JP2019138203A - 過給ディーゼルエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】過給ディーゼルエンジンの低負荷域で安定した予混合圧縮着火燃焼を行う。【解決手段】過給ディーゼルエンジンは、電気エネルギーにより駆動されて吸気を過給する電動過給機(61)と、触媒(55a)よりも下流側の排気通路(50)と電動過給機(61)よりも上流側の吸気通路(30)とを連通するEGR通路(81)と、EGR通路(81)に設けられた開閉可能なEGR弁(83)とを備える。エンジンが低負荷域で運転されているときは、電動過給機(61)が駆動されて吸気が過給されるとともに、EGR弁(83)が開かれてEGR通路(81)を通じた排気ガスの還流が行われ、さらに、燃料の噴射終了から遅れて着火するような所定のタイミングで燃料噴射弁(15)から燃料が噴射される。【選択図】図1

Description

本発明は、電気エネルギーにより駆動される電動過給機が吸気通路に設けられた過給ディーゼルエンジンに関する。
上記のような過給ディーゼルエンジンの一例として、下記特許文献1のものが知られている。具体的に、特許文献1の過給ディーゼルエンジンは、気筒を含むエンジン本体と、エンジン本体に接続された吸気通路および排気通路と、吸気通路に設けられた電動過給機と、排気通路に設けられた触媒と、触媒よりも下流側の排気通路と電動過給機よりも上流側の吸気通路とを連通する第1のEGR通路と、触媒よりも上流側の排気通路と電動過給機よりも下流側の吸気通路とを連通する第2のEGR通路とを備えている。
また、特許文献1では、エンジンの加速要求時に電動過給機が駆動されて加速アシストが行われる一方、加速要求時以外、つまり定常運転時または減速運転時には、電動過給機が停止されるようになっている。
特開2008−106636号公報
ディーゼルエンジンで採用される燃焼形態は、気筒に噴射された燃料(軽油)を高温の圧縮空気中で自着火により燃焼させる圧縮着火燃焼である。特に、多くのディーゼルエンジンでは、十分な量の空気を圧縮することで形成された高温の筒内環境下で、燃料噴霧と空気との境界付近から燃料を燃焼させる拡散燃焼が採用される。しかしながら、この拡散燃焼は、その燃焼温度の高さや空気利用率の低さに起因して、NOxやスート(煤)が発生し易いという問題がある。
これに対し、ディーゼルエンジンでありながら、燃料を十分に空気と混合した後に着火させる、いわゆる予混合圧縮着火燃焼を行うことにより、NOxおよびスートの発生量を低減させることが検討されている。予混合圧縮着火燃焼は、燃料の噴射量が多い高負荷域では原理的に難しく、燃料の噴射量が少ない低負荷域で行うことが現実的である。しかしながら、低負荷域では、気筒内の流動性が低く、燃料の微粒化(気化または霧化)および拡散(燃料と空気またはEGRガスとの混合)が十分に進まないことがあり、低負荷域であっても安定した予混合圧縮着火燃焼を行うことは容易ではなかった。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、低負荷域で安定した予混合圧縮着火燃焼を行うことが可能な過給ディーゼルエンジンを提供することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本発明の過給ディーゼルエンジンは、気筒および当該気筒に燃料を噴射する燃料噴射弁を含むエンジン本体と、前記気筒に導入される吸気が流通する吸気通路と、前記気筒から排出された排気ガスが流通する排気通路と、前記吸気通路に設けられ、電気エネルギーにより駆動されて吸気を過給する電動過給機と、前記排気通路に設けられた排気ガス浄化用の触媒と、前記触媒よりも下流側の排気通路と前記電動過給機よりも上流側の吸気通路とを連通するEGR通路と、前記EGR通路に設けられた開閉可能なEGR弁と、前記燃料噴射弁、電動過給機、およびEGR弁を制御する制御部とを備え、前記制御部は、エンジン負荷が所定の基準負荷よりも低い低負荷域での運転時に、前記電動過給機による過給下で燃料を予混合圧縮着火燃焼させる第1の燃焼制御として、前記電動過給機を駆動して吸気を過給するとともに、前記EGR弁を開いて前記EGR通路を通じた排気ガスの還流を行い、さらに、前記燃料噴射弁から前記気筒に噴射された燃料がその噴射の終了から遅れて着火するような所定のタイミングで前記燃料噴射弁に燃料を噴射させる制御を実行する、ことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、気筒内の流動性が低くなりがちなエンジンの低負荷域において、電動過給機が駆動されて吸気が過給されるので、十分な量の吸気を加圧しつつ気筒に導入することができ、気筒内の流動性を高めることができる。これにより、気筒に噴射された燃料の微粒化(気化または霧化)が促進されるとともに、圧縮端温度(圧縮上死点における筒内温度)が上昇するので、微粒化した燃料を十分に吸気と混合した後に高温下で自着火させることができ、適正な予混合圧縮着火燃焼を実現することができる。
また、前記のような電動過給機による過給に加えて、触媒を通過した後の排気ガスを吸気通路に還流する操作(以下、これを低圧EGRという)が実行されるので、この低圧EGRにより導入される比較的低温で不活性な排気ガス(低圧EGRガス)の作用により、燃料の噴射終了から着火までの時間(着火遅れ時間)を十分に確保することができ、この着火遅れ時間の間に燃料と吸気との混合を促進することができる。これにより、噴射された燃料を吸気と十分に混合した後に自着火、燃焼させる(言い換えると過早着火を回避する)ことができ、適正な予混合圧縮着火燃焼を実現することができる。
しかも、低圧EGRが行われることにより、触媒を通過した後の排気ガス、つまりNOx、HC、HO、およびスート等の不純物が取り除かれた排気ガスが還流されるので、触媒を通過する前の(つまり多くの不純物を含む)排気ガスを還流する場合とは異なり、比較的比重が軽く空気(新気)と混じり易い排気ガスをEGRガスとして気筒に導入することができる。これにより、空気、EGRガス、および燃料噴霧の三者が比較的均一に混じり合った混合気、つまり予混合圧縮着火燃焼に適した混合気をつくり出すことができ、当該混合気を十分な着火遅れ時間の後に自着火、燃焼させることができる。
好ましくは、前記エンジンは、前記触媒よりも上流側の排気通路に設けられたタービンと前記電動過給機よりも上流側の吸気通路に設けられたコンプレッサとを含むターボ過給機をさらに備え、前記制御部は、前記低負荷域での運転中、前記ターボ過給機による過給圧が不足する第1の条件が成立した場合にのみ、前記第1の燃焼制御を実行する(請求項2)。
この構成によれば、ターボ過給機による過給圧が不足する状況に限って電動過給機が駆動されるので、電動過給機による電力の消費量を抑制することができる。逆に、電動過給機が駆動されないときは、ターボ過給機により空気(新気)および低圧EGRガスが気筒に圧送されるので、電動過給機に頼ることなく予混合圧縮着火燃焼に適した環境をつくり出すことができる。
前記構成において、より好ましくは、前記第1の条件は、前記低負荷域内で加速が要求された場合に成立する条件である(請求項3)。
エンジンの低負荷域内で加速が要求されたときは、ターボ過給機により迅速に過給圧を高めることは困難である。これに対し、低負荷域での加速要求時に電動過給機が駆動される当該構成によれば、過給圧を迅速に高めて過給圧不足を解消することができ、加速要求に見合った燃料を適正に予混合圧縮着火燃焼させることができる。
前記エンジン本体は、その出力軸が変速機を介して車輪に連結されていてもよい。この場合、好ましくは、前記第1の条件は、前記低負荷域内での加速要求が、前記変速機のギヤ段が所定の低ギヤ段にある状態でなされたときに成立する条件である(請求項4)。
変速機のギヤ段が低ギヤ段にあるときは、エンジン回転速度が変動し易く、要求される吸気量も変動し易いので、このような低ギヤ段が選択されている状態で加速が要求された場合には、ターボ過給機による過給圧が特に不足し易いといえる。これに対し、低ギヤ段選択中の加速要求時に電動過給機が駆動される当該構成によれば、過給圧を迅速に高めて過給圧不足を解消することができ、加速要求に見合った燃料を適正に予混合圧縮着火燃焼させることができる。
前記構成において、より好ましくは、前記制御部は、前記低負荷域での運転中に前記第1の条件が成立しなかった場合には、前記電動過給機を停止した状態で燃料を予混合圧縮着火燃焼させる第2の燃焼制御か、または、前記電動過給機による過給が実質的に行われない程度の低出力で前記電動過給機を駆動した状態で燃料を予混合圧縮着火燃焼させる第3の燃焼制御のいずれかを実行する(請求項5)。
この構成によれば、電動過給機が駆動される頻度もしくは期間を低減することができ、電力の消費量を抑制しつつ適正な予混合圧縮着火燃焼を行わせることができる。
前記構成において、より好ましくは、前記制御部は、前記低負荷域での運転中、前記変速機のギヤ段が前記低ギヤ段よりも高い高ギヤ段にあるという第2の条件が成立した場合に、前記第2の燃焼制御を実行する(請求項6)。
低負荷域での運転時であっても高ギヤ段が選択されている場合には、ターボ過給機による過給圧が安定的に確保されるので、電動過給機を駆動しなくても予混合圧縮着火燃焼を行うことが可能になる。これに対し、前記第2の燃焼制御によって電動過給機が停止される当該構成によれば、予混合圧縮着火燃焼が可能な環境を担保しつつ、電動過給機に無駄な電力が供給されるのを回避することができる。
前記構成において、より好ましくは、前記制御部は、前記低負荷域での運転中、前記変速機のギヤ段が前記低ギヤ段にありかつ加速が要求されていないという第3の条件が成立した場合に、前記第3の燃焼制御を実行する(請求項7)。
加速要求のない低負荷域での運転時(つまり低負荷域での定常運転時)に低ギヤ段が選択されている状況では、燃料の噴射量が安定しており要求される過給圧も低いので、やはり電動過給機による過給は不要である。ただし、低ギヤ段であるため、加速要求があったときにはエンジン回転速度が急増することが見込まれる。これに対し、前記第3の燃焼制御では、電動過給機が完全に停止されずに待機状態とされる(低出力で駆動される)ので、電動過給機による消費電力を抑制しつつ、加速要求があったときには電動過給機により迅速に過給圧を高めることができる。また、電動過給機を駆動状態と停止状態との間で頻繁に切り替える必要がなくなるので、突入電流(電動過給機を立ち上げる際に流れる大電流)が発生する頻度を低減することができ、電動過給機の耐久性を高めることができる。
好ましくは、前記制御部は、前記低負荷域での前記第1の燃焼制御を、前記エンジン本体の温度が所定の第1基準温度以上となる暖機状態のときだけでなく、前記エンジン本体の温度が前記第1基準温度未満でかつこれよりも低い第2基準温度以上となる冷機状態のときにも実行する(請求項8)。
エンジンが冷機状態にあるときは、暖機状態にあるときよりも、燃料の微粒化(気化または霧化)が阻害され易く、予混合圧縮着火燃焼を行うには不利である。これに対し、前記第1の燃焼制御により、低圧EGRを伴いながら電動過給機を駆動するようにした場合には、燃料の微粒化を十分に促進できるので、エンジンが冷機状態にあっても適正な予混合圧縮着火燃焼を実現することができる。そして、暖機状態および冷機状態の双方における低負荷域で前記第1の燃焼制御が実行される当該構成によれば、予混合圧縮着火燃焼を行う機会を十分に増やすことができ、エミッション性能を効果的に向上させることができる。
前記構成において、より好ましくは、前記電動過給機よりも下流側の吸気通路に設けられ、過給により昇温された吸気を冷却するインタークーラと、インタークーラをバイパスする吸気が流通するバイパス通路と、バイパス通路に設けられた開閉可能なバイパス弁とをさらに備え、前記制御部は、エンジンが前記冷機状態にありかつ前記低負荷域で運転されている場合に、前記バイパス弁を開く(請求項9)。
このように、冷機状態にあるエンジンの低負荷域において、エンジン本体に導入される吸気がインタークーラをバイパスするように制御した場合には、インタークーラの冷却により吸気が過度に低温になるのを防止することができ、燃料の着火性を向上させることができる。これにより、エンジンが冷機状態にありかつ低負荷域で運転されている場合でも、燃料を適正に予混合圧縮着火燃焼させることができる。
以上説明したように、本発明の過給ディーゼルエンジンによれば、低負荷域で安定した予混合圧縮着火燃焼を行うことができる。
本発明の一実施形態にかかる過給ディーゼルエンジンを概略的に示すシステム図である。 エンジンの制御系統を示すブロック図である。 エンジンの冷機時に使用される運転マップを示した図である。 エンジンの各運転領域で採用される燃料の噴射パターンの一例を示す図である。 冷機時の第1運転領域で行われる制御により実現される吸気の流れを説明するための図である。 冷機時の第2運転領域で行われる制御により実現される吸気の流れを説明するための図である。 エンジンの運転中の具体的な制御手順を示すフローチャートである。
(1)エンジンの全体構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる過給ディーゼルエンジンを概略的に示すシステム図である。本図に示されるエンジンは、走行用の動力源として車両に搭載された4サイクルのディーゼルエンジンであり、エンジン本体1と、エンジン本体1に導入される吸気が流通する吸気通路30と、エンジン本体1から排出された排気ガスが流通する排気通路50と、吸気通路30を流通する吸気を圧縮しつつエンジン本体1に送り出す過給装置60と、排気通路50の下流部を流通する比較的低圧の排気ガスを吸気通路30に還流する低圧EGR装置80と、排気通路50の上流部を流通する比較的高圧の排気ガスを吸気通路30に還流する高圧EGR装置90とを備えている。
エンジン本体1は、列状に並ぶ複数の気筒2(図1にはそのうちの1つのみが示される)を有する直列多気筒型のものであり、当該複数の気筒2が内部に形成されたシリンダブロック3と、各気筒2を上から閉塞するようにシリンダブロック3の上面に取り付けられたシリンダヘッド4と、各気筒2にそれぞれ往復動可能に挿入された複数のピストン5とを有している。なお、各気筒2の構造は同一であるため、以下では基本的に1つの気筒2のみに着目して説明を進める。
ピストン5の上方には燃焼室6が画成されている。この燃焼室6には、後述する燃料噴射弁15からの噴射により、軽油を主成分とする燃料が供給される。そして、供給された燃料が圧縮着火により燃焼し、その燃焼による膨張力で押し下げられたピストン5が上下方向に往復運動する。
ピストン5の下方には、エンジン本体1の出力軸であるクランク軸7が設けられている。クランク軸7は、ピストン5とコネクティングロッド8を介して連結され、ピストン5の往復運動(上下運動)に応じて中心軸回りに回転駆動される。
クランク軸7は、図外のトルクコンバータを介して自動変速機110(図2)と連結されている。当実施形態において、自動変速機110は、前進8段/後退1段から任意のギヤ段を達成可能な多段式の自動変速機(いわゆる8速AT)であり、例えば、遊星歯車機構と、遊星歯車機構による動力伝達経路およびギヤ比を切り替えるためのクラッチやブレーキ等を含む複数の摩擦締結要素と、各摩擦締結要素の締結/解放を切り替えるための油圧制御機構(バルブボディ)とを内蔵している。
気筒2の幾何学的圧縮比、つまりピストン5が上死点にあるときの燃焼室6の容積とピストン5が下死点にあるときの燃焼室の容積との比は、14以上20以下に設定されている。
シリンダブロック3には、クランク軸7の角度(クランク角)およびクランク軸7の回転速度(エンジン回転速度)を検出するクランク角センサSN1が設けられている。また、シリンダヘッド4には、エンジン本体1(シリンダブロック3およびシリンダヘッド4)の内部を流通する冷却水の温度(エンジン水温)を検出する水温センサSN2が設けられている。なお、水温センサSN2により検出されるエンジン水温は、請求項にいう「エンジン本体の温度」の一例に該当する。
シリンダヘッド4には、燃焼室6に開口する吸気ポート9および排気ポート10と、吸気ポート9を開閉する吸気弁11と、排気ポート10を開閉する排気弁12と、吸気弁11および排気弁12をクランク軸7の回転に連動して開閉駆動する動弁機構13,14とが設けられている。
シリンダヘッド4には、さらに、燃焼室6に燃料(軽油)を噴射する燃料噴射弁15が設けられている。燃料噴射弁15は、例えば、燃焼室6の天井面中央から放射状に燃料を噴射する多噴孔型の噴射弁である。なお、図示を省略するが、ピストン5の冠面には、燃料噴射弁15から噴射された燃料を受け入れるための凹部(キャビティ)が形成されている。
吸気通路30は、吸気中の異物を除去するエアクリーナ31と、エアクリーナ31からエンジン本体1に向けて延びる上流側吸気通路32と、上流側吸気通路32の下流端部が接続された所定容量の容器部33と、容器部33からエンジン本体1に向けて延びる下流側吸気通路34と、下流側吸気通路34の下流端部が接続された所定容量のサージタンク35と、容器部33とサージタンク35とを互いに連通するバイパス通路36と、サージタンク35と複数の気筒2の各吸気ポート9とを互いに連通する複数の独立吸気通路37(図1にはそのうちの1つのみが示される)とを有している。なお、吸気通路30における下流(上流)とは、吸気通路30を流通する吸気の流れ方向の下流(上流)のことであり、エンジン本体1に近い方が下流、エンジン本体1から遠い方が上流となる。
容器部33の内部には、過給装置60により圧縮された吸気を冷却するためのインタークーラ38が設けられている。インタークーラ38は、容器部33の内部を吸気の流れ方向に二分するように設けられている。すなわち、容器部33の内部には、インタークーラ38によって隔てられた2つの部屋33a,33bが形成されている。以下では、インタークーラ38の上流側の部屋33aを上流室、インタークーラ38の下流側の部屋33bを下流室と称する。
インタークーラ38は、図外のウォーターポンプから導入される冷却水との熱交換により吸気を冷却する水冷式の熱交換器である。過給装置60により圧縮されて昇温した吸気は、このインタークーラ38内を流通する冷却水との熱交換により冷却される。なお、インタークーラ38に導入される冷却水は、エンジンの冷却水が循環する冷却水回路とは独立した回路を介して導入される。また、インタークーラ用の冷却水回路にはラジエータが設けられており、このラジエータからの放熱により冷却水の温度が外気温と同等に維持されるようになっている。
図1および図2に示すように、下流側吸気通路34は、容器部33の下流室33bとサージタンク35とを互いに連通するように設けられている。この下流側吸気通路34の途中部には、開閉可能なスロットル弁42が設けられている。
バイパス通路36は、容器部33の上流室33aとサージタンク35とを互いに連通するように設けられている。言い換えると、バイパス通路36は、上流室33aから分岐して下流側吸気通路34と並列に延び、かつサージタンク35において下流側吸気通路34と合流するように設けられている。このバイパス通路36の途中部には、開閉可能なバイパス弁43が設けられている。
上流側吸気通路32は、その下流端の近傍が第1通路部32aと第2通路部32bとに分岐するように形成されている。第1通路部32aは後述する電動過給機61に通じる通路であり、第2通路部32bは電動過給機61をバイパスする通路である。これら第1通路部32aおよび第2通路部32bは、それぞれの下流端部が容器部33の上流室33aに連通している。第2通路部32bには、開閉可能な切替弁41が設けられている。
上流側吸気通路32の上流部であって後述するEGR通路81の接続口とエアクリーナ31との間の部分には、吸気通路30を通じてエンジン本体1に導入される空気(新気)の流量を検出するエアフローセンサSN3が設けられている。また、サージタンク35には、その内部の吸気の圧力を検出する吸気圧センサSN4が設けられている。
排気通路50は、複数の気筒2の各排気ポート10から延びる複数の独立排気通路51(図1にはそのうちの1つのみが示される)と、各独立排気通路51が集合した排気集合部52と、排気集合部52から下流側に延びる単管状の共通排気通路53とを有している。なお、排気通路50における下流(上流)とは、排気通路50を流通する排気ガスの流れ方向の下流(上流)のことであり、エンジン本体1から遠い方が下流、エンジン本体1に近い方が上流となる。
共通排気通路53には、排気ガスを浄化するための触媒55aを内蔵した触媒コンバータ55が設けられている。触媒55aには、例えば、排気ガス中のCOおよびHCを酸化して無害化する酸化触媒、排気ガス中のNOxを還元して無害化するNOx触媒、および排気ガス中のスート(煤)を捕集するDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)が含まれる。
過給装置60は、直列に配置された2つの過給機61,62を有している。過給機61は、電気エネルギーにより駆動される過給機(以下、電動過給機61という)であり、過給機62は、排気ガスのエネルギーにより駆動される過給機(以下、ターボ過給機62という)である。
ターボ過給機62は、排気通路50を流通する排気ガスにより回転駆動されるタービン73と、タービン73と連動して回転可能に設けられ、吸気通路30を流通する吸気を圧縮するコンプレッサ74とを有している。コンプレッサ74は、上流側吸気通路32における電動過給機61よりも上流側の部分に配置され、タービン73は、共通排気通路53における触媒コンバータ55よりも上流側の部分に配置されている。排気通路50には、タービン73をバイパスするためのバイパス通路75が設けられており、このバイパス通路75には開閉可能なウェストゲート弁76が設けられている。
電動過給機61は、電力の供給を受けて作動するモータ72と、モータ72により回転駆動されることで吸気を圧縮するコンプレッサ71とを有している。コンプレッサ71は、上流側吸気通路32の第1通路部32aに配置されている。言い換えると、コンプレッサ71は、上流側吸気通路32におけるターボ過給機62のコンプレッサ74と容器部33との間の部分に配置されている。電動過給機61のコンプレッサ71により圧縮された吸気は、第1通路部32aの下流端を通じて容器部33の上流室33aに吐出される。
低圧EGR装置80は、ターボ過給機62のタービン73および触媒コンバータ55(触媒55a)を通過した後の低圧の排気ガスを吸気通路30に還流する低圧EGRを行うためのものであり、排気通路50と吸気通路30とを接続する第1EGR通路81と、第1EGR通路81に設けられた第1EGRクーラ82および第1EGR弁83とを有している。
第1EGR通路81は、共通排気通路53における触媒コンバータ55よりも下流側の部分と、上流側吸気通路32におけるターボ過給機62のコンプレッサ74よりも上流側の部分とを互いに連通している。第1EGRクーラ82は、第1EGR通路81を通じて共通排気通路53から上流側吸気通路32に還流される排気ガス(低圧EGRガス)を冷却する熱交換器である。第1EGR弁83は、上流側吸気通路32に還流される低圧EGRガスの流量を調整するための開閉弁である。
高圧EGR装置90は、ターボ過給機62のタービン73に流入する前の高圧の排気ガスを吸気通路30に還流する高圧EGRを行うためのものであり、排気通路50と吸気通路30とを接続する第2EGR通路91と、第2EGR通路91に設けられた第2EGRクーラ92および第2EGR弁93とを有している。
第2EGR通路91は、共通排気通路53におけるタービン73よりも上流側の部分と吸気通路30のサージタンク35とを互いに連通している。第2EGRクーラ92は、第2EGR通路91を通じて共通排気通路53からサージタンク35に還流される排気ガス(高圧EGRガス)を冷却する熱交換器である。第2EGR弁93は、サージタンク35に還流される高圧EGRガスの流量を調整するための開閉弁である。
(2)制御系統
図2は、当実施形態のエンジンの制御系統を示すブロック図である。本図に示されるPCM100は、エンジンおよび自動変速機110を統括的に制御するためのマイクロプロセッサであり、周知のCPU、ROM、RAM等から構成されている。
PCM100には各種センサによる検出情報が入力される。具体的に、PCM100は、上述したクランク角センサSN1、水温センサSN2、エアフローセンサSN3、および吸気圧センサSN4と電気的に接続されており、これらのセンサによって検出された各種情報、例えばクランク角、エンジン回転速度、エンジン水温、吸気流量、吸気圧(過給圧)、およびインタークーラ38の水温等の情報が、それぞれPCM100に逐次入力される。
また、車両には、当該車両の走行速度(以下、車速という)を検出する車速センサSN5と、車両を運転するドライバーにより操作されるアクセルペダルの開度(以下、アクセル開度という)を検出するアクセルセンサSN6とが設けられており、これら車速センサSN5およびアクセルセンサSN6による検出情報もPCM100に逐次入力される。
PCM100は、上記各センサSN1〜SN6からの入力情報に基づいて種々の判定や演算等を実行しつつエンジンの各部を制御する。すなわち、PCM100は、燃料噴射弁15、切替弁41、スロットル弁42、バイパス弁43、電動過給機61用のモータ72、ウェストゲート弁76、第1EGR弁83、第2EGR弁93、および自動変速機110(詳しくはその油圧制御機構)と電気的に接続されており、上記演算の結果等に基づいてこれらの機器にそれぞれ制御用の信号を出力する。このようなPCM100は、請求項にいう「制御部」に相当する。
例えば、PCM50は、アクセルセンサSN6により検出されるアクセル開度および車速センサSN5により検出される車速等に基づいてエンジンの負荷(要求トルク)を算出し、算出した負荷と、クランク角センサSN1により検出されるエンジン回転速度とに基づいて、気筒2に噴射すべき燃料の量(目標噴射量)を決定し、決定した目標噴射量に一致する量の燃料が気筒2に噴射されるように燃料噴射弁15を制御する。
また、PCM100は、上記エンジン回転速度/負荷等に基づいて目標過給圧を設定するとともに、吸気圧センサSN4により検出される吸気圧(過給圧)がこの目標過給圧に一致するように、ウェストゲート弁76の開度や電動過給機61用のモータ72の回転等を制御する。
さらに、PCM100は、車速、エンジン負荷、およびエンジン回転速度等に基づいて、自動変速機110のギヤ段を適宜切り替えるとともに、車速とエンジン回転速度との関係から特定されるギヤ比に基づいて、現在達成されている自動変速機110のギヤ段を判定する。
(3)運転条件に応じた制御
図3は、エンジンの冷機時に使用される運転マップを示した図である。本図に示すように、エンジンの冷機時の運転マップには、燃焼形態が相違する3つの運転領域A1〜A3が規定されている。なお、ここでいう「冷機」とは、エンジンの冷却水の温度(エンジン水温)が0℃以上かつ60℃未満である状態のことをいう。0℃は、請求項にいう「第2基準温度」の一例であり、60℃は、請求項にいう「第1基準温度」の一例である。
図3の運転マップにおける各運転領域A1〜A3をそれぞれ第1運転領域A1、第2運転領域A2、第3運転領域A3とすると、第1運転領域A1は、エンジン負荷が基準負荷Yよりも低くかつエンジン回転速度が基準速度Zよりも低い低速かつ低負荷の領域であり、第2運転領域A2は、第1運転領域A1よりも回転速度または負荷のいずれかが高い高速または高負荷の領域であり、第3運転領域A3は、回転速度および負荷が共に最も低いアイドリング運転の領域である。なお、第1運転領域A1は、請求項にいう「低負荷域」の一例に該当する。以下、各運転領域に適用される燃焼形態等について順に説明する。
(3−1)第1運転領域
低速かつ低負荷の第1運転領域A1では、燃焼室6に噴射された燃料をその噴射の終了から遅れて着火させる予混合圧縮着火燃焼(以下、単に予混合燃焼ともいう)が行われる。この予混合燃焼のための制御として、第1運転領域A1では、PCM100によってエンジンの各部が次のように制御される。
燃料噴射弁15は、目標の着火時期よりも前に燃料噴射が終了するようなタイミングで燃焼室6に燃料を噴射する。例えば、図4(a)に示すように、燃料噴射弁15は、圧縮行程の後半の間に複数回に分けて燃料を噴射する。噴射された燃料は、噴射終了から着火までの期間である着火遅れの期間中、燃焼室6内の空気とある程度混合されて、その状態で自着火、燃焼する(予混合燃焼)。図4(a)には、当該燃焼による熱発生の波形を燃料の噴射パルスと併せて図示しており、この熱発生の波形は、いずれの噴射パルスとも重複していない。このことは、燃料の噴射終了から遅れて燃料が着火する予混合燃焼が行われていることを表している。なお、圧縮行程の後半とは、圧縮行程を前半と後半に2分した場合の後半、つまりBTDC(圧縮上死点前)90°CA〜0°CAの期間を意味する。
ウェストゲート弁76は全閉とされる。これにより、エンジン本体1から排出された排気ガスの全量がターボ過給機62のタービン73を通過し、このタービン73を通過する排気ガスのエネルギーによってターボ過給機62が回転駆動される。ただし、第1運転領域A1のような低速かつ低負荷の運転領域では、排気ガスのエネルギーがかなり低いため、ターボ過給機62(コンプレッサ74)による過給仕事は限られたものとなる。
電動過給機61は、ターボ過給機62による過給圧が不足する条件下で駆動され、それ以外の条件下で停止または待機状態とされる。なお、電動過給機61を駆動、停止、または待機状態とする条件の詳細については後述する。
電動過給機61の駆動時は、図5に示すように、モータ72がON状態(電力供給を受けて回転する状態)とされて、このモータ72によってコンプレッサ71が回転駆動される。このとき、上流側吸気通路32から導入される吸気の全量がコンプレッサ71を通過するように、切替弁41が全閉とされる。一方、電動過給機61の停止時には、モータ72がOFF状態(電力供給がカットされた状態)とされて、コンプレッサ71の回転が停止される。また、電動過給機61の待機状態では、コンプレッサ71による過給が実質的に行われない程度に低速でコンプレッサ71が回転駆動される。
第1EGR弁83は開弁され、第2EGR弁93は全閉とされる。すなわち、第1EGR弁83が開弁されることにより、第1EGR通路81を介した排気ガスの還流、つまりタービン73および触媒コンバータ55(触媒55a)を通過した後の低圧の排気ガスを第1EGR通路81を通じて吸気通路30に還流する低圧EGRが行われる。一方、第2EGR弁93は全閉とされるので、第2EGR通路91を介した排気ガスの還流、つまりタービン73に流入する前の高圧の排気ガスを第2EGR通路91を通じて吸気通路30に還流する高圧EGRは停止される。
バイパス弁43は開弁され、スロットル弁42は全閉とされる。これにより、吸気は専ら、容器部33の上流室33aおよびバイパス通路36を通じて(インタークーラ38をバイパスして)エンジン本体1に導入される(図5の矢印X1参照)。
(3−2)第2運転領域
高速または高負荷の第2運転領域A2では、予混合燃焼ではなく拡散燃焼が行われる。この拡散燃焼のための制御として、第2運転領域A2では、PCM100によってエンジンの各部が次のように制御される。
燃料噴射弁15は、目標の着火時期の前後に亘るようなタイミングで(言い換えると着火後も燃料噴射が継続されるようなタイミングで)燃料を噴射する。例えば、図4(b)に示すように、圧縮上死点よりも早いタイミングで少量の燃料を噴射するプレ噴射と、圧縮上死点を跨ぐかもしくは圧縮上死点よりも遅れたタイミングで比較的多量の燃料を噴射するメイン噴射とが実行される。なお、図4(b)ではプレ噴射の回数を2回としているが、このプレ噴射の回数は回転速度/負荷に応じて可変とされ、2回から1回に減らされる場合もある。さらに、プレ噴射が行われず、一連のメイン噴射のみによって全ての燃料が噴射される場合もある。
燃料噴射弁15から噴射された燃料は、メイン噴射が終了する前に、言い換えるとメイン噴射の開始からごく短時間が過ぎた時点で、自着火、燃焼する(拡散燃焼)。図4(b)には、当該燃焼による熱発生の波形を噴射パルスと併せて図示しており、この熱発生の波形は、メイン噴射の噴射パルスと重なっている。このことは、メイン噴射の途中で燃料が着火する拡散燃焼が行われていることを表している。
第2運転領域A2では、エンジン回転速度または負荷が高く、排気ガスのエネルギーが高いので、ターボ過給機62により過給を行うことができる。このため、電動過給機61による過給は不要である。すなわち、電動過給機61による過給を停止するべく、図6に示すように、モータ72がOFF状態とされ、また切替弁41が開かれる。
ウェストゲート弁76は、ターボ過給機62による過給圧が上限を超える条件下で開かれ、それ以外の条件下で全閉とされる。
スロットル弁42は開弁され、バイパス弁43は全閉とされる。これにより、同じく図6に示すように、吸気は専ら、インタークーラ38を通過するルートを通ってエンジン本体1に導入される(矢印X2参照)。これは、ターボ過給機62により圧縮された吸気をインタークーラ38により冷却するためである。
(3−3)第3運転領域
アイドリングの運転領域である第3運転領域A3でも、第2運転領域A2と同様に拡散燃焼が行われる。第2運転領域A2に比べて燃料の噴射量が大幅に少なくされる以外は基本的に第2運転領域A2と同様の制御となるので、その詳細な説明は省略する。
(4)具体的な制御手順
次に、エンジンの運転中にPCM100により行われる具体的な制御手順、特に冷機時の第1運転領域A1での制御手順について、図7のフローチャートを参照しつつ説明する。このフローチャートに示す制御は、イグニッション・オンによるエンジン始動が完了した後にスタートする。この制御がスタートすると、PCM100は、まずステップS1において、水温センサSN2により検出されるエンジン冷却水の温度(以下、エンジン水温Teという)が0℃以上60℃未満であるか否かを判定する。
上記ステップS1でYESと判定されてエンジン水温Teが0℃以上60℃未満であること(0℃<Te≦60℃)、つまりエンジンが冷機状態にあることが確認された場合、PCM100は、ステップS2に移行して、エンジンの現運転ポイントが図3に示した第1運転領域A1に含まれるか否かを判定する。すなわち、PCM100は、クランク角センサSN1により検出されるエンジン回転速度と、アクセルセンサSN6の検出値(アクセル開度)や車速センサSN5の検出値(車速)等から特定されるエンジン負荷(要求トルク)とに基づいて、現時点のエンジンの運転ポイントを図3のマップ上で特定し、当該マップ中の第1運転領域A1に現運転ポイントが含まれるか否かを判定する。
上記ステップS2でNOと判定されて現運転ポイントが第1運転領域A1に含まれていないこと、つまり、アイドリング運転の領域である第2運転領域A2か、あるいは高速または高負荷の領域である第3運転領域A3でエンジンが運転されていることが確認された場合、PCM100は、ステップS20に移行して、これら第2運転領域A2または第3運転領域A3に対応した制御を実行する。第2・第3運転領域A2,A3では、予混合燃焼ではなく拡散燃焼が行われる点が第1運転領域A1と大きく異なるが、その制御の概要は先の(3−2)および(3−3)で既に説明したとおりであるため、ここではその説明を省略する。
一方、上記ステップS2でYESと判定されて現運転ポイントが第1運転領域A1に含まれることが確認された場合、PCM100は、ステップS3に移行して、ウェストゲート弁76を全閉にする。これにより、エンジン本体1から排出された排気ガスは、その全量がターボ過給機62のタービン73に導入されることになる。
次いで、PCM100は、ステップS4に移行して、自動変速機110の現ギヤ段が1〜4速であるか否かを判定する。すなわち、PCM100は、車速センサSN5により検出される車速とクラン角センサにより検出されるエンジン回転速度との関係から現時点のギヤ比(減速比)を算出し、算出したギヤ比に基づいて、1〜4速のいずれかのギヤ段が自動変速機110にて達成されているか否かを判定する。なお、当実施形態の自動変速機110は8速ATであるから、1〜4速というギヤ段は、最高段数(=8)の半分以下の低ギヤ段ということができる。
上記ステップS4でYESと判定されて自動変速機110の現ギヤ段が1〜4速のいずれかであることが確認された場合、PCM100は、ステップS5に移行して、加速要求があるか否かを判定する。例えば、PCM100は、現車速を維持するのに必要なアクセル開度よりも所定量以上高いアクセル開度が検出されたときに、加速要求があると判定する。ただし、第1運転領域A1を超えて一気に第2運転領域A2に移行するような高いアクセル開度が検出されたときは、そもそも第1運転領域A1内での運転ではなくなり、上述したステップS2でNOと判定されるので、当該ステップS5での判定の適用外である。言い換えると、ステップS5では、運転ポイントが第1運転領域A1内で高負荷側に急変するようなアクセル開度の増大が検出された場合(例えば図3の矢印Wに示すような運転ポイントの変化が見られた場合)にYESと判定される。
上記ステップS5でYESと判定されて第1運転領域A1内での加速要求があることが確認された場合、PCM100は、ステップS6に移行して、切替弁41を全閉にする。これにより、上流側吸気通路32を流通する吸気は、その全量が電動過給機61のコンプレッサ71に導入される。
次いで、PCM100は、ステップS7に移行して、電動過給機61のモータ72を駆動してコンプレッサ71に過給を行わせる。なお、このときのモータ72への電力供給は、吸気量が不足する加速初期ほど電動過給機61(コンプレッサ71)による過給圧が高くなるように調整される。
次いで、PCM100は、ステップS8に移行して、バイパス弁43を開くとともに、スロットル弁42を全閉にする。これにより、図5の矢印X1に示すように、電動過給機61により圧縮された吸気が容器部33の上流室33aおよびバイパス通路36を通じてエンジン本体1へと導入される。すなわち、この場合においてエンジン本体1に導入される吸気は、インタークーラ38により冷却されていない(インタークーラ38をバイパスした)吸気である。
次いで、PCM100は、ステップS9に移行して、第1EGR弁83を開くとともに、第2EGR弁93を全閉にする。これにより、第1EGR通路81を通じた排気ガスの還流(低圧EGR)が実現される一方、第2EGR通路91を通じた排気ガスの還流(高圧EGR)が禁止される。低圧EGRにより還流される排気ガスつまり低圧EGRガスは、タービン73および触媒コンバータ55を通過した後の圧力の低い排気ガスであるが、電動過給機61による過給に伴い上流側吸気通路32の圧力は負圧になっているため、上記低圧EGRガスは問題なくこの上流側吸気通路32に還流される。PCM100は、低圧EGRの実行中、エンジンの運転状態に応じた適切な量の低圧EGRガスが還流されるように、第1EGR弁83の開度を調整する。
次いで、PCM100は、ステップS10に移行して、目標の着火時期よりも前に燃料噴射が終了するように予め定められたタイミングで燃料噴射弁15から燃焼室6に燃料を噴射させる。噴射された燃料は、電動過給機61により圧送された流動性の高い吸気(空気およびEGRガス)と混合されながら微粒化し、噴射終了から所定の着火遅れの後に自着火、燃焼する(予混合燃焼)。
次に、上記ステップS5でNOと判定された場合、つまり第1運転領域A1内での加速要求がなかった場合の制御について説明する。ここでのNO判定は、換言すれば、自動変速機110の現ギヤ段として1〜4速の低ギヤ段が達成されており、かつエンジンが第1運転領域A1内で定常運転されていることが確認されたことを意味する。この場合、PCM100は、ステップS11に移行して、切替弁41を全閉にする。これにより、上流側吸気通路32を流通する吸気は、その全量が電動過給機61のコンプレッサ71に導入される。
次いで、PCM100は、ステップS12に移行して、電動過給機61を待機状態にする。詳しくは、PCM100は、電動過給機61のモータ72を最小限の出力で駆動してコンプレッサ71を低速で回転させる。このような低速でのコンプレッサ71の回転は、吸気を圧縮する作用をもたらすことはなく、実質的な過給仕事は行われない。
上記ステップS12以降、PCM100は、上述したステップS8〜S10と同様の制御を実行する。すなわち、バイパス弁43の開弁によってインタークーラ38をバイパスする吸気の流れを形成し(ステップS8)、第1EGR弁83の開弁によって低圧EGRを実行し(ステップS9)、さらに、予混合燃焼を実現し得る適宜のタイミングで燃料噴射弁15から燃料を噴射させる(ステップS10)。
なお、ここでは電動過給機61が待機状態とされるため、電動過給機61による過給は期待できないが、第1運転領域A1でエンジンが定常運転されているときは、ターボ過給機62の過給によって所要量の低圧EGRガスを燃焼室6に導入することができ、これによって予混合燃焼が可能な筒内環境を実現することができる。すなわち、第1運転領域A1での定常運転中は、タービン73での冷却損失が少なく、上流側吸気通路32が負圧化する程度にはターボ過給機62が過給をしている(つまりコンプレッサ74による過給が実質的に行われる程度の十分なエネルギーが排気ガスからタービン73に付与される)ので、このターボ過給機62の過給により、第1EGR通路81を通じて燃焼室6に低圧EGRガスが導入され、低圧EGRが実現される。上記のように電動過給機61が待機状態とされても予混合燃焼が可能なのはそのためである。
次に、上記ステップS4でNOと判定された場合、つまり現ギヤ段が1〜4速でなかった場合の制御について説明する。ここでのNO判定は、換言すれば、自動変速機110の現ギヤ段として5〜8速の高ギヤ段が達成されており、かつエンジンが第1運転領域A1内で運転されている(ただし加速/定常は問わない)ことが確認されたことを意味する。この場合、PCM100は、ステップS13に移行して、切替弁41を開く。これにより、上流側吸気通路32を流通する吸気は、主にコンプレッサ71をバイパスする第2通路部32bを通って容器部33の上流室33aに導入される。
次いで、PCM100は、ステップS14に移行して、電動過給機61のモータ72への電力供給をカットすることにより、電動過給機61による過給を停止させる。
上記ステップS14以降、PCM100は、上述したステップS8〜S10と同様の制御を実行する。すなわち、バイパス弁43の開弁によってインタークーラ38をバイパスする吸気の流れを形成し(ステップS8)、第1EGR弁83の開弁によって低圧EGRを実行し(ステップS9)、さらに、予混合燃焼を実現し得る適宜のタイミングで燃料噴射弁15から燃料を噴射させる(ステップS10)。
なお、ここでは電動過給機61による過給が完全に停止されているが、5〜8速という高ギヤ段が選択されていることから、車速が比較的高く、エンジンに加わる負荷も比較的高いといえる。しかも、高ギヤ段であるため、エンジン回転速度の変動も穏やかである。このことは、ターボ過給機62による過給圧が安定的に確保されて十分な量の低圧EGRガスが導入されることを意味する。上記のように電動過給機61が停止された状態でも予混合燃焼が可能なのはそのためである。
次に、上記ステップS1でNOと判定された場合、つまりエンジン水温Teが0℃以上60℃未満の範囲にないことが確認された場合の制御について説明する。この場合、PCM100は、ステップS21に移行して、エンジン水温Teが0℃未満であるか否かを判定する。
上記ステップS21でYESと判定されてエンジン水温Teが0℃未満であること(Te<0℃)が確認された場合、PCM100は、エンジンが極冷機状態にあると認識し、ステップS22においてこの極冷機状態に対応した制御(以下、極冷間制御という)を実行する。詳細は省略するが、この極冷間制御では、エンジンの全ての運転領域において、燃料を拡散燃焼させるモードによる運転が行われる。すなわち、上記ステップS1〜S20に示した冷機状態に対応した制御(冷間制御)と異なり、極冷間制御では、予混合燃焼モードにより運転される領域は存在しない。また、極冷間制御では、少なくともエンジンの低負荷域において、低圧EGRではなく高圧EGRが実行される。すなわち、第2EGR弁93が開かれる(第1EGR弁83が全閉とされる)ことにより、タービン73に流入する前の高温かつ高圧の排気ガスが第2EGR通路91を通じて吸気通路30に還流される。これは、極冷機状態という非常に低温な環境下で着火性を確保するためである。
一方、上記ステップS21でNOと判定されてエンジン水温Teが60℃以上であること(Te≧60℃)が確認された場合、PCM100は、エンジンが暖機状態にあると認識し、ステップS23においてこの暖機状態に対応した制御(以下、温間制御という)を実行する。なお、この温間制御の内容は、上記ステップS1〜S20に示した冷機状態に対応した制御(冷間制御)と大きく変わることはない。例えば、温間制御においても、冷間制御のときと同様、低速かつ低負荷の領域(上述した第1運転領域A1と同様の領域)で、予混合燃焼モードによる運転が行われる。この温間制御中の予混合燃焼モードでは、冷間制御中の予混合燃焼モードのときと同様に、一定の条件下で電動過給機61が駆動されるが、温間制御のときはターボ過給機62による過給が効き易くなるので、電動過給機61による過給仕事は冷間制御のときよりも幾分減らすことができる。また、温間制御中に予混合燃焼を行うときには、全ての吸気がインタークーラ38をバイパスすると吸気温度が過度に高くなるので、スロットル弁42およびバイパス弁43を用いてインタークーラ38を通過する吸気の流量を調整する(それによって吸気温度を調整する)制御が実行される。
(5)作用効果等
以上説明したとおり、当実施形態では、冷機状態にあるエンジンが低速かつ低負荷の第1運転領域A1で運転されているときに、当該運転領域A1内で加速が要求されたという条件(以下、これを第1の条件という)が成立した場合に、電動過給機61による過給下で燃料を予混合燃焼させる制御、詳しくは、電動過給機61のモータ72を駆動して吸気を過給するとともに、第1EGR弁83を開いて低圧EGRを行い、さらに、燃焼室6に噴射された燃料がその噴射終了から遅れて着火するような所定のタイミングで燃料噴射弁15から燃料を噴射する制御(以下、これを第1の燃焼制御という)が実行される。このような構成によれば、エンジン冷機時の第1運転領域A1において燃料を安定的に予混合燃焼させることができるという利点がある。
上記第1の条件の成立時、つまり負荷および回転速度が低い第1運転領域A1内で加速が要求されたときには、適正な予混合燃焼を行うのに必要な吸気量が急増する一方で、ターボ過給機62による過給圧が不足しがちである。このため、仮に電動過給機61による過給が行われなかった場合には、吸気量を要求通りに増大させることができず、予混合燃焼を行うことが困難になると考えられる。特に、エンジンが冷機状態にあるときは、液滴のまま燃焼室6の壁面に付着する燃料が多くなり易く、燃料と吸気との混合が十分に進まないことが多い。このことは、冷機状態での予混合燃焼が阻害される大きな要因となっていた。
これに対し、上記実施形態では、エンジンが冷機状態にあり、かつターボ過給機62による過給圧が不足し易い条件(第1の条件)のときに、電動過給機61が駆動されて吸気が過給されるので、十分な量の吸気を燃焼室6に加圧しつつ導入することができ、燃焼室6の流動性を高めることができる。これにより、燃焼室6に噴射された燃料の微粒化(気化または霧化)が促進されるとともに、圧縮端温度(圧縮上死点における燃焼室6の内部温度)が上昇するので、微粒化した燃料を十分に吸気と混合した後に高温下で自着火させることができ、適正な予混合燃焼を実現することができる。
また、上記のような電動過給機61による過給に加えて、タービン73および触媒コンバータ55を通過した後の排気ガスを吸気通路30に還流する低圧EGRが実行されるので、この低圧EGRにより導入される比較的低温で不活性な排気ガス(低圧EGRガス)の作用により、燃料の噴射終了から着火までの時間(着火遅れ時間)を十分に確保することができ、この着火遅れ時間の間に燃料と吸気との混合を促進することができる。これにより、噴射された燃料を吸気と十分に混合した後に自着火、燃焼させる(言い換えると過早着火を回避する)ことができ、適正な予混合燃焼を実現することができる。
しかも、低圧EGRの場合は、触媒コンバータ55を通過した後の排気ガス、つまりNOx、HC、HO、およびスート等の不純物が取り除かれた排気ガスが還流されるので、触媒コンバータ55を通過する前の(つまり多くの不純物を含む)排気ガスを還流する高圧EGRとは異なり、比較的比重が軽く空気(新気)と混じり易い排気ガスをEGRガスとして燃焼室6に導入することができる。これにより、空気、EGRガス、および燃料噴霧の三者が比較的均一に混じり合った混合気、つまり予混合燃焼に適した混合気をつくり出すことができ、当該混合気を十分な着火遅れ時間の後に自着火、燃焼させることができる。
また、上記実施形態では、第1運転領域A1内で加速が要求されたことに加えて、自動変速機110のギヤ段が1〜4速の低ギヤ段にあることが確認された場合(つまり図7のステップS4,S5で共にYESと判定された場合)に、上記第1の条件が成立したと判定され、これに伴って上記第1の燃焼制御(電動過給機61を駆動しつつ燃料を予混合燃焼させる制御)が実行される。このような構成によれば、特に過給圧が不足し易い状況に限って電動過給機61を駆動することができ、電動過給機61による電力の消費量を抑制することができる。
すなわち、第1運転領域A1での運転時における自動変速機110のギヤ段が低ギヤ段ではなく高ギヤ段(5〜8速)である場合には、車速が比較的高く、エンジンに加わる負荷も比較的高いといえる。しかも、高ギヤ段であるため、エンジン回転速度の変動も穏やかである。このような状況では、ターボ過給機62による過給圧が安定的に確保されるので、電動過給機61による過給圧は必須ではない。このとき、仮に高圧EGRが実行されていたとすると、タービン73に導入される前の排気ガスが吸気通路30に還流されてタービン73に付与される排気ガスのエネルギーが減少するため、ターボ過給機62による過給圧を確保できなくなるが、上記実施形態では、高圧EGRではなく低圧EGR(タービン73を通過した後の排気ガスの還流)が実行されるので、このような事態を招くことなく安定したターボ過給機62の過給圧を確保することができる。
一方、自動変速機110のギヤ段が低ギヤ段である場合には、エンジン回転速度の変動が激しいので、上記実施形態のように高圧EGRではなく低圧EGRを選択したとしても、特に加速要求時にはターボ過給機62による過給圧が不足し易い。これに対し、上記実施形態では、第1運転領域A1内で加速が要求されかつ自動変速機110のギヤ段が低ギヤ段にある場合、つまりエンジン回転速度の急増が予想される場合に、電動過給機61を駆動しつつ燃料を予混合燃焼させる上記第1の燃焼制御が実行されるので、上記のような過給圧の不足を電動過給機61により迅速に(高応答に)補うことができ、適正な予混合燃焼を実現することができる。
逆に、自動変速機110のギヤ段が高ギヤ段である等により、上記第1の条件が非成立となった場合には、電動過給機61による過給が行われないので、電動過給機61による消費電力を抑制することができる。
具体的に、上記実施形態では、エンジンの冷機時に上記第1の条件が非成立であった場合に、電動過給機61が停止されるかまたは待機状態とされ、かつその状態で燃料が予混合燃焼される。より詳しくは、第1運転領域A1での運転中に、自動変速機110のギヤ段が高ギヤ段にあるという条件(以下、これを第2の条件という)が成立した場合に、電動過給機61を停止した状態で燃料を予混合燃焼させる制御(以下、これを第2の燃焼制御という)が実行され、エンジンが第1運転領域A1で定常運転されており(つまり加速が要求されておらず)、かつ自動変速機110のギヤ段が低ギヤ段にあるという条件(以下、これを第3の条件という)が成立した場合に、電動過給機61による過給が実質的に行われない程度の低出力で電動過給機61を駆動し、かつその状態で燃料を予混合燃焼させる制御(以下、これを第3の燃焼制御という)が実行される。このような構成によれば、電動過給機61が駆動される頻度もしくは期間を低減することができ、電力の消費量を抑制しつつ適正な予混合燃焼を行わせることができる。
例えば、上記第2の条件が成立する状況、つまり第1運転領域A1での運転時に高ギヤ段が選択されている状況(図7のステップS4でNO)では、ターボ過給機62による過給圧が安定的に確保されるので、電動過給機61を駆動しなくても予混合燃焼を行うことが可能になる。これに対し、上記第2の燃焼制御では、電動過給機61が停止された状態で予混合燃焼が行われるので、電動過給機61に無駄な電力が供給されるのを有効に回避することができる。
一方、上記第3の条件が成立する状況、つまり第1運転領域A1での定常運転時に低ギヤ段が選択されている状況(図7のステップS5でNO)では、燃料の噴射量が安定しており要求される過給圧も低いので、やはり電動過給機61による過給は不要である。ただし、低ギヤ段であるため、加速要求があったときにはエンジン回転速度が急増することが見込まれる。これに対し、上記第3の燃焼制御では、電動過給機61が完全に停止されずに待機状態とされる(低出力で駆動される)ので、電動過給機61による消費電力を抑制しつつ、加速要求があったときには電動過給機61により迅速に過給圧を高めることができる。また、電動過給機61をON状態とOFF状態との間で頻繁に切り替える必要がなくなるので、突入電流(電動過給機を立ち上げる際に流れる大電流)が発生する頻度を低減することができ、電動過給機61の耐久性を高めることができる。
また、上記実施形態では、エンジンが冷機状態にありかつ第1運転領域A1で運転されている場合に、エンジン本体1に導入される吸気がインタークーラ38をバイパスするように、バイパス弁43が開弁されかつスロットル弁42が全閉とされるので、インタークーラ38の冷却により吸気が過度に低温になるのを防止することができ、燃料の着火性を向上させることができる。これにより、冷機状態にあるエンジンの低負荷域(第1運転領域A1)において、燃料を適正に予混合燃焼させることができる。
なお、上記実施形態では、エンジンが第1運転領域A1で運転されているときに、燃料噴射弁15から噴射された全ての燃料が予混合燃焼するように、目標の着火時期よりも前に全ての燃料が噴射終了するようなタイミングで燃料を噴射したが、1サイクル中に噴射すべき燃料の大部分を予混合燃焼させることができればよく、必ずしも全ての燃料を目標の着火時期よりも前に噴射する必要はない。例えば、目標の着火時期よりも前に大部分の燃料を噴射して予混合燃焼させた上で、当該予混合燃焼の途中で(着火開始後に)少量の燃料を追加で噴射するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、エンジンが第1運転領域A1で運転されているときに自動変速機110のギヤ段が低ギヤ段(1〜4速)にある場合には、電動過給機61を完全に停止させるようにしたが、完全に停止させずに待機状態とし、過給が実質的に行われない程度の低出力で電動過給機61を駆動してもよい。
また、上記実施形態では、エンジンの出力軸(クランク軸7)にトルクコンバータを介して自動変速機110が連結された車両(AT車)に本発明を適用した例について説明したが、本発明が適用可能な車両はこれに限らず、例えばエンジンの出力軸に手動変速機が連結された車両(MT車)に本発明を適用することも当然に可能である。
1 エンジン本体
2 気筒
15 燃料噴射弁
30 吸気通路
36 バイパス通路
38 インタークーラ
43 バイパス弁
50 排気通路
55a 触媒
61 電動過給機
62 ターボ過給機
73 タービン
74 コンプレッサ
81 第1EGR通路(EGR通路)
83 第1EGR弁(EGR弁)
100 PCM(制御部)
110 自動変速機(変速機)
A1 第1運転領域(低負荷域)

Claims (9)

  1. 気筒および当該気筒に燃料を噴射する燃料噴射弁を含むエンジン本体と、
    前記気筒に導入される吸気が流通する吸気通路と、
    前記気筒から排出された排気ガスが流通する排気通路と、
    前記吸気通路に設けられ、電気エネルギーにより駆動されて吸気を過給する電動過給機と、
    前記排気通路に設けられた排気ガス浄化用の触媒と、
    前記触媒よりも下流側の排気通路と前記電動過給機よりも上流側の吸気通路とを連通するEGR通路と、
    前記EGR通路に設けられた開閉可能なEGR弁と、
    前記燃料噴射弁、電動過給機、およびEGR弁を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、エンジン負荷が所定の基準負荷よりも低い低負荷域での運転時に、前記電動過給機による過給下で燃料を予混合圧縮着火燃焼させる第1の燃焼制御として、前記電動過給機を駆動して吸気を過給するとともに、前記EGR弁を開いて前記EGR通路を通じた排気ガスの還流を行い、さらに、前記燃料噴射弁から前記気筒に噴射された燃料がその噴射の終了から遅れて着火するような所定のタイミングで前記燃料噴射弁に燃料を噴射させる制御を実行する、ことを特徴とする過給ディーゼルエンジン。
  2. 請求項1に記載の過給ディーゼルエンジンにおいて、
    前記触媒よりも上流側の排気通路に設けられたタービンと前記電動過給機よりも上流側の吸気通路に設けられたコンプレッサとを含むターボ過給機をさらに備え、
    前記制御部は、前記低負荷域での運転中、前記ターボ過給機による過給圧が不足する第1の条件が成立した場合にのみ、前記第1の燃焼制御を実行する、ことを特徴とする過給ディーゼルエンジン。
  3. 請求項2に記載の過給ディーゼルエンジンにおいて、
    前記第1の条件は、前記低負荷域内で加速が要求された場合に成立する条件である、ことを特徴とする過給ディーゼルエンジン。
  4. 請求項3に記載の過給ディーゼルエンジンにおいて、
    前記エンジン本体は、その出力軸が変速機を介して車輪に連結されており、
    前記第1の条件は、前記低負荷域内での加速要求が、前記変速機のギヤ段が所定の低ギヤ段にある状態でなされたときに成立する条件である、ことを特徴とする過給ディーゼルエンジン。
  5. 請求項4に記載の過給ディーゼルエンジンにおいて、
    前記制御部は、前記低負荷域での運転中に前記第1の条件が成立しなかった場合には、前記電動過給機を停止した状態で燃料を予混合圧縮着火燃焼させる第2の燃焼制御か、または、前記電動過給機による過給が実質的に行われない程度の低出力で前記電動過給機を駆動した状態で燃料を予混合圧縮着火燃焼させる第3の燃焼制御のいずれかを実行する、ことを特徴とする過給ディーゼルエンジン。
  6. 請求項5に記載の過給ディーゼルエンジンにおいて、
    前記制御部は、前記低負荷域での運転中、前記変速機のギヤ段が前記低ギヤ段よりも高い高ギヤ段にあるという第2の条件が成立した場合に、前記第2の燃焼制御を実行する、ことを特徴とする過給ディーゼルエンジン。
  7. 請求項6に記載の過給ディーゼルエンジンにおいて、
    前記制御部は、前記低負荷域での運転中、前記変速機のギヤ段が前記低ギヤ段にありかつ加速が要求されていないという第3の条件が成立した場合に、前記第3の燃焼制御を実行する、ことを特徴とする過給ディーゼルエンジン。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の過給ディーゼルエンジンにおいて、
    前記制御部は、前記低負荷域での前記第1の燃焼制御を、前記エンジン本体の温度が所定の第1基準温度以上となる暖機状態のときだけでなく、前記エンジン本体の温度が前記第1基準温度未満でかつこれよりも低い第2基準温度以上となる冷機状態のときにも実行する、ことを特徴とする過給ディーゼルエンジン。
  9. 請求項8に記載の過給ディーゼルエンジンにおいて、
    前記電動過給機よりも下流側の吸気通路に設けられ、過給により昇温された吸気を冷却するインタークーラと、
    インタークーラをバイパスする吸気が流通するバイパス通路と、
    バイパス通路に設けられた開閉可能なバイパス弁とをさらに備え、
    前記制御部は、エンジンが前記冷機状態にありかつ前記低負荷域で運転されている場合に、前記バイパス弁を開く、ことを特徴とする過給ディーゼルエンジン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009209809A (ja) * 2008-03-05 2009-09-17 Mazda Motor Corp エンジンの過給装置

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