JPH108973A - クランク室過給エンジンの吸気装置 - Google Patents

クランク室過給エンジンの吸気装置

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JPH108973A
JPH108973A JP16416396A JP16416396A JPH108973A JP H108973 A JPH108973 A JP H108973A JP 16416396 A JP16416396 A JP 16416396A JP 16416396 A JP16416396 A JP 16416396A JP H108973 A JPH108973 A JP H108973A
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JP
Japan
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air
fresh air
fuel mixture
intake device
crankcase
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JP16416396A
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English (en)
Inventor
Masahisa Kuranishi
雅久 倉西
Atsushi Tagami
淳 田上
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過給装置の大型化やロス馬力の増大を招くこ
となく過給性能を高めることができるクランク室過給エ
ンジンの吸気装置を提供すること。 【構成】 クランク室8に導入される新気(又は混合
気)をクランク室8で圧縮してこれを燃焼室Sに導くク
ランク室過給エンジン1の吸気装置において、前記クラ
ンク室8から燃焼室Sに至る新気(又は混合気)の導入
経路(加圧吸入管26,29)に空気エジェクタ(空気
流量増幅器)25を設ける。本発明によれば、クランク
室8において加圧された新気(又は混合気)に空気エジ
ェクタ25によって新気が加えられるため、過給装置の
大型化やロス馬力の増大を招くことなく混合気のシリン
ダ3(燃焼室S)への過給量を増やして過給性能を高め
ることができる。そして、この場合には空気エジェクタ
25によって加えられる新気は加圧されていないため、
シリンダ3(燃焼室S)に充填される混合気の圧力上昇
とこれに伴う温度上昇が抑えられ、ノッキングの発生が
防がれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランク室に導入
される新気又は混合気をクランク室で圧縮してこれを燃
焼室に導くクランク室過給エンジンの吸気装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、出力向上を目的としたクランク室
過給エンジンが提案されているが、このクランク室過給
エンジンは、新気又は混合気をクランク室内におけるピ
ストンの往復運動によって圧縮して燃焼室に供給(過
給)することによって充填効率を高め、以て出力の向上
を図るものである。
【0003】又、本出願人は、コンロッドの揺動運動に
よってクランク室内で新気又は混合気を圧縮するクラン
ク室過給エンジンを提案している。
【0004】ところで、この種のクランク室過給エンジ
ンにおいては、過給装置の回転数を上げるか或はポンプ
容量を増すことによって過給性能を高めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、車両等へのエン
ジン搭載上の点からは過給装置の小型化が要求されてお
り、又、エンジン性能向上の点からはロス馬力を小さく
抑える必要がある。
【0006】ところが、過給性能の向上を目的として過
給装置のシール性を高めると、ロス馬力が増大してしま
う。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、過給装置の大型化やロス馬力
の増大を招くことなく過給性能を高めることができるク
ランク室過給エンジンの吸気装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、クランク室に導入される新
気又は混合気をクランク室で圧縮してこれを燃焼室に導
くクランク室過給エンジンの吸気装置において、前記ク
ランク室から燃焼室に至る新気又は混合気の導入経路に
空気流量増幅器を設けたことを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記空気流量増幅器を、クランク室で圧縮
された新気又は混合気の流れによって発生する負圧によ
って新気を吸い込む空気エジェクタで構成したことを特
徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、前記クランク室で圧縮された新気又
は混合気を前記空気流量増幅器をバイパスして燃焼室に
導くバイパス通路を設け、クランク室で圧縮された新気
又は混合気をバイパス通路側又は空気流量増幅器側の何
れか一方に選択的に流す切換手段を設けたことを特徴と
する。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、前記切換手段を前記バイパス通路の分岐部
に設けられた三方弁で構成したことを特徴とする。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項3又は4記
載の発明において、前記切換手段は、吸気バルブが開い
た後所定時間が経過するまでの間は新気又は混合気を空
気流量増幅器側へ流し、その他の場合及びスロットル急
開時には新気又は混合気をバイパス通路側へ流すよう動
作するものとしたことを特徴とする。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項3又は4記
載の発明において、前記切換手段は、エンジンの運転状
態が高負荷・高回転の場合には新気又は混合気を前記空
気流量増幅器側に流し、エンジンの運転状態がその他の
場合には新気又は混合気を前記バイパス通路側へ流すよ
うに動作するものとしたことを特徴とする。
【0014】請求項7記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、新気を前記空気流量増幅器に導く導
入経路に、所定値以上の負圧で開いて新気を空気流量増
幅器側に流す逆止弁を設けたことを特徴とする。
【0015】従って、本発明によれば、クランク室にお
いて加圧された新気又は混合気に空気流量増幅器によっ
て新気が加えられるため、過給装置の大型化やロス馬力
の増大を招くことなく混合気のシリンダ(燃焼室)への
過給量を増やして過給性能を高めることができる。そし
て、この場合に空気流量増幅器によって加えられる新気
(吸入空気)は加圧されていないため、シリンダ(燃焼
室)に充填される混合気の圧力上昇とこれに伴う温度上
昇が抑えられ、ノッキングの発生が防がれる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0017】<実施の形態1>図1は本発明の実施の形
態1に係る吸気装置を備えるクランク室過給エンジンの
構成を示すユニットスイング式エンジンユニットの模式
的断面図、図2はクランク室過給エンジンのコンロッド
過給装置の構成を示す断面斜視図、図3は本発明の実施
の形態1に係る吸気装置の空気エジェクタ(空気流量増
幅器)部分の構成を示す部分断面図、図4は同吸気装置
の構成を示すブロック図である。
【0018】先ず、図1に基づいてクランク室過給エン
ジン1の概略構成を説明すると、同図中、100はスク
ータ型自動二輪車に搭載されたユニットスイング式エン
ジンユニットであり、該エンジンユニット100はその
前端部がピボット軸101によって車体側のブラケット
102に上下揺動可能に支持され、後端部がリヤクッシ
ョン103を介して車体に懸架されている。
【0019】而して、上記ユニットスイング式エンジン
ユニット100にクランク室過給エンジン1が一体に組
み込まれているが、このクランク室過給エンジン1は空
冷4サイクル単気筒エンジンであって、これのシリンダ
ボディ2に形成されるシリンダ3内にはピストン4が略
水平方向に摺動自在に嵌装されている。そして、このピ
ストン4はコンロッド5を介してクランク軸6に連結さ
れており、クランク軸6はクランクケース7内に形成さ
れたクランク室8に回転自在に収納されており、その回
転は不図示の変速機構等を経て不図示の後輪に伝達され
る。
【0020】ところで、本実施の形態に係るクランク室
過給エンジン1はクランク室8内にコンロッド過給装置
を備えている。ここで、このコンロッド過給装置の構成
を図2に基づいて説明する。
【0021】コンロッド5は、その小端部がピストンピ
ン9によって前記ピストン4に連結され、大端部がクラ
ンクピン10によってクランクウェブ11に連結されて
いるが、クランクケース7にはクランクウェブ11の外
周に沿う円筒曲面状の内周壁7aが形成されており、こ
の内周壁7aに沿ってコンロッド5の大端部が微小クリ
アランスをもって移動することによって所要のポンピン
グ作用がなされる。
【0022】又、シリンダボディ2とピストン4には、
コンロッド5との干渉を避けるための斜面状の切欠面2
a,4aがそれぞれ形成されるとともに、クランクウェ
ブ11と同一平面を成す凹部側壁2b,4bがそれぞれ
形成されており、これらの凹部側壁2b,4bとクラン
クウェブ11とはコンロッド5の一側面(図2では下
面)に微小クリアランスをもって対向している。
【0023】而して、コンロッド過給装置は、図1に示
すようにコンロッド5の大端部が前記内周壁7aに沿っ
て移動しているときはクランク室8内をコンロッド5に
よって吸入室Aと圧縮室Bとに区画し、コンロッド5の
揺動運動に伴って容積が増大する吸入室Aに新気を吸入
し、容積が減少する圧縮室B内の新気を圧縮する一種の
容積型圧縮機を構成するものであって、クランクケース
7には吸入室Aに開口する吸入口12と圧縮室Bに開口
する吐出口13が形成されている。
【0024】一方、図1に示すように、前記シリンダボ
ディ2に被着されたシリンダヘッド14には吸気通路1
5と排気通路16が形成されており、これらの吸気通路
15と排気通路16が燃焼室Sに開口する吸気ポートと
排気ポートとが吸気バルブ17と排気バルブ18によっ
てそれぞれ適当なタイミングで開閉されることによって
シリンダ3内で所要のガス交換がなされる。尚、吸気バ
ルブ17と排気バルブ18は、カム軸19に一体に形成
されたカム19aによって駆動されるタペット20,2
1によってそれぞれ開閉動作せしめられる。
【0025】ここで、本発明に係る吸気装置の構成を図
1及び図4に基づいて説明する。
【0026】図1において、22は吸込口22aを介し
て大気に開口するエアクリーナであって、該エアクリー
ナ22からは第1の吸入管23と第2の吸入管24が分
岐して導出しており、第1の吸入管23はクランクケー
ス7に形成された前記吸入通路12に接続され、第2の
吸入管24は空気流量増幅器である空気エジェクタ25
に接続されている。
【0027】又、クランクケース7に形成された前記吐
出口13には第1の加圧吸入管26が接続されており、
この第1の加圧吸入管26は前記空気エジェクタ25に
接続されており、その途中には切換手段である三方弁2
7が設けられている。尚、第1の加圧吸入管26の前記
吐出口13への接続部には、クランク室8で加圧された
新気のクランク室8側への逆流を防ぐためのリード弁2
8が設けられている。
【0028】更に、空気エジェクタ25からは第2の加
圧吸入管29が導出しており、この第2の加圧吸気管2
9はシリンダヘッド14に形成された前記吸気通路15
に接続されており、その途中にはアクセル位置(即ち、
負荷)に応じて開度が増減される不図示のスロットル弁
を配したキャブレタ30が設けられている。そして、前
記三方弁27からはバイパス管31が導出しており、こ
のバイパス管31は空気エジェクタ25をバイパスして
前記第2の加圧吸入管29のキャブレタ30の上流側に
接続されている。尚、シリンダヘッド14に形成された
前記排気通路16には排気管32が接続されている。
【0029】ここで、前記空気エジェクタ25の構成の
詳細を図3に基づいて説明する。
【0030】空気エジェクタ25には同心状を成す内外
のノズル25a,25bが形成されており、一方のノズ
ル25aの一端は他方のノズル25b内に開口してお
り、該ノズル25aの他端(外端部)には前記第2の吸
入管24が接続されている。又、ノズル25bは先細状
に成形され、その先部には前記第2の加圧吸入管29が
接続されている。
【0031】又、前記ノズル25bの周囲にはリング状
の室25cが形成されており、該ノズル25bの外周の
一部には室25cに連なる接続管25dが直角に突設さ
れている。そして、この接続管25dには前記第1の加
圧吸入管26が接続されている。
【0032】ところで、前記三方弁27はクランク室8
のコンロッド過給装置によって加圧された新気を空気エ
ジェクタ25側又はバイパス管31側の何れか一方に選
択的に流すためのものであって、これはサーボモータ等
のアクチュエータ33によって切換操作される。そし
て、アクチュエータ33はエンジン制御装置(以下、E
CUと略称する)34によってその駆動が次のように制
御される。
【0033】即ち、図4に示すように、ECU34は、
これに入力される燃焼室圧力センサ信号aとカムポジシ
ョンセンサ信号b及びスロットルセンサ信号cに基づい
てエンジン1の運転状態を判断し、その運転状態に応じ
た制御信号dをアクチュエータ33に対して出力してア
クチュエータ33の駆動を制御することによって三方弁
27を切換操作する。
【0034】具体的には、吸気バルブ17が開いた後所
定時間が経過するまでの間は、三方弁27はバイパス管
31を閉じると同時に第1の加圧吸入管26を開き、ク
ランク室8のコンロッド過給装置によって加圧された新
気を空気エジェクタ25へと導く。そして、それ以外の
場合及びスロットル急開時には、三方弁27は逆に第1
の第1の加圧吸入管26を閉じると同時にバイパス管3
1を開き、クランク室8のコンロッド過給装置によって
加圧された新気を空気エジェクタ25をバイパスして第
2の加圧吸入管29へと流す。
【0035】次に、クランク室過給エンジン1の潤滑オ
イル供給系について説明する。
【0036】図1に示すオイルタンク35に収容された
潤滑オイルは、ストレーナ36を経てオイルポンプ37
に吸引され、該オイルポンプ37によって昇圧されてデ
リバリパイプ38を経てピストン4、クランク軸6、ク
ランクピン10等の摺動部に供給されてそれらの摺動部
の潤滑に供される。尚、潤滑に供されてクランクケース
7の底部に溜った潤滑オイルは、逆止弁39及びオイル
ドレン戻り管40を経てオイルポンプ37に回収され、
繰り返し各摺動部の潤滑に供される。
【0037】次に、クランク室過給エンジン1の作用を
説明する。
【0038】当該クランク室過給エンジン1が駆動され
ると、ECU34は燃焼室圧力とカムポジション(吸気
バルブ17の開閉タイミング)及びスロットル開度によ
ってエンジン1の運転状態を判断し、エンジン1の運転
状態に応じてアクチュエータ33を制御する。
【0039】而して、前述のように吸気バルブ17が開
いた後所定時間が経過するまでの間は、三方弁27はバ
イパス管31を閉じると同時に第1の加圧吸入管26を
開く。従って、吸込口22aからエアクリーナ22に吸
引された新気は、第1の吸入管23を通ってクランクケ
ース7の吸入口12からクランク室8内の吸入室Aに導
入され、前述のようにコンロッド過給装置によって圧縮
されて圧縮室Bから吐出口13、リード弁28を通過し
て第1の加圧吸入管26に吐出され、更に加圧吸入管2
6及び三方弁27を経て空気エジェクタ25に導入され
る。
【0040】空気エジェクタ25においては、図3に示
すように、加圧された新気が室25cからノズル25b
内に流入して高速で流れることによってノズル25b内
に負圧が発生するため、この負圧に引かれてエアクリー
ナ22からの新気が第2の吸入管24を通って空気エジ
ェクタ25に導入され、空気エジェクタ25のノズル2
5aからノズル25bに流入してそこを流れる高圧の新
気に加えられる。
【0041】而して、空気エジェクタ25において増量
された新気は第2の加圧吸入管29を通ってキャブレタ
30に導かれ、キャブレタ30において該新気が燃料と
混合されることによって混合気が形成される。そして、
キャブレタ30で形成された混合気はシリンダヘッド1
4の吸気通路15を通ってシリンダ3内に供給(過給)
される。
【0042】上述のようにシリンダ3内に供給(過給)
された混合気は、その後の圧縮行程において圧縮された
後に燃焼室Sでの燃焼に供され、この燃焼によって発生
する熱エネルギーの一部がクランク軸6の回転動力とし
て取り出される。尚、混合気の燃焼によってシリンダ3
内に生じた排気ガスは、排気行程において排気バルブ1
8が開くと同時に排気通路16及び排気管32を経て大
気中に排出される。
【0043】以上のように、クランク室8において加圧
された新気には空気エジェクタ25によって新気が加え
られるため、コンロッド過給装置の大型化やロス馬力の
増大を招くことなく混合気のシリンダ3(燃焼室S)へ
の過給量を増大せしめて過給性能を高めることができ、
エンジン1の出力を更に高めることができる。そして、
この場合に空気エジェクタ25によって加えられる新気
(吸入空気)は加圧されていないため、シリンダ3(燃
焼室S)に充填される混合気の圧力上昇とこれに伴う温
度上昇が抑えられ、ノッキングの発生が防がれる。
【0044】一方、上記以外の場合(即ち、吸気バルブ
17が開いた後所定時間が経過した場合)及びスロット
ル急開時には、前述のように三方弁27は第1の加圧吸
入管26を閉じると同時にバイパス管31を開き、クラ
ンク室8のコンロッド過給装置によって加圧された新気
を空気エジェクタ25をバイパスして第2の加圧吸入管
29へと流すため、空気エジェクタ25による新気の増
量は行われない。
【0045】尚、本実施の形態ではキャブレタ30を第
2の加圧吸入管29の途中に設けたが、図1に鎖線にて
示すようにキャブレタ30に代えて燃料噴射用インジェ
クタ30’を設けても良い。或は、キャブレタ30”を
第1の吸入管23の途中に設けても良く、この場合には
キャブレタ30”において形成された混合気がクラン
ク室8のコンロッド過給装置によって加圧される。
【0046】ところで、本実施の形態1における別の制
御方法は以下の通りである。
【0047】燃焼室圧力センサ及びカムポジションセン
サはエンジン1には配置されておらず、ECU34には
アクセル位置(即ち、負荷)に対応するスロットルセン
サ信号cとエンジン回転数センサ信号d’が入力され
る。
【0048】そして、エンジン1の運転状態が高負荷・
高回転にあるとき、三方弁27はバイパス管31を閉じ
ると同時に第1の加圧吸入管26を開く。本制御方法で
は、クランク軸6が2回転する毎に三方弁27を切り換
えることなく、エンジン1の運転状態が高負荷・高回転
にある間中、所定切換位置に保持する。これにより、コ
ンロッド過給装置により新気に与えられるエネルギーの
一部を利用し、第2の吸入管24に新気を通すことが可
能となる。即ち、コンロッド過給装置はクランク室8内
のみでなく、空気エジェクタ25においても過給仕事を
行う。クランク室8を通過する吸気通路に加え第2の吸
入管24が吸気通路に加わることになり、クランク室8
を通過するときの通過抵抗があたかも低下したことと同
じとなり、エンジン1の要求する多量の混合気量に合わ
せて過給が可能となる。エンジン1の運転状態が高負荷
・高回転にないときは、時間当たり多量の混合気をそれ
程要求されないため、三方弁27はバイパス管31を開
くと同時に第1の加圧吸入管26を閉じて保持する。
【0049】<実施の形態2>次に、本発明の実施の形
態2を図5乃至図7に基づいて説明する。尚、図5は本
発明の実施の形態2に係る吸気装置を備えるクランク室
過給エンジンの構成を示すユニットスイング式エンジン
ユニットの模式的断面図、図6は本発明の実施の形態2
に係る吸気装置の空気エジェクタ(空気流量増幅器)部
分の構成を示す部分断面図、図7は同吸気装置の構成を
示すブロック図であり、これらの図においては図1、図
3及び図4に示したと同一要素には同一符号を付してお
り、以下、それらについての説明は省略する。
【0050】本実施の形態に係る吸気装置においては、
図5及び図7に示すように、前記実施の形態1における
三方弁27とバイパス管31を省略し、それらに代えて
チェック弁41を第2の吸入管24の途中に設けてい
る。
【0051】而して、上記チェック弁41は、空気エジ
ェクタ25に所定値以上の負圧が発生すると、この負圧
によって開いてエアクリーナ22から第2の吸入管24
を流れる新気を空気エジェクタ25に導くためのもので
ある。
【0052】ところで、本実施の形態においても空気エ
ジェクタ25は図6に示すように前記実施の形態1と同
様に構成されるが、本実施の形態に係る空気エジェクタ
25においては、ノズル25aに第1の加圧吸入管26
が接続され、室25cに連通する接続管25dに第2の
吸入管24が接続されている。
【0053】而して、当該クランク室過給エンジン1が
駆動され、クランク室8のコンロッド過給装置によって
加圧された新気が第1の加圧吸気管26を経て空気エジ
ェクタ25に導入されると、図6に示すように、加圧さ
れた新気は空気エジェクタ25のノズル25aによって
絞られてその流速が高められるため、室25cに負圧が
発生する。
【0054】一方、吸気バルブ17が開く吸気行程にお
いては、シリンダ3内には負圧が発生するため、空気エ
ジェクタ25には更に高い負圧が発生し、この負圧によ
ってチェック弁41が開くためにエアクリーナ22から
の新気が第2の吸入管24を通って空気エジェクタ25
に導入され、これが空気エジェクタ25を流れる高圧の
新気に加えられる。
【0055】従って、空気エジェクタ25において増量
された新気は、前記実施の形態1と同様に第2の加圧吸
入管29を通ってキャブレタ30に導かれ、キャブレタ
30において該新気が燃料と混合されることによって混
合気が形成される。そして、キャブレタ30で形成され
た混合気はシリンダヘッド14の吸気通路15を通って
シリンダ3内に供給(過給)されて燃焼に供される。
【0056】そして、エンジン1において吸気バルブ1
7が閉じて吸気行程から圧縮行程に移行すると、空気エ
ジェクタ25に発生する負圧が低下するためにチェック
弁41が閉じ、実施の形態1と同様に空気エジェクタ2
5による新気の増量が中止される。
【0057】而して、本実施の形態においても、吸気行
程においてはクランク室8において加圧された新気に空
気エジェクタ25によって新気が加えられるため、コン
ロッド過給装置の大型化やロス馬力の増大を招くことな
く混合気のシリンダ3(燃焼室S)への過給量を増やす
ことができて過給性能が高められ、エンジン1の出力を
更に高めることができるという効果が得られる。
【0058】ところで、本実施の形態においてもキャブ
レタ30を第2の加圧吸入管29の途中に設けたが、図
5に鎖線にて示すようにキャブレタ30に代えて燃料噴
射用インジェクタ30’を設けても良い。或は、キャブ
レタ30”を第1の吸入管23の途中に設けても良く、
この場合には キャブレタ30”において形成された混
合気がクランク室8のコンロッド過給装置によって加圧
される。
【0059】尚、エンジン回転数が上昇し、クランク室
8を出た新気の加圧圧力が上昇する。更に、クランク室
8の上流側にキャブレタ30”が配置されるものにおい
ては、エンジン回転数が上昇するかスロットル弁開度が
大きくなるに連れて、クランク室8を出た新気の加圧圧
力が上昇する。このクランク室8を出た新気の加圧圧力
が上昇しても、ノズル25e(図6参照)により流速が
増大し、これにより室25cが負圧になるため、クラン
ク室8を出た新気の加圧圧力値に関係なく常に第2の吸
入管24からも新気或は混合気を吸引し、加圧新気或は
加圧混合気と一緒に燃焼室Sに供給できる。これによ
り、全ての運転状態において過給効率を向上させること
ができ、その分クランク室8周り及び第1の吸入管23
周りをコンパクトにすることができる。
【0060】又、図1乃至図4に示す実施の形態1にお
いて、切換弁27及びバイパス管31を廃止しても良
い。この場合も上記と同様にエンジン1の全ての運転状
態において過給効率を向上させることができ、その分ク
ランク室8周り及び第1の吸入管23周りをコンパクト
にすることができる。
【0061】更に、本発明は4サイクルエンジンのみな
らず、クランク室で加圧し掃気する2サイクルエンジン
にも適用できる。即ち、シリンダ側壁に掃気口と排気口
を設け、クランク室から掃気口への掃気通路の途中に図
3或は図6に示す空気エジェクタ25を設ければ良い。
そして、常時或は高負荷・高回転時、クランク室からの
加圧新気或は加圧混合気、クランク室をバイパスする吸
気通路からの新気或は混合気を混ぜてシリンダ側壁の掃
気口から燃焼室に掃気するようにする。
【0062】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、クランク室において加圧された新気又は混合気
に空気流量増幅器によって新気が加えられるため、過給
装置の大型化やロス馬力の増大を招くことなく混合気の
シリンダ(燃焼室)への過給量を増やして過給性能を高
めることができるという効果が得られる。
【0063】又、本発明によれば、空気流量増幅器によ
って加えられる新気(吸入空気)は加圧されていないた
め、シリンダ(燃焼室)に充填される混合気の圧力上昇
とこれに伴う温度上昇が抑えられ、ノッキングの発生が
防がれるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る吸気装置を備える
クランク室過給エンジンの構成を示すユニットスイング
式エンジンユニットの模式的断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る吸気装置を備える
クランク室過給エンジンのコンロッド過給装置の構成を
示す断面斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る吸気装置の空気エ
ジェクタ(空気流量増幅器)部分の構成を示す部分断面
図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る吸気装置の構成を
示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る吸気装置を備える
クランク室過給エンジンの構成を示すユニットスイング
式エンジンユニットの模式的断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る吸気装置の空気エ
ジェクタ(空気流量増幅器)部分の構成を示す部分断面
図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る吸気装置の構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
1 クランク室過給エンジン 8 クランク室 23,24 吸入管(導入経路) 25 空気エジェクタ(空気流量増幅器) 26,29 加圧吸入管(導入経路) 27 三方弁(切換手段) 31 バイパス管(バイパス通路) 41 チェック弁 S 燃焼室

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク室に導入される新気又は混合気
    をクランク室で圧縮してこれを燃焼室に導くクランク室
    過給エンジンの吸気装置において、 前記クランク室から燃焼室に至る新気又は混合気の導入
    経路に空気流量増幅器を設けたことを特徴とするクラン
    ク室過給エンジンの吸気装置。
  2. 【請求項2】 前記空気流量増幅器は、クランク室で圧
    縮された新気又は混合気の流れによって発生する負圧に
    よって新気を吸い込む空気エジェクタで構成されること
    を特徴とする請求項1記載のクランク室過給エンジンの
    吸気装置。
  3. 【請求項3】 前記クランク室で圧縮された新気又は混
    合気を前記空気流量増幅器をバイパスして燃焼室に導く
    バイパス通路を設け、クランク室で圧縮された新気又は
    混合気をバイパス通路側又は空気流量増幅器側の何れか
    一方に選択的に流す切換手段を設けたことを特徴とする
    請求項1又は2記載のクランク室過給エンジンの吸気装
    置。
  4. 【請求項4】 前記切換手段は、前記バイパス通路の分
    岐部に設けられた三方弁で構成されることを特徴とする
    請求項3記載のクランク室過給エンジンの吸気装置。
  5. 【請求項5】 前記切換手段は、吸気バルブが開いた後
    所定時間が経過するまでの間は新気又は混合気を空気流
    量増幅器側へ流し、その他の場合及びスロットル急開時
    には新気又は混合気をバイパス通路側へ流すよう動作す
    ることを特徴とする請求項3又は4記載のクランク室過
    給エンジンの吸気装置。
  6. 【請求項6】 前記切換手段は、エンジンの運転状態が
    高負荷・高回転の場合には新気又は混合気を前記空気流
    量増幅器側に流し、エンジンの運転状態がその他の場合
    には新気又は混合気を前記バイパス通路側へ流すように
    動作することを特徴とする請求項3又は4記載のクラン
    ク室過給エンジン。
  7. 【請求項7】 新気を前記空気流量増幅器に導く導入経
    路に、所定値以上の負圧で開いて新気を空気流量増幅器
    側に流すチェック弁を設けたことを特徴とする請求項1
    又2記載のクランク室過給エンジンの吸気装置。
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