JPH1047069A - クランク室内過給式エンジン - Google Patents

クランク室内過給式エンジン

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Publication number
JPH1047069A
JPH1047069A JP19926396A JP19926396A JPH1047069A JP H1047069 A JPH1047069 A JP H1047069A JP 19926396 A JP19926396 A JP 19926396A JP 19926396 A JP19926396 A JP 19926396A JP H1047069 A JPH1047069 A JP H1047069A
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JP
Japan
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supercharging
intake
valve
throttle valve
supercharge
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Application number
JP19926396A
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English (en)
Inventor
Atsushi Tagami
淳 田上
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】過給スロットル弁の急激な閉動作により、その
上流側の圧力が急増することを軽減してエンジンの出力
を安定させると共に燃料の吹き返しを防止する。 【解決手段】吸気通路をクランク室400の過給入口2
1dに接続し、同過給入口又は吸気通路に吸入逆止弁4
11を備えると共に、過給出口21cからの逆流を阻止
する過給逆止弁410を備え、加圧した新気を吸気ポー
ト23b及び吸気弁110を経て気筒の燃焼室220に
導き、途中燃料を混合して混合気として新気を燃焼室に
導くと共に、燃焼室から排気弁111、排気ポート23
a及び排気通路を経て大気中に排気を排出するエンジン
5において、過給出口と吸気弁の間の加圧吸気通路に過
給スロットル弁200を配置し、この過給スロットル弁
位置又はその上流に燃料を供給する燃料供給装置を配置
し、且つ過給スロットル弁の上流の加圧吸気通路と吸入
逆止弁の下流側とを連通するバイパス通路210を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、クランク室内に
おいて新気を過給し、過給した新気をクランク室から燃
焼室に導くようにしたクランク室内過給式エンジンに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジン出力の向上を図る目的か
ら、クランク室内に吸入された空気をコンロッドの揺動
により圧縮して燃焼室に供給するようにしたコンロッド
過給機構を備えた過給装置が提案されている(例えば、
特開平6−93869号公報参照)。このコンロッド過
給機構やピストンの往復動によりクランク室内に吸入さ
れた空気を圧縮するピストン過給機構を備える過給装置
はクランク室過給装置と言われ、クランク室の過給入口
に吸入により開く吸入逆止弁を備えるとともに、過給出
口に過給により開く過給逆止弁を備え、吸入逆止弁の上
流に燃料供給装置を配置し、クランク室内にて加圧した
新気を加圧吸気通路、吸気ポート、及び吸気ポート端部
の吸気弁を経て気筒の燃焼室に導き、燃焼室から排気
弁、排気ポート及び排気通路を経て大気中に排気を排出
するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなクランク室
内過給式エンジンでは、過給出口と吸気弁の間の加圧吸
気通路に過給スロットル弁を配置し、この過給スロット
ル弁を例えばアクセルに連動して開閉して親気の過給量
を制御するようにすると、急激に過給スロットル弁を開
閉した場合には、過給スロットル弁の上流側の圧力が変
動する。例えば、急減速で過給スロットル弁を閉じる
と、その上流側の圧力が上昇するため、クランク室上流
と下流側との圧力差が大きくなり、クランク室内での過
給に大きな仕事を必要とし、エンジンの出力ロスとな
る。このため、クランク室の上流側と下流側とを連通バ
イパスすることが考えられるが、連通バイパスの仕方に
よっては、クランク室の上流側から下流側に戻る過給混
合気がさらに外気取入口方向に逆流する燃料の吹き返し
が起こる問題がある。
【0004】この発明は、このような実情に鑑みてなさ
れたもので、過給スロットル弁の急激な閉動作により、
その上流側の圧力が急増することを軽減してエンジンの
出力を安定させるとともに燃料の吹き返しを防止するク
ランク室内過給式エンジンを提供することを目的として
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ
目的を達成するために、請求項1記載の発明は、吸気通
路をクランク室の過給入口に接続し、クランク室の過給
入口あるいは吸気通路に大気方向への逆流を阻止する吸
入逆止弁を備えるとともに、過給出口からクランク室方
向への逆流を阻止する過給逆止弁を備え、前記クランク
室内にて加圧した新気を加圧吸気通路、吸気ポート及び
吸入ポート端部の吸気弁を経て気筒の燃焼室に導き、且
つ途中燃料を混合して混合気として新気を燃焼室に導く
とともに、燃焼室から排気弁、排気ポート及び排気通路
を経て大気中に排気を排出するクランク室内過給式エン
ジンにおいて、前記過給出口と吸気弁の間の加圧吸気通
路に過給スロットル弁を配置し、この過給スロットル弁
位置あるいはその上流に燃料を供給する燃料供給装置を
配置し、且つ過給スロットル弁の上流の加圧吸気通路と
前記吸入逆止弁の下流側とを連通するバイパス通路を備
えたことを特徴としている。例えば、急減速で過給スロ
ットル弁を閉じた場合には、過給スロットル弁の上流側
の圧力が上昇するが、バイパス通路により吸入逆止弁の
下流側と連通するため、過給スロットル弁の上流側の圧
力が上昇するのを防止でき、エンジンの出力ロスを軽減
し、かつ燃料が大気側に逆流することを防止することが
できる。一方、例えば急加速で過給スロットル弁を開く
と、その上流側の圧力が下降するがバイパス通路から吸
気されるため、急加速時の過給の応答性の低下を軽減す
ることができる。
【0006】請求項2記載の発明は、前記バイパス通路
にバイパス弁を備えるとともに、前記バイパス弁は、所
定過給スロットル弁開度以下において全開とし、所定過
給スロットル弁開度以上において、過給スロットル弁開
度が大なる程開度を小さくするように、過給スロットル
弁開度に応じて開閉することを特徴としている。これに
より、請求項1による作用に加え、所定過給スロットル
弁開度以下において過給させないので、安定した低速回
転を可能とし、且つ所定過給スロットル弁開度以上にお
いて過給による高出力を可能とする。
【0007】請求項3記載の発明は、前記吸気通路に吸
気スロットル弁を配置し、この吸気スロットル弁を前記
過給スロットル弁と同一開閉方向に同調して開閉するよ
うに連動させたことを特徴としている。これにより上記
作用に加え、急減速時において吸い込み側においても吸
気量が絞られるため、過給スロットル弁上流部の圧力が
早く低下し、その分急減速性が良好となる。
【0008】請求項4記載の発明は、前記過給入口に前
記吸入逆止弁を配置したことを特徴としている。このた
め上記作用に加え、ピストンの往復動によりクランク室
内に吸入された空気を圧縮するピストン過給機構を備え
るものでは、クランク室内容積を小さくできるので過給
圧を上げることができる。また、コンロッド過給機構を
備えるものでは、元々過給出口の過給逆止弁か過給入口
の吸入逆止弁のいずれか一方があれば過給をすることが
できるので、過給逆止弁を廃止することができる。
【0009】請求項5記載の発明は、前記吸気通路に前
記吸入逆止弁を配置したことを特徴としている。このた
め上記作用に加え、コンロッド過給機構を備えるもので
は、バイパス弁が閉じた状態での過給圧に影響なく、吸
入逆止弁から過給スロットル弁の間の容積が大きいので
バイパス弁を開いたときの過給圧を下げることができ、
急減速性が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明のクランク室内過
給式エンジンの実施の形態を添付図に基づいて説明す
る。図1はクランク室内過給式エンジンを搭載する自動
二輪車を説明するための側面図、図2はクランク室内過
給式エンジンの前面図、図3はクランク室内過給式エン
ジンの断面図、図4は図3のIV-IV線に沿う断面図、図
5は吸気スロットル弁及び過給スロットル弁とバイパス
弁との制御を示す図である。
【0011】図において、1はこの実施の形態の自動二
輪車であり、これの車体フレーム2にはピボット軸3を
介してリヤアーム4が軸支されている。クランク室内過
給式エンジン5の前側は、取付ブラケット6を介して車
体フレーム2に弾性部材を介して支持され、後側はピボ
ット軸3まわりに回動可能に支持されて搭載されてい
る。クランク室内過給式エンジン3の動力がドライブ軸
7によりチエーン8を介してリヤアーム4に軸支された
図示しない後輪を駆動する。
【0012】エンジン本体17は強制空冷式4サイクル
単気筒型のものであり、気筒が前側に傾斜して配置され
ているが、気筒をさらに前傾して水平に配置してもよ
い。エンジン本体17は、クランクケース21にシリン
ダブロック22及びシリンダヘッド23を接続し、シリ
ンダブロック22のシリンダCにピストン24を摺動自
在に挿入配置するとともに、ピストン24をコンロッド
25でクランク軸26のクランクピン26aに連結した
構造である。また、図1中時計方向に回転(矢印方向の
回転)するクランク軸26の右端部には、図4に示すよ
うに図示しない駆動プーリが、左端部にはエンジン本体
17に発電機51が装着されている。
【0013】シリンダヘッド23の下面に導出された排
気ポート23aにはエキゾーストパイプ28が接続され
ており、エキゾーストパイプ28の後端には図示しない
マフラが接続される。また、シリンダヘッド23の上面
に導出された吸気ポート23bには加圧吸気通路を構成
する加圧吸気管30が接続されており、加圧吸気管30
の上流側端部はクランクケース21の上側に取付られた
吐出部30aに接続されている。エンジン本体17の後
方上方にはエアクリーナ34が配置され、エアクリーナ
34とクランクケース21の下側に取り付けられた吸込
部33aとが吸気管33で連結されるとともに、吸気管
33の途中に気化器31が配置されている。エアクリー
ナ34から取入られる新気は気化器31により燃料が混
合されて混合気が形成される。混合気は吸気管33、吸
込部33aを経て、吸込口21aから吸入逆止弁411
を開いてクランクケース21内に吸われ、クランクケー
ス21内で下記において説明するように加圧されて、過
給出口21cから吐出逆止弁410を介して吐出部30
aに吐出される。クランク軸26の1回転毎に加圧され
る混合気は、主に吐出部30aさらには加圧吸気管30
内に貯留され、クランク軸26の2回転毎の吸気行程
中、加圧吸気管30を吸気ポート23b方向に流れる。
加圧吸気管30には、過給スロットル弁200が配置さ
れ、加圧混合気量を制御する。
【0014】気化器31の右側方にオイルタンク32が
配置されている。気化器31には吸気スロットル弁50
0が設けられ、この吸気スロットル弁500により燃料
が供給されるとともに吸気量が制御される。
【0015】また、シリンダヘッド23に形成された排
気ポート23a、吸気ポート23bは排気弁111、吸
気弁110で開閉され、各弁111,110は、排気及
び吸気側タペット114,113を介してカム軸112
で開閉駆動される。そして、エンジン本体17は、コン
ロッド過給式の過給装置133を備えている。この過給
装置133のコンロッド過給機構133aは、クランク
ケース21の内周壁、ピストン切欠きの左右壁及び左右
のクランクウェッブ26bの各々内側壁にコンロッド2
5の各外面を密閉的に相対させ、あるいは確実に密閉す
るため互いに接触しつつ摺動させることによりクランク
室400を吸入室Aと圧縮室Bとに区分けし、圧縮室B
の過給出口21cが過給逆止弁410により開閉され、
吸入室Aの過給入口21dが吸入逆止弁411により開
閉される。
【0016】クランクケース21の下部に吸入室Aに連
通する新気流入口を構成する吸入口21aを形成すると
ともに、上部に圧縮室Bに連通する加圧新気流出口を構
成する吐出口21bを形成して構成されている。これに
より、コンロッド25の揺動により吸入した空気を圧縮
する容積型過給機構が構成されている。なお、係る構造
は上述の特開平6−93869号公報に詳細に記載され
ている。
【0017】また、コンロッド過給機構133aには潤
滑装置100が接続されている。この潤滑装置100
は、オイルタンク32からの潤滑油をオイルフィルタ1
01を介してオイルポンプ102により吸引加圧し、こ
の加圧された潤滑油をデリバリパイプ103を介してピ
ストン24、コンロッド25、クランクウェブ26b等
の摺動面及びクランク軸26軸受部に供給し、また供給
された潤滑油のうちクランクケース21の底部に溜まっ
たものを逆止弁104を有する潤滑油戻り管105によ
り回収して循環使用するように構成されている。
【0018】ここで、この実施例のコンロッド過給機構
133aでは、過給圧の高い圧縮室は上側に、吸入室は
下側に配置されており、クランクケース21の下方から
吸入した空気を加圧して上方から吐出する構成となって
いる。このため、潤滑装置100により供給された潤滑
油はクランク室内において自重により圧縮空気から容易
確実に分離されることとなり、加圧空気中に潤滑油が混
ざるのを抑制できる。また、分離された潤滑油はクラン
クケース21においてコンロッド等と壁面との摺動面の
シール剤としても機能することとなり、気密性が向上
し、過給圧が高くなる。
【0019】クランク室内過給式エンジン5は、コンロ
ッド過給機構133aのクランク室400内にて加圧し
た新気を加圧吸気通路を構成する加圧吸気管30、吸気
ポート23b、及び吸気ポート端部の吸気弁110を経
て気筒のシリンダCとシリンダヘッド23の凹部23c
とで形成された燃焼室220に導き、燃焼室220から
排気弁111、排気ポート23a及び排気通路を構成す
るエキゾーストパイプ28を経て大気中に排気を排出す
る。
【0020】このクランク室内過給式エンジン5には、
シリンダCとピストン24との摺動部ヘ潤滑油をデリバ
リパイプ103の給油口103aより供給するように構
成されている。給油口103aは、図示するようにピス
トン24が下死点にある時、燃焼室220内に露出する
位置に設けている。これにより吐出される潤滑油の大部
分はピストン4とシリンダCとの摺動部に直接供給され
るが、ごく一部が燃焼室220内に吐出され、ピストン
4の上昇行程中にピストン4のリングまわりを燃焼室側
より潤滑する。特に排気ポート23aが下側にあり、円
周状のリングの下側部が熱負荷が高いが、給油口103
aも下側にあり、熱負荷の高い部分を効率よく潤滑でき
る。なお、給油口103aは、Y位置のようにピストン
24が下死点にある時でも、燃焼室220内に露出しな
い位置で、よりシリンダヘッド23よりのシリンダC側
に設けてもよい。
【0021】クランク室内過給式エンジン5の気筒は、
前側に傾斜して配置され、ピストン下死点前後で燃焼室
220に連通する排気ガスチャンバ300が備えられて
いる。この排気ガスチャンバ300への出入口300a
はシリンダCへの給油口103aより上方に配置されて
いる。
【0022】このように、エンジンの膨張行程の下死点
近辺で、燃焼室220と排気ガスチャンバ300が連通
され、排気ガスが排気ガスチャンバ300内に流入す
る。排気行程中はピストン24にて出入口300aが塞
がれていて、吸気行程の下死点近くで排気ガスチャンバ
300が再度連通するため、排気ガスチャンバ300内
の排気ガスが燃焼室220の下の方に噴出し、混合気と
排ガスの2つの層が形成される。これにより圧縮、爆発
行程で、混合気がピストントップランド隙間や、ピスト
ン上面のクエンチ層に押し込まれて未燃炭化水素となる
のを防止でき、排気ガス中のHC(炭化水素)を減じる
ことが可能になる。また、排気ガスの一部は混合気とま
じり、EGRをかけた効果でNOxも減らすことができ
る。さらに、排気エネルギーを吸気行程中に吹き出すこ
とで軸出力として回収でき、また、吸気のポンピングロ
スも減じて、燃費を改善できる。
【0023】また、給油口103aが燃焼室220内に
露出する配置か否かによらず、ピストン4が下死点より
シリンダヘッド23よりの位置にある場合には、給油口
103aも排気ガスチャンバ300もピストン4で覆わ
れることになり、この状態で給油口103aから吐出さ
れる潤滑油は、ピストン4とシリンダCとの狭い隙間に
拡がる。排気ガスチャンバ300への出入口300aを
シリンダCへの給油口103aより上方に配置すること
で、給油口103aと出入口300aとの距離を遠く
し、且つ重力の作用により、ピストン4とシリンダCと
の狭い隙間に拡がる潤滑油が出入口300a付近に到達
しにくくしている。更に、排気ガスチャンバ300が出
入口300aの上方となるので、排気ガスチャンバ30
0内に流入することが軽減される。これにより、潤滑油
の供給に悪影響を与えることがなく、潤滑性能を低下さ
せることが防止される。
【0024】また、過給スロットル弁200の上流側の
加圧吸気通路と吸入逆止弁4100の下流側とを連通す
るバイパス通路200が備えられている。バイパス通路
210の一端部210aは加圧吸気管30の吐出部30
aに開口し、他端部210bはクランク室400内の吸
入室Aに開口している。
【0025】このように、過給出口21cと吸気弁11
0の間の加圧吸気通路に過給スロットル弁200を配置
し、この過給スロットル弁200の上流側の加圧吸気通
路と吸入逆止弁411の下流側とを連通するバイパス通
路210を備えている。また、バイパス通路210にバ
イパス弁211を備えるとともに、吸入逆止弁411の
上流側に吸気スロットル弁500を備えている。
【0026】この吸気スロットル弁500と過給スロッ
トル弁200とは、図5に示すように、アクセル開度に
連動させて所定スロットル弁開度aから全開スロットル
弁開度bに開閉制御可能である。また、バイパス弁21
1は所定アクセル開度から全開アクセル開度dでスロッ
トル弁開度に応じて開閉するように構成されている。
【0027】このため、過給スロットル弁200及び吸
気スロットル弁500をアクセルに連動して開閉して新
気の供給量を制御し、例えば、急激に過給スロットル弁
200及び吸気スロットル弁500を閉じた場合には、
過給スロットル弁200の上流側の圧力が上昇するが、
バイパス通路210に備えたバイパス弁211を開くこ
とでバイパス通路210を連通させ、加圧された空気を
吸入室Aに戻す。これにより、過給スロットル弁200
の上流側の圧力が上昇するのを防止でき、エンジンの出
力ロスを軽減し、あるいは燃料供給装置を構成する気化
器31側に混合気が逆流することを防止することができ
る。一方、例えば急加速で過給スロットル弁200及び
吸気スロットル弁500を開くと、その上流側の圧力が
下降するがバイパス通路210から吸気されるため、急
加速時の過給の応答性の低下を軽減することができる。
【0028】このように、バイパス通路210にバイパ
ス弁211を備えるとともに、バイパス弁211は、所
定過給スロットル弁開度以下において全開とし、所定過
給スロットル弁開度以上において、過給スロットル弁開
度が大なる程開度を小さくするように、過給スロットル
弁開度に応じて開閉し、所定過給スロットル弁開度以下
において過給させないので、安定した低速回転を可能と
し、且つ所定過給スロットル弁開度以上において過給に
よる高出力を可能とすることができる。
【0029】また、吸気通路に吸気スロットル弁500
を配置し、この吸気スロットル弁500を過給スロット
ル弁200と同一開閉方向に同調して開閉するように連
動させており、急減速時において吸い込み側においても
吸気量が絞られるため、過給スロットル弁200上流部
の圧力が早く低下し、その分急減速性が良好となる。
【0030】また、過給入口21dに吸入逆止弁411
を配置しており、ピストン4の往復動によりクランク室
内に吸入された空気を圧縮するピストン過給機構133
aを備えるものでは、クランク室内容積を小さくできる
ので過給圧を上げることができる。また、コンロッド過
給機構133aを備えるものでは、元々過給出口の過給
逆止弁410か過給入口の吸入逆止弁411のいずれか
一方があれば過給をすることができるので、過給逆止弁
410を廃止することができる。
【0031】また、吸気通路に吸入逆止弁411を配置
しており、コンロッド過給機構133aを備えるもので
は、バイパス弁211が閉じた状態での過給圧に影響な
く、吸入逆止弁411から過給スロットル弁200の間
の容積が大きいのでバイパス弁211を開いたときの過
給圧を下げることができ、急減速性が向上する。
【0032】図6は別の実施例である。コンロッド過給
機構133aを形成するクランク室の過給出口21cに
は過給逆止弁410が配置されるが、過給入口21dに
は吸入逆止弁411は配置されない。加圧吸気通路33
0の途中にスロットル弁が配置された気化器31が配置
されている。吸気管33の途中に逆流防止弁600が配
置されている。その他の構成は基本的に図1から図5に
示す第1の実施例と同じである。コンロッド過給機構1
33aを備えるものでは、バイパス弁211が閉じた状
態での過給圧に影響なく、吸気管33の途中に配置され
る吸入防止弁としての逆流防止弁600から過給スロッ
トル弁の間の容積が大きいので、バイパス弁211を開
いた時の過給圧を下げることができ、急減速性が向上す
る。
【0033】図7はさらに他の実施例である。コンロッ
ド過給機構133a´を形成するクランク室の過給出口
21cには過給逆止弁410が配置され、加圧吸気通路
30の途中に過給スロットル弁200が配置される。一
方吸気通路33の途中には逆流防止弁600と、その上
流にスロットル弁が配置された気化器31が配置されて
いる。加圧吸気通路3の過給スロットル弁200の上流
部と吸気通路33の逆流防止弁600の下流部とが、バ
イパス弁211を配置したバイパス通路210により連
結されている。過給スロットル弁200と気化器31内
のスロットル弁は同期して連動する。両スロットル弁が
急閉される急減速時には、急減速性を高めるために、バ
イパス弁211が開けられる。これにより、過給スロッ
トル弁200とピストン過給機構133a´の間の高圧
の新気はバイパス通路210方向に入るので圧力が下が
り、過給スロットル弁200を通過する新気混合気の量
が減り、急減速性が向上する。しかも、新気混合気は吸
気通路の逆流防止弁600下流部に戻るので、新気混合
気が吹き返すことがない。また、気化器31内のスロッ
トル弁が急閉することにより、新たな新気混合気がピス
トン過給機構133a´方向に流れるのを制限するの
で、次第にバイパス通路210を通りピストン過給機構
133a´により循環する新気の圧力が低下する。これ
によりエンジンの出力ロスをさらに低減できる。また、
たとえ逆流防止弁600の逆流防止機能が何らかの故障
により低下しても急閉するスロットル弁そのものが新気
の吹き返し防止の役割を果す。
【0034】なお、この実施例において、ピストン過給
機構133a´の代わりにコンロッド過給機構133a
を備えても良い。
【0035】なお、上記第1の実施例では、コンロッド
の揺動によりクランク室内で過圧するコンロッド過給機
構を有するコンロッド過給エンジンに適用したが、ピス
トンの上下動によりクランク室内で過圧するピストン過
給エンジンにも同様に適用することができる。
【0036】また、自動二輪車に適用した場合を例にと
って説明したが、この発明はこれに限られるものではな
く、ユニットスイング式エンジンを搭載したオートバイ
等自動二輪車、自動三輪車あるいは、自動四輪車の何れ
にも適用できる。また、船外機、小型雪上車、水上スク
ータ、汎用エンジン等にも適用できる。
【0037】
【発明の効果】前記したように、請求項1記載の発明で
は、急減速で過給スロットル弁を閉じた場合には、過給
スロットル弁の上流側の圧力が上昇するが、バイパス通
路により吸入逆止弁の下流側と連通するため、過給スロ
ットル弁の上流側の圧力が上昇するのを防止でき、エン
ジンの出力ロスを軽減し、かつ燃料が大気側に逆流する
ことを防止することができる。一方、例えば急加速で過
給スロットル弁を開くと、その上流側の圧力が下降する
がバイパス通路から吸気されるため、急加速時の過給の
応答性の低下を軽減することができる。
【0038】請求項2記載の発明では、請求項1による
効果に加え、所定過給スロットル弁開度以下において過
給させないので、安定した低速回転を可能とし、且つ所
定過給スロットル弁開度以上において過給による高出力
を可能とすることができる。
【0039】請求項3記載の発明では、上記効果に加
え、急減速時において吸い込み側においても吸気量が絞
られるため、過給スロットル弁上流部の圧力が早く低下
し、その分急減速性が良好となる。
【0040】請求項4記載の発明では、上記効果に加
え、ピストンの往復動によりクランク室内に吸入された
空気を圧縮するピストン過給機構を備えるものでは、ク
ランク室内容積を小さくできるので過給圧を上げること
ができる。また、コンロッド過給機構を備えるもので
は、元々過給出口の過給逆止弁か過給入口の吸入逆止弁
のいずれか一方があれば過給をすることができるので、
過給逆止弁を廃止することができる。
【0041】請求項5記載の発明では、上記効果に加
え、コンロッド過給機構を備えるものでは、バイパス弁
が閉じた状態での過給圧に影響なく、吸入逆止弁から過
給スロットル弁の間の容積が大きいのでバイパス弁を開
いたときの過給圧を下げることができ、急減速性が向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】クランク室内過給式エンジンを搭載する自動二
輪車を説明するための側面図である。
【図2】クランク室内過給式エンジンの前面図である。
【図3】クランク室内過給式エンジンの断面図である。
【図4】図3のIV-IV線に沿う断面図である。
【図5】吸気スロットル弁及び過給スロットル弁とバイ
パス弁との制御を示す図である。
【図6】クランク室内過給式エンジンの他の実施の形態
を示す断面図である。
【図7】クランク室内過給式エンジンのさらに他の実施
の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
5 クランク室内過給式エンジン 21c 過給出口 21d 過給入口 23a 排気ポート 23b 吸気ポート 110 吸気弁 111 排気弁 200 過給スロットル弁 210 バイパス通路 220 燃焼室 400 クランク室 410 過給逆止弁 411 吸入逆止弁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気通路をクランク室の過給入口に接続
    し、クランク室の過給入口あるいは吸気通路に大気方向
    への逆流を阻止する吸入逆止弁を備えるとともに、過給
    出口からクランク室方向への逆流を阻止する過給逆止弁
    を備え、前記クランク室内にて加圧した新気を加圧吸気
    通路、吸気ポート及び吸入ポート端部の吸気弁を経て気
    筒の燃焼室に導き、且つ途中燃料を混合して混合気とし
    て新気を燃焼室に導くとともに、燃焼室から排気弁、排
    気ポート及び排気通路を経て大気中に排気を排出するク
    ランク室内過給式エンジンにおいて、前記過給出口と吸
    気弁の間の加圧吸気通路に過給スロットル弁を配置し、
    この過給スロットル弁位置あるいはその上流に燃料を供
    給する燃料供給装置を配置し、且つ過給スロットル弁の
    上流の加圧吸気通路と前記吸入逆止弁の下流側とを連通
    するバイパス通路を備えたことを特徴とするクランク室
    内過給式エンジン。
  2. 【請求項2】前記バイパス通路にバイパス弁を備えると
    ともに、前記バイパス弁は、所定過給スロットル弁開度
    以下において全開とし、所定過給スロットル弁開度以上
    において、過給スロットル弁開度が大なる程開度を小さ
    くするように、過給スロットル弁開度に応じて開閉する
    ことを特徴とする請求項1記載のクランク室内過給式エ
    ンジン。
  3. 【請求項3】前記吸気通路に吸気スロットル弁を配置
    し、この吸気スロットル弁を前記過給スロットル弁と同
    一開閉方向に同調して開閉するように連動させたことを
    特徴とする請求項1記載のクランク室内過給式エンジ
    ン。
  4. 【請求項4】前記過給入口に前記吸入逆止弁を配置した
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記
    載のクランク室内過給式エンジン。
  5. 【請求項5】前記吸気通路に前記吸入逆止弁を配置した
    ことを特徴とする請求項2または請求項3記載のクラン
    ク室内過給式エンジン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014097774A1 (ja) * 2012-12-17 2014-06-26 川崎重工業株式会社 エンジンの過給システム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014097774A1 (ja) * 2012-12-17 2014-06-26 川崎重工業株式会社 エンジンの過給システム
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