JP2010069554A - 複合工具、工作機械および加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中心軸を有する工具本体41と、工具本体41の外周に設けられた粗加工用刃45および仕上加工用刃46とを備える複合工具40。粗加工用刃45は、工具本体の外周に少なくとも1個設けられ、かつ、この粗加工用刃45の先端は、工具本体の中心軸からこの中心軸に対して直交する方向へ所定距離離れて位置される。仕上加工用刃46は、工具本体の外周に少なくとも1個設けられ、かつ、この仕上加工用刃の先端は、工具本体の中心軸から粗加工用刃の刃先までの距離を半径とする円周よりも内側に位置されている。
【選択図】図2
Description
これは、切削加工装置の主軸等に取付けられて、回転しながら被加工物を切削する回転工具であって、円孔の開口部の周縁に傾斜した面取り部分を形成する面取りナイフと、段付孔の孔内部の平坦面を形成するための平削りナイフとが軸方向にずれて設けられた構成である。
従って、特許文献1の工具を使用すれば、一つの工具により段付部の平坦面の形成と、開口部の周縁のバリ取りとを行うことができる。
次に、複合工具の仕上加工用刃を粗加工された被加工物に接触させた状態のまま、複合工具を回転させることなく、複合工具と被加工物とを相対移動させると、仕上加工用刃によって被加工物が平削りされる。このとき、複合工具は回転していないので、粗加工用刃は被加工物に接することがないから、仕上加工用刃によって被加工物が仕上加工される。
従って、工具交換を行うことなく、粗加工から仕上加工を1つの工具によって加工できるから、作業効率を向上させることができる。
この構成によれば、粗加工用刃および仕上加工用刃が中心軸に対して直交する同一平面上に配置されているから、たとえば、加工部位が軸の外周面の場合であって、軸の根本部分が他の部分に連続して形成されている形状などでも、軸の外周面を粗加工および仕上げ加工することができる。つまり、加工部位形状によって制約を受けにくい。
また、仕上加工用刃は、これに隣接する粗加工用刃に対して中心軸を中心として30度間隔以上離れて配置されているから、仕上加工に際して、仕上加工用刃を被加工物に接触させた際に、粗加工用刃が被加工物に接触するのを極力避けることができる。
この構成によれば、粗加工用刃および仕上加工用刃が、工具本体の刃装着部に対して着脱可能に装着されているので、これら粗加工用刃や仕上加工用刃の刃先が破損あるいは摩耗した場合でも、新たな粗加工用刃や仕上加工用刃に交換しやすい。
この構成によれば、制御装置によって、駆動手段および制御軸を駆動制御すると、主軸に装着された複合工具によって、被加工物に対する粗加工から仕上加工までを連続して実行することができる。そのため、より効率的な加工を実現できる。
この構成によれば、被加工物を載置したテーブルと主軸とを三次元方向へ移動可能な三次元移動機構が構成されるとともに、被加工物を主軸の軸線と平行な軸を中心として回転させる回転テーブルも含んでいるから、複雑な形状に被加工物を加工することができる。例えば、軸部の外周に溝条や突条などを加工することもできる。
この構成によれば、さらに、被加工物と主軸とのいずれか一方を他方に対して傾斜させる傾斜機構を備えているから、軸部の外周に螺旋溝条や螺旋突条なども加工することができる。
この構成によれば、上述した複合工具で述べて効果を同様な効果が期待できる
(工作機械本体の説明)
図1は、本発明の工作機械の実施形態を示す正面図である。
同工作機械は、工作機械本体10と、この工作機械本体10を加工プログラムに従って駆動制御する制御装置30と、工作機械本体10に取り付けられワーク(被加工物)Wを加工する複合工具40とを備える。
工具収納装置25には、異なる複数種の工具が収納されている。ATC(自動工具交換装置)26は、工具収納装置25と主軸18との間で工具交換を行う。例えば、Y軸移動機構21およびZ軸移動機構23の駆動により、主軸18が図1中左端に接近移動された状態において、使用中の工具と工具収納装置25内の工具とを自動交換する。
制御装置30は、駆動手段19およびX軸移動機構21、Y軸移動機構22、Z軸移動機構23を、予め設定された加工プログラムに従って駆動制御する。
図2は複合工具40の斜視図、図3は複合工具40の平面図である。
複合工具40は、中心軸を有する工具本体41と、この工具本体41に外周に設けられた粗加工用刃45および仕上加工用刃46とを備える。
工具本体41は、工作機械の主軸18に装着される主軸装着部としてのテーパシャンク部42と、このテーパシャンク部42の下端に一体的に形成されテーパシャンク部42を中心とした円盤状に形成された刃装着部43とを備える。刃装着部43に対して、粗加工用刃45および仕上加工用刃46が着脱可能に装着されている。つまり、刃装着部43に対して、粗加工用刃45および仕上加工用刃46が数本のボルト44などによって着脱可能に装着されている。
仕上加工用刃46も、粗加工用刃45と同様に、工具本体41の刃装着部43の外周に装着される刃本体部46Aと、この刃本体部46Aの先端に固着された刃先部46Bとを有する。刃先部46Bは、先端(刃先)が、工具本体41の中心軸から粗加工用刃45の刃先までの距離rを半径とする円周よりも内側に位置されているとともに、図4(B)に示すように、粗加工用刃45の刃先部45Bの輪郭形状よりも僅かに大きい台形形状に形成されている。つまり、粗加工用刃45の刃先部45Bの輪郭形状よりも仕上げ加工代分αだけ大きい台形形状に形成されている。
ワーク加工例1は、ワークWの側面を切削加工する場合である。この加工では、粗加工(粗加工工程)を行ったのち、仕上加工(仕上加工工程)を行う。
粗加工工程では、図5に示すように、主軸18の回転により、複合工具40を工具本体41の中心軸を中心として回転させるとともに、粗加工用刃45がワークWに対して所定の切込量になった状態において、複合工具40とワークWとを相対移動させる。ここでは、主軸18をX軸方向へ移動させる。すると、粗加工用刃45によってワークWが粗加工される。このとき、仕上加工用刃46の先端は、工具本体41の中心軸から粗加工用刃45の刃先までの距離rを半径とする円周よりも内側に位置されているから、複合工具40を回転させて粗加工を行っても、仕上加工用刃46はワークWに接することがない。
仕上加工用刃46をワークWに対して接触させた状態のまま、複合工具40を回転させることなく、複合工具40とワークWとを相対移動させる。ここでは、複合工具40を回転させることなく、主軸18をX軸方向へ移動させる。すると、仕上加工用刃46によってワークWが平削りされる。このとき、複合工具40は回転していないので、粗加工用刃45はワークWに接することがないから、仕上加工用刃46によってワークWが仕上加工される。
従って、工具交換を行うことなく、粗加工から仕上加工を1つの複合工具40によって加工できるから、作業効率を向上させることができる。
ワーク加工例2は、円柱状ワークWの周面に螺旋溝条を切削加工する場合である。この加工では、まず、図7に示すように、ワークWの外周に加工しようとする螺旋溝条51の傾斜角分、主軸18がZ軸に対して傾くように、旋回サドル16を旋回させる。この状態において、ワークWの外周に螺旋溝条51を粗加工(粗加工工程)したのち、仕上加工(仕上加工工程)を行う。
すると、粗加工用刃45によってワークWの外周に螺旋溝条51が粗加工される。このとき、回転テーブル24が主軸18の回転方向に対して逆方向へ回転しているから、バリの発生を抑えることができる。また、仕上加工用刃46の先端は、工具本体41の中心軸から粗加工用刃の刃先までの距離rを半径とする円周よりも内側に位置されているから、複合工具40を回転させて粗加工を行っても、仕上加工用刃46はワークWに接することがない。
仕上加工用刃46をワークWに対して接触させた状態のまま、制御装置30からの指令により、複合工具40を回転させることなく、回転テーブル24を回転(粗加工時の回転方向とは逆方向へ回転)させるとともに、ラム17をZ軸方向へ移動させる。すると、仕上加工用刃46によってワークWの外周に粗加工された螺旋溝条51が仕上加工される。このとき、複合工具40は回転していないので、粗加工用刃45はワークWに接することがないから、仕上加工用刃46によってワークWが仕上加工される。
この加工例2でも、工具交換を行うことなく、粗加工から仕上加工を1つの複合工具40によって加工できるから、作業効率を向上させることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
前記実施形態では、4本の粗加工用刃45および2本の仕上加工用刃46の切刃面が、全て同じ回転方向に向いて配置された例を示したが、これに限られない。例えば、図10に示すように、前記実施形態とは逆に、時計回転方向に切刃面が向くように、4本の粗加工用刃45を配置してもよく、また、2本の仕上加工用刃46の切刃面も、4本の粗加工用刃45の切刃面に対して逆向きであってもよい。
そのため、仕上加工用刃46と、これに隣接する粗加工用刃45との配置角度についても、60°離れて配置されている構成に限られない。仕上加工用刃46がワークWに接した状態において、粗加工用刃45がワークWに接触しない角度であればよく、例えば、30°以上であればよい。
図11(A)に示す仕上加工用刃46は、粗加工用刃45の刃先部45Bの上側輪郭形状に対してのみ僅かに大きい形状に形成されている。図11(B)に示す仕上加工用刃46は、粗加工用刃45の刃先部45Bの下側輪郭形状に対してのみ僅かに大きい形状に形成されている。従って、これらの場合、例えば、溝条の片側面の仕上げ加工に利用できる。
図11(C)に示す仕上加工用刃46は、粗加工用刃45の刃先部45Bの先端輪郭形状に対してのみ僅かに大きい形状に形成されている。従って、この場合には、例えば、溝条の底面の仕上げ加工に利用できる。
12…テーブル、
16…旋回サドル(傾斜機構)、
18…主軸、
19…駆動機構、
21…X軸移動機構(制御軸)、
22…Y軸移動機構(制御軸)、
23…Z軸移動機構(制御軸)、
24…回転テーブル、
30…制御装置、
40…複合工具、
41…工具本体、
42…テーパシャンク部(主軸装着部)、
43…刃装着部、
45…粗加工用刃、
46…仕上加工用刃、
W…ワーク。
Claims (7)
- 中心軸を有する工具本体と、前記工具本体の外周に設けられた粗加工用刃および仕上加工用刃とを備え、
前記粗加工用刃は、前記工具本体の外周に少なくとも1個設けられ、かつ、この粗加工用刃の先端は、前記工具本体の中心軸からこの中心軸に対して直交する方向へ所定距離離れて位置され、
前記仕上加工用刃は、前記工具本体の外周に少なくとも1個設けられ、かつ、この仕上加工用刃の先端は、前記工具本体の中心軸から前記粗加工用刃の刃先までの距離を半径とする円周よりも内側に位置されている、ことを特徴とする複合工具。 - 請求項1に記載の複合工具において、
前記粗加工用刃および仕上加工用刃は、前記中心軸に対して直交する1つの平面内に配置され、
前記仕上加工用刃は、これに隣接する前記粗加工用刃に対して前記中心軸を中心として30度間隔以上離れて配置されている、ことを特徴とする複合工具。 - 請求項1または請求項2に記載の複合工具において、
前記工具本体は、工作機械の主軸に装着される主軸装着部と、この主軸装着部に一体的に形成され主軸装着部を中心として円盤状に形成された刃装着部とを備え、
前記粗加工用刃および仕上加工用刃は、前記刃装着部に対して着脱可能に装着されている、ことを特徴とする複合工具。 - 主軸、この主軸を回転駆動させる駆動手段、および、前記主軸と被加工物とを相対移動させる少なくとも1つの制御軸とを備えた工作機械本体と、
前記駆動手段および制御軸を加工プログラムに従って駆動制御する制御装置と、
前記主軸に装着される複合工具とを備え、
前記複合工具は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の複合工具が用いられている、ことを特徴とする工作機械。 - 請求項4に記載の工作機械において、
前記制御軸は、前記被加工物を載置したテーブルと前記主軸とをX軸方向へ相対移動させるX軸移動機構と、前記被加工物を載置したテーブルと前記主軸方向とを前記X軸に直交するY軸方向へ相対移動させるY軸移動機構と、前記被加工物を載置したテーブルと前記主軸と前記X軸方向および前記Y軸方向に直交するZ軸方向へ相対移動させるZ軸移動機構とを含んで構成され、
前記テーブルは、前記被加工物を前記主軸の軸線と平行な軸と中心として回転させる回転テーブルを含んで構成されている、ことを特徴とする工作機械。 - 請求項5に記載の工作機械において、
前記被加工物と前記主軸とのいずれか一方を他方に対して傾斜させる傾斜機構を備えている、ことを特徴とする工作機械。 - 請求項1〜請求項3いずれかに記載の複合工具を用いて、被加工物を加工する加工方法において、
前記複合工具を前記工具本体の中心軸を中心として回転させるとともに、前記複合工具と被加工物とを相対移動させながら、前記粗加工用刃によって被加工物を粗加工する粗加工工程と、
前記複合工具の仕上加工用刃を前記被加工物に接触させた状態のまま、前記複合工具を回転させることなく、前記複合工具と被加工物とを相対移動させながら、前記仕上加工用刃によって被加工物を仕上加工する仕上加工工程と、を備えることを特徴とする加工方法。
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JP2008237722A JP2010069554A (ja) | 2008-09-17 | 2008-09-17 | 複合工具、工作機械および加工方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2008
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