JPH1110401A - 輪帯レンズ成形用金型の加工方法及びそのバイト - Google Patents
輪帯レンズ成形用金型の加工方法及びそのバイトInfo
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- JPH1110401A JPH1110401A JP7570198A JP7570198A JPH1110401A JP H1110401 A JPH1110401 A JP H1110401A JP 7570198 A JP7570198 A JP 7570198A JP 7570198 A JP7570198 A JP 7570198A JP H1110401 A JPH1110401 A JP H1110401A
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Abstract
た輪帯レンズを成形するための成形用金型の輪帯成形面
をより精密に加工できかつ輪帯レンズの回折効率の向上
を図れる加工方法を得る。 【構成】 単結晶ダイヤモンドからなるバイト20に、
金型素材10の回転軸11を通る平面において、軸方向
(X方向)と径方向(Y方向)の送りを与えるだけでな
く、その先端の加工エッジ部20x(軸Z)を中心とす
るθ方向の回転運動を与える輪帯レンズ成形用金型の加
工方法。
Description
の成形用金型を加工する方法、及びこれに用いるバイト
に関する。
ば、色収差を単レンズで補正できる回折レンズが知られ
ている。この回折レンズは、少なくともその一面が、光
軸から離れるに従ってレンズ厚が階段状に厚くなる方向
に離散的にシフトする輪帯群を有するもので、各輪帯の
間が波長オーダの階段状をなしている。各輪帯の間の境
界部は、理論的、光学的には光軸を中心とする円筒面で
よい(特開平6−242373号)が、金型による成形
レンズとして成形するには、これを光軸を中心とする円
錐面とする(特開平7−294707号)ことが好まし
い。また、回折レンズの回折効率の向上には、表面粗さ
の向上と、輪帯と円錐面との段部の形状精度向上の二つ
の要素が関わっている。
なる輪帯レンズを成形する成形用金型の従来の加工方法
を示している。棒状をなす金型素材10は、回転軸(成
形されるレンズの光軸)11を中心に回転駆動される。
金型素材10の輪帯成形面12には、回転軸11を含む
平面内でバイト13が接離移動する。すなわち、バイト
13は、金型素材10が回転軸11を中心に回転駆動さ
れている状態において、粗加工が終了している輪帯成形
面12に対し、輪帯形状に応じて輪帯成形面12に対し
て接離する軸方向(X方向)に移動制御され、同時に、
輪帯成形面12の外周側から中心に向けて径方向(Y方
向)の送りが与えられる。その結果、輪帯成形面12に
は、中心円形部12c、その周囲の輪帯12a、及び中
心円形部12cと輪帯12aの境界部及び各輪帯12a
の境界部の円錐面12bが形成される。
回転中にバイト13に径方向の送りが与えられるため、
加工面は微細な螺旋状となり、これが加工面の表面粗さ
を決定する要因となる。図9に、従来の加工方法により
形成された一つの輪帯12aを拡大した図を示す。図9
より明らかなように、従来の加工方法では、バイト13
の先端部が回転軸11に対して直交しているため、回転
軸11に対して垂直に近い加工面(輪体12a)の表面
粗さはそれ程大きくないが、回転軸から離れるに従って
加工面の傾き(回転軸と直交する面からの傾き)が大き
くなると、表面粗さRmax が大きくなってしまう。加工
面の表面粗さをより小さくするには、金型素材10の回
転速度に対して、バイトの送り速度を遅くする必要があ
る。
成された輪帯12aと円錐面12bの段部を拡大した状
態を示す。図10では、便宜上、図7とは異なり、輪体
形成面12の外周側から回転軸11側に向かって切削す
る図として描いている。破線は、理想的な段部の形状
で、実線が従来の加工方法による段部の形状である。破
線と実線との形状誤差は、成形回折レンズの回折効率の
低下となって表われるが、従来の加工方法では、回転軸
11と直交する方向の形状誤差が生じる長さLが大き
く、金型素材のレンズ面を有効に使用できない。
をより正確に加工するためには、バイト13の先端をで
きるだけ細くする必要がある。通常、単結晶ダイヤモン
ドからなるバイト13は、このような要求に応えるた
め、バイト13の先端の輪帯成形面12と対向する直線
切削部13aの幅sは、0.3μm前後と非常に狭く設
定され、直線切削部13aの両端部に接続された第一直
線辺部13bと第二直線辺部13cとの角度dは30゜
前後とされていた。しかし、このように先端が細いバイ
ト13は、破損しやすいという問題がある。破損しにく
くするため、直線切削部13aの幅sを大きくすると、
螺旋状の加工面に、直線切削部13aの形状が転写され
た不適当な形状が残るという別な問題が発生する。ま
た、バイトの送り速度を遅くすると、加工時間が長くな
る上、切削距離が長くなり、バイトの摩耗が早くなる。
率のよい輪帯レンズを成形するための成形用金型の輪帯
成形面をより精密に加工することができる加工方法を得
ることを目的とする。また、本発明は、幅が広く角度の
大きい破損しにくいバイトを使用しても、金型の輪帯成
形面を精密に加工することができる加工方法を得ること
を目的とする。さらに、本発明は、本発明の加工方法に
適したバイトを得ることを目的とする。
を有し、隣接する輪帯の間を微細な段部で接続した輪帯
レンズを成形するための成形用金型の加工方法であっ
て、金型を光軸と一致する回転軸を中心に回転させるス
テップ;金型の輪帯成形面を加工するバイトを、回転軸
を通る平面上において輪帯形状に応じて金型に対して相
対移動させるステップ;及びバイトと金型とを、輪帯形
状に応じて、その先端の加工エッジ部を中心に回転軸を
通る平面内で相対回動させるステップ;とを同時に実行
することを特徴としている。このように、バイトに回転
駆動される金型の軸方向と径方向の動きだけでなく、そ
の先端の加工エッジ部を中心とする金型との相対回動を
与えることにより、より精密な成形面の加工が可能とな
る。
1回転当り1〜2μmとすることが好ましい。本発明方
法は、特に曲面からなる各輪帯を高精度に加工するため
に有効である。バイトの加工エッジ部の角度は、輪帯
と、輪帯を接続する微細な段部とのなす角度と一致させ
ることが好ましい。またバイト角度は、輪帯成形面の各
輪帯の法線に対し、常にバイトが同一方向を向くように
制御することが好ましい。
バイトを用いることができる。すなわち、金型の輪帯成
形面と向き合う直線切削部と、この直線切削部の一端と
加工エッジ部を形成する第一の直線辺部と、直線切削部
の他端に接続された第二の直線辺部とを備えたバイトに
おいて、直線切削部の長さをa(μm)、第一の直線辺
部と第二の直線辺部の角度をbとしたとき、 2≦a≦4 40゜≦b≦55゜ を満足する形状のバイトを用いることができる。
の輪帯成形面の加工方法を概念的に示している。図7、
図8の従来方法と同一の要素には同一の符号を付してい
る。従来の加工方法に比しての本発明方法の最大の特徴
は、単結晶ダイヤモンドからなるバイト20に、回転軸
11を通る平面において、金型素材10の軸方向(X方
向)と径方向(Y方向)の送りを与えるだけでなく、バ
イト20の先端の加工エッジ部20x(軸Z)を中心と
するθ方向の回転運動を与える点にある。このようにバ
イト20に回転運動を与えると、輪帯成形面12の輪帯
12aに対して、バイト20を常に一定の方向を向ける
ことが可能となる。これはレンズ面形状を接平面で近似
することになり、従来の回転軸に垂直な平面で加工した
場合と比較し、バイト20の直線切削部20aの場所に
よる加工誤差が大きくならない。特に、バイト20の径
方向(Y方向)の送り量よりバイト先端部の直線切削部
20aの長さaを僅かに大きく設定すると、バイト切削
部が有効に使われ、破損が少なくなると共に、加工誤差
も大きくならず好ましい。
用可能となる。具体的には、図2に示すように、直線切
削部20aの幅a(μm)を、 2≦a≦4 とし、直線切削部20aの一端と加工エッジ部20xを
形成する第一直線辺部20bと、直線切削部20aの他
端に接続された第二直線辺部20cとのなす角度bを、 40゜≦b≦55゜ とすることが可能となり、破損が生じにくい。幅aが2
μm未満あるいは角度bが40゜未満では、バイト20
の強度を十分高めることができない。また幅aが4μm
を越えあるいは角度bが55゜を越えると、輪帯成形面
12の形状及びバイト20の回転角度によっては、バイ
ト20が、輪帯成形面12の一部あるいは周囲と干渉す
るおそれがある。
を中心とする回転位置(角度)は、輪帯12aと円錐面
12bの形状に応じて設定される。具体的には例えば、
バイト20の第一直線辺部20bが常時輪帯12aの法
線方向を向くように、バイト20の回転角度位置を制御
すると、好ましい結果が得られる。
度、つまり直線切削部20aと第一直線辺部20bとの
なす角度cは、輪帯12aと円錐面12bのなす角度に
設定することが好ましい。一つの輪帯12aの加工から
次の(その内側の)輪帯12aの加工に移る際、バイト
20のY方向への送りを停止した状態において、バイト
20を第一直線辺部20bと平行な方向に移動(輪帯成
形面12に対して後退)させることにより、円錐面12
bを正確に加工することができる。このような移動は、
X方向とY方向の合成移動により得ることができる。な
お、Y方向への送り速度は、金型素材10の1回転当
り、1〜2μmとする。1μm/rev.未満では、加工速
度が遅く、2μmを越えると、表面粗さが悪くなる。
に以上のような動きを与える具体的な機構例を示してい
る。図4は、バイト20を図3のIV矢視方向から見た図
である。機枠31上には、X方向に移動可能なXスライ
ドテーブル32と、紙面に垂直なY方向に移動可能なY
スライドテーブル33が備えられている。Xスライドテ
ーブル32には、金型素材10を加えるチャックを有す
る主軸スピンドル34が備えられ、この主軸スピンドル
34は、回転軸11を中心に金型素材10を回転駆動す
る。
軸を中心に回動可能なロータリテーブル35が備えられ
ており、このロータリテーブル35上には、バイト台3
6が固定されている。バイト台36は、バイト20を、
その加工エッジ部20xを軸Zに一致させて保持する。
輪帯成形面12に形成すべき輪帯成形面形状に応じて、
Xスライドテーブル32、Yスライドテーブル33、主
軸スピンドル34及びロータリテーブル35をそれぞれ
所定のタイミング(プログラム)で駆動することによ
り、図1、図2で説明した本発明方法を実現することが
できる。金型素材10とバイト20の間に与える運動は
相対運動であり、動く側を図3の装置とは逆にしてもよ
いことは勿論である。
た一つの輪帯12aを拡大した図を示す。本発明では、
バイト20に回転運動を与えているため、輪帯成形面1
2の各輪帯12aの成形面に対して、バイト20を任意
の方向(例えば、バイト20の第一直線辺部20bが常
に成形面に対して直交する方向)に向けることが可能と
なる。このため、図5に示すように、回転軸11からの
距離に関係なく表面粗さRmax を小さくすることができ
る。また、図6に、本発明の加工方法により形成された
輪帯12aと円錐面12bの段部を拡大した図を示す。
図6は図10と対応しており、破線は理想的な段部形
状、実線は本発明方法による段部形状を示している。回
転軸11と直交する方向の形状誤差が生じる長さSは、
図10に示す従来例の長さLより短く、このため、金型
素材のレンズ面を有効に使用できる。
帯レンズを成形品で作る場合の金型をより高精度にかつ
輪帯レンズの回折効率の向上を図りながら製造すること
ができ、さらに折損しにくい形状のバイトを用いること
ができる。
ている状態を示す、金型の縦断面図である。
である。
する、図3のIV矢視平面図である。
ある。
段部の拡大図である。
状態を示す、金型の縦断面図である。
図である。
錐面の段部の拡大図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 光軸を中心とする多数の輪帯を有し、隣
接する輪帯の間を微細な段部で接続した輪帯レンズを成
形するための成形用金型の加工方法であって、 上記金型を光軸と一致する回転軸を中心に回転させるス
テップ;金型の輪帯成形面を加工するバイトを、上記回
転軸を通る平面上において輪帯形状に応じて金型に対し
て相対移動させるステップ;及び上記バイトと金型と
を、輪帯形状に応じて、その先端の加工エッジ部を中心
に上記回転軸を通る平面内で相対回動させるステップ;
とを同時に実行することを特徴とする輪帯レンズ成形用
金型の加工方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の加工方法において、バイ
トを上記回転軸を通る平面上において輪帯形状に応じて
金型に対して相対移動させるステップは、回転駆動され
る金型の径方向の相対移動と、輪帯形状に応じて、同金
型の軸方向の相対移動との合成運動からなっている輪帯
レンズ成形用金型の加工方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の加工方法において、バイ
トの径方向の相対移動速度は、金型の1回転当り1〜2
μmである輪帯レンズ成形用金型の加工方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項記載の
加工方法において、各輪帯は、曲面からなっている輪帯
レンズ成形用金型の加工方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項記載の
加工方法において、バイトの加工エッジ部の角度は、輪
帯と、輪帯を接続する微細な段部とのなす角度と一致し
ている輪帯レンズ成形用金型の加工方法。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項記載の
加工方法において、バイトを、輪帯形状に応じて、その
先端の加工エッジ部を中心に上記回転軸を通る平面内で
金型に対して相対回動させるステップでは、輪帯成形面
の各輪帯の法線に対し、常にバイトが同一方向を向くよ
うにバイト角度を制御する輪帯レンズ成形用金型の加工
方法。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項記載の
加工方法において、バイトの形状は、金型の輪帯成形面
と向き合う直線切削部と、この直線切削部の一端と加工
エッジ部を形成する第一の直線辺部と、上記直線切削部
の他端に接続された第二の直線辺部とを備え、直線切削
部の長さをa(μm)、第一の直線辺部と第二の直線辺
部の角度をbとしたとき、 2≦a≦4 40゜≦b≦55゜ を満足している輪帯レンズ成形用金型の加工方法。 - 【請求項8】 請求項7記載の加工方法において、金型
の輪帯成形面の各輪帯の法線に対し、常にバイトの上記
第一直線辺部が略直角をなすようにバイトと金型の相対
角度が制御される輪帯レンズ成形用金型の加工方法。 - 【請求項9】 回転駆動される金型素材を加工するバイ
トに、該金型素材の回転軸を通る平面において、回転軸
と平行な方向と、回転軸に直交する方向との送りを与え
るだけでなく、その先端の加工エッジ部を中心とする回
転運動を与えることを特徴とする輪帯レンズ成形用金型
の加工方法。 - 【請求項10】 光軸を中心とする多数の輪帯を有し、
隣接する輪帯の間を微細な段部で接続した輪帯レンズを
成形するための成形用金型加工用のバイトであって、 金型の輪帯成形面を加工するとき、該金型の回転軸を通
る平面上において輪帯形状に応じて金型に対して相対移
動されるとともに、その先端の加工エッジ部を中心に上
記回転軸を通る平面内で金型に対して相対回動され、 その平面形状は、金型の輪帯成形面と向き合う直線切削
部と、この直線切削部の一端と加工エッジ部を形成する
第一の直線辺部と、上記直線切削部の他端に接続された
第二の直線辺部とを備え、 上記直線切削部の長さをa(μm)、第一の直線辺部と
第二の直線辺部の角度をbとしたとき、 2≦a≦4 40゜≦b≦55゜ を満足することを特徴とする輪帯レンズ成形用金型加工
用バイト。 - 【請求項11】 請求項10記載のバイトにおいて、バ
イトの加工エッジ部の角度は、輪帯と、輪帯を接続する
微細な段部とのなす角度に設定されている輪帯レンズ成
形用金型加工用バイト。
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JP10342997 | 1997-04-21 | ||
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- 1998-03-24 JP JP7570198A patent/JP4105278B2/ja not_active Expired - Lifetime
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