JPH1095960A - 粘着テープ及び救急絆創膏 - Google Patents

粘着テープ及び救急絆創膏

Info

Publication number
JPH1095960A
JPH1095960A JP8271554A JP27155496A JPH1095960A JP H1095960 A JPH1095960 A JP H1095960A JP 8271554 A JP8271554 A JP 8271554A JP 27155496 A JP27155496 A JP 27155496A JP H1095960 A JPH1095960 A JP H1095960A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
adhesive tape
nonwoven fabric
emergency
aid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8271554A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuaki Kitazaki
寧昭 北崎
Tsugio Saito
次雄 斎藤
Hiromitsu Fujisawa
博充 藤沢
Kunihiro Oyama
国広 大山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichiban Co Ltd
Original Assignee
Nichiban Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichiban Co Ltd filed Critical Nichiban Co Ltd
Priority to JP8271554A priority Critical patent/JPH1095960A/ja
Publication of JPH1095960A publication Critical patent/JPH1095960A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Manufacturing Of Multi-Layer Textile Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィット性が良好で違和感が少なく、巻き締
まり、使用中の接着性などが良好で、特に救急絆創膏用
として好適な粘着テープ、及び該粘着テープを用いた救
急絆創膏を提供すること。 【解決手段】 基材の片面に粘着剤を塗布した粘着テー
プにおいて、基材の機械方向(MD)の50%引張応力
(x)及び幅方向(TD)の50%引張応力(y)がと
もに24N/19mm(23℃)以下であって、その比
α(α=y/x)が1.10〜2.00の範囲内にある
ことを特徴とする粘着テープ、及び該粘着テープからな
る救急絆創膏。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子フィルムや
不織布を基材とする粘着テープ及び救急絆創膏に関し、
さらに詳しくは、フィット性が良好で違和感が少なく、
巻き締まり、使用中の接着性などが良好で、特に、救急
絆創膏用として好適な粘着テープ、及び該粘着テープを
用いた救急絆創膏に関する。
【0002】
【従来の技術】救急絆創膏は、一般に、基材の片面に粘
着剤を塗布した粘着テープを略長方形(通常、小判形)
に打ち抜き、粘着剤層の中央部にガーゼなどからなるパ
ッドを載せ、さらに被覆物(剥離ライナー)を貼り合わ
せたものであり、一枚ごとに包装し市販されている。救
急絆創膏には、強靭性、柔軟性、応力緩和性、表面滑
性、耐水性、通気性などの諸特性を有することが求めら
れている。より具体的には、(1)使用時に擦られた
り、引っ張られても容易には切断しないこと、(2)関
節の屈曲や肌の伸縮に対応しやすいこと、(3)指に巻
き付けたり、多少引っ張って貼付しても、短時間で緩和
して締めつけ感がなくなり、違和感が消失すること、
(4)表面の滑性が適度で、擦られても剥れにくいこ
と、(5)水仕事時や入浴時でも強度が低下しないこ
と、(6)通気性や透湿性に優れ、肌荒れや水分による
剥離がないこと、などが要求される。さらに、救急絆創
膏には、印刷適性があること、低価格であること、温度
変化による物性変化が少ないことなども求められてい
る。
【0003】救急絆創膏に対するこれらの要求品質の多
くは、主として、その基材の種類、物性、構造などに関
連している。従来より、救急絆創膏用粘着テープの基材
として、例えば、軟質ポリ塩化ビニルフィルム、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリウレタンフィル
ムなどの高分子フィルム、あるいはナイロン不織布、ポ
リエステル不織布、ポリウレタン不織布などの不織布が
使用されてきた。これらの中でも、軟質ポリ塩化ビニル
フィルムは、古くから救急絆創膏用の基材として使用さ
れており、強靭性、応力緩和性、耐水性、印刷適性など
が良好であり、通気性については、穿孔により対処する
ことができ、しかも低価格である。最近では、伸縮性と
通気性を有し、しかも柔軟性に優れている点で、ポリウ
レタン不織布などの伸縮性不織布が救急絆創膏用の基材
として注目されている。
【0004】しかしながら、これらの基材には、それぞ
れ長所と共に短所もあり、必ずしも前記の要求品質を充
分に満足するものではなかった。救急絆創膏において、
共通する問題点としては、貼り易さ(使用性)、巻き締
まり性、貼りごこち(フィット性)、使用中の接着性な
どが未だ充分ではないことである。救急絆創膏には、柔
軟で、肌に対するフィット性に富むことが求められる
が、それに加えて、指に巻き付けた場合に、程よく締ま
り、しかも使用中にスッポ抜けたり、剥れたりしないこ
とが要求される。ところが、従来の救急絆創膏は、例え
ば、貼付した指を曲げたときなど、ごわごわでフィット
性に劣るものであったり、指に巻いたまま入浴すると、
スッポ抜けし易いなどの問題点があった。このような問
題点の根幹には、基材の物性が大きく関与していること
が分かった。
【0005】一般に、救急絆創膏の基材に使用される高
分子フィルムや不織布などの原反には、MD(Mach
ine Direction;機械方向)及びTD(T
ransverse Direction;幅方向)と
もに引張応力が小さく、柔軟であることが必要とされ
る。より具体的に、救急絆創膏の基材には、MD、TD
ともに、例えば、50%引張応力が24N/19mm
(23℃)以下と小さく、柔軟であることが求められ
る。このような柔軟性のある軟質ポリ塩化ビニルフィル
ムなどの基材用の高分子フィルムは、その製造時に、特
に延伸製膜されているわけではないが、カレンダー時や
引き取り時にMDに引っ張られて、MDに配向する傾向
を持っている。同様に、救急絆創膏用粘着テープの基材
として使用されている不織布は、通常、MDに配向して
おり、TDの強度や引張応力は弱いものであった。すな
わち、ポリウレタン不織布などの基材用の不織布は、例
えば、溶融樹脂を細孔からフィラメントとして紡出し、
それを高速気流に随伴させて、ネットコンベヤ上にシー
ト状に堆積し、捕集する方法により製造されているが、
ネットコンベヤは、製造される不織布の流れ方向に移動
させるため、得られる不織布は、製造時の製品の流れ方
向(MD)に配向している。
【0006】一方、救急絆創膏は、通常、粘着テープを
小判形の略長方形に打ち抜いて作製されるが、通常、該
長方形の長辺は、引張応力が小さく、伸縮性の大きい基
材のTDと一致させている。また、長方形の短辺を基材
のMDと一致させることにより、打ち抜き工程の単位操
作当りの粘着テープの移動距離が短いため、連続的な打
ち抜き作業を高速かつ精密に行うことができるという利
点がある。ところが、このような救急絆創膏は、基材の
短辺方向(基材のMD)に配向しているので、温度が上
がったり、繰り返しの伸縮を受けると配向が緩和して、
短辺方向には縮み、長辺方向には伸び易い。したがっ
て、このような救急絆創膏を指に巻いたとき、ゆるんで
スッポ抜けが生じ易かった。また、このような救急絆創
膏は、貼付時にエッジの剥れが生じ易いなどの問題点が
あった。
【0007】このような問題点を解決する方法として、
例えば、粘着テープからの救急絆創膏の打ち抜きの際
に、長方形の長辺を基材のMDに、短辺を基材のTDに
一致させる方法が考えられる。しかしながら、この方法
によれば、指に対する巻き締まりが比較的良好な救急絆
創膏が得られるものの、貼り易さや貼りごこちなどが充
分ではない。また、救急絆創膏の長辺を基材のMDに一
致させて打ち抜くため、連続的な打ち抜き工程におい
て、単位操作ごとの粘着テープの移動距離が大きくな
り、高速かつ精密な打ち抜きが困難になる。
【0008】また、MDに配向している不織布を基材と
する救急絆創膏は、長辺方向(不織布のTD)の強度や
引張応力が弱いため、必要な強度や引張応力を得るため
に、不織布の坪量(目付け)を大きくせざるを得なかっ
た。ところが、不織布の坪量を大きくすると、経済的に
不利であることに加えて、短辺方向(不織布のMD)に
は丈夫になりすぎるため、救急絆創膏を貼付した指を曲
げたときなど、ごわごわでフィット性に劣ることにな
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フィ
ット性が良好で違和感が少なく、巻き締まり、使用中の
接着性などが良好で、特に救急絆創膏用として好適な粘
着テープ、及び該粘着テープを用いた救急絆創膏を提供
することにある。本発明者らは、前記従来技術の問題点
を克服するために鋭意研究した結果、基材の柔軟性を保
持しつつ、幅方向にも配向させた基材を作成し、該基材
を救急絆創膏用基材として使用することに想到した。そ
して、基材の機械方向(MD)の50%引張応力(x)
及び幅方向(TD)の50%引張応力(y)をともに2
4N/19mm(23℃)以下とすることにより、救急
絆創膏に要求される柔軟性を確保し、かつ、その比α
(α=y/x)を従来品とは逆転させて、1.10〜
2.00の範囲内とさせたところ、フィット性が良好で
違和感が少なく、巻き締まり、使用中の接着性などが良
好で、さらには、諸特性の良好な救急絆創膏の得られる
ことを見いだした。本発明は、これらの知見に基づいて
完成するに至ったものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基材の
片面に粘着剤を塗布した粘着テープにおいて、基材の機
械方向(MD)の50%引張応力(x)及び幅方向(T
D)の50%引張応力(y)がともに24N/19mm
(23℃)以下であって、その比α(α=y/x)が
1.10〜2.00の範囲内にあることを特徴とする粘
着テープが提供される。また、本発明によれば、上記の
粘着テープからなる救急絆創膏が提供される。
【0011】さらに、本発明によれば、以下の実施態様
が提供される。 1.基材が高分子フィルムまたは不織布である前記の粘
着テープまたは救急絆創膏。 2.高分子フィルムが軟質ポリ塩化ビニルフィルムであ
る前記の粘着テープまたは救急絆創膏。 3.軟質ポリ塩化ビニルフィルムが40〜100℃で幅
方向に5〜30%の延伸倍率で延伸処理をされたもので
ある前記の粘着テープまたは救急絆創膏。 4.不織布がポリウレタン不織布である前記の粘着テー
プまたは救急絆創膏。 5.略長方形であって、その長辺を基材のTDに、短辺
を基材のMDに一致させて打ち抜かれたものである前記
の救急絆創膏。 本発明において、機械方向(MD)とは、基材となる高
分子フィルムや不織布の製造時の製品の流れ方向(Ma
chine Direction)を意味しており、そ
して、幅方向(TD)とは、基材の面上、機械方向と垂
直な方向(Transverse Directio
n)を意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明では、粘着テープの基材と
して、MDだけではなくTDにも配向した、いわゆる方
向性を持つ高分子フィルムまたは不織布を用いる。ただ
し、救急絆創膏の基材として用いるために、基材のMD
の50%引張応力及びTDの50%引張応力は、いずれ
も24N/19mm(23℃±2℃で測定)以下である
ことが必要である。なお、救急絆創膏を作製するには、
基材の片面に粘着剤を塗布するが、粘着剤層が形成され
た基材(すなわち、粘着テープ)のMD及びTDの50
%引張応力は、実質的に基材の各50%引張応力と同じ
となる。したがって、基材のMDの50%引張応力
(x)とTDの50%引張応力(y)の比α(α=y/
x)も、粘着テープにおけるのと実質的に同じとなる。
【0013】ところで、従来、方向性を持つ粘着テープ
として、例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを基
材とする梱包、包装用粘着テープがあり、TDにも配向
している。また、手切れ性を付与するために、薄い二軸
延伸ポリプロピレンフィルムとTD一軸延伸ポリプロピ
レンフィルムとの貼り合わせフィルムを基材にした文具
用粘着テープがある。しかしながら、これらの粘着テー
プは、MD及びTDの50%引張応力が高く、救急絆創
膏には不適当なものである。
【0014】本発明で使用する粘着テープの基材は、基
材のMDの50%引張応力(x)とTDの50%引張応
力(y)の比α(α=y/x)が1.10〜2.00、
好ましくは1.10〜1.50の範囲内にある。このよ
うな基材を使用することにより、TDに大なる強度と引
張応力を持ち、MDには、柔軟でフィット性に富む新し
いタイプの救急絆創膏を製造することができる。救急絆
創膏は、このような基材の片面に粘着剤を塗布した粘着
テープを所定の形状の打ち抜いて作製する。救急絆創膏
の代表的な形状は、小判形の略長方形であるが、その長
辺を基材のTDに、短辺を基材のMDに一致させて打ち
抜く。従来の救急絆創膏は、上記の比α(=y/x、単
にTD/MDで標記することがある)が通常1.0以下
であり、前述のような問題点を抱えている。表1に代表
的な市販の救急絆創膏の構成とα値を示す。
【0015】
【表1】
【0016】柔軟な高分子フィルムや不織布などの基材
は、通常、製造時にMDに配向するが、TDに配向させ
るには、以下のような方法がある。高分子フィルムの場
合には、粘着剤と塗布する前か、あるいは塗布した後
に、昇温して幅方向(TD)に延伸して配向させる方法
がある。例えば、軟質ポリ塩化ビニルフィルムの場合に
は、常法により作成した未延伸の軟質ポリ塩化ビニルフ
ィルム(MDに配向あり)を40〜100℃、好ましく
は70〜90℃の延伸温度で、幅方向(TD)に5〜3
0%、好ましくは10〜20%程度の延伸倍率で延伸す
ることにより、TDに配向したフィルムを得ることがで
きる。TDに配向した基材からなる粘着テープは、粘着
剤層の表面に剥離ライナーを貼り合わせることにより、
配向状態を保持させる。高分子フィルムとしては、例え
ば、軟質ポリ塩化ビニルフィルム、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体フィルム、ポリウレタンフィルムなどを挙げ
ることができる。
【0017】ポリウレタン不織布などの不織布は、スパ
ンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法などの
種々の方法により製造されている。救急絆創膏用粘着テ
ープの基材となるポリウレタン不織布などの不織布は、
多くの場合、メルトブロー法により製造されている。メ
ルトブロー法では、熱可塑性ポリマーを溶融し、細孔か
ら吐出させ、これを高速の加熱気体で吹き飛ばし、ネッ
トコンベヤなどで捕集して不織布としている。従来、ポ
リウレタン不織布の製造方法として、例えば、溶融した
熱可塑性ポリウレタン弾性体にポリイソシアネート化合
物を添加、混練した後、細孔から紡出されたフィラメン
トを高速気流に随伴させて噴射し、ネットコンベヤ上に
シート状に堆積、捕集する方法が提案されている(特公
昭64−8746号公報)。ネットコンベヤ(無端ベル
ト)は、製造される不織布の流れ方向に移動させる。ネ
ットコンベヤ上に捕集されたウエブは、必要によりロー
ラーでプレスし、不織布として巻き取られる。
【0018】このような製造法により作製された不織布
は、通常、製造時の製品の流れ方向(MD)に少なから
ず配向している。不織布がMDに配向していることは、
MDの50%引張応力(x)とTD方向の50%引張応
力(y)の比α(y/x)により判定することができ
る。従来の不織布基材は、α値が通常0.90以下であ
る。このような従来品に対して、本発明で使用する不織
布は、前記比αが1.10〜2.00、好ましくは1.
10〜1.50の範囲内にあり、TD方向に強く配向し
ている。このような方向性をもつ伸縮性不織布は、メル
トブロー法による不織布の製造方法において、細孔を有
するノズル自体を幅方向に往復移動させ、かつ、ネット
コンベヤの移動速度をノズルの幅方向での往復移動速度
よりも遅い速度(例えば、1/3以下の速度)に調整す
ることにより得ることができる。ポリウレタン不織布の
平均繊維径は、通常、20〜30μmである。
【0019】不織布としては、ナイロン不織布、ポリエ
ステル不織布、ポリウレタン不織布などを挙げることが
できるが、これらの中でも、通気性と伸縮性に優れ、柔
軟性が良好なポリウレタン不織布が特に好ましい。ポリ
ウレタン繊維は、特異な伸縮性を示す高弾性繊維であ
り、ポリウレタン不織布を構成する極細繊維も伸縮性に
優れたものである。ポリウレタン繊維の化学構造は、結
晶を殆どもたない低融点の柔らかい長鎖状のソフトセグ
メントと、剛直性で凝集力の強い高融点のハードセグメ
ントからなるセグメント化ウレタンブロック共重合体で
ある。ポリウレタン不織布の製造法としては、一般に、
ポリオール、ジイソシアネート、及びハードセグメント
となる低分子ジオールを原料として溶融重合を行い、こ
の重合体を用いてメルトブロー法により不織布とする方
法が採用されている。
【0020】本発明で使用する不織布は、エンボス加工
を行うことにより、内部強度を高めることができる。エ
ンボス加工法としては、ポイント加熱圧着法を採用する
ことが好ましい。このようなエンボス加工により、1c
2当り10個以上の熱融着点を形成させて、内部強度
の不足を補うことができる。しかも、エンボス加工によ
り、救急絆創膏の表面(粘着剤層の背面)の滑り性が皮
膚の滑り性と合致し、指に巻いてものをつかむ際などの
違和感が少なくなる。エンボス加工を施すと、不織布製
造時にバインダーを使用しなくても、内部強度を高める
ことができるので、衛生材料として好ましい不織布を得
ることができる。
【0021】このような方向性を有する高分子フィルム
や不織布を基材として粘着テープを作製し、次いで、略
長方形の小判型に打ち抜いて救急絆創膏を作製する。粘
着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着
剤、シリコン系粘着剤などを挙げることができる。これ
らの粘着剤の中でも、ゴム系粘着剤は、軟質ポリ塩化ビ
ニルフィルム基材などの高分子フィルム基材に適してお
り、アクリル系粘着剤は、不織布との接着剤が良好で、
価格的にも有利であるため、不織布基材に適している。
【0022】本発明の粘着テープから救急絆創膏を作製
するには、通常、略長方形の小判型に打ち抜き、その
際、長辺を基材のTDに、短辺を基材のMDに、それぞ
れ一致させる。本発明の救急絆創膏は、長辺方向の強度
のみならず、短辺方向の柔らかさをも得ることができ
る。この救急絆創膏は、長辺方向に強度が強く配分され
ているので、例えば、不織布の場合、全体的な強度のも
とになっている坪量(単位面積当りの質量)を低く抑え
ることができる。不織布は、通気性と伸縮性に優れたも
のである。基材が高分子フィルムの場合、通気性を高め
るために、穿孔することが望ましい。
【0023】救急絆創膏の粘着剤層の略中央部には、パ
ッドを配置する。パッドとしては、特殊織布、ガーゼ、
不織布などを使用することができるが、これらの中で
も、吸水性の良い伸縮性の編み地や伸縮性不織布にアト
ラス編みしたネットを貼り合わせた伸縮性パッドが好適
である。パッドには、予め殺菌剤を滲み込ませて殺菌消
毒するか、あるいは完成品とした後滅菌処理を行うなど
をしてもよい。粘着剤面には、常法に従って、剥離ライ
ナーを貼り合わせ、1枚ごとに包装してもよい。剥離ラ
イナーとしては、クレープ状セロハン、ポリエステルフ
ィルム、ポリオレフィン系フィルムに剥離処理したも
の、剥離紙などが挙げられる。
【0024】本発明の粘着テープを用いた救急絆創膏
は、フィット性が良好で違和感が少なく、特に、不織布
の場合坪量を低く抑えることができるのでコスト的にも
有利である。本発明の救急絆創膏は、指などに巻いた場
合、巻き締まりがきつくもゆるくもなく、程よい感じで
あり、しかも従来品のように、温度が上がったり、繰り
返しの伸縮を受けると配向が緩和して、短辺方向に縮
み、長辺方向には伸びることがないので、ゆるんですっ
ぽ抜けが生じることが少ない。また、貼付時にエッジか
らの剥れが抑制される。本発明の救急絆創膏は、通気性
が良く、皮膚呼吸を妨げず、むれなどによる不快感、雑
菌の増殖などを抑制することができる。
【0025】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明についてより
具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに
限定されるものではない。
【0026】物性の測定法は、次のとおりである。 (1)引張試験 JIS K−7113に準じて引張試験を行い、50%
引張応力の測定を行った。 ・試験機:インストロン型引張試験機 ・試験片:幅19mm、長さ100mm、標線間距離5
0mmの短冊状 ・つかみ間隔:50mm ・クロスヘッド移動速度:300mm/min ・繰返し試験数:n=3 ・測定雰囲気:23℃、65%RH ・50%引張応力の測定法:サンプルシートから幅19
mm、長さ100mmの短冊を裁断し、中央部に50m
mの標線をつけ、その状態で1時間以上状態調節を行っ
た後、インストロン型引張試験機のクロスヘッドに上記
50mmのつかみ間隔で取り付ける。下部クロスヘッド
を300mm/minの速度で下げ、上記試験片を引っ
張った。引張り長さが25mmに至ったときの荷重を5
0%引張応力とした。荷重の単位は、ニュートン(N)
で表した。MDを長く切り出して、その方向に引っ張っ
たときの測定結果をMDのデータとした。測定温度は、
23℃±2℃である。 (2)救急絆創膏の実用試験 被験者:15〜50歳の健康な男女、計30名 貼付部位:左右手の中指及び薬指 試験方法:被験者に各試料を配り、サイクル形式で2
回に分けて貼付 評価方法:表に示す各評価項目をチェック 貼付期間:1回当り8時間以上
【0027】[実施例1]救急絆創膏用の軟質ポリ塩化
ビニルフィルム(マルト社製クリアA;下塗り、印刷済
フィルム)を80℃の恒温槽で3分間予熱した後、幅方
向に30%の延伸倍率となるように延伸した。次いで、
上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に、以下の組成
のゴム系粘着剤を塗布した。 天然ゴム 30重量% スチレン−イソプレン−スチレンゴム(SIS) 10重量% 液状イソプレンゴム 10重量% 脂環族系石油樹脂 29重量% テルペン系樹脂 20重量% 老化防止剤 1重量% このようにして得られた粘着テープから、19mm×7
2mmの長方形の試料片を打ち抜き、その際、長辺を基
材のTDに、短辺を基材のMDに、それぞれ一致させ
た。物性の測定結果を表2に示す。また、救急絆創膏の
実用試験の結果を表3に示す。比較のため、市販の軟質
ポリ塩化ビニルフィルムを基材とする救急絆創膏につい
て測定した結果も表2及び表3に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】[実施例2]脱水した水酸基価102のポ
リテトラメチレングリコール5550重量部と1,4−
ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン500重量部
とをジャケット付きのニーダーに仕込み、攪拌しながら
充分に溶解した後、85℃に加熱し、これに4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート1960重量部を加
えて約30分間反応させた。このようにして得られた粉
末状のポリウレタンを押出機によりペレット状に形成し
た。数平均分子量が2000のポリヘキサメチレンジオ
ールと4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートと
1,4−ブタンジオールを2軸重合機で溶融重合して、
ショアA硬度90の熱可塑性ポリウレタンを得た。この
ようにして得られた粉末状のポリウレタンを押出機によ
りペレット状に形成した。このようにして作製したポリ
ウレタン弾性体のペレットを原料とし、溶融ブロー紡糸
装置を用いて、該ペレットを溶融させ、ポリウレタン溶
融液を細孔を有するノズル群から吐出した。そのノズル
群は、幅方向に常時往復運動しており、マシン速度(ネ
ットコンベヤの移動速度)をノズルの巾方向での往復移
動速度の約1/5に設定した。この溶融繊維群をネット
コンベヤ上に落として、坪量65g/m2にシーティン
グした。繊維径は、約20〜30μmφの範囲であっ
た。上記ポリウレタン不織布の片面に、アクリル系粘着
剤(2−エチルヘキシルアクリレート87重量%、酢酸
ビニル10重量%、及びアクリル酸3重量%の共重合
体)を40g/m2有孔塗工し、剥離紙を貼り合わせて
粘着シートとした。この粘着テープをMDに19mm、
TDに72mmの長方形に打ち抜き、次いで、粘着剤層
の上に13×22mmのガーゼパッドを載せ、製品ライ
ナーで粘着面を覆い救急絆創膏とした。このようにして
得られた救急絆創膏は、柔軟で、通気性、収縮性に優
れ、そして、貼付後の外観が良好で、指に巻いた場合に
巻締まりが良く、貼りごこちが良好で、フィット性に優
れたものであった。
【0031】[比較例1]実施例2において、ポリウレ
タン溶融液を細孔を有するノズル群から吐出する際に、
ノズル群を幅方向に往復運動させることなく、坪量75
g/m2にシーティングした。繊維径は、約20〜30
μmφの範囲であった。このポリウレタン不織布を用い
て、実施例2と同様に粘着テープ、及び救急絆創膏を作
成し、評価した。実施例2及び比較例1の結果を表4及
び表5に示す。市販の不織布を基材とする救急絆創膏に
ついて評価した結果も併せて示す。
【0032】
【表4】 (*1)パッドの影響が大なのでパッドを取除いて測定
【0033】
【表5】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、フィット性が良好で違
和感が少なく、巻き締まり、使用中の接着性などが良好
で、特に救急絆創膏用として好適な粘着テープ、及び該
粘着テープを用いた救急絆創膏が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大山 国広 東京都文京区関口二丁目3番3号 ニチバ ン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の片面に粘着剤を塗布した粘着テー
    プにおいて、基材の機械方向(MD)の50%引張応力
    (x)及び幅方向(TD)の50%引張応力(y)がと
    もに24N/19mm(23℃)以下であって、その比
    α(α=y/x)が1.10〜2.00の範囲内にある
    ことを特徴とする粘着テープ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の粘着テープからなる救急
    絆創膏。
  3. 【請求項3】 略長方形であって、その長辺を基材のT
    Dに、短辺を基材のMDに一致させて打ち抜かれたもの
    である請求項2記載の救急絆創膏。
JP8271554A 1996-09-20 1996-09-20 粘着テープ及び救急絆創膏 Pending JPH1095960A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8271554A JPH1095960A (ja) 1996-09-20 1996-09-20 粘着テープ及び救急絆創膏

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8271554A JPH1095960A (ja) 1996-09-20 1996-09-20 粘着テープ及び救急絆創膏

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1095960A true JPH1095960A (ja) 1998-04-14

Family

ID=17501698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8271554A Pending JPH1095960A (ja) 1996-09-20 1996-09-20 粘着テープ及び救急絆創膏

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1095960A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000189453A (ja) * 1998-12-28 2000-07-11 Nichiban Co Ltd 医療用粘着テ―プ
JP2004229830A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Nichiban Co Ltd ロール状医療用粘着テープ
JP2006288887A (ja) * 2005-04-13 2006-10-26 Nitto Denko Corp 貼付製剤
WO2016152919A1 (ja) * 2015-03-24 2016-09-29 古河電気工業株式会社 半導体加工用テープ
WO2016158412A1 (ja) * 2015-04-01 2016-10-06 日東電工株式会社 粘着テープロール
JP2016194043A (ja) * 2015-04-01 2016-11-17 日東電工株式会社 粘着テープロール
JP2021083934A (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 リバテープ製薬株式会社 両伸縮パッド及び該両伸縮パッドを用いた創傷保護材

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000189453A (ja) * 1998-12-28 2000-07-11 Nichiban Co Ltd 医療用粘着テ―プ
JP2004229830A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Nichiban Co Ltd ロール状医療用粘着テープ
JP2006288887A (ja) * 2005-04-13 2006-10-26 Nitto Denko Corp 貼付製剤
WO2016152919A1 (ja) * 2015-03-24 2016-09-29 古河電気工業株式会社 半導体加工用テープ
WO2016158412A1 (ja) * 2015-04-01 2016-10-06 日東電工株式会社 粘着テープロール
JP2016194043A (ja) * 2015-04-01 2016-11-17 日東電工株式会社 粘着テープロール
JP2021083934A (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 リバテープ製薬株式会社 両伸縮パッド及び該両伸縮パッドを用いた創傷保護材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0051935B1 (en) Medical device for covering a portion of the anatomical surfaces of a living being
JP4275859B2 (ja) 弾性タブ積層品
US6495230B1 (en) Film-based bandage material
JP4755284B2 (ja) 貼付材
US9155669B2 (en) Fastening film system and assembly comprising a fastening film system and a substrate
AU637678B2 (en) Elastomeric tapes with microtextured skin layers
JP5073650B2 (ja) 医療用シート基材及びそれを用いた医療用シート
JPS61174281A (ja) 接着材複合物およびその適用法
AU742636B2 (en) Substrate for adhesive dressing, and medical adhesive dressing and adhesive tape using the same
JP2931604B2 (ja) 接着剤複合体
JP4181883B2 (ja) ロール状医療用粘着テープ
JPH1095960A (ja) 粘着テープ及び救急絆創膏
JP4818678B2 (ja) 粘着シートの製造方法
JPH119623A (ja) 医療用粘着テープ
JP2002360625A (ja) 皮膚貼付用粘着テープ及びその製造方法
JP2004519291A (ja) 伸張除去性接着剤物品および方法
JP3495516B2 (ja) 救急絆創膏
TWI803581B (zh) 絆創膏及絆創膏用聚胺甲酸酯不織布
JP2007275357A (ja) 皮膚貼着用粘着テープもしくはシート
JPS59214449A (ja) 包被手当材料
JPH09560A (ja) 救急絆創膏用粘着フィルム及び該粘着フィルムを用いた救急絆創膏
JP2003102774A (ja) 貼付時の取扱性が改善された伸縮貼付薬
JPH10279472A (ja) 外用貼付剤
JP6697463B2 (ja) 皮膚縫合用又は皮膚縫合後の補強用テープ
JP2008109989A (ja) 医療用貼付製品

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040602