貯蔵安定性又は作業性が低下するときには、樹脂ペ
ーストに硬化剤を添加せず、使用直前にその樹脂ペース
トに硬化剤を添加することが好ましい。硬化剤を添加し
た樹脂ペーストが前記した複素粘度、損失弾性率又は貯
蔵弾性率を満足することが好ましい。
【0033】上記酸無水物としては、テトラヒドロ無水
フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、無水メチルナジッ
ク酸等のエポキシ樹脂の硬化剤として知られているもの
が使用できる。
【0034】上記アミン系化合物としては、ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン等のやはりエポキシ樹脂の硬化剤として知ら
れているものが使用できる。
【0035】酸無水物又はアミン系化合物は、エポキシ
樹脂100重量部に対して、0.5〜50重量部の範囲
で使用することが好ましい。
【0036】また、酸無水物又はアミン系化合物は、フ
ェノール樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量
部の範囲で使用することが好ましい。
【0037】フェノール樹脂とエポキシ樹脂とは、一方
を他方の硬化剤として使用することができる。この場
合、フェノール樹脂100重量部に対して、エポキシ樹
脂0.1〜30重量部の範囲で使用することが好まし
い。
【0038】フェノキシ樹脂を用いるとき、硬化剤とし
て、酸無水物、あるいはイソシアネート化合物を用いる
ことができる。これらは、フェノキシ樹脂100重量部
に対して、1〜10重量部の範囲で使用することが好ま
しい。酸無水物としては前記したものが使用できるが、
トリメリット酸、ピロメリット酸等、これらの酸無水物
が使用できる。イソシアネート化合物としては、後述す
る化合物を使用することができるが、メチレンジイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート等が好ましい。
【0039】ポリイミド樹脂としては、例えば芳香族テ
トラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを反応させ
て得られるものを用いることが好ましい。
【0040】芳香族テトラカルボン酸二無水物として
は、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3′4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカル
ボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、
1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン
二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタ
ン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メ
タン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラ
カルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−
テトラカルボン酸二無水物、3,4,3′,4′−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2′,
3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,3,′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、2,6−ジクロルナフタレン−1,
4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジク
ロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二
無水物、2,3,6,7−テトラクロルナフタレン−
1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナン
スレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシ
ラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−
ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)
ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロ
ヘキサン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット
酸モノエステル酸無水物)、2,2−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水
物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノ
キシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン二無水物、
2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)フェニル]プロパン二無水物、4,4−ビス(3,
4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二
無水物、1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロ
イソプロピル)ベンゼンビス(トリメリテート無水
物)、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイ
ソプロピル)ベンゼンビス(トリメリテート無水物)、
1,2−(エチレン)ビス(トリメリテート無水物)、
1,3−(トリメチレン)ビス(トリメリテート無水
物)、1,4−(テトラメチレン)ビス(トリメリテー
ト無水物)、1,5−(ペンタメチレン)ビス(トリメ
リテート無水物)、1,6−(ヘキサメチレン)ビス
(トリメリテート無水物)、1,7−(ヘプタメチレ
ン)ビス(トリメリテート無水物)、1,8−(オクタ
メチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,9−
(ノナメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,
10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水
物)、1,12−(ドデカメチレン)ビス(トリメリテ
ート無水物)、1,16−(ヘキサデカメチレン)ビス
(トリメリテート無水物)、1,18−(オクタデカメ
チレン)ビス(トリメリテート無水物)などがあり、こ
れらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して
もよい。
【0041】上記芳香族テトラカルボン酸二無水物に
は、目的に応じて芳香族テトラカルボン酸二無水物以外
のテトラカルボン酸二無水物を芳香族テトラカルボン酸
二無水物の50モル%を超えない範囲で用いることがで
きる。このようなテトラカルボン酸二無水物としては、
例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、ピラジン−
2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフェ
ン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、デカ
ヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸
二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7
−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカ
ルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−
テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,
5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シク
ロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソ−ビ
シクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸
無水物)スルホン、ビシクロ−(2,2,2)−オクト
(7)−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無
水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−
3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テト
ラカルボン酸二無水物などが挙げられる。これらは1種
単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0042】芳香族ジアミン化合物としては、例えば、
o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p
−フェニレンジアミン、3,3′−ジアミノジフェニル
エーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、
3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジ
アミノジフェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,
3′−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4′
−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3′−ジ
アミノジフェニルスルホン、3,4′−ジアミノジフェ
ニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,
4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジア
ミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェ
ニルケトン、3,4′−ジアミノジフェニルケトン、
4,4′−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス
(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−(3,4′
−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,
4′−ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
3,3′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチ
リデン)]ビスアニリン、3,4′−[1,4−フェニ
レンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、
4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチ
リデン)]ビスアニリン、2,2−ビス[4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホンなどがあり、これらは1種単独
で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0043】ジアミン成分の一部としてヒドロキシル基
を有するジアミノヒドロキシ化合物、カルボキシル基を
有するジアミノカルボキシ化合物を使用することができ
る。
【0044】ジアミノヒドロキシ化合物としては、例え
ば1,2−ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,3
−ジアミノ−5−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミ
ノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,4−ジアミノ−6−
ヒドロキシベンゼン、1,5−ジアミノ−6−ヒドロキ
シベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシ
ベンゼン、1,2−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベ
ンゼン、4−(3,5−ジアミノフェノキシ)フェノー
ル、3−(3,5−ジアミノフェノキシ)フェノール、
2−(3,5−ジアミノフェノキシ)フェノール、3,
3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、
3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシビフェニ
ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ア
ミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−アミノフェニル)ケトン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)スルフィド、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)
エーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノ
フェニル)スルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3−アミノフェニル)メタン、4−[(2,4−ジアミ
ノ−5−ピリミジニル)メチル]フェノール、p−
(3,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)フェ
ノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフ
ェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−アミノ
−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニ
ル)ケトン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキ
シフェニル)スルフィド、2,2−ビス(4−アミノ−
3−ヒドロキシフェニル)エーテル、2,2−ビス(4
−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2
−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニ
ル)ジフルオロメタン、
【0045】
【化1】 などが用いられる。これらは1種単独で用いてもよい
し、2種以上を併用することもできる。溶解性及びヒド
ロキシル基濃度を高めることができ、経済性に優れる
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3′−ジヒド
ロキシ−4,4′−ジアミノビフェニルが好ましく用い
られる。
【0046】ジアミノカルボキシ化合物としては、例え
ば、1,2−ジアミノ−4−カルボキシベンゼン、1,
3−ジアミノ−5−カルボキシベンゼン、1,3−ジア
ミノ−4−カルボキシベンゼン、1,4−ジアミノ−6
−カルボキシベンゼン、1,5−ジアミノ−6−カルボ
キシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジカルボキ
シベンゼン、1,2−ジアミノ−3,5−ジカルボキシ
ベンゼン、4−(3,5−ジアミノフェノキシ)安息香
酸、3−(3,5−ジアミノフェノキシ)安息香酸、2
−(3,5−ジアミノフェノキシ)安息香酸、3,3′
−ジカルボキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,
3′−ジアミノ−4,4′−ジカルボキシビフェニル、
2,2−ビス(4−カルボキシ−3−アミノフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−アミノ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−カルボ
キシ−3−アミノフェニル)ケトン、2,2−ビス(4
−カルボキシ−3−アミノフェニル)スルフィド、2,
2−ビス(4−カルボキシ−3−アミノフェニル)エー
テル、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−アミノフェ
ニル)スルホン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−
アミノフェニル)メタン、4−[(2,4−ジアミノ−
5−ピリミジニル)メチル]安息香酸、p−(3,6−
ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)安息香酸、2,
2−ビス(4−カルボキシ−3−アミノフェニル)ジフ
ルオロメタン、2,2−ビス(4−アミノ−3−カルボ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−
3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビ
ス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)ケトン、
2,2−ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)
スルフィド、2,2−ビス(4−アミノ−3−カルボキ
シフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−アミノ−3
−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−
アミノ−3−カルボキシフェニル)メタン、2,2−ビ
ス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)ジフルオロ
メタンなどが挙げられる。これらは1種単独で用いても
よいし、2種以上を併用してもよい。
【0047】上記芳香族ジアミン化合物には、目的に応
じて芳香族ジアミン化合物以外のジアミン化合物を芳香
族ジアミン化合物の50モル%を超えない範囲で用いる
ことができる。このようなジアミン化合物としては、例
えば、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロ
パン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペン
タン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘ
プタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノ
ノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミ
ノウンデカン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テ
トラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプ
ロピル)テトラメチルポリシロキサンなどが挙げられ
る。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併
用することもできる。
【0048】芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族
ジアミンの反応は、有機溶媒中で行われる。有機溶媒と
しては前記した有機溶剤が好ましく用いられ、これらは
単独で又は混合して用いられる。
【0049】次に前記した原料を用いてポリイミド樹脂
を得る方法について説明する。
【0050】反応温度は80℃以下、好ましくは0〜5
0℃で行う。反応が進行するにつれ反応液は徐々に増粘
する。この場合、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリア
ミド酸が生成する。このポリアミド酸を部分的にイミド
化してもよく、これもポリイミド樹脂の前駆体に含まれ
る。
【0051】ポリイミド樹脂は、上記反応物(ポリアミ
ド酸)を脱水閉環して得られる。脱水閉環は、120℃
〜250℃で熱処理する方法(熱イミド化)や脱水剤を
用いて行う方法(化学イミド化)で行うことができる。
120℃〜250℃で熱処理する方法の場合、脱水反応
で生じる水を系外に除去しながら行うことが好ましい。
この際、ベンゼン、トルエン、キシレン等を用いて水を
共沸除去してもよい。なお、本発明においてポリイミド
樹脂とは、ポリイミド酸の前駆体であるポリアミド酸及
びポリアミド酸の部分的なイミド化物も含めた総称とす
る。
【0052】脱水剤を用いて脱水閉環を行う方法は、脱
水剤として無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸
等の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカ
ルボジイミド化合物等を用いるのが好ましく、特にカル
ボジイミド化合物を用いるのが好ましい。このとき必要
に応じてピリジン、イソキノリン、トリメチルアミン、
アミノピリジン、イミダゾール等の脱水触媒を用いても
よい。脱水剤又は脱水触媒は、芳香族テトラカルボン酸
二無水物1モルに対し、それぞれ1〜8モルの範囲で用
いることが好ましい。
【0053】本発明において用いられるポリイミド樹脂
には、硬化剤、橋架け剤、カップリング剤を配合するこ
とができる。
【0054】上記硬化剤、橋架け剤、カップリング剤
は、その化合物分子中に2個以上の官能基を有し、その
うちの少なくとも1個は、分子中にヒドロキシル基又は
カルボキシル基を有するポリイミド樹脂と反応し、残り
の官能基は分子主鎖内にヒドロキシル基又はカルボキシ
ル基を有するポリイミド樹脂と反応するか官能基同士で
反応する必要がある。かかる2個以上の官能基を有する
限り、その分子構造、分子量などに特に制限はない。前
記分子中にヒドロキシル基又はカルボキシル基を有する
ポリイミド樹脂と反応する官能基としては、エポキシ
基、アミノ基、ビニル基、メタクリロイル基等がある。
官能基同士で自己反応する官能基としては、メトキシ
基、エトキシ基などが挙げられる。例えば、このような
カップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン等のシランカップリング剤、チタネー
トカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が
ある。
【0055】次に、本発明で用いられるポリアミドイミ
ド樹脂は、例えばトリメリット酸無水物のような酸無水
物基を有する3価のカルボン酸の誘導体、ジカルボン酸
及び芳香族ポリイソシアネートの混合物をラクトン類、
エーテル類又はカーボネート類などの有機溶剤中で反応
させて得られるものを用いることが好ましい。また、ポ
リイミド樹脂の製造に用いられる前記した芳香族テトラ
カルボン酸二無水物を酸成分中に50モル%未満用いる
ことができる。
【0056】ジカルボン酸としては、例えば1,2−ポ
リブタジエン又はアクリロニトリル構造を有するジカル
ボン酸が好適に用いられる。このようなジカルボン酸の
例としては、例えば、日本曹達(株)製Nisso−P
B(商品名)シリーズ、宇部興産(株)製Hycar−
RLP(商品名)シリーズ、Thiokol社製HC−
polymer(商品名)シリーズ、General
Tire社製Telagen(商品名)シリーズ、Ph
illips Petroleum社製Butaret
z(商品名)シリーズ、宇部興産株式会社製CTBN1
300X9(商品名、カルボキシル基を末端に有するブ
タジエン−アクリロニトリル共重合体)等が挙げられ
る。その他、東レダウコーニングシリコーン社製BY1
6−750(カルボキシル基を末端に有するジメチルシ
ロキサン重合体)も好適に用いられる。
【0057】芳香族ジイソシアネートとしては、特に制
限はなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート(MDI)、2,6−トリレンジイソシアネ
ート(2,6−TDI)、2,4−トリレンジイソシア
ネート(2,4−TDI)、キシリレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、
4,4′−[2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)
プロパン]ジイソシアネート、ビフェニル−4,4′−
ジイソシアネート、ビフェニル−3,3′−ジイソシア
ネート、ビフェニル−3,4′−ジイソシアネート、
3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシア
ネート、2,2′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジ
イソシアネート、3,3′−ジエチルビフェニル−4,
4′−ジイソシアネート、2,2′−ジエチルビフェニ
ル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキ
シビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′
−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネー
ト、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレ
ン−2,6−ジイソシアネート等を使用することができ
る。これらを単独でもこれらをくみあわせて使用するこ
ともできる。必要に応じて、この一部をヘキサメチレン
ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
(IPDI)、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネート(水添化4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジ
イソシアネート、水添化m−キシリレンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート等の脂肪族、脂環式ジイソ
シアネート及び3官能以上のポリイソシアネートを用い
てもよく、経日変化を避けるために適当なブロック剤で
安定化したものを使用してもよい。
【0058】本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂
には、硬化性を付与するために、安定化ポリイソシアネ
ート化合物、エポキシ樹脂等を添加することができ、更
に、硬化促進剤としてアミン系化合物を添加して使用す
ることができる。
【0059】安定化ポリイソシアネート化合物として
は、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、ジフェニルスルホンジイソシアネ
ート、トリフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−
3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネー
ト、3−イソシアネートエチル−3,5,5−トリエチ
ルシクロヘキシルイソシアネート、ジフェニルプロパン
ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、シク
ロへキシリレンイソシアネート、3,3′−ジイソシア
ネートジプロピルエーテル、トリフェニルメタントリイ
ソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソ
シアネート等のポリイソシアネート又は、その多量体を
フェノール、キシレノール等のフェノール類、オキシム
類、イミド類、メルカプタン類、アルコール類、ε−カ
プロラクタム、エチレンイミン、α−ピロリドン、マロ
ン酸ジエチル、亜硫酸水素ナトリウム、ホウ酸などでブ
ロック化したものなどが挙げられ、例えば、住友バイエ
ルウレタン(株)製デスモジュール BL3175、Α
Pステーブル、ΑP−12ステーブル、CTステーブ
ル、BL1100、BL1190、BL1265、ΑP
−2170ステーブル、BL4165、TPLS−27
59、デスモカップ11、12、クレラン UT、U
I、U12、TPKL5−2668、TPLS−272
7、デスモサーム 2170、2265、日立化成工業
(株)製 WD2502などを使用することができ、こ
れらの1種又は2種以上を使用することもできる。
【0060】安定化ポリイソシアネート化合物の添加方
法としては、添加する安定化ポリイソシアネート化合物
を予めポリアミドイミド樹脂に含まれる溶媒と同一の溶
媒に溶解してから添加してもよく、また、直接ポリアミ
ドイミド樹脂に添加してもよい。
【0061】安定化ポリイソシアネート化合物の添加量
は、ポリアミドイミド樹脂100重量部に対して、0.
1〜40重量部とすることが好ましく、0.5〜30重
量部とすることがより好ましい。この添加量が0.1重
量部未満では硬化性の向上が不十分となる可能性があ
り、40重量部を超えると、硬化膜の耐熱性が劣る傾向
がある。
【0062】上記ポリアミドイミド樹脂に添加するエポ
キシ樹脂としては、先に記載したものが好適に用いら
れ、それらは1種単独で又は2種以上を併用することが
できる。エポキシ樹脂の添加方法としては、添加するエ
ポキシ樹脂を予めポリアミドイミド樹脂に含まれる溶媒
と同一の溶媒に溶解してから添加してもよく、また、直
接ポリアミドイミド樹脂に添加してもよい。
【0063】ポリアミドイミド樹脂に添加するエポキシ
樹脂の添加量は、ポリアミドイミド樹脂100重量部に
対して、1〜50重量部とすることが好ましい。この添
加量が1重量部未満では硬化性の向上が不十分となる可
能性があり、50重量部を超えると、粘度安定性が劣る
傾向がある。
【0064】アミン系化合物としては、例えば、4,
4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン等の第一
級アミン、ピペリジン、ピロリジン等の第二級アミン、
N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサメチレンジア
ミン、N,N,N′,N′−テトラメチルプロピレンジ
アミン、N,N,N′,N′′,N′′−ペンタメチル
ジエチレントリアミン、トリメチルアミノエチルピペラ
ジン、N,N′−ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス
(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N′,
N′′−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサ
ヒドロ−s−トリアジン、N,N−ジメチルベンジルア
ミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、
N−トリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、ト
リエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ(5.
4.0)ウンデセン−7、N,N,N−トリス(3−ジ
メチルアミノプロピル)アミン、N−メチルジシクロヘ
キシルアミン、N−メチル−N,N−ビス(3−ジメチ
ルアミノプロピル)アミン、2−(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノール、N,N′−ジメチルピペラジン、
ピリジン、ピコリン、1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジノール、トリエチルアミン等の第三級
アミン、ジシアンジアミド等を使用することができる。
【0065】アミン系化合物の添加量は、ポリアミドイ
ミド樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部と
することが好ましい。この添加量が、0.1重量部未満
では、硬化性の向上が不十分となる可能性があり、10
重量部を超えると、粘度安定性が劣る傾向がある。
【0066】上記ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド
樹脂としては、数平均分子量が5,000〜40,00
0のものが好ましく用いられる。これらの樹脂の数平均
分子量が5,000未満と小さ過ぎても40,000を
超えて大き過ぎても、印刷性と膜特性が低下する傾向が
ある。5,000未満の場合、ペーストのタック性が強
くなり過ぎて版離れ性が悪くなり、耐熱性等の膜特性が
低下する傾向がある。40,000を超える場合、印刷
時及び膜形成後の基材との密着性が低下する傾向があ
る。また、ペーストの樹脂分濃度を高くできなくなり、
厚膜形成が困難になる傾向がある。なお、数平均分子量
が5,000〜40,000の範囲であれば、溶剤の選
択で印刷性と膜特性を容易に両立させることができる。
【0067】本発明の樹脂ペーストには、基材との密着
性を向上させるために、有機アルミニウム化合物、有機
シラン化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニア化合
物等を添加することができる。
【0068】有機アルミニウム化合物としては、特に制
限はなく、例えば、エチルアセトアセテートアルミニウ
ムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルア
セトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニ
ウムジプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセト
ネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム
トリス(アセチルアセトネート)、アルミニウム=モノ
イソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテー
ト、アルミニウム−ジ−n−ブトキシド−モノ−エチル
アセトアセテート、アルミニウム−ジ−イソ−プロポキ
シド−モノ−エチルアセトアセテート等のアルミニウム
キレート化合物、アルミニウムイソプロピレート、モノ
−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、
アルミニウム−sec−ブチレート、アルミニウムエチ
レート等のアルミニウムアルコレートなどを使用するこ
とができ、これらの1種又は2種以上を使用することも
できる。
【0069】有機アルミニウム化合物の添加量は、ポリ
アミドイミド樹脂等の耐熱性樹脂100重量部に対し
て、0.05〜50重量部とすることが好ましい。この
添加量が、0.05重量部未満では、密着性の向上が不
十分となる可能性があり、50重量部を超えると、粘度
安定性が劣る傾向がある。
【0070】有機シラン化合物としては、特に制限はな
く、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエ
チル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、n−
β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキ
シジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−
アミノプロピル−メチル−ジエトキシシラン、3−ウレ
イドプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピ
ルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、3−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ
−エトキシ−エトキシ)シラン、N−メチル−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノプロピル−
トリメトキシシラン、3−4,5−ジヒドロイミダゾー
ルプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプ
ロピル−トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル
−メチルジメトキシシラン、3−クロロプロピル−メチ
ル−ジメトキシシラン、3−シアノプロピル−トリエト
キシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−ビス
(トリメチルシリル)アセトアミド、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリクロ
ロシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチ
ルトリメトキシシラン、アミルトリクロロシラン、オク
チルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリ(メタク
リロイルオキシエトキシ)シラン、メチルトリ(グリシ
ジルオキシ)シラン、N−β(N−ビニルベンジルアミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プ
ロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピル
メチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシ
ラン、トリメチルシリルイソシアネート、ジメチルシリ
ルイソシアネート、メチルシリルトリイソシアネート、
ビニルシリルトリイソシアネート、フェニルシリルトリ
イソシアネート、テトライソシアネートシラン、エトキ
シシランイソシアネートなどを使用することができ、こ
れらの1種又は2種以上を使用することもできる。
【0071】有機シラン化合物の添加量は、ポリアミド
イミド樹脂等の耐熱性樹脂100重量部に対して、0.
05〜50重量部とすることが好ましい。この添加量
が、0.05重量部未満では、密着性の向上が不十分と
なる可能性があり、50重量部を超えると、粘度安定性
が劣る傾向がある。
【0072】有機チタン化合物としては、特に制限がな
く、例えば、イソプロピルトリオクタノイルチタネー
ト、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネ
ート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチ
タネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチ
タネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェー
ト)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタ
ネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフ
ェート)チタネート、イソプロピルトリ(n−アミノエ
チル−アミノエチル)チタネート、テトライソプロピル
ビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオ
クチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、
テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)
ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ジクミ
ルフェニルオキシアセテートチタネート、ビス(ジオク
チルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネー
ト、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチ
ルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2
−エチルへキシル)チタネート、チタンアセチルアセト
ネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオク
チレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム
塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステ
ル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシ
チタンステアレート、テトラメチルオルソチタネート、
テトラエチルオルソチタネート、テトラプロピルオルソ
チタネート、テトライソブチルオルソチタネート、ステ
アリルチタネート、クレシルチタネートモノマー、クレ
シルチタネートポリマー、ジ−イソプロポキシ−ビス−
(2,4−ペンタジオネート)−チタニウム(IV)、
ジ−イソプロピル−ビス−トリエタノールアミノ−チタ
ネート、オクチレングリコールチタネートHV、テトラ
−n−ブトキシチタンポリマー、トリ−n−ブトキシチ
タンモノステアレートポリマー、トリ−n−ブトキシチ
タンモノステアレートなどを使用することができ、これ
らの1種又は2種以上を使用することもできる。
【0073】有機チタン化合物の添加量は、ポリアミド
イミド樹脂等の耐熱性樹脂100重量部に対して、0.
05〜50重量部とすることが好ましい。この添加量
が、0.05重量部未満では、密着性の向上が不十分と
なる可能性があり、50重量部を超えると、粘度安定性
が劣る傾向がある。
【0074】有機ジルコニア化合物としては、特に制限
がなく、例えば、テトラプロピルジルコアルミネート、
テトラブチルジルコネート、テトラ(トリエタノールア
ミン)ジルコネート、テトライソプロピルジルコネー
ト、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセ
トンジルコニウムブチレート、ジルコニウムラクテー
ト、ステアリン酸ジルコニウムブチレート、ΑPG−X
(CAVEDON CHEMICAL CO., IN
C. 製商品名)などを使用することができ、これらの
1種又は2種以上使用することもできる。
【0075】有機ジルコニア化合物の添加量は、ポリア
ミドイミド樹脂等の耐熱性樹脂100重量部に対して、
0.05〜50重量部とすることが好ましい。この添加
量が、0.05重量部未満では、密着性の向上が不十分
となる可能性があり、50重量部を超えると、粘度安定
性が劣る傾向がある。
【0076】一般的に、スクリーン印刷のためのペース
トには、チキソ性を付与するためにフィラーが加えられ
る。本発明においてもフィラーを加えることができる。
本発明で用いられるフィラーには特に制限はなく、無機
質又は有機質、導電性又は非導電性のいずれでもよく、
用途によって適宜選択して用いられる。非導電性無機質
フィラーとしては、例えばアルミナ粉、タルク粉、炭酸
カルシウム粉、硫酸バリウム粉、窒化硼素粉等が、導電
性無機質フィラーとしては、例えば炭素粉、黒鉛粉、銅
粉、銀粉、金粉、白金粉、パラジウム粉、ニッケル粉又
はこれら金属の合金粉等が使用できる。また、耐熱性有
機質フィラーとしては、ポリイミド樹脂粒子、ポリアミ
ドイミド樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、エポキ
シ樹脂粒子等が使用できる。また、これらの表面をOH
基などで変性することにより、樹脂との混和性を向上さ
せたもの、例えば表面OH基変性シリカ粉なども好適に
用いられる。
【0077】なお、本発明の樹脂ペーストにおいてはフ
ィラーの配合は必須ではなく、フィラーを加えなくても
本発明の特性を満足するペーストが得られる場合があ
る。このようなノンフィラーペーストにおいては、樹脂
成分の一部がミクロ相分離を生じており、フィラーと同
様な働きをしていると推察される。従って、本発明の樹
脂ペースト中にはフィラーを配合しない場合もあるが、
配合する場合には、上記の一般的なフィラーの配合量
は、樹脂ペースト総量中、5〜80重量%とすることが
好ましく10〜50重量%とすることが更に好ましい。
【0078】本発明の樹脂ペーストは、スクリーン印刷
法、ポッティング法、カーテンコート法、凸版印刷法、
凹版印刷法及び平版印刷法等で塗布される。特に、スク
リーン印刷法を用いる場合、従来多用されてきたメッシ
ュ版に比較して高メッシュかつ開口率が高いもの、すな
わち線径25μm以下かつ250メッシュ以上のメッシ
ュ版を用い、ゴム硬度70度以上90度以下の樹脂製ス
キージを用いて印刷することにより解像度が向上する。
その結果、例えば400〜100μm径の穴を印刷する
ことが可能となる。従って、例えば、現在感光性樹脂の
露光、現像によりはんだの乗る穴を形成しているBGA
用ソルダーレジストとして本発明によるペーストを用い
れば、樹脂への感光性の付与や、露光及び現像を行う必
要がなくなり、大幅なコスト低減を図ることが可能にな
る。
【0079】また、本発明の樹脂ペーストは、従来はん
だクリームの印刷にしか用いられなかったメッシュレス
メタル版でもにじみやだれ及び側面ペースト付着なく印
刷が可能であるので、ゴム硬度90度以上の樹脂製スキ
ージ又はメタル製スキージを用いて印刷することによ
り、均一な膜厚を有する膜を形成することができる。上
記のメッシュ版を用いた膜形成法は、特に解像性、微細
パターン形成性が要求されるときに好ましい方法であ
り、このメッシュレスメタル版を用いた膜形成法は、硬
化膜厚さ10μm以上の厚膜を印刷するのに好ましい方
法である。例えば回路が形成されたシリコンウエハ上の
各チップそれぞれの必要部分のみに印刷することによ
り、スピンコート法を用いずに、すなわち安価にバッフ
ァーコート膜を形成することが可能となる。
【0080】本発明に用いられるメッシュ版の材質とし
ては特に制限はなく、例えば、メッシュ部分については
ステンレス製、乳剤部分についてはアクリル樹脂等が挙
げられる。
【0081】本発明に用いられるメッシュレスメタル版
の材質としては、金属製であれば特に制限はなく、例え
ば、ステンレス、ニッケル及びニッケル合金等が挙げら
れる。
【0082】本発明に用いられる樹脂製スキージの材質
としては、上記樹脂硬度を有するものであれば特に制限
はなく、例えば、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ナイ
ロン樹脂等が挙げられる。
【0083】本発明に用いられるメタル製スキージの材
質としては、金属製であれば特に制限はなく、例えば、
ステンレス、ニッケル及びニッケル合金等が挙げられ
る。また、メタル性スキージの表面に樹脂を被覆したも
のも含まれる。
【0084】配線板又はフレキシブルなテープ状基板に
膜を形成して乾燥させた電子部品とは、配線板又はフレ
キシブルなテープ状基板上に、例えばソルダーレジスト
層、層間絶縁膜、表面保護膜、接着剤又は封止材等とし
て上記の方法で成膜した後乾燥し、耐熱絶縁膜を形成し
た電子部品のことである。
【0085】なお、本発明において、配線板とは、紙フ
ェノール基板やガラスエポキシ基板等のリジッドな基板
に銅などの配線を形成したものを意味し、フレキシブル
なテープ状基板とは、ポリイミドフィルムやポリエチレ
ンテレフタレートフィルムに銅などの配線を形成したも
のを意味する。
【0086】また、半導体、リードフレーム又はダイパ
ッドに膜を形成して乾燥させた半導体装置とは、回路を
形成したシリコンウエハ上にバッファーコート膜として
及び/又はリードフレームの接着剤として、又はダイパ
ッドに接着剤として上記の方法で成膜した後乾燥し、耐
熱絶縁膜を形成した半導体装置のことである。
【0087】なお、スクリーン印刷により本発明の樹脂
ペーストを印刷した後の乾燥は、通常、150℃以上で
1時間以上加熱することにより行われる。
【0088】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0089】実施例1 撹拌機、温度計、窒素ガス導入管及び油水分離器付き冷
却管を備えた1000mLの四つ口フラスコに2,2−
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン(以下、BΑPPと略す)73.90g(0.18モ
ル)、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン
二無水物(以下、DSDAと略す)119.59g
(0.334モル)、1,3−ジアミノ−5−カルボキ
シベンゼン17.78g(0.117モル)、γ−ブチ
ロラクトン(以下、BLと略す)377gを窒素ガスを
通しながら仕込んだ。撹拌下、50〜60℃で1時間反
応を進めた後、195℃に昇温し、同温度で5時間反応
を進めた。途中、留出する水を反応系外にすみやかに除
去した。得られた溶液をBLで希釈して樹脂分濃度40
重量%のポリイミド樹脂(数平均分子量10,000)
溶液を得た。
【0090】撹拌機、温度計、窒素ガス導入管及び油水
分離器付き冷却管を備えた1000mLの四つ口フラス
コにBΑPP102.64g(0.25モル)、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物
(以下、ODPΑと略す)77.55g(0.25モ
ル)及びBL335gを窒素ガスを通しながら仕込ん
だ。撹拌下、50〜60℃で1時間反応を進めた後、1
95℃に昇温し、同温度で5時間反応を進めた。途中、
留出する水を反応系外にすみやかに除去した。得られた
溶液をBLで希釈して樹脂分濃度30重量%とし、引き
続き23℃で1ケ月放置したところ、塊状のフィラー用
ポリイミド樹脂(数平均分子量15,000)が析出し
た。
【0091】撹拌機、温度計、窒素ガス導入管及び冷却
管を備えた1000mLの四つ口フラスコに、上記の塊
状のフィラー用ポリイミド樹脂を上記溶剤の存在下にボ
ールミルで砕いてから、樹脂分濃度30重量%でフィラ
ー用ポリイミドと溶剤の合計が200gになるように入
れ、180℃に昇温した。同温度で1時間撹拌して均一
な溶液とした後、これに上記のポリイミド樹脂溶液(樹
脂分濃度40重量%)300gを加えて更に180℃で
1時間撹拌を続けた。約1時間で23℃に冷却したもの
をそのまま23℃で1ケ月放置したところポリイミド樹
脂溶液中にポリイミド樹脂微粒子(平均粒径:約4μ
m)が析出、分散したペーストを得た。このペーストに
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(以下、
GPSと略す)27gを加え、室温で十分に混合した
後、BL/ジエチレングリコールジメチルエーテル=7
5/25(重量比)混合溶剤で希釈して樹脂分濃度33
重量%とした。
【0092】上記のようにして得たポリイミド樹脂ペー
ストを、ジャスコインタナショナル(株)製のCVOレ
オメータ等を用いて、ひずみ1%で振動数を変化させて
25℃における複素粘度、貯蔵弾性率及び損失弾性率を
測定した。その結果、周波数1rad/sで測定した複
素粘度は1000Pa・sであった。また、1rad/
sで測定した損失弾性率と貯蔵弾性率の比tanδは
1.0、100rad/sで測定したtanδは2.0
であり、100rad/sで測定したtanδは1ra
d/sで測定したtanδの2倍であった。
【0093】上記ポリイミド樹脂ペーストを半導体基板
(シリコンウエハ)上にスクリーン印刷機(ニューロン
グ精密工業株式会社製、アライメント装置付きLS−3
4GX)、ニッケル合金アディティブめっき製メッシュ
レスメタル版(メッシュ工業株式会社製、厚み50μ
m、パターン寸法8mm×8mm)及びパーマレックス
メタルスキージ(巴工業株式会社輸入)を用いてボンデ
ィングパッド部以外のチップ表面に印刷したところ、ス
キージによりペーストはスムースに回転、すなわちロー
リングして良好な流動性を示し、パターン形成のペース
トがウエハに密着して糸引きもなくスムースに離版し
た。
【0094】印刷したパターン(膜)を光学顕微鏡で観
察した結果、にじみ及びだれは観察されなかった。
【0095】次に、このウエハを140℃で15分、2
00℃で15分、さらに270℃で60分間加熱処理し
て膜厚25±2μmと膜厚が均一なポリイミド樹脂硬化
膜付き半導体ウエハを得た。
【0096】なお、比較として、通常のサスメッシュ版
(300メッシュ、線径30μm、乳剤厚40μm)と
シリコンゴムスキージ(ゴム硬度60度)を用いて印刷
した結果、印刷条件を種々検討しても膜厚10±5μm
とするのが限界であった。
【0097】膜厚25±2μmのポリイミド樹脂硬化膜
付き半導体ウエハをダイシングして10mm×10mm
角のバッファコート膜付き半導体チップとし、これに4
2合金製リードフレームを温度300℃、圧力0.1M
Pa、時間5秒で圧着し、該リードフレームと半導体チ
ップをボンディングパッド部を介して金製ボンディング
ワイヤで接合し、さらにビフェニル型エポキシ樹脂封止
材CEL−9200(日立化成工業株式会社製)でトラ
ンスファ成形し、LOC(Lead On Chip)
構造の半導体パッケージを得た。これを用いて、回路作
動試験を行った結果、リーク及びオープン不良は一切な
く、正常に作動した。この結果から、前記、印刷による
回路へのダメージ、封止材の硬化時に発生するガスの影
響等によるワイヤボンディング不良は一切ないことが判
明した。
【0098】引き続いて得られたパッケージを85℃、
85%RH(相対湿度)168時間吸湿させた後、赤外
線リフロー(240℃、10秒)を行ったが、パッケー
ジクラック及びふくれの発生は一切なく、バッファコー
ト膜とリードフレーム接着剤を兼用できるポリイミド膜
がスクリーン印刷により形成できることが示された。
【0099】実施例2 撹拌機、温度計、窒素ガス導入管及び油水分離器付き冷
却管を備えた1000mLの四つ口フラスコにBΑPP
89.09g(0.217モル)、DSDA119.5
9g(0.334モル)、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(以
下、HΑB−6Fと略す)42.85g(0.117モ
ル)、BL377gを窒素ガスを通しながら仕込んだ。
撹拌下、50〜60℃で1時間反応を進めた後、195
℃に昇温し、同温度で5時間反応を進めた。途中、留出
する水を反応系外にすみやかに除去した。得られた溶液
をBLで希釈して樹脂分濃度40重量%のポリイミド樹
脂(数平均分子量13,000)溶液を得た。
【0100】撹拌機、温度計、窒素ガス導入管及び冷却
管を備えた1000mLの四つ口フラスコに実施例1の
溶剤を含む塊状のフィラー用ポリイミド樹脂(樹脂分濃
度30重量%)400gを砕いて入れ180℃に昇温し
た。同温度で1時間撹拌して均一な溶液とした後、これ
に上記のポリイミド樹脂溶液(樹脂分濃度40重量%)
300gを加えて更に180℃で1時間撹拌を続けた。
約4時間で23℃に冷却したものをそのまま23℃で1
週間放置したところ、ポリイミド樹脂溶液中にポリイミ
ド樹脂微粒子(平均粒径:約2μm)が析出、分散した
ペーストを得た。このペーストにGPS48gを加え、
室温で十分に混合した後、BLで希釈して樹脂分濃度2
0重量%とした。
【0101】次にこのポリイミド樹脂ペーストの25℃
における複素粘度、貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定し
た結果、周波数1rad/sで測定した複素粘度は70
Pa・sであった。また、1rad/sで測定した損失
弾性率と貯蔵弾性率の比tanδは0.5、100ra
d/sで測定したtanδは3.0であり、100ra
d/sで測定したtanδは1rad/sで測定したt
anδの6倍であった。
【0102】上記ポリイミド樹脂ペーストを半導体基板
(シリコンウエハ)上にスクリーン印刷機(ニューロン
グ精密工業株式会社製、アライメント装置付きLS−3
4GX)、SX300メッシュ版(東京プロセス株式会
社製、300メッシュ、線径19μm、乳剤厚50μ
m)及びシリコンゴムスキージ(ゴム硬度80度)を用
いてボンディングパッド部以外のチップ表面に印刷し
た。このとき、ペーストは実施例1と同様に良好な流動
性を示し、また、糸引きもなくスムースに離版した。印
刷して得られたパターン(膜)を実施例1と同様にして
観察したところ、にじみは観察されなかったが、5μm
(上方から観察したとき、パターン上面の端からパター
ン下端の端までの距離)のだれが観察された。次いで、
140℃で15分、200℃で15分、さらに270℃
で60分間加熱処理して膜厚15±3μmのポリイミド
樹脂硬化膜付き半導体ウエハを得た。
【0103】膜厚15±3μmのポリイミド樹脂硬化膜
付き半導体ウエハをダイシングして10mm×10mm
角のバッファコート膜付き半導体チップとし、これに4
2合金製リードフレームを温度300℃、圧力0.1M
Pa、時間5秒で圧着し、該リードフレームと半導体チ
ップをボンディングパッド部を介して金製ボンディング
ワイヤで接合し、さらにビフェニル型エポキシ樹脂封止
材CEL−9200でトランスファ形成し、以下実施例
1と同様にしてLOC構造の半導体パッケージを評価し
た。
【0104】その結果、印刷による回路へのダメージ及
び封止材の硬化時に発生するガスの影響等によるボンデ
ィング不良は一切なく、また、パッケージを85℃、8
5%RH(相対湿度)の雰囲気下に168時間放置した
後、赤外線リフロー(240℃、10秒)を行っても、
パッケージクラック及びふくれの発生は一切なかった。
【0105】実施例3 実施例1と同様の方法で樹脂分濃度40重量%のポリイ
ミド樹脂溶液と塊状のフィラー用ポリイミド樹脂を得た
後、得られた塊状のポリイミドを脱溶剤後、ボールミル
で粉砕し(平均粒径:約5μm)、ポリイミド樹脂溶液
にBL及びGPS(ポリイミド樹脂100重量部に対し
て0.5重量部)とともに加えて3本ロールで混合し、
樹脂固形分27重量%(樹脂固形分のうちフィラー成分
30重量%)のペーストを得た。
【0106】このペーストの25℃における複素粘度、
貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定した結果、周波数1r
ad/sで測定した複素粘度は300Pa・sであっ
た。また、1rad/sで測定した損失弾性率と貯蔵弾
性率の比tanδは0.4、100rad/sで測定し
たtanδは2.0であり、100rad/sで測定し
たtanδは1rad/sで測定したtanδの5倍で
あった。
【0107】上記ポリイミド樹脂ペーストを実施例1記
載と同様の方法で印刷、評価した。その結果、実施例1
と全く同様に問題のないパッケージを得ることができ
た。
【0108】比較例1 実施例1と同様にして得た塊状のポリイミド樹脂を脱溶
剤後、ボールミルで粉砕し(平均粒径:約5μm)、ポ
リイミド樹脂溶液にBL及びGPS(ポリイミド100
重量部に対して0.5重量部)とともに加えて3本ロー
ルで混合し、樹脂固形分25重量%(樹脂固形分のうち
フィラー成分55重量%)のペーストを得た。
【0109】このペーストの25℃における複素粘度、
貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定した結果、周波数1r
ad/sで測定した複素粘度は15,000Pa・sで
あった。また、また、1rad/sで測定した損失弾性
率と貯蔵弾性率の比tanδは0.15と小さく、10
0rad/sで測定したtanδは1.5であり、10
0rad/sで測定したtanδは1rad/sで測定
したtanδの10倍であった。
【0110】上記ポリイミドペーストを実施例2記載と
同様の方法で印刷しようとしたところ、シリコンウエハ
との密着性が悪いため、全面には膜を形成することがで
きず、パターン欠損を生じた。
【0111】実施例4 撹拌機、温度計、窒素ガス導入管及び油水分離器付き冷
却管を備えた1000mLの四つ口フラスコにジカルボ
ン酸としてCTBN1300X9(宇部興産株式会社
製)105g及びBY16−750(東レダウコーニン
グシリコーン株式会社製)168g、芳香族ポリイソシ
アネートとして4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネート75g、溶剤としてBL/トリエチレングリコー
ルジメチルエーテル70/30(重量比)を348g仕
込み、180℃で2時間反応させた。これに酸無水物基
を有する3価以上のポリカルボン酸の誘導体として無水
トリメリット酸28.8gとトリエチレングリコールジ
メチルエーテル112.5gを仕込み、160℃で2時
間反応させ、トリエチレングリコールジメチルエーテル
/BL=80/20(重量比)溶剤で希釈して固形分濃
度45重量%のポリアミドイミド樹脂(数平均分子量1
2000)溶液を得た。
【0112】得られたポリアミドイミド樹脂溶液に平均
粒径2.5μmの表面OH基変性シリカ粉とBLを加え
て固形分濃度35%、フィラー成分15重量部(ポリア
ミドイミド樹脂100重量部に対して)のポリアミドイ
ミド樹脂ペーストを得た。
【0113】このペーストの25℃における複素粘度、
貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定した結果、周波数1r
ad/sで測定した複素粘度は8000Pa・sであっ
た。また、1rad/sで測定した損失弾性率と貯蔵弾
性率の比tanδは0.3、100rad/sで測定し
たtanδは2.7であり、100rad/sで測定し
たtanδは1rad/sで測定したtanδの9倍で
あった。
【0114】上記ポリアミドイミド樹脂ペーストをテー
プBGA基板(ポリイミドフィルム上に銅箔回路を形成
したもの)上にスーパーステン290版(メッシュ工業
株式会社製、290メッシュ、線径20μm、乳剤厚5
0μm、パターン寸法:直径200μm)及びシリコー
ンスキージ(ゴム硬度80度)を用いて直径200μm
の穴パターン印刷した。その際、ローリング性、版離れ
性ともに問題なく、にじみは全くなく、だれも5μm以
内であった。次いで、90℃で20分、160℃で1時
間加熱処理した結果、膜厚15±2μmと均一な膜厚を
有するポリアミドイミド膜中に、直径200μmの穴を
形成できた。
【0115】引き続いて上記の穴にはんだボールを搭載
して実際に半導体パッケージを作製した結果、欠陥のな
い良好なものを得ることができた。
【0116】実施例5 平均粒径が3μmの銀粉(徳力化学研究所製、商品名T
CG−1)100重量部、実施例1と同様にして得たポ
リイミド樹脂溶液(樹脂分濃度40重量%)100重量
部、BL20重量部及びGPS(ポリイミド100重量
部に対して0.5重量部)を3本ロールで混合してポリ
イミド樹脂ペーストを得た。
【0117】この樹脂ペーストの25℃における複素粘
度、貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定した結果、周波数
1rad/sで測定した複素粘度は180Pa・sであ
った。また、1rad/sで測定した損失弾性率と貯蔵
弾性率の比tanδは0.5、100rad/sで測定
したtanδは1.5であり、100rad/sで測定
したtanδは1rad/sで測定したtanδの3倍
であった。
【0118】上記ポリイミド樹脂ペーストを、印刷パタ
ーンがライン/スペース:100/100の直線(線長
200mm)である以外は実施例4記載と同様の方法で
印刷した結果、ローリング性、版離れ性ともに問題な
く、幅0.1±0.005mmで厚さ15±1μmのパ
ターンを印刷することができた。
【0119】実施例6 実施例4と同様にしてポリアミドイミド樹脂溶液を作製
し、やはり実施例4と同様にして、固形分濃度30重量
%、フィラー成分8重量部(ポリアミドイミド樹脂10
0重量部に対して)のポリアミドイミド樹脂ペーストを
作製した。
【0120】このペーストの25℃における複素粘度、
貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定した結果、周波数1r
ad/sで測定した複素粘度は1000Pa・sであっ
た。また、1rad/sで測定した損失弾性率と貯蔵弾
性率の比tanδは1.4、100rad/sで測定し
たtanδは1.8であり、100rad/sで測定し
たtanδは1rad/sで測定したtanδの1.3
倍であった。
【0121】上記ペーストを実施例4と同様に印刷し
た。この結果、実施例4と比較してややペーストの糸引
き性が強く版離れしにくかったが、直径190μmの穴
を形成できた。引き続いて上記の穴にハンダボールを搭
載して実際に半導体パッケージを作製した結果、欠陥の
ない良好なものを得ることができた。
【0122】
【発明の効果】本発明の樹脂ペーストは、だれ、にじみ
がなく、版離れ性にも優れた印刷性を有しており、スク
リーン印刷用ペーストとして好適である。
【0123】本発明の膜形成方法は、特に解像性に優れ
ており、スクリーン印刷方法として好適である。
【0124】本発明の電子部品及び半導体装置は、従来
に比べてより安価に製造できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 79/08 C08L 79/08 Z C H01L 21/027 H01L 21/30 502R (72)発明者 平田 知広 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数1rad/sで測定した損失弾性
    率と貯蔵弾性率の比tanδが0.2以上1.5以下で
    あることを特徴とする樹脂ペースト。
  2. 【請求項2】 周波数100rad/sで測定したta
    nδが1rad/sで測定したtanδの1.5倍以上
    10倍以下であることを特徴とする請求項1記載の樹脂
    ペースト。
  3. 【請求項3】 樹脂ペーストが、エポキシ樹脂、フェノ
    キシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂及びポリア
    ミドイミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種
    の耐熱性樹脂を含有し、かつ、ラクトン類、エーテル類
    及びケトン類からなる群から選ばれる少なくとも1種の
    有機溶剤を含有してなるものである請求項1又は2記載
    の樹脂ペースト。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の樹脂ペース
    トを、線径25μm以下かつ250メッシュ以上のメッ
    シュ版及びゴム硬度70度以上90度以下の樹脂製スキ
    ージを用いてスクリーン印刷することを特徴とする膜形
    成法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3いずれか記載の樹脂ペース
    トを、メッシュレスメタル版及びゴム硬度90度以上の
    樹脂製スキージ又はメタル製スキージを用いてスクリー
    ン印刷することを特徴とする膜形成法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載の膜形成法により配
    線板又はフレキシブルなテープ状基板に膜を形成して乾
    燥させた電子部品。
  7. 【請求項7】 請求項4又は5記載の膜形成法により半
    導体、リードフレーム又はダイパッドに膜を形成して乾
    燥させた半導体装置。
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