JP2009103041A - 過給機付エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造でありながら、単一の排気ターボ過給機50で排気性能を維持しつつ広範な運転領域でエンジントルクを増大させること。
【解決手段】排気マニホールド16と、全気筒3の排気通路が集合した集合部31cと、その下流側の排気ターボ過給機50とを備えた過給機付エンジン1の過給装置であって、排気マニホールド16の各出口17a、17bc、17dの有効開口面積を変更可能な可変排気バルブ30とを備える。可変排気バルブ30の制御手段20は、過給領域の部分負荷運転領域R12において、各出口17a、17bc、17dの有効開口面積を縮小させて、エゼクタ効果による過給性能を向上する。また、所定の運転状況では、バイパス通路を開いて排気ターボ過給機50をバイパスし、排気マニホールド16からの排気Weを直接触媒63に排出する。
【選択図】図4

Description

本発明は過給機付エンジンに関し、特に低回転領域でのエンジントルクを増大させる過給装置を備えた過給機付エンジンに関する。
エンジンの出力トルク増大を図る手段として、吸気圧力を増大させる過給装置が知られている。その代表的なものとして排気ターボ過給機がよく知られている。排気ターボ過給機は、排気通路に設けられたタービンホイールと吸気通路に設けられたコンプレッサホイールとをシャフトで連結したものであり、排気ガスでタービンホイールを回転させることによりコンプレッサホイールを駆動し、吸気圧を上昇させるように構成されている。
排気ターボ過給機は、効率よく高い過給圧が得られる反面、必ずしも広い運転領域でエンジントルクを増大させることができないという特徴がある。一般的に、小型の排気ターボ過給機は低速運転領域でのトルクを増大させ、大型の排気ターボ過給機は高速運転領域でのトルクを増大させる。従って、排気ターボ過給機を設ける場合には、エンジンに要求されるトルク特性に相応しいタイプの排気ターボ過給機を選択する必要がある。
しかし多くの場合、低速運転領域から高速運転領域にわたる広い運転領域でエンジントルクを増大させることが望まれる。そこで、例えば低速用と高速用の2つの排気ターボ過給機を備えるもの(いわゆる2ステージターボ)、低速用の電動過給機と高速用の排気ターボ過給機とを備えるもの、或いは特許文献1に示すように、タービンホイールのノズルに可動式のベーンを設け、低速運転領域ではそのベーン開度を低減して過給効率を高めたもの(いわゆる可変ジオメトリターボ)等が提案されている。
特開平9−112285号公報
しかしながら、特許文献1に示される可変ジオメトリターボをはじめ、上記従来の各過給機は、何れも構造が複雑であったり大型化を招いたりするという問題点があった。また、特許文献1の構成では、単に排気圧力を調整しているに過ぎなかったので、運転状況によっては、ベーン開度が小さい場合に、排気マニホールド内の排気が集合部において他の排気通路に回り込むおそれもあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構造でありながら、単一の排気ターボ過給機で排気性能を維持しつつ広範な運転領域でエンジントルクを増大させることのできる過給機付エンジンを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明は、エンジンに設けられた複数の気筒の各排気ポートに対応して独立して接続された独立排気通路を有する排気マニホールドと、前記排気マニホールドの各独立排気通路の下流側が1つに集合した集合部と、前記集合部の下流側に接続された排気ターボ過給機と、前記排気ターボ過給機の下流側に接続された主排気通路に設けられる触媒と、所定のインターセプトポイントで前記排気ターボ過給機をバイパスして前記排気マニホールドからの排気を前記主排気通路の当該触媒よりも上流側に吐出するウエストゲート通路とを備えた過給機付エンジンであって、所定の過給運転領域でエゼクタ効果を奏するべく、前記集合部と前記排気マニホールドとの間で当該独立排気通路の出口の有効開口面積を変更可能に構成された可変排気バルブと、少なくとも冷間時に前記排気ターボ過給機をバイパスして前記排気マニホールドからの排気を前記主排気通路の当該触媒よりも上流側に吐出するバイパス通路と、前記バイパス通路を開閉する開閉弁手段と、前記可変排気バルブを駆動制御する可変排気バルブ制御手段と、少なくとも前記開閉弁手段を駆動制御する通路開閉制御手段とを備え、前記可変排気バルブ制御手段は、少なくとも冷間時を含む所定のバイパス運転条件成立時において、前記出口の有効開口面積が最小値になるように前記可変排気バルブを駆動制御するものであり、前記通路開閉制御手段は、前記バイパス運転条件の成立時に前記バイパス通路を連通するものであることを特徴とする過給機付エンジンである。この態様では、排気マニホールドの独立排気通路と可変排気バルブとによって、排気マニホールドの出口でエゼクタ効果を得ることができる。エゼクタ効果とは、ノズルから噴射した駆動流体の速度エネルギの一部を圧力エネルギに変換し、当該圧力エネルギにより被吸引流体を吸引排出することをいう。このエゼクタ効果によって、排気ターボ過給機の入力流量(排気ターボ過給機に供給される単位時間当たりの排気の量)の増加や、掃気の促進、或いは動圧過給を行う場合に過給効果を促進する、といった効果を得ることができる。他方、冷間時等においては、排気性能を維持するため、排気温度を高い状態に維持することが好ましい。そこで、本態様では、冷間時を含む所定のバイパス運転条件が成立したときには、バイパス通路が連通される。この結果、排気は排気ターボ過給機をバイパスし、排気ターボ過給機のタービンホイールに熱を奪われることなく下流側の触媒に排出されるので、冷間時等においても、排気性能を維持することができる。この場合においても、排気マニホールドの3つの独立排気通路によって、排気がいわば、絞られた状態でバイパス通路を通るため、一の排気通路から排出されたブローダウンガスを駆動流体とするエゼクタ効果によって他の排気通路にある排気が被吸引流体として吸引される結果、排気通路内の排気が集合部において他の排気通路に回り込むおそれも少なくなる。本発明において、有効開口面積とは、排気が各出口を流通することのできる出口毎の開口面積をいう。
好ましい態様において、排気ターボ過給機は大型である。その場合には、高速運転領域においては大型ターボの本来特性としてのトルク増大を図り、低速運転領域においては上記エゼクタ効果等によりトルク増大を図ることができる。結局、低速運転領域から高速運転領域にわたる広い運転領域でエンジントルクを増大させることができる。
好ましい態様において、前記気筒は直列に配置された第1〜第4気筒であり、前記独立排気通路は、これら第1〜第4気筒に対応して独立して接続される第1独立排気通路、第2独立排気通路、第3独立排気通路、並びに第4独立排気通路であり、前記排気マニホールドは、直列配置中央側の第2独立排気通路および第3独立排気通路の下流端を前記集合部の上流側で集合した補助集合排気通路を含み、前記各気筒は、クランク角90度ごとに順次点火時期を迎えるように互いに各行程をずらして運転されるとともに、前記第2気筒と前記第3気筒とは点火順序が隣り合わないように設定されている。この態様では、コンパクトなレイアウトを実現しつつ、エゼクタ効果によって、吸気量の増大作用をより効果的に得ることができる。本態様では、4気筒エンジンであって、各気筒がクランク角90度ごとに順次点火時期を迎えるように互いに各行程をずらして運転されるので、ある気筒が排気バルブ開弁直後にあるとき、他の何れかの気筒でオーバラップ期間となっている。このため、全てのサイクルにおいて、駆動流体としてのブローダウンガスがオーバラップ期間にある気筒の排気を吸い出し、好適な掃気作用を奏することができる。またエゼクタ効果が各気筒のオーバラップ期間において何れも有効に機能するので、バイパス時の流速についてもこれを増加し、触媒の昇温効果を高めることになる。
好ましい態様において、前記独立排気通路の出口が並列された状態で接続されるハウジングを含み、前記バイパス通路の上流端と前記ウエストゲート通路の上流端とをそれぞれ前記ハウジングに接続し、前記開閉弁手段は、共通のアクチュエータで各通路を開閉するものである。この態様では、一つのアクチュエータで二つの通路の開閉制御を司ることができるので、機械的構造を簡素化し、また、部品点数を必要充分な個数に留めて、エンジン全体のコンパクト化、軽量化を図ることができる。
好ましい態様において、前記独立排気通路の出口が並列された状態で接続されるハウジングを含み、前記バイパス通路の上流端を前記ハウジングに接続し、前記可変排気バルブは、前記出口の有効開口面積を最小値にする位置では前記バイパス通路を開き、前記出口の有効開口面積を最小値よりも所定量以上開く位置では、前記バイパス通路を塞ぐことによって前記開閉弁手段を兼ねるものである。この態様では、バイパス通路の開閉動作を可変排気バルブの変位動作によって制御することができるので、バイパス通路の開閉制御を可及的に簡素な構成を実現することができる。
好ましい態様において、前記ウエストゲート通路の上流端を前記ハウジングに接続し、前記可変排気バルブは、前記出口の有効開口面積を最小値にする位置では前記ウエストゲート通路を塞ぎ、前記出口の有効開口面積を最小値よりも所定量以上開く位置では、前記ウエストゲート通路を開閉可能に開放するものであり、前記ハウジングには、所定の過給圧によって前記ウエストゲート通路を開閉する過給圧アクチュエータを設けている。この態様では、電気的な制御を要することなくウエストゲート通路の開閉制御を司ることができる。
好ましい態様において、前記バイパス通路と前記ウエストゲート通路とのうち、少なくともウエストゲート通路は、前記ウエストゲート通路の下流端は、前記主排気通路に対し、当該触媒の上流端に設けたテーパ部と同心に開口するように接続されている。この態様では、主排気通路に接続された通路からの排気を駆動流体とし、主排気通路の上流側に滞留する気体を被吸出し流体とするエゼクタ効果を得ることが可能になる。この結果、バイパスして流れた駆動流体としての排気のみならず、主排気通路内の排気がタービンホイールの下流側で主排気通路内に流通するので、排気ターボ過給機の背圧を一層効果的に低減することができるとともに、より多くの排気を触媒内に導くことによって、触媒の温度上昇を促進し、触媒の排気性能を高めることができる。
好ましい態様において、前記バイパス通路と前記ウエストゲート通路とは、それぞれの下流端が、前記ウエストゲート通路の下流端は、前記主排気通路に対し、当該触媒の上流端に設けたテーパ部と同心に開口するように接続されている共通の排出通路に集合している。この態様では、共通の排出通路にバイパス通路とウエストゲート通路とを合流させることにより、配管構造を簡素化し、部品点数を低減することができる。特に、ウエストゲート通路が開いている場合には、当該ウエストゲート通路を通る排気を駆動流体とするエゼクタ効果によって、排気ターボ過給機の背圧を迅速に低減することができるとともに、より多くの排気を触媒内に導くことによって、触媒の温度上昇を促進し、触媒の排気性能を高めることができる。
以上説明したように、本発明では、排気マニホールドの3つの独立排気通路(第1排気通路、第4排気通路および補助集合排気通路)と可変排気バルブとによって、排気マニホールドの出口でエゼクタ効果を得ることができ、このエゼクタ効果によって、タービンホイールの駆動力を小さな背圧のままで増大させ、過給圧を上昇させることができ、掃気を促進することができ、さらには、動圧過給を行う場合に過給効果を促進することができるとともに、冷間時等においては、ウエストゲート通路とは別のバイパス通路によって、触媒の昇温を促進することができるので、簡単な構造でありながら、単一の排気ターボ過給機で排気性能を維持しつつ広範な運転領域でエンジントルクを増大させることができるという顕著な効果を奏する。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、図1の実施の形態に係る過給機付エンジン(以下エンジンと略称する)1の概略構成図である。また図2は、図1の部分側断面図である。
エンジン1は直列4気筒の4サイクルエンジンである。
エンジン1のシリンダブロック2には第1〜第4気筒3a、3b、3c、3d(これらを総称するときは気筒3という)が一水平線上に配設されている。各気筒3の構成は共通で、図2に示すように燃焼室4の上部には吸気Wiを吸入するための吸気ポート6と排気Weを排出するための排気ポート8とが設けられている。吸気ポート6にはこれを開閉する吸気バルブ7が、排気ポート8にはこれを開閉する排気バルブ9が、それぞれ設けられている。さらに図略のシリンダヘッドには、燃焼室4の頂部に火花を発生させる点火プラグ5が設けられている。その他、図略の燃料供給手段(燃料噴射弁など)が適宜位置に設けられている。
エンジン1の運転状態を検出するために、エンジン1には、クランク角度センサSW1、エンジン水温センサSW2、エアフローセンサSW3、吸気温度センサSW4が設けられている。また、このエンジン1を搭載した車両の運転状態を検出するために、車両には、アクセル開度センサSW5、車速センサSW6等が設けられている。
また本実施形態のエンジン1は、一般的な4気筒エンジンと同様、各気筒3が、クランク角90度(以下90°CAと表記する)ごとに順次点火時期を迎えるように互いに各行程をずらして運転されている。点火順序はいわゆる#1→#3→#4→#2(#xは第x気筒であることを示す)である。表1に、各気筒3の行程の遷移を示し、図3にタイミングチャートを示す。
Figure 2009103041
表1並びに図3を参照して、各行は第1気筒3a〜第4気筒3d、各列は90°CA毎の行程の遷移を示す。表1に示すように、例えば第1気筒3aが膨張行程にあるとき、第2気筒3bは排気行程、第3気筒3cは圧縮行程、第4気筒3dは吸気行程にある。
なお図2は、第1気筒3aが膨張行程から排気行程への移行期(下死点付近)にある状態を示している。このとき、排気バルブ9が開いて排気Weが燃焼室4から排気ポート8へ排出され始める(ブローダウン)。
また表1並びに図3に示すように、第1気筒3aがブローダウンを開始しているときに第2気筒3bは、排気行程から吸気行程への移行期(上死点付近)にある。この移行期において、図示のように吸気バルブ7と排気バルブ9とが共に開弁している期間、いわゆるオーバラップ期間が設けられている。
各気筒3の排気ポート8には、排気マニホールド16の上流側を形成する4つの独立排気通路16a、16b、16c、16dが接続されている。
図2に示すように、排気マニホールド16の独立排気通路16a〜16dの上流端には図略のシリンダヘッドに固定されるフランジ16eが設けられ、このフランジ16eを介して排気マニホールド16の独立排気通路16a〜16dは、第1〜第4気筒3a〜3dにそれぞれ接続されている。各独立排気通路16a〜16dは、全長にわたってφ36mmの円と同面積の開口面積S1に設定されている。
図4は図1の実施の形態に係る要部を示す外観斜視図である。図5は図1の実施の形態に係る要部を拡大して示す外観斜視図である。
図1、図4、図5に示すように、第1排気通路16aおよび第4排気通路16dは、その全長にわたって独立状態を維持するが、第2排気通路16bと第3排気通路16cとは、その下流側で集合され、補助集合排気通路16bcとなっている。従って排気マニホールド16の下流端付近では3つの独立排気通路(第1排気通路16a、補助集合排気通路16bc、第4排気通路16d)が形成されている。第1、第4排気通路16a、16dおよび補助集合排気通路16bcは、第1排気通路16aと第4排気通路16dとが補助集合排気通路16bcを両側から挟むように浅い角度で(略平行が好ましい)並列配置されており、全体として排気マニホールド16を構成する。以下、特に記す場合を除き、独立排気通路とは下流側の3つの独立排気通路を指すものとする。
第1排気通路16aと第4排気通路16d、および第2排気通路16bと第3排気通路16cとはそれぞれ互いに対称形状となっている。従って、第1排気通路長さLaと第4排気通路長さLdとは略等しくなっている。また、補助集合通路16bcの長さを含めた第2排気通路16bの長さを第2排気通路長さLb、補助集合通路16bcの長さを含めた第3排気通路16cの長さを第3排気通路長さLcとした場合、第2、第3排気通路長さLb、Lcは、それぞれ第1排気通路長さLaと略等しくなるように構成されている。
さらに本実施形態において、第1排気通路長さLaは200mm乃至はそれ以下となるように構成されている。また第1通路容積Vaと第4通路容積Vdとは略等しい。さらに、補助集合通路16bcの体積を含めた第2排気通路16bの体積を第2排気通路体積Vb、補助集合通路16bcの体積を含めた第3排気通路16cの体積を第3排気通路体積Vcとした場合、第2、第3排気通路体積Vb、Vcは、それぞれ第1排気通路体積Vaと略等しくなるように構成されている。
排気マニホールド16の下流側には、取付フレーム17が設けられており、図5に示すように、この取付フレーム17が各独立排気通路16a、16bc、16dの出口17a、17bc、17dを区画している。各出口17a、17bc、17は、上流側の独立排気通路16a、16bc、16dと同様に、φ36mmの円形断面積と同面積の開口面積S1に設定されている。
排気マニホールド16は、取付フレーム17を介して可変排気バルブ30のハウジング31に接続されている。
可変排気バルブ30は、上記3つの独立排気通路16a、16bc、16dの独立状態を維持しつつ、各出口17a、17bc、17dの有効開口面積S2を変更するバルブである。ここで有効開口面積S2とは、排気Weが各出口17a、17bc、17dを流通することのできる出口17a、17bc、17d毎の開口面積をいい、以下の説明では、この有効開口面積S2と等しい円の直径を有効開口径D2いう。
図6は、図1の実施形態に係る可変排気バルブ30の概略構成を示す斜視図であり、(A)は冷間時、(B)は温間時の状態を示すものである。
図4および図6を参照して、可変排気バルブ30は、排気マニホールド16と排気ターボ過給機50との間に介在するハウジング31と、ハウジング31内に収容され、排気マニホールド16の出口17a、17bc、17dの有効開口面積S2を変更するフラップ35と、フラップ35が排気Weの流れる方向と交差する軸周りで揺動するようにハウジング31に軸支されたフラップ軸37と、フラップ軸37を回転させるモータ等のアクチュエータ38と、フラップ軸37を介してフラップ35を開弁方向に付勢するリターンスプリング39とを備えている。
ハウジング31の上流端には、取付フレーム17が固定されており、これによって、ハウジング31には、排気マニホールド16の第1独立排気通路16a、第4独立排気通路16d、並びに補助集合排気通路16bcの各出口17a、17bc、17dが並列された状態で接続されている。
ハウジング31の下流端側には、フランジ31aが設けられ、このフランジ31aを介して排気ターボ過給機50のハウジング51と接合されている。ハウジング31は、排気ターボ過給機50のレイアウトの都合上、途中で下方に曲げられている。排気ターボ過給機50の設置位置によってはこのような曲げは不要である。また異なる曲げ角であってもよい。
ハウジング31内のフランジ31aよりも上流側には、各独立排気通路16a、16bc、16dからの排気Weが合流する集合部31cが区画されている。この集合部31cの上流側には、当該ハウジング31内を流れる排気Weの主流に直交して上方に膨出する膨出部31bが形成されており、フラップ35は、フラップ軸37の軸周りに回動することによって膨出部31b内に進退可能な状態で収容されている。
図6を参照して、フラップ35は、軽量化のために内部が空洞になっている中空体であり、その外周には、フラップ軸37を扇の要とする扇形の扇状面36を有する。フラップ35が膨出部31bから下方に突出するように回動すると、扇状面36は、ハウジング31に接続された排気マニホールド16の各出口17a、17bc、17dに対向し、排気マニホールド16から排出された排気Weの流量を絞る位置に変位する(図6(A)参照)。他方、フラップ35が膨出部31b内に入り込む位置に回動すると、扇状面36は、各出口17a、17bc、17dを開く位置に変位する(図6(B)参照)。
本実施形態では、可変排気バルブ30が全閉位置にある場合でも、僅かな排気We(例えば、全排気流の20%)が集合部31cに流れるように構成されている。
本実施形態では、排気Weの主流において、フラップ軸37よりも上流側で扇状面36が排気Weを受けて各出口17a、17bc、17dの有効開口面積S2を調整するように構成されている。また、フラップ軸37の水平線を通る直径が、可及的に集合部31cの内側に臨むように配置されている。従って、排気Weが扇状面36に当接することによってフラップ35に作用するフラップ軸37回りのトルクは、排気流を遮る板状のベーンがその回動軸よりも上流側にある構成に比べて小さくなり、ブローダウンによって排気流速Qeが大きい運転状況でも、振動しにくくなっている。
ハウジング31の膨出部31bの側部には、バイパス用開口31dと、ウエストゲート用開口31eとが形成されている。バイパス用開口31dは、フラップ35が図6(A)に示す全閉状態のとき、排気マニホールド16の各出口17a、17bc、17dと連通する。他方、ウエストゲート用開口31eは、フラップ35が図6(B)に示す所定の開閉位置から全開位置に至る範囲で各出口17a、17bc、17dと連通する。
各開口31d、31eは、ハウジング31の側部に形成されたチェンバ31fに連通しており、このチェンバ31f内に配置された開閉弁機構70によって開閉制御されるようになっている。
図7は、図1の実施形態に係る可変排気バルブ30のハウジング31の要部を示す斜視図であり、(A)は閉弁状態、(B)は開弁状態を示すものである。
図7を参照して、各開口31d、31eは、それぞれ開閉弁機構70の弁体71、72によって開放可能に閉塞されている。各弁体71、72は、連結部材73によって連結されている。連結部材73は、連結アーム74を介して駆動軸75に連結されている。駆動軸75は、鉛直線回りに回動可能に軸支されており、上端部には、入力ギア76を有している。この入力ギア76には、エンジン制御ユニット20によって駆動制御されるアクチュエータ77の出力ギア78が噛合している。この構成により、開閉弁機構70の各弁体71、72は、図7(A)に示すように、対応する開口31d、31eを閉じる遮蔽姿勢と、図7(B)に示すように、対応する開口31d、31eを開放する開放姿勢との間で変位するように構成されている。
チェンバ31fは、排出通路61を介して、次に接続する排気ターボ過給機50をバイパスし、主排気通路60の触媒63の上流側に接続されている。
図1、図2、図4に示すように、本実施形態において、触媒63の上流端には、テーパ部63aが形成されており、排出通路61の下流端は、主排気通路60に対し、当該触媒63の上流端に設けたテーパ部63aと同心に開口するように接続されている。
本実施形態においては、バイパス用開口31d、チェンバ31f、排出通路61がバイパス通路を構成し、ウエストゲート用開口31e、チェンバ31f、排出通路61がウエストゲート通路を構成している。
図1、図2、図4を参照して、可変排気バルブ30のハウジング31(集合部31c)の下流側には、排気ターボ過給機50が接続されている。排気ターボ過給機50は、可変排気バルブ30と主排気通路60との間に接続されて、排気マニホールド16からの排気Weを主排気通路60に導くハウジング51と、このハウジング51内の主排気通路60上流端に配置されたタービンホイール54と、図略の吸気通路に設けられたコンプレッサホイール52と、このコンプレッサホイール52と連結されるシャフト53とを備えたものであり、排気Weでタービンホイール54を回転させることによりコンプレッサホイール52を駆動し、吸気Wiを圧縮して吸気圧を上昇させる装置である。なお本実施形態の排気ターボ過給機50は、主に高速運転領域においてトルク増大作用の強い大型ターボである。一般的に、A/R(図2に示すタービンホイール部分のノズル面積Aと、タービンホイール軸からノズル中心部までの距離Rとの比)が比較的大きく、またタービンホイール径Dも比較的大きいものを大型ターボという。本実施形態の排気ターボ過給機50は、一般的な大型ターボと比較して、タービンホイール径Dが大きいことは同様であるがA/Rが比較的小さい設定となっている。
本実施形態においては、排気ターボ過給機50の回転速度を検出するための回転速度センサSW7が設けられている。
また図1に示すように、エンジン1には可変バルブタイミング機構12が設けられている。本実施形態の可変バルブタイミング機構12は、吸気バルブ7および排気バルブ9の開弁期間を維持したまま、バルブ開閉弁時期を平行移動的に前後させる、いわゆるVVT(Variable Valve Timing)である。VVTの方式としては、バルブタイミングを連続的に変化させるものでも、2以上の段階的に変化させるものでもよい。
なお本実施形態の可変バルブタイミング機構12は、吸気側の吸気VVT12i(吸気バルブタイミング変更手段)と排気側の排気VVT12e(排気バルブタイミング変更手段)とを備え、吸気バルブ7と排気バルブ9の双方においてバルブタイミングを変化させる。
エンジン1の動作は、エンジン制御ユニット(ECU:Engine Control Unit)20によって電気的に制御される。エンジン制御ユニット20は、CPU、メモリ、カウンタタイマー群、インターフェース並びにこれらのユニットを接続するバス等を有するマイクロプロセッサで構成された制御ユニットである。
図1で説明したように、エンジン制御ユニット20には、入力要素として、クランク角度センサSW1、エンジン水温センサSW2、エアフローセンサSW3、吸気温度センサSW4、アクセル開度センサSW5、車速センサSW6、回転速度センサSW7等の各種検出手段が接続されている。他方、制御要素として、可変バルブタイミング機構12に設けられた電磁弁(図示せず)、可変排気バルブ30のアクチュエータ38、開閉弁機構70のアクチュエータ77等が接続されている。
かかる構成により、エンジン制御ユニット20は、燃料供給量、スロットル開度或いは点火時期といった一般的な燃焼制御に加え、可変バルブタイミング機構12の駆動制御を行う。さらにエンジン制御ユニット20は、可変排気バルブ30を駆動制御する可変排気バルブ制御手段としても機能する。またエンジン制御ユニット20は、開閉弁手段としての開閉弁機構70の開閉制御を実行する通路開閉制御手段としても機能する。
図8は、図1の実施の形態に係る運転状態に応じた制御を行うための運転領域の設定例を示す特性図である。
図8を参照して、同図に示す運転特性では、エンジン1の運転領域のうち、可変排気バルブ30によって、排気マニホールド16出口17a、17bc、17dの有効開口面積S2が絞られる運転領域R11、R12と、出口17a、17bc、17dが全開で運転される運転領域R2とが図のように設定される。
運転領域R11、R12では、独立排気絞り制御が実行されるように設定されている。独立排気絞り制御とは、可変排気バルブ制御手段としてのエンジン制御ユニット20が可変排気バルブ30を駆動し、独立排気通路16a、16bc、16dの各出口17a、17bc、17dの有効開口面積S2を最大面積時(可変排気バルブ30が全開のときの開口面積)よりも縮小させる制御であり、具体的にはエンジン制御ユニット20が可変排気バルブ30のアクチュエータ38に開度信号を送り、アクチュエータ38がフラップ軸37を回転駆動してフラップ35の回転角度を調節する。このうち、所定の低速低負荷運転領域(図示の例では2000rpm)以下の部分負荷運転領域においては、可変排気バルブ30が全閉となり、排気マニホールド16から排出された排気Weが、バイパス用開口31dからチェンバ30fを経て排出通路61に排出され、排気ターボ過給機50をバイパスして触媒63に導入される運転領域R11が設定されている。また、これとは別に、所定の冷間時(例えば、排気温度が触媒63のライトオフ温度未満のとき等)でも、運転領域R11と同様に、可変排気バルブ30が全閉となり、排気マニホールド16から排出された排気Weが、バイパス用開口31dからチェンバ30fを経て排出通路61に排出され、排気ターボ過給機50をバイパスして触媒63に導入されるように設定されている。
図9は、図1の実施の形態に係るエンジン1の制御例を示すフローチャートである。
図9を参照して、このフローチャートが実行されると、エンジン制御ユニット20は、各入力要素からエンジン(ないし車両)の運転状態を検出し、その運転領域を判定する(ステップS1)。次いで、エンジン制御ユニット20は、現在の運転が、可変排気バルブ30を全閉にするバイパス運転条件(エンジン1の運転領域が低速低負荷の運転領域R11である場合、または冷間時である場合)が成立しているか否かを判定する(ステップS2)。
仮に運転状態が低速低負荷の運転領域R11内である場合、またはエンジン1の冷間時にある場合、バイパス運転条件が成立し、エンジン制御ユニット20は、アクチュエータ38を駆動して、フラップ35を回動させ、図6(A)に示すように、排気マニホールド16の出口17a、17bc、17dの下流側を全閉にする(ステップS3)。これとともに、バイパス用開口31dを図7(B)に示すように開くようにアクチュエータ77を制御する(ステップS4)。
この制御により、排気マニホールド16から排出された排気Weは、バイパス用開口31dからチェンバ31fを介して排出通路61を通り、排気ターボ過給機50をバイパスして触媒63に導かれる。さらに、排出通路61の下流端は、主排気通路60に対し、当該触媒63の上流端に設けたテーパ部63aと同心に開口するように接続されているので、排出通路61から排出される排気Webが駆動流体として機能し、主排気通路60の上流側にある気体を被吸出し流体として触媒63に送出するエゼクタ効果を奏することが可能になる。このため、排気ターボ過給機50の下流側に滞留している気体が速やかに触媒63内に導入され、触媒63の昇温に寄与する。
この結果、低速低負荷の運転領域R11や冷間時では、排気Weが直ちに触媒63に導入されるので、触媒63を短時間で活性温度に昇温することができる。
次いで、エンジン1が停止しているか否かを判定し(ステップS5)、停止していれば、制御を終了し、停止していなければステップS1に戻って上述した制御を繰り返す。
次に、ステップS2において、バイパス運転条件が成立していない場合、エンジン制御ユニット20は、ステップS1の判定に基づき、各出口17a、17bc、17dの有効開口面積S2を決定し(ステップS6)、決定された有効開口面積S2に基づいて、アクチュエータ38を駆動し、フラップ35を駆動して、出口17a、17bc、17dを適宜絞る(ステップS7)。次いで、設定された有効開口面積S2に基づいて、排気バルブ9の開タイミングと吸気バルブ7の開閉タイミングとをVVT12e、12iで制御する(ステップS8)。また、回転速度センサSW7の検出値に基づいて、排気ターボ過給機50の回転速度が所定の設定値Pint(インターセプトポイントよりも僅かに低い値)未満であるか否かを判定し(ステップS9)、設定値Pint未満であれば、ウエストゲート用開口31eを閉じるようにアクチュエータ77を制御して(ステップS10)、ステップS5に移行し、設定値Pint以上であれば、ステップS4に移行する。これによって、排気ターボ過給機50の回転速度がインターセプトポイントを超えない範囲で、排気流によるエゼクタ効果を生じせしめ、排気ターボ過給機50の入力流量(排気ターボ過給機50に供給される単位時間当たりの排気Weの量)を増量し、タービンホイール54の駆動力を増大させて、過給圧を向上させることができる。また、被吸出し流体である排気Weが吸出され、掃気が促進されるので、当該気筒3の排気抵抗が低減される。さらに、ブローダウンガスの圧力を高めて動圧過給性能を向上することができる。
図2を参照して、より詳細に説明すると、上述のように図2の状態では、第1気筒3aが排気Weバルブ開弁直後、第2気筒3bがオーバラップ期間となっている。第1排気通路16aに導かれた排気We(ブローダウンガス)は可変排気バルブ30で絞られる。絞られたブローダウンガスは流速が増大し、圧力が低下する。この絞られたブローダウンガスがエゼクタ効果をもたらす駆動流体として機能し、補助集合排気通路16bc(および第2排気通路16b)を流れる被吸出し流体としての排気Weを吸出し、集合部31cに導入する。なお、第2気筒3bの排気バルブ9が閉じた後(オーバーラップ期間後)であっても、駆動流体のエゼクタ効果が存続している場合には、第2排気通路16bおよび補助集合排気通路16bcに残存する排気Weを吸出すことができ、掃気を促進することができる。図2では第1気筒3aがブローダウン状態にある場合を示しているが、表1、図3から明らかなように、他の場合も同様である。本実施形態では、3本の独立排気通路16a、16bc、16dの各出口17a、17bc、17dが取付フレーム17付近において略平行に並列配置され、ハウジング31に流入後も集合部31cに至るまで各出口17a、17bc、17dの並列配置が維持されるので、上記合流角度の条件を満たし、高いエゼクタ効果が得られる。
また、可変排気バルブ30が全開状態のとき、フラップ35がほぼ完全に膨出部31bに格納されて、バイパス用開口31dが閉塞されるとともに、フラップ35の一部が排気マニホールド16から連続する排気通路の壁面を形成している。従って第1排気通路16aからの排気Weは取付フレーム17を経てハウジング31に円滑に流入し、集合部31cから排気ターボ過給機50のハウジング51に導かれる。ここで、排気ターボ過給機50の回転速度が高くなると、ステップS9の判定により、アクチュエータ77が駆動され、弁体72がウエストゲート用開口31eを開くので、排気Weは、ウエストゲート用開口31eからチェンバ31fを経て排出通路61に流れ、触媒63に導かれる。さらに、排出通路61の下流端は、主排気通路60に対し、当該触媒63の上流端に設けたテーパ部63aと同心に開口するように接続されているので、排出通路61から排出される排気Webが駆動流体として機能し、主排気通路60の上流側にある気体を被吸出し流体として触媒63に送出するエゼクタ効果を奏することが可能になる。このため、排気ターボ過給機50の背圧を速やかに低減し、高い過給性能を維持することが可能になる。
図10は、図1の実施の形態に係るバルブタイミング変更制御の説明図である。横軸にはクランク角度θ(deg:°CA)を示し、第1気筒3aの上死点TDCを0°CAとする。縦軸には吸排気バルブ7、9の模式的な開弁量を示す。なお上段には、点火順序の隣り合う気筒のうち後に点火する方の気筒を示し、下段には、先に点火する方の気筒を示す。その一例として、上段に第1気筒3a、下段に第2気筒3bを示す。そして、第1気筒3aが膨張行程から排気行程への移行期(下死点付近)にあり、第2気筒3bが排気行程から吸気行程への移行期(上死点付近)にある状態を示している。これは図2に示す状態に相当する。
破線で示す排気バルブ開期間Pe1および吸気バルブ開期間Pi1は独立排気絞り制御を行わず、可変排気バルブ30が全開状態である場合(本実施形態においては例えば自然吸気領域)の特性である。ここで、排気Weの掃気を充分に行い、且つ吸気Wiをより多く吸入するため(或いは吸気Wiで排気Weを押し出すため)に、第2気筒3bの上死点付近において排気バルブ開期間Pe1と吸気バルブ開期間Pi1とが重複するオーバラップL2が設定されている。このオーバラップL2は、一般的な可変バルブタイミング制御と同様に、エンジン回転速度Neが高いほど排気バルブ9の閉弁時期を遅らせ、吸気バルブ7の開弁時期を進めることによって拡大される(排気VVT12eか吸気VVT12iの何れか一方で行ってもよい)。
一方、独立排気絞り制御の実行中では、実線で示す排気バルブ開期間Pe2および吸気バルブ開期間Pi2は、同じエンジン回転速度Neであっても図10のオーバラップL3で示すように、独立排気絞り制御を行わない場合のオーバラップL2よりも拡大されている。具体的には排気バルブ9の閉弁時期が遅らされ、吸気バルブ7の開弁時期が進められる。ここで、オーバラップL2が大きすぎると吸気負圧によって排気Weが逆流するおそれがある。しかし独立排気絞り制御では、エゼクタ効果によって排気Weが下流側に吸出されるので、そのような逆流が起こりにくい。すなわち、排気Weの逆流という弊害を抑制しつつオーバラップ量を増大させることができる。従って、本実施形態では、独立排気絞り制御中にオーバラップL2をオーバラップL3に拡大することにより、吸気量を増大させ、エンジントルクの増大をさらに促進するようにしているのである。
他方、オーバラップL2をオーバラップL3に拡大するに際し、排気バルブ閉弁時期を遅らせてオーバラップ量を増大しているので、独立排気絞り制御の実行時は、図10上段に示すように、排気バルブ開弁時期が期間L1だけ遅れることになる(開弁期間自体は平行移動的に変更され、不変であるから)。このため、独立排気絞り制御の非実行時に比べ、ブローダウンガスを加勢し、顕著なエゼクタ効果を得ることができる。もっとも、排気バルブ9を排気下死点後に開くと排気抵抗が大きくなるので、排気バルブ開弁時期の遅延は、図示のように排気下死点直前までにとどめておくことが好ましい。
以上説明したように、本実施形態においては、所定の部分負荷運転領域R12では、エゼクタ効果によって、過給圧を向上させ、掃気を促進し、動圧過給性能を高めることができる。
他方、冷間時等、排気性能を維持することが必要な運転状態では、バイパス用開口31d、チェンバ31f、排出通路61によって構成されるバイパス通路が連通される。この結果、排気Weは排気ターボ過給機50をバイパスし、排気ターボ過給機50のタービンホイール54に熱を奪われることなく下流側の触媒63に排出されるので、冷間時等においても、排気性能を維持することができる。この場合においても、排気Weマニホールド16の3つの独立排気通路16a、16bc、16dによって、排気Weがいわば、絞られた状態でバイパス通路(31d、31f、61)を通るため、一の排気通路内の排気Weが集合部31cにおいて他の排気通路に回り込むおそれも少なくなる。また、低速低負荷の運転領域R11では排気ターボ過給機50をバイパスするので、比較的大型の装置を採用しても、低速の部分負荷運転領域でトルクが低下するおそれもなくなる。
また本実施形態では、各気筒3a〜3dは、クランク角90度ごとに順次点火時期を迎えるように互いに各行程をずらして運転されるとともに、第2気筒3a〜3dと第3気筒3a〜3dとは点火順序が隣り合わないように設定されている。このため本実施形態では、コンパクトなレイアウトを実現しつつ、エゼクタ効果によって、吸気量の増大作用をより効果的に得ることができる。本実施形態では、4気筒3a〜3dエンジンであって、各気筒3a〜3dがクランク角90度ごとに順次点火時期を迎えるように互いに各行程をずらして運転されるので、ある気筒3a〜3dが排気Weバルブ開弁直後にあるとき、他の何れかの気筒3a〜3dでオーバラップ期間となっている。このため、全てのサイクルにおいて、駆動流体としてのブローダウンガスがオーバラップ期間にある気筒3a〜3dの排気Weを吸い出し、好適な掃気作用を奏することができる。またエゼクタ効果が各気筒3のオーバラップ期間において何れも有効に機能するので、バイパス時の流速についてもこれを増加し、触媒63の昇温効果を高めることになる。
また本実施形態では、バイパス通路(31d、31f、61)の上流端とウエストゲート通路(ウエストゲート用開口31e、チェンバ31f、排出通路61)の上流端とをそれぞれハウジング31に接続し、本実施形態において開閉弁手段を構成する開閉弁機構70は、共通のアクチュエータ77で各通路(バイパス用開口31d、ウエストゲート用開口31e)を開閉するものである。このため本実施形態では、一つのアクチュエータ77で二つの通路の開閉制御を司ることができるので、機械的構造を簡素化し、また、部品点数を必要充分な個数に留めて、エンジン全体のコンパクト化、軽量化を図ることができる。
また本実施形態では、バイパス通路(31d、31f、61)の上流端をハウジング31に接続し、可変排気バルブ30は、独立排気通路16a、16bc、16dを全閉にする位置ではバイパス通路(31d、31f、61)を開き、独立排気通路16a、16bc、16dを開く位置では、バイパス通路(31d、31f、61)を塞ぐことによって開閉弁手段を兼ねるものである。このため本実施形態では、バイパス通路(31d、31f、61)の開閉動作を可変排気バルブ30の変位動作によって制御することができるので、バイパス通路(31d、31f、61)の開閉制御を可及的に簡素な構成を実現することができる。
また本実施形態では、バイパス通路(31d、31f、61)とウエストゲート通路(31e、31f、61)とは、それぞれの下流端が、主排気通路60の経路中心(触媒63のテーパ部63aの中心線63b)に対し、上流側が鋭角になるように当該主排気通路60の略中央部分に接続されている共通の排出通路61に集合している。このため本実施形態では、共通の排出通路61にバイパス通路(31d、31f)とウエストゲート通路(31e、31f)とを合流させることにより、配管構造を簡素化し、部品点数を低減することができる。特に、ウエストゲート通路(31e、31f、61)が開いている場合には、当該ウエストゲート通路(31e、31f、61)を通る排気Weを駆動流体とするエゼクタ効果によって、排気ターボ過給機50の背圧を迅速に低減することができる。
また本実施形態では、バイパス通路(31d、31f、61)とウエストゲート通路(31e、31f、61)とのうち、少なくともウエストゲート通路(31e、31f、61)は、主排気通路60の経路中心(触媒63のテーパ部63aの中心線63b)に対し、上流側が鋭角になるように当該主排気通路60の略中央部分に接続されている。このため本実施形態では、主排気通路60に接続された通路からの排気Weを駆動流体とし、主排気通路60の上流側に滞留する気体を被吸出し流体とするエゼクタ効果を得ることが可能になる。この結果、バイパスして流れた駆動流体としての排気Weのみならず、主排気通路60内の排気Weがタービンホイール54の下流側で主排気通路60内に流通するので、排気ターボ過給機50の背圧を一層効果的に低減することができるとともに、より多くの排気Weを触媒63内に導くことによって、触媒63の温度上昇を促進し、触媒63の排気性能を高めることができる。
上述した実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
図11は、本発明の実施の別の形態に係るウエストゲートバルブ機構80を示す斜視図であり、(A)が閉弁時、(B)が開弁時を示す。また、図12は、図11のウエストゲートバルブ機構80に採用されている過給圧アクチュエータの構成図である。
図11を参照して、同図に示すウエストゲートバルブ機構80は、専らウエストゲート用開口31eを閉じる弁体81のみを有し、バイパス用開口31dは、常時開放している。低速低負荷運転領域F11や冷間時では、可変排気バルブ30が主となる排気経路を全閉にするので、直ちにバイパス用開口31dを開いて排気マニホールド16からの排気Weを排出する必要があることから、専ら可変排気バルブ30の開閉動作によってバイパス用開口31dを開閉し、排気マニホールド16と連通するようにしているのである。
他方、ウエストゲート用開口31eを閉じる弁体81は、図11、図12に示すように、片持ち状の取付部材82の一端に固定され、この取付部材82の他端がアーム83の先端部分に回動自在に支持されている。アーム83の基端部分は、リンク部材84に固定されている。リンク部材84は、リンク軸85を介して過給圧アクチュエータ86のロッド87に連結されている。
ロッド87は、過給圧アクチュエータ86の内部に収容されるフランジ状の基端部87aを有している。この基端部87aは、過給圧アクチュエータ86のダイアフラム86aに対し、コイルばね86bによって弾性的に付勢されている。ダイアフラム86aの基端部87aと反対側には、排気ターボ過給機50の出口側と連通する連通路86cが形成されており、ダイアフラム86aは、排気ターボ過給機50の背圧を受けるようになっている。この結果、背圧が所定の値になったところで、ロッド87がコイルばね86bの付勢力に抗して前方に付勢され、その力でリンク部材84が回動することによってアーム83が取付部材82を回動し、図11(A)に示す閉弁状態から図11(A)に示す開弁状態に弁体81を駆動できるようになっている。なお、残余の点については、図1以下で説明した実施形態と同様に、ウエストゲート通路(31e、31f、61)の上流端(ウエストゲート用開口31e)がハウジング31に接続され、可変排気バルブ30は、各出口17a、17bc、17dの有効開口面積S2が所定量絞られる運転領域では、ウエストゲート通路(31e、31f、61)を塞ぎ、独立排気通路16a、16bc、16dの各出口17a、17bc、17dの有効開口面積S2を最大値に変更する位置では、ウエストゲート通路(31e、31f、61)を開閉可能に開放するように構成されている。
図11に示した実施形態では、電気的な制御を要することなくウエストゲート通路(31e、31f、61)の開閉制御を司ることができる。また、バイパス通路の具体化に当たっては、可変排気バルブ30のフラップ35の開閉動作でバイパス通路の開閉制御を行うことができるので、フラップ35をバイパス通路の開閉弁手段としても機能させて構成を簡素化し、部品点数を低減することができる。
また、各実施形態において、第1排気通路16a等の長さLa、容積Va、径D1、D2等の設定値は、上記各値に限定するものではない。これらはエンジンの大きさや排気量によって適宜好適な値としてよい。
また可変バルブタイミング機構によるバルブタイミング変更制御は、実行することの利点は多いが必ずしも必要ではなく、これがなくても本発明の基本的な効果を充分得ることができる。
また、上述した構成を具体化するに当たり、排出通路をバイパス用、ウエストゲート用で個別に設けてもよい。その場合に、ウエストゲート用の排出通路には、インタークーラを設けてもよい。
また、可変排気バルブ30のフラップ35に代えて、位相によって流路を切り換えるロータを採用してもよい。
次に、上述した各実施形態におけるさらなる技術的特徴について説明する。
(1)動圧過給による過給能力の向上
まず動圧過給について説明する。動圧過給は、排気のブローダウンを利用して排気ターボ過給機50の過給能力を高めるものである。よく知られているように、1排気行程当たりの有効な排気時間(以下、「ブローダウン期間」という)は、排気Weバルブ開弁直後の排気流速Qeのピーク値(以下、「ブローダウンピーク」という)が大きい程、短くなる。しかし、動圧過給の特性(流速で定まる圧力比)は、二次曲線的な特性を有する。そのため、ブローダウンピークが高い場合には、ブローダウン期間の短縮による目減り分を差引いても、ブローダウンピークが低い場合よりも時間平均したタービン駆動力が増大する。
図13は排気ブローダウン特性図(実測値)である。横軸に第1気筒3aのクランク角度θ(deg:上死点を0°CAとする)、縦軸に排気流速Qe(kg/s)を示す。図示の特性は、可変排気バルブ30による絞り効果のない場合(可変排気バルブ30が全開の場合)の特性である。ブローダウンは各気筒3の排気行程毎に180°CA周期で発生する。図示の例は、180°CAから360°CAの間に第1気筒3aにおいて発生しているブローダウンを示している。
特性C12は本発明の各実施形態の特性である。一方特性C102は、上述した各実施形態よりも通路容積の大きい標準的な排気マニホールドで得られた特性である。特性C12の方が特性C102に対してブローダウンピークが大きく、その分、ブローダウン期間が短くなっている。つまり特性C12のものは特性C102のものに比べ、動圧過給効果が高い。実測値では、特性C12のものは特性C102のものに対して単位時間当たりのタービンホイール回転数が43%増大した。
また強い動圧過給を行うことによって、ブローダウン期間が短縮されるので、ブローダウン後の排気圧力が低下し、排気抵抗が下がるとともに残留ガスが減って、吸気の充填量と耐ノック性が改善されるという効果もある。
特性C12のような大きな排気ブローダウンピークを得るための最も効果的な手段は、排気マニホールド16の容積を小さくすることである。そのためには図5に示す第1通路容積Va(≒第2通路容積Vb≒第3通路容積Vc≒第4通路容積Vd)を小さくすればよい。そして、有効開口面積を小さくすると排気抵抗が増大して好ましくないことを鑑みれば、第1通路容積Vaを小さくするには、第1排気通路16aの長さを可及的に短くすればよいということになる。具体的には第1排気通路16aの長さLa(図4に示す)を、第1排気通路16aの開口面積と同じ円の直径D1(図2に示す)の6倍以下とすることが好ましい。本発明の各実施形態では上述のように開口径D1=φ36mm、長さLa≦200mmであるから、この条件を満たし、効果的な動圧過給が期待できる。
また上述のように、排気マニホールド16の第1通路容積Va〜第4通路容積Vdは、互いに略等しい。仮にこれらの独立排気通路の容積に互いに大きな差があると、エゼクタ効果による掃気促進効果も気筒間で大きくばらついてしまう。そうすると、掃気性に依存するノッキング性能にも差が生じ、結果的に最もノッキング性能の低い気筒3に合わせた設定が余儀なくされ、他の気筒3でノッキング性能を向上してもそれが無駄になる。また、エゼクタ効果による上記吸気量増大効果にも気筒間ばらつきが生じてしまう。
本発明の各実施形態の構成によれば、第1通路容積Va〜第4通路容積Vdが互いに略等しいので、これらの問題がなく、エゼクタ効果の利点をより効果的に得ることができる。
ところで、一般的な過給機付エンジンにおいて、第1排気通路16aの長さLaと第4排気通路16dの長さLdとが略等しくなるように自然にレイアウトすれば、集合部31cを中央寄りに配置した本発明の各実施形態のような略対称のレイアウトとなる。そうすると第2排気通路16bと第3排気通路16cは、これらが互いに独立していれば、その長さが上記長さLaや長さLdに比べて短くなるのが自然である。これを無理に長さLaに揃えるためには不自然に迂回させる等のレイアウトが必要となる。これは排気抵抗の増大を招いたり、そのレイアウトを成立させるために長さLaや長さLdの短縮が妨げられたりして好ましくない。
本発明の各実施形態によれば、その小容積となりがちな第2排気通路16bと第3排気通路16cとを集合した補助集合排気通路16bcを設けているので、この補助集合排気通路16bcの長さを含む第2排気通路長さLbや第3排気通路長さLcを容易に第1排気通路長さLaや第4排気通路長さLdと略等しくし、結果として、第1通路容積Va〜第4通路容積Vdを互いに略等しく設定することができるのである。
なお、第2排気通路16bと第3排気通路16cとは、これらを集合させても相互の独立性が保たれている。上記表1並びに図3に示したように、第2気筒3bと第3気筒3cとは点火順序が隣り合っていないので、排気バルブ9が下死点前から開き始め、上死点後に閉じることを考慮に入れても第2気筒3bの排気バルブ9と第3気筒3cの排気バルブ9とが共に開いている期間はない。従って相互に排気干渉を起こすことがなく、第2気筒3bの排気行程においては補助集合排気通路16bcを擬似的に第2排気通路16bの延長とみなすことができ、第3気筒3cの排気行程においては補助集合排気通路16bcを擬似的に第3排気通路16cの延長とみなすことができるのである。
このように本発明の各実施形態では、4気筒エンジンでありながら、3つの独立排気通路で相互の独立関係を実現している。こうすることによりレイアウトのコンパクト化が図られ、ハウジング31や排気ターボ過給機50との接続部を小型化することができる。
なお排気マニホールド容積を小さくすると上述のように動圧過給効果が高くなるが、その反面、高速運転領域において排気温度が高くなる傾向となる。従って、例えば排気マニホールド16の材質として耐熱性の高い鋳鋼を用いたり、排気マニホールド16を水冷化したりして耐熱性の向上を図ることが好ましい。
(2)各独立排気通路と可変排気バルブとを用いた独立排気絞り制御
上述したように、本発明の各実施形態においては、各独立排気通路16a、16bc、16dと可変排気バルブ30とを用いた独立排気絞り制御によって、大きなエゼクタ効果を得ることができる。
エゼクタ効果による利点は、主に次の3点が挙げられる。
第1に、排気ターボ過給機50の入力流量(排気ターボ過給機50に供給される単位時間当たりの排気Weの量)の増量である。排気Weバルブ開弁直後の入力流量は、通常のブローダウン時の排気流量に、エゼクタ効果によって吸出された排気流量が付加される結果、タービンホイール54の駆動力が増大し、過給圧を向上させることができる。
第2に、排気Weの掃気促進である。エゼクタ効果によって被吸出し流体である排気Weが吸出され、掃気が促進されるので当該気筒3の排気抵抗が低減される。また掃気の促進によってオーバラップ期間での吸気が促進されるので、吸気量を増大させ、エンジントルクを増大させることができる。
第3に、動圧過給の促進である。上述のように、排気マニホールド16の容積を小さくすることで動圧過給の効果が得られるが、エゼクタ効果によって以下説明するようにその効果をさらに促進することができる。
可変排気バルブ30がない、又はあっても全開の場合であって、エゼクタ効果が期待できない場合、ブローダウンガスは集合部31cを介して他の排気通路に回り込む(逆流する)。これはその排気通路の容積が見かけ上増えたように作用する。これに対し可変排気バルブ30によるエゼクタ効果があると、ブローダウンガスは駆動流体として他の排気通路から被駆動流体である排気Weを吸出す。つまり他の排気通路に回り込むことがない。これは、動圧過給においては排気通路容積を削減したような作用をもたらす。
このように、全体の排気通路容積(排気マニホールド容積)が同じであれば、可変排気バルブ30によるエゼクタ効果を有する本発明の各実施形態は、エゼクタ効果のないものに比べ、より動圧過給を促進することができるのである。
以上、本発明の各実施形態の主要な技術的特徴である動圧過給および独立排気絞り制御について説明したが、これらは密接に関連し、協働して過給性能を高めている。
図14は、部分負荷運転領域R12における充填効率ηcを示すグラフである。横軸はエンジン回転速度Ne(rpm)、縦軸は充填効率ηc(%)を示す。特性C13は動圧過給と独立排気絞り制御とが併用された本発明の各実施形態の特性である。特性C103は比較対象のために示す特性であり、従来の一般的な排気マニホールド(可変排気バルブ30なし)を用いた場合の特性である。特性C13の充填効率ηcは特性C103に対して約20〜30ポイント増大している。これは動圧過給と可変排気バルブ30を用いた独立排気絞り制御とによる過給圧増大の効果である。
図15は、部分負荷運転領域R12におけるエンジンの正味平均有効圧(BMEP)を示すグラフである。横軸はエンジン回転速度Ne(rpm)、縦軸は正味平均有効圧(kPa)を示す。特性C14は動圧過給と独立排気絞り制御とが併用された本発明の各実施形態の特性(図14の特性C13に対応する特性)である。特性C104は比較対象のために示す特性であり、図14の特性C103に対応する特性である。特性C14の正味平均有効圧は特性C104に対して約200〜400kPa増大している。これは動圧過給と可変排気バルブ30を用いた独立排気絞り制御とによって充填効率が増大(図14)した効果であって、すなわちエンジントルクが増大したことを示している。
次に、上記エゼクタ効果をより顕著に奏するために本発明の各実施形態で採用されている更なる技術について説明する。
図16は本発明の各実施形態における排気通路の有効開口比Rdと体積効率ηvとの関係を示すグラフである。横軸の上段は有効開口径D2(mm)を示す。
横軸の下段は有効開口比Rd(%)を示す。有効開口比Rdとは、各出口17a、17bc、17dの有効開口径D2に対する各開口径D1の面積比率である。すなわちRd=(D2/D1)2×100(%)、或いはRd=(S2/S1)×100(%)である。
図16に示す特性C15はエンジン回転速度Ne=1500rpmにおける特性、C16は同2000rpmにおける特性を示す。これらの特性から明らかなように、有効開口径D2=22〜28mmの範囲(有効開口比Rd:37〜61%の範囲)において体積効率ηvの特段に高い好適な範囲が存在する。これは、この好適範囲において特に顕著なエゼクタ効果が得られることを示している。従って、有効開口径D2をこの好適範囲に設定することにより、より高い過給効果が得られ、エンジントルクの一層の増大を図ることができる。
次に、本発明の各実施形態の排気ターボ過給機50の作用効果について説明する。
図17は排気ターボ過給機50の効率を示すグラフである。横軸に排気流速Qe(kg/s)、縦軸に効率ηt(%)を示す。実線で示す特性C21は本発明の各実施形態の排気ターボ過給機50の特性、破線で示す特性C121は一般的な大型排気ターボ過給機の特性である。一般的な特性C121では、排気流速Qeの適用範囲の中央付近で効率ηtがピークになるように設定されている。
それに対して本発明の各実施形態の排気ターボ過給機50は、上述のように大型排気ターボ過給機でありながら一般的な大型排気ターボ過給機に比べて相対的にA/Rが小さいので、図示のように特性C21の効率ηtのピークが特性C121に比べて高流量側にずれる。またそのピーク値も高くなる。排気流速Qeが高いとタービンホイールの流速も高くなるから、このような設定はタービンホイールの流速の多い領域を積極的に用いる本発明の各実施形態の動圧過給にとって好適な設定となっている。
図18はエンジントルク特性を示すグラフである。横軸にエンジン回転速度Ne(rpm)、縦軸にエンジントルクTe(N・m)を示す。実線で示す特性C24は本発明の各実施形態の特性、破線で示す特性C124は従来型の排気系と一般的な大型排気ターボ過給機を採用した場合の特性、そして特性C125は従来型の排気系と一般的な小型排気ターボ過給機(タービンホイール径DおよびA/Rが相対的に小さい排気ターボ過給機)を採用した場合の特性である。
図示のように、特性C124では大型排気ターボ過給機による高速域でのトルク増大作用が強く、特性C125では小型排気ターボ過給機による低速域でのトルク増大作用が強い。
それらに対して本発明の各実施形態の特性C24は、高速運転領域では大型の排気ターボ過給機50の採用によってトルク増大作用が強く、低速運転領域では動圧過給、可変排気バルブ30を用いた独立排気絞り制御、バルブタイミング変更制御および小A/Rの排気ターボ過給機50の採用等によってトルク増大作用が強い。その結果、1つの排気ターボ過給機50を用いた簡潔な構成でありながら、低速運転領域から高速運転領域にわたる広い範囲で大きな過給効果を得てエンジントルクの増大が達成されている。
本発明の第1実施形態に係る過給機付エンジンの概略構成図である。 図1の部分側断面図である。 図1の実施の形態に係るタイミングチャートである。 図1の実施の形態に係る要部を示す外観斜視図である。 図1の実施の形態に係る要部を拡大して示す外観斜視図である。 図1の実施形態に係る可変排気バルブの概略構成を示す斜視図であり、(A)は冷間時、(B)は温間時の状態を示すものである。 図1の実施形態に係る可変排気バルブのハウジングの要部を示す斜視図であり、(A)は閉弁状態、(B)は開弁状態を示すものである。 図1の実施の形態に係る運転状態に応じた制御を行うための運転領域の設定例を示す特性図である。 図1の実施の形態に係るエンジン1の制御例を示すフローチャートである。 図1の実施の形態に係るバルブタイミング変更制御の説明図である。 本発明の実施の別の形態に係る開閉弁機構を示す斜視図であり、(A)が閉弁時、(B)が開弁時を示す。 図11の開閉弁機構に採用されている過給圧アクチュエータの構成図である。 排気ブローダウン特性図である。 低速過給領域における充填効率を示すグラフである。 低速過給領域におけるエンジンの正味平均有効圧を示すグラフである。 排気通路の絞り度合と体積効率との関係を示すグラフである。 排気ターボ過給機の効率を示すグラフである。 エンジントルク特性を示すグラフである。
符号の説明
1 過給機付エンジン
3 気筒
16 排気マニホールド
16a 独立排気通路
16b 独立排気通路
16c 独立排気通路
16d 独立排気通路
16bc 補助集合排気通路
17 取付フレーム
20 エンジン制御ユニット(可変排気バルブ制御手段、通路開閉制御手段の一例)
30 可変排気バルブ
31 ハウジング
31c 集合部
31d バイパス用開口
31e ウエストゲート用開口
35 フラップ(開閉弁手段の一例)
50 排気ターボ過給機
60 主排気通路
61 排出通路
63 触媒
63a テーパ部
70 開閉弁機構(開閉弁手段の一例)
80 ウエストゲートバルブ機構
86 過給圧アクチュエータ

Claims (7)

  1. エンジンに設けられた複数の気筒の各排気ポートに対応して独立して接続された独立排気通路を有する排気マニホールドと、前記排気マニホールドの各独立排気通路の下流側が1つに集合した集合部と、前記集合部の下流側に接続された排気ターボ過給機と、前記排気ターボ過給機の下流側に接続された主排気通路に設けられる触媒と、所定のインターセプトポイントで前記排気ターボ過給機をバイパスして前記排気マニホールドからの排気を前記主排気通路の当該触媒よりも上流側に吐出するウエストゲート通路とを備えた過給機付エンジンであって、
    所定の過給運転領域でエゼクタ効果を奏するべく、前記集合部と前記排気マニホールドとの間で当該独立排気通路の出口の有効開口面積を変更可能に構成された可変排気バルブと、
    少なくとも冷間時に前記排気ターボ過給機をバイパスして前記排気マニホールドからの排気を前記主排気通路の当該触媒よりも上流側に吐出するバイパス通路と、
    前記バイパス通路を開閉する開閉弁手段と、
    前記可変排気バルブを駆動制御する可変排気バルブ制御手段と、
    少なくとも前記開閉弁手段を駆動制御する通路開閉制御手段と
    を備え、
    前記可変排気バルブ制御手段は、少なくとも冷間時を含む所定のバイパス運転条件成立時において、前記出口の有効開口面積が最小値になるように前記可変排気バルブを駆動制御するものであり、
    前記通路開閉制御手段は、前記バイパス運転条件の成立時に前記バイパス通路を連通するものである
    ことを特徴とする過給機付エンジン。
  2. 請求項1記載の過給機付エンジンにおいて、
    前記気筒は直列に配置された第1〜第4気筒であり、
    前記独立排気通路は、これら第1〜第4気筒に対応して独立して接続される第1独立排気通路、第2独立排気通路、第3独立排気通路、並びに第4独立排気通路であり、前記排気マニホールドは、直列配置中央側の第2独立排気通路および第3独立排気通路の下流端を前記集合部の上流側で集合した補助集合排気通路を含み、
    前記各気筒は、クランク角90度ごとに順次点火時期を迎えるように互いに各行程をずらして運転されるとともに、前記第2気筒と前記第3気筒とは点火順序が隣り合わないように設定されている
    ことを特徴とする過給機付エンジン。
  3. 請求項1または2記載の過給機付エンジンにおいて、
    前記独立排気通路の出口が並列された状態で接続されるハウジングを含み、
    前記バイパス通路の上流端と前記ウエストゲート通路の上流端とをそれぞれ前記ハウジングに接続し、
    前記開閉弁手段は、共通のアクチュエータで各通路を開閉するものである
    ことを特徴とする過給機付エンジン。
  4. 請求項1または2記載の過給機付エンジンにおいて、
    前記独立排気通路の出口が並列された状態で接続されるハウジングを含み、
    前記バイパス通路の上流端を前記ハウジングに接続し、
    前記可変排気バルブは、前記出口の有効開口面積を最小値にする位置では前記バイパス通路を開き、前記出口の有効開口面積を最小値よりも所定量以上開く位置では、前記バイパス通路を塞ぐことによって前記開閉弁手段を兼ねるものである
    ことを特徴とする過給機付エンジン。
  5. 請求項4記載の過給機付エンジンにおいて、
    前記ウエストゲート通路の上流端を前記ハウジングに接続し、
    前記可変排気バルブは、前記出口の有効開口面積を最小値にする位置では前記ウエストゲート通路を塞ぎ、前記出口の有効開口面積を最小値よりも所定量以上開く位置では、前記ウエストゲート通路を開閉可能に開放するものであり、
    前記ハウジングには、所定の過給圧によって前記ウエストゲート通路を開閉する過給圧アクチュエータを設けている
    ことを特徴とする過給機付エンジン。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の過給機付エンジンにおいて、
    前記バイパス通路と前記ウエストゲート通路とのうち、少なくともウエストゲート通路は、前記ウエストゲート通路の下流端は、前記主排気通路に対し、当該触媒の上流端に設けたテーパ部と同心に開口するように接続されている
    ことを特徴とする過給機付エンジン。
  7. 請求項6記載の過給機付エンジンにおいて、
    前記バイパス通路と前記ウエストゲート通路とは、それぞれの下流端が、前記ウエストゲート通路の下流端は、前記主排気通路に対し、当該触媒の上流端に設けたテーパ部と同心に開口するように接続されている共通の排出通路に集合している
    ことを特徴とする過給機付エンジン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014080877A (ja) * 2012-10-15 2014-05-08 Mazda Motor Corp 多気筒エンジンのターボ過給装置
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