JPH1093140A - GaN系発光装置 - Google Patents

GaN系発光装置

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JPH1093140A
JPH1093140A JP24643296A JP24643296A JPH1093140A JP H1093140 A JPH1093140 A JP H1093140A JP 24643296 A JP24643296 A JP 24643296A JP 24643296 A JP24643296 A JP 24643296A JP H1093140 A JPH1093140 A JP H1093140A
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etching
gan
mesa
region
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JP24643296A
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English (en)
Inventor
Rennie John
ジョン・レニー
Genichi Hatagoshi
玄一 波多腰
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】GaN系発光装置の特性を改善する最適なメサ
の形状を得ること、及びメサ上に成長するGaN及び多
層構造の結晶性を改善すること。 【解決手段】GaN系発光装置において、特にGaN/
AlGaNからなる層状のエッチング領域を設け、これ
と電気化学的エッチング法を組み合わせることにより、
GaN系発光装置の高性能化に必要な任意の断面形状を
有するメサストライプを得ることができる。前記エッチ
ング領域を加工要素として用いれば、最適な特性を示す
に必要なメサストライプを含むGaN系発光装置の多層
構造を容易に形成することができるため、低電圧でかつ
低しきい値電流で動作する高性能で長寿命なGaN系発
光装置を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はGaN系半導体レー
ザ又はGaN系発光ダイオード等のGaN系発光装置に
係り、特に電流と光の閉じ込め領域を有する装置におい
て、あらかじめ層状のエッチング領域を用意し、これを
ウエットエッチングすることにより閉じ込め領域の形状
を最適化することを特徴としている。前記層状のエッチ
ング領域を具備することにより、低電圧でかつ低しきい
値電流で動作する装置を得ると同時に、エッチング領域
上に再成長したGaN系多層構造の界面特性と結晶性が
向上することにより、長寿命な装置を得ることができ
る。
【0002】
【従来の技術】従来GaN系発光装置は、GaNのP型
不純物としてMgの添加に成功して以来、紫外又は可視
青色領域における半導体レーザあるいは発光ダイオード
として、商品化をめざした多くの研究開発が進められ
た。しかし、一定の限定された範囲でレーザ作用が見ら
れたものの、克服すべき多くの課題が残され、まだ商品
化には至っていない。
【0003】その1つは、良好な球面波を有する光ビー
ム放射を可能とするよう、GaN系半導体レーザ装置の
電流及び光の閉じ込め領域を形成することである。現状
においては、前記レーザは極めて非対称な、もしくは位
相が揃っていないビームを放射することしかできないた
め、実用的なレーザ特性が得られていない。これは前記
GaN系半導体レーザ装置の特性向上にとって、オーミ
ックコンタクト抵抗の低減と同様に重要な検討課題とな
っている。
【0004】従来のIII−V族化合物半導体レーザ装
置においては、これらの課題は活性層を含む多層構造を
メサ型にエッチングした後、上部コンタクト領域を再成
長により形成する埋め込みストライプ構造、例えばBH
(Burried Hetero)、CDH(Constricted Double Het
ero)、SBR(Selectively Buried Ridge Waveguide)
等の構造を用いることにより達成されてきた。
【0005】しかし、GaN系化合物半導体材料は化学
的に不活性な性質があり、ウエットエッチングを行うこ
とが極めて困難であるため、従来III−V族化合物半
導体レーザ及び発光ダイオードを対象として開発されて
きた大部分の技術が、GaN系システムには移転できな
いという問題がある。すなわちGaN系では、メサ加工
には主としてドライエッチングしか用いることができな
いため、GaN系半導体レーザ装置に前記埋め込みスト
ライプ型CDH構造を形成し、良好なレーザ特性を得る
ことはいちじるしく困難であった。
【0006】ドライエッチング法では、主として入射面
に垂直方向にエッチングが進行する。従ってドライエッ
チング法を用いて形成されたメサの側面は、メサの上面
に対して90°の角度を持つ。用途によってはこのよう
な形状が望ましい場合もあるが、GaN系半導体レーザ
装置等に対しては、前記のような角型の断面構造の部分
を含まない、上面からなだらかに裾野が広がるメサ型形
状の方が望ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように従来の
GaN系発光装置は、主としてドライエッチング法を用
いて、電流と光の閉じ込め率が低い、角型の断面形状を
有するメサ型構造の形成が試みられていたため、動作電
圧とレーザ発光のしきい値電流の大きい、実用に耐えな
い装置しか得られなかった。
【0008】本発明は上記の問題点を解決すべくなされ
たものであり、メサ加工面を電流と光の閉じ込めにとっ
て最適な形状に制御するエッチング方法を見い出し、G
aN系発光装置について最適設計されたメサストライプ
の断面形状の加工に、この制御方法を用いることによ
り、これらの装置の動作電圧としきい値電流を大幅に低
減することを目的としている。
【0009】さらにメサ加工面の形状を制御するエッチ
ング方法を適用することにより、従来に比べてGaN系
半導体表面に形成される点欠陥の数を減少させ、平滑な
界面を有するGaN系結晶上の多層構造の成長を可能と
し、長寿命で結晶性に優れた装置を得ようとするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のGaN系発光装
置は、少なくとも電流及び光のいずれか1つの閉じ込め
領域を具備し、かつ前記閉じ込め領域は少なくとも1層
からなる層状のエッチング領域を構成要素として含むも
のであり、前記閉じ込め領域をメサエッチングすること
により所望のメサ型形状を有する閉じ込め領域を形成し
たものである。
【0011】好ましくは、前記層状のエッチング領域の
エッチングは、電気化学的方法により行われることを特
徴とする。また、前記層状のエッチング領域を構成する
少なくとも1つの層の抵抗率が、隣接する層の抵抗率と
異なる値を有することを特徴とする。
【0012】上記のように本発明は、特別に形成された
層状のエッチング領域を設けること、及びこれにメサ加
工面のエッチング率を制御することができる電気化学的
エッチングを併用することにより、良好なメサ型加工面
を有するGaN系発光装置を提供することができる。ま
た、前記層状のエッチング領域を用いることにより、動
作電圧としきい値電流を大幅に低減したGaN系レーザ
装置を構成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1(a)は本発明の第1
の実施の形態における、利得ガイド型GaN系半導体レ
ーザ装置の製造工程の中間段階における構造を示す断面
図である。
【0014】図1(a)に示すGaN系半導体レーザ装
置は、サファイヤ基板1の上にN型GaNバッファ層2
を成長した後、レーザ装置の主要部であるN型AlGa
Nクラッド層3、N型GaN光ガイド層4、undop
e−InGaN活性層5を成長し、引き続きその上にP
型GaN光ガイド層6と、P型AlGaNクラッド層7
を成長する。この段階までは従来のGaN系半導体レー
ザ装置、発光ダイオードと同様な構造に形成される。
【0015】ここで各層の成長には通常GaN系材料の
エピタキシヤル成長に用いるMOCVD(Metal Organi
c Chemical Vapor Deposition )法が適用される。In
GaN活性層5よりも禁制帯幅の大きいGaN光ガイド
層4、6、更に禁制帯幅が大きく屈折率の小さいAlG
aNクラッド層3、7を用いることにより、そのヘテロ
接合面において、活性領域5への縦方向のキャリヤ閉じ
込めと、これに伴う活性領域への縦方向への光閉じ込め
を有効に行うことができる。
【0016】さらに良好な球面波を有する光ビーム放射
を可能にするため、横方向の電流閉じ込めと、これに伴
う光の横モードの制御が必要となる。これを実現するた
め、エッチングマスクを用いて、通常十分厚く成長した
上部クラッド層7を、メサ型断面形状を有するメサスト
ライプ状に形成し、メサの側面上に電流狭窄(電流ブロ
ック)層を設けて、平坦なメサの上部より電流を供給す
る構造が用いられる。
【0017】本発明の構造は、前記メサ型断面形状を有
するメサストライプをP型AlGaNクラッド層7に形
成するに当り、前記AlGaNクラッド層7の上にP型
GaN/AlGaNグレード層8からなる層状のエッチ
ング領域を成長し、更にその上に光の横方向閉じ込め効
果を高めるためAlGaNクラッド層9を成長した後、
前記メサストライプを加工することにある。
【0018】図1(a)に示す構造は、メサ型の形成前
の本発明のGaN系半導体レーザの多層構造を示してい
る。標準的な光蝕刻技術を用いてP型AlGaN層9の
メサとする領域をマスクし、その他の部分をメサエッチ
ングする。
【0019】P型GaN/AlGaNグレード層8から
なる層状のエッチング領域は、P型AlGaNクラッド
層7と9の間に介在し、クラッド層7に接するP型Ga
N層から上向きにAl組成を徐々に増加して上部に隣接
するクラッド層9の組成に達するよう層状のエッチング
領域のAl組成のグレード付けを行う。
【0020】前記グレード付けは必ずしも連続的に行う
必要はなく、前記層状のエッチング領域をステップ状に
Al組成が増加する多層構造を用いて形成するようにし
ても良い。例えばGaNとAlGaNからなる超格子や
下部にGaN層を有する1層のAlGaNをこの目的に
用いることもできる。
【0021】前記層状のエッチング領域において、Al
GaNのエッチングは下層のGaNより速いので、グレ
ード付けされた上部のAlGaNから下部のGaNに向
けて次第にエッチング率が低下し、最後にGaNが事実
上のエッチング停止層として働くため、図1(b)に示
すようなウェッジ型の裾野を有するメサストライプ8、
9が形成される。
【0022】図2は、ドライエッチングを用いてP型A
lGaNクラッド層9に形成された、従来のGaN系半
導体レーザ装置に用いられた角型のメサストライプの断
面構造を示す図である。ドライエッチングを用いる場合
には、Al組成を変化することによりエッチング率を変
化させても、メサストライプ構造の断面形状は図2に示
すように角型になり変化しない。従って、本発明のP型
GaN/AlGaNグレード層8を設けても、メサの断
面形状をなだらかにする効果は得られない。
【0023】次に、図2に示すようにメサストライプの
断面形状が角型である場合に、レーザ特性に生ずる問題
点について説明する。図3に示すように、レーザ装置を
形成するための次の段階は、電流ブロックと光の横モー
ド制御を行うため、N型のInGaN又はGaNからな
る領域10を成長することである。このとき、ドライエ
ッチングによりメサ型を形成したGaN系半導体レーザ
装置では、2つの大きい問題が生ずる。
【0024】第1の問題は、図2のようにドライエッチ
されたAlGaN層9の表面は粗な面となり、例えば電
流ブロック領域10としてN型GaNを用いた場合、P
型AlGaNクラッド層9とN型GaN電流ブロック領
域10との界面の形状は極めて劣悪なものとなる。従っ
て、界面に生じた高密度の欠陥により低抵抗なリークパ
スが発生し、レーザ装置のリーク電流を増加させる。
【0025】第2の問題は、メサエッジの側面が垂直で
あることより生ずる。図2に示すメサエッジ9の基底部
分との角型のコーナーの部分には、均一に結晶生長させ
ることがいちじるしく困難であり、通常前記メサの基底
部分には高密度の欠陥を含む領域が形成される。この領
域ではリーク電流が極めて大きいため十分な電流ブロッ
クが行われず、また注入されたキャリヤの再結合率が大
きいためレーザ発光の出力が大幅に低下する。
【0026】これに対して、層状のエッチング領域を形
成した上で、ウエットエッチングによりメサストライプ
を形成した本発明のGaN系半導体レーザの構造を用い
れば、メサストライプの基底部分がなだらかで、かつ平
滑性に優れているため過剰の欠陥を生ずることがなく、
N型GaN又はN型InGaNからなる電流ブロック領
域10を容易に成長することができる。
【0027】また、ウエットエッチング法を用いれば、
ドライエッチングのようにエッチ面に表面損傷を受ける
ことがないので、ドライエッチングに比べて極めて平滑
な界面形状が得られる。
【0028】最後に図3に示すように、前記N型InG
aN又はGaNからなる電流ブロック層10とP型Al
GaN層9の上部に、P型GaNからなるコンタクト層
11をMOCVD法により成長し、その上にNi/Au
又はPd/Auからなるアノード電極12と、サファイ
ヤ基板上に隣接して形成されたGaNバッファ層2の上
にTi/Auからなるカソード電極14をそれぞれスパ
ッタ法を用いて形成することにより、GaN系半導体レ
ーザ装置を完成することができる。
【0029】本発明の方法は、上記電流ブロック層を用
いる埋め込みCDH型レーザの他、単純なメサ型構造を
有するレーザの形成にも応用することができる。このほ
か、ドライエッチング法で得られる角型のメサの形状と
は異なる、種々のメサ形状を有するその他のレーザ構造
にも適用することができる。また同様な構造をGaN系
高輝度発光ダイオードにも適用できることはいうまでも
ない。
【0030】次に図4に基づき、本発明の第2の実施の
形態について説明する。図4は、本発明の層状のエッチ
ング領域を用いたウエットエッチング方法を、単純なメ
サストライプ型レーザの形成に用いた場合の装置の断面
構造を示す図である。サファイヤ基板1の上にMOCV
D法を用いてN型GaNバッファ層2を形成し、引き続
き本発明の層状のエッチング領域としてN型GaN/A
lGaNグレード層15を成長する。N型GaN/Al
GaNグレード層15の材料構成は第1の実施の形態に
おいて説明したものと同様である。
【0031】引き続きN型AlGaNクラッド層3、N
型GaN光ガイド層4、undope−InGaN活性
層5、P型GaN光ガイド層6、P型AlGaNクラッ
ド層7、P型GaNコンタクト層11からなるレーザ装
置の多層構造をMOCVD法により成長する。
【0032】次に図4に示すように、前記GaN系半導
体レーザを構成する多層構造をメサストライプ型に加工
することにより、ビーム状のレーザ発光を得ることが可
能になる。通常メサストライプ型のレーザでは、メサ加
工により露出した側面を保護するため、保護絶縁膜13
を用いて被覆する。
【0033】このようなメサストライプの形成に、図2
で説明したドライエッチング法を用いれば、メサの側面
が基板表面に対して90°にエッチングされるため、理
想的な形状が得られるように思われる。
【0034】しかし、第1の実施の形態において説明し
たように、ドライエッチングによりメサ加工された側面
は表面損傷が大きいため、表面におけるリーク電流と注
入キャリヤの再結合率がいちじるしく大きくなり、レー
ザ発光のしきい値電流が大幅に増加する。また、このよ
うに表面リーク電流の増加したレーザ装置は、保護絶縁
膜13で被覆しても十分な装置の信頼性を確保すること
ができない。
【0035】ドライエッチングによる表面損傷により発
生する欠陥密度は、メサストライプの角型の基底部分に
おいて最大となり、またこの部分には、前記保護絶縁膜
を密着させることが困難となる。これらの問題を回避す
るため、メサエッチングをウェット法を用いて行うこと
と、メサストライプの基底部分における角型形状を、な
だらかに裾野を引く形にすることが必要である。
【0036】このため図4に示すように、本発明の層状
のエッチング領域であるN型GaN/AlGaNグレー
ド層15は、メサの基底部に設けられ、レーザ装置を構
成する多層構造の最上層にストライプ状のマスクを設け
て、ウエットエッチングすることにより、メサの基底部
になだらかな裾野を形成する。このなだらかな形状は、
メサ基底部へのより密着性の高い絶縁膜13の形成を可
能とし、装置の信頼性を向上させる。またウエットエッ
チングにより表面再結合中心を低減することにより、し
きい値電流が小さく、また低消費電力なGaN系半導体
レーザ装置を得ることができる。
【0037】次に図5に基づき本発明の第3の実施の形
態について説明する。図5は第1の実施の形態とは構造
の異なるCDHレーザに、本発明の層状のエッチング領
域を用いた例が示されている。この例では前述の例と異
なり、最もエッチングされ難いGaNがGaN/AlG
aNグレード層16の上部に設けられている。
【0038】サファイヤ基板1の上にN型GaNバッフ
ァ層2を成長し、引き続き本発明のN型GaN/AlG
aNグレード層16からなる層状のエッチング領域を成
長する。このときクレード層16の構成は、前記N型G
aNバッファ層2に隣接する部分でAl組成が最大であ
り、上方に向けてAl組成が減少し、最後にもっともエ
ッチング率の小さいGaNとなるように設計されてい
る。
【0039】このように設計されたN型GaN/AlG
aNグレード層16をウエットエッチングすることによ
り、図5に示すような、角の部分が丸められた断面形状
の、逆メサ形状のN型ストライプ16を、N型GaNバ
ッファ層上に形成することができる。角が平滑な曲面で
構成されることにより、前記逆メサ状のメサストライプ
16が、その上に成長するN型GaN層2aにより、バ
ッファ層2を含めて界面に欠陥を生ずることなく埋め込
まれる。
【0040】このとき逆メサ16の中央部は凸型に、周
辺部には逆メサが存在しないので凹型にGaN層2aが
成長する。このような凹凸のある下地の上に、原料ガス
の流量等を最適化して、MOCVD法を用いて多層構造
をエピタキシヤル成長することにより、図5に示すよう
な、複数の曲面状のヘテロ接合界面を有するCDH型の
GaN系半導体レーザを形成することができる。
【0041】前記CDH型レーザにおいては、前記ヘテ
ロ界面で構成される曲面群を利用して、P型GaNコン
タクト層11の上に設けた絶縁膜13の、ストライプ状
の開孔を介して、再上層のアノード電極12から活性5
の凹部に電流を集中させれば、曲面状に形成されたAl
GaNクラッド3、7及びGaN光ガイド層4による、
横方向の光閉じ込め効果が発生し、特に電流ブロック層
を設けることなく、レーザ光の横モード制御を行うこと
ができる。
【0042】良好なレーザ発光特性を有するCDH型の
GaN系半導体レーザを形成するためには、断面形状が
図5の16に示すような、平滑な曲面で囲まれた逆メサ
型のメサストライプを埋め込むことが必須の技術であ
り、この部分に最適形状に設計された本発明の層状のエ
ッチング領域を用いることができる。
【0043】次に図6に基づき本発明の第4の実施の形
態を説明する。図6は埋め込みストライプ型レーザに本
発明のウエットエッチング法を適用した例が示されてい
る。この構造は図3と異なり、活性層5自身が電流ブロ
ック層17によりストライプ状に限定された形状となっ
ている。
【0044】サファイヤ基板1の上にN型GaNバッフ
ァ層2を成長し、その上に本発明の層状のエッチング領
域であるN型GaN/AlGaNグレード層15を成長
する。ここでN型GaN/AlGaNグレード層15
は、下部のN型GaNバッファ層に隣接するN型GaN
から上部に向けて、Al組成が増加するように設計され
ている。引き続きN型AlGaNクラッド層3、und
ope−InGaN活性層5、P型AlGaNクラッド
層7、P型GaNコンタクト層11を成長する。
【0045】次に前記P型GaNコンタクト層上に酸化
膜からなるストライプ状のエッチングマスクを設け、下
層に設けた本発明のN型GaN/AlGaNグレード層
15までウエットエッチングする。このようにすればN
型GaNバッファ層2に隣接するN型GaNがエッチン
グの停止層として働くため、前記N型GaN/AlGa
Nグレード層は図6の15に示すように、なだらかに裾
野を引く断面形状を持ったメサストライプとして形成さ
れる。
【0046】メサの側面にN型AlGaNからなる電流
のブロック層17を形成し、このようにして形成された
メサ型の頂上部を含む多層構造全体の上面に絶縁膜13
を形成し、P型GaNコンタクト層の部分をストライプ
状に開孔して、アノード電極となるNi/Au又はPd
/Auをスパッタする。さらにN型GaNバッファ層上
にTi/Auからなるカソード電極を設けて、それぞれ
リフトオフすることにより、埋め込みストライプ型Ga
N系半導体レーザを完成する。
【0047】このようにして形成されたレーザ装置で
は、N型GaN/AlGaNグレード層15の上のN型
AlGaN電流ブロック層17の成長界面が滑らかに接
続され、またGaN系レーザの主要構成部となるund
ope−InGaN活性層5を含む多層構造からなる側
壁部と前記電流ブロック層17との接続も滑らかになる
ので良好なレーザ特性を得ることができる。
【0048】ここで、種々の形状のメサを形成するのに
用いることのできる、前記層状のエッチング領域の基本
的な構成を図7及び図8に示す。図7(a)に示すよう
に、下部から上方に向けて徐々にAl組成が増加するG
aN/AlGaNからなのグレード層を用いて、下部の
GaN層と上部AlGaN層を接続すれば、第1、第2
及び第4の実施の形態で説明したように、上層から下層
までなだらかに接続した理想的なエッチングプロファイ
ルが得られる。図7(a)の右側にこのようにして形成
されたメサ側面のエッチングプロファイルを示す。
【0049】しかし、Al組成を徐々に変化したグレー
ド層の形成は、結晶成長技術として必ずしも容易ではな
い。そこで、下部のGaN層と上部のAlx Ga1-x
層との間に、上層に比べてAl組成の小さいAly Ga
1-y N層(x>y)を1層のみ挿入して、図7(b)の
右に示すような多少キンクが含まれるエッチングプロフ
ァイルとすることも実用上は重要な方法である。
【0050】このとき図8に示すように、挿入した1層
のAly Ga1-y NのAl組成が上層のAlx Ga1-x
N層(x<y)のAl組成よりも大きい場合には、図8
の右に示すようなオーバーハング型のエッチングプロフ
ァイルを得ることもできる。
【0051】次に本発明のウエットエッチングの方法に
ついて詳細に説明する。ウエットエッチングの溶液とし
て、NaOH、HF系の溶液や、HPO3 溶液、KOH
等の溶液を用いることができる。しかし、これらのエッ
チング溶液は、結晶化したGaN系材料を、ある程度ま
でしかエッチングすることができない。AlGaNのよ
うなAlを含む混晶ではエッチングは僅かに進むが、十
分なエッチングを行うためには、次にのべるような電気
化学的方法を用いなければならない。
【0052】図9に、本発明の層状のエッチング領域の
電気化学的方法によるエッチング装置の概念図を示す。
18は、GaN系多層構造を形成した基板であり、Na
OHの溶液19に浸される。20は直流電源であり、前
記GaN系多層構造に含まれる層状のエッチング領域が
正、NaOH溶液19が負となるように接続される。ま
た、ビーカーの側壁に沿ってコイル状の金属電極21が
設けられ、直流電源20の負側に接続される。22はス
ターラーであり、ビーカーの外部に設けたコントローラ
の回転磁場を用いてNaOH溶液19を攪拌する。
【0053】GaN系多層構造を形成した基板18の支
持部等、エッチングの対象外である部分の表面は、ワッ
クス等で保護し、電流が流れないようにされている。こ
のように、エッチング溶液中でGaN系半導体を正にバ
イアスすれば、表面の原子が酸化するか、又は複合化合
物を形成してエッチング溶液中に溶出する。GaN系半
導体がP型の場合には、エッチング率は電流に比例す
る。しかし、N型の場合には、エッチング溶液と半導体
表面との間に生ずる障壁が逆バイアスされることになる
ので、P型の場合のように、電流との間に単純な比例関
係が成り立たない。N型GaN系半導体に対してエッチ
ングを進行させるためには、ビーカーを通して、その禁
制帯幅よりも大きなエネルギーの光照射をすることが必
要である。
【0054】また、エッチングの際に、スターラーを用
いて液を攪拌することがエッチングを進行させるための
必須の条件である。エッチング液を攪拌しなければ、G
aN表面が準安定な酸化層で覆われるため、エッチング
が停止してしまう。
【0055】この他、前記電気化学的エッチングのみに
より、エッチングプロファイルを変化することも可能で
ある。例えば層状のエッチング領域のAl組成を変化す
る代りに、層の厚さ方向の抵抗率を変化して電気化学的
エッチングを行えば、厚さ方向にエッチングの電流密度
分布が変化し、これに応じてエッチングプロファイルを
変化することができる。
【0056】N型GaNとP型GaNのように、導電型
の異なる層の抵抗の差も、電気化学的エッチングに利用
することができる。例えば図10に示すようなストライ
プ型のレーザ構造において、隣接するP型GaN層11
を全くエッチングすることなく、上部のN型GaN層2
のみを選択的にエッチングし、P型GaN層11を露出
させることができる。
【0057】このとき、もし電気化学的方法を用いない
通常のエッチングを行えば、エッチング停止の検出が困
難であり、アンダエッチやオーバエッチの問題を避ける
ことができない。しかし、電気化学的エッチングの場合
には、P型GaNの電気抵抗がN型GaN層に比べて非
常に大きいため、P型GaN層をエッチングの停止層と
して有効に用いることができる。
【0058】なお本発明は上記の実施の形態に限定され
ることはない。例えば本発明の層状のエッチング領域を
形成するに当り、組成の変化と抵抗率の変化を組み合わ
せることにより、他の方法では得られないエッチング形
状を形成することができる。このような特殊な形状は必
ずしもレーザのメサストライプの側面形状の制御ばかり
でなく、化合物半導体装置の構成上重要な役割を果たす
加工の困難な任意の構成部分に適用可能なものである。
【0059】同様に本発明の層状のエッチング領域に、
導電型の異なる層と抵抗率の異なる層及び組成の異なる
層とを組み合わて用いるようにしても良い。その他本発
明の要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形して実施する
ことができる。
【0060】
【発明の効果】上述したように本発明のGaN系発光装
置によれば、特に設けられた層状のエッチング領域と、
これに電気化学的エッチング法を併用することにより、
発光装置の動作電圧としきい値電流を低減することがで
きる。またエッチされた表面と、その上に成長した多層
構造との界面の平滑性が改善されることにより、GaN
系多層構造の結晶性が改善され、長寿命のGaN発光装
置を得ることができる。また本発明によれば、従来のエ
ッチング法では不可能であった構造を有するGaN系発
光装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るメサエッチン
グを行う前後におけるGaN系半導体レーザ装置の部分
構造を示す断面図。
【図2】上部クラッド層を標準的なドライエッチング法
で加工したときのメサ型の形状を示す断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るエッチング領
域を用いたGaN系半導体レーザ装置の断面図。
【図4】本発明のエッチング領域を用いたメサ型GaN
系半導体レーザ装置の断面図。
【図5】本発明のエッチング領域を下層に設けたCDH
型GaN系半導体レーザ装置の断面図。
【図6】本発明のエッチング領域を用いた埋め込みスト
ライプ型GaN系半導体レーザ装置の断面図。
【図7】本発明のエッチング領域を用いて形成したエッ
チングプロファイルを示す図。
【図8】本発明のエッチング領域を用いて形成した他の
エッチングプロファイルを示す図。
【図9】電気化学的方法を用いたエッチング装置の概念
図。
【図10】本発明のエッチングを導電型の異なる層の選
択エッチングに用いた例を示す断面図。
【符号の説明】
1…サファイヤ基板 2…N型GaN層 2a…N型GaN層 3…N型AlGaNクラッド層 4…N型GaN光ガイド層 5…InGaN活性層 6…P型GaN光ガイド層 7…P型AlGaNクラッド層 8…P型GaN/AlGaNグレード層 9…P型AlGaNクラッド層 10…N型GaN又はN型InGaNからなる電流ブロ
ック領域 11…P型GaNコンタクト層 12…Ni/Au又はPd/Auからなる電極 13…絶縁層 13a…空乏層 14…TiAu電極 15…N型GaN/AlGaNグレード層 16…逆メサ型N型GaN/AlGaNグレード層 17…N型AlGaN電流ブロック領域 18…GaN系多層構造を形成した基板 19…NaOH溶液 20…直流電源 21…コイル状の金属電極 22…スターラー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも電流及び光のいずれか1つの
    閉じ込め領域を有するGaN系発光装置において、 少なくとも1層からなる層状のエッチング領域を構成要
    素として含む閉じ込め領域を形成した後、前記閉じ込め
    領域を所望の形状にメサエッチングしたことを特徴とす
    るGaN系発光装置。
  2. 【請求項2】 前記層状のエッチング領域のメサエッチ
    ングが電気化学的方法により行われたことを特徴とする
    請求項1記載のGaN系発光装置。
  3. 【請求項3】 前記層状のエッチング領域を構成する少
    なくとも1つの層の抵抗率が、隣接する層の抵抗率と異
    なる値を有することを特徴とする請求項2記載のGaN
    系発光装置。
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