JP2019138155A - 電動過給エンジンの吸気構造 - Google Patents

電動過給エンジンの吸気構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2019138155A
JP2019138155A JP2018019250A JP2018019250A JP2019138155A JP 2019138155 A JP2019138155 A JP 2019138155A JP 2018019250 A JP2018019250 A JP 2018019250A JP 2018019250 A JP2018019250 A JP 2018019250A JP 2019138155 A JP2019138155 A JP 2019138155A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intake
passage
intake air
upstream
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018019250A
Other languages
English (en)
Inventor
健一 森実
Kenichi Morisane
健一 森実
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2018019250A priority Critical patent/JP2019138155A/ja
Publication of JP2019138155A publication Critical patent/JP2019138155A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

【課題】吸気構造をコンパクト化しつつ電動過給機およびインタークーラへの通過/非通過が異なる多様な吸気流れを形成する。【解決手段】電動過給エンジンの吸気構造は、上流側吸気通路32と下流側吸気通路34との間に設けられた容器部33と、容器部33を上流室33aと下流室33bとに区画するインタークーラ38と、上流側吸気通路32からの吸気を加圧して上流室33aに吐出する電動過給機61と、上流室33aから分岐して下流側吸気通路34と合流するバイパス通路36と、下流側吸気通路34に設けられたスロットル弁42と、バイパス通路36に設けられたバイパス弁43とを備える。上流側吸気通路32は、吸気を電動過給機61に通してから上流室33aに導入する第1分岐通路部32bと、吸気を電動過給機61に通さずに上流室33aに導入する第2分岐通路部32cとを有し、第2分岐通路部32bには開閉可能な切替弁41が設けられる。【選択図】図3

Description

本発明は、電気エネルギーにより駆動される電動過給機と、電動過給機で圧縮された吸気を冷却するインタークーラとを備えた電動過給エンジンに関する。
上記のような電動過給エンジンの一例として、下記特許文献1のものが知られている。具体的に、特許文献1の電動過給エンジンは、エンジン本体(気筒)に導入される吸気が流通する吸気通路と、吸気通路に設けられた電動過給機と、電動過給機よりも下流側の吸気通路に設けられたインタークーラと、インタークーラをバイパスするバイパス通路と、バイパス通路に設けられたバイパス弁(切換弁)とを備えている。
この特許文献1のエンジンによれば、必要に応じ吸気の温度を調節することが可能である。例えば、特許文献1では、低温状態にあるエンジンを始動させる際に、バイパス弁が全開にされかつ電動過給機が駆動されることにより、電動過給機で圧縮された吸気がインタークーラを介さずにエンジン本体に導入される。これにより、エンジン本体に導入される吸気の温度が上昇し、燃料の着火性が改善される。
特開2010−180710号公報
ここで、上記特許文献1では、電動過給機をバイパスする通路が設けられていないため、この電動過給機による過給の要否にかかわらず、吸気は常に電動過給機(そのコンプレッサ)を通過することになる。このため、電動過給機の非作動時に吸気の流通抵抗が増大することが避けられないという問題があった。
上記の対策として、電動過給機をバイパスする通路を追加することが考えられる。しかしながら、このような通路の追加は吸気構造の大型化につながる。このため、大型化をできるだけ避けながら吸気の流れを種々切り替え得る構造の実現が求められていた。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、電動過給機およびインタークーラへの通過/非通過が異なる多様な吸気流れをコンパクトな構成で達成することが可能な電動過給エンジンの吸気構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本発明の電動過給エンジンの吸気構造は、エンジン本体に導入される吸気が流通する下流側吸気通路と、前記下流側吸気通路よりも上流側に設けられた上流側吸気通路と、前記上流側吸気通路および下流側吸気通路の間に設けられた所定容量の容器部と、前記容器部の内部を仕切るように設けられ、前記上流側吸気通路に連通する上流室と前記下流側吸気通路に連通する下流室とに前記容器部の内部を区画する吸気冷却用のインタークーラと、電気エネルギーにより駆動され、前記上流側吸気通路から導入された吸気を加圧して前記容器部の上流室に吐出する電動過給機と、前記容器部の上流室から分岐して前記下流側吸気通路と合流するバイパス通路と、前記バイパス通路に設けられた開閉可能なバイパス弁とを備え、前記上流側吸気通路は、主通路部と、主通路部からの吸気を前記電動過給機に通してから前記上流室に導入する第1分岐通路部と、主通路部からの吸気を前記電動過給機に通さずに前記上流室に導入する第2分岐通路部とを有し、前記第2分岐通路部に開閉可能な切替弁が設けられた、ことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、上流側吸気通路の第1分岐通路と第2分岐通路部とがいずれも容器部の上流室に連通するとともに、第1分岐通路部に電動過給機が設けられかつ第2分岐通路部に切替弁が設けられているので、この切替弁を開閉することにより、電動過給機を通過した(圧縮された)吸気が上流室に導入される状態と、電動過給機をバイパスした吸気が上流室に導入される状態とに切り替えることができる。また、上流室から分岐して延びるバイパス通路が、インタークーラを隔てた反対側の部屋(下流室)から延びる下流側吸気通路と合流しており、バイパス通路にはバイパス弁が設けられているので、このバイパス弁を開閉することにより、インタークーラを通過した(下流室に流出した)吸気が下流側吸気通路を通じてエンジン本体に導入される状態と、上流室の吸気がバイパス通路を通じて(インタークーラを介さずに)エンジン本体に導入される状態とに切り替えることができる。このように、本発明では、吸気が電動過給機を通過する場合もバイパスする場合も、吸気がインタークーラを通過する場合もバイパスする場合も、吸気は同じ上流室を通過することになる。言い換えると、本発明では、電動過給機およびインタークーラへの通過/非通過が異なる多様な吸気流れの形成を可能としながら、インタークーラを配置するための容器部の一部である上流室を、各流れパターンに共通に使用される空間として有効活用することができる。このため、例えばそれぞれの流れパターンに対応した専用の通路を設けた場合と異なり、インタークーラ周辺の通路部品をコンパクトに構成することができる。
また、本発明では、前記バイパス弁および切替弁の制御により、電動過給機で圧縮された吸気を上流室から直接(インタークーラを介さずに)バイパス通路に流すことができるので、圧縮により昇温した吸気を冷却せずに高温のままエンジン本体に導入することができる。このため、例えば吸気の昇温が要求される特定の条件下で前記の制御を実行することにより、エンジン本体(気筒)の温度を高めて燃料の着火性を改善することができ、良好な燃焼安定性を確保することができる。
好ましくは、前記容器部と、前記上流側吸気通路の第1・第2分岐通路部と、前記下流側吸気通路と、前記バイパス通路とが、共通の樹脂製のケーシングの内部に形成される(請求項2)。
この構成によれば、吸気系の部品点数を効果的に削減しながら、容器部とその周りの複数の通路とをコンパクトに集約配置することができる。また、ケーシングが樹脂製であるため、例えばアルミ製のケーシングを採用した場合と比べて、ケーシングの内部を通過する吸気から熱が放出されるのを抑制することができる。これにより、エンジン本体に導入されるまでの間に吸気の温度が低下するのを抑制することができ、吸気を比較的高い温度のままエンジン本体に導入することができる。
前記構成において、より好ましくは、前記ケーシングは、前記第1分岐通路部に連通する取付孔を有し、前記電動過給機は、前記第1分岐通路部の内部に配置されるコンプレッサと、前記コンプレッサを回転駆動する駆動部とを有するとともに、前記取付孔に前記駆動部が挿入された状態で前記ケーシングに取り付けられる(請求項3)。
この構成によれば、電動過給機がケーシングから大きく突出しないコンパクトな構成で、電動過給機を容易にケーシングに取り付けることができる。
好ましくは、前記下流側吸気通路に開閉可能なスロットル弁が設けられ、吸気の昇温が要求される第1特定条件の成立時に、前記電動過給機が駆動されて吸気が過給されるとともに、前記切替弁が全閉にされ、さらに、前記バイパス弁がその前後の圧力差が実質的になくなる流量飽和点よりも低い開度範囲内で開かれかつ前記スロットル弁の開度が前記バイパス弁の開度以下に設定される(請求項4)。
この構成によれば、電動過給機により圧縮された吸気の少なくとも一部を、容器部の上流室およびバイパス通路を通じてエンジン本体に導入することができる。上流室およびバイパス通路を流れる吸気は、インタークーラを通過しない(上流室からインタークーラを通って下流室へと流出しない)ので、このインタークーラにより吸気が冷却されるのを抑制することができる。しかも、バイパス弁は流量飽和点よりも低い開度までしか開かれないので、電動過給機により吸気が圧縮されることによる昇温効果と、低開度のバイパス弁の周囲隙間を吸気が通過する際の抵抗から生じる熱エネルギーとにより、吸気の温度を効果的に上昇させることができる。そして、このように昇温された吸気をエンジン本体に導入することにより、エンジン本体(気筒)の温度を高めて燃料の着火性を改善することができ、良好な燃焼安定性を確保することができる。
前記構成において、より好ましくは、前記第1特定条件よりも大幅な吸気の昇温が要求される第2特定条件の成立時に、前記電動過給機が駆動されて吸気が過給されるとともに、前記第1分岐通路部から前記電動過給機に導入された吸気の少なくとも一部が前記第2分岐通路部を通じて再び電動過給機に導入される吸気循環流が形成されるように、前記切替弁が所定開度まで開かれる(請求項5)。
この構成によれば、より大幅な吸気の昇温が要求される第2特定条件の成立時に、吸気循環流の形成によって吸気を電動過給機により繰り返し圧縮し、これによって吸気の温度が大幅に上昇させることができる。このため、例えばエンジン本体の温度が非常に低いときであっても、燃料の着火性を十分に改善することができる。
本発明の吸気構造が適用されるエンジンは特にその種類を問わないが、例えば、幾何学的圧縮比が比較的低い圧縮着火式エンジンは、低温時の着火性が特に問題になり易いと言える。このため、本発明の吸気構造は、幾何学的圧縮比が20以下とされた圧縮着火式エンジンに好適である(請求項6)。
以上説明したように、本発明の電動過給エンジンの吸気構造によれば、電動過給機およびインタークーラへの通過/非通過が異なる多様な吸気流れをコンパクトな構成で達成する。
本発明の吸気構造が適用された電動過給エンジンの好ましい実施形態を示すシステム図である。 エンジンのインタークーラおよびその周辺部品の詳細を示す拡大図である。 インタークーラが配設される容器部とこれにつながる各通路との詳細構造を示す構造図である。 エンジンの制御系統を示すブロック図である。 エンジンの始動から停止までの基本制御の内容を示すフローチャートであり、エンジンの温度条件に応じた制御の相違を説明するための図である。 図5のステップS2で行われる極冷間始動モードによるエンジン始動の詳細を示すサブルーチンである。 図5のステップS4で行われる冷間始動モードによるエンジン始動の詳細を示すサブルーチンである。 図5のステップS7で行われる冷間モードによる運転制御の詳細(第1〜第3運転モード)を示すサブルーチンである。 極冷間始動モードにより実現される吸気の流れを説明するための図である。 冷間始動モードまたは第1運転モードにより実現される吸気の流れを説明するための図である。 第2運転モードにより実現される吸気の流れを説明するための図である。 第3運転モードにより実現される吸気の流れを説明するための図である。 第1〜第3運転モードが選択される各負荷域の関係を示すマップ図である。
(1)エンジンの全体構成
図1は、本発明の吸気構造が適用された電動過給エンジンの好ましい実施形態を示すシステム図である。本図に示されるエンジンは、走行用の動力源として車両に搭載された4サイクルのディーゼルエンジンであり、エンジン本体1と、エンジン本体1に導入される吸気が流通する吸気通路30と、エンジン本体1から排出された排気ガスが流通する排気通路50と、吸気通路30を流通する吸気を圧縮しつつエンジン本体1に送り出す過給装置60と、排気通路50を流通する排気ガスの一部を吸気通路30に還流するEGR装置80とを備えている。
エンジン本体1は、列状に並ぶ複数の気筒2(図1にはそのうちの1つのみが示される)を有する直列多気筒型のものであり、当該複数の気筒2が内部に形成されたシリンダブロック3と、各気筒2を上から閉塞するようにシリンダブロック3の上面に取り付けられたシリンダヘッド4と、各気筒2にそれぞれ往復動可能に挿入された複数のピストン5とを有している。なお、各気筒2の構造は同一であるため、以下では基本的に1つの気筒2のみに着目して説明を進める。
ピストン5の上方には燃焼室6が画成されている。この燃焼室6には、後述する燃料噴射弁15からの噴射により、軽油を主成分とする燃料が供給される。そして、供給された燃料が圧縮着火により燃焼し、その燃焼による膨張力で押し下げられたピストン5が上下方向に往復運動する。
ピストン5の下方には、エンジン本体1の出力軸であるクランク軸7が設けられている。クランク軸7は、ピストン5とコネクティングロッド8を介して連結され、ピストン5の往復運動(上下運動)に応じて中心軸回りに回転駆動される。
気筒2の幾何学的圧縮比、つまりピストン5が上死点にあるときの燃焼室6の容積とピストン5が下死点にあるときの燃焼室の容積との比は、14以上20以下に設定されている。
シリンダブロック3には、クランク軸7の角度(クランク角)およびクランク軸7の回転速度(エンジン回転速度)を検出するクランク角センサSN1が設けられている。また、シリンダヘッド4には、エンジン本体1(シリンダブロック3およびシリンダヘッド4)の内部を流通する冷却水の温度(エンジン水温)を検出するエンジン水温センサSN2が設けられている。
クランク軸7は、電気式の始動モータ20と係脱可能に連結されている。始動モータ20は、エンジンの始動時にクランク軸7と係合してこれを強制回転(クランキング)させる。
シリンダヘッド4には、燃焼室6に開口する吸気ポート9および排気ポート10と、吸気ポート9を開閉する吸気弁11と、排気ポート10を開閉する排気弁12と、吸気弁11および排気弁12をクランク軸7の回転に連動して開閉駆動する動弁機構13,14とが設けられている。
シリンダヘッド4には、さらに、燃焼室6に燃料(軽油)を噴射する燃料噴射弁15が設けられている。燃料噴射弁15は、例えば、燃焼室6の天井面中央から放射状に燃料を噴射する多噴孔型の噴射弁である。なお、図示を省略するが、ピストン5の冠面には、燃料噴射弁15から噴射された燃料を受け入れるための凹部(キャビティ)が形成されている。
吸気通路30は、吸気中の異物を除去するエアクリーナ31と、エアクリーナ31からエンジン本体1に向けて延びる上流側吸気通路32と、上流側吸気通路32の下流端部が接続された所定容量の容器部33と、容器部33からエンジン本体1に向けて延びる下流側吸気通路34と、下流側吸気通路34の下流端部が接続された所定容量のサージタンク35と、容器部33とサージタンク35とを互いに連通するバイパス通路36と、サージタンク35と複数の気筒2の各吸気ポート9とを互いに連通する複数の独立吸気通路37(図1にはそのうちの1つのみが示される)とを有している。なお、吸気通路30における下流(上流)とは、吸気通路30を流通する吸気の流れ方向の下流(上流)のことであり、エンジン本体1に近い方が下流、エンジン本体1から遠い方が上流となる。
容器部33の内部には、過給装置60により圧縮された吸気を冷却するためのインタークーラ38が設けられている。インタークーラ38は、容器部33の内部を吸気の流れ方向に二分するように設けられている。すなわち、容器部33の内部には、インタークーラ38によって隔てられた2つの部屋33a,33bが形成されている。以下では、インタークーラ38の上流側の部屋33aを上流室、インタークーラ38の下流側の部屋33bを下流室と称する。
図2は、インタークーラ38およびその周辺部品の詳細を示す拡大図である。本図に示すように、インタークーラ38には、冷媒としての冷却水が循環する第1配管91および第2配管92が接続されている。第1配管91は、ウォーターポンプ90(請求項にいう「冷媒源」に相当)から送出された冷却水をインタークーラ38に導入するための送り配管であり、第2配管92は、インタークーラ38から排出された冷却水をウォーターポンプ90に戻すための戻し配管である。第2配管92の途中部には、外気との熱交換により冷却水を冷却するラジエータ93が設けられている。
インタークーラ38は、第1配管91から導入された冷却水との熱交換により吸気を冷却する水冷式の熱交換器であり、例えば、第1配管91と第2配管92とを互いに連通する多数の細管と、この細管内を通過する冷却水の伝熱面積を増やすための多数のフィンとを内蔵している。過給装置60により圧縮されて昇温した吸気は、このインタークーラ38内の細管を通過する冷却水との熱交換により冷却される。
インタークーラ38には、その内部の冷却水の温度を検出するI/C水温センサSN5が設けられている。
図1および図2に示すように、下流側吸気通路34は、容器部33の下流室33bとサージタンク35とを互いに連通するように設けられている。この下流側吸気通路34の途中部には、開閉可能なスロットル弁42が設けられている。
バイパス通路36は、容器部33の上流室33aとサージタンク35とを互いに連通するように設けられている。言い換えると、バイパス通路36は、上流室33aから分岐して下流側吸気通路34と並列に延び、かつサージタンク35において下流側吸気通路34と合流するように設けられている。このバイパス通路36の途中部には、開閉可能なバイパス弁43が設けられている。
上流側吸気通路32は、その下流端部が二股に分岐するように形成されている。すなわち、上流側吸気通路32は、単管状の主通路部32aと、主通路部32aの下流端から分岐しつつ延びる第1分岐通路部32bおよび第2分岐通路部32cとを有している。第1分岐通路部32bは後述する電動過給機61に通じる通路であり、第2分岐通路部32cは電動過給機61をバイパスする通路である。これら第1分岐通路部32bおよび第2分岐通路部32cは、それぞれの下流端部が容器部33の上流室33aに連通している。第2分岐通路部32cには、開閉可能な切替弁41が設けられている。
上流側吸気通路32の上流部であって後述するEGR通路81の接続口とエアクリーナ31との間の部分には、吸気通路30を通じてエンジン本体1に導入される空気(新気)の流量を検出するエアフローセンサSN3が設けられている。また、サージタンク35には、その内部の吸気の圧力を検出する吸気圧センサSN4が設けられている。
排気通路50は、複数の気筒2の各排気ポート10から延びる複数の独立排気通路51(図1にはそのうちの1つのみが示される)と、各独立排気通路51が集合した排気集合部52と、排気集合部52から下流側に延びる単管状の共通排気通路53とを有している。なお、排気通路50における下流(上流)とは、排気通路50を流通する排気ガスの流れ方向の下流(上流)のことであり、エンジン本体1から遠い方が下流、エンジン本体1に近い方が上流となる。
共通排気通路53には、排気ガスを浄化するための触媒55aを内蔵した触媒コンバータ55が設けられている。触媒55aには、例えば、排気ガス中のCOおよびHCを酸化して無害化する酸化触媒、排気ガス中のNOxを還元して無害化するNOx触媒、および排気ガス中のスート(煤)を捕集するDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)が含まれる。
過給装置60は、直列に配置された2つの過給機61,62を有している。過給機61は、電気エネルギーにより駆動される過給機(以下、電動過給機61という)であり、過給機62は、排気ガスのエネルギーにより駆動される過給機(以下、ターボ過給機62という)である。
ターボ過給機62は、排気通路50を流通する排気ガスにより回転駆動されるタービン73と、タービン73と連動して回転可能に設けられ、吸気通路30を流通する吸気を圧縮するコンプレッサ74とを有している。コンプレッサ74は、上流側吸気通路32における電動過給機61よりも上流側の部分に配置され、タービン73は、共通排気通路53における触媒コンバータ55よりも上流側の部分に配置されている。排気通路50には、タービン73をバイパスするためのバイパス通路75が設けられており、このバイパス通路75には開閉可能なウェストゲート弁76が設けられている。
電動過給機61は、吸気を圧縮するコンプレッサ71と、電力の供給を受けてコンプレッサ71を回転駆動するモータ72aを含む駆動部72とを有している。駆動部72には、モータ72a以外に、当該モータ72aを駆動するための基板やそのカバー等の部品(図示省略)が含まれる。
コンプレッサ71は、上流側吸気通路32の第1分岐通路部32bの内部に配置されている。言い換えると、コンプレッサ71は、上流側吸気通路32におけるターボ過給機62のコンプレッサ74と容器部33との間の部分に配置されている。電動過給機61のコンプレッサ71により圧縮された吸気は、第1分岐通路部32bの下流端を通じて容器部33の上流室33aに吐出される。
図3は、容器部33とこれにつながる各通路との詳細構造を示す構造図である。図3に示すように、容器部33およびその周辺の各通路は、共通のケーシング39の内部に形成されている。なお、先の図1および図2は、各部を簡略化して図示したシステム図であるため、必ずしも図3の構造図とは形状や位置関係が一致しない。
ケーシング39は、合成樹脂製の中空部品であり、その内部には、上述した容器部33、上流側吸気通路32の第1・第2分岐通路部32b,32c、下流側吸気通路34、およびバイパス通路36がそれぞれ形成されている。また、図3では省略しているが、サージタンク35もケーシング39の内部に形成されている。言い換えると、当実施形態では、容器部33と、第1・第2分岐通路部32b,32cと、下流側吸気通路34と、バイパス通路36と、サージタンク35とが、相互に一体化されて単一の樹脂製部材を構成している。
ケーシング39には、第1分岐通路部32bに連通する取付孔39aが形成されている。この取付孔39aには、電動過給機61の駆動部72が挿着される。すなわち、電動過給機61は、その駆動部72が取付孔39aに挿入された状態でケーシング39に取り付けられている。
図1に示すように、EGR装置80は、排気通路50と吸気通路30とを接続するEGR通路81と、EGR通路81に設けられたEGRクーラ82およびEGR弁83とを有している。EGR通路81は、共通排気通路53における触媒コンバータ55よりも下流側の部分と、上流側吸気通路32におけるターボ過給機62のコンプレッサ74よりも上流側の部分とを互いに連通している。EGRクーラ82は、EGR通路81を通じて共通排気通路53から上流側吸気通路32に還流される排気ガス(EGRガス)を冷却する熱交換器である。EGR弁83は、上流側吸気通路32に還流されるEGRガスの流量を調整するための開閉弁である。
なお、当実施形態におけるEGR装置80は、タービン73よりも下流側を流れる排気ガスの一部をコンプレッサ74よりも上流側の吸気通路30に還流するように設けられているが、このEGR装置80とは別に、タービン73よりも上流側を流れる排気ガスの一部を電動過給機61よりも下流側の吸気通路30に還流するEGR装置を別途設けてもよい。
(2)制御系統
図4は、当実施形態のエンジンの制御系統を示すブロック図である。本図に示されるECU100は、エンジンを統括的に制御するためのマイクロプロセッサであり、周知のCPU、ROM、RAM等から構成されている。
ECU100には各種センサによる検出情報が入力される。具体的に、ECU100は、上述したクランク角センサSN1、エンジン水温センサSN2、エアフローセンサSN3、吸気圧センサSN4、およびI/C水温センサSN5と電気的に接続されており、これらのセンサによって検出された各種情報、例えばクランク角、エンジン回転速度、エンジン水温、吸気流量、吸気圧(過給圧)、およびインタークーラ38の水温等の情報が、それぞれECU100に逐次入力される。
また、車両には、当該車両の走行速度(以下、車速という)を検出する車速センサSN6と、車両を運転するドライバーにより操作されるアクセルペダルの開度(以下、アクセル開度という)を検出するアクセルセンサSN7とが設けられており、これら車速センサSN6およびアクセルセンサSN7による検出情報もECU100に逐次入力される。
ECU100は、上記各センサSN1〜SN7からの入力情報に基づいて種々の判定や演算等を実行しつつエンジンの各部を制御する。すなわち、ECU100は、燃料噴射弁15、始動モータ20、切替弁41、スロットル弁42、バイパス弁43、電動過給機61用のモータ72a、ウェストゲート弁76、EGR弁83、およびウォーターポンプ90等と電気的に接続されており、上記演算の結果等に基づいてこれらの機器にそれぞれ制御用の信号を出力する。
例えば、ECU50は、アクセルセンサSN7により検出されるアクセル開度および車速センサSN6により検出される車速等に基づいてエンジンの負荷(要求トルク)を算出し、算出した負荷と、クランク角センサSN1により検出されるエンジン回転速度とに基づいて、気筒2に噴射すべき燃料の量(目標噴射量)を決定し、決定した目標噴射量に一致する量の燃料が気筒2に噴射されるように燃料噴射弁15を制御する。
また、ECU100は、上記エンジン回転速度/負荷等に基づいて目標過給圧を設定するとともに、吸気圧センサSN4により検出される吸気圧(過給圧)がこの目標過給圧に一致するように、ウェストゲート弁76の開度や電動過給機61用のモータ72aの回転等を制御する。
(3)温度条件に応じた制御
図5は、温度条件に応じたエンジン制御の相違を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの制御は、停止中のエンジンを始動するための図外のイグニッションスイッチがオン操作されることによりスタートする。制御がスタートすると、ECU100は、ステップS1において、エンジン水温センサSN2により検出されるエンジン水温が予め定められた第2温度T2未満であるか否かを判定する。なお、第2温度T2は、後述する第1温度T1よりも低い温度であり、例えば0℃前後に設定される。
上記ステップS1でYESと判定されてエンジン水温が第2温度T2未満であることが確認された場合、ECU100は、ステップS2に移行して、エンジンを極冷間始動モードより始動する制御を実行する。
図6は、上記ステップS2で行われる極冷間始動モードによるエンジン始動の詳細を示すサブルーチンである。この図6に示す制御がスタートすると、ECU100は、ステップS21において、スロットル弁42およびバイパス弁43を共に全閉にするとともに、切替弁41を少し開いて、その開度を全閉よりも高くかつ流量飽和点の開度よりも低い所定の低開度(例えば10〜20%)に設定する。
ここで、本明細書において「全閉」とは、バルブクリアランスが完全にゼロになる位置(真の全閉位置)まで閉じることを必ずしも意味しない。例えば、弁の固着を防止する等の目的で、真の全閉位置よりも僅かに手前(微小な吸気漏れが起きるような開度)までしか閉弁を許可しないことがあり、この場合には、真の全閉位置ではなくその手前の限界開度が「全閉」となる。また、本明細書において「流量飽和点」とは、弁の上流側と下流側の圧力差がなくなる開度であって、開度をそれ以上増大させても吸気流量が増大しない開度のことをいう。流量飽和点の開度はエンジンの運転条件により異なるが、上記ステップS21の制御が実行されるような運転条件下では、流量飽和点の開度は例えば30%程度となる。
次いで、ECU100は、ステップS22に移行して、電動過給機61のモータ72aを駆動してコンプレッサ71に過給を行わせる。また、ステップS23に移行して、ウォーターポンプ90を非作動とする(つまり停止しているウォーターポンプ90を駆動せずに停止状態に維持する)。ウォーターポンプ90が停止したままであるため、インタークーラ38を介した冷却水の循環は開始されない。
上記ステップS21,S22の制御により、上流側吸気通路32には、図9に示すように、電動過給機61(コンプレッサ71)で圧縮されて第1分岐通路部32bから排出された吸気が第2分岐通路部32cを逆流して再び電動過給機61に導入されるような流れ、つまり吸気の循環流が形成される(図9の矢印X1参照)。すなわち、スロットル弁42およびバイパス弁43が全閉にされかつ切替弁41が開かれた状態でコンプレッサ71が回転駆動されることにより、コンプレッサ71から切替弁41へと向かう(つまり第2分岐通路部32cを逆流する)吸気の流れが形成されるとともに、第2分岐通路部32cを逆流してきた吸気を第1分岐通路部32bを介して再びコンプレッサ71へと引き戻す流れが形成される。
上記のような吸気循環流が形成されると、その循環経路(第1分岐通路部32bおよび第2分岐通路部32c)上の吸気の温度は、電動過給機61により吸気が繰り返し圧縮されることによる昇温効果と、第2分岐通路部32cを逆流する吸気が低開度の切替弁41の周囲隙間を通過する際の抵抗から生じる熱エネルギーとにより、外気温よりも十分に高い温度(例えば80〜100℃程度)までごく短時間で高められる。
以上のようにして吸気循環流の形成を開始した後、ECU100は、次のステップS24において、予め定められた所定期間(例えば1秒前後)が経過したか否かを判定する。
上記ステップS24でYESと判定されて吸気循環流の形成から所定期間が経過したことが確認された場合、ECU100は、次のステップS25に移行して、バイパス弁43を流量飽和点よりも低い開度範囲内で開く(その開度を例えば10〜20%に設定する)とともに、切替弁41を全閉にする。なお、スロットル弁42については、上記ステップS21のときと同じく全閉に維持される。
次いで、ECU100は、ステップS26に移行して、始動モータ20を駆動してクランク軸7を強制回転させる制御、つまりエンジンのクランキングを開始する。このクランキングの開始により、図10に示すように、電動過給機61により圧縮された吸気がエンジン本体1へと流れるようになる。すなわち、スロットル弁42および切替弁41が全閉にされかつバイパス弁43が開かれた状態でクランキングが開始されることにより、電動過給機61により圧縮された吸気が容器部33の上流室33aおよびバイパス通路36を通じてエンジン本体1へと導入される(矢印X2参照)。このエンジン本体1に導入される吸気は、電動過給機61により圧縮されかつ低開度のバイパス弁43の周囲隙間を通過した(その際の抵抗から生じる熱エネルギーが付加された)吸気であるため、その温度は比較的高いものとなる。特に、クランキング開始からしばらくの間は、上述した吸気循環流(図9の矢印X1)の形成により大幅に加熱された吸気が導入されるので、その温度は非常に高いものとなる。
次いで、ECU100は、ステップS27に移行して、上述した非常に高温の吸気がエンジン本体1に到達するような適宜のタイミングで、燃料噴射弁15から燃料を噴射させる。この燃料噴射は、高温吸気の到達後に最も早く圧縮行程を迎える気筒2に対し最初に行われる。噴射された燃料は、当該気筒2の燃焼室6で自着火、燃焼し、ピストン5を押し下げる。これにより、エンジン本体1の自律回転が開始され、エンジン回転速度が急上昇する。
次いで、ECU100は、最初に燃焼が行われた気筒(初爆気筒)の次に圧縮行程を迎える気筒、さらにその次に圧縮行程を迎える気筒‥‥という順に、同様に燃料噴射弁15から燃料を噴射、燃焼させる。そして、全ての気筒2で燃焼が行われてエンジンが完爆したか否かを判定し(ステップS28)、完爆した時点でエンジンの始動制御を終了する。
次に、上記ステップS1(図5)でNOと判定された場合、つまりイグニッション・オン時のエンジン水温が第2温度T2以上であった場合の制御について説明する。この場合、ECU100は、ステップS3に移行して、エンジン水温が予め定められた第1温度T1未満であるか否かを判定する。なお、第1温度T1は、上述したステップS1で用いられる第2温度T2(例えば0℃前後)よりも高い温度であり、例えば40℃前後に設定される。
上記ステップS3でYESと判定されてエンジン水温が第1温度T1未満であること(より詳しくは第2温度T2以上かつ第1温度T1未満であること)が確認された場合、ECU100は、ステップS4に移行して、エンジンを冷間始動モードより始動する制御を実行する。
図7は、上記ステップS4で行われる冷間始動モードによるエンジン始動の詳細を示すサブルーチンである。この図7に示す制御がスタートすると、ECU100は、ステップS31において、スロットル弁42および切替弁41を共に全閉にするとともに、バイパス弁43を流量飽和点よりも低い開度範囲内で開く(その開度を例えば10〜20%に設定する)。
次いで、ECU100は、ステップS32に移行して、電動過給機61のモータ72aを駆動してコンプレッサ71に過給を行わせる。また、ステップS33に移行して、ウォーターポンプ90を非作動とする(つまり停止しているウォーターポンプ90を駆動せずに停止状態に維持する)。ウォーターポンプ90が停止したままであるため、インタークーラ38を介した冷却水の循環は開始されない。
次いで、ECU100は、ステップS34に移行して、始動モータ20を駆動してクランク軸7を強制回転させる制御、つまりエンジンのクランキングを開始する。
上記ステップS31〜S34の制御により、図10に示すように、電動過給機61により圧縮された吸気がエンジン本体1へと導入される。すなわち、スロットル弁42および切替弁41が全閉にされかつバイパス弁43が開かれた状態でクランキングが開始されることにより、電動過給機61により圧縮された吸気が容器部33の上流室33aおよびバイパス通路36を通じてエンジン本体1へと導入される(矢印X2参照)。このエンジン本体1に導入される吸気は、電動過給機61により圧縮されかつ低開度のバイパス弁43の周囲隙間を通過した(その際の抵抗から生じる熱エネルギーが付加された)吸気であるため、その温度は比較的高いものとなる。
次いで、ECU100は、ステップS35に移行して、上述した高温の吸気がエンジン本体1に到達するような適宜のタイミングで、燃料噴射弁15から燃料を噴射させる。この燃料噴射は、高温吸気の到達後に最も早く圧縮行程を迎える気筒2に対し最初に行われる。噴射された燃料は、当該気筒2の燃焼室6で自着火、燃焼し、この燃焼を受けてエンジン本体1が自律回転を始める。
次いで、ECU100は、最初に燃焼が行われた気筒(初爆気筒)の次に圧縮行程を迎える気筒、さらにその次に圧縮行程を迎える気筒‥‥という順に、同様に燃料噴射弁15から燃料を噴射、燃焼させる。そして、全ての気筒2で燃焼が行われてエンジンが完爆したか否かを判定し(ステップS36)、完爆した時点でエンジンの始動制御を終了する。
以上のようにして冷間始動モード(ステップS4)によるエンジン始動が終了するか、もしくは上述した極冷間始動モード(ステップS2)によるエンジン始動が終了すると、ECU100は、図5のステップS6に移行して、エンジン水温が第1温度T1未満であるか否かを判定する。上述したとおり、第1温度は例えば40℃前後である。
上記ステップS6でYESと判定されてエンジン水温が第1温度未満であることが確認された場合、ECU100は、ステップS7に移行して、エンジンを冷間モードにより運転する制御を実行する。
図8は、上記ステップS7で行われる冷間モードによる運転制御の詳細を示すサブルーチンである。この図8に示す制御がスタートすると、ECU100は、ステップS41において、エンジンの現運転ポイントが予め定められた第1負荷域A1(図13)に含まれるか否かを判定する。すなわち、ECU100は、クランク角センサSN1により検出されるエンジン回転速度と、アクセルセンサSN7の検出値(アクセル開度)や車速センサSN6の検出値(車速)等から特定されるエンジン負荷(要求トルク)とに基づいて、現時点のエンジンの運転ポイントを図13のマップ上で特定し、当該マップ中の第1負荷域A1に現運転ポイントが含まれるか否かを判定する。
図13に示すように、当実施形態では、エンジンの運転領域が第1負荷域A1、第2負荷域A2、および第3負荷域A3に分けられている。第1負荷域A1は、エンジンの最低負荷を含む比較的負荷の低い領域であり、第3負荷域A3は、エンジンの最高負荷を含む比較的負荷の高い領域であり、第2負荷域A2は、第1負荷域A1と第3負荷域A3との間の中間の負荷域である。なお、第1負荷域A1は、請求項にいう「低負荷域」に相当する。
上記ステップS41でYESと判定されて現運転ポイントが第1負荷域A1に含まれることが確認された場合、ECU100は、ステップS42に移行して、エンジンの運転モードとして第1運転モードを選択する。
第1運転モードが選択されると、ECU100は、ステップS43に移行して、スロットル弁42および切替弁41を共に全閉にするとともに、バイパス弁43を流量飽和点よりも低い開度範囲内で開く(その開度を例えば10〜20%に設定する)。
また、第1運転モードによる運転時、ECU100は、ステップS44において、電動過給機61のモータ72aを駆動してコンプレッサ71に過給を行わせる。さらに、ECU100は、ステップS45においてウォーターポンプ90を非作動とし、インタークーラ38を介した冷却水の循環を禁止する。
上記第1運転モードによる制御(ステップS43〜S45)に伴い、吸気は専ら、電動過給機61により圧縮された後に容器部33の上流室33aおよびバイパス通路36を通じてエンジン本体1に導入される(矢印X2参照)。エンジン本体1に導入される吸気は、電動過給機61により圧縮されかつ低開度のバイパス弁43の周囲隙間を通過した吸気であるため、その温度は比較的高いものとなる。しかも、冷却水の循環が停止されるので、インタークーラ38内の冷却水の温度は、上流室33aを通過する吸気からの受熱により徐々に上昇していく。
一方、上記ステップS41でNOと判定されてエンジンの現運転ポイントが第1負荷域A1に含まれないことが確認された場合、ECU100は、ステップS46に移行して、第1負荷域A1よりも負荷の高い第2負荷域A2に現運転ポイントが含まれるか否かを判定する。
上記ステップS46でYESと判定されて現運転ポイントが第2負荷域A2に含まれることが確認された場合、ECU100は、ステップS47に移行して、エンジンの運転モードとして第2運転モードを選択する。
第2運転モードが選択されると、ECU100は、ステップS48に移行して、スロットル弁42およびバイパス弁43を共に全閉以外の所定開度まで開くとともに、切替弁41を全閉にする。具体的に、このときのバイパス弁43の開度は、上記第1運転モードのとき(ステップS43)よりも高い開度(例えば20%〜40%)に設定され、また、スロットル弁42の開度は、バイパス弁43の開度以下の低開度(例えば10〜20%)に設定される。言い換えると、スロットル弁42の開度をA、バイパス弁43の開度をBとすると、「0<A≦B(%)」の関係が成立する。
また、第2運転モードによる運転時、ECU100は、ステップS49において、電動過給機61のモータ72aを駆動してコンプレッサ71に過給を行わせる。さらに、ECU100は、ステップS50においてウォーターポンプ90を非作動とし、インタークーラ38を介した冷却水の循環を禁止する。
上記第2運転モードによる制御(ステップS48〜S50)に伴い、吸気は、図11に示すように、電動過給機61により圧縮された後に2つのルートに分岐しながらエンジン本体1に導入される。すなわち、容器部33の上流室33aおよびバイパス通路36を通ってエンジン本体1に向かう第1のルート(矢印X3参照)と、容器部33の上流室33aからインタークーラ38を通過して下流室33bに入り、さらに下流側吸気通路34を通ってエンジン本体1に向かう第2のルート(矢印X4参照)との双方より、吸気がエンジン本体1に導入される。この場合の吸気の温度は、全ての吸気がインタークーラ38をバイパスする第1運転モードのときよりは低くなる。ただし、第3運転モードでは、第1運転モードのときと同じく冷却水の循環が停止されるので、インタークーラ38内の冷却水の温度はそれなりに高いものとなる。このため、第1運転モードのときと比べて吸気の温度が大幅に低下することはない。
一方、ステップS46でNOと判定されて現運転ポイントが第2負荷域A2に含まれないこと、言い換えると現運転ポイントが最も負荷の高い第3負荷域A3に含まれることが確認された場合、ECU100は、ステップS51に移行して、エンジンの運転モードとして第3運転モードを選択する。
第3運転モードが選択されると、ECU100は、ステップS52に移行して、スロットル弁42および切替弁41を共に全開に近い高開度(例えば70〜100%)まで開くとともに、バイパス弁43に全閉(0%)にする。
また、第3運転モードによる運転時、ECU100は、ステップS53において、電動過給機61のモータ72aを停止させる。これにより、電動過給機61(コンプレッサ71)による過給は行われなくなるが、第3負荷域A3のような負荷の高い領域は、ターボ過給機62(コンプレッサ74)による過給圧が高まる領域である。このため、電動過給機61を停止しても、負荷に見合った十分な量の吸気がエンジン本体1に導入される。
さらに、ECU100は、ステップS54において、ウォーターポンプ90を冷却水の温度に応じて駆動する制御を実行する。すなわち、ECU100は、I/C水温センサSN5により検出されるインタークーラ38内の冷却水の温度が所定の閾値以上であることが確認された場合に、ウォーターポンプ90を駆動して冷却水を循環させ、それ以外の場合(冷却水の温度が閾値未満の場合)にウォーターポンプ90を停止させる。
上記第3運転モードによる制御(ステップS52〜S54)に伴い、図12に示すように、吸気は専ら、インタークーラ38を通過するルート(矢印X5参照)を通ってエンジン本体1に導入される。すなわち、エンジン本体1に導入される吸気は、主に上流側吸気通路32の第2分岐通路部32cを通って(電動過給機61のコンプレッサ71をバイパスして)容器部33の上流室33aに導入される。上流室33aに導入された吸気は、その全てが、インタークーラ38を通過して下流室33bに導出され、その後、下流側吸気通路34を通ってエンジン本体1に導入される。この場合の吸気の温度は、全ての吸気がインタークーラ38をバイパスする第1運転モードのときよりは低くなる。ただし、第3運転モードが選択される第3負荷域A3では、ターボ過給機62による過給圧が高められるので、エンジン本体1に導入される吸気はターボ過給機62で十分に圧縮された吸気となる。また、第3運転モードでは、インタークーラ38内の冷却水の温度が上記閾値を超えないとウォーターポンプ90が駆動されないことから、冷却水の温度もそれほど低下しない。このため、第1運転モードのときと比べて吸気の温度が大幅に低下することはない。
次に、上記ステップS3(図5)でNOと判定された場合、つまりイグニッション・オン時のエンジン水温が第1温度以上であった場合の制御について説明する。この場合、ECU100は、ステップS5に移行して、上述したステップS2,S4(極冷間始動モード/冷間始動モード)とは異なる通常のモードによりエンジンを始動する制御を実行する。例えば、スロットル弁42および切替弁41を共に開きかつバイパス弁43全閉にするとともに(図12参照)、電動過給機61を停止した状態で、始動モータ20によりエンジン本体1をクランキングしつつ各気筒2に燃料を噴射するこことにより、エンジンを始動させる。
上記ステップS5による通常モードによるエンジン始動が完了すると、ECU100は、ステップS8に移行して、上述したステップS7(冷間モード)とは異なる通常のモードによりエンジンを運転する制御を実行する。この通常運転時の制御は、基本的に、上述した第3負荷域A3において行われる制御(第3運転モード)と同様である。つまり、エンジンのいずれの運転領域においても、インタークーラ38を通過した吸気がエンジン本体1に導入されるように、スロットル弁42、バイパス弁43、および切替弁41の各開度が制御される。電動過給機61は基本的に停止されるが、ターボ過給機62による過給が効かない運転領域(例えば図13の第1・第2負荷域A1,A2に相当する負荷域)では、例えばアクセルペダルの踏み込み直後のような加速初期にのみ一時的に電動過給機61を駆動して過給圧を高める等の制御が実行される。
以上のような通常モード(S8)によるエンジンの運転中、もしくは上述した冷間モード(S7)によるエンジンの運転中、ECU100は、ステップS9において、イグニッションスイッチがオフ操作されたか否かを判定し、同判定がNOの間(つまりイグニッションスイッチがオフ操作されるまで)は上記両モード(S7,S8)のいずれかによるエンジンの運転を継続する。一方、上記ステップS9がYESと判定されてイグニッションスイッチがオフ操作されたことが確認された場合、ECU100は、ステップS10に移行して、エンジン本体1の各気筒2への燃料供給をカットしてエンジンを停止させる。
(4)作用効果等
以上説明したとおり、当実施形態では、上流側吸気通路32の第1分岐通路部32bと第2分岐通路部32cとがいずれも容器部33の上流室33aに連通するとともに、第1分岐通路部32bに電動過給機61が設けられかつ第2分岐通路部32cに切替弁41が設けられているので、この切替弁41を開閉することにより、電動過給機61を通過した(圧縮された)吸気が上流室33aに導入される状態と、電動過給機61をバイパスした吸気が上流室33aに導入される状態とに切り替えることができる。また、上流室33aから分岐して延びるバイパス通路36が、インタークーラ38を隔てた反対側の部屋(下流室33b)から延びる下流側吸気通路34と合流しており、バイパス通路36にはバイパス弁43が設けられているので、このバイパス弁43を開閉することにより、インタークーラ38を通過した(下流室33bに流出した)吸気が下流側吸気通路34を通じてエンジン本体1に導入される状態と、上流室33aの吸気がバイパス通路36を通じて(インタークーラ38を介さずに)エンジン本体1に導入される状態とに切り替えることができる。このように、上記実施形態では、吸気が電動過給機61を通過する場合もバイパスする場合も、吸気がインタークーラ38を通過する場合もバイパスする場合も、吸気は同じ上流室33aを通過することになる。言い換えると、上記実施形態では、電動過給機61およびインタークーラ38への通過/非通過が異なる多様な吸気の流れの形成を可能としながら、インタークーラ38を配置するための容器部33の一部である上流室33aを、各流れパターンに共通に使用される空間として有効活用することができる。このため、例えばそれぞれの流れパターンに対応した専用の通路を設けた場合と異なり、インタークーラ38周辺の通路部品をコンパクトに構成することができる。
また、上記実施形態では、上記バイパス弁43および切替弁41等の制御により、電動過給機61で圧縮された吸気を上流室33aから直接(インタークーラ38を介さずに)バイパス通路36に流すことができるので、圧縮により昇温した吸気を冷却せずに高温のままエンジン本体1に導入することができる。このため、例えば吸気の昇温が要求される特定の条件下で上記の制御を実行することにより、気筒2(燃焼室6)内の温度を高めて燃料の着火性を改善することができ、良好な燃焼安定性を確保することができる。
具体的に、上記実施形態では、負荷が低い第1負荷域A1でエンジンが運転されており、かつこのときのエンジン水温が第1温度T1未満であった場合に(以下、これを第1特定条件という)、図8のステップS43,S44に示したように、電動過給機61を駆動して吸気を過給するとともに、バイパス弁43を流量飽和点(前後の圧力差が実質的になくなる開度)よりも低い開度範囲内で開き(例えば開度10〜20%とし)かつスロットル弁42および切替弁41を共に全閉にする制御が実行される(第1運転モード)。このような構成によれば、着火性が確保され難い低温かつ低負荷での運転時に、着火性を改善して燃焼安定性を高めることができる。
すなわち、上記実施形態では、吸気の昇温が要求される第1特定条件の成立時に、スロットル弁42、バイパス弁43、および切替弁41の各開度がそれぞれ上記のような開度に設定され、かつその状態で電動過給機61が駆動されることにより、電動過給機61により圧縮された吸気を、容器部33の上流室33aおよびバイパス通路36を通じてエンジン本体1に導入することができる(図10参照)。上流室33aおよびバイパス通路36を流れる吸気は、インタークーラ38を通過しない(上流室33aからインタークーラ38を通って下流室33bへと流出しない)ので、このインタークーラ38により吸気が冷却されるのを抑制することができる。しかも、バイパス弁43は流量飽和点よりも低い開度(例えば10〜20%)までしか開かれないので、電動過給機61により吸気が圧縮されることによる昇温効果と、低開度のバイパス弁43の周囲隙間を吸気が通過する際の抵抗から生じる熱エネルギーとにより、吸気の温度を効果的に上昇させることができる。そして、このように昇温された吸気をエンジン本体1に導入することにより、気筒2(燃焼室6)内の温度を高めて燃料の着火性を改善することができ、良好な燃焼安定性を確保することができる。
加えて、上記実施形態では、第1特定条件の成立時に、上記のように吸気温度が高められるだけでなく、インタークーラ38を介した冷却水の循環が停止され(S45)、かつインタークーラ38に隣接する上流室33aに吸気が流されるので、当該上流室33aを流れる高温の吸気を利用してインタークーラ38内の冷却水の温度を上昇させることができる。冷却水の温度が上昇すれば、例えば吸気をインタークーラ38に積極的に流すような運転条件(例えば図13の第3負荷域A3)に移行したときでも、インタークーラ38によって吸気が過度に冷却されないので、エンジン本体1の暖機を促進することができる。
また、上記実施形態では、停止中のエンジンを始動させる始動要求(つまりイグニッション・オン操作)があり、かつこのときのエンジン水温が第1温度T1よりもさらに低い第2温度T2未満であった場合に(以下、これを第2特定条件という)、図6のステップS21〜S23に示したように、電動過給機61を駆動して吸気を過給するとともに、スロットル弁42およびバイパス弁43を共に全閉にしかつ切替弁41を開く制御が実行される(極冷間始動モード)。このような構成によれば、エンジン水温が第2温度T2未満という非常に低い温度条件下であっても、エンジンを安定的に始動できるという利点がある。
すなわち、上記実施形態では、より大幅な吸気の昇温が要求される第2特定条件の成立時に、スロットル弁42、バイパス弁43、および切替弁41の各開度がそれぞれ上記のような開度に設定され、かつその状態で電動過給機61が駆動されることにより、第1分岐通路部32bから電動過給機61に導入された吸気が第2分岐通路部32cを通じて再び電動過給機61に導入される吸気循環流が形成される(図9参照)。これにより、電動過給機61により吸気が繰り返し圧縮される結果、当該吸気の温度を短時間で大幅に上昇させることができるので、エンジン水温が第2温度T2(例えば0℃前後)未満という非常に低い温度条件下であっても、燃料の着火性を十分に改善して安定したエンジン始動を実現することができる。
また、上記実施形態では、容器部33と、上流側吸気通路32の第1・第2分岐通路部32b,32cと、下流側吸気通路34と、バイパス通路36とが、共通の樹脂製のケーシング39の内部に形成されているので、吸気系の部品点数を効果的に削減しながら、容器部33とその周りの複数の通路とをコンパクトに集約配置することができる。また、ケーシング39が樹脂製であるため、例えばアルミ製のケーシングを採用した場合と比べて、ケーシング39の内部を通過する吸気から熱が放出されるのを抑制することができる。これにより、エンジン本体1に導入されるまでの間に吸気の温度が低下するのを抑制することができ、吸気を比較的高い温度のままエンジン本体1に導入することができる。
また、上記実施形態では、第1分岐通路部32bに連通する取付孔39aがケーシング39に形成され、この取付孔39aに電動過給機61の駆動部72が挿着されるため、電動過給機61がケーシング39から大きく突出しないコンパクトな構成で、電動過給機61を容易にケーシング39に取り付けることができる。
なお、上記実施形態では、容器部33と、上流側吸気通路32の第1・第2分岐通路部32b,32cと、下流側吸気通路34と、バイパス通路36と、サージタンク35とを、共通のケーシング39の内部に形成したが、ここに挙げた全ての要素を内包したケーシングを形成する必要はなく、例えば、容器部33と第1・第2分岐通路部32b,32cとを内包するケーシングを形成し、当該ケーシングに下流側吸気通路34およびバイパス通路36を接続するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1特定条件の成立時(第1負荷域A1での運転時にエンジン水温が第1温度T1未満であった場合)に、スロットル弁42および切替弁41を共に全閉にしかつバイパス弁43を流量飽和点よりも低い開度範囲で開くとともに、その状態で電動過給機61を駆動して吸気を過給するようにしたが(第1運転モード)、このときのスロットル弁42の開度は必ずしも全閉である必要はなく、多少開いていてもよい。ただし、エンジン本体1に導入される吸気の温度を有意に上昇させるには、電動過給機61により圧縮された吸気の半分近くをバイパス通路36に流す(つまりインタークーラ38をバイパスさせる)ことが必要と考えられる。このため、第1特定条件の成立時におけるスロットル弁42の開度は、少なくともバイパス弁43の開度以下に設定するのがよい。
また、上記実施形態では、第2特定条件の成立時(停止中のエンジンを始動させる始動要求時にエンジン水温が第2温度T2未満であった場合)に、第1分岐通路部32bから電動過給機61に導入された吸気が第2分岐通路部32cを通じて再び電動過給機61に導入される吸気循環流が形成されるように、スロットル弁42、バイパス弁43、および切替弁41の各開度を制御したが(極冷間始動モード)、この吸気循環流を形成する制御をエンジンの運転中に行ってもよい。例えば、極冷間状態にあるエンジンが始動された直後のアイドリング運転中などは、始動時と同様に吸気の温度を大幅に高めることが求められる場合があり、このような場合に上記吸気循環流を形成することが考えられる。ただし、始動時(クランキング前)と異なりエンジン本体1に吸気を供給する必要があるので、バイパス弁43は少し開くことになる。具体的に、このときのバイパス弁43の開度は、一部の吸気が第2分岐通路部32cを逆流するような低開度に設定される。これにより、電動過給機61で圧縮された吸気の一部をバイパス通路36を通じてエンジン本体1に導入し、残りの吸気を第2分岐通路部32cを逆流させて電動過給機61に再導入することができる。
また、上記実施形態では、始動モータ20として、エンジン本体1のクランク軸7と係合してこれを強制回転(クランキング)させるモータを使用したが、例えば、クランク軸と連動連結された変速機の回転要素を回転させることによりエンジン本体を回転させかつ減速時等には発電を行うことが可能なモータを、上記始動モータとして使用してもよい。
また、上記実施形態では、軽油を主成分とする燃料を圧着着火させるディーゼルエンジンに本発明を適用した例について説明したが、本発明を適用可能なエンジンはこれに限られず、例えばガソリンを主成分とする燃料を予混合圧縮着火させる圧縮着火式のガソリンエンジンに本発明を適用してもよい。
1 エンジン本体
30 吸気通路
31 エアクリーナ
32 上流側吸気通路
32a 主通路部
32b 第1分岐通路部
32c 第2分岐通路部
33 容器部
33a 上流室
33b 下流室
34 下流側吸気通路
36 バイパス通路
38 インタークーラ
39 ケーシング
39a 取付孔
41 切替弁
42 スロットル弁
43 バイパス弁
61 電動過給機
71 コンプレッサ
72 駆動部

Claims (6)

  1. エンジン本体に導入される吸気が流通する下流側吸気通路と、
    前記下流側吸気通路よりも上流側に設けられた上流側吸気通路と、
    前記上流側吸気通路および下流側吸気通路の間に設けられた所定容量の容器部と、
    前記容器部の内部を仕切るように設けられ、前記上流側吸気通路に連通する上流室と前記下流側吸気通路に連通する下流室とに前記容器部の内部を区画する吸気冷却用のインタークーラと、
    電気エネルギーにより駆動され、前記上流側吸気通路から導入された吸気を加圧して前記容器部の上流室に吐出する電動過給機と、
    前記容器部の上流室から分岐して前記下流側吸気通路と合流するバイパス通路と、
    前記バイパス通路に設けられた開閉可能なバイパス弁とを備え、
    前記上流側吸気通路は、主通路部と、主通路部からの吸気を前記電動過給機に通してから前記上流室に導入する第1分岐通路部と、主通路部からの吸気を前記電動過給機に通さずに前記上流室に導入する第2分岐通路部とを有し、
    前記第2分岐通路部に開閉可能な切替弁が設けられた、ことを特徴とする電動過給エンジンの吸気構造。
  2. 請求項1に記載の電動過給エンジンの吸気構造において、
    前記容器部と、前記上流側吸気通路の第1・第2分岐通路部と、前記下流側吸気通路と、前記バイパス通路とが、共通の樹脂製のケーシングの内部に形成された、ことを特徴とする電動過給エンジンの吸気構造。
  3. 請求項2に記載の電動過給エンジンの吸気構造において、
    前記ケーシングは、前記第1分岐通路部に連通する取付孔を有し、
    前記電動過給機は、前記第1分岐通路部の内部に配置されるコンプレッサと、前記コンプレッサを回転駆動する駆動部とを有するとともに、前記取付孔に前記駆動部が挿入された状態で前記ケーシングに取り付けられている、ことを特徴とする電動過給エンジンの吸気構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動過給エンジンの吸気構造において、
    前記下流側吸気通路に開閉可能なスロットル弁が設けられ、
    吸気の昇温が要求される第1特定条件の成立時に、前記電動過給機が駆動されて吸気が過給されるとともに、前記切替弁が全閉にされ、さらに、前記バイパス弁がその前後の圧力差が実質的になくなる流量飽和点よりも低い開度範囲内で開かれかつ前記スロットル弁の開度が前記バイパス弁の開度以下に設定される、ことを特徴する電動過給エンジンの吸気構造。
  5. 請求項4に記載の電動過給エンジンの吸気構造において、
    前記第1特定条件よりも大幅な吸気の昇温が要求される第2特定条件の成立時に、前記電動過給機が駆動されて吸気が過給されるとともに、前記第1分岐通路部から前記電動過給機に導入された吸気の少なくとも一部が前記第2分岐通路部を通じて再び電動過給機に導入される吸気循環流が形成されるように、前記切替弁が所定開度まで開かれる、ことを特徴とする電動過給エンジンの吸気構造。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動過給エンジンの吸気構造において、
    前記エンジンは、幾何学的圧縮比が20以下とされた圧縮着火式エンジンである、ことを特徴とする電動過給エンジンの吸気構造。
JP2018019250A 2018-02-06 2018-02-06 電動過給エンジンの吸気構造 Pending JP2019138155A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018019250A JP2019138155A (ja) 2018-02-06 2018-02-06 電動過給エンジンの吸気構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018019250A JP2019138155A (ja) 2018-02-06 2018-02-06 電動過給エンジンの吸気構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019138155A true JP2019138155A (ja) 2019-08-22

Family

ID=67695090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018019250A Pending JP2019138155A (ja) 2018-02-06 2018-02-06 電動過給エンジンの吸気構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019138155A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019138156A (ja) * 2018-02-06 2019-08-22 マツダ株式会社 電動過給エンジン
CN114922724A (zh) * 2022-06-17 2022-08-19 奇瑞汽车股份有限公司 车辆控制方法及系统

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03233130A (ja) * 1990-02-09 1991-10-17 Mazda Motor Corp 機械式過給機付エンジンの吸気装置
JPH04237826A (ja) * 1991-01-21 1992-08-26 Toyota Motor Corp 過給機付内燃機関
JPH05125947A (ja) * 1991-11-06 1993-05-21 Toyota Motor Corp 内燃機関の吸気制御装置
JPH09256915A (ja) * 1996-03-19 1997-09-30 Isuzu Motors Ltd インタークーラー付ディーゼルエンジン用egr装置
JP2003322039A (ja) * 2002-04-26 2003-11-14 Suzuki Motor Corp 過給機付エンジンの給気冷却制御装置
JP2012136957A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Isuzu Motors Ltd 内燃機関、及びそのegr方法
JP2013007352A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Mazda Motor Corp 過給機付リーンバーンエンジン
WO2017187046A1 (fr) * 2016-04-28 2017-11-02 Valeo Systemes Thermiques Systeme de gestion d'air d'admission pour un moteur thermique de véhicule automobile
JP2017223193A (ja) * 2016-06-17 2017-12-21 マツダ株式会社 過給機付きエンジン

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03233130A (ja) * 1990-02-09 1991-10-17 Mazda Motor Corp 機械式過給機付エンジンの吸気装置
JPH04237826A (ja) * 1991-01-21 1992-08-26 Toyota Motor Corp 過給機付内燃機関
JPH05125947A (ja) * 1991-11-06 1993-05-21 Toyota Motor Corp 内燃機関の吸気制御装置
JPH09256915A (ja) * 1996-03-19 1997-09-30 Isuzu Motors Ltd インタークーラー付ディーゼルエンジン用egr装置
JP2003322039A (ja) * 2002-04-26 2003-11-14 Suzuki Motor Corp 過給機付エンジンの給気冷却制御装置
JP2012136957A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Isuzu Motors Ltd 内燃機関、及びそのegr方法
JP2013007352A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Mazda Motor Corp 過給機付リーンバーンエンジン
WO2017187046A1 (fr) * 2016-04-28 2017-11-02 Valeo Systemes Thermiques Systeme de gestion d'air d'admission pour un moteur thermique de véhicule automobile
JP2017223193A (ja) * 2016-06-17 2017-12-21 マツダ株式会社 過給機付きエンジン

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019138156A (ja) * 2018-02-06 2019-08-22 マツダ株式会社 電動過給エンジン
CN114922724A (zh) * 2022-06-17 2022-08-19 奇瑞汽车股份有限公司 车辆控制方法及系统
CN114922724B (zh) * 2022-06-17 2023-10-31 奇瑞汽车股份有限公司 车辆控制方法及系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9188050B2 (en) Engine cooling system
JP5293235B2 (ja) エンジンの吸気制御方法及びその装置
JP2009209809A (ja) エンジンの過給装置
KR101534701B1 (ko) 알루미늄 터빈하우징을 갖는 엔진시스템
JP7225790B2 (ja) 過給機付圧縮着火式エンジン
CN106257020B (zh) 用于发动机的方法和系统
JP2019138155A (ja) 電動過給エンジンの吸気構造
JP6406417B1 (ja) 過給機付エンジン
JP5163515B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5381867B2 (ja) ディーゼルエンジンの自動停止装置
US20210262419A1 (en) Boosted engine
JP2009103041A (ja) 過給機付エンジン
JP7196639B2 (ja) エンジンの冷却装置
JP6455584B1 (ja) エンジンの制御装置
JP6962225B2 (ja) 過給ディーゼルエンジン
JP2005344638A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2019138156A (ja) 電動過給エンジン
JP6521022B2 (ja) ターボ過給機付エンジンの制御装置及び制御方法
JP2020204292A (ja) エンジンの冷却装置
JP2019178639A (ja) 圧縮着火式エンジンの制御装置
JP2019138244A (ja) 過給機付きエンジン
JP2019157764A (ja) 電動過給機付きエンジン
JP6962241B2 (ja) 過給エンジン
JP6551472B2 (ja) エンジンの吸気通路構造
JP6399198B1 (ja) 過給機付エンジン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210921

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220315