JP2019157764A - 電動過給機付きエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】電動過給機及びインタークーラが配設される吸気通路に、所要のエンジン制御を達成しつつコストアップを抑止できるように弁機構を配置する。【解決手段】インタークーラは、吸気通路の一部を構成する容器部33に装着されている。前記吸気通路は、容器部33よりも上流側の上流側吸気通路32と、下流側の下流側吸気通路34とを含む。また、上流室33aから分岐して下流側吸気通路34と合流するバイパス通路36を含む。電動過給機70は、上流側吸気通路32から導入された吸気を加圧して上流室33aに吐出する。上流側吸気通路32は、主通路部32aからコンプレッサ部72を通さずに吸気を上流室33aに導入する第2分岐通路部32cを有する。下流側吸気通路34、バイパス通路36には開度調整が可能なスロットル弁341、バイパス弁361が配置される一方、第2分岐通路部32cには逆止弁321が配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、吸気を過給する電動過給機を備えたエンジンであって、さらに吸気を冷却するインタークーラを備えたエンジンに関する。
エンジン本体に吸気を導入する吸気通路に、前記吸気を加圧する電動過給機を備えたエンジンが知られている。例えば特許文献1には、排気を直接吸気通路へ還流する高圧EGR通路と、排気通路において触媒よりも下流側から排気を取り出す低圧ERG通路とを備え、低圧ERG通路が合流する吸気通路に電動過給機を配置してなる過給機付きエンジンが開示されている。電動過給機は、高圧EGRの増加に伴うターボ過給機の過給能力の低下を補完する。電動過給機で過給された吸気は、インタークーラを通して冷却された後、エンジン本体へ導入される。
特開2010−180710号公報
エンジンの吸気通路に電動過給機及びインタークーラを配置する場合、当該吸気通路を複数の経路を有する通路とせねばならない場合がある。例えば、インタークーラを経由する通路、前記インタークーラをバイパスする通路、前記電動過給機をバイパスする通路等を例示することができる。この場合、各通路には吸気の流れを規制する弁機構を配置することで、種々のエンジン制御を実行することがある。しかし、弁機構を配置する通路、及び配置する弁機構の種類を適切に選択しないと、徒に制御が複雑化したり、コストアップを招来したりする不具合が生じる。
本発明の目的は、電動過給機及びインタークーラが配設される吸気通路に、所要のエンジン制御を達成しつつコストアップを抑止できるように弁機構が配置されたエンジンを提供することにある。
本発明の一局面に係る電動過給機付きエンジンは、エンジン本体と、前記エンジン本体に導入される吸気が流通する吸気通路と、前記吸気通路に配置され、電動式のモータ部と、吸気を加圧するコンプレッサ部とを備える電動過給機と、前記吸気通路に配置され、吸気を冷却するインタークーラと、前記吸気通路の一部を構成する内部空間を備え、インタークーラが装着される容器部と、を備え、前記インタークーラは、前記内部空間を吸気の流通方向において上流室と下流室とに区画するように、前記容器部に装着され、前記吸気通路は、前記容器部よりも上流側の上流側吸気通路と、前記容器部よりも下流側の下流側吸気通路とを含み、前記上流側吸気通路は前記上流室に連通し、前記下流側吸気通路は前記下流室に連通し、前記電動過給機は、前記上流側吸気通路から導入された吸気を加圧して前記容器部の上流室に吐出するように構成された電動過給機付きエンジンであって、前記上流側吸気通路は、主通路部と、前記主通路部から前記第コンプレッサ部を経由して吸気を前記上流室に導入する第1分岐通路部と、前記主通路部から前記コンプレッサ部に通さずに吸気を前記上流室に導入する第2分岐通路部とを有し、前記上流室から分岐して前記下流側吸気通路と合流するバイパス通路と、前記下流側吸気通路に配置される第1弁、前記バイパス通路に配置される第2弁、及び、前記第2分岐通路部に配置される第3弁と、をさらに備え、前記第1弁及び前記第2弁として開度調整が可能な開閉弁が用いられ、前記第3弁として逆流防止の機能を有する弁が用いられることを特徴とする。
この電動過給機付きエンジンによれば、前記下流側吸気通路に配置される第1弁及び前記バイパス通路に配置される第2弁については、開度調整が可能な開閉弁を適用することで、吸気流量や吸気温度を制御することが可能となる。これにより、各種運転モードに対応した吸気をエンジン本体に導入させることが可能となる。一方、前記第2分岐通路部に配置される第3弁については、電動過給機のコンプレッサ部で加圧された吸気が前記主通路部へ逆流しないようにする一方で、前記電動過給機が動作しない場合には吸気をフル通過させる機能があれば足りる。従って、前記第3弁として比較的安価で開閉制御が不要な逆流防止弁を用いることで、コストダウン及び制御の簡素化を図ることができる。
上記の電動過給機付きエンジンにおいて、前記容器部を備え、前記電動過給機及び前記インタークーラが一体的に装着されるハウジングをさらに備えることが望ましい。
この電動過給機付きエンジンによれば、電動過給機とインタークーラとが一つのハウジングに装着されるので、これらをモジュール化することができる。従って、電動過給機及びインタークーラが配設される吸気通路を備えたエンジンにおいて、前記吸気通路のコンパクト化を図ることができる。
上記の電動過給機付きエンジンにおいて、前記第3弁は、嵌め込み式の弁ユニットであって、前記第2分岐通路部の下流端に嵌め込まれていることが望ましい。
この電動過給機付きエンジンによれば、前記第2分岐通路部の下流端の位置において前記弁ユニットを嵌め込むだけで、当該弁ユニットの組み付けが完了する。従って、電動過給機付きエンジンの組み立て作業の簡素化を図ることができる。
本発明によれば、電動過給機及びインタークーラが配設される吸気通路に、所要のエンジン制御を達成しつつコストアップを抑止できるように弁機構が配置されたエンジンを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る電動過給機付きエンジンの外観を示す概略的な斜視図である。 図2は、前記電動過給機付きエンジンのエンジンシステム図である。 図3は、インタークーラ及び電動過給機の冷却系統を示すシステム図である。 図4は、インタークーラが配設される容器部の簡略的な縦断面図である。 図5は、エンジン本体に付設される吸気系モジュールの斜視図である。 図6は、図5に示す吸気系モジュールからカバーユニットを取り外した状態の斜視図であって、逆止弁(第3弁)の組み付け例を示す図である。 図7は、図6に示す吸気系モジュールの容器部からインタークーラユニットが引き出されている状態であって、上流側吸気通路の一部を破断した斜視図である。 図8(A)は、逆止弁の一例としてのリードバルブの斜視図、図8(B)は、前記リードバルブの上流側吸気通路への組み込み状態を示す断面図である。 図9は、図6と同様な斜視図であって、逆止弁の組み付けの他の例を示す図である。 図10は、本実施形態に係る電動過給機付きエンジンの制御系統を示すブロック図である。 図11は、電動過給機の動作時における吸気の流れの一例を示す図である。 図12は、電動過給機の動作時における吸気の流れの一例を示す図である。 図13は、電動過給機の動作時における吸気の流れの一例を示す図である。 図14は、電動過給機の停止時における吸気の流れの一例を示す図である。
[エンジンの全体構成]
以下、図面を参照して、本発明に係る電動過給機付きエンジンについて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電動過給機付きエンジンEの外観を示す概略的な斜視図である。本実施形態の電動過給機付きエンジンEは、走行用の動力源として自動車に搭載される4サイクルのディーゼルエンジンであり、エンジン本体1と、このエンジン本体1の側壁に付設された吸気系モジュールMDとを含む。なお、図1及び他の図において、前後、左右、上下の方向表示を付しているが、これらは説明の便宜上の方向表示であって、必ずしも実際の方向とは合致しない。
吸気系モジュールMDは、エンジン本体1に導入される吸気が流通する吸気経路の一部を形成するハウジング20を含む。吸気系モジュールMDは、このハウジング20に、インタークーラユニット40及び電動過給機70(図1には表れていない)が組み付けられてなるモジュールである。なお、図1では、ハウジング20からインタークーラユニット40の一部が引き出されている状態を示している。本実施形態のエンジン本体1は、前方にややスラントした状態で自動車に搭載される。このため、吸気系モジュールMDも、前方にスラントした状態となる。
図2は、電動過給機付きエンジンEのエンジンシステム図である。本実施形態の電動過給機付きエンジンEは、エンジン本体1と、エンジン本体1に導入される吸気が流通する吸気通路30と、エンジン本体1から排出された排気ガスが流通する排気通路50と、吸気通路30を流通する吸気を圧縮しつつエンジン本体1に送り出すターボ過給機60及び電動過給機70と、排気通路50を流通する排気ガスの一部を吸気通路30に還流する高圧EGR装置80A及び低圧EGR装置80Bとを備えている。
エンジン本体1は、複数の気筒2が図2の紙面と直交する方向に直列に配置された直列多気筒エンジンである。図2では、複数の気筒2のうちの1つのみを示している。エンジン本体1は、シリンダブロック3、シリンダヘッド4及びピストン5を備える。シリンダブロック3は、上述の4つの気筒を形成するシリンダライナを有する。シリンダヘッド4は、シリンダブロック3の上面に取り付けられ、気筒2の上部開口を塞いでいる。ピストン5は、各気筒2に往復摺動可能に収容されており、コネクティングロッド8を介してクランク軸7と連結されている。ピストン5の往復運動に応じて、クランク軸7はその中心軸回りに回転する。
ピストン5の上方には燃焼室6が形成されている。燃焼室6には、後述する燃料噴射弁15からの噴射により、軽油を主成分とする燃料が供給される。燃焼室6内において、供給された燃料が圧縮着火により燃焼し、その燃焼による膨張力で押し下げられたピストン5が上下方向に往復運動する。気筒2の幾何学的圧縮比、つまりピストン5が上死点にあるときの燃焼室6の容積とピストン5が下死点にあるときの燃焼室の容積との比は、14以上20以下に設定されている。
シリンダブロック3には、クランク軸7の角度(クランク角)およびクランク軸7の回転速度(エンジン回転速度)を検出するクランク角センサSN1が設けられている。また、シリンダヘッド4には、エンジン本体1(シリンダブロック3およびシリンダヘッド4)の内部を流通する冷却水の温度(エンジン水温)を検出するエンジン水温センサSN2が設けられている。
シリンダヘッド4には、燃焼室6と連通する吸気ポート9及び排気ポート10が形成されている。シリンダヘッド4の底面は燃焼室の天井面を形成している。この天井面には、吸気ポート9の下流端である吸気側開口と、排気ポート10の上流端である排気側開口とが形成されている。シリンダヘッド4には、前記吸気側開口を開閉する吸気バルブ11と、前記排気側開口を開閉する排気バルブ12とが組み付けられている。また、シリンダヘッド4には、吸気バルブ11、排気バルブ12を各々駆動する吸気側動弁機構13、排気側動弁機構14が配設されている。
シリンダヘッド4には、さらに、燃焼室6に燃料(軽油)を噴射する燃料噴射弁15が設けられている。燃料噴射弁15は、例えば、燃焼室6の天井面中央から放射状に燃料を噴射する多噴孔型の噴射弁である。なお、図示を省略するが、ピストン5の冠面には、燃料噴射弁15から噴射された燃料を受け入れるための凹部(キャビティ)が形成されている。
吸気通路30は、吸気流の上流側から順に、エアクリーナ31、上流側吸気通路32、容器部33、下流側吸気通路34及びバイパス通路36、サージタンク35、独立吸気通路37を備えている。エアクリーナ31は、吸気中の異物を除去する。上流側吸気通路32は、エアクリーナ31からエンジン本体1に向けて延びる吸気通路である。容器部33は、吸気通路の一部を構成し、インタークーラ41を収容する容器形状の部分であって、上流側吸気通路32の下流端部が接続されている。後述するが、本実施形態では容器部33は、吸気系モジュールMDのハウジング20が備える容器部21(図6、図7)によって構成される。下流側吸気通路34は、容器部33からエンジン本体1に向けて延びる吸気通路である。サージタンク35は、下流側吸気通路34の下流端部が接続され、所定容量を有するタンクである。バイパス通路36は、容器部33とサージタンク35とを連通する通路であって、インタークーラ41を経由せずに吸気をサージタンク35へ送る通路である。独立吸気通路37は、サージタンク35と複数の気筒2の各吸気ポート9とを連通する通路であり、後述のインテークマニホールド部25によって構成される。
容器部33内に配置されたインタークーラ41は、水冷式の熱交換器であり、当該インタークーラ41を通過する吸気を冷却する。インタークーラ41は、容器部33内に、当該容器部33の内部空間を、吸気の流通方向(図2の矢印参照)において、上流室33aと下流室33bとに区画するように装着されている。つまり、容器部33内には、吸気の流通方向の上流側から順に、所定容量の上流室33a、インタークーラ41及び所定容量の下流室33bが並んでいる。インタークーラ41については、後記でさらに説明を加える。
上流側吸気通路32は、その下流端部が二股に分岐するように形成されている。すなわち、上流側吸気通路32は、単管状の主通路部32aと、主通路部32aの下流端から分岐しつつ延びる第1分岐通路部32b及び第2分岐通路部32cとを有している。第1分岐通路部32bは、後述する電動過給機70に通じる通路である。第2分岐通路部32cは、電動過給機70をバイパスする通路である。これら第1分岐通路部32b及び第2分岐通路部32cは、それぞれの下流端部が容器部33の上流室33aに連通している。
上流側吸気通路32の下流端の一つである第2分岐通路部32c内には、逆止弁321(第3弁/逆流防止の機能を有する弁)が取り付けられている。逆止弁21は、専ら第2分岐通路部32cを通して上流側吸気通路32の上流側へ吸気が逆流することを阻止することを目的として配置されている。吸気吐出口32Eは、容器部33の上流室33aに向けて開口する吐出口であり、上流側吸気通路32の第1分岐通路部32b若しくは第2分岐通路部32cに導かれた吸気が上流室33aに流入する開口である。逆止弁321は、第2分岐通路部32c内に組み込まれ、上流側吸気通路32から上流室33aへの吸気の流入を許容する一方で、上流室33aから上流側吸気通路32への吸気の逆流を防止する機能を果たす。
逆止弁321としては、上述の機能を果たす限りにおいて各種の弁体を用いることができるが、好ましくはリードバルブを用いることができる。リードバルブは、例えば樹脂製のリード弁と金属製のストッパーとを備え(図8に基づき後述する)、上流側が下流側よりも高圧になる条件でのみ開放状態となるバルブである。つまり、リードバルブは、開閉制御が不要な、逆流防止機能を有する弁である。なお、リードバルブに代えて、例えばダイヤフラム式の差圧弁や、弁体及びその復帰バネを備えた逆止弁などを用いることができる。
下流側吸気通路34は、容器部33の下流室33bとサージタンク35と連通している。この下流側吸気通路34の途中部には、当該下流側吸気通路34を開閉可能なスロットル弁341(第1弁)が配置されている。バイパス通路36は、容器部33の上流室33aとサージタンク35とを連通している。バイパス通路36は、上流室33aから分岐して下流側吸気通路34と並列に延び、かつサージタンク35において下流側吸気通路34と合流するように設けられている。バイパス通路36の途中部には、当該バイパス通路36を開閉可能なバイパス弁361(第2弁)が配置されている。上記のスロットル弁341及びバイパス弁361は、開度調整が可能な開閉弁である。
排気通路50は、複数の気筒2の各排気ポート10から延びる複数の独立排気通路51(図1にはそのうちの1つのみが示されている)と、各独立排気通路51が集合した排気集合部52と、排気集合部52から下流側に延びる単管状の共通排気通路53とを有している。共通排気通路53には、排気ガスを浄化するための触媒55aを内蔵した触媒コンバータ55が設けられている。触媒55aには、例えば、排気ガス中のCOおよびHCを酸化して無害化する酸化触媒、排気ガス中のNOxを還元して無害化するNOx触媒、および排気ガス中のスート(煤)を捕集するDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)が含まれる。
ターボ過給機60は、排気の圧力を動力源として吸気を加圧する装置であって、タービン61及びコンプレッサ62を含む。タービン61は、排気通路50を流通する排気ガスにより回転駆動される。コンプレッサ62は、タービン61と連動して回転し、吸気通路30を流通する吸気を圧縮する。コンプレッサ62は、上流側吸気通路32における電動過給機70よりも上流側の部分に配置されている。タービン61は、共通排気通路53における触媒コンバータ55よりも上流側の部分に配置されている。排気通路50には、タービン61をバイパスするためのバイパス通路63が設けられている。このバイパス通路63には、当該バイパス通路63を開閉可能なウェストゲート弁64が設けられている。
電動過給機70は、上流側吸気通路32に配置され、電気エネルギーを動力源として吸気を加圧する装置であって、電動式のモータ部71と、吸気を加圧するコンプレッサ部72とを含む。モータ部71は、電力の供給を受けて回転駆動力を発生する電動モータ71Mを含む。コンプレッサ部72は、電動モータ71Mによって回転駆動され、第1分岐通路部32bを通してコンプレッサ部72に導入される吸気を加圧するコンプレッサ72Cを含む。モータ部71とコンプレッサ部72とは、電動モータ71Mの出力軸方向に直列に並ぶように配置されている。上流側吸気通路32の第1分岐通路部32bは、主通路部32aからコンプレッサ部72を経由して、第1分岐通路部32bの下流端である吸気吐出口32Eから吸気を上流室33aに導入する。また、第2分岐通路部32cは、コンプレッサ部72を経由せずに、吸気吐出口32Eから吸気を上流室33aに導入する。
コンプレッサ72Cは、吸気通路30において、ターボ過給機60のコンプレッサ62よりも下流側に配置されている。コンプレッサ72Cにより圧縮された吸気は、吸気吐出口32E通して容器部33の上流室33aに吐出される。つまり、第1分岐通路部32bの途中にコンプレッサ72Cが配置され、コンプレッサ72Cで加圧された吸気が吸気吐出口32Eから上流室33aへ吐出される。
高圧EGR装置80A及び低圧EGR装置80Bは、排気通路50から排気を取り出し、吸気通路30へ取り出された排気を還流させる装置である。高圧EGR装置80Aは、ターボ過給機60のタービン61よりも上流側を流れる排気ガスの一部を、電動過給機70のコンプレッサ72Cよりも下流側の吸気通路30に還流する。低圧EGR装置80Bは、触媒コンバータ55よりも下流側を流れる排気ガスの一部を、コンプレッサ62よりも上流側の吸気通路30に還流する。
高圧EGR装置80Aは、高圧EGR通路81、高圧EGRクーラ82及び高圧EGR弁83を含む。高圧EGR通路81は、排気通路50のタービン61よりも上流側の部分と、吸気通路30のスロットル弁341及びバイパス弁361よりも下流側の部分(サージタンク35)とを連通している。高圧EGRクーラ82は、高圧EGR通路81を通過するEGRガスを冷却する。高圧EGR弁83は、高圧EGR通路81を開閉する。電動過給機70は、高圧EGR通路81を通して還流させる高圧EGRガスの増加に伴い、コンプレッサ62を通過する排気量が減少することによるターボ過給機60の過給能力の低下を補完する役目を果たす。
低圧EGR装置80Bは、低圧EGR通路84、低圧EGRクーラ85及び低圧EGR弁86を含む。低圧EGR通路84は、排気通路50の触媒コンバータ55よりも下流側の部分と、吸気通路30のコンプレッサ62よりも上流側の部分とを連通している。低圧EGRクーラ85は、低圧EGR通路84を通過するEGRガスを冷却する。低圧EGR弁86は、低圧EGR通路84を開閉する。
上流側吸気通路32の上流部であって低圧EGR通路84の接続口とエアクリーナ31との間の部分には、吸気通路30を通じてエンジン本体1に導入される空気(新気)の流量を検出するエアフローセンサSN3が設けられている。サージタンク35には、その内部の吸気の圧力を検出する吸気圧センサSN4が設けられている。インタークーラ41には、その内部の冷却水の温度を検出するI/C水温センサSN5が設けられている。
[インタークーラ部分の詳細]
図3は、インタークーラ41及び電動過給機70の冷却系統を示すシステム図である。インタークーラ41には、冷却水配管43、冷却水を送り出すウォーターポンプ47及びラジエータ48からなる冷却水循環系統Cが付設されている。インタークーラ41は、水冷のプレートタイプであり、例えば、冷却水が流通する蛇行状の冷却水流通路が内部に形成された複数枚のプレートと、これらプレート間に挟まれた冷却フィンとから構成される積層コア構造体を例示することがきる。ターボ過給機60及び/又は電動過給機70により圧縮されて昇温した吸気は、インタークーラ41を通過する際、前記冷却水流通路を通過する冷却水との熱交換により冷却される。図3では、上記冷却水流通路として、往路のコア内水路41Aと復路のコア内水路41Bを図示している。
冷却水配管43は、ウォーターポンプ47を境界として、上流配管431と下流配管432とを含む。上流配管431は、ウォーターポンプ47から送出された冷却水をインタークーラ41に導入するための送り配管である。一方、下流配管432は、インタークーラ41から排出された冷却水をウォーターポンプ47に戻すための戻し配管である。ラジエータ48は、外気との熱交換により、冷却水配管43を流れる冷却水を冷却する。上流配管431の下流端に往路のコア内水路41Aの上流端が接続され、下流配管432の上流端に復路のコア内水路41Bの下流端が接続されている。
冷却水循環系統Cは、電動過給機70のモータ部71の冷却用にも用いられている。モータ部71には、当該モータ部71の発する熱と熱交換する冷却水が流通するモータ部内水路714が備えられている。モータ部内水路714は、電動モータ71Mの周囲、並びにモータ部71が備える基板のヒートシンク部などを経由する水路である。モータ部内水路714は、連絡水路713A、713Bによって、インタークーラ41のコア内水路41A、41Bと接続されている。
詳しくは、往路のコア内水路41Aの下流端とモータ部内水路714の上流端とが、第1連絡水路713Aによって接続されている。また、モータ部内水路714の下流端と復路のコア内水路41Bの上流端とが、第2連絡水路713Bによって接続されている。これにより、ウォーターポンプ47を起点として、上流側から、上流配管431、往路のコア内水路41A、第1連絡水路713A、モータ部内水路714、第2連絡水路713B、復路のコア内水路41B及び下流配管432が順次連なる冷却水循環経路が形成されている。従って、ウォーターポンプ47を駆動することにより、インタークーラ41だけでなく、モータ部71にも冷却水を循環させることができる。
図4は、インタークーラ41が配設される容器部33の簡略的な縦断面図である。既述の通り、インタークーラ41は、容器部33内の空間33Sを上流室33aと下流室33bとに二分するように、空間33Sに配置されている。また、電動過給機70のコンプレッサ部72は、上流側吸気通路32の第1分岐通路部32bから導入される吸気を加圧し、吸気吐出口32Eから上流室33aに加圧された吸気を吐出する。
インタークーラ41は、前後方向に比較的薄肉の直方体からなる。インタークーラ41の上端面及び下端面には、それぞれ固定ラバー45が取り付けられている。各固定ラバー45には、左右方向に延びる係合凸条46が外方に突設されている。容器部33を区画する天壁331及び底壁332には、それぞれ係合凸条46と係合する凹溝が刻設されている。インタークーラ41は、係合凸条46を前記凹溝に位置合わせすることで、容器部33に装着することが可能とされている。
インタークーラ41が吸気と熱交換することで、吸気に含まれる水分が凝縮することがある。とりわけ、EGRガスは、EGRクーラ82、85で冷却されるとはいえ相応の高温であり、吸気にEGRガスが還流される場合には当該吸気は高温化する。このため、インタークーラ41で当該吸気が冷却されると、凝縮水が発生する。
上述の通り、エンジン本体1は、前方にスラントした状態で自動車に搭載されるので、この容器部33も図4に示すように前方に下がるようにスラントする。このため、下流室33b側の底壁332が、吸気通路30において最下部となる。従って、凝縮水が発生した場合、下流室33b側の底壁332に滞留することになる。この凝縮水は、吸気系モジュールMDに備えられているアスピレータ27(図5)により吸い上げられ、インタークーラ41における吸気の主流が通過する箇所に滴下される。これにより、前記凝縮水は、前記吸気の主流に乗ってエンジン本体1に向けて還流され、最終的に気筒2内において再水蒸気化される。
[吸気系モジュールの構造及び逆止弁の組み付け態様]
続いて、吸気系モジュールMDの構造の概略、及び逆止弁321の組み付け態様について、図5〜図8を参照して詳述する。図5は、吸気系モジュールMDの斜視図、図6は、図5に示す吸気系モジュールMDからカバーユニット20Bを取り外した状態の斜視図、図7は、図6の状態からインタークーラユニット40が引き出されている状態の斜視図である。
吸気系モジュールMDは、インタークーラユニット40及び電動過給機70が一体的に装着されるハウジング20を備えている。ハウジング20は、インタークーラユニット40及び電動過給機70が装着されるハウジング本体20Aと、このハウジング本体20Aに取り付けられるカバーユニット20B(図5)とを含む。ハウジング20は、耐熱性の樹脂の成型体からなり、エンジン本体1の外壁に取り付けられる(図1)。
インタークーラユニット40は、上述の積層コア構造体からなるインタークーラ41を含むユニットである。インタークーラユニット40は、インタークーラ41の左端面に一体的に取り付けられたフランジ部42と、このフランジ部42に添設された上述の冷却水配管43とを含む。電動過給機70のユニットは、インタークーラユニット40の右隣に位置するように、ハウジング20に組み付けられている。
ハウジング本体20Aは、容器部21と、容器部21の右方に横並びに配置されたモータ収容部(図5〜図7には表れていない)と、容器部21及びモータ収容部22の上方に配置されたサージタンク部23とを備えている。容器部21はインタークーラ41を収容し、且つ、上流室33a及び下流室33bを備える空間33S(図2〜図4に示す容器部33)を区画する部分である。前記モータ収容部は、電動過給機70のモータ部71を収容する部分である。サージタンク部23は、図2、図3に示したサージタンク35を形成する部分であって、左右方向に細長い開口部と、この開口部から前方に延びるタンク部とを備える。
容器部21の後面は開口(後面開口21A)しており、この後面開口21Aがカバーユニット20Bの容器部カバー26で塞がれる。容器部21の右側面を区画する側壁211の後端側(上流室33a側)下部には、上流側吸気通路32(第2分岐通路部32c)の下流端である吸気吐出口32Eを受け入れる開口21Cが設けられている(図7)。また、上流室33aの上端付近において、第1、第2連絡水路713A、713Bを構成する管路が貫通しており、その貫通位置にシールリングが嵌め込まれている。
容器部21の左側面も開口(左面開口21B)しており、この左面開口21Bを通してインタークーラユニット40(インタークーラ41)が容器部21に挿入される。左面開口21Bは、インタークーラ41を通過させるが、フランジ部42を通過させないサイズに設定されている。左面開口21Bの周縁には、フランジ部42が当接する受けフランジ212が形成されている。受けフランジ212には、ボルト孔213が穿孔されている。
左面開口21Bを通してインタークーラ41の部分を容器部21の最深部(側壁211)まで挿入すると、フランジ212にインタークーラユニット40のフランジ部42が当接する。そして、フランジ部42に設けられている貫通孔を通して、固定ボルト44をボルト孔213に螺合することによって、インタークーラユニット40が容器部21に固定される。この固定により、インタークーラ41のコア内水路41A、41B(図3)と、第1、第2連絡水路713A、713Bとが、各々水密連結される。また、容器部21(33)内の空間が、インタークーラ41によって上流室33aと下流室33bとに区画されるようになる。
カバーユニット20Bは、インテークマニホールド部25と、このインテークマニホールド部25の下方に連設された容器部カバー26とを含む。インテークマニホールド部25は、サージタンク部23と吸気ポート9との間の吸気通路(独立吸気通路37)、つまり吸気通路の終端部となる分岐吸気通路を形成する部分であり、気筒2の数に応じたマニホールド通路251を有する。図5では、左右方向に並ぶ8個のマニホールド通路251が具備されている例を示している。吸気は、各マニホールド通路251と経て各気筒2へ導入される。インテークマニホールド部25は、サージタンク部23の開口部の後方側に取り付けられる。インテークマニホールド部25の上流側にサージタンク部23が配置されることで、吸気が各マニホールド通路251への均等分配される。
容器部カバー26は、容器部21の後面開口21Aに対して後方側から取り付けられ、当該後面開口21Aを塞ぐ部分である。容器部カバー26が後面開口21Aを塞ぐことにより、容器部21は閉じた空間となる。容器部カバー26には、下流室33bの底壁332(図4)に滞留する凝縮水を吸い上げるアスピレータ27が取り付けられている。
逆止弁321は、第2分岐通路部32cの下流端の近傍に組み付けられている。図8(A)は、本実施形態において逆止弁321として採用されているリードバルブの斜視図、図8(B)は、逆止弁321の上流側吸気通路32への組み込み状態を示す断面図である。なお、この逆止弁321を収容する管路部分を、ハウジング20に一体的に形成することが、吸気系モジュールMDの組立作業性を向上させる点で望ましい。
逆止弁321(リードバルブ)は、弁座ハウジング322、フランジ部323、リード弁324及びストッパー325を備えている。弁座ハウジング322は、例えばアルミニウム合金の鋳造体からなり、板状の部材が山型に折曲された形状を有し、その山型の斜面壁の各々には吸気を通過させる開口326が備えられている。フランジ部323は、弁座ハウジング322の裾野部に連設された円板状であり、当該逆止弁321を管路に取り付けるためのネジ孔を有している。リード弁324は、バネ性を有する樹脂板材からなり、開口326を覆うように弁座ハウジング322に基端部が取り付けられている。ストッパー325は、リード弁324の開放を規制する金属板材であり、リード弁324の外側に重なるように、弁座ハウジング322に取り付けられている。
リード弁324は、管路(本実施形態では上流側吸気通路32)において逆止弁321の上流側の圧力P1と下流側の圧力P2との差が実質的に存在しない場合、或いはP2の方がP1よりも高い場合には、弁座ハウジング322の開口326を塞いだ状態となる。一方、P1>P2の状態となれば、リード弁324は開口326から離間して吸気の流れFを管路内に生じさせる。この際、リード弁324は、ストッパー325に外面側が保持された状態となる。
逆止弁321は、第2分岐通路部32cのいずれかの位置に配置されていれば良い。図8(A)に示すように、逆止弁321はフランジ部323で保持された弁ユニットの形態を備えている。このため、第2分岐通路部32cの適宜な箇所に、逆止弁321のユニットを嵌め込むことで、第2分岐通路部32cに組み付けることが望ましい。これにより、吸気系モジュールMDの組み立て作業の簡素化を図ることができる。
図9は、図6と同様な斜視図であって、逆止弁321を嵌め込み式で組み付ける例を示す図である。ここでは、第2分岐通路部32cの下流端に逆止弁321のユニットが嵌め込みにより取り付けられる例を示している。図9では、第2分岐通路部32cの一部を破断し、当該第2分岐通路部32cの内部を露呈させている。コンプレッサ部72のハウジングには、第2分岐通路部32cの下流端となる開口32c1が備えられ、この開口32c1の周縁には平坦な取り付け面725が備えられている。弁座ハウジング322を開口32c1に挿通すると共に、フランジ部323を取り付け面725にネジ止めすることで、逆止弁321が第2分岐通路部32cの下流端に取り付けられる。
なお、上記の実施形態では、逆止弁321としてリードバルブ方式の例を示したが、吸気抵抗を少なくするために、これをダイヤフラム式アクチュエータの逆止弁に置き換えても良い。ダイヤフラム式アクチュエータは、通路を開閉する弁体がダイヤフラムの動きに連動する構造を備える。第2分岐通路部32cにダイヤフラム式アクチュエータを組み込む場合、前記ダイヤフラムを挟んで一方の圧力室に主通路部32aの圧力が導入され、他方の圧力室に容器部33の上流室33aの圧力が導入されるように配置する。なお、前記ダイヤフラム式アクチュエータには、前記ダイヤフラムを、前記弁体が通路を塞ぐ方向に付勢するスプリングが備えられている。これにより、主通路部32aの圧力が、容器部33の上流室33aの圧力にスプリングの付勢力を加えた分を上回ったときに、第2分岐通路部32cが開通するようになる。
[制御系統]
図10は、電動過給機付きエンジンEの制御系統を示すブロック図である。本実施形態の自動車には、ECU100が搭載されている。ECU100は、エンジンEを統括的に制御するためのマイクロプロセッサであり、周知のCPU、ROM、RAM等から構成されている。
ECU100には各種センサによって検出された情報が入力される。具体的には、ECU100は、上述したクランク角センサSN1、エンジン水温センサSN2、エアフローセンサSN3、吸気圧センサSN4、およびI/C水温センサSN5と電気的に接続されている。これらのセンサによって検出された各種情報、例えばクランク角、エンジン回転速度、エンジン水温、吸気流量、吸気圧(過給圧)、およびインタークーラ41の水温等の情報が、それぞれECU100に逐次入力される。
また、自動車には、当該自動車の走行速度(車速)を検出する車速センサSN6と、自動車を運転するドライバーにより操作されるアクセルペダルの開度(アクセル開度)を検出するアクセルセンサSN7とが設けられている。これら車速センサSN6及びアクセルセンサSN7による検出情報も、ECU100に逐次入力される。
ECU100は、上記各センサSN1〜SN7からの入力情報に基づいて種々の判定や演算等を実行しつつエンジンの各部を制御する。すなわち、ECU100は、燃料噴射弁15、スロットル弁341、バイパス弁361、電動過給機70の電動モータ71M、ウェストゲート弁64、高圧EGR弁83、低圧EGR弁86及びウォーターポンプ47等と電気的に接続されており、上記演算の結果等に基づいてこれらの機器にそれぞれ制御用の信号を出力する。なお、逆止弁321は差圧で動作する弁であるので、ECU100の制御対象とはならない。
例えば、ECU100は、アクセルセンサSN7により検出されるアクセル開度、及び車速センサSN6により検出される車速等に基づいてエンジンの負荷(要求トルク)を算出する。さらにECU100は、算出した負荷と、クランク角センサSN1により検出されるエンジン回転速度とに基づいて、気筒2に噴射すべき燃料の量(目標噴射量)を決定し、決定した目標噴射量に一致する量の燃料が気筒2に噴射されるように燃料噴射弁15を制御する。
また、ECU100は、上記エンジン回転速度/負荷等(エンジンの運転状態)に基づいて目標過給圧を設定するとともに、吸気圧センサSN4により検出される吸気圧(過給圧)がこの目標過給圧に一致するように、ウェストゲート弁64の開度や電動過給機70の電動モータ71Mの回転動作等を制御する。さらに、ECU100は、エンジンの運転状態に応じて、スロットル弁341及びバイパス弁361の開閉動作、絞り動作を制御し、エンジン本体1へ導入する吸気の量、温度等を調整する。
[吸気の導入制御例]
続いて、吸気の導入制御例について、図11〜図14に基づいて説明する。ECU100は、エンジンの運転状態に応じて、スロットル弁341及びバイパス弁361の開閉及び開度(絞り)を制御して、エンジン本体1に導入する吸気量及び吸気温度を制御する。図11〜図13は、電動過給機70が動作(ON)している状態での各種制御における吸気の流れを示し、図14では、電動過給機70が非動作(OFF)とされている状態における吸気の流れを示している。
図11は、例えば、容器部33において下流室33b側の底壁332に凝縮水が滞留した場合に、アスピレータ27に前記凝縮水を吸い上げる動作を実行させる場合に実行される吸気の導入制御である。図示は省いているが、アスピレータ27の下流端は、スロットル弁341よりも下流側において下流側吸気通路34に合流し、上流側の一方は底壁332に、他方はインタークーラ41の上に各々開口している。
この場合、ECU100は、バイパス通路36のバイパス弁361を閉止し、下流側吸気通路34のスロットル弁341を、全開ではなく、所定の開度となるように絞る。また、ECU100は、電動モータ71Mを駆動し、吸気を圧縮して吸気吐出口32Eから容器部33の上流室33aに吐出させる。なお、電動過給機70が過給動作を行うので、吸気は第2分岐通路部32cを流れず、逆止弁321は閉止状態(逆流を防止する状態)を維持する。
このような状態が設定されると、吸気は、図11において矢印F11で示すように、上流側吸気通路32の主通路部32a及び第1分岐通路部32bを経て、電動過給機70のコンプレッサ部72に導入される。そして、吸気は、コンプレッサ72Cによって圧縮され、吸気吐出口32Eから上流室33aに吐出される。その後、吸気は、インタークーラ41を通過して下流室33bに至り、矢印F12で示すように、スロットル弁341で流路が絞られた下流側吸気通路34を流れる。一方、スロットル弁341の絞りによってアスピレータ27の下流端は負圧化し、矢印F13で示す方向の汲み上げ力が発生する。これにより、下流室33bに滞留した凝縮水が吸い上げられ、インタークーラ41に滴下される。
図12〜図14は、エンジン水温が所定温度以下の低温である冷間モードにおいて実行される吸気導入制御例を示している。図12は、エンジン負荷が低負荷の第1運転モード、図12は中負荷の第2運転モード、図13は高負荷の第3運転モードにおける吸気の流れを、それぞれ示している。
図12の第1運転モード(冷間/低負荷)は、燃焼室6内において混合気への着火性が確保され難い低温かつ低負荷での運転時に、前記着火性を改善して燃焼安定性を高めることを狙いとする運転モードである。第1運転モードにおいてECU100は、電動過給機70の電動モータ71Mを駆動して吸気を過給するとともに、バイパス弁361を流量飽和点(前後の圧力差が実質的になくなる開度)よりも低い開度範囲内で開き(例えば開度10〜20%とし)、且つ、スロットル弁341を全閉にする。
第1運転モードにおいて吸気は、矢印F21で示すように、主通路部32a及び第1分岐通路部32bを通してコンプレッサ部72に流入し、コンプレッサ72Cにより圧縮される。そして、矢印F22で示すように、吸気は、吸気吐出口32Eから上流室33aに吐出され、インタークーラ41を通過することなく、バイパス通路36を通してエンジン本体1に導入される。電動過給機70が過給動作を行うので、逆止弁321は閉止状態を維持する。なお、冷却水循環系統C(図3)によるインタークーラ41を介した冷却水の循環も停止される。
第1運転モードに係る吸気導入制御によれば、吸気は、インタークーラ41を通過しない(上流室33aからインタークーラ41を通って下流室33bへと流出しない)ので、インタークーラ41による吸気冷却が抑制される。しかも、バイパス弁361は流量飽和点よりも低い開度までしか開かれないので、電動過給機70により吸気が圧縮されることによる昇温効果と、低開度のバイパス弁361の周囲隙間を吸気が通過する際の抵抗から生じる熱エネルギーとにより、吸気の温度を効果的に上昇させることができる。そして、このように昇温された吸気をエンジン本体1に導入することにより、気筒2(燃焼室6)内の温度を高めて混合気の着火性を改善することができ、良好な燃焼安定性を確保することができる。
図13に示す第2運転モード(冷間/中負荷)においてECU100は、電動過給機70の電動モータ71Mを駆動して吸気を過給するとともに、スロットル弁341及びバイパス弁361を共に全閉以外の所定開度まで開く。例えば、バイパス弁361の開度は20%〜40%程度に設定され、スロットル弁341の開度は、バイパス弁361の開度以下の低開度(例えば10〜20%)に設定される。逆止弁321は閉止状態を維持する。なお、インタークーラ41における冷却水の循環も停止される。
第2運転モードにおいて吸気は、矢印F31で示すように、主通路部32a及び第1分岐通路部32bを通してコンプレッサ部72に流入し、コンプレッサ72Cにより圧縮される。そして、吸気は、吸気吐出口32Eから上流室33aに吐出され、その一部が、矢印F32で示すように、バイパス通路36を通ってエンジン本体1に向かう。吸気の残部は、矢印F33で示すように、インタークーラ41を通過して下流室33bに入り、さらに下流側吸気通路34を通ってエンジン本体1に向かう。エンジン本体1に導入される吸気の温度は、全ての吸気がインタークーラ41をバイパスする第1運転モードのときよりは低くなる。ただし、第2運転モードでもインタークーラ41における冷却水の循環が停止されており、矢印F33の吸気の熱はさほどインタークーラ41では奪われない。このため、第2運転モードを採用しても、第1運転モードのときと比べて吸気の温度が大幅に低下することはない。
図14に示す第3運転モード(冷間/高負荷)では、ターボ過給機60(コンプレッサ62)による過給圧が高くなる。このため、ECU100は、電動過給機70の電動モータ71Mを停止させる。また、ECU100は、スロットル弁341を全開に近い高開度(例えば70〜100%)まで開くとともに、バイパス弁361を全閉にする。電動過給機70が非動作とされることから、吸気は第1分岐通路部32bよりも流通抵抗の低い第2分岐通路部32cに導かれるようになり、逆止弁321は自ずと開状態となる。さらに、ECU100は、冷却水の水温に応じてウォーターポンプ47を稼働させ、冷却水循環系統Cによるインタークーラ41を介した冷却水の循環を実行させる。
第3運転モードにおいて吸気は、矢印F41で示すように、主通路部32aから第2分岐通路部32cを通して容器部33の上流室33aに導入される。上流室33aに導入された吸気は、その全てが、インタークーラ41を通過して下流室33bに導出される。その後、矢印F42で示すように、下流側吸気通路34を通ってエンジン本体1に導入される。この場合の吸気の温度は、全ての吸気がインタークーラ41を経由することから、第1、第2運転モードに比べて低くなる。ただし、第3運転モードでは、ターボ過給機60による過給圧が高められるので、エンジン本体1に導入される吸気はターボ過給機60で十分に圧縮された吸気となる。
エンジン水温が所定温度よりも高い場合、上掲の冷間モードにおける第1〜第3運転モードの吸気導入制御は実行されず、通常運転モードの吸気導入制御が実行される。通常運転モードの制御は、基本的に、上述した第3運転モードの制御と同様である。つまり、エンジン負荷に拘わらず、インタークーラ41を通過した吸気がエンジン本体1に導入されるように、スロットル弁341及びバイパス弁361の各開度が制御される。逆止弁321は、基本的には開状態となる。電動過給機70は基本的に停止されるが、ターボ過給機60による過給が不足する運転領域では、例えばアクセルペダルの踏み込み直後のような加速初期にのみ一時的に電動過給機70を駆動して、過給圧を高める等の制御が実行される。
[作用効果]
本実施形態に係る電動過給機付きエンジンEによれば、下流側吸気通路34に配置されるスロットル弁341(第1弁)及びバイパス通路36に配置されるバイパス弁361(第2弁)については、開度調整が可能な開閉弁が適用されている。ECU100が、これらスロットル弁341及びバイパス弁361の開度を制御することで、図11〜図14に基づき説明した通り、吸気流量や吸気温度の制御、容器部33に滞留する凝縮水の吸い上げ制御などを実行させることができる。これにより、各種運転モードに対応した吸気をエンジン本体に導入させることが可能となる。
一方、第2分岐通路部32cには、逆止弁321(第3弁)が配置されている。これは、第2分岐通路部32cに配置する弁機構としては、電動過給機70のコンプレッサ部72で加圧された吸気が主通路部32aへ逆流しないようにする一方で、電動過給機70が動作しない場合には吸気をフル通過させる機能があれば足りるからである(図14の制御参照)。従って、第2分岐通路部32cに配置する弁機構として、比較的安価で、ECU100による開度制御が不要な逆止弁321を用いることで、コストダウン及び制御の簡素化を図ることができる。
1 エンジン本体
20 ハウジング
21C 開口(下流端を受け入れる開口)
30 吸気通路
32 上流側吸気通路
321 逆止弁(第3弁/逆流防止の機能を有する弁)
32a 主通路部
32b 第1分岐通路部
32c 第2分岐通路部
32E 吸気吐出口
33、21 容器部
33a 上流室
33b 下流室
34 下流側吸気通路
341 スロットル弁(第1弁)
36 バイパス通路
361 バイパス弁(第2弁)
40 インタークーラユニット
41 インタークーラ
70 電動過給機
71 モータ部
72 コンプレッサ部
E 電動過給機付きエンジン
MD 吸気系モジュール

Claims (3)

  1. エンジン本体と、
    前記エンジン本体に導入される吸気が流通する吸気通路と、
    前記吸気通路に配置され、電動式のモータ部と、吸気を加圧するコンプレッサ部とを備える電動過給機と、
    前記吸気通路に配置され、吸気を冷却するインタークーラと、
    前記吸気通路の一部を構成する内部空間を備え、インタークーラが装着される容器部と、を備え、
    前記インタークーラは、前記内部空間を吸気の流通方向において上流室と下流室とに区画するように、前記容器部に装着され、
    前記吸気通路は、前記容器部よりも上流側の上流側吸気通路と、前記容器部よりも下流側の下流側吸気通路とを含み、前記上流側吸気通路は前記上流室に連通し、前記下流側吸気通路は前記下流室に連通し、
    前記電動過給機は、前記上流側吸気通路から導入された吸気を加圧して前記容器部の上流室に吐出するように構成された電動過給機付きエンジンであって、
    前記上流側吸気通路は、主通路部と、前記主通路部から前記第コンプレッサ部を経由して吸気を前記上流室に導入する第1分岐通路部と、前記主通路部から前記コンプレッサ部に通さずに吸気を前記上流室に導入する第2分岐通路部とを有し、
    前記上流室から分岐して前記下流側吸気通路と合流するバイパス通路と、
    前記下流側吸気通路に配置される第1弁、前記バイパス通路に配置される第2弁、及び、前記第2分岐通路部に配置される第3弁と、をさらに備え、
    前記第1弁及び前記第2弁として開度調整が可能な開閉弁が用いられ、前記第3弁として逆流防止の機能を有する弁が用いられることを特徴とする電動過給機付きエンジン。
  2. 請求項1に記載の電動過給機付きエンジンにおいて、
    前記容器部を備え、前記電動過給機及び前記インタークーラが一体的に装着されるハウジングをさらに備える、電動過給機付きエンジン。
  3. 請求項1又は2に記載の電動過給機付きエンジンにおいて、
    前記第3弁は、嵌め込み式の弁ユニットであって、前記第2分岐通路部の下流端に嵌め込まれている、電動過給機付きエンジン。
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