JPH06325633A - 多芯酸化物超電導線材 - Google Patents
多芯酸化物超電導線材Info
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- JPH06325633A JPH06325633A JP5116022A JP11602293A JPH06325633A JP H06325633 A JPH06325633 A JP H06325633A JP 5116022 A JP5116022 A JP 5116022A JP 11602293 A JP11602293 A JP 11602293A JP H06325633 A JPH06325633 A JP H06325633A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
Landscapes
- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、高いJcを発揮でき、しかも耐曲げ
歪特性に優れ、交流用電力ケーブルに適用できる多芯酸
化物超電導線材を提供することを目的とする。 【構成】金属材料からなる長尺体と、この長尺体内にそ
の長手方向に沿って連続して埋設された複数の酸化物超
電導体製の線状体とを具備する多芯酸化物超電導線材に
おいて、前記線状体の内部に長手方向に沿って金属部材
が埋設されていることを特徴としている。
歪特性に優れ、交流用電力ケーブルに適用できる多芯酸
化物超電導線材を提供することを目的とする。 【構成】金属材料からなる長尺体と、この長尺体内にそ
の長手方向に沿って連続して埋設された複数の酸化物超
電導体製の線状体とを具備する多芯酸化物超電導線材に
おいて、前記線状体の内部に長手方向に沿って金属部材
が埋設されていることを特徴としている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多芯酸化物超電導線材
に関する。
に関する。
【0002】
【従来の技術】臨界温度(Tc)が液体窒素温度以上で
ある酸化物超電導体として、Y系、Bi系、およびTl
系の酸化物超電導体が知られている。このような酸化物
超電導体を応用するために、酸化物超電導体を種々の形
状に成形することが検討されており、特に、酸化物超電
導体を用いた線材の開発が行われている。
ある酸化物超電導体として、Y系、Bi系、およびTl
系の酸化物超電導体が知られている。このような酸化物
超電導体を応用するために、酸化物超電導体を種々の形
状に成形することが検討されており、特に、酸化物超電
導体を用いた線材の開発が行われている。
【0003】例えば、酸化物超電導体を線材に作製する
場合、パウダーインチューブ法が一般に用いられてい
る。この方法は、酸化物超電導体の原料粉末を金属パイ
プ内に充填してビレットとし、これに塑性加工を施して
所望形状、寸法に仕上げた後、熱処理を施して酸化物超
電導線材とするものである。金属パイプの材料として
は、Agが一般的に用いられる。塑性加工としては、押
出加工、圧延加工、スウェージング、引き抜き加工等の
従来の方法がそのまま適用されている。線材の形状とし
ては、テープ状、丸線状が挙げられる。また、この技術
を応用して、金属内部に酸化物超電導体が複数配置され
た構造の多芯線材、金属内部に酸化物超電導体が渦巻
状、同心円状に配置された多層線材等も試作検討されて
いる。このような酸化物超電導線材は、例えばケーブル
あるいはコイル等への適用が検討されており、特に交流
用電力ケーブルに用いることが有望視されている。
場合、パウダーインチューブ法が一般に用いられてい
る。この方法は、酸化物超電導体の原料粉末を金属パイ
プ内に充填してビレットとし、これに塑性加工を施して
所望形状、寸法に仕上げた後、熱処理を施して酸化物超
電導線材とするものである。金属パイプの材料として
は、Agが一般的に用いられる。塑性加工としては、押
出加工、圧延加工、スウェージング、引き抜き加工等の
従来の方法がそのまま適用されている。線材の形状とし
ては、テープ状、丸線状が挙げられる。また、この技術
を応用して、金属内部に酸化物超電導体が複数配置され
た構造の多芯線材、金属内部に酸化物超電導体が渦巻
状、同心円状に配置された多層線材等も試作検討されて
いる。このような酸化物超電導線材は、例えばケーブル
あるいはコイル等への適用が検討されており、特に交流
用電力ケーブルに用いることが有望視されている。
【0004】酸化物超電導線材を交流用電力ケーブルに
用いる場合には、交流損失を極力低減するために、線材
の外径をできるだけ小さくしたり、線材を捩じって線材
内に酸化物超電導体が螺旋状に配置するようにしたりす
ることが望ましい。したがって、交流用電力ケーブルに
適用される酸化物超電導線材には、耐曲げ歪特性が要求
される。このため、比較的耐曲げ歪特性が良好である多
芯構造の酸化物超電導線材を交流用電力ケーブルに適用
することが検討されている。
用いる場合には、交流損失を極力低減するために、線材
の外径をできるだけ小さくしたり、線材を捩じって線材
内に酸化物超電導体が螺旋状に配置するようにしたりす
ることが望ましい。したがって、交流用電力ケーブルに
適用される酸化物超電導線材には、耐曲げ歪特性が要求
される。このため、比較的耐曲げ歪特性が良好である多
芯構造の酸化物超電導線材を交流用電力ケーブルに適用
することが検討されている。
【0005】多芯構造の酸化物超電導線材としては、図
3に示すように、可撓性材料からなる管状のフォーマ3
1の外側に長手方向に沿って、金属マトリクス32中に
酸化物超電導体33が埋設された複数のテープ状線材3
4を多層で螺旋状に巻き付けてなるもの等が挙げられ
る。
3に示すように、可撓性材料からなる管状のフォーマ3
1の外側に長手方向に沿って、金属マトリクス32中に
酸化物超電導体33が埋設された複数のテープ状線材3
4を多層で螺旋状に巻き付けてなるもの等が挙げられ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
多芯酸化物超電導線材は、酸化物超電導体を充分に薄く
することができないので、高いJc(臨界電流密度)が
得られないという問題がある。上記の多芯酸化物超電導
線材において現在得られるJcは、3000〜4000
A/cm2 が限界である。多芯酸化物超電導線材を実用化
するためには、さらに高いJcの実現が必要となる。
多芯酸化物超電導線材は、酸化物超電導体を充分に薄く
することができないので、高いJc(臨界電流密度)が
得られないという問題がある。上記の多芯酸化物超電導
線材において現在得られるJcは、3000〜4000
A/cm2 が限界である。多芯酸化物超電導線材を実用化
するためには、さらに高いJcの実現が必要となる。
【0007】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、高いJcを発揮でき、しかも耐曲げ歪特性に優
れ、交流用電力ケーブルに適用できる多芯酸化物超電導
線材を提供することを目的とする。
あり、高いJcを発揮でき、しかも耐曲げ歪特性に優
れ、交流用電力ケーブルに適用できる多芯酸化物超電導
線材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属材料から
なる長尺体と、この長尺体内にその長手方向に沿って連
続して埋設された複数の酸化物超電導体製の線状体とを
具備する多芯酸化物超電導線材において、前記線状体の
内部に長手方向に沿って金属部材が埋設されていること
を特徴とする多芯酸化物超電導線材を提供する。
なる長尺体と、この長尺体内にその長手方向に沿って連
続して埋設された複数の酸化物超電導体製の線状体とを
具備する多芯酸化物超電導線材において、前記線状体の
内部に長手方向に沿って金属部材が埋設されていること
を特徴とする多芯酸化物超電導線材を提供する。
【0009】すなわち、本発明の多芯酸化物超電導線材
は、図1(A)に示すように、金属製の長尺体11内に
その長手方向に沿って連続して埋設された複数の酸化物
超電導体の線状体12からなっており、線状体12は、
図1(B)に示すように、内部に金属部材13が埋設さ
れているものである。
は、図1(A)に示すように、金属製の長尺体11内に
その長手方向に沿って連続して埋設された複数の酸化物
超電導体の線状体12からなっており、線状体12は、
図1(B)に示すように、内部に金属部材13が埋設さ
れているものである。
【0010】ここで、長尺体および金属部材を構成する
金属材料としては、耐酸化性および酸素透過性に優れる
のでAg、Ag合金を用いることができる。また、酸化
物超電導体の種類としては、Bi系2223相を用いる
ことができる。なお、長尺体中に埋設する酸化物超電導
体の線状体の本数には特に制限はない。
金属材料としては、耐酸化性および酸素透過性に優れる
のでAg、Ag合金を用いることができる。また、酸化
物超電導体の種類としては、Bi系2223相を用いる
ことができる。なお、長尺体中に埋設する酸化物超電導
体の線状体の本数には特に制限はない。
【0011】本発明の多芯酸化物超電導線材は、断面が
円形状でもよく、断面が矩形形状であってもよい。高い
Jcを得るためには断面が矩形形状であることが好まし
い。多芯酸化物超電導線材の断面を矩形形状にするため
には、断面が円形状の多芯酸化物超電導線材に圧縮力を
付与する加工を施す。これにより、多芯酸化物超電導線
材を種々の寸法に加工することができる。
円形状でもよく、断面が矩形形状であってもよい。高い
Jcを得るためには断面が矩形形状であることが好まし
い。多芯酸化物超電導線材の断面を矩形形状にするため
には、断面が円形状の多芯酸化物超電導線材に圧縮力を
付与する加工を施す。これにより、多芯酸化物超電導線
材を種々の寸法に加工することができる。
【0012】本発明の多芯酸化物超電導線材を交流用線
材に適用する場合には、線材全体が長手方向に沿って捩
じられていることが好ましい。これは、多芯酸化物超電
導線材にツイスト加工を施すことにより実現できる。多
芯酸化物超電導線材にツイスト加工を施しておくと、こ
れを用いて電力ケーブルを製作したとき各線状体が交互
にケーブルの中心側−外方側を入れ交るので、各線状体
の幾何学的配置が等しくなる。この結果、各線状体のイ
ンピーダンスも同等となり、すべての線状体に偏りなく
均一に交流電流が流れるようになるので、交流損失の低
減を期待できる。この捩じれのピッチには、特に制限は
ないが、あまり大きすぎると交流用線材に適用する場合
に交流損失を充分に低減できない。
材に適用する場合には、線材全体が長手方向に沿って捩
じられていることが好ましい。これは、多芯酸化物超電
導線材にツイスト加工を施すことにより実現できる。多
芯酸化物超電導線材にツイスト加工を施しておくと、こ
れを用いて電力ケーブルを製作したとき各線状体が交互
にケーブルの中心側−外方側を入れ交るので、各線状体
の幾何学的配置が等しくなる。この結果、各線状体のイ
ンピーダンスも同等となり、すべての線状体に偏りなく
均一に交流電流が流れるようになるので、交流損失の低
減を期待できる。この捩じれのピッチには、特に制限は
ないが、あまり大きすぎると交流用線材に適用する場合
に交流損失を充分に低減できない。
【0013】本発明の多芯酸化物超電導線材において、
酸化物超電導体の厚さは10〜50μmとなるように設
定されることが好ましい。この酸化物超電導体の厚さ
は、埋設する金属部材の寸法を調節することにより制御
できる。酸化物超電導体の厚さが10μm未満となる
と、塑性加工の際に酸化物超電導体の線状体が長手方向
において切断されてしまいJcが低くなる危険が高まる
からである。一方、酸化物超電導体の厚さが50μmを
超えるとJc向上の効果が充分発揮されないからであ
る。
酸化物超電導体の厚さは10〜50μmとなるように設
定されることが好ましい。この酸化物超電導体の厚さ
は、埋設する金属部材の寸法を調節することにより制御
できる。酸化物超電導体の厚さが10μm未満となる
と、塑性加工の際に酸化物超電導体の線状体が長手方向
において切断されてしまいJcが低くなる危険が高まる
からである。一方、酸化物超電導体の厚さが50μmを
超えるとJc向上の効果が充分発揮されないからであ
る。
【0014】次に、本発明の多芯酸化物超電導線材の製
造方法について説明する。
造方法について説明する。
【0015】まず、図2に示すように、中心部に金属部
材21を同心円状に配置した金属パイプ22内に酸化物
超電導体の原料粉末を充填してビレットを作製する。こ
のとき、酸化物超電導体は断面がリング状になるように
充填される。これに塑性加工を施して、例えば丸線材、
角型線材等の所定形状、所定寸法に仕上げて複合線材と
する。
材21を同心円状に配置した金属パイプ22内に酸化物
超電導体の原料粉末を充填してビレットを作製する。こ
のとき、酸化物超電導体は断面がリング状になるように
充填される。これに塑性加工を施して、例えば丸線材、
角型線材等の所定形状、所定寸法に仕上げて複合線材と
する。
【0016】次いで、このビレットを複数本束ねて金属
パイプ内に挿入してビレットを作製する。これに塑性加
工および熱処理を順次施して多芯酸化物超電導線材を得
る。ここで使用される塑性加工としては、従来の押出加
工、圧延加工、引き抜き加工、スウェージング等が挙げ
られる。また、塑性加工および熱処理を複数回繰り返し
て施してもよい。これにより、さらに高いJcを実現す
ることができる。
パイプ内に挿入してビレットを作製する。これに塑性加
工および熱処理を順次施して多芯酸化物超電導線材を得
る。ここで使用される塑性加工としては、従来の押出加
工、圧延加工、引き抜き加工、スウェージング等が挙げ
られる。また、塑性加工および熱処理を複数回繰り返し
て施してもよい。これにより、さらに高いJcを実現す
ることができる。
【0017】なお、多芯酸化物超電導線材にツイスト加
工を施すときは、まず丸型の複合線材の段階でツイスト
加工を施す。
工を施すときは、まず丸型の複合線材の段階でツイスト
加工を施す。
【0018】このようにして図1(A)および(B)に
示す多芯酸化物超電導線材が得られる。
示す多芯酸化物超電導線材が得られる。
【0019】
【作用】本発明の多芯酸化物超電導線材は、酸化物超電
導体の長手方向に沿って内部に金属部材が埋設されてい
ることを特徴としている。
導体の長手方向に沿って内部に金属部材が埋設されてい
ることを特徴としている。
【0020】金属部材を酸化物超電導体の内部に埋設す
ることにより、酸化物超電導体の厚さを薄くすることが
でき、このため、Jcを向上することが可能となった。
また、断面において、薄い酸化物超電導体は長尺体と金
属部材の間に挟まれた状態となり、線材が曲げられたと
きには長尺体と金属部材を構成する金属材料が曲げ歪を
緩和するので、多芯酸化物超電導線材の耐曲げ歪特性が
向上する。
ることにより、酸化物超電導体の厚さを薄くすることが
でき、このため、Jcを向上することが可能となった。
また、断面において、薄い酸化物超電導体は長尺体と金
属部材の間に挟まれた状態となり、線材が曲げられたと
きには長尺体と金属部材を構成する金属材料が曲げ歪を
緩和するので、多芯酸化物超電導線材の耐曲げ歪特性が
向上する。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0022】(実施例1)Bi2 O3 、PbO、SrC
O3 、CaCO3 、CuOの一次原料粉末をモル比でB
i:Pb:Sr:Ca:Cu=1.6:0.4:2:
2:3となるように配合し、混合した後に、大気中で8
00℃×100時間仮焼成して仮焼粉末を得た。
O3 、CaCO3 、CuOの一次原料粉末をモル比でB
i:Pb:Sr:Ca:Cu=1.6:0.4:2:
2:3となるように配合し、混合した後に、大気中で8
00℃×100時間仮焼成して仮焼粉末を得た。
【0023】次いで、あらかじめ機械加工により得られ
た外径25mmφ、内径20mmφのAgパイプ内の中心の
位置に外径10mmφのAg丸棒を配置し、その状態で仮
焼粉末をAgパイプの空間部分に充填してビレットを作
製した。そのビレットに塑性加工を施して外径3mmφの
複合線材に仕上げた。この複合線材を62本束ねて外径
が外径25mmφのAgパイプ内に挿入してビレットを作
製した。
た外径25mmφ、内径20mmφのAgパイプ内の中心の
位置に外径10mmφのAg丸棒を配置し、その状態で仮
焼粉末をAgパイプの空間部分に充填してビレットを作
製した。そのビレットに塑性加工を施して外径3mmφの
複合線材に仕上げた。この複合線材を62本束ねて外径
が外径25mmφのAgパイプ内に挿入してビレットを作
製した。
【0024】次いで、このビレットに塑性加工を施して
外径1.5mmφの複合線材に仕上げ、さらにこれに圧延
加工を施して幅3mm、厚さ0.3mmのテープ状線材を作
製した。これに大気中、835℃×100時間の熱処理
を施し、さらに圧延加工を施して厚さ0.25mmに仕上
げ、再び大気中、835℃×100時間の熱処理を施し
て実施例1の多芯酸化物超電導線材を得た。このとき、
多芯酸化物超電導線材の横断面において、酸化物超電導
体の厚さは30μmであった。
外径1.5mmφの複合線材に仕上げ、さらにこれに圧延
加工を施して幅3mm、厚さ0.3mmのテープ状線材を作
製した。これに大気中、835℃×100時間の熱処理
を施し、さらに圧延加工を施して厚さ0.25mmに仕上
げ、再び大気中、835℃×100時間の熱処理を施し
て実施例1の多芯酸化物超電導線材を得た。このとき、
多芯酸化物超電導線材の横断面において、酸化物超電導
体の厚さは30μmであった。
【0025】実施例1の多芯酸化物超電導線材につい
て、曲げ歪を与えた状態でのJcを調べた。このJcの
測定は、多芯酸化物超電導線材に曲げ歪ε=0.5%を
与えた状態で液体窒素中に浸漬し、0磁場において行っ
た。その結果、Jcは7800A/cm2 と非常に高く、
ε=0の状態で測定した値とほぼ同じであった。
て、曲げ歪を与えた状態でのJcを調べた。このJcの
測定は、多芯酸化物超電導線材に曲げ歪ε=0.5%を
与えた状態で液体窒素中に浸漬し、0磁場において行っ
た。その結果、Jcは7800A/cm2 と非常に高く、
ε=0の状態で測定した値とほぼ同じであった。
【0026】このように、実施例1の多芯酸化物超電導
線材は、断面における酸化物超電導体の厚さが薄いの
で、Jcが高く、しかも耐曲げ歪特性に優れたものであ
ることが分かる。
線材は、断面における酸化物超電導体の厚さが薄いの
で、Jcが高く、しかも耐曲げ歪特性に優れたものであ
ることが分かる。
【0027】(比較例1)Agパイプ内にAg丸棒を配
置しないこと以外は実施例1と同様にして比較例1の多
芯酸化物超電導線材を得た。このとき、多芯酸化物超電
導線材の横断面において、酸化物超電導体の厚さ(外
径)は65μmであった。
置しないこと以外は実施例1と同様にして比較例1の多
芯酸化物超電導線材を得た。このとき、多芯酸化物超電
導線材の横断面において、酸化物超電導体の厚さ(外
径)は65μmであった。
【0028】比較例1の多芯酸化物超電導線材につい
て、曲げ歪を与えた状態でのJcを実施例1と同様にし
て調べたところ、Jcは3200A/cm2 と低かった。
て、曲げ歪を与えた状態でのJcを実施例1と同様にし
て調べたところ、Jcは3200A/cm2 と低かった。
【0029】(実施例2)実施例1と同様にして外径
1.5mmφの複合線材を作製した。この複合線材にピッ
チ8mmのツイスト加工を施し、さらにこれに圧延加工を
施して幅3mm、厚さ0.3mmのテープ状線材を作製し
た。これに大気中、835℃×100時間の熱処理を施
し、さらに圧延加工を施して厚さ0.25mmに仕上げ、
再び大気中、835℃×100時間の熱処理を施して実
施例2の多芯酸化物超電導線材を得た。このとき、多芯
酸化物超電導線材の横断面において、酸化物超電導体の
厚さは20μmであった。
1.5mmφの複合線材を作製した。この複合線材にピッ
チ8mmのツイスト加工を施し、さらにこれに圧延加工を
施して幅3mm、厚さ0.3mmのテープ状線材を作製し
た。これに大気中、835℃×100時間の熱処理を施
し、さらに圧延加工を施して厚さ0.25mmに仕上げ、
再び大気中、835℃×100時間の熱処理を施して実
施例2の多芯酸化物超電導線材を得た。このとき、多芯
酸化物超電導線材の横断面において、酸化物超電導体の
厚さは20μmであった。
【0030】実施例2の多芯酸化物超電導線材につい
て、曲げ歪を与えた状態でのJcを実施例1と同様にし
て調べたところ、Jcは5200A/cm2 と非常に高
く、ε=0の状態で測定した値とほぼ同じであった。
て、曲げ歪を与えた状態でのJcを実施例1と同様にし
て調べたところ、Jcは5200A/cm2 と非常に高
く、ε=0の状態で測定した値とほぼ同じであった。
【0031】このように、実施例2の多芯酸化物超電導
線材も、断面における酸化物超電導体の厚さが薄いの
で、Jcが高く、しかも耐曲げ歪特性に優れたものであ
ることが分かる。
線材も、断面における酸化物超電導体の厚さが薄いの
で、Jcが高く、しかも耐曲げ歪特性に優れたものであ
ることが分かる。
【0032】(比較例2)Agパイプ内にAg丸棒を配
置しないこと以外は実施例2と同様にして比較例2の多
芯酸化物超電導線材を得た。このとき、多芯酸化物超電
導線材の横断面において、酸化物超電導体の厚さは70
μmであった。
置しないこと以外は実施例2と同様にして比較例2の多
芯酸化物超電導線材を得た。このとき、多芯酸化物超電
導線材の横断面において、酸化物超電導体の厚さは70
μmであった。
【0033】比較例2の多芯酸化物超電導線材につい
て、曲げ歪を与えた状態でのJcを実施例1と同様にし
て調べたところ、Jcは1500A/cm2 と低かった。
て、曲げ歪を与えた状態でのJcを実施例1と同様にし
て調べたところ、Jcは1500A/cm2 と低かった。
【0034】
【発明の効果】以上説明した如く本発明の多芯酸化物超
電導線材は、線状体の長手方向に沿って内部に金属部材
が埋設されているので、酸化物超電導体の層を極く薄く
することが可能となる。よって、本発明の多芯酸化物超
電導線材は、高いJcを示し、しかも優れた耐曲げ歪特
性を発揮するものであり、交流用電力ケーブルに適用で
きるものである。
電導線材は、線状体の長手方向に沿って内部に金属部材
が埋設されているので、酸化物超電導体の層を極く薄く
することが可能となる。よって、本発明の多芯酸化物超
電導線材は、高いJcを示し、しかも優れた耐曲げ歪特
性を発揮するものであり、交流用電力ケーブルに適用で
きるものである。
【図1】(A)は本発明の多芯酸化物超電導線材の一実
施例を示す断面図、(B)は(A)に示す多芯酸化物超
電導線材の酸化物超電導体部分を示す部分拡大図。
施例を示す断面図、(B)は(A)に示す多芯酸化物超
電導線材の酸化物超電導体部分を示す部分拡大図。
【図2】本発明の多芯酸化物超電導線材の製造において
使用される金属パイプを示す概略図。
使用される金属パイプを示す概略図。
【図3】従来のケーブル導体を示す概略図。
11…長尺体、12…線状体、13…金属部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 靖三 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 原 築志 東京都調布市西つつじヶ丘2丁目4番1号 東京電力株式会社技術研究所内 (72)発明者 石井 英雄 東京都調布市西つつじヶ丘2丁目4番1号 東京電力株式会社技術研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 金属材料からなる長尺体と、この長尺体
内にその長手方向に沿って連続して埋設された複数の酸
化物超電導体製の線状体とを具備する多芯酸化物超電導
線材において、前記線状体の内部に長手方向に沿って金
属部材が埋設されていることを特徴とする多芯酸化物超
電導線材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5116022A JPH06325633A (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | 多芯酸化物超電導線材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5116022A JPH06325633A (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | 多芯酸化物超電導線材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06325633A true JPH06325633A (ja) | 1994-11-25 |
Family
ID=14676848
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5116022A Pending JPH06325633A (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | 多芯酸化物超電導線材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06325633A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997028557A2 (en) * | 1996-01-18 | 1997-08-07 | American Superconductor Corporation | Superconducting wires for magnet applications |
US6271475B1 (en) * | 1995-11-07 | 2001-08-07 | American Superconductor Corporation | Low-aspect ratio superconductor wire |
-
1993
- 1993-05-18 JP JP5116022A patent/JPH06325633A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6271475B1 (en) * | 1995-11-07 | 2001-08-07 | American Superconductor Corporation | Low-aspect ratio superconductor wire |
WO1997028557A2 (en) * | 1996-01-18 | 1997-08-07 | American Superconductor Corporation | Superconducting wires for magnet applications |
WO1997028557A3 (en) * | 1996-01-18 | 1997-10-16 | American Superconductor Corp | Superconducting wires for magnet applications |
US6202287B1 (en) | 1996-01-18 | 2001-03-20 | American Superconductor Corporation | Method for producing biaxially aligned super conducting ceramics |
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