JPH1095831A - 高純度エポキシ樹脂の製造法、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

高純度エポキシ樹脂の製造法、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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JPH1095831A
JPH1095831A JP26917096A JP26917096A JPH1095831A JP H1095831 A JPH1095831 A JP H1095831A JP 26917096 A JP26917096 A JP 26917096A JP 26917096 A JP26917096 A JP 26917096A JP H1095831 A JPH1095831 A JP H1095831A
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hydroxyl group
epihalohydrin
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JP26917096A
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Nobuo Takahashi
信雄 高橋
Uzuhiko Ueda
珍比古 上田
Hiroshi Kaneko
博 金子
Masayuki Itai
政幸 板井
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体素子の封止材料として加水分解塩素量を
低減した信頼性の高い高純度なエポキシ樹脂を提供する
こと。 【解決手段】フェノール性水酸基を有する化合物をエピ
ハロヒドリン、アルカリ金属水酸化物を用いて、非プロ
トン性極性溶媒及び第4級アンモニウム塩の存在下で反
応することを特徴とする高純度エポキシ樹脂の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い信頼性の要求
される電気・電子部品の分野、時に電子部品封止剤、積
層板等の材料として有用な高純度エポキシ樹脂の製造
法、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にエポキシ樹脂は、耐熱性、接着
性、耐薬品性、電気特性、機械特性等に優れている為、
接着剤、塗料、電気絶縁材料などに幅広く用いられてい
る。
【0003】一方、近年の電子材料の発展に伴うICの
高集積化は、特に封止剤に対してより一層の高純度を要
求している。即ち、高集積化による配線の微細化により
配線の腐食が起こりやすくなるため、その原因となる腐
食性イオン、とりわけ加水分解性塩素量を極力抑えたエ
ポキシ樹脂の製造法が望まれている。
【0004】これらの製造法に関して、多数の方法が提
案されているが、いずれも加水分解性塩素量の低減には
限界があり又、、工業的に実施しようとする場合、問題
点が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、加
水分解塩素量を低減し、なおかつ工業的な価値が大きい
高純度エポキシ樹脂の製造法を提供しようとするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の目
的を達成すべく、いかにして高純度エポキシ樹脂を製造
するか検討した結果、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は(1)フェノール水酸基を
有する化合物とエピハロヒドリンを、アルカリ金属水酸
化物を用いて、非プロトン性極性溶媒及び第4級アンモ
ニウム塩の存在下に反応させることを特徴とするエポキ
シ樹脂の製造法、(2)非プロトン性極性溶媒の使用量
がエピハロヒドリンに対して、2〜20重量%である上
記(1)に記載のエポキシ樹脂の製造法、(3)エピハ
ロヒドリンの使用量がフェノール性水酸基1当量に対し
て3ないし6モルである上記(1)または(2)に記載
のエポキシ樹脂の製造法、(4)アルカリ金属水酸化物
の使用量がフェノール性水酸基1当量に対して0.9〜
1.2モルである上記(1)〜(3)のいずれか1項に
記載のエポキシ樹脂の製造法、(5)第4級アンモニウ
ム塩の使用量がフェノール性水酸基を有する化合物に対
して0.2〜1.2重量%である上記(1)〜(4)の
いずれか1項に記載のエポキシ樹脂の製造法、(6)上
記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の製造法で得ら
れたエポキシ樹脂、硬化剤、必要により硬化促進剤を含
有するエポキシ樹脂組成物、(7)上記(6)記載のエ
ポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂の製造法は、フェノール水酸基を
有する化合物とエピハロヒドリンを、アルカリ金属水酸
化物を用いて、非プロトン性極性溶媒及び第4級アンモ
ニウム塩の存在下に反応させる。フェノール性水酸基を
有する化合物は特に限定されず、種々のものが利用でき
る。例えば、フェノール類化合物とアルデヒド化合物の
縮合物、ビスフェノール類、ビフェノール類等が挙げら
れる。
【0009】前記においてフェノール類化合物とアルデ
ヒド化合物としては、例えば、クレゾールノボラック樹
脂、フェノールノボラック樹脂等のような、フェノール
類化合物とホルムアルデヒドの脱水縮合物(ノボラック
樹脂)がその例として挙げられる。
【0010】更に具体的には、フェノール類化合物とし
てフェノール、又は、オルソクレゾール、パラクレゾー
ル、メタクレゾール、t−ブチルフェノール、フェニル
フェノール、ノニルフェノールなどの一置換フェノール
類、又は、2,3−ジメチルフェノール、、2,5ージ
メチルフェノール、3,4ージメチルフェノール、2ー
t−ブチルフェノールー5ーメチルフェノール、などの
二置換フェノール、又は、2,3,5ートリメチルフェ
ノールなどの三置換フェノール、又は、1ーナフトー
ル、2ーナフトール、1ーメチルー2ーナフトール、2
ーメチルー1ーナフトールなどのナフトール類を用い、
これらの一種、あるいは二種以上とホルムアルデヒドを
脱水縮合して得られる縮合物(ノボラック型樹脂)が挙
げられる。
【0011】又、ホルムアルデヒドの代わりに、アルデ
ヒド化合物としてベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズ
アルデヒド、テレフタルアルデヒド類を使用し、これを
前述のフェノール類化合物と脱水縮合して得られる縮合
物であってもよい。
【0012】さらに、ホルムアルデヒドの代わりにアク
ロレイン、クロトンアルデヒドなどの不飽和二重結合を
有するアルデヒド類、あるいは、グリオキザール、ゲル
タルアルデヒドなどのアルデヒド基を複数有するアルデ
ヒド類を使用し、これを前述のフェノール類化合物と脱
水縮合して得られる縮合物であっても良い。
【0013】ビスフェノール類としては、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールFが、ビフェノール類としては、
4,4’ービスヒドロキシー3,3’,5’,5ーテト
ラメチルビフェニルなどがそれぞれ用いうる具体例とし
て挙げられる。
【0014】本発明においてこのような、フェノール性
水酸基を有する化合物をエポキシ化するために用いるエ
ピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブ
ロムヒドリンなどが挙げられ、エピハロヒドリンの使用
量は、フェノール性水酸基を有する化合物のフェノール
性水酸基1当量に対して通常2〜10、好ましくは3〜
6モルである。エピハロヒドリンの量が少なすぎるとゲ
ル状物質が発生しやすくなり、又、多すぎると工業的に
不利となる。
【0015】非プロトン性極性溶媒としては、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
ン、ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素などが挙
げられ、これらは、エピハロヒドリンに対して通常2〜
20重量%使用する。非プロトン性極性溶媒の使用量が
少なすぎると加水分解性塩素量の低減において顕著な効
果を達成しにくくなり、又、多すぎると増量した効果は
ほとんどなくなる。工業的意味からも容積効率の低下を
きたし不利である。
【0016】第4級アンモニウム塩としては、テトラメ
チルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウ
ムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライドなど
が挙げられ、これらはフェノール性水酸基を有する化合
物に対して通常0.2〜1.2重量%使用する。第4級
アンモニウム塩の使用量がが少なすぎると非プロトン性
極性溶媒と同様に加水分解性塩素量の低減が顕著でな
く、又、多すぎると増量した効果がほとんどなくなる。
【0017】反応温度及び時間は通常40〜80℃で3
0分〜5時間、、好ましくは50〜70℃で90分〜5
時間である。反応温度が40℃以下ではフェノール性水
酸基を有する化合物とエピハロヒドリンとの反応が遅く
なり、反応温度が80℃以上では副反応が多く起こり好
ましくない。反応時間が30分以内であると反応が完結
しないまま未反応分が次工程に不純物として混入し、ゲ
ル化を起こす恐れがあり好ましくない。また、反応時間
は5時間以内でフェノール性水酸基を有する化合物とエ
ピハロヒドリンとの反応は完結しており、5時間以上行
っても製造効率を悪くするだけである
【0018】フェノール性水酸基を有する化合物とエピ
ハロヒドリンを反応させる際に用いるアルカリ金属水酸
化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙
げられ、これらは一種のみを又はそれらを組み合わせて
もよく固形の状態で又は、その水溶液の状態で使用する
ことができ、その使用量は、フェノール性水酸基を有す
る化合物のフェノール性水酸基1当量に対して通常0.
9〜1.2モルである。
【0019】アルカリ金属水酸化物は40〜80℃で一
括でまたは少量づつ分割して添加するが、3時間以内で
添加し、その後50〜80℃で30分〜3時間撹拌を続
けることにより反応を完結させるのが好ましい。
【0020】反応終了後、非プロトン性極性溶媒及び第
4級アンモニウム塩、副生アルカリ塩を水洗により除去
し、過剰のエピハロヒドリンは減圧蒸留により留去、回
収することにより、残留樹脂が得られる。
【0021】このようにして得られた残留樹脂にメチル
イソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の有機溶剤を加え、残留樹脂を溶解し、さらにアルカリ
金属水酸化物を添加し脱ハロゲン化水素反応を行う。
【0022】この際用いるアルカリ金属水酸化物として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げら
れ、その使用量はフェノール性水酸基を有する化合物の
フェノール性水酸基1当量に対して通常0.01〜0.
2モルである。
【0023】このようにしてアルカリ金属水酸化物で処
理して得た残留樹脂は、水洗により過剰のアルカリ金属
水酸化物を除去する。この水洗は、分離した水相が中性
になるまで繰り返す。その後、有機溶剤を減圧下に除去
することにより、加水分解性塩素量がきわめて少ない目
的とする高純度エポキシ樹脂を得ることができる。
【0024】フェノール性水酸基を有する化合物とエピ
ハロヒドリンとの反応を常圧で可能ならしめる本発明の
重要な点は、非プロトン性極性溶媒及び第4級アンモニ
ウムの存在下に該反応を行うことである。従来提案され
ている製造法においては、アルカリ金属水酸化物を水溶
液の形で使用し、非プロトン性極性溶媒もしくは第4級
アンモニウム塩をそれぞれ単独で用い共沸脱水しながら
反応系内の水分がある範囲(例えば0.5〜3%)にな
るよう温度と圧力を調整している。
【0025】しかるに本発明の方法であるアルカリ金属
水酸化物を使用し、非プロトン性極性溶媒及び第4級ア
ンモニウム塩の存在下で該反応を行う方法においては、
従来の方法で製造したものにも増して高純度なエポキシ
樹脂を得ることができる。
【0026】反応終了後は、非プロトン性極性溶媒及び
第4級塩、副生塩を水洗除去、残留した過剰のエピハロ
ヒドリンは減圧留去し、得られた残留樹脂は、疎水性有
機溶剤中でさらにアルカリ金属水酸化物により処理する
ことによって、従来の共沸脱水により水分を調整する方
法よりも、一段と加水分解性塩素量の低減が実現でき
る。
【0027】このように、本発明においては、アルカリ
金属水酸化物を使用し、非プロトン性極性溶媒及び第4
級アンモニウム塩の存在下に反応を行うことにより、得
られるエポキシ樹脂中の加水分解性塩素量の低減が可能
となる。
【0028】以下、本発明のエポキシ樹脂組成物につい
て説明する。本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記のよ
うにして得られたエポキシ樹脂(以下、本発明のエポキ
シ樹脂という)及び硬化剤、必要により硬化促進剤を含
有する。本発明のエポキシ樹脂組成物において本発明の
エポキシ樹脂は他のエポキシ樹脂と併用して使用するこ
とが出来る。併用する場合本発明のエポキシ樹脂が全エ
ポキシ樹脂中に占める割合は2重量%以上が好ましく、
特に5重量%以上が好ましい。
【0029】本発明のエポキシ樹脂と併用しうる他のエ
ポキシ樹脂の具体例としては、ノボラック型エポキシ樹
脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などが挙
げられるがこれらは単独で用いてもよく、2種以上併用
してもよい。
【0030】本発明のエポキシ樹脂組成物において使用
される硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水
物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物など
が挙げられる。用い得る硬化剤の具体例としては、ジア
ミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソ
ホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量
体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹
脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリ
ット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無
水フタル酸、フェノ−ルノボラック、及びこれらの変性
物、イミダゾ−ル、BF3 −アミン錯体、グアニジン誘
導体などが挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用しても
よい。
【0031】本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化
剤の使用量は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対
して0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量
に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2
当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な
硬化物性が得られない恐れがある。
【0032】また上記硬化剤を用いる際に硬化促進剤を
併用しても差し支えない。用いうる硬化促進剤の具体例
としては例えば2−メチルイミダゾール、2−エチルイ
ミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等の
イミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノ
ール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデ
セン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン
等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物等が
挙げられる。硬化促進剤はエポキシ樹脂100重量部に
対して0.1〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
【0033】本発明のエポキシ樹脂組成物は必要により
無機充填材を含有する。用いうる無機充填材の具体例と
してはシリカ、アルミナ、タルク等が挙げられる。無機
充填材は本発明のエポキシ樹脂組成物中において0〜9
0重量%を占める量が用いられる。更に本発明のエポキ
シ樹脂組成物には、シランカップリング剤、ステアリン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カ
ルシウム等の離型剤、顔料等の種々の配合剤を添加する
ことができる。
【0034】本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成
分を所定の割合で均一に混合することにより得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と
同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例
えばエポキシ樹脂と硬化剤、必要により硬化促進剤、無
機充填材並びに配合材等を必要に応じて押出機、ニ−
ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に混合してエ
ポキシ樹脂組成物を得、そのエポキシ樹脂組成物を溶融
後注型あるいはトランスファ−成形機などを用いて成形
し、さらに80〜200℃で2〜10時間加熱すること
により本発明の硬化物を得ることができる。
【0035】また本発明のエポキシ樹脂組成物をトルエ
ン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カ
−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アル
ミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプ
リプレグを熱プレス成形して硬化物を得ることもでき
る。この際の溶剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該
溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは1
5〜70重量%、特に好ましくは15〜65重量%を占
める量を用いる。
【0036】こうして得られる硬化物は低加水分解性ハ
ロゲン濃度のエポキシ樹脂が要求される広範な分野で用
いることができる。具体的には封止材料、積層板、絶縁
材料などのあらゆる電気・電子材料として有用である。
また、成型材料、接着剤、複合材料、塗料などの分野に
も用いることができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。尚、実施例中の全塩素量及び加水分解性塩素量は以
下のようにして測定した。 (a)全塩素量:約1gのエポキシ樹脂を100mlの
共栓付きフラスコに精秤し、n−ブチルカルビトール2
5mlを加え、加熱溶解する。溶解後、1N−KOHプ
ロピレングリコール溶液25mlを加え、10分間加熱
還流する。その後、この溶液を完全に200mlのビー
カーに移し氷酢酸50mlを加えて硝酸銀水溶液にて電
位差滴定を行い定量した。 (b)加水分解塩素量:約0.5gのエポキシ樹脂を1
00mlの共栓付きフラスコに精秤し、ジオキサン30
mlで溶解する。溶解後、1N−KOHエタノール溶液
5mlを加え30分間煮沸還流する。その後、この溶液
を完全に200mlのビーカーに移し、80%濃度のア
セトン水溶液100mlを加え、更に濃硝酸2mlを加
えて、硝酸銀水溶液にて電位差滴定で行い定量した。
【0038】実施例1 温度計、撹拌機、冷却管を付けたガラス容器にオルソク
レゾールノボラック樹脂(水酸基当量:120g/e
q)120g(水酸基として1モル)、エピクロルヒド
リン462.5g(5モル)、ジメチルスルホキシド2
3g、テトラメチルアンモニウムクロライド0.7g、
水5gを溶解させた後、撹拌下、60℃で純度98.5
%の水酸化ナトリウム44.7g(水酸化ナトリウム分
として1.1モル)を2時間かけて添加し、更に70℃
で1時間反応させ、次に水400gを加え、水洗し静置
後水層を除去した後、過剰のエピクロルヒドリンを蒸留
回収した。その後、得られた残留樹脂にメチルイソブチ
ルケトン500gを加えて均一に溶解させた後、15重
量%水酸化ナトリウム水溶液26.8g(0.1モル)
を加え70℃で1時間反応させ、次に水150gで2回
水洗し、油水分離後、油層からメチルイソブチルケトン
を留去してエポキシ樹脂を得た。このようにして得たエ
ポキシ樹脂のエポキシ当量は198g/eq、全塩素量
は890ppm、加水分解性塩素量は570ppm、軟
化点は71℃であった。
【0039】実施例2 テトラメチルアンモニウムクロライドの代わりにベンジ
ルトリメチルアンモニウムクロライド0.7gを使用す
る以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂を得た。得
られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量は198g/e
q、全塩素量890ppm、加水分解性塩素量は560
ppm、軟化点は71℃であった。
【0040】実施例3 ジメチルスルホキシドの代わりにジメチルホルムアミド
23gを使用する以外は実施例1と同様にしてエポキシ
樹脂を得た得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量は1
99g/eq、全塩素量950ppm、加水分解性塩素
量は590ppm、軟化点71℃であった。
【0041】実施例4 ジメチルスルホキシド40g、テトラメチルアンモニウ
ムクロライド1.1gを使用する以外は実施例1と同様
にしエポキシ樹脂を得た。得られたエポキシ樹脂は、エ
ポキシ当量は197、全塩素量は880ppm、加水分
解性塩素量は520ppm、軟化点は70℃であった。
【0042】実施例5 オルソクレゾールノボラック樹脂の代わりにビスフェノ
ールA(水酸基当量:114g/eq)114g(水酸
基として1モル)を使用する以外は実施例1と同様にし
てエポキシ樹脂を得た。得られたエポキシ樹脂は、エポ
キシ当量178g/eq、全塩素量は660ppm、加
水分解性塩素量は480ppm、粘度は8100cps
であった。
【0043】実施例6 オルソクレゾールノボラック樹脂の代わりにビスフェノ
ールF(水酸基当量:100g/eq)100g(水酸
基として1モル)を使用する以外は実施例2と同様にし
てエポキシ樹脂を得た。得られたエポキシ樹脂は、エポ
キシ当量165g/eq、全塩素量は790ppm、加
水分解性塩素量は560ppm、粘度は3900cps
であった。
【0044】比較例1 温度計、撹拌機、冷却管を付けたガラス容器にオルソク
レゾールノボラック樹脂(水酸基当量:120g/e
q)120g(水酸基として1モル)、エピクロルヒド
リン555g(6モル)、テトラメチルアンモニウムク
ロライド1.1g、水5gを溶解させた後、撹拌下、6
0℃で純度98.5%水酸化ナトリウム44.7g(水
酸化ナトリウム分として1.1モル)を2時間かけて添
加し、更に70℃で1時間反応させ、次に水400gを
加え、水洗し静置後水層を除去した後、過剰のエピクロ
ルヒドリンを蒸留回収した。その後、得られた残留樹脂
にメチルイソブチルケトン500gを加えて均一に溶解
させた後、15重量%水酸化ナトリウム水溶液26.8
g(0.1モル)を加え70℃で1時間反応させ、次に
水150gで2回水洗し、油水分離後、油層からメチル
イソブチルケトンを留去してエポキシ樹脂を得た。この
ようにして得たエポキシ樹脂のエポキシ当量は201g
/eq、全塩素量は1250ppm、加水分解性塩素量
は890ppm、軟化点は73℃であった。
【0045】比較例2 オルソクレゾールノボラック樹脂の代わりにビスフェノ
ールA(水酸基当量:114g/eq)114g(水酸
基として1モル)を使用する以外は比較例1と同様にし
て得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量180g/e
q、全塩素量は990ppm、加水分解性塩素量は70
0ppm、粘度9700cpsはであった。
【0046】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂の製造法によれ
ば、信頼性の高い高純度なエポキシ樹脂を工業的に有利
な方法で得られ産業的価値は大である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール性水酸基を有する化合物とエピ
    ハロヒドリンを、アルカリ金属水酸化物を用いて、非プ
    ロトン性極性溶媒及び第4級アンモニウム塩の存在下に
    反応させることを特徴とするエポキシ樹脂の製造法。
  2. 【請求項2】非プロトン性極性溶媒の使用量がエピハロ
    ヒドリンに対して、2〜20重量%である請求項1に記
    載のエポキシ樹脂の製造法。
  3. 【請求項3】エピハロヒドリンの使用量がフェノール性
    水酸基を有する化合物のフェノール性水酸基1当量に対
    して2〜10モルである請求項1または2に記載のエポ
    キシ樹脂の製造法。
  4. 【請求項4】アルカリ金属水酸化物の使用量がフェノー
    ル性水酸基1当量に対して0.9〜1.2モルである請
    求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂の製造
    法。
  5. 【請求項5】第4級アンモニウム塩の使用量がフェノー
    ル性水酸基を有する化合物に対して0.2〜1.2重量
    %である請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポキシ
    樹脂の製造法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造
    法で得られたエポキシ樹脂、硬化剤、必要により硬化促
    進剤を含有するエポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項6記載のエポキシ樹脂組成物を硬化
    してなる硬化物。
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