JP6406419B1 - 過給機付エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの冷間時において、車両を加速させる際のエミッションを向上させる。【解決手段】電動式過給機制御手段(PCM100)は、エンジン1の冷間状態が推定又は検出され、かつ、加速要求が推定又は検出されたときには、電動式過給機18による過給圧を上昇させるべく該電動式過給機18を作動させるように構成されており、噴射制御手段(PCM100)は、上記冷間状態が推定又は検出され、かつ、上記加速要求が推定又は検出されたときには、加速開始後の燃料噴射開始時期を加速開始前の燃料噴射開始時期に対して遅角させるリタード燃焼制御を実行するように構成されている。【選択図】図10

Description

本発明は、過給機付エンジンに関する技術分野に属する。
従来より、排気通路に配設されたタービンと吸気通路に配設されたコンプレッサとを有するターボ過給機を備える過給機付エンジンが知られている。
例えば、特許文献1には、ターボ過給機に加えて、吸気通路に電動式過給機が設けられ、吸気温度に応じて上記電動式過給機によって過給される吸気の過給圧の大きさが決定されて、該決定された過給圧になるように上記電動式過給機が制御されるとともに、吸気温度が低いときには、上記過給圧が、吸気温度が高いときに比して相対的に高くなるように決定される過給機付エンジンが開示されている。
また、特許文献2には、大型のターボ過給機と小型のターボ過給機との2つのターボ過給機を備えたディーゼルエンジンが開示されている。
この特許文献2に記載のディーゼルエンジンでは、比較的低い幾何学的圧縮比での燃焼を実現するために、圧縮上死点よりも前に燃料噴射(前段噴射)を行った後、圧縮上死点又は圧縮上死点よりも後にも燃料噴射(メイン噴射)を行う燃料噴射制御をしている。
特開2010−180710号公報 特開2012−31844号公報
ところで、ディーゼルエンジンなどの圧縮着火を行うエンジンでは、特許文献2のように、圧縮上死点よりも前に燃料噴射を行うようにすると、メイン噴射よりも前に気筒内に予め火種を形成しておくことができ、メイン噴射での着火性及び燃焼性の向上が可能となる。
一方で、エンジンの冷間時、すなわち筒内温度が低いときには、エンジンの温間時と比較すると、燃料の燃焼によって発生する排気ガスの温度が低く、ターボ過給機を作動させる排気エネルギーが低くなる。このため、ターボ過給機の回転数、すなわちターボ過給機による過給圧が上昇しにくく新気量が不足する。この結果、一般に燃料噴射量が多くなる、車両の加速時には、増加された燃料噴射量に対応するだけの量の新気を気筒内に導入できなくなって、スート(煤)が発生してしまう。つまり、特許文献2のような燃料噴射制御では、エンジンの冷間時における加速時にエミッションが悪化するおそれがある。
特許文献1に記載の電動式過給機を用いれば、過給圧を上昇させて、新気量を増加させることができるため、スートの抑制については期待できる。しかし、前段噴射による前段燃焼が圧縮上死点よりも前、すなわち圧縮行程中に発生するような、燃料制御を実行するものに対して、単純に新気量を増加させると、車両の加速時に大量の新気が気筒内に導入されて、メイン噴射によるメイン燃焼と同等の燃焼が圧縮行程中に発生するおそれがある。圧縮行程中にメイン燃焼と同等の燃焼が発生すると、ピストンの進行方向とは逆方向の力が該ピストンに入力されるため、ピストンの動作を鈍くしてしまう。また、新気量が増加した状態で、圧縮行程中に燃焼が発生することで、NOxが大量に発生するおそれがある。つまり、単に電動式過給機を備えているだけでは、エンジンの冷間時におけるエミッションは改善されない。よって、電動式過給機を利用して、エンジンの冷間時におけるエミッションを改善させるという観点からは改良の余地がある。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジンの冷間時において、車両を加速させる際のエミッションを向上させることにある。
上記課題を解決するために、本発明は、気筒内に設けられたピストンを有するエンジン本体と、該エンジン本体に接続された吸気通路及び排気通路と、該排気通路に配設されたタービンと該吸気通路に配設されたコンプレッサとを有するターボ過給機と、上記吸気通路における上記コンプレッサよりも下流側に設けられ、モータの駆動力によって駆動する電動式過給機とを備え、車両に搭載される過給機付エンジンを対象にして、上記気筒内に供給する燃料を噴射するよう構成された燃料噴射弁と、上記車両の加速要求の有無を推定又は検出する手段と、上記エンジンが冷間状態にあるか否かを推定又は検出する手段と、上記電動式過給機の作動を制御する電動式過給機制御手段と、上記燃料噴射弁による燃料噴射を制御する噴射制御手段とを更に備え、上記電動式過給機制御手段は、上記冷間状態が推定又は検出され、かつ、上記加速要求が推定又は検出されたときには、上記電動式過給機による過給圧を上昇させるべく該電動式過給機を作動させるように構成されており、上記噴射制御手段は、上記冷間状態が推定又は検出され、かつ、上記加速要求が推定又は検出されたときには、加速開始後の燃料噴射開始時期を加速開始前の燃料噴射開始時期に対して遅角させるリタード燃焼制御を実行するように構成されている、ものとした。
この構成によると、電動式過給機が設けられているため、ターボ過給機によって過給圧を上昇させにくい状態であるエンジンの冷間時において、ターボ過給機のみでは不足する分の過給圧を電動式過給機によって補うことができる。これにより、冷間状態が推定又は検出され、かつ、加速要求が推定又は検出されたときには、電動式過給機によって過給圧を上昇させて新気量を増加させることで、燃料の着火性及び燃焼性を向上させることができる。
さらに、冷間状態が推定又は検出され、かつ、加速要求が推定又は検出されたときには、加速開始後の燃料噴射開始時期を加速開始直前の燃料噴射開始時期に対して遅角させるリタード燃焼制御を実行する。本発明のように、電動式過給機により新気量を増加させれば、増加させた新気によって圧縮端温度を適切な温度にすることができ、上記リタード燃焼制御を実行したときに、燃料の燃焼(熱発生)を圧縮上死点(TDC)よりも後にすることができる。つまり、電動式過給機による新気量の調整と上記リタード燃焼制御とを組み合わせることによって、圧縮上死点よりも前に燃料の燃焼が発生してしまうのを防止することができる。この結果、エンジンの冷間時における車両の加速時において、圧縮上死点よりも後に、燃料を適切に燃焼させることができる。これにより、増加された燃料に対応するだけの新気が気筒内に導入された状態で燃料が燃焼されるためスートの発生が抑制される。また、圧縮上死点よりも後、すなわち膨張行程で燃料を燃焼させることにより、燃焼温度を高くなるのを抑えることができ、NOxの発生を抑制することもできる。よって、エンジンの冷間時において、車両を加速させる際のエミッションを向上させることができる。
また、新気量を増加させてリタード燃焼制御を実行することで、燃料が燃焼して発生する排気ガスの流量が多くなるとともに、該排気ガスの温度が高くなって、排気エネルギーが高くなる。これにより、タービンの回転数を迅速に上昇させて、ターボ過給機による過給圧を迅速に上昇させることができる。この結果、エンジンの冷間時における、加速性を向上させることができるようになる。
上記過給機付エンジンの一実施形態では、上記噴射制御手段は、上記加速要求が推定又は検出されていないときには、圧縮上死点よりも前に前段燃焼が発生するように、該圧縮上死点よりも前に少なくとも1回燃料噴射を行う前段噴射と、上記圧縮上死点又は上記圧縮上死点よりも前に、上記前段噴射よりも燃料噴射量の多いメイン噴射とを実行すべく上記燃料噴射弁を制御するように構成されており、さらに上記噴射制御手段は、上記リタード燃焼制御では、上記前段噴射で噴射された燃料による前段燃焼及び上記メイン噴射で噴射された燃料によるメイン燃焼を共に上記圧縮上死点よりも後にすべく、当該前段噴射及びメイン噴射の燃料噴射開始時期を遅角させるように構成されている。
この構成によると、エンジンの冷間時における車両の加速時において、スート及びNOxの発生を抑制して、エミッションを向上させるという効果をより適切に得ることができる。
すなわち、冷間状態が推定又は検出されかつ加速要求が推定又は検出されたときには、電動式過給機による過給によって気筒内に導入される新気量が増加するため、前段噴射による前段燃焼が圧縮上死点よりも前に発生してしまうおそれがある。そこで、上記前段噴射で噴射された燃料による前段燃焼及び上記メイン噴射で噴射された燃料によるメイン燃焼を共に上記圧縮上死点よりも後にすべく、当該前段噴射及びメイン噴射の燃料噴射開始時期を遅角させる。これにより、圧縮上死点よりも前に前段燃焼が発生してしまうことが防止されて、圧縮上死点よりも後に、燃料を適切に燃焼させることができる。この結果、スート及びNOxの発生が抑制されて、エミッションを向上させることができる。
また、加速要求が推定又は検出されていないときに、圧縮上死点よりも前に前段噴射を実行するとともに、圧縮上死点又は圧縮上死点よりも後に、前段噴射よりも燃料噴射量の多いメイン噴射を実行することによって、加速要求のない定常走行時におけるエミッションの向上も図ることができる。すなわち、圧縮上死点よりも前に前段噴射を行うことにより、圧縮行程中に、燃料と筒内ガスとは、燃料噴霧のペネトレーションによりミキシングが促進される。これにより、筒内温度が比較的低くても燃焼が可能となって、前段燃焼が可能となり、メイン噴射よりも前に気筒内の温度を上昇させることができる。この結果、メイン噴射における着火性が向上されて、着火遅れによる熱発生の急上昇を防止することができ、NOxの発生を抑制することができる。また、NVH性能の向上にも寄与することができる。
上記過給機付エンジンにおいて、エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段を更に備え、上記電動式過給機制御手段は、上記冷間状態が推定又は検出され、かつ、上記エンジン回転速度検出手段により検出される検出エンジン回転速度が所定速度よりも低いときにおいて、上記加速要求が推定又は検出されたときには、上記電動式過給機による過給圧を上昇させるべく該電動式過給機を作動させるように構成されており、上記噴射制御手段は、上記冷間状態が推定又は検出され、かつ、上記検出エンジン回転速度が所定速度よりも低いときにおいて、上記加速要求が推定又は検出されたときには、上記リタード燃焼制御を実行するよう構成されている、ことが好ましい。
すなわち、エンジン回転速度が低いときには、ターボ過給機のタービンに与えられる排気エネルギーが低い。このため、エンジンの冷間時でかつエンジン回転速度が低いときに加速すると、筒内温度が低くかつ新気量が不足するため、大量のスートやNOxが発生してエミッションが悪化する。そこで、冷間状態が推定又は検出され、かつ、エンジン回転速度検出手段により検出された検出エンジン回転速度が所定速度よりも低いときにおいて、加速要求が推定又は検出されたときに、電動式過給機によって過給圧を上昇させるようにすることで、気筒内の圧縮端温度を確保して、気筒内での燃料の着火性及び燃焼性が向上させることで、スートやNOxの発生を抑制してエミッションを向上させるという効果を一層効果的に得ることができる。
上記検出エンジン回転速度が上記所定速度よりも低いときにリタード燃焼制御を実行する過給機付エンジンにおいて、上記吸気通路における上記電動式過給機よりも下流側の部分と上記排気通路における上記タービンよりも上流側の部分とを連通し、上記排気通路を流れる排気ガスの一部を上記吸気通路に還流可能なEGR通路と、上記EGR通路内に設けられ、上記EGR通路を通って上記吸気通路に還流される排気ガスの流量を調整するEGR弁とを更に備え、上記EGR弁は、上記冷間状態が推定又は検出されたときに開くように構成されている、ことが好ましい。
この構成によると、EGR通路が設けられ、上記冷間状態が推定又は検出されたときには、EGR弁が開くため、高温の排気ガスを気筒内に導入することができる。つまり、エンジンの冷間時において、気筒内での圧縮端温度を適切に確保することができ、気筒内での燃料の着火性を向上させることができる。
一方で、エンジンの冷間時における加速時においては、タービン側に排気エネルギーを与える必要があるが、EGR通路を介して吸気通路に排気ガスを還流させると、タービン与えられる排気エネルギーが一層減少するおそれがある。この点に対して、本発明では、冷間状態が推定又は検出され、かつ、検出エンジン回転速度が所定速度よりも低いときにおいて、加速要求が推定又は検出されたときには、電動式過給機による過給圧を上昇させる。これにより、吸気通路内の圧力が上昇され、排気通路と吸気通路との差圧が小さくなるため、EGR通路を介して吸気通路に還流される排気ガスの流量が減少する。この結果、タービンに向かう排気ガスの流量を増加させることができるため、加速時において、タービンの回転数を上昇させやすくすることができる。このことにより、エンジンの冷間時における車両の加速時において、加速性を向上させることができるようになる。
このとき、EGR量が減少することで、圧縮端温度の低下が懸念される。しかしながら、電動式過給機により新気量を増加させることによって、圧縮端温度の低下については防止することができる。また、増加させる新気量は調整可能であるため、圧縮端温度を適切な温度に維持することができ、燃焼温度が必要以上に上昇してしまうことを防止することができる。これにより、NOxを減少させることができ、エミッションを適切に向上させることができる。
上記過給機付エンジンにおいて、上記電動式過給機制御手段は、加速後期では、加速開始時に比べて、上記電動式過給機による過給圧を低くすべく該電動式過給機を作動させるように構成されている、ことが好ましい。
上述したように、電動式過給機による過給を利用するによって、ターボ過給機による過給圧を迅速に上昇させることができる。このため、加速後期においては、電動式過給機による過給圧を低くしたとしても、ターボ過給機による過給よって適切な量の新気を気筒内に導入することができる。これにより、電動式過給機を作動させるための電力の消費を抑えることができる。
上記過給機付エンジンにおいて、上記電動式過給機制御手段は、上記加速要求の推定又は検出の有無にかかわらず上記電動式過給機をパーシャル状態で作動させるように構成されている、ことが好ましい。
一般に、電動式過給機を停止状態から駆動させる際には大きな電力が必要となる。このため、加速要求信号を受けた車両の加速時に電動式過給機を駆動し、加速要求信号を受けていない車両の定常走行時に電動式過給機を停止するよりも、加速時及び定常走行時にかかわらず、電動式過給機をパーシャル状態で作動させるようにすれば、電動式過給機による過給圧を上昇させる際の電力消費を抑えることができる。
尚、「電動式過給機をパーシャル状態で作動させる」とは、電動式過給機の電動モータが最高トルクよりも低いトルクとなるように、電動式過給機が作動する、及び/又は、電動式過給機のコンプレッサホイールが限界回転数よりも低い回転数となるように、電動式過給機が作動することを意味するとしてもよい。電動式過給機をパーシャル状態で作動させると、電動モータの消費電力が低くなると共に、コンプレッサホイールの効率が高くなる。そして、ターボ過給機と電動式過給機との両方を備えた過給機付エンジンにおいて、電動式過給機を補助的に作動させることによって、電力消費を少なくすることができる。
以上説明したように、本発明によると、冷間状態が推定又は検出され、かつ、加速要求が推定又は検出されたときには、電動式過給機による過給圧を上昇させるとともに、加速開始後の燃料噴射開始時期を加速開始前の燃料噴射開始時期に対して遅角させるリタード燃焼制御を実行することによって、エンジンの冷間時において、車両を加速させる際のエミッションを向上させることができる。
本発明の実施形態に係る過給機付エンジンを示す概略図である。 過給機付エンジンの気筒内を示す断面図である。 過給機付エンジンの制御系を示すブロック図である。 電動式過給機の作動形態を示すマップである。 電動式過給機のコンプレッサ及び電動モータの特性を示す性能曲線グラフである。 予混合燃焼制御時の燃料の噴射形態の一例と、それに伴う熱発生率の履歴の一例を示す概略図である。 リタード燃焼制御の燃料の噴射形態の一例と、それに伴う熱発生率の履歴の一例を示す概略図である。 圧縮端温度に寄与する新気量と高圧EGR量との関係を示す概略図である。 当量比及び気筒内での燃焼温度と、スート及びNOxの発生との関係を示すマップである。 PCMによる燃料噴射制御の処理動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るエンジン1を示す。このエンジン1のエンジン本体10は、車両に搭載されるとともに、軽油を主成分とした燃料が供給されるディーゼルエンジンであって、複数の気筒30a(図2において1つのみ図示している)が設けられたシリンダブロック30と、このシリンダブロック30上に配設されたシリンダヘッド31と、シリンダブロック30の下側に配設され、潤滑油が貯留されたオイルパン39とを有している。このエンジン本体10の各気筒30a内には、ピストン32(図2参照)が往復摺動可能にそれぞれ嵌挿されていて、このピストン32と、シリンダブロック30と、シリンダヘッド31とによって燃焼室33(図2参照)が区画されている。ピストン32の頂面には、図2に拡大して示すように、ディーゼルエンジンでのリエントラント型のようなキャビティ32aが形成されている。キャビティ32aは、ピストン32が圧縮上死点付近に位置するときには、後述するインジェクタ38に相対する。また、ピストン32は、シリンダブロック30内においてコンロッドを介してクランクシャフトと連結されている。尚、燃焼室33の形状は、図示する形状に限定されるものではない。例えばキャビティ32aの形状、ピストン32の頂面形状、及び、燃焼室33の天井部の形状等は、適宜変更することが可能である。
図2に示すように、シリンダヘッド31には、気筒20a毎に、吸気ポート34及び排気ポート35が形成されているとともに、これら吸気ポート34及び排気ポート35には、燃焼室33側の開口を開閉する吸気弁36及び排気弁37がそれぞれ配設されている。
各吸気弁36は吸気側カム40によって開閉され,各排気弁37は排気側カム41によって開閉される。吸気側カム40及び排気側カム41は、上記クランクシャフトの回転と連動してそれぞれ回転駆動される。図示は省略するが、吸気弁36及び排気弁37のそれぞれの開閉タイミングや開閉期間を調整するための、例えば油圧作動式の弁可変機構が設けられている。
シリンダヘッド31にはまた、気筒30a毎に、気筒30a内に燃料を直接噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)38が取り付けられている。インジェクタ38は、図2に示すように、その噴口が燃焼室33の天井面の中央部分から、その燃焼室33内に臨むように配設されている。インジェクタ38は、エンジン1の運転状態に応じて設定された噴射タイミングでかつ、エンジン1の運転状態に応じた量の燃料を、燃焼室33内に直接噴射する。
図1に示すように、エンジン本体10の一側面には、各気筒30aの吸気ポート34に連通する様に吸気通路50が接続されている。一方、エンジン本体10の他側面には、各気筒30aからの既燃ガス(つまり、排気ガス)を排出する排気通路60が接続されている。詳しくは後述するが、吸気通路50及び排気通路60には、吸気の過給を行うターボ過給機56が設けられている。
吸気通路50の上流端部には、吸入空気を濾過するエアクリーナ54が配設されている。一方、吸気通路50における下流側近傍には、サージタンク51が配設されている。このサージタンク51よりも下流側の吸気通路50は、気筒30a毎に分岐する独立吸気通路52とされ、これら各独立吸気通路の下流端が各気筒30aの吸気ポート34にそれぞれ接続されている。
吸気通路50におけるエアクリーナ54とサージタンク51との間には、上流側から下流側へ向かって順に、ターボ過給機56のコンプレッサ56aと、電動式過給機18と、スロットル弁55と、熱交換器としての水冷式のインタークーラ57とが配設されている。スロットル弁55は基本的には全開状態とされるが、エンジン1の停止時には、ショックが生じないように全閉状態とされる。インタークーラ57は、例えば吸気マニホールド内に設けられる。
吸気通路50には、電動式過給機18をバイパスする吸気側バイパス通路53が設けられている。吸気側バイパス通路53は、その上流端が、吸気通路50におけるコンプレッサ56aと電動式過給機18との間に接続される一方、下流端が、吸気通路50における電動式過給機18とスロットル弁55との間に接続されている。吸気側バイパス通路53には、吸気側バイパス通路53へ流れる空気量を調整するための吸気側バイパス弁58が配設されている。この吸気側バイパス弁58の開度を調整することによって、電動式過給機18で過給される吸気量と、吸気側バイパス通路53を通る吸気量との割合を段階的に又は連続的に変更することができるようになる。
電動式過給機18は、吸気通路50内に設けられたコンプレッサホイール18aと、このコンプレッサホイール18aを駆動する電動モータ18bとから構成されている。電動モータ18bを駆動することによって、コンプレッサホイール18aが回転駆動されて、吸気の過給が行われる。つまり、電動式過給機18は、排気エネルギーを利用しない過給機である。電動式過給機18の過給圧能力(つまり、電動式過給機18による過給圧)は、電動モータ18bの駆動力を変更することで変更される。詳しくは後述するが、電動式過給機18は、エンジン1の作動中はパーシャル状態で作動されるようになっている。
電動モータ18bは、上記車両に搭載されたバッテリ19に蓄積された電力によって駆動される。電動モータ18bの駆動力の大きさは、該電動モータ18bに供給される電力の大きさによって変更される。バッテリ19には、例えば、車両に搭載されたオルタネータ(図示省略)によって発電された電力が蓄積される。バッテリ19は、例えば48Vバッテリとしてもよい。電動モータ18bは、48V電流が供給されて駆動してもよい。
上記インタークーラ57は、水冷式であって、ラジエータ90に対して、供給経路91及びリターン経路92を介して接続されている。供給経路91には、ウォータポンプ93が接続されている。ウォータポンプ93によって、供給経路91に吐出された冷媒としての冷却水は、供給経路91、インタークーラ57、リターン経路92及びラジエータ90を通って、再びウォータポンプ93に戻り、再度供給経路91に吐出されて、インタークーラ57へ供給される。そして、冷却水がインタークーラ57を通過するときに、該冷却水と吸気との間で熱交換されて、吸気が冷却される。インタークーラ57で温度が上昇した冷却水は、ラジエータ90で例えば大気と熱交換されて冷却される。
上記排気通路60の上流側の部分は、気筒30a毎に分岐して排気ポート37の外側端に接続された独立排気通路と該各独立排気通路が集合する集合部とを有する排気マニホールドによって構成されている。
この排気通路60における上記排気マニホールドよりも下流側には、上流側から順に、ターボ過給機56のタービン56bと、酸化触媒61と、ディーゼルパティキュレートフィルタ62(以下、DPF62という)と、排気シャッター弁64とが配設されている。
ターボ過給機56は、排気ガスのエネルギー(つまり、排気エネルギー)を受けて回転駆動されるものである。具体的には、ターボ過給機56のタービン56bが排気エネルギーを受けて回転駆動されると、連結シャフト56cを介してコンプレッサ56aが回転駆動されて、吸気の過給が行われる。排気通路60には、ターボ過給機56をバイパスするための排気側バイパス通路63が設けられている。この排気側バイパス通路63には、該排気側バイパス通路63へ流れる排気ガスの流量を調整するためのウエストゲートバルブ65が配設されている。ターボ過給機56はタービンケース(図示省略)内に収容されている。
ターボ過給機56は、タービンケース内に可動ベーンが配設された可変容量式のターボ過給機としてもよい。可動ベーンの開度を調整することによって、タービン56bを実質的にバイパスして排気ガスを流すことができるのであれば、排気側バイパス通路63及びウエストゲートバルブ65を省略することもできる。
酸化触媒61は、排気ガス中のCO及びHCが酸化されてCO及びHOが生成される反応を促すものである。また、DPF62は、エンジン1の排気ガス中に含まれるスート(煤)等の微粒子を捕集するものである。
排気シャッター弁64は、その開度を調整することで、排気通路60内の排気圧を調整することが可能な弁である。この排気シャッター弁64は、例えば、後述する低圧EGR通路70によって、排気通路60を流れる排気ガスの一部を吸気通路50に還流させる際に、排気通路60内の排気圧を高めるために利用される場合がある。
このエンジン1は、NOxを浄化するための触媒を備えていない。但し、本発明は、NOxを浄化するための触媒を備えたエンジンに適用することを排除しない。
本実施形態では、吸気通路50と排気通路60とに接続され、排気通路60を流れる排気ガスの一部を吸気通路50に還流可能な低圧EGR通路70及び高圧EGR通路80が設けられている。
高圧EGR通路80は、吸気通路50におけるインタークーラ57とサージタンク51との間の部分(つまり、電動式過給機18よりも下流側の部分)と、排気通路60における上記排気マニホールドとターボ過給機56のタービン56bとの間の部分(つまり、ターボ過給機56のタービン56bよりも上流側の部分)とに接続されている。高圧EGR通路80内には、該高圧EGR通路80を通って吸気通路50に還流される排気ガス(以下、高圧EGRガスという)の流量を調整する電磁式の高圧EGR弁82が設けられている。該高圧EGR弁82は、その開度を調整することによって、高圧EGRガスの流量を調整するように構成されている。
一方で、低圧EGR通路70は、吸気通路50におけるエアクリーナ54とターボ過給機56のコンプレッサ56aとの間の部分(つまり、ターボ過給機56のコンプレッサ56aよりも上流側の部分)と、排気通路60におけるDPF62と排気シャッター弁64との間の部分とに接続されている。低圧EGR通路70には、該低圧EGR通路70を通って吸気通路50に還流される排気ガス(以下、低圧EGRガスという)を冷却するEGRクーラ71と、低圧EGRガスの流量を調整する電磁式の低圧EGR弁72とが設けられている。該低圧EGR弁72は、高圧EGR弁82と同様に、その開度を調整することによって、低圧EGRガスの流量を調整するように構成されている。
上述のように構成されたエンジン1は、図3に示すように、パワートレイン・コントロール・モジュール(以下、PCMという)100によって制御される。PCM100は、CPU、メモリ、カウンタタイマ群、インターフェース及びこれらのユニットを接続するパスを有するマイクロプロセッサで構成されている。PCM100には、図3に示すように、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサSW1、ターボ過給機56による過給圧を検出する過給圧センサSW2、吸気温度を検出する吸気温度センサSW3、排気温度を検出する排気温度センサSW4、上記クランクシャフトの回転角を検出するクランク角センサSW5、車両のアクセルペダル(図示省略)の操作量に対応したアクセル開度を検出するアクセル開度センサSW6、車両の車速を検出する車速センサSW7、及び、ターボ過給機56のタービン56bの回転数を検出するタービン回転数検出センサSW8からの検出信号が入力される。
PCM100は、クランク角センサSW5の検出結果からエンジン1のエンジン回転速度及びエンジン回転数を算出し、アクセル開度センサSW6の検出結果からエンジン負荷を算出する。つまり、クランク角センサSW5はエンジン回転速度検出手段に相当する。また、PCM100は、水温センサSW1の検出温度が所定温度Tcよりも低いときに、気筒30a内の温度が低い、エンジン1の冷間状態であると判定し、アクセル開度センサSW4で検出されたアクセル開度に基づいて、車両の運転者の加速要求の有無を判定する。つまり、水温センサSW1は冷間状態検出手段に相当し、アクセル開度センサSW4は加速要求検出手段に相当する。
PCM100は、入力された検出信号に基づいて、インジェクタ38、電動モータ18b、各種の弁55,58,64,65,72,82のアクチュエータへ制御信号を出力する。つまり、PCM100は、電動式過給機18の作動を制御する電動式過給機制御手段、及びインジェクタ38による燃料噴射を制御する噴射制御手段を構成する。
こうして、エンジン1は、その幾何学的圧縮比を12以上16以下とした、比較的低圧縮比となるように構成されており、これによってエミッション性能の向上及び燃焼効率の向上を図るようにしている。このエンジン1では、ターボ過給機56及び電動式過給機18による新気量の調整によって、低圧EGRガス及び高圧EGRガスの調整と、幾何学的圧縮比の低圧縮比化を補っている。
(電動式過給機の制御の概要)
次に、PCM100による電動式過給機18の制御について説明する。図4には、電動式過給機18の制御の態様を示す。本実施形態では、PCM100は、基本的には、エンジン本体10の運転中は電動式過給機18を常時回転させるようにしているが、図4に示すように、水温センサSW1によって検出されるエンジン冷却水の温度と、クランク角センサSW5によって検出されるエンジン1の回転速度とに基づいて、電動式過給機18の回転数(すなわち過給圧)を制御している。具体的には、低水温ないしエンジン低速の領域が最も回転数が高く、そこから、高水温又はエンジン高速となるに連れて、回転数を減少させるように制御する。
また、本実施形態では、水温が80℃以上になるか、又はターボ過給機56のコンプレッサ56aの圧力比が1.2以上になるようなエンジン回転速度の領域においては、電動式過給機18をアイドル回転状態にするとともに、吸気側バイパスバルブ58を全開にして、該電動式過給機18による過給が、実質的に行われないようにする。このようにすれば、水温が80℃以上になるか又は上記圧力比が1.2以上になるエンジン回転の領域において、電動式過給機18の回転を止めることなく、ターボ過給機56によってのみ過給を行うようにすることができる。
上記のように、電動式過給機18を常時回転させることによって、後述するように、電動式過給機18によって過給圧を上昇させる際に、電動式過給機18を一時的に停止させて、必要な場面で駆動させるようなオン−オフの制御を行うよりも、電動式過給機18(厳密には、電動式過給機18を作動させるための電動モータ18b)を効率的に作動させることができる。また、エンジン水温に応じて、電動式過給機18の回転数を変更することによって、後述するように、電動式過給機18による過給圧を上昇させる際に、速やかに過給圧を上昇させることができるようになる一方で、電力消費をできるだけ少なくすることが可能になる。
図5には、電動式過給機18の特性を表す性能曲線を示している。図5の上図は電動式過給機18のコンプレッサホイール18aの特性を示す性能曲線グラフであり、縦軸は電動式過給機18の圧力比(つまり、下流側の圧力に対する上流側の圧力の比)、横軸は吐出流量である。図5の上図において、曲線LLは回転限界ライン、直線SLはサージライン、直線CLはチョークラインを表している。これらのラインで囲まれた領域が電動式過給機18の運転可能領域である。この領域の中央側に位置するほど電動式過給機18の運転効率が高くなる。
電動式過給機18は、ターボ過給機56を補助すると共に、気筒30a内に導入する新気量の調整を目的として使用するため、図5の上図にメッシュで示すような、回転限界ラインから離れた領域内において、エンジン冷却水の水温とエンジン回転数とに応じて、適切な回転数でもって作動される。つまり、電動式過給機18は限界回転数から大きく離れたパーシャル状態で運転される。
図5の下図は、電動式過給機18の電動モータ18bの特性を例示しており、縦軸は電動モータ18bのトルク、横軸は電動モータ18bの回転数である。図5の下図の一点鎖線は、等消費電力となる線を示しており、図の右上になるほど消費電力が高く、左下になるほど消費電力が低い。電動式過給機18は、図5の上図におけるメッシュで示す領域内において作動されるが、このとき電動モータ18bは、図5の下図におけるメッシュで示す領域内において作動する。電動モータ18bの消費電力は比較的低くかつ、電動モータ18bの効率は比較的高い。電動モータ18bが最高トルクよりも低いトルクで作動している状態を、電動式過給機18のパーシャル状態で運転していると呼んでもよい。上述したように、電動式過給機18は、エンジン本体10の運転中は常時回転しているものの、電動式過給機18をパーシャル状態で運転することによって、消費電力を少なくすることが可能である。
尚、図4に示すアイドル回転領域においては、電動式過給機18を停止させるようにしてもよい。
また、詳しくは後述するが、本実施形態では、電動式過給機18は、エンジン1の冷間時でかつ車両の加速時に、電動式過給機18による過給圧を上昇させるように(つまり回転数を上げるように)制御される。この場合でも、電動式過給機18は、図5の両性能曲線に示すメッシュの領域から逸脱することがないように作動される。つまり、本実施形態では、電動式過給機18は、後述する加速要求の有無にかかわらず、限界回転数から大きく離れたパーシャル状態で運転される。
(エンジンの燃焼制御)
上記PCM100によるエンジン1の基本的な制御は、アクセル開度等に基づいて要求駆動力を算出し、この要求駆動力に対応する燃料の噴射量や噴射開始時期等をインジェクタ38の作動制御によって実現するとともに、該要求駆動力に基づいて、低圧EGR通路70及び高圧EGR通路80による排気ガスの還流量を決定する。尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、エンジン1が冷間状態であるときに、高圧EGRバルブ82を開いて、高圧EGR通路80を介して排気ガスを吸気通路50に還流させるようになっている。
図6には、定常走行時におけるエンジン1の燃料の噴射形態の一例と、それに伴う熱発生率の履歴の一例を示している。尚、ここでいう定常走行とは、車速が略一定の状態での走行のことを意味する。
図6に示すように、定常走行時には、圧縮上死点(TDC)よりも前に少なくとも1回の燃料噴射を行う前段噴射と、該前段噴射よりも後に、該前段噴射よりも燃料噴射量の多いメイン噴射とを実行する。図6の噴射例では、圧縮上死点前の圧縮行程中において2回の前段噴射を実行し、圧縮上死点付近で、前段噴射よりも燃料噴射量の多いメイン噴射を1回実行し、さらにメイン噴射の後、プレ噴射と同等の燃料噴射量でアフタ噴射を1回実行している。以下、この噴射形態を予混合燃焼制御という。以下、この噴射形態を予混合燃焼制御という。
この予混合燃焼制御で実行される2回の前段噴射のうち、相対的に噴射時期の早い1回目の燃料噴射はパイロット噴射であり、2回目の燃料噴射はプレ噴射である。圧縮上死点よりも前にパイロット噴射及びプレ噴射を行うことにより、圧縮行程中に、気筒内ガス(EGR+新気)と燃料とのミキシングが進行する。これにより、筒内温度が比較的低くても燃焼が可能となって、図6の熱発生履歴に示すように、圧縮上死点前に、前段燃焼で噴射された燃料による前段燃焼が発生する。
この前段燃焼により、メイン噴射よりも前に、気筒30a内の温度を上昇させることができる。このため、その後のメイン噴射における着火性及び燃焼性が向上される。メイン噴射における着火性及び燃焼性が向上されることにより、熱発生の急上昇を防止することができ、NOxの発生を抑制することができる。また、NVH性能の向上にも寄与することができる。
また、アフタ噴射を行うことによって、スート(煤)の発生を抑制することもできる。このことについて、図9に示すφ−Tマップを参照しながら説明する。
図9に示すφ−Tマップは、燃焼温度(T)と、混合気の当量比(φ)とからなる平面において、未燃成分であるCO/HC、スート及びNOxが発生する領域を示すマップである。燃焼温度が高いとNOxの領域に入ってしまうと共に、当量比が高いとスートの領域に入ってしまう。また、燃焼温度が低すぎると、CO/HCの領域に入ってしまう。エンジン1は、新気量、高圧EGR量、及び、低圧EGR量を調整すると共に、燃料の噴射量や噴射時期等を調整することにより、φ−Tマップにおける、CO/HC、スート及びNOxが発生する領域に入らないような燃焼を実現する。
図6の熱発生履歴に示すように、アフタ噴射を行うことにより、気筒30a内の温度が次第に低下する燃焼後期において、気筒30a内の温度低下を抑制し、該気筒30aの温度を高い温度のままに維持することができる。つまり、図9のφ−Tマップにおいて、スートの発生領域に入るのを防止することができる。このように、気筒30a内の温度を高温状態に維持することにより、燃焼後期にスートの酸化を促進される。これにより、スートの発生が抑制される。
以上のように、前段噴射、メイン噴射、及びアフタ噴射を行うことで、NOx及びスートの発生が抑制されてエミッションを向上させることができるとともに、NVH性能の向上にも寄与することができる。
ここで、エンジン1の冷間時、すなわち気筒30a内の温度が低いときには、エンジンエンジン1の温間時と比較すると、燃料の燃焼によって発生する排気ガスの温度が低く、ターボ過給機56を作動させる排気エネルギーが低くなる。このため、ターボ過給機56の回転数、すなわちターボ過給機56による過給圧が上昇しにくく新気量が不足する。特に、エンジン回転速度が上記所定速度よりも低いときには、排気エネルギーが一層低くなり、新気量の不足が顕著になる。
さらに、上述したように、本実実施形態では、エンジン1の冷間時には、高圧EGR通路80によって排気ガスが還流される。高圧EGR通路80は、排気通路60におけるターボ過給機56のタービン56bよりも上流側の部分に接続されているため、高圧EGR通路80によって排気ガスが還流されると、ターボ過給機56のタービン56bに与えられる排気エネルギーがさらに低下してしまう。
上記予混合燃焼制御では、排気エネルギーが低く、新気量が少ない状態であっても、メイン噴射の前に十分な前段燃焼を発生させて、適切にメイン燃焼を実行することが可能となる。
しかしながら、車両の加速時には、燃料噴射量が定常走行時よりも多くなるため、増加した燃料に対応するだけの新気量が確保できなくなって、スートが発生してしまう。つまり、エンジン1の冷間時における加速時にはエミッションが悪化するおそれがある。
本実施形態のように、電動式過給機18を備えていれば、該電動式過給機18によって過給圧を上昇させて、新気量を増加させることができるため、スートの抑制が期待できる。しかし、図6に示すように、パイロット噴射及びプレ噴射による前段燃焼が圧縮上死点よりも前に発生するような燃料噴射制御を実行した状態で、単純に気筒30a内に導入される新気量を増加させてしまうと、メイン燃焼と同等の燃焼が、圧縮上死点よりも前、すなわち圧縮行程中に発生してしまう。圧縮行程中にメイン燃焼と同等の燃焼が発生すると、ピストン32の進行方向とは逆方向の力が該ピストン32に入力されるため、ピストン32の動作を鈍くしてしまう。また、新気量が増加した状態で、圧縮行程中に燃焼が発生することで、NOxが大量に発生するおそれもある。つまり、単に電動式過給機18を備えているだけでは、エンジン1の冷間時におけるエミッションは改善されない。
そこで、本実施形態では、PCM100は、エンジン1の冷間状態が検出されかつ加速要求が検出されたとき、特に、エンジン1の冷間状態が検出されかつクランク角センサSW5により検出される検出エンジン回転速度が所定速度Vよりも低いときにおいて、加速要求が検出されたときには、パイロット噴射及びアフタ噴射を停止させるとともに、加速開始後の燃料噴射開始時期を加速開始前の燃料噴射開始時期に対して遅角させるリタード燃焼制御を実行する。より具体的には、上記リタード燃焼制御では、前段噴射による前段燃焼及びメイン噴射によるメイン燃焼を共に圧縮上死点よりも後にすべく、当該前段噴射及びメイン噴射の燃料噴射開始時期を遅角させる。
図7には、上記リタード燃焼制御の燃料の噴射形態の一例と、それに伴う熱発生率の履歴の一例を示している。上述したように、上記リタード燃焼制御時には、パイロット噴射及びアフタ噴射を停止させるとともに、プレ噴射及びメイン噴射の噴射時期を遅角させる。また、図7に示すように、メイン噴射を2回に分けて行う。この2回のメイン噴射の燃料噴射量の合計値は、リタード燃焼制御での前段噴射(プレ噴射)よりも多い。尚、ここで示す燃料の噴射形態は一例であって、上記リタード燃焼制御時のプレ噴射及びメイン噴射の噴射時期及び燃料の噴射量は、加速要求時の要求駆動力に基づいて、前段噴射(プレ噴射)で噴射された燃料による前段燃焼及びメイン噴射で噴射された燃料によるメイン燃焼が共に圧縮上死点よりも後になる範囲で適宜変更される。
このとき、圧縮上死点よりも後に燃焼が発生するように燃料を適切に燃焼させるには、適切な圧縮端温度を確保して、気筒30a内での燃料の着火性及び燃焼性を向上させておく必要がある。本実施形態では、電動式過給機18による過給圧を上昇させるべく該電動式過給機18を作動させることによって、適切な圧縮端温度を確保して、気筒30a内での燃料の着火性及び燃焼性を確保する。このことについて、図8を参照しながら説明する。
図8は、エンジン1の冷間時において、圧縮端温度に寄与する高圧EGR量と新気量との関係について、上記予混合燃焼制御ものと上記リタード燃焼制御時のものとを示す。図8のグラフにおける縦軸は圧縮端温度を表している。エンジン1の冷間時において、上記予混同燃焼制御では、高圧EGRガスによって気筒30aの温度を保つために、圧縮端温度の確保に寄与する吸気全体のうち、50%を高圧EGRガスとし、残り50%を新気とする。エンジン1の冷間時であっても車両の加速時でなければ、燃料噴射量は比較的少量であるため、高圧EGRガスの流量を比較的多くしたとしても、噴射される燃料の量に対応する新気量を確保することができる。
これに対して、上記リタード燃焼制御時、すなわちエンジン1の冷間時でかつ車両の加速時には、比較的多量の燃料に対応するだけの新気量が必要であるため、新気量を増加させる必要がある。そこで、電動式過給機18による過給圧を上昇させて新気量を増加させる。このとき、過給圧が上昇する分、吸気通路50内の圧力が上昇するため、排気通路60と吸気通路50との差圧が低くなり、吸気通路50内に導入される高圧EGRガスの流量が減少する。これにより、高圧EGRガスの流量が減少した分だけ吸気温度が下がるため、圧縮端温度を確保できないことも考えられる。しかしながら、高圧EGRガスの流量が減少して吸気温度が低下した分だけ空気密度が高くなるため、空気密度が高くなった分だけ、高圧EGRガスの流量の減少分よりも多くの新気を気筒30a内に導入することが可能となる。この結果、図8に示すように、高圧EGRガスの流量が減少したとしても、電動式過給機18により増加させた新気によって、圧縮端温度を一定に保つことができる。そして、吸気における新気の割合が増加することで、比較的多量の燃料に対応するだけの新気量が確保される。尚、本実施形態のように、高圧EGR弁82によって、吸気通路50に還流させるEGRガスの流量を調整可能である場合には、電動式過給機18による過給圧を上昇させるだけでなく、高圧EGR弁82の開度を調整することによって、吸気における高圧EGRガスの割合と新気の割合とを調整するようにしてもよい。特に、後述するように、上述の制御を行うと、排気ガスの流量が多くなるとともに、該排気ガスの温度が高くなるため、排気通路60と吸気通路50との差圧が変動する。このため、高圧EGR弁82の開度を調整すれば、吸気における高圧EGRガスの割合と新気の割合とを、圧縮端温度を一定に保つ割合に設定しやすくなる。
上述のようにして新気量を増加させれば、圧縮上死点よりも後、すなわち膨張行程中に気筒30a内に供給された燃料を適切に燃焼させることができる。したがって、電動式過給機18による新気量の調整によって、エンジン1の冷間時でかつ車両の加速時において、上記リタード燃焼制御が可能となる。これらの結果、増加された燃料に対応するだけの新気が気筒30a内に導入された状態で燃料が燃焼されるためスートの発生が抑制される。また、圧縮上死点よりも後、すなわち膨張行程で燃料を燃焼させることにより、燃焼温度を高くなるのを抑えることができ、NOxの発生を抑制することもできる。すなわち、図9に示すφ−Tマップにおける、スート領域及びNOx領域のどちらにも入らない領域内での燃焼が可能になる。よって、エンジン1の冷間時において、車両を加速させる際のエミッションを向上させることができる。
また、電動式過給機18による過給によって、燃料の着火性及び燃焼性を向上させた状態で該燃料が燃焼することで、発生する排気エネルギーを高くすることができる。これにより、タービン56bの回転数を迅速に上昇させて、ターボ過給機18による過給圧を迅速に上昇させることができる。この結果、エンジン1の冷間時における、加速性を向上させることができるようになる。
一方で、ターボ過給機18による過給圧が上昇した場合、電動式過給機18による過給圧を上昇させたままにすると、新気量が多くなりすぎて吸気抵抗が増加してしまい、ポンピングロスが大きくなるおそれがある。そのため、PCM100は、加速後期、具体的には、ターボ過給機56による過給圧が、圧縮端温度を一定に保つだけの新気量を供給可能な過給圧になったときには、加速開始時と比べて、電動式過給機18による過給圧を低くすべく該電動式過給機18を作動させる。詳しくは、電動式過給機18の駆動力を加速開始前と同程度、すなわち電動式過給機18がアイドル回転をする程度にまで低下させる。これは、電動モータ18bに供給する電力を低下させて、電動式過給機18の駆動力を低下させることで行う。これにより、ポンピングロスを抑制することができる。尚、圧縮端温度については、吸気温度センサSW3で検出される吸気温度、過給圧センサSW2で検出される過給圧、クランク角センサSW5で検出されるエンジン回転数等に基づいて推定することができる。
次に、PCM100によるエンジン1の燃料噴射制御の処理動作を、図10のフローチャートに基づいて説明する。
最初のステップS101で、各種センサからの信号を読み込み、次のステップS102で、水温センサSW1の信号に基づき、冷却水温Twが上記所定温度Tcよりも低いか否かを判定する。上記ステップS102の判定がNOのときには、ステップS116に進む一方、ステップS102の判定がYESのときには、気筒30a内の温度が低い、エンジン1の冷間状態であると判定してステップS103に進む。
次のステップS103では、クランク角センサSW5の信号に基づき、検出エンジン回転速度Vが上記所定速度Vよりも低いか否かを判定する。上記ステップS103の判定がNOのときには、上記ステップS116に進む一方、ステップS103の判定がYESのときには、ステップS104に進む。
上記ステップS104では、アクセル開度センサSW6の信号に基づき、運転者からの加速要求が有るか否かを判定する、上記ステップS104の判定がNOのときには、上記ステップS116に進む一方、ステップS104の判定がYESのときには、次のステップS105において、上記リタード燃焼制御を実行すべきと判定し、ステップS106に進む。
上記ステップS106では、エンジン1の要求駆動力(運転者からの加速要求に対応する駆動力)を算出する
次のステップS107では、上記ステップ106で算出した要求駆動力に基づいて、燃料の噴射量及び噴射開始時期を決定する。尚、ここでいう噴射開始時期とは、リタード燃焼制御における噴射開始時期である。
次のステップS108では、要求過給圧及び目標EGR量を算出する。この要求過給圧及び目標EGR量は、吸気温度センサSW3等の検出結果から推定された加速直前の圧縮端温度を保つために必要な過給圧である。また、ここでいうEGR量とは高圧EGRガスの流量のことをいう。
続くステップS109では、要求過給圧とターボ過給機56による過給圧との差圧を算出し、その後のステップS110では、ステップS109で算出された差圧に基づいて、電動式過給機18よって補うべき過給圧を算出する。
次のステップS111では、電動式過給機18による過給圧が、ステップS110で算出した過給圧となるように、電動式過給機18による過給圧を上昇させる。尚、ここで言う、「過給圧を上昇」とは、定常走行時における電動式過給機18による過給圧よりも高くするという意味である。
続くステップS112では、上記ステップS107で設定した噴射量及び噴射タイミングで燃料を噴射する。
次のステップ113では、圧縮端温度が加速前と同等であるか否かについて判定する。この判定は、水温センサSW1の検出結果から推定された圧縮端温度に基づいて行われる。上記ステップS113の判定がNOのときには、上記ステップS108に戻る一方、ステップS113の判定がYESのときには、ステップS114に進む。
続くステップS114では、ターボ過給機56による過給圧が要求過給圧になったか否かを判定する。上記ステップS114の判定がNOのときには、上記ステップS108に戻る一方、ステップS114の判定がYESのときには、ステップS115に進む。
上記ステップS115では、電動式過給機18による過給圧を低下させる。具体的には、電動式過給機18にアイドル回転をさせる。ステップS115の後はリターンする。
一方で、ステップS102,S103及びS104の判定がNOであるときに進むステップS116では、上記予混合燃焼制御を実行すべきと判定して、次のステップS117で要求駆動力(現在の車速を保つための駆動力)を算出する。
続くステップS118で、上記ステップS117で算出した要求駆動力に基づいて、燃料噴射量及び噴射開始時期を決定する。尚、ここでいう噴射開始時期とは、予混合燃焼制御における噴射開始時期である。
次のステップS119では、要求過給圧及び目標EGR量を算出する。このとき、ターボ過給機56だけでは上記要求過給圧に到達できない場合には、電動式過給機18による過給も実行されることがある。
その後のステップS120において、上記ステップS118で設定した噴射量及び噴射時期で燃料を噴射する。ステップS120の後はリターンする。
したがって、本実施形態では、PCM100は、エンジン1の冷間状態が検出されかつ車両の加速要求が検出されたときには、電動式過給機18による過給圧を上昇させるべく該電動式過給機18を作動させるとともに、加速開始後の燃料噴射開始時期を圧縮上死点よりも後にすべく、当該燃料噴射開始時期を遅角させるリタード燃焼制御を実行する。これにより、エンジン1の冷間時における車両の加速時において、新気が十分に気筒30a内に導入された状態で燃料が燃焼することでスートの発生が抑制される。さらに、気筒30a内に導入される吸気の温度を低くした状態で、圧縮上死点よりも後に燃料が燃焼することで、燃焼温度を高くなるのを抑えることができるためNOxの発生を抑制することもできる。よって、エンジン1の冷間時において、車両を加速させる際のエミッションを向上させることができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上述の実施形態では、エンジン1の冷間状態を水温センサSW1によって検出していたが、これに限らず、気筒30a内の温度を検出する筒内温度センサを設けて、該筒内温度センサの検出結果からエンジン1の冷間状態を検出してもよい。また、これとは別に、エンジン1の冷間状態を推定するようにしてもよい。これは、例えば、吸気温度センサSW3及び排気温度センサSW4の検出結果から筒内温度を推定し、該推定温度が所定温度よりも小さいときに、エンジン1が冷間状態であると推定するようにすればよい。
また、上述の実施形態ではアクセル開度センサSW6の検出結果から加速要求を検出していたが、アクセル開度センサSW6の検出結果から加速要求を推定するようにしてもよい。
さらに、上述の実施形態では、エンジン1の冷間状態でかつ検出エンジン回転速度が所定速度Vlよりも低いときにおいて、加速要求が検出(又は推定)されたときに、上記リタード燃焼制御を実行していたが、これに限らず、エンジン回転速度に関する判定は省略してもよい。つまり、図10に示すフローチャートにおけるステップS103の判定を省略してもよい。
また、上述の実施形態では、高圧及び低圧EGR弁72,82は、その開度によって、EGR量を調整可能なものであったが、これに限らず、全開及び全閉のみを切り替えるオン−オフ式のものであってもよい。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、排気通路に配設されたタービンと吸気通路に配設されたコンプレッサとを有するターボ過給機と、吸気通路におけるコンプレッサよりも下流側に設けられ、モータの駆動力によって駆動する電動式過給機とを備えた過給機付エンジンとして有用である。
1 エンジン
10 エンジン本体
18 電動式過給機
18b 電動モータ
30a 気筒
32 ピストン
38 インジェクタ(燃料噴射弁)
50 吸気通路
56 ターボ過給機
56a コンプレッサ
56b タービン
60 排気通路
80 高圧EGR通路(EGR通路)
81 高圧EGR弁(EGR弁)
100 PCM(電動式過給機制御手段、噴射制御手段)
SW1 水温センサ(冷間状態を検出する手段)
SW3 吸気温度センサ(冷間状態を推定する手段)
SW4 排気温度センサ(冷間状態を推定する手段)
SW5 クランク角センサ(エンジン回転速度検出手段)
SW6 アクセル開度センサ(加速要求を推定又は検出する手段)

Claims (6)

  1. 気筒内に設けられたピストンを有するエンジン本体と、該エンジン本体に接続された吸気通路及び排気通路と、該排気通路に配設されたタービンと該吸気通路に配設されたコンプレッサとを有するターボ過給機と、上記吸気通路における上記コンプレッサよりも下流側に設けられ、モータの駆動力によって駆動する電動式過給機とを備え、車両に搭載される過給機付エンジンであって、
    上記気筒内に供給する燃料を噴射するよう構成された燃料噴射弁と、
    上記車両の加速要求の有無を推定又は検出する手段と、
    上記エンジンが冷間状態にあるか否かを推定又は検出する手段と、
    上記電動式過給機の作動を制御する電動式過給機制御手段と、
    上記燃料噴射弁による燃料噴射を制御する噴射制御手段とを更に備え、
    上記電動式過給機制御手段は、上記冷間状態が推定又は検出され、かつ、上記加速要求が推定又は検出されたときには、上記電動式過給機による過給圧を上昇させるべく該電動式過給機を作動させるように構成されており、
    上記噴射制御手段は、上記冷間状態が推定又は検出され、かつ、上記加速要求が推定又は検出されたときには、加速開始後の燃料噴射開始時期を加速開始前の燃料噴射開始時期に対して遅角させるリタード燃焼制御を実行するように構成されていることを特徴とする過給機付エンジン。
  2. 請求項1に記載の過給機付エンジンにおいて、
    上記噴射制御手段は、上記加速要求が推定又は検出されていないときには、圧縮上死点よりも前に前段燃焼が発生するように、該圧縮上死点よりも前に少なくとも1回燃料噴射を行う前段噴射と、上記圧縮上死点又は上記圧縮上死点よりも前に、上記前段噴射よりも燃料噴射量の多いメイン噴射とを実行すべく上記燃料噴射弁を制御するように構成されており、
    さらに上記噴射制御手段は、上記リタード燃焼制御では、上記前段噴射で噴射された燃料による前段燃焼及び上記メイン噴射で噴射された燃料によるメイン燃焼を共に上記圧縮上死点よりも後にすべく、当該前段噴射及びメイン噴射の燃料噴射開始時期を遅角させるように構成されていることを特徴とする過給機付エンジン。
  3. 請求項1又は2に記載の過給機付エンジンにおいて、
    エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段を更に備え、
    上記電動式過給機制御手段は、上記冷間状態が推定又は検出され、かつ、上記エンジン回転速度検出手段により検出される検出エンジン回転速度が所定速度よりも低いときにおいて、上記加速要求が推定又は検出されたときには、上記電動式過給機による過給圧を上昇させるべく該電動式過給機を作動させるように構成されており、
    上記噴射制御手段は、上記冷間状態が推定又は検出され、かつ、上記検出エンジン回転速度が所定速度よりも低いときにおいて、上記加速要求が推定又は検出されたときには、上記リタード燃焼制御を実行するよう構成されていることを特徴とする過給機付エンジン。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の過給機付エンジンにおいて、
    上記吸気通路における上記電動式過給機よりも下流側の部分と上記排気通路における上記タービンよりも上流側の部分とを連通し、上記排気通路を流れる排気ガスの一部を上記吸気通路に還流可能なEGR通路と、
    上記EGR通路内に設けられ、上記EGR通路を通って上記吸気通路に還流される排気ガスの流量を調整するEGR弁とを更に備え、
    上記EGR弁は、上記冷間状態が推定又は検出されたときに開くように構成されていることを特徴とする過給機付エンジン。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の過給機付エンジンにおいて、
    上記電動式過給機制御手段は、加速後期では、加速開始時に比べて、上記電動式過給機による過給圧を低くすべく該電動式過給機を作動させるように構成されていることを特徴とする過給機付エンジン。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の過給機付エンジンにおいて、
    上記電動式過給機制御手段は、上記加速要求の有無にかかわらず上記電動式過給機をパーシャル状態で作動させるように構成されていることを特徴とする過給機付エンジン。
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