JP2001300811A - 円筒状部品のデュアルコンタリング加工方法 - Google Patents

円筒状部品のデュアルコンタリング加工方法

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JP2001300811A
JP2001300811A JP2000122412A JP2000122412A JP2001300811A JP 2001300811 A JP2001300811 A JP 2001300811A JP 2000122412 A JP2000122412 A JP 2000122412A JP 2000122412 A JP2000122412 A JP 2000122412A JP 2001300811 A JP2001300811 A JP 2001300811A
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Yoshiaki Mizuno
義明 水野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デュアルコンタリング加工方法において刃具
を保護しながら生産性の向上を図り、円筒状部品の外径
加工のみならず、内径加工をも可能とする。 【解決手段】 円筒状部品の素材7を回転させている状
態で、やはり回転しているフライスカッター18を接触
させることによって素材7の外周面或いは内周面を切削
加工する。それによって連続切り屑が発生することがな
く、それが何かに絡みついて生じる障害を回避すること
ができる。本発明においては特に、フライスカッター1
8として、同じ高さの多数の切れ刃18aが外周円上に
均等に配置されていて、隣接する切れ刃の間隔を示す切
れ刃円弧長さが全て6〜25mmの範囲内の実質的に一
定の値となっているものを使用すると共に、素材7の切
削面が円形に近い多角形の形状を残している状態で加工
を終了して製品を得る。この製品はそのままで多くの用
途に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒状の部品の内
径或いは外径を切削加工するための改良されたデュアル
コンタリング加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】円筒状部品の内径或いは外径を加工する
ための従来技術としては、旋盤等に単一の切れ刃を有す
る静止刃具(バイト)を取り付けて旋削を行う所謂「シ
ングルポイント加工」によるものが一般的である。しか
しながら、環境保護の観点から推奨されている切削油を
全く使用しない切削加工方法(ドライ切削加工)をとる
場合や、生産性の向上のために高速切削を行う場合に
は、シングルポイント加工の唯一箇所の切れ刃において
切削温度が上昇することによって摩耗が著しく増加する
ので、刃具を頻繁に交換したり、研磨や修正を行う必要
が生じるという問題がある。また、被切削材として円柱
形状や円筒形状の金属素材にシングルポイント加工を行
う場合には連続した切り屑が生じるので、作業員が絶え
ず切削箇所を監視していて、発生する連続切り屑を時間
をおかずに取り除く必要がある。もし放置すると連続切
り屑が回転部分に絡みついて色々な障害を引き起こす恐
れがあるからである。
【0003】この問題を解決し得る従来技術として、特
許第2537458号明細書にデュアルコンタリング加
工による切粉微細化装置が記載されている。この装置は
棒状の素材に外径加工を行って正確な円柱形の外形を有
する製品を得るために使用されるものであって、まず、
棒状の素材を回転させると共に多刃回転刃物をも回転さ
せて素材の外周面に接触させることにより、所謂デュア
ルコンタリング加工を行って、連続した切り屑を発生す
ることなしに多角形棒状の中間材料を製作する荒削り工
程を行い、その後に、多刃回転刃物を所定の角度位置に
おいて停止させて、多刃回転刃物の一部に設けられてい
る仕上げ刃のみを多角形棒状の中間材料に接触させるこ
とにより、多刃回転刃物によるシングルポイント加工を
行って正確な円柱面に仕上げる仕上げ工程を行うという
ように、同じ多刃回転刃物によって荒削り工程と仕上げ
工程との2つの工程を順次に実行することができるよう
にした点に特徴がある。
【0004】特許第2537458号明細書に記載され
た装置において使用される特殊な形状の多刃回転刃物
は、荒削り工程用に設けられた複数個の切れ刃の他に、
仕上げ工程用に設けられた高さの低い少数の切れ刃をも
備えている。そして、荒削り工程においては多刃回転刃
物に形成された大多数の切れ刃が順次に棒状の素材に接
触して、素材の表層部分を短く掻き取るように切削する
ことから、切り屑が鱗状に分断されるので、シングルポ
イント加工のように連続切り屑による障害が生じない
し、複数個の切れ刃のそれぞれが間欠的に順次に素材の
表面に接触して切削を行うことから、各切れ刃の温度上
昇を低く抑えることができるので、荒削り工程に関する
限り、ドライ加工や高速切削を行っても切れ刃の摩耗は
少なくなるものと思われる。
【0005】しかしながら、この従来技術においてはデ
ュアルコンタリング加工による荒削り工程の後に、同じ
多刃回転刃物に設けられた高さの低い仕上げ刃を使用し
て、シングルポイント加工による仕上げ工程を必ず行う
ことになるから、円柱状製品を完成させる時までに2つ
の工程を順次に実行する結果、合計の加工時間が長くな
って、通常のシングルポイント加工を行う場合の2倍前
後もの長い加工時間が必要になるという問題がある。
【0006】従って、この従来技術においては少しでも
加工時間を短縮して生産性の向上を図る必要があること
から、必然的に導かれる結果として、多刃回転刃物とし
ては切れ刃の数を少なくすることにより、多刃回転刃物
の外周円上における各切れ刃の間隔を示す円弧長さを例
えば30mm以上というように大きくしたピッチの粗い
多刃回転刃物を使用して、少なくとも荒削り工程におい
て高速切削を行うことにより、円柱形には程遠くてその
ままでは到底製品とすることができないほど表面の荒い
多角形棒状の中間材料を製作し、その中間材料を次の仕
上げ工程において正確な円柱状に仕上げるという段取り
とする他はないことが明らかである。
【0007】また、この従来技術の場合は仕上げ工程を
省略することができないので、棒状の素材が展延性に富
む材料である場合には、仕上げ工程において多刃回転刃
物の一部の仕上げ刃によるシングルポイント加工を行う
際に、切り屑が分断されないで長く延びることになる。
この連続切り屑は通常のシングルポイント加工によるも
のに比べて厚さが薄いか、或いは幅が周期的に狭くなる
ように波状に変化するものではあっても、やはり連続し
た切り屑であるから、作業員による常時監視と連続切り
屑の除去作業が必要であって、それを怠ると螺旋状に巻
いた帯鋸のような形状になると思われる連続切り屑が多
刃回転刃物等に絡みついて、何らかの障害を発生する恐
れが十分にある。
【0008】なお、この従来技術による切粉微細化装置
においては、回転主軸に砥石車を装着していて、それに
よって多刃回転刃物の切れ刃を刃軸上に装着したままで
研磨修正して振れ取りを行うようになっているが、この
方法で振れ取りを行うと、切れ刃の修正作業中は当然に
切削加工を休止する他はないので、装置の稼働率が低下
するという問題が生じることから、回転主軸に取り付け
られた砥石車によって必ずしも好ましい効果が得られる
とは限らない。しかも、この装置においては円筒状部品
の内径加工を行うことを予定しているとは全く考えられ
ないし、それを可能とする手段は何ら示されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける前述のような問題に鑑み、使用する刃具の切れ刃
の摩耗が少なくて刃具を頻繁に交換する必要がなく、切
り屑が鱗状で短く、且つ連続切り屑を生じることがな
く、従って、連続切り屑による障害が発生する可能性が
ないことから、作業員による監視と切り屑の除去を必要
としないために切削装置の自動運転が可能であり、しか
も、全体の工程数が少なくて切削加工に要する合計の時
間が従来技術よりも短くなることにより生産性の向上を
図ることができるような、更に、円筒状部品の外径加工
のみならず、内径加工をも可能とする改良された円筒状
部品のデュアルコンタリング加工方法を提供することこ
とを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、特許請求の範囲の請求項1
に記載された円筒状部品のデュアルコンタリング加工方
法を提供する。
【0011】本発明による円筒状部品のデュアルコンタ
リング加工方法は、円筒状部品の素材を軸線の周りに回
転させると共に、フライスカッターを回転させて素材に
接触させることにより、素材の外周面或いは内周面を切
削加工するもので、特に、フライスカッターとして、多
数の切れ刃の間隔を示す円弧長さが全て6〜25mmの
範囲内の実質的に一定の値となっているものを使用する
ことと、切削の結果、素材の外周面又は内周面に形成さ
れる切削面が、円形に近いものの未だ多角形の形状が残
っている状態で加工を終了して製品を得ることに特徴が
ある。
【0012】本発明の方法によって切削箇所から発生す
る切り屑は分断された鱗状のものとなり、重力によって
自然に円滑に流れ落ちるから、通常のシングルポイント
加工によって発生する連続切り屑のように、切り屑がフ
ライスカッターや被切削材等に絡みついて障害を生じる
という恐れがない。従って作業員が常時監視していて切
り屑を除去する必要がないから、加工装置を自動化する
ことができる。また、デュアルコンタリング加工におい
ては多数の細かな切れ刃が順次に且つ間欠的に素材に接
触し、それ以外の時期は素材から離れているから、各切
れ刃における切削温度が低くなり、切れ刃の摩耗が少な
くて刃具を頻繁に交換する必要がない。しかも、本発明
においては、基本的にデュアルコンタリング加工のみに
よって製品を得るものであって、切削面に多角形の形状
が残っている状態で切削加工を終了するが、フライスカ
ッターとして切れ刃円弧長さが全て6〜25mmの範囲
内にあるものを使用するので、多角形の頂点の数が非常
に多い殆ど円筒面に近い切削面が得られるから、製品を
そのままで殆どの用途に使用することができる。従っ
て、工程数が少なく加工時間が短いので生産性が向上す
る。また、本発明の加工方法は円筒状部品の外径加工の
みならず、内径加工にも適している。
【0013】デュアルコンタリング加工のみによって得
られる切削面は、フライスカッターの切れ刃円弧長さを
6〜25mmの範囲内のように小さくしても、僅かに多
角形の形状を残しているから、それが不都合な場合は一
次製品に対して静止刃具を接触させることにより、追加
的にシングルポイント加工を行って、より円筒面に近い
切削面を得ることができる。しかしこの場合でも、残っ
ている多角形の形状を完全に除去すると連続切り屑を発
生するので、連続切り屑が発生する前の状態、即ち、切
削面に微かに多角形の形状が残っている状態でシングル
ポイント加工を終了する。この場合も分断された鱗状の
切り屑が発生し、連続切り屑による障害を回避すること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明による円筒状部品のデュア
ルコンタリング加工方法を実施するために、通常の旋盤
とフライス盤とを組み合わせたものに相当するデュアル
コンタリング加工装置の第1実施例を図1に示す。第1
実施例のデュアルコンタリング加工装置1においては、
ベッド2に固定されて上方へ立ち上がっているフレーム
3に、上下方向のガイドレール4が設けられていて、そ
れによって上下方向に摺動して移動することができるよ
うに主軸台5が支持されている。図示していないが、主
軸台5の内部にはモータや変速装置或いは減速装置等か
らなる回転駆動機構が収容されている。主軸台5から右
方へ突出している図示しない主軸には、主軸と共に回転
するチャック6が取り付けられている。チャック6は、
より詳細な図2に示したように、複数個のクランプ部材
6aによって円筒状部品の素材7を着脱自在に把握する
ことができる。図示していないが、主軸台5を上下方向
に移動させるために、モータや螺子軸等からなる直線運
動機構がフレーム3内に設けられており、やはり図示さ
れない制御装置から送られる制御信号によって作動され
る。それによって主軸及びチャック6と素材7の高さが
自由に設定される。
【0015】ベッド2には左右方向のガイドレール8が
設けられており、それによって左右方向に案内されて移
動することができるように前後方向に長い中間フレーム
9が支持されている。中間フレーム9には前後方向にガ
イドレール10が設けられていて、上方に延びる可動フ
レーム11のベース12が、ガイドレール10によって
前後方向に案内されて移動することができるように支持
されている。可動フレーム11とベース12は一体であ
ってもよいが、必要に応じて可動フレーム11がベース
12に対して垂直軸の周りに旋回することができるよう
に構成してもよい。それによって加工装置1による切削
の自由度が増加する。
【0016】可動フレーム11には上下方向のガイドレ
ール13が設けられていて、それによって刃軸台14が
上下方向に移動可能に支持されている。刃軸台14の上
下方向の位置も、図示しない直線運動機構と制御装置に
よって自由に制御され得る。15は刃具を回転駆動する
ためのモータであって、刃軸台14に直接に取り付けら
れていてもよいが、図示例ではそれらの間に回動機構1
6を介在させている。言うまでもなくモータ15は変速
装置或いは減速装置を含むことができる。この場合はモ
ータ15から垂下している出力軸が刃物軸17となって
いる。
【0017】この刃物軸17には、図2及び図3に例示
したような多数の切れ刃を有する刃具、即ちカッター1
8が取り付けられる。カッター18は実質的に通常のフ
ライスカッターと同様なものであるから、これを単にフ
ライスカッター18と呼ぶことにする。フライスカッタ
ー18は多数の切れ刃18aを外周円上に均等に配置さ
れているが、それらの切れ刃18aは全て同じ形状と高
さを有すると共に、図3に示したように、隣接する2個
の切れ刃18aの間隔は一定である。しかしながら、本
発明においては、フライスカッター18の外周円上にお
ける各切れ刃の間の間隔、即ち切れ刃円弧長さLが比較
的に小さく設定されて、6〜25mmの範囲内にある点
が特徴である。このフライスカッター18は高さの低い
仕上げ刃等を備えていない点でも、前述の従来技術にお
いて使用される特殊な多刃回転刃物とは異なっている。
なお、フライスカッター18の切れ刃18aは、通常よ
く行われるようにスローアウェイチップ18bをバック
メタルとなる部分に取り付けて、その先端に形成するの
がよい。
【0018】第1実施例のデュアルコンタリング加工装
置1はこのように構成されているから、主軸台5のチャ
ック6に図2に示すように円筒状部品の素材7を取り付
けて水平軸Hの周りに回転させると共に、刃物軸17に
取り付けられたフライスカッター18を、この場合は垂
直軸Vの周りに回転させて、切れ刃18aを素材7の外
周面に接触させることによって切削を開始する。素材7
及び刃物軸17の回転方向はいずれでもよい。送りは図
2に矢印Aによって示したように、ベッド2に設けられ
た左右方向のガイドレール8上で可動フレーム11とフ
ライスカッター18を移動させることによって与えられ
る。
【0019】その結果、素材7を任意の断面において見
ると、素材7の外周面の一部が削り取られて実質的に平
面状の小さな平坦部7aが形成され、切削されなかった
部分が円弧部7bとして残る。しかし、この円弧部7b
も更に切削が進むと前述のものとは異なる1つ以上の平
面を形成して別の平坦部7aとなり、それらが極めて多
数の頂点Tを有する多角形Mの形状を呈するようにな
る。本発明の方法に使用するフライスカッター18の切
れ刃円弧長さLが6〜25mmというように比較的小さ
いこともあって、この間に発生する切り屑は断片的であ
るだけでなく細かい鱗状となるから、切り屑は切削部か
ら粉末のように流れ落ちるので、連続切り屑のようにフ
ライスカッター18等に絡みつく恐れがない。また、フ
ライスカッター18の各切れ刃18aは間欠的に素材7
に接触するので、切削温度の上昇は低く抑えられて、切
削油を使用しなくても切れ刃18aの摩耗は少なくな
り、研磨が必要になるまでのフライスカッター18の耐
用時間が著しく長くなる。
【0020】また、このような切削加工が全て終わった
段階では、多角形Mの頂点Tの数Nが非常に多くなるの
で、断面N角形とは言っても製品7’の外周面は実質的
に円柱面に近いものになっている。従って、大抵の用途
に対して、このままで実用に供することができる。な
お、フライスカッター18によるデュアルコンタリング
加工が施された後の製品7’の断面を誇張して示すと図
5のようになっている。仮想の外周円Cの内側となる位
置に多数の小さな平坦部7aが形成されていることによ
って、製品7’の外周面は小さく波打って、うねりのよ
うな波の山を形成している。条件によっては、このよう
な山が製品7’の軸方向又はそれに対して斜めの方向に
山脈のように連なることもある。
【0021】いま、製品7’の表面に形成されたうねり
の波の各部分において、外周円Cと平坦部7aとの最大
の距離を「うねりの高さh」と定義すると、図6に示し
たように、うねりの高さhは主として、その切削加工に
使用されたフライスカッター18の切れ刃円弧長さLの
一次関数として決まるので、フライスカッター18が同
じであって、その他の切削条件も同じであれば、うねり
の高さhは一定の値になる。この現象は、フライスカッ
ター18の隣接する切れ刃18aの間隔が小さいほど平
坦部7aが外周円Cに近づき、製品7’の表面がより円
柱面に近いものになるということを意味している。
【0022】そこで、本発明の方法においては、最も好
適なものとして、フライスカッター18の切れ刃にスロ
ーアウェイチップ18bを使用する場合を想定して、そ
のチップの厚さと、チップ受け部となる金属部分である
バックメタルの厚さと、更にチップポケットの製作加工
の限界等から、切れ刃円弧長さLの最小値を6mmと設
定すると共に、円柱面として実用上許容され得る最大の
うねり高さhは概ね30μm程度であることから、切れ
刃円弧長さLの最大値を許容最大値よりも若干小さめの
うねり高さ28μmに見合う25mmに設定している。
【0023】なお、本発明の方法はこのように切れ刃円
弧長さLが比較的に小さいフライスカッター18を用い
るデュアルコンタリング加工によって、円柱形に近い断
面多角形の製品7’を得ることを目的とするものである
が、もし、外周面がより円滑な円柱面に近い表面を有す
る製品が必要であれば、主軸台5上で回転している一次
製品7’に対して、図7に示すように、単一の切れ刃1
9aを有する静止刃具19を接触させてシングルポイン
ト加工を行うことにより、より円筒形に近い製品に仕上
げることができる。
【0024】この場合は特に、シングルポイント加工に
よって切削される部分を多角形Mの頂点Tの周辺だけに
止めることにより、多角形Mを形成している一次製品
7’の表面における頂点Tと隣接の頂点Tとの間の点P
において、切れ刃19aが多角形Mの表面から短時間だ
け離れる状態を必ず生じさせる。それによって発生する
切り屑20はやはり断片的な鱗状になって円滑に流れ落
ちるから、連続切り屑が発生して障害となることはな
い。なお、この場合でも、本発明の特徴として製品7’
に実用上問題とならない程度の微小なうねりが残ること
になる。
【0025】図8及び図9に本発明の方法を実施し得る
デュアルコンタリング加工装置の第2実施例を示す。図
1や図2等に示す第1実施例のデュアルコンタリング加
工装置1と実質的に同じ部分については、同じ参照符号
を付すことによって重複する説明を省略することにす
る。第2実施例のデュアルコンタリング加工装置21の
特徴は、円筒状部品の素材7の内径を加工するためのデ
ュアルコンタリング加工方法を実施し得るようにした点
にある。円筒状部品の素材7は第1実施例の場合と同様
に水平軸Hの周りに回転することができるように、主軸
台5のチャック6によって支持されている。フライスカ
ッター18も第1実施例のそれと実質的に同じものであ
るが、この場合のフライスカッター18は第1実施例の
場合とは異なって、素材7の中心軸線である水平軸Hと
平行な他の水平軸H’の周りに回転することができると
共に、図9において矢印Aによって示すように、水平軸
H’の方向に素材7に対して相対的に送られ得るよう
に、軸方向に往復運動も可能な状態で支持されている。
【0026】なお、第2実施例においては第1実施例と
異なって、フレーム3’がベッド2に対して可動となっ
ている。中間フレーム9’はベッド2に設けられた左右
方向のガイドレール8’によって案内され、フレーム
3’を支持するベース12’は中間フレーム9’に設け
られた前後方向のガイドレール10’によって案内され
る。その代わりに、刃軸台14’はベッド2上に固定さ
れている。モータ15’は回動機構16を介して刃軸台
14’上に支持されていて、モータ15’の出力軸であ
る刃物軸17’は水平軸H’の周りに回転することがで
き、それにフライスカッター18が取り付けられる。こ
の場合も、フライスカッター18の切れ刃円弧長さLは
本発明の特徴に対応して6〜25mmの範囲内で設定さ
れる。
【0027】第2実施例の場合は、円筒状部品の素材7
が水平軸Hの周りに回転している状態で、他の水平軸
H’の周りに回転するフライスカッター18が素材7の
内周面に接触して矢印Aの方向に送られることにより、
やはりデュアルコンタリング加工が行われる。送りは中
間フレーム9’がベッド2のガイドレール8’上を移動
することによって与えられる。この場合の被切削箇所は
円筒状部品の素材7の内周面であるが、切削された面は
真円ではなく、本発明の特徴として最終的に僅かに多角
形の形状が残るようにする。なお、フライスカッター1
8の切れ刃円弧長さLを6mmに近づくように出来るだ
け小さくすることによって、切削面を真円に近づけるこ
とが可能であるが、更に真円に近づけるために、静止刃
具を使用してシングルポイント加工を行うこともでき
る。しかし、この場合でも真円になるまで切削すること
はなく、真円に近い多角形の形状を残す。従って、シン
グルポイント加工によって発生する切り屑も鱗状の断片
となり、連続切り屑が発生することはないので、第1実
施例の場合と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施し得るデュアルコンタリン
グ加工装置の第1実施例を示す側面図である。
【図2】(a)は第1実施例の要部を拡大して示す側面
断面図、(b)は更にその一部を拡大して示す側面図で
ある。
【図3】フライスカッターの一部を示す正面図である。
【図4】本発明の方法による切削加工の初期段階を示す
正面断面図である。
【図5】本発明の方法による切削加工の最終段階を示す
正面断面図である。
【図6】多刃回転刃物の切れ刃円弧長さとうねりの高さ
との関係を示す線図である。
【図7】シングルポイント加工を追加する場合に行われ
る本発明方法の追加的な特徴を模式的に示す正面断面図
である。
【図8】本発明の方法を実施し得るデュアルコンタリン
グ加工装置の第2実施例を示す側面図である。
【図9】(a)は第2実施例の要部を拡大して示す側面
断面図、(b)は更にその一部を拡大して示す正面図で
ある。
【符号の説明】
1…デュアルコンタリング加工装置(第1実施例) 5…主軸台 6…チャック 7…円筒状部品の素材 7’…製品 7a…平坦部 7b…円弧部 8…左右方向のガイドレール 14…刃軸台 15…モータ 17…刃物軸 18…フライスカッター 19…静止刃具 19a…切れ刃 20…鱗状の切り屑 21…デュアルコンタリング加工装置(第2実施例)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状部品の素材を該素材の中心軸線の
    周りに回転させるのと同時に、多数の切れ刃を有するフ
    ライスカッターを回転させて前記素材の表層部分に接触
    させることにより、前記素材の外周面及び内周面のうち
    の少なくとも一方を切削加工すると共に分断された鱗状
    の切り屑を発生させる際に、前記フライスカッターとし
    て、前記多数の切れ刃が全て同じ高さを有し、共通の外
    周円上に均等に配置されていると共に、隣接する切れ刃
    の円弧長さが全て6〜25mmの範囲内の実質的に一定
    の値となっているものを使用し、更に、前記円筒状部品
    の素材の外周面又は内周面に切削面として形成される円
    形に近い多角形の形状が残っている状態で加工を終了し
    て製品を得ることを特徴とする、円筒状部品のデュアル
    コンタリング加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記加工方法によっ
    て得られた前記製品に対する追加の仕上げ加工として、
    多角形形状の前記切削面に対して更に静止刃具を接触さ
    せて切削することによりシングルポイント加工を行う場
    合に、切削面が完全な円筒面になる前の多角形の形状が
    残っている状態で加工を終了して最終的な製品を得るこ
    とにより、工程の最後まで分断された鱗状の切り屑を発
    生させることを特徴とする、円筒状部品のデュアルコン
    タリング加工方法。
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