JPH1097815A - ビスマス系酸化物多芯超電導線およびその製造方法 - Google Patents

ビスマス系酸化物多芯超電導線およびその製造方法

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JPH1097815A
JPH1097815A JP8250490A JP25049096A JPH1097815A JP H1097815 A JPH1097815 A JP H1097815A JP 8250490 A JP8250490 A JP 8250490A JP 25049096 A JP25049096 A JP 25049096A JP H1097815 A JPH1097815 A JP H1097815A
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shaped
bismuth
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文夫 住吉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輸送電流損失が低くかつ高い臨界電流密度を
有するビスマス系酸化物多芯超電導線を提供する。 【解決手段】 パウダー・イン・チューブ法によって得
られるテープ状線20を芯材23に巻き付ける。得られ
た線材に縮径加工または圧延加工を施した後、ビスマス
系酸化物超電導体を焼結するための熱処理を施し、丸線
30またはテープ状線40を得る。これらの線材におい
て、ビスマス系酸化物超電導体からなるフィラメント3
1および41は、銀または銀合金からなる安定化マトリ
ックス32および42中に埋込まれている。フィラメン
ト31および41は、線材30および40の長手方向に
螺旋状に配置される。これらのフィラメントはリボン形
状であり、高い結晶配向性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超電導ケーブル、
超電導発電機、超電導変圧器、超電導マグネット、超電
導限流器等を構成するために用いられるビスマス系酸化
物多芯超電導線およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビスマス系酸化物超電導体については、
いわゆるパウダー・イン・チューブ法によって線材が精
力的に開発されてきた。この製造プロセスでは、超電導
体を構成する元素の酸化物および炭酸塩を混合し、焼結
した後、粉砕して得られた粉末を銀または銀合金のパイ
プ中に充填する。粉末が充填されたパイプに伸線加工を
施して線材を得る。多芯線を製造する場合、得られた線
材を複数本銀または銀合金パイプに詰め、これに伸線加
工および圧延加工を施す。圧延加工の後得られたテープ
状線材に焼結のための熱処理を施す。このような塑性加
工と焼結の組合せにより、高い臨界電流密度(Jc)を
有するテープ状の多芯線が得られるようになってきた。
【0003】上記プロセスによって得られたビスマス系
酸化物多芯超電導テープ線の大きな問題点は、輸送電流
の変動が自己磁界の変動をもたらし、単芯線と同じ程度
に大きな輸送電流損失を発生させることである。NbT
i超電導線の場合、それが主として変動横磁界下で使わ
れることが多かったので、変動横磁界下での結合損失を
小さくするために、線材において超電導体はツイストさ
れている。しかしながら、硬くかつ脆い酸化物超電導体
自体に直接ツイスト加工を施すことは実質的に不可能で
ある。特開平7−105753号公報は、酸化物超電導
体にツイスト構造を付与するための新たな技術を開示す
る。同公報は、図10に示すようなプロセスによって酸
化物超電導体にツイスト構造を付与する。まず図10
(a)に示すように、ビスマス系酸化物超電導体の原料
粉末が充填された銀パイプに伸線加工を施して得られた
線材104を複数本銀パイプ105中に充填する。線材
が充填された銀パイプに伸線加工を施して図10(b)
に示すような多芯線を得る。得られた多芯線に図10
(c)に示すように捩り加工を施す。この工程において
フィラメントは捩られた構造を有するようになる。次い
で、捩られた線材に圧延加工を施した後、熱処理を施せ
ば図11に示すようなテープ状線材が得られる。テープ
状線材において酸化物超電導体からなる複数のフィラメ
ント101は、安定化マトリックス102中において螺
旋状に捩られている。テープ状線材の断面において、各
フィラメント101は、テープの主要面にほぼ平行に配
置されている。
【0004】上述した従来のプロセスにおいて、ツイス
ト工程の後に得られる丸線では、酸化物超電導体の結晶
の配向性はそれほど高くなく、臨界電流密度はそれほど
高くない。また、ツイスト加工される丸線に発生する捩
れストレスは、線の中心付近と表面に近い部分とで異な
るため、線材に分布するフィラメントの形状が不均一に
なりやすい。その結果、図12に示すように、得られた
テープ状線材においてフィラメント同士のブリッジング
が起きやすい。このようなブリッジングは、履歴損失を
小さくするための多芯化の効果を低下させるようにな
る。ツイストのピッチをより小さくしようとすると、こ
れらの問題はより顕著になるであろう。さらに、外部磁
界効果が期待できない場合、単純に線材をツイストした
だけでは輸送電流損失を下げることができないという問
題点も存在している。
【0005】一方、上述したテープ状線材を多数本束ね
て大電流を輸送するためのケーブル用導体を構成するこ
とができる。この導体において、複数のテープ状超電導
線が円筒形の芯材上に螺旋状に巻き付けられる。テープ
状超電導線の超電導特性を劣化させることなく芯材に巻
き付ける必要があるため、螺旋状に巻かれるテープ状線
材の曲げ歪み率および螺旋のピッチは所定の範囲とされ
る。その範囲を超えて螺旋のピッチを小さくしようとす
れば、テープ状超電導線におけるフィラメントは破壊さ
れ、超電導特性は劣化する。この場合、芯材に巻き付け
られるテープ状超電導線自体において超電導フィラメン
トがツイストされ、その結果電流がフィラメントに均一
に流れていれば、線材自体の輸送電流損失を低く抑える
ことができ、したがってケーブル用導体において芯材に
巻き付ける線材のピッチをそれほど短くしなくても済
む。また、複数の線材を集合して導体を構成することに
より新たな損失が発生して加わることはあっても、元の
線材の輸送電流損失を下げることはできない。よって、
導体において総合的に低損失を実現するためには、線材
そのものの輸送電流損失を小さくしておくことが望まし
い。したがって、ケーブル用導体のためにも、ツイスト
され、転位の効果をもつフィラメントを有しかつJcの
高い線材が望まれる。
【0006】線材の輸送電流損失は、外部磁界効果が期
待できる場合を除いて、ツイストの大小に関係なく発生
することが知られている。このような輸送電流損失を低
減するためには、輸送電流の分布が局在から一様になる
ようフィラメントを転位させる必要がある。外部磁界効
果が期待できない場合、この転位の効果は、単純なツイ
ストでは得られない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、輸送
電流損失が低く、かつ臨界電流密度が高いビスマス系酸
化物多芯超電導線を提供することである。
【0008】本発明のさらなる目的は、フィラメントが
螺旋状の形状を有する酸化物超電導線について、フィラ
メントを構成する結晶の配向性を高め、それにより臨界
電流密度を向上させることのできる製造プロセスを提供
することである。
【0009】本発明のさらなる目的は、螺旋状に巻かれ
た酸化物超電導フィラメントについて、ツイストピッチ
を小さくしてもフィラメント間のブリッジングがほとん
どない多芯超電導線を提供することである。
【0010】本発明のさらなる目的は、螺旋状に巻かれ
た酸化物超電導フィラメントについて、層数、ピッチ、
巻き方向等を所望の条件に設定することができ、それに
よってフィラメント相互が転位されたと同等な効果を有
し、その結果輸送電流損失が著しく低減できる線材を提
供することである。
【0011】本発明のさらなる目的は、フィラメント間
の電気的な抵抗を高くすることができ、その結果、結合
損失が小さい酸化物多芯超電導線を提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの局面に従
って、ビスマス系酸化物超電導体からなる複数のフィラ
メントを備える多芯超電導線が提供される。本発明の多
芯超電導線は、フィラメントの存在しない中心部と、中
心部の周囲に中心部と接して設けられた、連続する安定
化マトリックス層と、連続する安定化マトリックス層中
に埋込まれた、ビスマス系酸化物超電導体からなる複数
のフィラメントとを備える。多芯超電導線において、中
心部は、空洞であるかまたは安定化マトリックス層と一
体不可分に設けられた部分である。複数のフィラメント
は、リボン形状であり、かつ中心部のまわりに互いにほ
ぼ並行して螺旋状に配置されている。さらに複数のフィ
ラメントは、多芯超電導線の長手方向に垂直な断面にお
いて、中心部を取り巻くよう環状に配置されている。
【0013】本発明のもう1つの局面に従う多芯超電導
線は、フィラメントの存在しない中心部と、中心部の周
囲に中心部に接して設けられた、連続する第1の安定化
マトリックス層と、第1の安定化マトリックス層中に埋
込まれた、ビスマス系酸化物超電導体からなる複数の第
1フィラメントと、第1の安定化マトリックス層の周囲
に設けられた、連続する第2の安定化マトリックス層
と、第2の安定化マトリックス層中に埋込まれた、ビス
マス系酸化物超電導体からなる複数の第2フィラメント
とを備える。この線材において、中心部は、空洞である
かまたは第1の安定化マトリックス層と一体不可分に設
けられた部分である。第2の安定化マトリックス層は、
第1の安定化マトリックス層から不可分に設けられる。
複数の第1および第2フィラメントは、リボン形状であ
り、かつ中心部のまわりに螺旋状に配置されている。複
数の第1フィラメントは第1の安定化マトリックス層中
において互いにほぼ並行して配置される。複数の第2フ
ィラメントは、第2安定化マトリックス層中において互
いにほぼ並行して配置される。第1フィラメントにおけ
る螺旋のピッチおよび/または巻き方向は、第2フィラ
メントにおける螺旋のピッチおよび/または巻き方向と
異なっている。このように本発明において、フィラメン
トの螺旋のピッチおよび/または巻き方向を、中心部の
まわりに設けられる層ごとに変えていくことができる。
本発明のこの局面は、螺旋のピッチおよび/または巻き
方向の異なるフィラメントが少なくとも2層で存在する
ことを意図するもので、その層数は2層に何ら限定され
るものではない。必要に応じて2以上の任意の層数を用
いることができる。
【0014】中心部のまわりに設けられた第1の安定化
マトリックス層と第2の安定化マトリックス層との間に
は、安定化マトリックスよりも電気抵抗の高い層または
電気絶縁層を設けることができる。この層により、線材
に発生する結合損失を低減することができる。
【0015】本発明に従う多芯超電導線は丸線またはテ
ープ状線の形態とすることが好ましい。丸線の場合、複
数のフィラメントは、多芯超電導線の長手方向に垂直な
断面において、中心部を取り巻くよう円環状に配置され
る。テープ状線においても、複数のフィラメントは超電
導線の長手方向に垂直な断面において環状に配置され
る。
【0016】本発明のさらなる局面に従ってビスマス系
酸化物超電導体からなる複数のフィラメントを備える多
芯超電導線の製造方法が提供される。この製造方法で
は、まず、ビスマス系酸化物超電導体またはその原料か
らなる複数のリボン形状のフィラメントと、フィラメン
トを覆う安定化マトリックスとを備えるテープ状線材を
与える。次いで、1本または複数本のテープ状線材を長
尺材料上に螺旋状に巻き付け、かつテープ状線材の螺旋
形状を固定する。螺旋状に固定されたテープ状線材に、
塑性加工を施す。塑性加工では、螺旋の直径を小さくす
るかまたは螺旋をその長手方向とほぼ垂直な方向に押し
潰すよう加工を行なって丸線またはテープ状線材を得
る。得られた丸線またはテープ状線にビスマス系酸化物
超電導体の焼結のため熱処理を施す。
【0017】1本または複数本のテープ状線材を長尺材
料上に螺旋状に巻き付ける工程において、テープ状線材
を長尺材料上に螺旋状に巻き付けて第1の層を形成した
後、第1の層上に1本または複数本のテープ状線材を螺
旋状に巻き付けて第2の層を形成することができる。第
1の層におけるテープ状線材の螺旋のピッチおよび/ま
たは巻き方向は、第2の層におけるテープ状線材の螺旋
のピッチおよび/または巻き方向と異なっていてもよ
い。このように長尺材料上にテープ状線材を層状に巻き
付けていく場合、各層における螺旋のピッチおよび/ま
たは巻き方向を任意にコントロールすることができる。
【0018】長尺材料上にテープ状線材を層状に設けて
いく場合、層と層の間に安定化マトリックスよりも電気
抵抗の高い材料からなる層または電気絶縁層を設けるこ
とができる。すなわち、第1の層上に、高抵抗層または
電気絶縁層を形成した後、その上に第2の層を形成する
ことができる。
【0019】本発明のプロセスに従って、塑性加工によ
り丸線またはテープ状線を得ることができる。塑性加工
は、ロールを用いた加工であることが好ましい。ロール
加工により、フィラメントにおける結晶の配向性を向上
させることができる。
【0020】本発明の製造方法において、長尺材料に巻
き付けるためのテープ状線材は、ほぼ真っ直ぐに延びる
フィラメントを有していることが好ましい。すなわちそ
のような線材において、フィラメントは捩じられておら
ず、かつテープ状線材の長手方向にほぼ平行に配置され
ている。このようなフィラメントを有するテープ状線材
は、フィラメントにおいて優れた結晶配向性をもたら
し、高い臨界電流密度をもたらすことができる。一方、
本発明において、捩じられたフィラメントを有するテー
プ状線材を使用してもよい。そのような場合でも、螺旋
状に固定された線材に塑性加工および熱処理を施すこと
によって、輸送電流損失が低く、臨界電流密度が高い多
芯超電導線を得ることができる。
【0021】また本発明の製造方法において、焼結のた
めの熱処理を施す工程の前に、塑性加工により得られた
丸線にツイスト加工を施してもよい。ツイスト加工され
た線材は、そのまま熱処理工程に供してもよいし、さら
に塑性加工に供してもよい。ツイスト加工された線材に
塑性加工を施すことにより、丸線またはテープ状線を得
ることができる。本発明において、長尺の線材を得るた
めには、長尺材料にテープ状線材を巻き付けて得られる
中間産物のサイズや寸法を大きくしておく必要がある。
中間産物に塑性加工を施して最終的な寸法を有する線材
を得たとき、当初の巻付けピッチは塑性加工の加工率に
応じて長くなる。これを補正するために、塑性加工の後
に得られた丸線にツイスト加工を施し、長くなった螺旋
のピッチを短くすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら本発明に
ついてより詳細に説明する。本発明の多芯超電導線は、
たとえば図1に示すようなプロセスに従って製造するこ
とができる。
【0023】まず、通常のパウダー・イン・チューブ法
に従ってテープ状線材を製造することができる。原料粉
末の調製では、超電導体を構成する元素の酸化物または
炭酸塩の粉末が所定の配合比で混合される。ビスマス系
酸化物超電導体を生成させる場合、2212相または2
223相の超電導相が得られるよう、原料粉末を配合す
ることが望ましい。混合物を焼結した後、焼結物を粉砕
する。このような焼結および粉砕の工程を複数回行なう
ことが望ましい。また、粉末を焼結温度よりも低い温度
で加熱して、脱ガスを行なうことが望ましい。得られた
原料粉末を、安定化材からなるパイプに充填する。安定
化材には、たとえば銀または銀合金が好ましく用いられ
る。粉末が充填されたパイプに伸線加工等の塑性加工が
施される。得られた線材を複数のセグメントに切断し、
それらの所定の本数を安定化材からなるパイプに充填す
ることができる。線材が充填されたパイプに伸線加工等
の塑性加工を施せば、図1(a)に示すような線材が得
られる。線材10において、安定化マトリックス12中
にはビスマス系酸化物超電導体のための原料粉末からな
る部分11が分散されている。得られた線材を圧延加工
すれば、図1(b)に示すようなテープ状線が得られ
る。テープ状線20において、安定化マトリックス22
中には、ビスマス系酸化物超電導体の原料粉末からなる
部分21が分散されている。部分21は、線材20の長
手方向に延びるリボン形状である。また各部分21は、
線材20の長手方向にほぼ平行に配置されている。得ら
れたテープ状線材に熱処理を施した後、次の工程に供し
てもよいし、熱処理を施さずに次の工程に供してもよ
い。
【0024】図1(c)に示すように、テープ状線材2
0を円筒状の芯材23に巻き付ける。図1(c)に示す
場合、巻き付けられた線材の互いに隣り合う部分が接触
するように巻き付けることができる。一方、図2(a)
に示すように、隣り合う部分の間に隙間ができるようテ
ープ状線材を芯材に巻き付けてもよいし、図2(b)に
示すように隣り合う部分が互いに重なるよう芯材にテー
プ状線材を巻き付けてもよい。また、巻き付けるべきテ
ープ状線材は1本であってもよいし、複数本であっても
よい。テープ状線材を巻き付けるための芯材は、図1に
示すような中実の棒であってもよいし、図3に示すよう
なチューブまたはパイプであってもよいし、あるいは中
空の螺旋状テープであってもよい。芯材は、たとえばA
g、Ag−M合金(MはMn、Ni、AuおよびSbか
らなる群から選択される少なくともいずれか)等の金属
から構成することができる。芯材は、銀または銀合金等
の安定化材で構成することもできるし、安定化材以外の
金属で構成することもできる。また芯材として、金属か
らなる中実の棒または中空のパイプもしくは螺旋状テー
プ上に安定化マトリックスよりも高い電気抵抗を有する
層または電気絶縁層を形成したものを用いてもよい。こ
の中空部は最終的に維持されてもよいし、加工工程で意
図的につぶしてもよい。
【0025】芯材に巻き付けるテープ状線のサイズは、
特に限定されるものではないが、たとえば幅が1.0m
m〜10mm、好ましくは2mm〜6mm、厚みが0.
05mm〜1mm、好ましくは0.1mm〜0.4mm
である。このようなサイズを有するテープ状線におい
て、フィラメントの数は、たとえば1000本以下の範
囲、好ましくは数本〜数百本の範囲とすることができ
る。またフィラメントの厚みは、たとえば100μm以
下、好ましくは10μm〜50μmの範囲とすることが
できる。テープ状線材において安定化マトリックスを構
成する銀合金には、たとえばAg−Mn、Ag−Sb、
Ag−Au、Ag−Ni合金等を用いることができる。
合金成分は、酸化物超電導体と反応しない材料から選択
される。テープ状線材を巻き付けるための芯材も銀合金
であることがより好ましい。テープ状線材は、たとえば
テープ幅の10倍以下、好ましくはテープ幅の数倍程度
の範囲のピッチで芯材に巻き付けることができる。本発
明では、より小さいピッチでテープ状線を螺旋状に巻き
付けたとしても、後の塑性加工および焼結処理によって
フィラメントにおける結晶の配向性を向上させることが
できる。本発明の場合、螺旋のピッチは、たとえば用い
られるテープ状線材の幅と同程度まで小さくすることが
できる。また、図2(b)に示すように重ね巻きを行な
うことで、用いられるテープ状線材の幅以下の短い螺旋
ピッチを実現することも可能である。従来技術のように
丸線自体を捩るよりも、本発明に従ってテープ状線材を
螺旋状に芯材に巻き付ければ、複数のフィラメントはき
れいに並び、その形状も揃うようになる。このため、最
終的に得られる線材の超電導特性は向上する。また、本
発明では、各フィラメントにかかるストレスがほぼ均等
であるため、フィラメント同士がつながるいわゆるブリ
ッジングの現象は従来よりも低減される。
【0026】巻かれたテープ状線材の螺旋形状は、たと
えば熱処理によって固定することができる。熱処理によ
り、螺旋の隣り合う部分同士を拡散接合させることがで
きる。また、芯材に融点の低い金属を用いれば、熱処理
により芯材とテープ状線材とを接合させることもでき
る。このような熱処理の温度として、たとえば300〜
600℃の範囲の温度を用いることができる。さらに、
螺旋状に巻かれたテープ状線に金属パイプ等を被せるこ
とによって螺旋形状を固定することもできる。この場
合、一体化のための熱処理を行なわなくともよい。
【0027】螺旋形状が固定されたテープ状線材には、
螺旋の直径を小さくするかまたは螺旋をその長手方向に
ほぼ垂直な方向に押し潰すよう、塑性加工が施される。
このような塑性加工は、テープ状線材を芯材に巻き付け
たまま行なってもよいし、螺旋が固定されたテープ状線
材から芯材を引き抜いた後行なってもよい。芯材を引き
抜きたい場合、熱処理によってテープ状線材と接合しな
い材料を芯材に用いることが好ましい。塑性加工には、
引抜き加工、コンバインドロール加工および溝ロール加
工等のロール加工、圧延加工、スエジング加工等を用い
ることができる。引抜き加工、コンバインドロール加
工、溝ロール加工等により、図1(d)に示すような丸
線を得ることができる。一方、圧延加工により、図1
(e)に示すようなテープ状線を得ることができる。特
に丸線を得たい場合、コンバインドロール加工、溝ロー
ル加工等のロールを用いた加工がより好ましい。この場
合、螺旋状に配置されたテープ状線材において予め配向
していたビスマス系酸化物超電導体の結晶を、破壊する
ことなく、縮径加工を行なうことができる。ロールによ
り、線材に圧縮力を与えれば、フィラメントにおいて結
晶の高い配向性を得ることができる。
【0028】塑性加工の後、ビスマス系酸化物超電導体
の焼結のため、得られた丸線またはテープ状線に熱処理
が施される。熱処理は、たとえば800〜900℃の範
囲、好ましくは830〜860℃の範囲において行なう
ことができる。熱処理時間は、たとえば1000時間以
内、好ましくは50〜200時間の範囲とすることがで
きる。熱処理により、高い結晶配向性を有するビスマス
系酸化物超電導体の焼結体が得られる。塑性加工および
熱処理は、必要に応じて複数回繰返してもよい。また、
伸線加工、ロール加工等により丸線を得た後、圧延加工
を行なってテープ状線材を形成してもよい。図1(d)
および(e)に示すように、得られた丸線30およびテ
ープ状線40において、ビスマス系酸化物超電導体から
なる複数のフィラメント31および41は、安定化マト
リックス32および42中に埋込まれている。いずれの
場合も、フィラメントはリボン形状であり、線材の長手
方向に沿って螺旋状に巻かれている。
【0029】本発明に従う製造プロセスのもう1つの具
体例を図4に示す。まず、上述と同様の工程により原料
粉末を安定化マトリックスからなるパイプに充填した
後、伸線加工を行ない、得られた線材を複数本安定化マ
トリックスからなるパイプに充填して伸線加工を行なえ
ば、図4(a)に示すような線材を得ることができる。
線材110において、原料粉末からなる複数の部分11
1は安定化マトリックス112中に所定のパターンで配
置されている。線材110に圧延加工を施せば、図4
(b)に示すようなテープ状線が得られる。テープ状線
120において安定化マトリックス122中に埋込まれ
た原料粉末からなる部分121はリボン形状であり、線
材120の長手方向に沿って延びている。
【0030】図4(c)に示すように、得られた線材1
20は、芯材123上に巻き付けられる。そして、図4
(d)に示すように、さらにその上にテープ状線材12
0′を巻き付ける。このようにして、芯材123上に2
層以上テープ状線材を巻き付けていく。層の数は任意で
あり、さらに1層の中で巻き付けられるテープ状線材は
1本であっても複数本であってもよい。テープ状線材を
多層巻きする場合、諸元の異なるテープ状線材を用いた
り、巻きピッチおよび/または巻き方向を層ごとに変え
ることができる。臨界電流および損失の観点から、各層
の材質、フィラメントの数、ならびに各層の巻きピッチ
および巻き方向の最適条件を求めることができる。この
ように、テープ状線を重ね巻きすることで、臨界電流や
損失等の点からより好ましい線材を設計することが可能
になる。たとえば、図5に示すように、芯材53上にテ
ープ状線を4層で巻き付けることができる。この場合、
図5(a)に示すように、第1層61における巻き方向
と第2層62における巻き方向とを逆にすることができ
る。また、第3層63の巻き方向を第1層61の巻き方
向と同じにし、第4層64の巻き方向を第2層62の巻
き方向と同じにすることができる。したがって、第3層
63の巻き方向は第4層64の巻き方向と逆である。さ
らに、第3層63および第4層64における巻きピッチ
は、第1層61および第2層62における巻きピッチよ
りも小さくすることができる。一方、図5(b)に示す
ように、巻き方向は図5(a)と同様にして、巻きピッ
チを図5(a)の場合と逆の態様とすることもできる。
この場合、第1層61′および第2層62′における巻
きピッチの方が、第3層63′および第4層64′にお
ける巻きピッチよりも短い。図に示すような配置によ
り、フィラメントの転位を積極的に行なうことができ
る。また、巻きピッチを変えることで、各フィラメント
が等価的に転位されている状態を得ることができ、さら
に交流損失の低減を図ることができる。なお、芯材に層
状にテープ状線材を巻きつける場合、フィラメント数が
比較的少なく、かつ薄いテープ状線材を用いることが好
ましい。
【0031】上述したようにテープ線を層状に巻き付け
ると、最終的に得られる線材の結合損失が増大する可能
性がある。さらに、線材の巻き方向を逆にすることによ
りこの損失は増大する。そこで、層の間に高抵抗層また
は電気絶縁層を設けることが好ましい。たとえば、芯材
上に巻かれたテープ線上に高抵抗層または絶縁層を形成
した後、その上にテープ状線材を巻き付けることができ
る。これらの層は、高抵抗金属等の高抵抗材料からなる
テープまたは絶縁テープ等を巻き付けることにより形成
することができる。また、高抵抗材料または絶縁材料を
テープ状線材にコーティングしてもよい。高抵抗の材料
として、Ag−Au、Ag−Mn等の銀合金、Ta、N
b、V等の高融点金属等を用いることができる。絶縁材
料としては、アルミナ、シリカ、マイラ等を用いること
ができる。高抵抗層または絶縁層を形成する材料は、焼
結のための熱処理において耐えるものが望ましい。この
ような層を設けることにより層間に発生する結合損失を
低減し、臨界電流密度の低下を抑制することができる。
さらに、芯材に導電率の高い金属を用いる場合、芯材と
テープ状線の間にも高抵抗層または絶縁層を設けること
が好ましい。
【0032】螺旋状に巻き付けられたテープ状線は熱処
理または金属パイプ等を被せることにより固定すること
ができる。螺旋形状が固定されたテープ状線には、螺旋
の直径を小さくするかまたは螺旋をその長手方向にほぼ
垂直な方向に押し潰すよう、塑性加工が施される。塑性
加工には、伸線加工、ロール加工、圧延加工等がある。
上述したように、ロールを用いる加工は、結晶の高い配
向性を維持する上で好ましい。塑性加工により、丸線ま
たはテープ状線を得ることができる。得られた線材に、
ビスマス系酸化物超電導体の焼結のための熱処理を施せ
ば、多芯超電導線を得ることができる。熱処理の温度範
囲は、上述したとおりである。図4(d)に示す工程の
後さらにテープ状線材を巻き付け4つの層を形成した線
材について塑性加工および熱処理を施して得られた多芯
超電導線を図4(e)および(f)に示す。図4(e)
に示す線材130は、伸線加工、ロール加工等の後得ら
れた丸線である。線材130において、安定化マトリッ
クス132中に多数のビスマス系酸化物超電導フィラメ
ント131が配置されている。図4(f)に示すテープ
状線材140は、たとえば圧延加工の後に得られたもの
である。線材140においても、安定化マトリックス1
42中に多数のフィラメント141が分配されている。
【0033】図6および図7は、上述したプロセスによ
り製造される多芯超電導線の具体例を示している。図6
に示す丸線60において、中心部63のまわりには安定
化マトリックスからなる層62が一体不可分に設けられ
ている。安定化マトリックス62中には、ビスマス系酸
化物超電導体からなるフィラメント61が埋込まれてい
る。各フィラメント61は、リボン形状であり、かつ中
心部63のまわりに互いにほぼ並行して螺旋状に配置さ
れている。丸線60の長手方向に垂直な断面において、
多数のフィラメント61は、円環状に配置される。中心
部63は、安定化金属から構成されてもよいし、その他
の金属材料から構成されてもよい。このように、中心部
のまわりにリボン形状のフィラメントを螺旋状に配置し
た構造では、フィラメントが平行してきれいに並び、フ
ィラメント同士のブリッジングは抑制される。このよう
な螺旋状に配置されたフィラメントを有する線材につい
て、もしすべてのフィラメントの配置が、ピッチや方向
などを変えずに一様にツイストされている条件と等価な
場合、すなわちNbTiなどの金属系多芯超電導線のよ
うにすべてのフィラメントのツイストピッチや方向が等
しい場合においては、変動横磁界の印加によって電流分
布が一様化されるという「外部磁界効果」が期待でき
る。このような構造の線材において輸送電流損失は小さ
くなる。一方、フィラメントの配置を変えて等価的に転
位されているようにすれば、外部磁界効果がなくとも自
己磁界による輸送電流損失は小さくなる。本発明では、
螺旋のピッチおよび/または巻き方向の異なるフィラメ
ントを配置することができ、それによって外部磁界効果
がなくとも輸送電流損失を小さくすることができる。ま
た、すべてのフィラメントは、結晶の配向性に優れたリ
ボン形状を有している。このような形状のフィラメント
は、長手方向にわたってほぼ均一な超電導相を有し、超
電導相のc軸は、リボンの厚み方向にほぼ平行に配向す
ることができる。さらに、フィラメントにおける結晶粒
は、リボンの長手方向に延びるフレーク状であり、結晶
粒同士は強く結合している。フレーク状の結晶粒は、リ
ボンの厚み方向に積層される。配向性に優れた結晶構造
を有するフィラメントは、線材に高い臨界電流密度をも
たらす。
【0034】図7は、上述したプロセスによって得られ
るテープ状線材の一具体例を示している。テープ状多芯
超電導線70において、中心部73のまわりには、安定
化マトリックス層72が一体不可分に設けられる。中心
部73は、安定化金属から構成してもよいし、その他の
金属から構成することもできる。安定化マトリックス層
72中に、リボン形状のフィラメント71が埋込まれて
いる。フィラメント71は、中心部73のまわりに互い
にほぼ並行して螺旋状に配置される。多芯超電導線70
の長手方向に垂直な断面において、複数のフィラメント
71は中心部73を取り巻くよう環状に配置される。こ
の構造においても、フィラメント71は並行してきれい
に並び、フィラメント同士のブリッジングは抑制され
る。リボン形状のフィラメント71は、上述したような
優れた結晶配向性を有し、高い臨界電流密度をもたら
す。
【0035】図6および7に示す線材では、中心部が詰
まっていたが、図8に示すように、中心部が空洞であ
る、パイプ状またはチューブ状の超電導線材を提供する
こともできる。このような線材は、より優れた可撓性を
有する。図8(a)に示す丸線80では、空洞の中心部
83のまわりに、安定化マトリックス層82が設けられ
る。安定化マトリックス82中に、リボン形状のフィラ
メント81が複数配置される。フィラメント81は、中
心部83のまわりに螺旋状に配置される。図8(b)に
示すテープ状線80′においても、空洞の中心部83′
のまわりに安定化マトリックス層82′が設けられる。
安定化マトリックス層82′中には、リボン形状のフィ
ラメント81′が複数埋込まれている。フィラメント8
1′は、中心部83′を取り囲むように螺旋状に配置さ
れる。
【0036】また、安定化マトリックス層は、高抵抗層
または電気絶縁層によって分割することができる。図9
は、高抵抗層または絶縁層を有する線材の一具体例を示
す。図9(a)に示すように、芯材93のまわりには、
高抵抗材料または絶縁材料からなる層95が形成され、
そのまわりに第1安定化マトリックス層92aが設けら
れている。第1安定化マトリックス層92aは、高抵抗
材料または絶縁材料からなる層96によって覆われてい
る。その上にさらに第2安定化マトリックス層92bが
設けられている。第1および第2安定化マトリックス層
92aおよび92b中には、それぞれ、ビスマス系酸化
物超電導体からなるフィラメント91aおよび91bが
埋込まれている。それぞれの層におけるフィラメントの
数、螺旋ピッチ、螺旋の巻き方向等は、任意に設定され
る。本発明に従って、それぞれの層におけるフィラメン
トの数、螺旋のピッチおよび螺旋の巻き方向の少なくと
もいずれかが異なっている線材を提供することができ
る。図9(b)に示すテープ状線材でも、中心部93′
のまわりに高抵抗材料または絶縁材料からなる層95′
が設けられる。2つの安定化マトリックス層92′aと
92′bとの間にも、高抵抗材料または絶縁材料からな
る層96′が設けられている。それぞれの安定化マトリ
ックス層中には、フィラメント91′aおよび91′b
が中心部93′を取り囲むように配置される。高抵抗材
料または絶縁材料は、層間の結合損失を抑制することが
できる。本発明において、塑性加工により得られた丸線
に、従来の金属系超電導線を製造する場合と同様なツイ
スト加工を施すことができる。ツイスト加工を施された
線材は、丸線またはテープ状線に仕上げることができ
る。最終的にテープ状線材を得る場合、圧延加工を行な
う直前にツイスト加工を行なうことが好ましい。最終的
に丸線を得る場合、ツイスト加工された線材を熱処理す
るかまたはツイスト加工された線材に非常に低い加工率
で塑性加工を施すことにより、ツイスト加工によるピッ
チの調整を効果的なものとすることができる。ツイスト
加工により、塑性加工のために長くなった各フィラメン
トの螺旋ピッチを等価的に短くすることができる。層毎
に螺旋の方向を変えた場合でも、このツイスト加工は有
効である。長尺材料にテープ状線材を巻付ける工程にお
いて得られる各フィラメントの配置関係は塑性加工後も
保持される。そしてこの配置関係を保持したままツイス
ト加工により螺旋のピッチを調整することができる。
【0037】本発明において、ビスマス系酸化物超電導
体には、たとえばBi2 Ca2 Sr 1 Cu2 8-X
(Bi,Pb)2 Ca2 Sr1 Cu2 8-X (0≦X<
1)等の2212相を有するビスマス系酸化物超電導
体、Bi2 Ca2 Sr2 Cu3 10-Z、(Bi,Pb)
2 Ca2 Sr2 Cu3 10-Z(0≦Z<1)等の222
3相を有するビスマス系酸化物超電導体などがある。2
212相または2223相の超電導相を有するフィラメ
ントは、塑性加工後に得られた線材を熱処理することに
よってより高い収率で生成させることができる。また、
塑性加工後の熱処理における粒界相互の接合強化、粒の
回復、粒の配向性の維持により、高い臨界電流密度を得
ることができる。
【0038】超電導線材の主な用途には、線材に比較的
大きな横変動磁界が自己磁界と同時に印加される用途
と、主に自己磁界が線材に印加される用途とがある。前
者の用途では、大きな変動横磁界によりフィラメントに
おける輸送電流が一様になる効果、いわゆる「外部磁界
効果」のために、輸送電流損失は一般に低く抑えられ
る。したがってこの用途では、安定化マトリックス中の
フィラメントの巻き方向が同じであり、比較的短いピッ
チで螺旋状に配置されたフィラメントを有する本発明の
多芯超電導線を用いれば、NbTi多芯線などの金属系
超電導多芯線と同様の効果が期待できる。一方、後者の
用途の場合、フィラメントの巻き方向および/またはピ
ッチを変えた線材を用いることが好ましい。後者の用途
では、フィラメントを転位させて輸送電流損失を低減す
る線材が望ましい。このような線材も上述したように本
発明によって提供できる。
【0039】
【実施例】
実施例1 Bi2 3 、PbO、SrCO3 、CaCO3 、CuO
を用いてBi:Pb:Sr:Ca:Cu=1.8:0.
3:1.9:2.0:3.0の組成比になるようにこれ
らを配合した。配合した粉末に、800℃から900℃
の間での熱処理および粉砕を複数回施した。得られた粉
末をボールミルで粉砕し、サブミクロンの粉末を得た。
この段階で、帯磁率測定により2212相の体積分率を
調査した結果、約90%であった。粉末を外径10m
m、内径8mmの銀パイプに充填し、引抜き加工を施し
て、1.2mmφの単芯線を得た。得られた線材を7本
外径6mm、内径4mmの銀パイプに充填し、引抜き加
工を施して0.8mmφの線材を得た。得られた丸線を
圧延加工して幅4mm、厚さ0.2mmのテープ線材を
得た。
【0040】得られたテープ線材を直径2mmφの銀棒
上にピッチ9mmで1層巻き付けた。300℃で3時間
の熱処理を行なって銀棒と線材とを一体化した後、半分
に切断した。一方の線材には、穴型圧延ロールによる縮
径加工およびその後の850℃における熱処理を2回施
し、直径1mmφの丸線を得た。850℃の熱処理によ
り、ビスマス系酸化物超電導体について2223相を生
成させた。得られた丸線を試料A−1とする。一方、も
う1つの線材には、圧延加工およびその後の850℃に
おける熱処理を2回行ない、幅4mm、厚み0.2mm
のテープ状線を得た。熱処理により、2223相が生成
された。得られたテープ状線を試料A−2とする。
【0041】また、直径2mmφの銀棒上に、テープ線
材を4層で巻き付けたサンプルを調製した。得られたサ
ンプルにおいて、1層目と2層目の巻き方向は互いに逆
であり、3層目と4層目の巻き方向は互いに逆であっ
た。1層目と3層目の巻き方向、2層目と4層目の巻き
方向は同一の方向であった。全層のピッチを15mmと
し、300℃で3時間の熱処理を行なって銀棒と4本の
テープ線材を一体化した。得られた線材を半分に切断
し、一方に穴型圧延ロールによる縮径加工および850
℃の熱処理を2回施し直径1mmφの丸線を得た。得ら
れた丸線を試料B−1とする。また残りの線材に圧延加
工および850℃の熱処理を2回施してテープ状線材を
得た。得られたテープ状線材を試料B−2とする。さら
に、1層目と2層目の巻きピッチを12mmとし、3層
目と4層目の巻きピッチをその2倍としてテープ線材を
銀棒に巻き付けた試料を作製した。300℃で3時間の
一体化のための処理を行なった後、半分に切断した。得
られた一方の線材に穴型圧延ロールによる縮径加工およ
び850℃の熱処理を2回施し丸線を得た。得られた丸
線を試料B−3とする。もう一方の線材には圧延加工お
よび850℃の熱処理を2回施し、テープ状線材を得
た。得られたテープ状線材を試料B−4とする。
【0042】比較例として、引抜き加工後に得られた
1.2mmφの単芯線を7本外径6mm、内径4mmの
銀パイプに充填し、さらに引抜き加工を行なって1mm
φの7芯丸線を得た。得られた丸線に850℃の熱処理
を2回施し超電導線を得た。得られた超電導線を比較例
1とする。また、銀棒に巻き付けるための幅4mm、厚
さ0.2mmのテープ状線材を上記プロセスから採取
し、これに850℃の熱処理を2回施した。得られたテ
ープ状7芯線を比較例2とする。
【0043】表1および表2に線材の特性を比較して示
す。表1は丸線を比較し、表2はテープ状線材を比較し
ている。表1に示すように、本発明に従う3つの丸線
は、いずれも比較例1に比べて2223超電導相の体積
分率が向上している。本発明による丸線の臨界電流密度
は、比較例1よりも1桁以上高い値である。通電電流
(Iop)を臨界電流(Ic)のレベルまで上げ、77
Kにおいて測定した自己磁界損失は、本発明の丸線にお
いて低かった。また、77Kにおいて、50Hz、±
0.5Tの交流磁界を印加し、磁化法により横磁界損失
を測定した結果、本発明の丸線において損失の低減が認
められた。したがって、フィラメントレベルの転位の効
果、およびフィラメントのツイストの効果が認められ
た。また表2に示すように、本発明に従う3つのテープ
状線の臨界電流密度は、比較例2と同様に高い値であっ
た。したがって、本発明によれば、酸化物超電導体のフ
ィラメントを螺旋状にしても臨界電流密度を高い値に維
持することができる。通電電流(Iop)を臨界電流
(Ic)のレベルにして77Kで測定された自己磁界損
失は低い値であった。したがって、丸線材と同様にフィ
ラメントレベルの転位効果およびツイストの効果が認め
られた。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】実施例2 実施例1と同様に引抜き加工により1.2mmφの単芯
線を準備した。得られた単芯線を7本、外径6mm、内
径4mmの銀−10at.%金パイプに充填し、引抜き
加工を行なって0.8mmφの7芯線を得た。Ag−1
0at.%Au合金は、純銀に比べ77Kにおいて1桁
大きい比抵抗値を有する。このように抵抗値の高い材料
を線材の外周に用いることで通電損失のさらなる低減を
図った。実施例1と同様にして丸線に圧延加工を施し、
幅4mm、厚さ0.2mmのテープ線材を得た。得られ
たテープ線材について、実施例1と同様のプロセスによ
り、試料A−2、試料B−2および試料B−4とそれぞ
れ同様の構造を有する3種類のテープ状線材を得た。得
られた線材を、試料A′−2、試料B′−2、試料B′
−4とする。また、比較例2′として、0.8mmφの
丸線を圧延加工して得られる幅4mm、厚さ0.2mm
のテープ線材を850℃で2回熱処理し、超電導線材を
得た。表3において得られた線材の特性を比較する。本
発明に従う3つのテープ状線材は、比較例2′の線材と
同様に高い臨界電流密度を有しかつ自己磁界損失がより
低いものとなっている。表2と表3とを比較することに
より、銀合金を用いることによる自己磁界損失のさらな
る低減が認められる。
【0047】
【表3】
【0048】実施例3 実施例1で製作したA−1、B−1およびB−3の3種
の丸線と比較例1の丸線を、熱処理する前に、それぞれ
ツイスト加工した。1mmφの線材にはピッチ9mm
で、2mmφの線材にはピッチ16mmでツイスト加工
を施した。次いで、断面積を10%減らす引抜き加工を
行ない、それぞれ0.97mmφと1.94mmφの線
材を得た。得られた線材に850℃で50時間の熱処理
を2回施し、超電導線を得た。比較例1、試料A−1、
B−1およびB−3の線材をそれぞれツイストした後得
られた線材を、それぞれ比較例1′、試料A′−1、
B′−1およびB′−3とする。各線材の性能を表4に
示す。表に示されるように、臨界電流密度を維持したま
ま、自己磁界損失をほぼ半分に低減することができ、ツ
イストの効果が認められた。液体窒素(77K)中で、
50Hz、±0.5Tの交流磁界を印加し、磁化法によ
り横磁界損失を測定した結果、表1と表4を比較して明
らかなように大幅な横磁界損失の低減が認められた。
【0049】
【表4】
【0050】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれ
ば、高い臨界電流密度を有しかつ輸送電流損失の低い酸
化物超電導多芯線を得ることができる。本発明によれ
ば、ブリッジングを抑制して酸化物超電導体に螺旋形状
を付与することができる。本発明は、超電導フィラメン
トにより短いピッチの螺旋形状を付与することができ
る。螺旋状のフィラメントにおいて、ビスマス系酸化物
超電導体は高い結晶配向性を維持している。本発明によ
る線材は、損失が少なくかつ高い臨界電流密度を有する
線材として、ケーブル用導体、超電導変圧器、超電導発
電機、超電導マグネット、超電導限流器等に効果的に用
いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う線材の製造プロセスの一例を示す
斜視図である。
【図2】本発明に従って芯材上にテープ状線を巻くため
の態様を示す平面図である。
【図3】本発明のプロセスに用いられる芯材の一具体例
を示す斜視図である。
【図4】本発明に従うもう1つのプロセスを示す斜視図
である。
【図5】本発明のプロセスにおいて、芯材上にテープ状
線を層状に巻き付ける態様を示す斜視図である。
【図6】本発明に従う多芯超電導線の一具体例を示す斜
視図である。
【図7】本発明に従う多芯超電導線のもう1つの具体例
を示す斜視図である。
【図8】本発明に従う他の線材を示す断面図である。
【図9】本発明に従う線材において、安定化マトリック
ス層の間に高抵抗層または絶縁層が設けられた線材を示
す断面図である。
【図10】従来の多芯超電導線の製造方法を示す斜視図
である。
【図11】従来の多芯超電導線の構造を示す斜視図であ
る。
【図12】従来の多芯超電導線において、フィラメント
間にブリッジングが発生する様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
10、110 丸線 20、120 テープ状線 23、123 芯材 31、41、131、141 フィラメント 32、42、132、142 安定化マトリックス層 60 丸線 70 テープ状線 61、71 フィラメント 62、72 安定化マトリックス層 63、73 中心部

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスマス系酸化物超電導体からなる複数
    のフィラメントを備える多芯超電導線であって、 前記フィラメントの存在しない中心部と、 前記中心部の周囲に前記中心部と接して設けられた、連
    続する安定化マトリックス層と、 前記連続する安定化マトリックス層中に埋込まれた、前
    記ビスマス系酸化物超電導体からなる複数のフィラメン
    トとを備え、 前記中心部は、空洞であるかまたは前記安定化マトリッ
    クス層と一体不可分に設けられた部分であり、 前記複数のフィラメントは、リボン形状であり、かつ前
    記中心部のまわりに互いにほぼ並行して螺旋状に配置さ
    れており、かつ前記複数のフィラメントは、前記多芯超
    電導線の長手方向に垂直な断面において、前記中心部を
    取り巻くよう環状に配置されていることを特徴とする、
    ビスマス系酸化物多芯超電導線。
  2. 【請求項2】 前記多芯超電導線は丸線であり、 前記複数のフィラメントが、前記多芯超電導線の長手方
    向に垂直な断面において、円環状に配置されていること
    を特徴とする、請求項1記載のビスマス系酸化物多芯超
    電導線。
  3. 【請求項3】 前記多芯超電導線がテープ状線であるこ
    とを特徴とする、請求項1記載のビスマス系酸化物多芯
    超電導線。
  4. 【請求項4】 ビスマス系酸化物超電導体からなる複数
    のフィラメントを備える多芯超電導線であって、 前記フィラメントの存在しない中心部と、 前記中心部の周囲に前記中心部に接して設けられた、連
    続する第1の安定化マトリックス層と、 前記第1の安定化マトリックス層中に埋込まれた、前記
    ビスマス系酸化物超電導体からなる複数の第1フィラメ
    ントと、 前記第1の安定化マトリックス層の周囲に設けられた、
    連続する第2の安定化マトリックス層と、 前記第2の安定化マトリックス層中に埋込まれた、前記
    ビスマス系酸化物超電導体からなる複数の第2フィラメ
    ントとを備え、 前記中心部は、空洞であるかまたは前記第1の安定化マ
    トリックス層と一体不可分に設けられた部分であり、 前記第2の安定化マトリックス層は、前記第1の安定化
    マトリックス層から不可分に設けられており、 前記複数の第1および第2フィラメントは、リボン形状
    であり、かつ前記中心部のまわりに螺旋状に配置されて
    おり、 前記複数の第1フィラメントは、前記第1の安定化マト
    リックス層中において互いにほぼ並行して配置されてお
    り、 前記複数の第2フィラメントは、前記第2の安定化マト
    リックス層中において互いにほぼ並行して配置されてお
    り、かつ前記第1フィラメントにおける螺旋のピッチお
    よび/または巻き方向は、前記第2フィラメントにおけ
    る螺旋のピッチおよび/または巻き方向と異なっている
    ことを特徴とする、ビスマス系酸化物多芯超電導線。
  5. 【請求項5】 前記第1の安定化マトリックス層と前記
    第2の安定化マトリックス層との間に、前記第1および
    第2の安定化マトリックスより電気抵抗の高い層または
    電気絶縁層をさらに備えることを特徴とする、請求項4
    記載のビスマス系酸化物多芯超電導線。
  6. 【請求項6】 前記中心部は、金属と、前記金属を覆
    う、前記安定化マトリックスより電気抵抗の高い層また
    は電気絶縁層とからなることを特徴とする、請求項1〜
    5のいずれか1項記載のビスマス系酸化物多芯超電導
    線。
  7. 【請求項7】 前記多芯超電導線が丸線であり、 前記複数のフィラメントが、前記多芯超電導線の長手方
    向に垂直な断面において、円環状に配置されていること
    を特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項記載のビス
    マス系酸化物多芯超電導線。
  8. 【請求項8】 前記多芯超電導線がテープ状線であるこ
    とを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項記載のビ
    スマス系酸化物多芯超電導線。
  9. 【請求項9】 ビスマス系酸化物超電導体からなる複数
    のフィラメントを備える多芯超電導線の製造方法であっ
    て、 ビスマス系酸化物超電導体またはその原料からなる複数
    のリボン形状のフィラメントと、前記フィラメントを覆
    う安定化マトリックスとを備える、テープ状線材を与え
    る工程と、 1本または複数本の前記テープ状線材を長尺材料上に螺
    旋状に巻き付け、かつ前記テープ状線材の螺旋形状を固
    定する工程と、 前記螺旋状に固定されたテープ状線材に、前記螺旋の直
    径を小さくするかまたは前記螺旋をその長手方向にほぼ
    垂直な方向に押し潰すよう、塑性加工を施し、丸線また
    はテープ状線を得る工程と、 得られた丸線またはテープ状線に、ビスマス系酸化物超
    電導体の焼結のための熱処理を施す工程とを備える、ビ
    スマス系酸化物多芯超電導線の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記テープ状線材を長尺材料上に螺旋
    状に巻き付ける工程は、 1本または複数本の前記テープ状線材を前記長尺材料上
    に螺旋状に巻き付けて第1の層を形成する工程と、 前記第1の層上に1本または複数本の前記テープ状線材
    を螺旋状に巻き付けて第2の層を形成する工程とを備
    え、 前記第1の層における前記テープ状線材の螺旋のピッチ
    および/または巻き方向は、前記第2の層における前記
    テープ状線材の螺旋のピッチおよび/または巻き方向と
    異なることを特徴とする、請求項9記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第1の層上に前記安定化マトリッ
    クスよりも電気抵抗の高い材料からなる層または電気絶
    縁層を形成する工程をさらに備え、その上に前記第2の
    層が形成されることを特徴とする、請求項10記載の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 前記長尺材料として、金属と、前記金
    属を覆う、前記安定化マトリックスより電気抵抗の高い
    層または電気絶縁層とからなる材料を用いることを特徴
    とする、請求項9〜11のいずれか1項記載の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記塑性加工が、ロールを用いた加工
    であることを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1
    項記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記長尺材料に巻き付けるためのテー
    プ状線材において、前記フィラメントは、捩じられてお
    らず、前記テープ状線材の長手方向にほぼ平行に配置さ
    れていることを特徴とする、請求項9〜13のいずれか
    1項記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記長尺材料に巻き付けるためのテー
    プ状線材において、前記フィラメントは捩じられている
    ことを特徴とする、請求項9〜13のいずれか1項記載
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記焼結のための熱処理を施す工程の
    前に、前記塑性加工により得られた丸線にツイスト加工
    を施す工程をさらに備えることを特徴とする、請求項9
    〜15のいずれか1項記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記焼結のための熱処理を施す工程の
    前に、前記塑性加工により得られた丸線にツイスト加工
    を施す工程と、ツイスト加工された線材にさらに塑性加
    工を施して丸線またはテープ状線を得る工程とをさらに
    備えることを特徴とする、請求項9〜16のいずれか1
    項記載の製造方法。
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