JP6962241B2 - 過給エンジン - Google Patents
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Description
本発明は、電気エネルギーにより駆動される電動過給機と排気エネルギーにより駆動されるターボ過給機とを備えた過給エンジンに関する。
上記のような過給エンジンの一例として、下記特許文献1のものが知られている。具体的に、特許文献1の過給エンジンは、吸気通路に設けられた第1コンプレッサと当該第1コンプレッサを回転駆動するモータとを含む電動過給機と、吸気通路に設けられた第2コンプレッサと当該第2コンプレッサに連結された状態で排気通路に設けられたタービンとを含むターボ過給機と、タービンよりも下流側の排気通路と第1コンプレッサよりも上流側の吸気通路とを連通する第1EGR通路と、タービンよりも上流側の排気通路と第1コンプレッサよりも下流側の吸気通路とを連通する第2EGR通路とを備えている。
また、特許文献1では、エンジンの加速要求時に電動過給機(モータ)が駆動されて加速アシストが行われる一方、加速要求時以外、つまり定常運転時または減速運転時には、電動過給機が停止されるようになっている。
上記特許文献1のように、加速要求時に電動過給機を駆動するようにした場合には、加速要求を受けて速やかにエンジンの出力を高めることができ、加速レスポンスを向上させることができる。特に、ターボ過給機による過給が期待できない低負荷域では、加速要求があってから実際にターボ過給機による過給圧が高まるまでに要する時間(いわゆるターボラグ)が長くなり易いが、上記のように加速要求時に電動過給機を駆動する特許文献1によれば、ターボラグによる過給圧不足を電動過給機によって補うことができ、エンジン出力を迅速に高めることができる。したがって、上記特許文献1の技術は、特に低負荷域からの加速時における加速レスポンスを向上できると考えられる。
しかしながら、上記特許文献1では、加速要求を受けて電動過給機を駆動した後、どのようなタイミングで電動過給機を停止するのかについて、特に言及されていない。ターボラグを過ぎた後(ターボ過給機による過給圧が実質的に高まった後)も電動過給機が継続的に駆動されると、排気圧が過度に上昇してポンピングロスが増大する等により、燃費性能が悪化するおそれがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、加速時のポンピングロスを低減しつつ加速レスポンスを向上させることが可能な過給エンジンを提供することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本発明の過給エンジンは、気筒に導入される吸気が流通する吸気通路と、気筒から排出された排気ガスが流通する排気通路と、前記吸気通路に設けられた第1コンプレッサと当該第1コンプレッサを回転駆動する過給用モータとを含む電動過給機と、前記第1コンプレッサよりも上流側の吸気通路に設けられた第2コンプレッサと当該第2コンプレッサに連結された状態で前記排気通路に設けられたタービンとを含むターボ過給機と、前記タービンよりも下流側の排気通路と前記第2コンプレッサよりも上流側の吸気通路とを連通する第1EGR通路と、前記タービンよりも上流側の排気通路と前記第1コンプレッサよりも下流側の吸気通路とを連通する第2EGR通路と、前記第1EGR通路に開閉可能に設けられ、当該第1EGR通路を通じた排気ガスの還流である低圧EGRの量を調整する第1EGR弁と、前記第2EGR通路に開閉可能に設けられ、当該第2EGR通路を通じた排気ガスの還流である高圧EGRの量を調整する第2EGR弁と、アクセル開度を検出する検出部と、前記検出部によるアクセル開度の検出値を含む各種情報に基づいて、前記過給用モータ、第1EGR弁および第2EGR弁を制御する制御部とを備え、前記制御部は、所定の低負荷域でエンジンが運転されている場合に、前記低圧EGRが実行されかつ前記高圧EGRが停止されるように、前記第1EGR弁を開くとともに前記第2EGR弁を閉じ、前記低負荷域から前記ターボ過給機による過給が必要な高負荷側の領域へと移行する加速要求が前記アクセル開度の検出値に基づき確認された場合に、前記第1EGR弁を開きかつ前記第2EGR弁を閉じた状態で前記過給用モータを駆動し、その後、前記アクセル開度の増大率が所定の閾値未満になったときに、前記過給用モータを停止するとともに、前記第2EGR弁を開いて前記高圧EGRを開始する、ことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、加速要求に応じてまず電動過給機(過給用モータ)が駆動されるので、迅速に過給圧を高めて吸気量を増大させることができる。これにより、ターボ過給機による過給圧の高まりを待つことなく、加速要求に見合った十分なエンジン出力の上昇が見込めるので、加速レスポンスを向上させることができる。一方、電動過給機による過給圧の高まりに伴い、気筒での燃焼熱量が増大するとともに、ターボ過給機のタービンに付与される駆動力も増大する。特に、アクセル開度の増大率が閾値未満になった時点では、タービンでの冷却損失も十分に低下しており、ターボ過給機(第2コンプレッサ)単独での過給能力が十分に高まっていると考えられる。これに対し、本発明では、アクセル開度の増大率が閾値未満になった時点で電動過給機が停止されるので、過給圧が無用に高まるのを回避できる上に、電動過給機で消費される電力を抑制することができる。さらに、前記電動過給機の停止と併せて、第2EGR弁が開かれて高圧EGRが開始されるので、タービンに導入される前の排気ガスの一部を、電動過給機の停止により圧力が適正に抑えられた吸気通路に支障なく還流できるとともに、タービンの上流側の排気圧力が過剰に高まるのを防止することができる。これにより、加速時のポンピングロスを低減することができ、エンジンの燃費性能を向上させることができる。
好ましくは、前記制御部は、前記加速要求が確認されてから前記アクセル開度の増大率が前記閾値未満になるまでの間、前記第1EGR弁の開度をゼロより大きい範囲で低下させる(請求項2)。
この構成によれば、電動過給機による過給が行われている間、低圧EGRの割合(つまり気筒内に導入される全ガス量のうち低圧EGRガスが占める割合)が無用に増大するのを防止することができ、燃焼を安定化させることができる。すなわち、加速要求に応じて電動過給機が駆動されると、第1コンプレッサの吸込み作用により吸気通路の負圧化が進むので、仮に第1EGR弁の開度を一定にした場合には、低圧EGRの割合が急増して燃焼が不安定になるおそれがある。これに対し、電動過給機の駆動に併せて第1EGR弁の開度を低下させるようにした前記構成によれば、電動過給機による過給中も低圧EGRの割合をほぼ一定に維持することができ、燃焼を安定化させることができる。
前記構成において、より好ましくは、前記制御部は、前記アクセル開度の増大率の前記閾値未満への低下を受けて前記高圧EGRを開始した後、当該高圧EGRの割合が漸減しかつ前記低圧EGRの割合が漸増するように、前記第1EGR弁および第2EGR弁の開度を制御する(請求項3)。
このように、高圧EGRの開始後に、当該高圧EGRの割合を漸減させかつ低圧EGRの割合を漸増させるようにした場合には、多くの高圧EGRガスが継続導入されることで吸気温度が無用に上昇するのを防止することができる。これにより、吸気の密度低下による出力低下を防止できるとともに、ターボ過給機による過給圧の高まりと吸気温度の上昇とが重なることによる不具合、例えば異常燃焼の発生や燃焼騒音の増大等を防止することができる。
前記エンジンは、軽油を主成分とする燃料を前記気筒に噴射する燃料噴射弁を備えたディーゼルエンジンとすることができる。この場合、好ましくは、前記排気通路における前記タービンよりも下流側の部位に、排気ガス浄化用の触媒が設けられ、前記第1EGR通路の一端は、前記排気通路における前記触媒よりも下流側の部位に接続され、前記低負荷域での運転時、前記制御部は、前記燃料噴射弁から前記気筒に噴射された燃料が予混合圧縮着火燃焼するように、噴射の終了から遅れて燃料が着火するような所定のタイミングで前記燃料噴射弁に燃料を噴射させる(請求項4)。
このように、低負荷域での運転時に燃料を予混合圧縮着火燃焼させるようにした場合には、燃焼に伴うNOxやスート(煤)の発生量を効果的に抑制することができる。すなわち、低負荷域での運転中は、前述のとおり低圧EGRのみが行われる(高圧EGRは停止される)ので、気筒に還流される排気ガスは、全て、触媒を通過した後の排気ガス、つまりNOx、HC、H2O、およびスート等の不純物が取り除かれた排気ガスとなる。この排気ガス(低圧EGRガス)は、高圧EGRにより還流される排気ガス、つまり触媒を通過していないために多くの不純物を含む高圧EGRガスと比べて、比重が軽く空気(新気)と混じり易いという性質を有する。前記構成では、このような性質の低圧EGRガスが気筒に還流され、かつ燃料噴射弁から早めのタイミングで燃料が噴射されるので、空気、EGRガス、および燃料噴霧の三者が比較的均一に混じり合った混合気、つまり予混合圧縮着火燃焼に適した混合気をつくり出すことができ、当該混合気を十分な着火遅れ時間の後に自着火、燃焼させることができる。そして、このような予混合圧縮着火燃焼の実現により、燃料の空気利用率を高めて燃焼温度を低下させることができ、NOxやスートの発生量の少ないクリーンな燃焼を実現することができる。
以上説明したように、本発明の過給エンジンによれば、加速時のポンピングロスを低減しつつ加速レスポンスを向上させることができる。
(1)エンジンの全体構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる過給エンジンを概略的に示すシステム図である。本図に示されるエンジンは、走行用の動力源として車両に搭載された4サイクルのディーゼルエンジンであり、エンジン本体1と、エンジン本体1に導入される吸気が流通する吸気通路30と、エンジン本体1から排出された排気ガスが流通する排気通路50と、吸気通路30を流通する吸気を圧縮しつつエンジン本体1に送り出す過給装置60と、排気通路50の下流部を流通する比較的低圧の排気ガスを吸気通路30に還流する低圧EGR装置80と、排気通路50の上流部を流通する比較的高圧の排気ガスを吸気通路30に還流する高圧EGR装置90とを備えている。
図1は、本発明の一実施形態にかかる過給エンジンを概略的に示すシステム図である。本図に示されるエンジンは、走行用の動力源として車両に搭載された4サイクルのディーゼルエンジンであり、エンジン本体1と、エンジン本体1に導入される吸気が流通する吸気通路30と、エンジン本体1から排出された排気ガスが流通する排気通路50と、吸気通路30を流通する吸気を圧縮しつつエンジン本体1に送り出す過給装置60と、排気通路50の下流部を流通する比較的低圧の排気ガスを吸気通路30に還流する低圧EGR装置80と、排気通路50の上流部を流通する比較的高圧の排気ガスを吸気通路30に還流する高圧EGR装置90とを備えている。
エンジン本体1は、列状に並ぶ複数の気筒2(図1にはそのうちの1つのみが示される)を有する直列多気筒型のものであり、当該複数の気筒2が内部に形成されたシリンダブロック3と、各気筒2を上から閉塞するようにシリンダブロック3の上面に取り付けられたシリンダヘッド4と、各気筒2にそれぞれ往復動可能に挿入された複数のピストン5とを有している。なお、各気筒2の構造は同一であるため、以下では基本的に1つの気筒2のみに着目して説明を進める。
ピストン5の上方には燃焼室6が画成されている。この燃焼室6には、後述する燃料噴射弁15からの噴射により、軽油を主成分とする燃料が供給される。そして、供給された燃料が圧縮着火により燃焼し、その燃焼による膨張力で押し下げられたピストン5が上下方向に往復運動する。
ピストン5の下方には、エンジン本体1の出力軸であるクランク軸7が設けられている。クランク軸7は、ピストン5とコネクティングロッド8を介して連結され、ピストン5の往復運動(上下運動)に応じて中心軸回りに回転駆動される。
気筒2の幾何学的圧縮比、つまりピストン5が上死点にあるときの燃焼室6の容積とピストン5が下死点にあるときの燃焼室の容積との比は、14以上20以下に設定されている。
シリンダブロック3には、クランク軸7の角度(クランク角)およびクランク軸7の回転速度(エンジン回転速度)を検出するクランク角センサSN1が設けられている。また、シリンダヘッド4には、エンジン本体1(シリンダブロック3およびシリンダヘッド4)の内部を流通する冷却水の温度(エンジン水温)を検出する水温センサSN2が設けられている。
シリンダヘッド4には、燃焼室6に開口する吸気ポート9および排気ポート10と、吸気ポート9を開閉する吸気弁11と、排気ポート10を開閉する排気弁12と、吸気弁11および排気弁12をクランク軸7の回転に連動して開閉駆動する動弁機構13,14とが設けられている。
シリンダヘッド4には、さらに、燃焼室6に燃料(軽油)を噴射する燃料噴射弁15が設けられている。燃料噴射弁15は、例えば、燃焼室6の天井面中央から放射状に燃料を噴射する多噴孔型の噴射弁である。なお、図示を省略するが、ピストン5の冠面には、燃料噴射弁15から噴射された燃料を受け入れるための凹部(キャビティ)が形成されている。
吸気通路30は、吸気中の異物を除去するエアクリーナ31と、エアクリーナ31からエンジン本体1に向けて延びる上流側吸気通路32と、上流側吸気通路32の下流端部が接続された所定容量の容器部33と、容器部33からエンジン本体1に向けて延びる下流側吸気通路34と、下流側吸気通路34の下流端部が接続された所定容量のサージタンク35と、容器部33とサージタンク35とを互いに連通するバイパス通路36と、サージタンク35と複数の気筒2の各吸気ポート9とを互いに連通する複数の独立吸気通路37(図1にはそのうちの1つのみが示される)とを有している。なお、吸気通路30における下流(上流)とは、吸気通路30を流通する吸気の流れ方向の下流(上流)のことであり、エンジン本体1に近い方が下流、エンジン本体1から遠い方が上流となる。
容器部33の内部には、過給装置60により圧縮された吸気を冷却するためのインタークーラ38が設けられている。インタークーラ38は、容器部33の内部を吸気の流れ方向に二分するように設けられている。すなわち、容器部33の内部には、インタークーラ38によって隔てられた2つの部屋33a,33bが形成されている。以下では、インタークーラ38の上流側の部屋33aを上流室、インタークーラ38の下流側の部屋33bを下流室と称する。
インタークーラ38は、図外のウォーターポンプから導入される冷却水との熱交換により吸気を冷却する水冷式の熱交換器である。過給装置60により圧縮されて昇温した吸気は、このインタークーラ38内を流通する冷却水との熱交換により冷却される。なお、インタークーラ38に導入される冷却水は、エンジンの冷却水が循環する冷却水回路とは独立した回路を介して導入される。また、インタークーラ用の冷却水回路にはラジエータが設けられており、このラジエータからの放熱により冷却水の温度が外気温と同等に維持されるようになっている。
図1および図2に示すように、下流側吸気通路34は、容器部33の下流室33bとサージタンク35とを互いに連通するように設けられている。この下流側吸気通路34の途中部には、開閉可能なスロットル弁42が設けられている。
バイパス通路36は、容器部33の上流室33aとサージタンク35とを互いに連通するように設けられている。言い換えると、バイパス通路36は、上流室33aから分岐して下流側吸気通路34と並列に延び、かつサージタンク35において下流側吸気通路34と合流するように設けられている。このバイパス通路36の途中部には、開閉可能なバイパス弁43が設けられている。
上流側吸気通路32は、その下流端の近傍が第1通路部32aと第2通路部32bとに分岐するように形成されている。第1通路部32aは後述する電動過給機61に通じる通路であり、第2通路部32bは電動過給機61をバイパスする通路である。これら第1通路部32aおよび第2通路部32bは、それぞれの下流端部が容器部33の上流室33aに連通している。第2通路部32bには、開閉可能な切替弁41が設けられている。
上流側吸気通路32の上流部であって後述する第1EGR通路81の接続口とエアクリーナ31との間の部分には、吸気通路30を通じてエンジン本体1に導入される空気(新気)の流量を検出するエアフローセンサSN3が設けられている。また、サージタンク35には、その内部の吸気の圧力を検出する吸気圧センサSN4が設けられている。
排気通路50は、複数の気筒2の各排気ポート10から延びる複数の独立排気通路51(図1にはそのうちの1つのみが示される)と、各独立排気通路51が集合した排気集合部52と、排気集合部52から下流側に延びる単管状の共通排気通路53とを有している。なお、排気通路50における下流(上流)とは、排気通路50を流通する排気ガスの流れ方向の下流(上流)のことであり、エンジン本体1から遠い方が下流、エンジン本体1に近い方が上流となる。
共通排気通路53には、排気ガスを浄化するための触媒55aを内蔵した触媒コンバータ55が設けられている。触媒55aには、例えば、排気ガス中のCOおよびHCを酸化して無害化する酸化触媒、排気ガス中のNOxを還元して無害化するNOx触媒、および排気ガス中のスート(煤)を捕集するDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)が含まれる。
過給装置60は、直列に配置された2つの過給機61,62を有している。過給機61は、電気エネルギーにより駆動される過給機(以下、電動過給機61という)であり、過給機62は、排気ガスのエネルギーにより駆動される過給機(以下、ターボ過給機62という)である。
電動過給機61は、電力の供給を受けて作動する過給用モータ72と、過給用モータ72により回転駆動されることで吸気を圧縮する第1コンプレッサ71とを有している。第1コンプレッサ71は、上流側吸気通路32の第1通路部32aに配置されている。言い換えると、第1コンプレッサ71は、上流側吸気通路32におけるターボ過給機62(後述する第2コンプレッサ74)と容器部33との間に配置されている。電動過給機61の第1コンプレッサ71により圧縮された吸気は、第1通路部32aの下流端を通じて容器部33の上流室33aに吐出される。
ターボ過給機62は、排気通路50を流通する排気ガスにより回転駆動されるタービン73と、吸気通路30を流通する吸気を圧縮する第2コンプレッサ74と、タービン73と第2コンプレッサ74とを連結する連結軸75とを有している。第2コンプレッサ74は、上流側吸気通路32における電動過給機61(第1コンプレッサ71)よりも上流側の部分に配置され、タービン73は、共通排気通路53における触媒コンバータ55よりも上流側の部分に配置されている。排気通路50には、タービン73をバイパスするためのバイパス通路76が設けられており、このバイパス通路76には開閉可能なウェストゲート弁77が設けられている。
低圧EGR装置80は、ターボ過給機62のタービン73および触媒コンバータ55(触媒55a)を通過した後の低圧の排気ガスを吸気通路30に還流する低圧EGRを行うためのものであり、排気通路50と吸気通路30とを接続する第1EGR通路81と、第1EGR通路81に設けられた第1EGRクーラ82および第1EGR弁83とを有している。
第1EGR通路81は、共通排気通路53における触媒コンバータ55よりも下流側の部分と、上流側吸気通路32におけるターボ過給機62のコンプレッサ74よりも上流側の部分とを互いに連通している。第1EGRクーラ82は、第1EGR通路81を通じて共通排気通路53から上流側吸気通路32に還流される排気ガス(低圧EGRガス)を冷却する熱交換器である。第1EGR弁83は、上流側吸気通路32に還流される低圧EGRガスの流量を調整するための開閉弁である。
高圧EGR装置90は、ターボ過給機62のタービン73に流入する前の高圧の排気ガスを吸気通路30に還流する高圧EGRを行うためのものであり、排気通路50と吸気通路30とを接続する第2EGR通路91と、第2EGR通路91に設けられた第2EGRクーラ92および第2EGR弁93とを有している。
第2EGR通路91は、共通排気通路53におけるタービン73よりも上流側の部分と吸気通路30のサージタンク35とを互いに連通している。第2EGRクーラ92は、第2EGR通路91を通じて共通排気通路53からサージタンク35に還流される排気ガス(高圧EGRガス)を冷却する熱交換器である。第2EGR弁93は、サージタンク35に還流される高圧EGRガスの流量を調整するための開閉弁である。
(2)制御系統
図2は、当実施形態のエンジンの制御系統を示すブロック図である。本図に示されるPCM100は、エンジンを統括的に制御するためのマイクロプロセッサであり、周知のCPU、ROM、RAM等から構成されている。なお、PCM100は、請求項にいう「制御部」の一例に該当する。
図2は、当実施形態のエンジンの制御系統を示すブロック図である。本図に示されるPCM100は、エンジンを統括的に制御するためのマイクロプロセッサであり、周知のCPU、ROM、RAM等から構成されている。なお、PCM100は、請求項にいう「制御部」の一例に該当する。
PCM100には各種センサによる検出情報が入力される。具体的に、PCM100は、上述したクランク角センサSN1、水温センサSN2、エアフローセンサSN3、および吸気圧センサSN4と電気的に接続されており、これらのセンサによって検出された各種情報、例えばクランク角、エンジン回転速度、エンジン水温、吸気流量、および吸気圧(過給圧)等の情報が、それぞれPCM100に逐次入力される。
また、車両には、当該車両の走行速度(以下、車速という)を検出する車速センサSN5と、車両を運転するドライバーにより操作されるアクセルペダルの開度(以下、アクセル開度という)を検出するアクセルセンサSN6とが設けられており、これら車速センサSN5およびアクセルセンサSN6による検出情報もPCM100に逐次入力される。なお、アクセルセンサSN6は、請求項にいう「検出部」の一例に該当する。
PCM100は、上記各センサSN1〜SN6からの入力情報に基づいて種々の判定や演算等を実行しつつエンジンの各部を制御する。すなわち、PCM100は、燃料噴射弁15、切替弁41、スロットル弁42、バイパス弁43、過給用モータ72、ウェストゲート弁77、第1EGR弁83、および第2EGR弁93と電気的に接続されており、上記演算の結果等に基づいてこれらの機器にそれぞれ制御用の信号を出力する。
例えば、PCM50は、アクセルセンサSN6により検出されるアクセル開度および車速センサSN5により検出される車速等に基づいてエンジンの負荷(要求トルク)を算出し、算出した負荷と、クランク角センサSN1により検出されるエンジン回転速度とに基づいて、気筒2に噴射すべき燃料の量(目標噴射量)を決定し、決定した目標噴射量に一致する量の燃料が気筒2に噴射されるように燃料噴射弁15を制御する。
また、PCM100は、上記エンジン回転速度/負荷等に基づいて目標過給圧を設定するとともに、吸気圧センサSN4により検出される吸気圧(過給圧)がこの目標過給圧に一致するように、ウェストゲート弁77の開度や過給用モータ72の回転等を制御する。
(3)運転条件に応じた制御
図3は、エンジンの運転領域に応じた制御の相違を説明するためのマップ図である。本図に示される運転マップには、燃焼形態が相違する3つの運転領域A1〜A3が規定されている。各運転領域A1〜A3をそれぞれ第1運転領域A1、第2運転領域A2、第3運転領域A3とすると、第1運転領域A1は、エンジン負荷が基準負荷Yよりも低くかつエンジン回転速度が基準速度Zよりも低い低速かつ低負荷の領域であり、第2運転領域A2は、第1運転領域A1よりも回転速度または負荷のいずれかが高い高速または高負荷の領域であり、第3運転領域A3は、回転速度および負荷が共に最も低いアイドリング運転の領域である。なお、第1運転領域A1は、請求項にいう「低負荷域」の一例に該当し、第2運転領域A2における基準負荷Yよりも高負荷側の部分は、請求項にいう「ターボ過給機による過給が必要な高負荷側の領域」の一例に該当する。以下、各運転領域に適用される燃焼形態等について順に説明する。
図3は、エンジンの運転領域に応じた制御の相違を説明するためのマップ図である。本図に示される運転マップには、燃焼形態が相違する3つの運転領域A1〜A3が規定されている。各運転領域A1〜A3をそれぞれ第1運転領域A1、第2運転領域A2、第3運転領域A3とすると、第1運転領域A1は、エンジン負荷が基準負荷Yよりも低くかつエンジン回転速度が基準速度Zよりも低い低速かつ低負荷の領域であり、第2運転領域A2は、第1運転領域A1よりも回転速度または負荷のいずれかが高い高速または高負荷の領域であり、第3運転領域A3は、回転速度および負荷が共に最も低いアイドリング運転の領域である。なお、第1運転領域A1は、請求項にいう「低負荷域」の一例に該当し、第2運転領域A2における基準負荷Yよりも高負荷側の部分は、請求項にいう「ターボ過給機による過給が必要な高負荷側の領域」の一例に該当する。以下、各運転領域に適用される燃焼形態等について順に説明する。
(3−1)第1運転領域
低速かつ低負荷の第1運転領域A1では、燃焼室6に噴射された燃料をその噴射の終了から遅れて着火させる予混合圧縮着火燃焼(以下、単に予混合燃焼ともいう)が行われる。この予混合燃焼のための制御として、第1運転領域A1では、PCM100によってエンジンの各部が次のように制御される。
低速かつ低負荷の第1運転領域A1では、燃焼室6に噴射された燃料をその噴射の終了から遅れて着火させる予混合圧縮着火燃焼(以下、単に予混合燃焼ともいう)が行われる。この予混合燃焼のための制御として、第1運転領域A1では、PCM100によってエンジンの各部が次のように制御される。
燃料噴射弁15は、目標の着火時期よりも前に燃料噴射が終了するようなタイミングで燃焼室6に燃料を噴射する。例えば、図4(a)に示すように、燃料噴射弁15は、圧縮行程の後半に複数回に分けて燃料を噴射する。噴射された燃料は、噴射終了から着火までの期間である着火遅れの期間中、燃焼室6内の空気と混合されて、その状態で自着火、燃焼する(予混合燃焼)。図4(a)には、当該燃焼による熱発生の波形を燃料の噴射パルスと併せて図示しており、この熱発生の波形は、いずれの噴射パルスとも重複していない。このことは、燃料の噴射終了から遅れて燃料が着火する予混合燃焼が行われていることを表している。なお、圧縮行程の後半とは、圧縮行程を前半と後半に2分した場合の後半、つまりBTDC(圧縮上死点前)90°CA〜0°CAの期間を意味する。
第1EGR弁83は開弁され、第2EGR弁93は全閉とされる。すなわち、第1EGR弁83が開弁されることにより、第1EGR通路81を介した排気ガスの還流、つまりタービン73および触媒コンバータ55(触媒55a)を通過した後の低圧の排気ガスを第1EGR通路81を通じて吸気通路30に還流する低圧EGRが行われる。一方、第2EGR弁93は全閉とされるので、第2EGR通路91を介した排気ガスの還流、つまりタービン73に流入する前の高圧の排気ガスを第2EGR通路91を通じて吸気通路30に還流する高圧EGRは停止される。
ウェストゲート弁77は全閉とされる。これにより、エンジン本体1から排出された排気ガスは、その全量がターボ過給機62のタービン73を通過する。ただし、第1運転領域A1のような低速かつ低負荷の運転領域では、排気ガスのエネルギーがかなり低いため、タービン73に付与される駆動力は、多くの場合、ターボ過給機62(第2コンプレッサ74)が実質的な過給仕事をする程度には高くならない。ターボ過給機62は、少なくとも、上流側吸気通路32における第2コンプレッサ74よりも上流側の部分をやや負圧化する程度の仕事をする。このようなターボ過給機62による負圧化が、第1EGR弁83が開いた状態でなされることにより、上記第1EGR通路81を通じた排気ガスの還流(低圧EGR)が実現される。
電動過給機61は、ターボ過給機62による過給圧が不足する条件下で駆動され、それ以外の条件下で停止される。電動過給機61の駆動時は、図5に示すように、過給用モータ72がON状態(電力供給を受けて回転する状態)とされることにより、第1コンプレッサ71が高速で回転駆動され、この第1コンプレッサ71によって吸気が過給される。一方、電動過給機61の停止時には、過給用モータ72がOFF状態(電力供給がカットされた状態)とされて、第1コンプレッサ71の回転が停止される。なお、電動過給機61を駆動または停止する条件の詳細については後述する。
バイパス弁43およびスロットル弁42の各開度は、予混合燃焼に適した吸気温度が得られるように調整される。すなわち、図5に示すように、インタークーラ38をバイパスする(バイパス通路36を通過する)矢印V1のルートを通ってエンジン本体1に導入される吸気と、インタークーラ38および下流側吸気通路34を通過する矢印V2のルートを通ってエンジン本体1に導入される吸気とが適切な割合で混合されることにより、その混合後の吸気の温度が予混合燃焼に適した温度となるように、バイパス弁43およびスロットル弁42の各開度が調整される。インタークーラ38をバイパスする吸気と通過する吸気との混合割合は、エンジン水温やエンジンの負荷/回転速度等に基づいて調整される。特に、エンジン水温およびエンジン負荷の双方が低い条件では、吸気の全量がインタークーラ38をバイパスするように、バイパス弁43のみが開弁される(スロットル弁42は全閉とされる)場合もある。これは、吸気の温度を高めて着火性を確保するためである。
(3−2)第2運転領域
高速または高負荷の第2運転領域A2では、予混合燃焼ではなく拡散燃焼が行われる。この拡散燃焼のための制御として、第2運転領域A2では、PCM100によってエンジンの各部が次のように制御される。
高速または高負荷の第2運転領域A2では、予混合燃焼ではなく拡散燃焼が行われる。この拡散燃焼のための制御として、第2運転領域A2では、PCM100によってエンジンの各部が次のように制御される。
燃料噴射弁15は、目標の着火時期の前後に亘るようなタイミングで(言い換えると着火後も燃料噴射が継続されるようなタイミングで)燃料を噴射する。例えば、図4(b)に示すように、圧縮上死点よりも早いタイミングで少量の燃料を噴射するプレ噴射と、圧縮上死点を跨ぐかもしくは圧縮上死点よりも遅れたタイミングで比較的多量の燃料を噴射するメイン噴射とが実行される。なお、図4(b)ではプレ噴射の回数を2回としているが、このプレ噴射の回数は回転速度/負荷に応じて可変とされ、2回から1回に減らされる場合もある。さらに、プレ噴射が行われず、一連のメイン噴射のみによって全ての燃料が噴射される場合もある。
燃料噴射弁15から噴射された燃料は、メイン噴射が終了する前に、言い換えるとメイン噴射の開始からごく短時間が過ぎた時点で、自着火、燃焼する(拡散燃焼)。図4(b)には、当該燃焼による熱発生の波形を噴射パルスと併せて図示しており、この熱発生の波形は、メイン噴射の噴射パルスと重なっている。このことは、メイン噴射の途中で燃料が着火する拡散燃焼が行われていることを表している。
第2運転領域A2では、エンジン回転速度または負荷が高く、排気ガスのエネルギーが高いので、タービン73に十分な駆動力が付与されて、ターボ過給機62(第2コンプレッサ74)による過給能力が高められる。このため、電動過給機61による過給は不要である。すなわち、電動過給機61による過給を停止するべく、図6に示すように、過給用モータ72がOFF状態とされ、また切替弁41が開かれる。
ウェストゲート弁77は、ターボ過給機62による過給圧が上限を超える条件下で開かれ、それ以外の条件下で全閉とされる。
スロットル弁42は開弁され、バイパス弁43は全閉とされる。これにより、同じく図6に示すように、吸気は専ら、インタークーラ38を通過するルートを通ってエンジン本体1に導入される(矢印X2参照)。これは、ターボ過給機62により圧縮された吸気をインタークーラ38により冷却して吸気の密度低下を防止するためである。
(3−3)第3運転領域
アイドリングの運転領域である第3運転領域A3でも、第2運転領域A2と同様に拡散燃焼が行われる。第2運転領域A2に比べて燃料の噴射量が大幅に少なくされる以外は基本的に第2運転領域A2と同様の制御となるので、その詳細な説明は省略する。
アイドリングの運転領域である第3運転領域A3でも、第2運転領域A2と同様に拡散燃焼が行われる。第2運転領域A2に比べて燃料の噴射量が大幅に少なくされる以外は基本的に第2運転領域A2と同様の制御となるので、その詳細な説明は省略する。
(4)具体的な制御手順
次に、エンジンの運転中にPCM100により行われる具体的な制御手順、特に第1運転領域A1から第2運転領域A2に移行する加速時の制御手順について、図7および図8のフローチャートを参照しつつ説明する。このフローチャートに示す制御がスタートすると、PCM100は、まずステップS1において、エンジンの現運転ポイントが図3に示した第1運転領域A1に含まれるか否かを判定する。すなわち、PCM100は、クランク角センサSN1により検出されるエンジン回転速度と、アクセルセンサSN6の検出値(アクセル開度)や車速センサSN5の検出値(車速)等から特定されるエンジン負荷(要求トルク)とに基づいて、現時点のエンジンの運転ポイントを図3のマップ上で特定し、当該マップ中の第1運転領域A1に現運転ポイントが含まれるか否かを判定する。
次に、エンジンの運転中にPCM100により行われる具体的な制御手順、特に第1運転領域A1から第2運転領域A2に移行する加速時の制御手順について、図7および図8のフローチャートを参照しつつ説明する。このフローチャートに示す制御がスタートすると、PCM100は、まずステップS1において、エンジンの現運転ポイントが図3に示した第1運転領域A1に含まれるか否かを判定する。すなわち、PCM100は、クランク角センサSN1により検出されるエンジン回転速度と、アクセルセンサSN6の検出値(アクセル開度)や車速センサSN5の検出値(車速)等から特定されるエンジン負荷(要求トルク)とに基づいて、現時点のエンジンの運転ポイントを図3のマップ上で特定し、当該マップ中の第1運転領域A1に現運転ポイントが含まれるか否かを判定する。
上記ステップS1でNOと判定されて現運転ポイントが第1運転領域A1に含まれていないこと、つまり、高速または高負荷の領域である第2運転領域A2か、またはアイドリング運転の領域である第3運転領域A3でエンジンが運転されていることが確認された場合、PCM100は、ステップS7に移行して、これら第2運転領域A2または第3運転領域A3に対応した制御を実行する。第2・第3運転領域A2,A3では、予混合燃焼ではなく拡散燃焼が行われる点が第1運転領域A1と大きく異なるが、その制御の概要は先の(3−2)および(3−3)で既に説明したとおりであるため、ここではその説明を省略する。
一方、上記ステップS1でYESと判定されて現運転ポイントが第1運転領域A1に含まれることが確認された場合、PCM100は、ステップS2に移行して、第1EGR弁83を開くとともに、第2EGR弁93を全閉にする。これにより、第1EGR通路81を通じた排気ガスの還流(低圧EGR)が実現される一方、第2EGR通路91を通じた排気ガスの還流(高圧EGR)が停止される。低圧EGRの実行中、PCM100は、エンジンの運転状態に応じた適切な量の低圧EGRガスが還流されるように、第1EGR弁83の開度を調整する。
次いで、PCM100は、ステップS3に移行して、ウェストゲート弁77を全閉にする。これにより、エンジン本体1から排出された排気ガスは、その全量がターボ過給機62のタービン73に導入されることになる。
次いで、PCM100は、ステップS4に移行して、電動過給機61を状況に応じ駆動または停止する。
具体的に、PCM100は、第1運転領域A1内での加速要求が確認された場合、つまりエンジンの運転ポイントが第1運転領域A1内で低負荷側から高負荷側に移行するようなアクセル開度の増大が検出された場合に、過給用モータ72を駆動して電動過給機61(第1コンプレッサ71)に過給を行わせる。これにより、加速に伴い吸気の所要量が増大するのに対応して、電動過給機61により速やかに吸気量を増大させることができ、第1運転領域A1内での加速時においても適切な予混合燃焼を行わせることができる。なお、電動過給機61が駆動されるとき、切替弁41は全閉とされる(図5参照)。これは、電動過給機61により過給されて上流室33aに吐出された吸気が第2通路部32bを通じて上流側に逆流するのを防止するためである。
一方、上記のような加速時以外、つまり第1運転領域A1内でエンジンがほぼ定常運転されているときは、電動過給機61による過給は不要である。このため、PCM100は、過給用モータ72を停止させるとともに、切替弁41を開弁させる(図6参照)。なお、加速時以外において、過給用モータ72を最小限の出力で駆動して第1コンプレッサ71を低速で回転させるようにしてもよい(以下、この状態を待機状態という)。電動過給機61が待機状態とされても、第1コンプレッサ71は実質的な過給仕事をしないが、待機状態としておけば、過給用モータ72がONとOFFとの間で頻繁に切り替わるのを防止することができる。特に、エンジンと車輪との間に設けられた変速機のギヤ段が所定の低ギヤ段(例えば最高段数の半分以下のギヤ段)であるときは、比較的頻繁に加速と減速が繰り返される可能性が高いので、このような低ギヤ段が選択されているときに限って、電動過給機61を待機状態とすることが考えられる。
次いで、PCM100は、ステップS5に移行して、第1運転領域A1から第2運転領域A2へと運転ポイントが移行するような加速要求があるか否かを判定する。具体的に、ステップS5では、アクセルセンサSN6により検出される現在のアクセル開度とその増大率とに基づいて、例えば図3の矢印Wで示すように、第1運転領域A1からターボ過給機62による過給が必要な第2運転領域A2(より詳しくは当該第2運転領域A2のうち基準負荷Yよりも高負荷側の部分)へと運転ポイントが移行するか否かを予測し、この予測が成立した場合にYESと判定する。第2運転領域A2への移行が予測される(つまりステップS5の判定がYESになる)可能性は、現在の運転ポイントが第1運転領域A1内の高負荷側に位置するほど高くなり、かつ、アクセル開度の増大率が高いほど高くなる。
上記ステップS5でYESと判定されて第1運転領域A1から第2運転領域A2へと移行する加速要求が確認された場合、PCM100は、この加速要求に対応するための制御であるステップS6の制御を実行する。
図8は、上記ステップS6の制御(加速制御)の詳細を示すサブルーチンである。このサブルーチンに示す制御がスタートすると、PCM100は、まずステップS10において、切替弁41を全閉にし、この切替弁41によって第2通路部32bを遮断する。
次いで、PCM100は、ステップS11に移行して、過給用モータ72を駆動して電動過給機61(第1コンプレッサ71)に過給を行わせる。なお、上記ステップS4で説明したとおり、エンジンが第1運転領域A1で運転されているとき、つまりステップS11に移行する前の時点において、電動過給機61は駆動されている場合もあれば停止されている場合もある。ステップS11の直前に電動過給機61が停止されていた場合、PCM100は、過給用モータ72に新たに電力を供給して、電動過給機61をOFF状態からON状態に切り替える。一方、ステップS11の直前に電動過給機61が駆動されているかまたは待機状態とされていた場合、PCM100は、過給用モータ72への供給電力を増大させ、電動過給機61による過給能力(圧力比)を高める。
次いで、PCM100は、ステップS12に移行して、第1EGR弁83の開度を低下させる。すなわち、PCM100は、第1EGR弁83の開度を、上記ステップS5で加速要求が確認される直前の開度よりも小さくかつゼロより大きい所定開度まで低下させる。このときの開度の低下率は、迅速に立ち上がる電動過給機61の過給圧と連動するような比較的大きな低下率とされる。
上記ステップS11,S12の制御を開始した後、PCM100は、ステップS13に移行し、アクセルセンサSN6による検出値に基づいて、アクセル開度の増大率が予め定められた閾値X未満に低下したか否かを判定する。なお、ここでの判定は、ドライバーがアクセルペダルの踏み増しをほぼ完了したことを確認するために行われる。このため、上記閾値Xは、比較的小さい値(例えばゼロに近い値)に設定される。
上記ステップS13でYESと判定されてアクセル開度の増大率が閾値X未満に低下したことが確認された場合、PCM100は、ステップS14に移行して、過給用モータ72への電力供給をカットすることにより、電動過給機61による過給を停止させる。
次いで、PCM100は、ステップS15に移行して、切替弁41を開弁させる。これにより、上流側吸気通路32を流通する吸気は、主に電動過給機61(第1コンプレッサ71)をバイパスする第2通路部32bを通って容器部33の上流室33aに導入されるようになる。
次いで、PCM100は、ステップS16に移行して、第2EGR弁93を開弁する。これにより、第2EGR通路91を通じた排気ガスの還流、つまり高圧EGRが開始される。
また、PCM100は、ステップ17において、第1EGR弁83の開度を徐々に増大させる。すなわち、上記ステップS12により一旦低下した第1EGR弁83の開度を再び増大方向に制御する。これにより、第1EGR通路81を通じて還流される低圧EGRガスの割合が徐々に増大するとともに、第2EGR通路91を通じて還流される高圧EGRガスの割合が徐々に低下する。
なお、以上の説明の中では特に触れなかったが、加速によって第1運転領域A1から第2運転領域A2へと移行するのに伴って、燃料噴射弁15による燃料の噴射量および噴射タイミングは、第1運転領域A1に対応した予混合燃焼用の噴射量/タイミング(例えば図4(a)参照)から、第2運転領域A2に対応した拡散燃焼用の噴射量/タイミング(例えば図4(b)参照)へと切り替えられる。また、スロットル弁42およびバイパス弁43は、予混合燃焼が行われる第1運転領域A1に対応したモード、つまり予混合燃焼に適した吸気温度を得るために各弁の開度を調整する調温モードから、ターボ過給機62による過給圧が高まる第2運転領域A2に対応したモード、つまりターボ過給機62により過給された吸気が全てインタークーラ38に導入されるようにスロットル弁42のみを開く(バイパス弁43は全閉とする)モードへと切り替えられる。
図9は、図8に示した加速制御が開始される前後における各種状態量の時間変化の一例を示すタイムチャートである。このタイムチャートでは、第1運転領域A1から第2運転領域A2へと移行する加速要求があった時点をt1としている。すなわち、時点t1よりも前において、エンジンは第1運転領域A1で運転されており、この状態でアクセルペダルが比較的強めに踏み込まれることにより(図9(a)参照)、上記のような加速要求があったことが時点t1で認識されたものとする。
上記時点t1での加速要求(第1運転領域A1から第2運転領域A2へと移行する加速要求)に応じて、電動過給機61が駆動されるとともに(図9(c)参照)、低圧EGR用の第1EGR弁83の開度が低減される(図9(d)参照)。
図9の例では、時点t1よりも前において電動過給機61は停止されているかまたは待機状態にあるものとする。このように停止または待機状態にある電動過給機61が時点t1で駆動されて、過給用モータ72に電力が供給されることにより、電動過給機61(第1コンプレッサ71)による過給仕事(圧力比)は急速に立ち上がる(図9(c)参照)。また、これに応じて、エンジン本体1に導入される吸気の圧力(過給圧)も、時点t1以降において比較的速いスピードで上昇し始める(図9(f)の実線参照)。
図9(f)では、仮に電動過給機61を駆動しなかった場合の過給圧を破線で示している。この破線との比較から明らかなように、時点t1からの過給圧の立ち上がりは、電動過給機61の駆動によって急峻化されている。このことから、時点t1以降の過給圧の立ち上がりが電動過給機61によって効果的にアシストされていることが分かる。
図9(d)に示すように、時点t1よりも前(第1運転領域A1での運転時)において、第1EGR弁83の開度は比較的高い値D1に設定されている。これは、第1運転領域A1で適切な予混合燃焼を行わせるために十分な低圧EGRガスを気筒2に導入する必要があるからである。その後、時点t1での加速要求を受けて、第1EGR弁83の開度はD1から比較的急激に低減されている。ただし、第1EGR弁83は全閉(開度ゼロ)まで閉じられることはない。つまり、第1EGR弁83の加速中の最低開度D2はゼロより大きい値に設定される。これにより、加速中であっても低圧EGRガスの導入は継続して行われる。
時点t1から少し経過した時点t2において、アクセルペダルの踏み増しがほぼ完了し、アクセル開度の増大率が閾値X未満になったものとする。この時点t2で、電動過給機61が停止されるとともに(図9(c)参照)、それまで全閉とされていた第2EGR弁93が開かれる(図9(e)参照)。一方、第1EGR弁83は、時点t2において駆動方向が閉方向から開方向に反転され、時点t2以降は開度が漸増するように制御される(図9(d)参照)。
第2EGR弁93の開弁によって、第1EGR通路81を通じた排気ガスの還流(低圧EGR)と併せて、第2EGR通路91を通じた排気ガスの還流(高圧EGR)が行われるようになる。第2EGR弁93の開度は、時点t2から比較的短時間で開度D3まで増大されるが、この開度D3は、時点t2での第1EGR弁83の開度D2以下の値に設定される。なお、図9では省略しているが、時点t2からある程度の時間が経過して第2運転領域A2での定常運転に近い状態になると、第2EGR弁93が全閉とされて高圧EGRが停止され、低圧EGRのみが行われるようになる。
図9(f)に示すように、時点t2で電動過給機61が停止されて以降も、過給圧は上昇し続ける。これは、時点t2以降はターボ過給機62の過給能力が高まるからである。すなわち、タービン73に導入される排気ガスのエネルギーが増大するとともに、タービン73での冷却損失が減少することで、ターボ過給機62(第2コンプレッサ74)の過給能力が高まり、ターボ過給機62単独でも高い過給圧が確保されるようになる。
(5)作用効果等
以上説明したとおり、当実施形態では、エンジンが低速かつ低負荷の第1運転領域A1で運転されている場合に、第1EGR弁83が開かれかつ第2EGR弁93が閉じられることにより低圧EGRのみが実行され(高圧EGRは停止され)、この第1運転領域A1からその高負荷側の第2運転領域A2へと移行する加速要求が確認された場合に、第1EGR弁を開きかつ第2EGR弁を閉じた状態で電動過給機61(過給用モータ72)が駆動され、その後、アクセル開度の増大率が所定の閾値X未満になった時点で、電動過給機61が停止されるとともに、第2EGR弁93が開弁されて高圧EGRが開始される。このような構成によれば、加速時のポンピングロスを低減しつつ加速レスポンスを向上できるという利点がある。
以上説明したとおり、当実施形態では、エンジンが低速かつ低負荷の第1運転領域A1で運転されている場合に、第1EGR弁83が開かれかつ第2EGR弁93が閉じられることにより低圧EGRのみが実行され(高圧EGRは停止され)、この第1運転領域A1からその高負荷側の第2運転領域A2へと移行する加速要求が確認された場合に、第1EGR弁を開きかつ第2EGR弁を閉じた状態で電動過給機61(過給用モータ72)が駆動され、その後、アクセル開度の増大率が所定の閾値X未満になった時点で、電動過給機61が停止されるとともに、第2EGR弁93が開弁されて高圧EGRが開始される。このような構成によれば、加速時のポンピングロスを低減しつつ加速レスポンスを向上できるという利点がある。
すなわち、上記実施形態では、加速要求に応じてまず電動過給機61(過給用モータ72)が駆動されるので(図9の時点t1)、迅速に過給圧を高めて吸気量を増大させることができる。これにより、ターボ過給機62による過給圧の高まりを待つことなく、加速要求に見合った十分なエンジン出力の上昇が見込めるので、加速レスポンスを向上させることができる。一方、電動過給機61による過給圧の高まりに伴い、気筒2での燃焼熱量が増大するとともに、ターボ過給機62のタービン73に付与される駆動力も増大する。特に、アクセル開度の増大率が閾値X未満になった時点(図9の時点t2)では、タービン73での冷却損失も十分に低下しており、ターボ過給機62(第2コンプレッサ74)単独での過給能力が十分に高まっていると考えられる。これに対し、上記実施形態では、アクセル開度の増大率が閾値X未満になった時点で電動過給機61が停止されるので、過給圧が無用に高まるのを回避でき、また、電動過給機61で消費される電力を抑制することができる。さらに、上記電動過給機61の停止と併せて、第2EGR弁93が開かれて高圧EGRが開始されるので、タービン73に導入される前の排気ガスの一部を、電動過給機61の停止により圧力が適正に抑えられた吸気通路30に支障なく還流できるとともに、タービン73の上流側の排気圧力が過剰に高まるのを防止することができる。これにより、加速時のポンピングロスを低減することができ、エンジンの燃費性能を向上させることができる。
また、上記実施形態では、上記加速要求が確認されてからアクセル開度の増大率が閾値X未満になるまでの間(時点t1〜t2の間)、第1EGR弁83の開度がゼロより大きい範囲で低下させられるので、電動過給機61による過給が行われている間、低圧EGRの割合(つまり気筒2内に導入される全ガス量のうち低圧EGRガスが占める割合)が無用に増大するのを防止することができ、燃焼を安定化させることができる。すなわち、加速要求に応じて電動過給機61が駆動されると、第1コンプレッサ71の吸込み作用により上流側吸気通路32が大幅に負圧化するので、仮に第1EGR弁83の開度を一定にした場合には、低圧EGRの割合が急増して燃焼が不安定になるおそれがある。これに対し、電動過給機61の駆動に併せて第1EGR弁83の開度を低下させるようにした上記実施形態によれば、電動過給機61による過給中も低圧EGRの割合をほぼ一定に維持することができ、燃焼を安定化させることができる。
また、上記実施形態では、アクセル開度の増大率の閾値X未満への低下に応じて高圧EGRが開始される(第2EGR弁93が開弁される)が、その後は、低圧EGRの割合が漸増する(結果として高圧EGRの割合が漸減する)ように、第1EGR弁83の開度が徐々に増大させられるので、多くの高圧EGRガスが継続導入されることで吸気温度が無用に上昇するのを防止することができる。これにより、吸気の密度低下による出力低下を防止できるとともに、ターボ過給機62による過給圧の高まりと吸気温度の上昇とが重なることによる不具合、例えば異常燃焼の発生や燃焼騒音の増大等を防止することができる。
また、上記実施形態では、低速かつ低負荷の第1運転領域A1での運転時に、燃料が予混合燃焼するような比較的早めのタイミングで燃料噴射弁15から燃料が噴射されるので、燃焼に伴うNOxやスート(煤)の発生量を効果的に抑制することができる。
すなわち、第1運転領域A1での運転中は、上述のとおり低圧EGRのみが行われる(高圧EGRは停止される)ので、気筒2に還流される排気ガスは、全て、触媒コンバータ55を通過した後の排気ガス、つまりNOx、HC、H2O、およびスート等の不純物が取り除かれた排気ガスとなる。この排気ガス(低圧EGRガス)は、高圧EGRにより還流される排気ガス、つまり触媒コンバータ55を通過していないために多くの不純物を含む高圧EGRガスと比べて、比重が軽く空気(新気)と混じり易いという性質を有する。上記実施形態では、このような性質の低圧EGRガスが気筒2に還流され、かつ燃料噴射弁15から早めのタイミングで燃料が噴射されるので、空気、EGRガス、および燃料噴霧の三者が比較的均一に混じり合った混合気、つまり予混合燃焼に適した混合気をつくり出すことができ、当該混合気を十分な着火遅れ時間の後に自着火、燃焼させることができる。そして、このような予混合燃焼の実現により、燃料の空気利用率を高めて燃焼温度を低下させることができ、NOxやスートの発生量の少ないクリーンな燃焼を実現することができる。
なお、上記実施形態では、アクセル開度の増大率が閾値X未満になった図9の時点t2において、電動過給機61を停止させかつ第2EGR弁93を開弁するようにしたが、電動過給機61の停止から第2EGR弁93の開弁までの間に多少の時間差を設けてもよい。
また、上記実施形態では、エンジンが第1運転領域A1で運転されているときに、燃料噴射弁15から噴射された全ての燃料が予混合燃焼するように、目標の着火時期よりも前に全ての燃料が噴射終了するようなタイミングで燃料を噴射したが、1サイクル中に噴射すべき燃料の大部分を予混合燃焼させることができればよく、必ずしも全ての燃料を目標の着火時期よりも前に噴射する必要はない。例えば、目標の着火時期よりも前に大部分の燃料を噴射して予混合燃焼させた上で、当該予混合燃焼の途中で(着火開始後に)少量の燃料を追加で噴射するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、軽油を主成分とする燃料を圧着着火させるディーゼルエンジンに本発明を適用した例について説明したが、本発明を適用可能なエンジンはこれに限られず、例えばガソリンを主成分とする燃料を予混合圧縮着火させる圧縮着火式のガソリンエンジンに本発明を適用してもよい。
1 エンジン本体
2 気筒
15 燃料噴射弁
30 吸気通路
50 排気通路
55a 触媒
61 電動過給機
62 ターボ過給機
71 第1コンプレッサ
72 過給用モータ
73 タービン
74 第2コンプレッサ
81 第1EGR通路
83 第1EGR弁
91 第2EGR通路
93 第2EGR弁
100 PCM(制御部)
A1 第1運転領域(低負荷域)
SN6 アクセルセンサ(検出部)
2 気筒
15 燃料噴射弁
30 吸気通路
50 排気通路
55a 触媒
61 電動過給機
62 ターボ過給機
71 第1コンプレッサ
72 過給用モータ
73 タービン
74 第2コンプレッサ
81 第1EGR通路
83 第1EGR弁
91 第2EGR通路
93 第2EGR弁
100 PCM(制御部)
A1 第1運転領域(低負荷域)
SN6 アクセルセンサ(検出部)
Claims (4)
- 気筒に導入される吸気が流通する吸気通路と、
気筒から排出された排気ガスが流通する排気通路と、
前記吸気通路に設けられた第1コンプレッサと当該第1コンプレッサを回転駆動する過給用モータとを含む電動過給機と、
前記第1コンプレッサよりも上流側の吸気通路に設けられた第2コンプレッサと当該第2コンプレッサに連結された状態で前記排気通路に設けられたタービンとを含むターボ過給機と、
前記タービンよりも下流側の排気通路と前記第2コンプレッサよりも上流側の吸気通路とを連通する第1EGR通路と、
前記タービンよりも上流側の排気通路と前記第1コンプレッサよりも下流側の吸気通路とを連通する第2EGR通路と、
前記第1EGR通路に開閉可能に設けられ、当該第1EGR通路を通じた排気ガスの還流である低圧EGRの量を調整する第1EGR弁と、
前記第2EGR通路に開閉可能に設けられ、当該第2EGR通路を通じた排気ガスの還流である高圧EGRの量を調整する第2EGR弁と、
アクセル開度を検出する検出部と、
前記検出部によるアクセル開度の検出値を含む各種情報に基づいて、前記過給用モータ、第1EGR弁および第2EGR弁を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
所定の低負荷域でエンジンが運転されている場合に、前記低圧EGRが実行されかつ前記高圧EGRが停止されるように、前記第1EGR弁を開くとともに前記第2EGR弁を閉じ、
前記低負荷域から前記ターボ過給機による過給が必要な高負荷側の領域へと移行する加速要求が前記アクセル開度の検出値に基づき確認された場合に、前記第1EGR弁を開きかつ前記第2EGR弁を閉じた状態で前記過給用モータを駆動し、その後、前記アクセル開度の増大率が所定の閾値未満になったときに、前記過給用モータを停止するとともに、前記第2EGR弁を開いて前記高圧EGRを開始する、ことを特徴とする過給エンジン。 - 請求項1に記載の過給エンジンにおいて、
前記制御部は、前記加速要求が確認されてから前記アクセル開度の増大率が前記閾値未満になるまでの間、前記第1EGR弁の開度をゼロより大きい範囲で低下させる、ことを特徴とする過給エンジン。 - 請求項2に記載の過給エンジンにおいて、
前記制御部は、前記アクセル開度の増大率の前記閾値未満への低下を受けて前記高圧EGRを開始した後、当該高圧EGRの割合が漸減しかつ前記低圧EGRの割合が漸増するように、前記第1EGR弁および第2EGR弁の開度を制御する、ことを特徴とする過給エンジン。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の過給エンジンにおいて、
前記エンジンは、軽油を主成分とする燃料を前記気筒に噴射する燃料噴射弁を備えたディーゼルエンジンであり、
前記排気通路における前記タービンよりも下流側の部位に、排気ガス浄化用の触媒が設けられ、
前記第1EGR通路の一端は、前記排気通路における前記触媒よりも下流側の部位に接続され、
前記低負荷域での運転時、前記制御部は、前記燃料噴射弁から前記気筒に噴射された燃料が予混合圧縮着火燃焼するように、噴射の終了から遅れて燃料が着火するような所定のタイミングで前記燃料噴射弁に燃料を噴射させる、ことを特徴とする過給エンジン。
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