JPH1096679A - 波面収差測定装置 - Google Patents

波面収差測定装置

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JPH1096679A
JPH1096679A JP8271447A JP27144796A JPH1096679A JP H1096679 A JPH1096679 A JP H1096679A JP 8271447 A JP8271447 A JP 8271447A JP 27144796 A JP27144796 A JP 27144796A JP H1096679 A JPH1096679 A JP H1096679A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】干渉計中の光学系の収差に起因する干渉縞の歪
みを簡単にしかも精度良く補正でき、その歪みによる波
面収差の測定誤差を低減した波面収差測定装置を提供す
ること。 【解決手段】参照面である参照ミラー14の反射面によ
る波面と被検物体1の被検面1aによる波面との合成に
よって干渉縞を形成する干渉計2と、干渉縞を検出する
撮像素子30と、撮像素子の出力に基づいて参照面と被
検面との間の波面収差を演算する演算装置6とを有し、
被検物体の波面収差を測定する波面収差測定装置におい
て、被検物体1と撮像素子30との間に配置され、被検
面1aに垂直に入射する波面を出射する干渉計2中の光
学系(収斂レンズ)15の予め求めた歪曲収差に基づき
干渉縞の歪みを補正する干渉縞歪み補正手段5を備える
ことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光の干渉を用いて被
検物体の波面収差を測定する波面収差測定装置に関し、
特に干渉縞によって球面の面精度やレンズの波面収差を
測定する波面収差測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、干渉縞を用いて球面の面精度やレ
ンズの波面収差を測定する波面収差測定装置(干渉装
置)が知られている。この種の測定装置は高精度レンズ
の検査等に不可欠のものとなっている。また、この種の
波面収差測定装置に関し、測定精度を上げるため、干渉
縞の形状強度より波面収差を演算する際の演算式にも種
々の提案がなされている。これらの提案例としては、例
えば特開昭62−127601号公報、特開平7−16
7630号公報等に開示された技術がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術においては、干渉計中の光学系の収差、例えば
被検物体と撮像素子との間に配置した収斂レンズの収差
に起因する干渉縞の歪みは無視できるほど小さいことが
前提となっている。そのため、その前提が崩れた場合に
は、球面の面精度等の測定精度が悪化してしまうという
問題があった。例えば上記特開昭62−127601号
公報に開示された技術は、参照面と被検面の曲率中心が
デフォーカスした(光軸方向にずれた)場合の測定誤差
を取り除く手法を提案しているが、干渉計中の収斂レン
ズが正弦条件を満足していること、つまり干渉縞の歪み
がないことが前提となっている。そのため、上記従来の
技術では、干渉縞の歪みを補正するか否かが測定精度に
大きく影響する。
【0004】しかも、上記従来の技術では、正弦条件を
満足するように収斂レンズを形成するのは難しいという
問題があった。特に、フィゾー型干渉計を用いる場合、
フィゾーレンズの最終レンズ面を参照面(フィゾー面)
として利用するために、光学設計上の制約が増し、収斂
レンズの収差に起因する干渉縞の歪みが増大してしま
い、その歪みを補正するのは非常に困難であった。本発
明は、このような従来の問題に着目してなされたもの
で、その課題は干渉計中の光学系の収差に起因する干渉
縞の歪みを簡単にしかも精度良く補正でき、その歪みに
よる波面収差の測定誤差を低減した波面収差測定装置を
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、参照面による波面と被検物体による波面との
合成によって干渉縞を形成する干渉計と、干渉縞を検出
する干渉縞検出手段と、該干渉縞検出手段の出力に基づ
いて参照面と被検物体との間の波面収差を演算する演算
手段とを有し、被検物体の波面収差を測定する波面収差
測定装置において、干渉計は被検物体と干渉縞検出手段
との間に配置された、被検面に垂直に入射する波面を出
射する光学系を有し、予め求めた光学系の歪曲収差に基
づいて干渉縞の歪みを補正する補正手段を備えることを
特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施例に係る
波面収差測定装置の全体を示す概略構成図である。波面
収差測定装置は、干渉縞によって球面や平面の面精度、
レンズの波面収差等を測定するものである。この実施例
では、被検物体1の被検面(球面状の反射面)1aの面
精度が波面収差として測定される。波面収差測定装置
は、参照面による波面(参照ミラー14で反射された光
束の波面)と被検物体1による波面(被検面1aで反射
された光束の波面)との合成によって干渉縞を形成する
干渉計2と、干渉縞を検出し、その干渉縞に応じた電気
信号を出力する撮像素子(干渉縞検出手段)30とを有
する。
【0007】干渉計2は、He−Neレーザー等のレー
ザー光源11、ビームエキスパンダー12、ビームスプ
リッター13、参照ミラー14、及び収斂レンズ(被検
面1aに垂直に入射する波面を出射する光学系)15を
有する。収斂レンズ15の集光点Fに被検面1aの曲率
中心が一致するように、被検物体1の位置が調整されて
いる。被検物体1の位置調整誤差のうち、被検面1aの
曲率中心が集光点Fから光軸Z方向にずれた場合の測定
誤差は、例えば上記特開昭62−127601号公報に
開示された手法により取り除かれる。光源11からの光
束はビームエキスパンダー12により所望の幅の光束と
してビームスプリッター13に導かれ、ここで反射され
た光束は参照面(参照ミラー14の反射面)で反射さ
れ、この反射光(参照光)はビームスプリッター13を
透過して撮像素子30上に達するように構成されてい
る。他方、ビームスプリッター13を透過する光源11
からの光束は、収斂レンズ15によって集光された後、
被検面1aで反射され、この反射光(測定光)はビーム
スプリッター13に戻り、ビームスプリッター13で反
射されて撮像素子30上に達し、ここで参照光と干渉し
て干渉縞を形成するように構成されている。
【0008】さらに、波面収差測定装置は、予め求めた
歪曲収差値を記憶する歪曲収差値記憶手段(以下、記憶
手段という)4と、撮像素子30で検出された干渉縞の
歪みを記憶手段4に記憶された歪曲収差値を用いて補正
する干渉縞歪み補正手段(以下、補正手段という)5
と、補正手段5で補正された干渉縞から参照面と被検面
1aとの間の波面収差を演算する演算装置6と、演算さ
れた波面収差を表示する表示手段7と、入力手段8とを
有する。
【0009】収斂レンズ15は不可避的に歪曲収差を有
するから、撮像素子30上での干渉縞の光軸Zからの高
さと、被検面1a上での光軸Zからの高さとは、線形の
関係には対応しない。そこで本発明では、次のようにし
て干渉縞の歪みを補正している。すなわち、先ず、被検
面1aを物体面とし、撮像素子30を像面として、光線
追跡等の収差シミュレーションによって収斂レンズ15
の歪曲収差を求める。或は、これとは逆に撮像素子30
を物体面とし、被検面1aを像面として、収差シミュレ
ーションによって収斂レンズ15の歪曲収差を求めても
よい。
【0010】次いで、この収斂レンズ15の歪曲収差を
次式(1)によってフィッティングする。 f(x)=C1x+C33+C55+C77 …(1) 但し、xは撮像素子30上での干渉縞各点の光軸Zから
の高さ、f(x)は被検面1a上での各点の光軸Zから
の高さである。(1)式中の係数C1,C3,C5及びC7
は、光線追跡等の収差シミュレーションによって収斂レ
ンズ15毎に決定される。これらの係数C1,C3,C5
及びC7は、歪曲収差値として記憶手段4内に記憶され
ている。
【0011】収差シミュレーションの範囲は、入力手段
8により入力される開口数NAと被検面1aの曲率半径
Rとで規定される。入力手段8は、歪曲収差のシミュレ
ーション値や波面収差の演算をする際の光束、すなわち
干渉計2によって被検面1aに照射される光束の範囲を
規定する数値として、その光束の開口数NAと被検面1
aの曲率半径Rとを記憶手段4及び演算装置8へ入力す
るものである。
【0012】かくして、撮像素子30で得られた干渉縞
信号は、補正手段5によって、記憶手段4内に格納され
た係数C1,C3,C5及びC7を用いて上記(1)式によ
り補正される。その補正に際して、入力手段8により入
力された開口数NAと被検面1aの曲率半径Rとが用い
られる。このように、この第1実施例によれば、収斂レ
ンズ15の歪曲収差をベキ級数式でフィッティングした
フィッティング係数C1,C3,C5及びC7を使って、干
渉縞の歪みをソフトウェアで補正している。そのため、
収斂レンズ15の収差に起因する干渉縞の歪みを簡単に
しかも精度良く補正することができる。その結果、単に
干渉縞の視覚的な歪みを補正することができるだけでな
く、干渉縞の歪みによる波面収差の測定誤差を低減する
ことができ、面精度等の測定精度を向上させることがで
きる。
【0013】図2は第1実施例に係る波面収差測定装置
による測定性能と上記従来の技術による測定性能を比較
するための説明図である。同図において、横軸は被検面
1a上の各点の座標原点(光軸Z)からの高さを示し、
縦軸は被検面1aに垂直な方向への測定誤差を示し、被
検面1a上の高さは被検面1aの半径を1に規格化した
値であり、測定誤差は光の波長λを単位とした値であ
る。また、同図において、×印が付された曲線は、被検
面1aの曲率中心が集光点Fから光軸方向にずれた場合
の測定誤差だけを、例えば上記特開昭62−12760
1号公報に開示された手法により取り除いた場合の測定
結果を示している。一方、○印の付された曲線は、光軸
Z方向へのずれのほか更に、この第1実施例により前記
干渉縞の歪みを補正した場合の測定結果を示している。
図2から明らかなように、この第1実施例により前記干
渉縞の歪みを補正することにより、測定誤差が大幅に減
少することがわかる。
【0014】なお、この第1実施例では、歪曲収差値
(歪曲収差のシミュレーション値)として係数C1
3,C5及びC7が直接記憶手段4に記憶されている
が、歪曲収差のシミュレーションの基になる収斂レンズ
15のレンズデータを記憶しておき、そのデータから随
時歪曲収差のシミュレーション値を求めてもよい。ま
た、シミュレーション値に代えて、歪曲収差の実測値を
用い、この実測値をベキ級数式でフィッティングしても
よい。なお、この第1実施例では、(1)式のごとく奇
数次の項のみを用いているのは、歪曲収差は(収差論よ
り)奇数次の項のみで表現できると考えられるためであ
るが、f(x)とxの関係が精度良く表現されれば偶数
項を含んでもよい。また、最高次も7次である必要はな
く、さらに関係式自体も(1)式のベキ級数式に限定さ
れるものではなく、例えば次式(2)のごときフーリエ
級数式でフィッティングしてもよい。 また、入力手段8により入力する開口数NAについて
も、被検面1aに照射される実際の光束径を測定するこ
とにより求めてもよい。
【0015】次に、本発明の第2実施例に係る波面収差
測定装置を図3に基づいて説明する。上記第1実施例で
は干渉計2としてトワイマングリーン干渉計を用いてい
る。これに対して、第2実施例では、干渉計2としてフ
ィゾー型干渉計を用いている。その他の構成は第1実施
例と同じである。
【0016】すなわち、図3に示す干渉計2は平面波を
球面波に変換するためのフィゾーレンズ16を有し、こ
のフィゾーレンズ16は基準となる参照面であるフィゾ
ー面16aを最終レンズ面に有している。また、フィゾ
ーレンズ16による集光点Fは、基準となる球面波の中
心点であると共に、参照面16a(フィゾー面)の曲率
中心点でもある。そして、この集光点Fに被検面1aの
曲率中心が一致するように被検物体1が配置され、参照
面16aでの反射光(参照光)の波面と被検面1aでの
反射光(測定光)の波面との干渉による干渉縞が検出素
子30上に形成される。このような構成を有する第2実
施例によっても、上記第1実施例と同様の作用、効果が
得られる。
【0017】なお、上記第2実施例のように干渉計2と
してフィゾー型干渉計を用いた場合、フィゾーレンズ1
6の最終面を参照面16a(フィゾー面)として利用す
るために、光学設計上の制約が増し、干渉計2中の光学
系の収差に起因する干渉縞の歪みが増大する場合が多
い。このような場合に、本発明に係る波面収差測定装置
は特に有効となる。
【0018】また、上記第1及び第2実施例に係る波面
収差測定装置は、球面状の反射面である被検面1aの面
精度を波面収差として測定するものであるが、本発明
は、被検レンズ(例えば、半導体製造装置の投影レン
ズ)の透過波面収差を測定する波面収差測定装置に適用
することも可能である。このような場合の実施例を次に
示す。すなわち、図4は本発明の第3実施例に係る波面
収差測定装置を示している。この第3実施例では、第1
実施例と同様に干渉計2としてトワイマングリーン干渉
計を用いており、かつ、被検レンズ(被検物体)10の
透過波面収差を測定するように構成されている。すなわ
ち、干渉計2において、被検レンズ10は、その焦点位
置が収斂レンズ15による集光点Fに一致するように配
置されている。また、被検レンズ10の後方には、この
レンズを透過した平行光束を反射するための精度の良い
平面反射鏡18が配置されている。このような構成を有
する第3実施例によっても、上記第1実施例と同様の作
用、効果が得られる。
【0019】なお、上記第1及び第3実施例において、
被検面1aに垂直に入射する波面を出射する光学系とし
て、収斂レンズ15に代えて発散光学系を用い、この光
学系の歪曲収差に基づいて干渉縞の歪みを補正してもよ
い。また、上記第1実施例において、球面状の反射面で
ある被検面1aに代えて、平面の反射面である被検面を
用い、この被検面に垂直に入射する波面を出射する光学
系として、収斂レンズ15に代えてビームエキスパンダ
のような平行光束を出射する光学系を用い、この光学系
の歪曲収差に基づいて干渉縞の歪みを補正してもよい。
さらにまた、上記第2実施例において、被検面1aに垂
直に入射する波面を出射する光学系として、収斂光学系
で構成したフィゾーレンズ16に代えて発散光学系で構
成したフィゾーレンズを用い、このフィゾーレンズの歪
曲収差に基づいて干渉縞の歪みを補正してもよい。
【0020】また、上記第2実施例において、球面状の
反射面である被検面1aに代えて、平面の反射面である
被検面を用い、この被検面に垂直に入射する波面を出射
する光学系として、フィゾーレンズ16に代えてビーム
エキスパンダのような平行光束を出射する光学系を用
い、この光学系の歪曲収差に基づいて干渉縞の歪みを補
正してもよい。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る波面
収差測定装置によれば、干渉計中の、被検物体と干渉縞
検出手段との間に配置した、被検面に垂直に入射する波
面を出射する光学系の収差に起因する干渉縞の歪みを、
その光学系の歪曲収差に基づきソフトウエアで補正する
ので、干渉縞の歪みを簡単にしかも精度良く補正するこ
とができる。したがって、干渉縞の歪みによる波面収差
の測定誤差を低減することができ、面精度等の測定精度
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る波面収差測定装置を
示す概略構成図
【図2】第1実施例に係る波面収差測定装置による測定
性能と従来の技術による測定性能を比較するための説明
【図3】本発明の第2実施例に係る波面収差測定装置を
示す概略構成図
【図4】本発明の第3実施例に係る波面収差測定装置を
示す概略構成図
【符号の説明】
1…被検物体 1a…被検面 2…干渉計 4…歪曲収差値記憶
手段 5…干渉縞歪み補正手段 6…演算装置 7…表示手段 8…入力手段 10…被検レンズ 11…レーザー光源 12…ビームエキスパンダー 13…ビームスプリ
ッター 14…参照ミラー 15…収斂レンズ 16…フィゾーレンズ 16a…フィゾー面 30…撮像素子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】参照面による波面と被検物体による波面と
    の合成によって干渉縞を形成する干渉計と、前記干渉縞
    を検出する干渉縞検出手段と、該干渉縞検出手段の出力
    に基づいて前記参照面と前記被検物体との間の波面収差
    を演算する演算手段とを有し、前記被検物体の波面収差
    を測定する波面収差測定装置において、 前記干渉計は前記被検物体と前記干渉縞検出手段との間
    に配置された、被検面に垂直に入射する波面を出射する
    光学系を有し、 予め求めた前記光学系の歪曲収差に基づいて前記干渉縞
    の歪みを補正する補正手段を備えることを特徴とする波
    面収差測定装置。
  2. 【請求項2】前記干渉縞の歪みを補正する補正式とし
    て、ベキ級数式を用いたことを特徴とする請求項1記載
    の波面収差測定装置。
  3. 【請求項3】前記干渉縞の歪みを補正する補正式とし
    て、フーリエ級数式を用いたことを特徴とする請求項1
    記載の波面収差測定装置。
  4. 【請求項4】前記干渉計がフィゾー型干渉計であること
    を特徴とする請求項1、2又は3記載の波面収差測定装
    置。
JP27144796A 1996-09-20 1996-09-20 波面収差測定装置 Expired - Fee Related JP3613906B2 (ja)

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