JPH1096635A - 光ファイバジャイロ組立治具及び光ファイバジャイロの組立方法 - Google Patents

光ファイバジャイロ組立治具及び光ファイバジャイロの組立方法

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JPH1096635A
JPH1096635A JP8253553A JP25355396A JPH1096635A JP H1096635 A JPH1096635 A JP H1096635A JP 8253553 A JP8253553 A JP 8253553A JP 25355396 A JP25355396 A JP 25355396A JP H1096635 A JPH1096635 A JP H1096635A
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optical fiber
optical
chip
reel
assembling
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JP8253553A
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Shuhei Toyoda
周平 豊田
Takenori Ichiki
武典 一木
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NGK Insulators Ltd
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NGK Insulators Ltd
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    • G01C19/00Gyroscopes; Turn-sensitive devices using vibrating masses; Turn-sensitive devices without moving masses; Measuring angular rate using gyroscopic effects
    • G01C19/58Turn-sensitive devices without moving masses
    • G01C19/64Gyrometers using the Sagnac effect, i.e. rotation-induced shifts between counter-rotating electromagnetic beams
    • G01C19/72Gyrometers using the Sagnac effect, i.e. rotation-induced shifts between counter-rotating electromagnetic beams with counter-rotating light beams in a passive ring, e.g. fibre laser gyrometers
    • G01C19/721Details
    • G01C19/722Details of the mechanical construction
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光ファイバジャイロの組立工程の簡略化を図
り、光ファイバジャイロの製造コストの低廉化を有効に
図る。 【解決手段】位相変調方式の光ファイバジャイロを組み
立てるための組立治具70において、その底面に、長尺
の光ファイバ10が巻回されたファイバコイル用リール
100とカプラ22から導出された光ファイバ16、2
0が巻回されたカプラ用リール200とがそれぞれ支軸
74を通じて回転自在に載置される円形状のリール載置
領域80と、光ファイバ10、16が光学的に結合され
た光ICチップが仮載置されるチップ載置台76と、前
記光ICチップをパッケージングするために使用される
パッケージ本体が載置・固定され、かつ実質的なパッケ
ージ化のための作業が行われるパッケージ本体載置台7
8Aと、パッケージ本体の蓋部材が載置される蓋部材載
置台78Bとを一体に設けて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば数10mの
長さを有する光ファイバを所定ターン巻回して構成され
たファイバコイルを有する光ファイバジャイロの組立治
具及び光ファイバジャイロの組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、自動車のナビゲーションシステム
にジャイロを用いて自動車の方位等を検出する例が提案
され、実用化に至っている。中でも、操作性及び利便性
並びに小型軽量化を図る上で非常に有利であると共に、
機械的可動部分が無く耐久性を図る上でも有利な光ファ
イバジャイロが提案され、現在、実用化に向けての開発
が急速に進んでいる。
【0003】ここで、前記光ファイバジャイロの構成を
簡単に説明すると、この光ファイバジャイロは、数10
mの光ファイバを所定ターン巻回してなるファイバコイ
ル中を両方向に伝搬する2つの光の位相差(サニャック
位相差)から角速度を検出するセンサであり、位相差の
検出方法によって、オープンループ方式とクローズルー
プ方式とに分けられる。
【0004】オープンループ方式の光ファイバジャイロ
は、構成が簡単であるが、光レベルをアナログ的に検出
するため、光学系のロスの変化等により平均的な光レベ
ルが変化すると、スケールファクタが変動するという問
題がある。
【0005】一方、クローズドループ方式は、互いに逆
回りする光の間に光学的な位相バイアスを発生させ、こ
れによってサニャック位相差を打ち消す方式であり、位
相バイアスの設定から角速度を求める。位相差を直接検
出するため、スケールファクタの精度に優れるが、周波
数特性に十分優れ、かつ高速の位相変調器として光集積
回路を光路中に挿入接続する必要があり、構成が複雑に
なるという問題がある。しかし、航空機の慣性航法用に
匹敵する性能をもつことから、高性能干渉方式光ファイ
バジャイロの最終的な方式となる可能性がある。
【0006】また、航空機の慣性航法用に匹敵するまで
の性能はないが、自動車用として十分な性能を有するも
のとして、光ファイバジャイロをオープンループ方式で
構成し、スケールファクタについては電気的に補正を行
うといった方式のものも提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
な小型軽量化や耐久性等に優れる光ファイバジャイロを
製造する場合、特にその組み立て工程においては、長尺
の光ファイバを円筒の物体に巻き付けてファイバコイル
を作製する工程と、位相変調器が組込まれた光ICチッ
プ(光導波路)とファイバコイルから導出された光ファ
イバの2本の端部とを光学的に結合させる工程と、光源
から導出された光ファイバと光検出器に導く光ファイバ
をカプラを用いて光学的に結合させる工程と、カプラか
ら導出される光ファイバと上記光ICチップとを光学的
に結合させる工程と、光ICチップをパッケージ化する
工程とを含み、非常にその組み立て作業が繁雑になると
いう問題がある。
【0008】特に、ファイバコイルにおいては、長尺の
光ファイバを円筒の物体に巻き付けてコイル状にしたも
のを該物体から取り外して、例えばその両端部分等をテ
ーピング等により固定しているだけであるため、組立作
業時にその巻き付け状態がほどけたり、円筒の物体をい
ちいち人間の手で回転させて作業を行わなければなら
ず、非常に面倒である。また、カプラから導出される光
ファイバも非常に長いため、光ICチップへの光学的結
合作業時にその長い光ファイバが邪魔になるという問題
がある。特に、光ICチップをパッケージ化する場合
に、上記長い光ファイバによって光ICチップに余分な
荷重がかからないようにするために該長い光ファイバを
一まとめにして支える必要があり、作業効率が低下する
という問題がある。
【0009】このように、従来の光ファイバジャイロに
おいては、その組み立て作業に非常に時間がかかり、製
造コストの低廉化には限界があるという問題がある。
【0010】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、光ファイバジャイロを簡単に組み立てる
ことができ、光ファイバジャイロの製造コストの低廉化
を有効に図ることができる光ファイバジャイロの組立治
具及び光ファイバジャイロの組立方法を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明に
係る光ファイバジャイロ組立治具は、長尺の光ファイバ
が所定ターン巻回されてなるファイバコイルと、光源か
ら導出された光ファイバと光検出器に通じる光ファイバ
とを光学的に結合するカプラと、前記ファイバコイルと
前記カプラ間に配され、かつ光導波路上に位相変調器と
偏光子とがマウントされた光ICチップとを有する光フ
ァイバジャイロの組立治具において、基台上面に、前記
光ファイバと光学的に結合された光ICチップが仮載置
されるチップ載置台と、該チップ載置台に隣接してパッ
ケージ化のための作業台を設けて構成する。
【0012】これにより、まず、ファイバコイルから導
出された光ファイバと光ICチップとを光学的に結合
し、更に、カプラから導出された光ファイバと光ICチ
ップとを光学的に結合する。その後、上記基台上面に設
けられたチップ載置台に光ICチップを仮載置する。そ
して、チップ載置台に仮載置されている各光ファイバと
光学的結合がなされた光ICチップに対し、作業台にお
いてパッケージ化のための作業が行われることとなる。
【0013】この場合、前記光ICチップに対し、作業
台において迅速にパッケージ化のための作業を行うこと
ができ、パッケージ化を別工程とした場合における不都
合、即ち、(1) 光ファイバと光学的結合がなされた光I
Cチップを多数保管・管理するための設備が必要である
こと、(2) 光ファイバとの光学的結合がなされた光IC
チップをその結合部分の断線に注意しながらパッケージ
化のための設備(保管管理設備等)まで搬送しなければ
ならないこと、などを解消でき、組立設備の簡素化及び
工数の削減を達成させることができる。
【0014】次に、請求項2記載の本発明に係る光ファ
イバジャイロ組立治具は、前記チップ載置台に加えて、
少なくとも前記ファイバコイルを構成する光ファイバが
所定ターン巻回されたファイバコイル用リールを回転自
在に載置するためのリール載置領域を設けて構成する。
【0015】即ち、本発明においては、前記ファイバコ
イル用リールを用いることから、前記ファイバコイルを
作製する場合、長尺の光ファイバをファイバコイル用リ
ールに所定ターン巻回させるだけでよいため、ファイバ
コイルを非常に簡単に、かつ短時間に作製することがで
きる。
【0016】また、組立治具には前記リールが回転自在
に載置されるリール載置領域を有することから、光IC
チップに対してパッケージ化のための作業を行う場合、
上記リール載置領域にファイバコイル用リールを回転自
在に載置した後、チップ載置台に光ICチップを仮載置
し、そして、作業台側に光ICチップを移動させて光I
Cチップに対するパッケージ化のための作業を行うこと
が可能となる。この場合、光ICチップを作業台側に移
動させる際に、リールが容易に回転して光ファイバが自
由に引き出されるため、上記パッケージ化のための作業
が簡単になり、短時間で作業を終了させることができ
る。
【0017】なお、前記リール載置領域には、前記カプ
ラから両方向に導出された光ファイバが所定ターン巻回
されたカプラ用リールを回転自在に載置するようにして
もよい(請求項3記載の発明)。この場合、カプラから
導出される非常に長い光ファイバをカプラ用リールに巻
回しながら収容することができ、しかも光ファイバを収
容したカプラ用リールを組立治具のリール載置領域に回
転自在に載置することができるため、前記ファイバコイ
ル用リールの場合と同様に、光ICチップを作業台側に
移動させる際に、リールが容易に回転して光ファイバが
自由に引き出され、これにより、上記パッケージ化のた
めの作業が容易になり、短時間で作業を終了させること
が可能となる。また、光ICチップに対するパッケージ
化のための作業時にカプラから引き出された長い光ファ
イバが邪魔になるという問題もなく、上記長い光ファイ
バによって光ICチップに余分な荷重がかかるという不
都合も生じない。
【0018】また、前記請求項3記載の本発明に係る光
ファイバジャイロ組立治具において、前記ファイバコイ
ル用リールと前記カプラ用リールをそれぞれ独立に回転
自在に載置されるように構成してもよい(請求項4記載
の発明)。
【0019】この場合、ファイバコイル用リールからの
光ファイバとカプラ用リールからの光ファイバがそれぞ
れ対応するリールから独立に引き出されることから、作
業台での前記光ICチップに対するパッケージ化のため
の作業が非常に簡単になる。
【0020】次に、請求項5記載の本発明に係る光ファ
イバジャイロ組立治具は、前記作業台として、前記光I
Cチップを封入するためのパッケージを構成するパッケ
ージ本体が載置され、かつ実質的なパッケージ化のため
の作業が行われるパッケージ本体載置台と、前記パッケ
ージ本体の蓋部材が載置される蓋部材載置台とを設けて
構成する。
【0021】これにより、まず、パッケージ本体載置台
に載置・固定されているパッケージ本体内に光ファイバ
との光学的結合がなされた光ICチップを収容する。そ
の後、蓋部材載置台に載置・固定されているパッケージ
の蓋部材を取り外して、前記パッケージ本体に被せ、該
パッケージ本体に前記蓋部材を接合し、パッケージ化す
る。
【0022】この場合、光ICチップをパッケージ化す
るための部材、即ち、光ICチップが収容されるパッケ
ージ本体とパッケージ本体に接合される蓋部材をそれぞ
れ載置・固定するための載置台が組立治具に設けられて
いるため、パッケージ本体載置台において、光ICチッ
プに対し、迅速にパッケージ化のための作業を行うこと
ができ、パッケージ化を別工程とした場合における上記
不都合を解消でき、組立設備の簡素化及び工数の削減を
達成させることができる。
【0023】次に、請求項6記載の本発明に係る光ファ
イバジャイロ組立方法は、長尺の光ファイバが所定ター
ン巻回されてなるファイバコイルと、光源から導出され
た光ファイバと光検出器に通じる光ファイバとを光学的
に結合するカプラと、前記ファイバコイルと前記カプラ
間に配され、かつ光導波路上に位相変調器と偏光子とが
マウントされた光ICチップとを有する光ファイバジャ
イロの組立方法において、前記光ICチップが載置・固
定されるチップ載置台と、前記光ICチップを封入する
ためのパッケージを構成するパッケージ本体が載置され
るパッケージ本体載置台と、該パッケージ本体の蓋部材
が載置される蓋部材載置台が並設された組立治具とを用
いて光ファイバジャイロを組み立てることを特徴とす
る。
【0024】具体的には、前記光ICチップに、前記フ
ァイバコイルから導出された光ファイバと前記カプラか
ら導出された光ファイバを光学的に結合する工程と、前
記光ICチップをチップ載置台に仮載置する工程と、前
記パッケージ本体載置台に載置・固定されているパッケ
ージ本体内に、前記光ICチップを収容する工程と、前
記蓋部材載置台に載置されている蓋部材を取り外して、
前記パッケージ本体に被せ、該パッケージ本体に前記蓋
部材を接合する工程とを有することを特徴とする(請求
項7記載の発明)。
【0025】その一例としては、まず、前記光ICチッ
プに、前記ファイバコイルから導出された光ファイバと
前記カプラから導出された光ファイバを光学的に結合し
た後、該光ICチップをチップ載置台に仮載置する。そ
の後、前記光ICチップをパッケージ本体載置台に載置
・固定されているパッケージ本体内に収容し、蓋部材載
置台に載置されている蓋部材を取り外してパッケージ本
体に被せ、該パッケージ本体に蓋部材を接合してパッケ
ージ化を行う。
【0026】このように、本発明に係る光ファイバジャ
イロの組立方法においては、光ICチップがチップ載置
台に載置・固定されていることから、上記光学的結合作
業が非常に簡単になり、作業効率の向上につながる。し
かも、光ICチップをパッケージ化するための作業がチ
ップ載置台に隣接して設けられているパッケージ本体載
置台にて行うことができることから、上記光ICチップ
に対する光学的結合のための作業後に迅速にパッケージ
化のための作業を行うことができ、パッケージ化を別工
程にした場合の不都合、即ち、(1) 光ファイバと光学的
結合がなされた光ICチップを多数保管・管理するため
の設備が必要であること、(2) 光ファイバとの光学的結
合がなされた光ICチップをその結合部分の断線に注意
しながらパッケージ化のための設備(保管管理設備等)
まで搬送しなければならないこと、などを解消でき、組
立設備の簡素化及び工数の削減を達成させることができ
る。
【0027】次に、請求項8記載の本発明に係る光ファ
イバジャイロの組立方法は、前記光ICチップと光ファ
イバとの光学的結合作業に先立って、光ファイバの光学
的結合端部に接合方向を規制するアレイ部材を固着す
る。この場合、光ファイバと光ICチップとの光学的結
合作業においては、光ファイバの端部が固着されたアレ
イ部材と光ICチップとが接合されることとなる。
【0028】例えば光ICチップに対して光ファイバの
始端と終端とを光学的に結合する場合、予めアレイ部材
にてその両端の間隔を光ICチップの結合部に合わせて
規定することが可能となり、しかも、事前に光ファイバ
を伝搬する光の偏波面の方向を光導波路を伝搬する光の
偏波面の方向に合わせておくことが可能となるため、実
際に光ファイバを光ICチップに光学的に結合する場合
に、いちいち上記間隔や偏波面の方向を考慮する必要が
なくなり、上記光学的結合作業の効率化を図ることがで
きる。
【0029】次に、請求項9記載の本発明に係る光ファ
イバジャイロの組立方法は、組立治具の基台上面に、前
記チップ載置台に加えて、少なくともファイバコイルを
構成する光ファイバが所定ターン巻回されたファイバコ
イル用リールを回転自在に載置するためのリール載置領
域を設けた場合に、前記光ICチップと光ファイバとの
光学的結合作業の前後において、前記リール載置領域に
前記ファイバコイル用リールを回転自在に載置・固定す
る。
【0030】この場合、前記ファイバコイルを作製する
際に、長尺の光ファイバをファイバコイル用リールに所
定ターン巻回させるだけでよいため、ファイバコイルを
非常に簡単に、かつ短時間に作製することができる。ま
た、組立治具には前記リールが回転自在に載置されるリ
ール載置領域を有することから、光ICチップに対して
パッケージ化のための作業を行う場合、上記リール載置
領域にファイバコイル用リールを回転自在に載置した
後、チップ載置台に光ICチップを仮載置し、そして、
パッケージ本体載置台側に光ICチップを移動させて光
ICチップに対するパッケージ化のための作業を行う。
この場合、光ICチップをパッケージ本体載置台側に移
動させる際に、リールが容易に回転して光ファイバが自
由に引き出されるため、上記パッケージ化のための作業
が簡単になり、短時間で作業を終了させることが可能と
なる。
【0031】次に、請求項10記載の本発明に係る光フ
ァイバジャイロの組立方法は、前記リール載置領域に、
前記カプラから両方向に導出された光ファイバが所定タ
ーン巻回されたカプラ用リールを回転自在に載置・固定
する。
【0032】これにより、カプラから導出される非常に
長い光ファイバをカプラ用リールに巻回しながら収容す
ることができ、しかも光ファイバを収容したカプラ用リ
ールを組立治具のリール載置領域に回転自在に載置する
ことができるため、前記ファイバコイル用リールの場合
と同様に、光ICチップをパッケージ本体載置台側に移
動させる際に、リールが容易に回転して光ファイバが自
由に引き出され、これにより、上記パッケージ化のため
の作業が容易になり、短時間で作業を終了させることが
可能となる。また、光ICチップに対するパッケージ化
のための作業時にカプラから引き出された長い光ファイ
バが邪魔になるという問題もなく、上記長い光ファイバ
によって光ICチップに余分な荷重がかかるという不都
合も生じない。
【0033】なお、前記ファイバコイル用リールを回転
自在に載置・固定した後に、該ファイバコイル用リール
上に前記カプラ用リールを該ファイバコイル用リールと
は独立に回転自在に載置・固定するようにしてもよい
(請求項11記載の発明)。この場合、ファイバコイル
用リールからの光ファイバとカプラ用リールからの光フ
ァイバとが対応するリールからそれぞれ独立に引き出さ
れることから、パッケージ本体載置台での前記光ICチ
ップに対するパッケージ化のための作業が非常に簡単に
なる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光ファイバジ
ャイロ組立治具を光ファイバジャイロに適用した実施の
形態例(以下、実施の形態に係る組立治具と記す)につ
いて図1〜図11を参照しながら説明する。
【0035】まず、本実施の形態に係る組立治具が適用
される光ファイバジャイロは、図1に示すように、長尺
の光ファイバ10(断面楕円形状のコア)が所定ターン
巻回されてなるファイバコイル12と、光源14から導
出された光ファイバ16と光検出器18に通じる光ファ
イバ20とを光学的に結合するカプラ22と、前記ファ
イバコイル12と前記カプラ22間に配された光ICチ
ップ24とを有している。この光ICチップ24は、例
えばLiNbO3 基板26に所定形状の光導波路28
(例えば、Y字光導波路)が形成されて構成され、該光
導波路28上には位相変調器30と偏光子32とがマウ
ントされている。上記光源14としては、例えばスーパ
ルミネッセントダイオード(SLD)を用いることがで
きる。
【0036】この場合、図2に示すように、ファイバコ
イル12から導出された光ファイバ10の2つの端部
(始端部10aと終端部10b)は、光ICチップ24
との接合方向を規制する第1のアレイ34に固着され、
また、図3に示すように、カプラ22から導出された光
ファイバの1つの端部(光源14から導出された光ファ
イバ16の端部16a)は、光ICチップ24との接合
方向を規制する第2のアレイ36に固着され、これら第
1及び第2のアレイ34及び36を通じて上記各光ファ
イバ10及び16のそれぞれの端部10a、10b及び
16aが光ICチップ24と光学的に結合されるように
なっている。
【0037】特に、前記ファイバコイル12から導出さ
れた光ファイバ10の2つの端部(始端部10aと終端
部10b:図2A参照)に第1のアレイ34が固着され
てファイバコイル部が構成されている。
【0038】具体的には、上記第1のアレイ34は、図
2Aに示すように、一主面に一方の端面に向かって延び
る2本のV字溝38a及び38bと他方の端面に向かっ
て延びる溝40が連続して形成された基板34Aと、該
基板34Aの各溝38a、38b、40を塞ぐための蓋
基板34Bとで構成されている。上記2本のV字溝38
a及び38bは、その間隔が光導波路28における2本
の分岐路の光軸に合致する間隔と同じとされている。
【0039】そして、ファイバコイル部において、第1
のアレイ34を組み立てる場合は、まず、図2Aに示す
ように、上記基板34AのV字溝38a及び38bにフ
ァイバコイル12から導出された光ファイバ10の2本
の端部10a及び10bを這わせた後、光ファイバ10
の偏波保存面を光導波路28を伝搬する光の偏波面の方
向に合わせる(例えばコア断面の長軸方向を例えば鉛直
方向に合わせる)。その後、上方から蓋基板34Bを被
せて接着剤にて両者を接着し、図2Bに示すように、上
記第1のアレイ34の端面中、光ファイバ10の自由端
側端面34aを研磨することによって光ファイバ10へ
の第1のアレイ34の固着作業が終了することとなる。
【0040】第2のアレイ36は、図3Aに示すよう
に、一主面に一方の端面に向かって延びる1本のV字溝
42と他方の端面に向かって延びる溝44が連続して形
成された基板36Aと、該基板36Aの各溝42及び4
4を塞ぐための蓋基板36Bとで構成されている。そし
て、この第2のアレイ34を組み立てる場合は、まず、
図3Aに示すように、上記基板36AのV字溝42にカ
プラ22から導出された光ファイバ16の1本の端部1
6aを這わせた後、光ファイバ16の偏波保存面を光導
波路28を伝搬する光の偏波面の方向に合わせる(例え
ばコア断面の長軸方向を例えば鉛直方向に合わせる)。
その後、その上方から蓋基板36Bを被せて接着剤にて
接着し、図3Bに示すように、第2のアレイ36の端面
中、光ファイバ16の自由端側端面36aを研磨するこ
とによって光ファイバ16への第2のアレイ36の固着
作業が終了する。
【0041】そして、図4に示すように、1つの光IC
チップ24に対して、すでに光ファイバ10及び16が
固着された第1及び第2のアレイ34及び36がそれぞ
れ接合される。光ICチップ24の両端面a及びbのう
ち、偏光子32近傍の端面aに第2のアレイ36が、位
相変調器30近傍の端面bに第1のアレイ34が光軸を
合わせてそれぞれ接合される。
【0042】各アレイ34及び36の接合においては、
光出力が最も強くなるように光軸調整がとられながら接
合(この場合、接着剤による接着)が行われる。
【0043】上記第1及び第2のアレイ34及び36の
光ICチップ24への接合が終了すると、次に、図5A
に示すように、光ICチップ24をパッケージ本体52
内に収容し、該パッケージ本体52の下部に導出される
リード端子54と光ICチップ24上の位相変調器30
の導電パッドとをボンディングワイヤ56にて電気的に
接続するためのワイヤボンディング処理が行われる。そ
の後、図5Bに示すように、パッケージ本体52に蓋部
材58を被せる。
【0044】以上の工程を踏むことにより、ファイバコ
イル12から導出された光ファイバ10及びカプラ22
から導出された光ファイバ16と光ICチップ24との
実質的な接合処理が終了することになる。
【0045】次に、上記光ファイバジャイロの組立工程
にて使用される本実施の形態に係る組立治具について図
6〜図9を参照しながら説明する。
【0046】本実施の形態に係る組立治具70は、図6
に示すように、上面開口で、四方に上方に立ち上がる側
壁72が設けられた平面長方形状の箱体状に例えば合成
樹脂にて一体に成形されて構成されている。この組立治
具70の底面には、その所定箇所に支軸74が合成樹脂
にて一体に設けられ、別の箇所には、後述するチップ載
置台76及びパッケージ作業台78が合成樹脂にて一体
に設けられている。
【0047】上記支軸74は、図6に示すように、高さ
方向やや中間部分にリング状の段差を有し、該段差を境
にその下部74aの径が上部74bの径よりも大に形成
されている。
【0048】パッケージ作業台78は、2種類の載置台
を有し、その1つが上記図5で示すパッケージ本体52
を載置・固定するためのパッケージ本体載置台78Aと
され、他の1つがパッケージ本体52の蓋部材58を載
置・固定するための蓋部材載置台78Bとされている。
【0049】上記パッケージ本体載置台78Aは、チッ
プ載置台76から上記中心線mの他端bまでの間におい
て、上記チップ載置台76から他端bに向かって約1/
3進んだ位置に配置されており、組立治具70の底面か
ら上方に互いに並行して立ち上がる4つの立ち上げ片7
8Aa〜78Adを有して構成されている。
【0050】上記蓋部材載置台78Bは、上記チップ載
置台76から上記中心線mの他端bまでの間において、
チップ載置台76から他端bに向かって約2/3進んだ
位置に配置されており、組立治具70の底面から上方に
互いに並行して立ち上がる3つの立ち上げ片78Ba〜
78Bcを有して構成されている。
【0051】また、この組立治具70の底面には、上記
支軸74を中心とし、該支軸74から所定距離Lを半径
とする円形の領域80を区画するための複数の仕切台8
2が要所要所に合成樹脂にて一体に設けられている。こ
の円形の領域80には、ファイバコイル12を構成する
光ファイバ10が巻回されたファイバコイル用リール1
00と、カプラ22から導出され、かつ、光ファイバ1
6が巻回されたカプラ用リール200がそれぞれ回転自
在に載置されるようになっている。
【0052】即ち、ファイバコイル用リール100は、
図8に示すように、中央に貫通孔102を有する例えば
合成樹脂製の円形基板104に、光ファイバ10の巻回
方向を逆転させるためのリング部材106が重ねられて
構成されている。
【0053】円形基板104は、中央の貫通孔102の
外周に沿って上方に立ち上がるリング状の第1の内壁1
08と、径が第1の内壁108の径よりも大とされ、該
第1の内壁108と同心円上の位置において立ち上がる
リング状の第2の内壁110と、円形基板104の外周
に沿って上方に立ち上がるリング状の外壁112とが一
体に形成されている。
【0054】リング部材106は、内径が上記円形基板
104における第2の内壁110の外径とほぼ等しく、
外径が円形基板104の外径よりも小とされ、その内周
部分と外周部分にそれぞれ内周及び外周に沿って上方に
立ち上がる内壁114及び外壁116が一体に形成され
ている。
【0055】上記構成により、円形基板104の外壁1
12の内面とリング部材106の外壁116の外面との
間にリング状の巻き付け空間118が形成され、長尺の
光ファイバ10は、ここでは図示しないが、上記巻き付
け空間118内においてリング部材106の外壁116
に巻き付けられることになる。なお、円形基板104の
外壁112の上部には、巻き付けられた光ファイバ10
が容易に外方に飛び出さないように、リング状の押さえ
部材120が取り付けられるようになっている。この押
さえ部材120は、その内径がリング部材106の外径
よりも大に設定され、上記巻き付け空間118が上方を
臨むようにされて、人間の手であるいは自動化された巻
き付け装置によって光ファイバ10をリング部材106
の外壁116に容易に巻き付けることができるようにな
っている。
【0056】そして、該リング部材106の底面には補
強用の支持片122が複数本(図8Aの例では8本)そ
れぞれ等角度間隔で一体に配され、これら複数本の支持
片122に対応する位置にそれぞれ半円形状のガイド片
124が一体に又は別体に設けられている。つまり、図
8の例では、互いに点対称の位置にある一対の半円形状
のガイド片124の組が4組配されている。
【0057】また、リング部材106は、その外壁11
6に8つの切欠き126が等間隔に形成されている。切
欠き126の具体的な形成位置は、互いに隣接する2本
の支持片122でなす角をほぼ二分する線と外壁116
とが交わる部分に切欠き126が設けられ、更に各切欠
き126にガイド片124の一部が対向するようになっ
ている。
【0058】従って、例えばリング部材106の外壁1
16に光ファイバ10を巻き付けている途中において、
ある任意の点対称の位置に配されている一対のガイド片
124について、一方のガイド片124に対向する切欠
き126を通じて光ファイバ10を通し、該一方のガイ
ド片124の半円の凸形状に光ファイバ10を沿わせ、
更に他方のガイド片124の半円の凸形状に上記光ファ
イバ10を沿わせて、該他方のガイド片124に対向す
る切欠き126を通じて光ファイバ10を通すことによ
り、光ファイバ10を切欠き126に通す前の巻き付け
方向とは反対の方向に巻き付けることが可能となる。即
ち、互いに点対称の位置にある一対のガイド片124、
124は、光ファイバ10の巻き付け方向を逆転する巻
き付け方向転換部を構成していることになる。なお、こ
の方向転換部は光ファイバ10の巻き付け方向を逆転す
るためであれば、本実施の形態のように点対称位置にな
くてもよいことは言うまでもない。
【0059】一方、カプラ用リール200は、図9に示
すように、基本的には、上記ファイバコイル用リール1
00とほぼ同じ構成を有し、中央に貫通孔202を有す
る例えば合成樹脂製の円形基板204に、カプラ22を
収容するためのリング部材206が重ねられて構成され
ている。
【0060】円形基板204は、中央の貫通孔202の
外周に沿って上方に立ち上がるリング状の第1の内壁2
08と、径が第1の内壁208の径よりも大とされ、該
第1の内壁208と同心円上の位置において立ち上がる
リング状の第2の内壁210と、円形基板204の外周
に沿って上方に立ち上がるリング状の外壁212とが一
体に形成されている。
【0061】リング部材206は、内径が上記円形基板
204における第2の内壁210の外径とほぼ等しく、
外径が円形基板204の外径よりも小とされ、その内周
部分と外周部分とにそれぞれ内周及び外周に沿って上方
に立ち上がる内壁214及び外壁216が一体に形成さ
れている。
【0062】上記構成により、円形基板204の外壁2
12内面とリング部材206の外壁216外面との間に
リング状の巻き付け空間218が形成され、カプラ22
から導出された光ファイバ16は、ここでは図示しない
が、上記巻き付け空間218内においてリング部材20
6の外壁216に巻き付けられることになる。なお、円
形基板204の外壁212上部には、巻き付けられた光
ファイバ16が容易に外方に飛び出さないようにリング
状の押さえ部材220が取り付けられるようになってい
る。この押さえ部材220は、その内径がリング部材2
06の外径よりも大に設定され、上記巻き付け空間21
8が上方を臨むようにされて、人間の手で、あるいは自
動化された巻き付け装置によって光ファイバ16をリン
グ部材206の外壁216に容易に巻き付けることがで
きるようになっている。
【0063】そして、該リング部材206の底面には、
図9A上、上半分にカプラ22(図示せず)を収容・保
持するためのカプラ保持構造222が設けられ、図面
上、下半分に補強用の支持片224が複数本(図9Aの
例では5本)それぞれ等角度間隔で一体に配されてい
る。カプラ保持構造222は、カプラ22の外形に合わ
せて形づくられた枠体226と、該枠体226の左右両
方向からリング部材206の外壁216に形成された切
欠き228に向かって延長形成された2つの光ファイバ
案内部230A及び230Bとを有して構成されてい
る。
【0064】図9Aの例では、カプラ22の外形が直方
体である場合を想定して、上記枠体226で形づくられ
る収容空間も直方体となるように枠組みされている。2
つの光ファイバ案内部230A及び230Bは、枠体2
26から所定距離までは横方向に延在し、上記所定距離
からリング部材206の外壁216(正確には切欠き2
28)までは所定の曲率(曲率半径R)で湾曲されて形
成されている。この曲率半径Rは、カプラ22から導出
された光ファイバ16及び20がごく自然に巻き付け空
間218まで案内され、かつ光ファイバ16、20内を
伝搬する光に影響を及ぼさない程度の長さに規定されて
いる。なお、このリング部材206の外壁216には、
上記光ファイバ16、20を巻き付け空間218内に案
内する切欠き228のほかに、4つの切欠き232がそ
れぞれ等間隔に形成されている。
【0065】ここで、上記ファイバコイル用リール10
0の円形基板104とカプラ用リール200の円形基板
204の各寸法上の違いを説明すると、ファイバコイル
用リール100の円形基板104は、その内径がカプラ
用リール200の円形基板204よりも小さく設定さ
れ、図6に示す組立治具70における支軸74の上部7
4bの径とほぼ同じとされている。カプラ用リール20
0の円形基板204の内径は、上記支軸74の下部74
aの径とほぼ同じとされている。また、ファイバコイル
用リール100の円形基板104及びリング部材106
の各高さは、カプラ用リール200の円形基板204及
びリング部材206の各高さよりも大きく設定されてい
る。
【0066】従って、これらリール100及び200を
組立治具70のリール載置領域80に回転自在に載置す
る場合、まず、高さの低いカプラ用リール200を貫通
孔202を通じて支軸74の下部74aに回転自在には
めることにより、リール200をリール載置領域80に
載置し、その後、ファイバコイル用リール100を貫通
孔102を通じて支軸74の上部74bに回転自在には
めることにより、上記ファイバコイル用リール100を
上記カプラ用リール200の上方において支軸74に対
して回転自在に支持させることにより行われる。
【0067】次に、上記本実施の形態に係る組立治具7
0を使って光ファイバジャイロを組み立てる場合につい
て図10及び図11を参照しながら説明する。なお、図
10及び図11においては、各リールへの光ファイバの
巻き付けや光ICチップのパッケージ化作業を容易に理
解できるように、特に細かい構成部品の表示は避け、主
要構成の概略を主体に表示してある。
【0068】まず、図10Aに示すように、カプラ用リ
ール200に長尺の光ファイバ16、20を巻き付け、
カプラ用リール200の枠体226(図9A参照)内に
カプラ22を取り付けて、更に該カプラ22から導出さ
れている光ファイバ16、20をカプラ用リール200
に巻き付ける。
【0069】具体的に図8も参照しながら説明すると、
長尺の光ファイバ10のファイバコイル用リール100
への巻き付けは、光ファイバ10の始端部10aをつか
んだ状態で、光ファイバ10をリール100の巻き付け
空間118に進入させつつリング部材106の外壁11
6に巻き付けていく。そして、最後の1ターン目におい
て光ファイバ10をリング部材106に形成されている
任意の一対のガイド片124、124に沿わせて巻き付
け方向を逆転させ、光ファイバ10の終端部10bを始
端部10a側に導く。この段階で、光ファイバ10のフ
ァイバコイル用リール100への巻き付け作業が終了す
る。
【0070】一方、枠体226内に取り付けられている
カプラ22から導出されている光ファイバ16、20の
カプラ用リール200への巻き付けは、例えば図10A
上、カプラ22の右側から導出されている2本の光ファ
イバ(光ICチップに接続される光ファイバ16と未使
用の光ファイバ20)を図9に示す右側の光ファイバ案
内部230Aを通じて巻き付け空間218に引き出し、
引き出した上記2本の光ファイバ16、20をリング部
材206の外壁216に対して例えば時計回りに巻き付
け、光ICチップ24と接続される光ファイバ16の始
端部16aをリール200外に導出し、未使用の光ファ
イバ20の始端部20aをリング部材206内に収容す
る。次に、図10A上、カプラ22の左側から導出され
ている2本の光ファイバ(図1に示す光源14と接続さ
れる光ファイバ16と光検出器18に接続される光ファ
イバ20)を図9に示す左側の光ファイバ案内部230
Bを通じて巻き付け空間218に引き出し、引き出した
上記2本の光ファイバ16、20をリング部材206の
外壁216に対して例えば反時計回りに巻き付け、それ
ぞれの端部をリール200外に導出する。この段階で、
カプラ22から導出された光ファイバ16、20のカプ
ラ用リール200への巻き付け作業が終了する。
【0071】次に、図10Bに示すように、ファイバコ
イル用リール100の外部に導出された光ファイバ10
の始端部10aと終端部10bに第1のアレイ34を接
着し、カプラ用リール200の外部に導出された光ファ
イバ16、20のうち、光ICチップ24と接続される
光ファイバ16の端部16aに第2のアレイ36を接着
する。光ファイバ10に第1のアレイ34を接着し、光
ファイバ16に第2のアレイ36を接着する方法は、す
でに図2及び図3を参照しながら説明しているため、こ
こではその説明を省略する。
【0072】次に、第1のアレイ34の端面中、光ファ
イバ10の自由端側端面34a(図2B参照)、及び第
2のアレイ36の端面中、光ファイバ16の自由端側端
面36a(図3B参照)を研磨する。
【0073】ここで、第1のアレイ34の前記端面34
aを研磨する際に使用する研磨装置としては、例えばモ
ータによって回転駆動するラップ円板上に、ラッピング
シートが固定されたものが使用できる。
【0074】この場合、リール100から引き出された
光ファイバ10の端部に固着された第1のアレイ34に
対して研磨を行う必要から、研磨治具として例えばリー
ル100を複数載置可能とされたリール載置台と、該リ
ール載置台の下部に設けられ、かつリール100から引
き出された複数の第1のアレイ34をそれぞれ所定の角
度にて固定し、更にこれら第1のアレイ34の各端面3
4aを底面より露出させるアレイ固定部材を有するもの
を使用することが望ましい。
【0075】そして、前記アレイ固定部材の底面を前記
研磨装置の回転するラッピングシートに接触させて、前
記研磨治具(特にアレイ固定部材)の底面より露出する
第1のアレイ34の端面34aを研磨することにより、
光ファイバ10に固着された第1のアレイ34の前記端
面34aを容易に光ICチップ24の端面aの傾斜に合
わせて研磨することができる。これは、第2のアレイ3
6に対する研磨処理についても同様である。
【0076】次に、図10Cに示すように、上記図1に
示す光導波路28上に偏光子32と位相変調器30が形
成された光ICチップ24が用意され、該光ICチップ
24に対して、すでに光ファイバ10及び16が接着さ
れた第1及び第2のアレイ34及び36をそれぞれ接合
する。この接合の仕方も図4を参照してすでに説明して
いるため、その説明を省略する。
【0077】上記第1及び第2のアレイ34及び36の
光ICチップ24への接合が終了した段階で、今度は、
図11Aに示すように、光ファイバ16、20が巻回さ
れているカプラ用リール200を貫通孔202を通じて
組立治具70の支軸74の下部74a(図6参照)に回
転自在にはめることにより、該リール200をリール載
置領域80上に載置し、次いで、光ファイバ10が巻回
されているファイバコイル用リール100を貫通孔10
2を通じて上記支軸74の上部74b(図6参照)に回
転自在にはめることにより、該リール100をリール載
置領域80上に回転自在に支持させる。そして、第1及
び第2のアレイ34及び36を介して光ファイバ10及
び16が接合された光ICチップ24を組立治具70の
チップ載置台76(図6参照)に仮載置する。
【0078】次に、図11Aに示すように、組立治具7
0のパッケージ本体載置台78A(図6参照)にパッケ
ージ本体52を載置・固定し、蓋部材載置台78Bにパ
ッケージ本体52の蓋部材58を載置する。その後、チ
ップ載置台76に仮載置されている光ICチップ24を
取って、パッケージ本体載置台78Aに載置・固定され
ているパッケージ本体52内に収容する。このとき、光
ICチップ24をパッケージ本体載置台78A側に移動
させる際に、両リール100及び200が容易に回転し
て光ファイバ10及び16が自由に引き出されることと
なる。その後、図5Aを参照して説明したように、パッ
ケージ本体52の下部に導出されるリード端子54と光
ICチップ24上の位相変調器30の導電パッドとを電
気的に接続するためのワイヤボンディング処理が行われ
る。
【0079】その後、図5Bにて説明したように、蓋部
材載置台78Bに載置されている蓋部材58を取ってパ
ッケージ本体52に被せ、更にパッケージ本体52と蓋
部材58とを接合する。
【0080】以上の工程を踏むことにより、ファイバコ
イル12から導出された光ファイバ10及びカプラ22
から導出された光ファイバ16と光ICチップ24との
実質的な接合処理が終了することになる。
【0081】このように、本実施の形態に係る組立治具
70においては、底面の所定箇所に設けられたチップ載
置台76に仮載置されている光ICチップ24に対し
て、パッケージ本体載置台78Aにおいてパッケージ化
のための作業が行われることとなる。
【0082】この場合、前記光ICチップ24に対し、
パッケージ本体載置台78Aにおいて迅速にパッケージ
化のための作業を行うことができ、パッケージ化を別工
程とした場合における不都合、即ち、(1) 光ファイバ1
0、16と光学的結合がなされた光ICチップ24を多
数保管・管理するための設備が必要であること、(2)光
ファイバ10、16との光学的結合がなされた光ICチ
ップ24をその結合部分の断線に注意しながらパッケー
ジ化のための設備(保管管理設備等)まで搬送しなけれ
ばならないこと、などを解消でき、組立設備の簡素化及
び工数の削減を達成させることができる。
【0083】また、本実施の形態においては、ファイバ
コイル用リール100を用いるようにしているため、前
記ファイバコイル12を作製する場合、長尺の光ファイ
バ10をファイバコイル用リール100に所定ターン巻
回させるだけでよく、ファイバコイル12を非常に簡単
に、かつ短時間に作製することができる。
【0084】また、組立治具70には上記リール100
が回転自在に載置される円形のリール載置領域80を有
することから、光ICチップ24に対してパッケージ化
のための作業を行う場合、上記リール載置領域80にフ
ァイバコイル用リール100を回転自在に載置した後、
チップ載置台76に光ICチップ24を仮載置し、そし
て、パッケージ本体載置台78A側に光ICチップ24
を移動させて光ICチップ24に対するパッケージ化の
ための作業を行うことが可能となる。この場合、光IC
チップ24を作業台側に移動させる際に、リールが容易
に回転して光ファイバが自由に引き出されるため、上記
パッケージ化のための作業が簡単になり、短時間で作業
を終了させることができる。
【0085】また、本実施の形態においては、リール載
置領域80に、上記カプラ22から両方向に導出された
光ファイバ16、20が所定ターン巻回されたカプラ用
リール200が回転自在に載置される構成としているた
め、カプラ22から導出される非常に長い光ファイバ1
6、20をカプラ用リール200に巻回しながら収容す
ることができる。しかも光ファイバ16、20を収容し
たカプラ用リール200を組立治具70のリール載置領
域80に回転自在に載置することができ、上記ファイバ
コイル用リール100の場合と同様に、光ICチップ2
4をパッケージ本体載置台78A側に移動させる際に、
リール200が容易に回転して光ファイバ16、20が
自由に引き出されることとなる。その結果、上記パッケ
ージ化のための作業が容易になり、短時間で作業を終了
させることが可能となる。また、光ICチップ24に対
するパッケージ化のための作業時にカプラ22から引き
出された長い光ファイバ16、20が邪魔になるという
問題もなく、上記長い光ファイバ16、20によって光
ICチップ24に余分な荷重がかかるという不都合も生
じない。
【0086】特に、本実施の形態においては、組立治具
70の支軸74のうち、その下部74aにカプラ用リー
ル200を回転自在にはめこみ、ファイバコイル用リー
ル100を上記支軸74の上部74bに回転自在にはめ
こむようにしたため、各リール100、200が組立治
具70に対して回転自在に支持される。従って、これに
よって、各リール100、200から光ファイバ10、
16がそれぞれ独立に引き出されることとなり、パッケ
ージ本体載置台78Aでの光ICチップ24に対するパ
ッケージ化のための作業をスムーズに行うことができ
る。
【0087】なお、本発明に係る光ファイバジャイロ組
立治具及び光ファイバジャイロの組立方法は、上述の実
施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく
種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る光フ
ァイバジャイロ組立治具によれば、光ファイバが所定タ
ーン巻回されてなるファイバコイルと、光源から導出さ
れた光ファイバと光検出器に通じる光ファイバとを光学
的に結合するカプラと、前記ファイバコイルと前記カプ
ラ間に配され、かつ光導波路上に位相変調器と偏光子と
がマウントされた光ICチップとを有する光ファイバジ
ャイロ組立治具において、基台上面に、前記光ファイバ
と光学的に結合された光ICチップが載置されるチップ
載置台と、該チップ載置台に隣接してパッケージ化のた
めの作業台を設けるようにしている。
【0089】このため、組立工程が複雑になりがちな光
ファイバジャイロを簡単に組み立てることができ、光フ
ァイバジャイロの製造コストの低廉化を有効に図ること
ができるという効果が達成される。
【0090】また、本発明に係る光ファイバジャイロの
組立方法によれば、長尺の光ファイバが所定ターン巻回
されてなるファイバコイルと、光源から導出された光フ
ァイバと光検出器に通じる光ファイバとを光学的に結合
するカプラと、前記ファイバコイルと前記カプラ間に配
され、かつ光導波路上に位相変調器と偏光子とがマウン
トされた光ICチップとを有する光ファイバジャイロの
組立方法において、前記光ICチップが載置・固定され
るチップ載置台と、前記光ICチップを封入するための
パッケージを構成するパッケージ本体が載置されるパッ
ケージ本体載置台と、該パッケージ本体の蓋部材が載置
される蓋部材載置台が並設された組立治具を用いて光フ
ァイバジャイロを組み立てるようにしている。
【0091】このため、光ファイバジャイロを簡単に組
み立てることができ、光ファイバジャイロの製造コスト
の低廉化を有効に図ることができるという効果が達成さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る光ファイバジャイロ組立治
具によって製造される光ファイバジャイロを示す概略構
成図である。
【図2】ファイバコイルから導出された光ファイバに第
1のアレイを接着する場合の工程を示す説明図であり、
同図Aは接着工程を示し、同図Bは研磨工程を示す。
【図3】カプラから導出された光ファイバに第2のアレ
イを接着する場合の工程を示す説明図であり、同図Aは
接着工程を示し、同図Bは研磨工程を示す。
【図4】光ICチップと第1及び第2のアレイとの接合
工程を示す説明図であり、同図Aは位置合わせ工程を示
し、同図Bは光軸調整と接着工程を示す。
【図5】光ICチップのパッケージング工程を示す説明
図であり、同図Aはワイヤボンディング工程を示し、同
図Bはパッケージング完了状態を示す。
【図6】本実施の形態に係る組立治具をファイバコイル
用リール及びカプラ用リールと共に示す斜視図である。
【図7】本実施の形態に係る組立治具の平面図である。
【図8】ファイバコイル用リールを示す二面図であり、
同図Aは平面図、同図Bは同図AのA−A線上の断面図
である。
【図9】カプラ用リールを示す二面図であり、同図Aは
平面図、同図Bは同図AのB−B線上の断面図である。
【図10】本実施の形態に係る組立治具を使って光ファ
イバジャイロを組み立てる場合の組立工程図(その1)
であり、同図Aは光ファイバの各リールへの巻き付け工
程を示し、同図Bは光ファイバ端部へのアレイ接着工程
を示し、同図Cは光ファイバと光ICチップとの光学的
結合工程を示す。
【図11】本実施の形態に係る組立治具を使って光ファ
イバジャイロを組み立てる場合の組立工程図(その2)
であり、同図Aはファイバコイル用リールとカプラ用リ
ールを組立治具上に載置し、更に光ICチップをチップ
載置台に仮載置した状態を示し、同図Bは光ICチップ
をパッケージ本体内に収容した状態を示す。
【符号の説明】
10、16、20…光ファイバ 12…ファイバコ
イル 14…光源 18…光検出器 22…カプラ 24…光ICチッ
プ 28…光導波路 30…位相変調器 32…偏光子 34、36…第
1、第2のアレイ 52…パッケージ本体 58…蓋部材 70…組立治具 74…支軸 76…チップ載置台 78A…パッケー
ジ本体載置台 78B…蓋部材載置台 80…リール載置
領域 82…仕切台 100…ファイバ
コイル用リール 102…貫通孔 104…円形基板 106…リング部材 118…巻き付け
空間 124…ガイド片 126…切欠き 200…カプラ用リール 202…貫通孔 204…円形基板 206…リング部
材 218…巻き付け空間 222…カプラ保
持構造 226…枠体 228…切欠き 230A、230B…光ファイバ案内部 232…切欠き

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長尺の光ファイバが所定ターン巻回されて
    なるファイバコイルと、光源から導出された光ファイバ
    と光検出器に通じる光ファイバとを光学的に結合するカ
    プラと、前記ファイバコイルと前記カプラ間に配され、
    かつ光導波路上に位相変調器と偏光子とがマウントされ
    た光ICチップとを有する光ファイバジャイロの組立治
    具において、 基台上面に、前記光ファイバと光学的に結合された光I
    Cチップが仮載置されるチップ載置台と、該チップ載置
    台に隣接してパッケージ化のための作業台が設けられて
    いることを特徴とする光ファイバジャイロ組立治具。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光ファイバジャイロ組立治
    具において、 前記チップ載置台に加えて、少なくとも前記ファイバコ
    イルを構成する光ファイバが所定ターン巻回されたファ
    イバコイル用リールが回転自在に載置されるリール載置
    領域を有することを特徴とする光ファイバジャイロ組立
    治具。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の光ファイバジャイロ
    組立治具において、 前記リール載置領域に、前記カプラから両方向に導出さ
    れた光ファイバが所定ターン巻回されたカプラ用リール
    が回転自在に載置されることを特徴とする光ファイバジ
    ャイロ組立治具。
  4. 【請求項4】請求項3記載の光ファイバジャイロ組立治
    具において、 前記ファイバコイル用リールと前記カプラ用リールはそ
    れぞれ独立に回転自在に載置されることを特徴とする光
    ファイバジャイロ組立治具。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の光フ
    ァイバジャイロ組立治具において、 前記作業台は、前記光ICチップを封入するためのパッ
    ケージを構成するパッケージ本体が載置され、かつ実質
    的なパッケージ化のための作業が行われるパッケージ本
    体載置台と、 前記パッケージ本体の蓋部材が載置される蓋部材載置台
    とからなることを特徴とする光ファイバジャイロ組立治
    具。
  6. 【請求項6】長尺の光ファイバが所定ターン巻回されて
    なるファイバコイルと、光源から導出された光ファイバ
    と光検出器に通じる光ファイバとを光学的に結合するカ
    プラと、前記ファイバコイルと前記カプラ間に配され、
    かつ光導波路上に位相変調器と偏光子とがマウントされ
    た光ICチップとを有する光ファイバジャイロの組立方
    法において、 前記光ICチップが載置・固定されるチップ載置台と、
    前記光ICチップを封入するためのパッケージを構成す
    るパッケージ本体が載置されるパッケージ本体載置台
    と、該パッケージ本体の蓋部材が載置される蓋部材載置
    台が並設された組立治具とを用いて光ファイバジャイロ
    を組み立てることを特徴とする光ファイバジャイロの組
    立方法。
  7. 【請求項7】請求項6記載の光ファイバジャイロの組立
    方法において、 前記光ICチップに、前記ファイバコイルから導出され
    た光ファイバと前記カプラから導出された光ファイバを
    光学的に結合する工程と、 前記光ICチップをチップ載置台に仮載置する工程と、 前記パッケージ本体載置台に載置・固定されているパッ
    ケージ本体内に、前記光ICチップを収容する工程と、 前記蓋部材載置台に載置されている蓋部材を取り外し
    て、前記パッケージ本体に被せ、該パッケージ本体に前
    記蓋部材を接合する工程とを有することを特徴とする光
    ファイバジャイロの組立方法。
  8. 【請求項8】請求項7記載の光ファイバジャイロの組立
    方法において、 前記光ICチップと光ファイバとの光学的結合作業に先
    立って、前記光ファイバの光学的結合端部に接合方向を
    規制するアレイ部材を固着する工程を有することを特徴
    とする光ファイバジャイロの組立方法。
  9. 【請求項9】請求項7又は8記載の光ファイバジャイロ
    の組立方法において、 前記組立治具の基台上面に、前記チップ載置台に加え
    て、少なくとも前記ファイバコイルを構成する光ファイ
    バが所定ターン巻回されたファイバコイル用リールが回
    転自在に載置されるリール載置領域を有し、 前記光ICチップと光ファイバとの光学的結合作業の前
    後において、前記リール載置領域に前記ファイバコイル
    用リールを回転自在に載置・固定する工程を有すること
    を特徴とする光ファイバジャイロの組立方法。
  10. 【請求項10】請求項7〜9のいずれか1項に記載の光
    ファイバジャイロの組立方法において、 前記リール載置領域に、前記カプラから両方向に導出さ
    れた光ファイバが所定ターン巻回されたカプラ用リール
    を回転自在に載置・固定する工程を有することを特徴と
    する光ファイバジャイロの組立方法。
  11. 【請求項11】請求項10記載の光ファイバジャイロの
    組立方法において、 前記ファイバコイル用リールを回転自在に載置・固定し
    た後に、該ファイバコイル用リール上に前記カプラ用リ
    ールを該ファイバコイル用リールとは独立に回転自在に
    載置・固定する工程を有することを特徴とする光ファイ
    バジャイロの組立方法。
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