JP4155131B2 - 予混合圧縮着火燃焼内燃機関の燃焼制御システム - Google Patents

予混合圧縮着火燃焼内燃機関の燃焼制御システム Download PDF

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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B1/00Engines characterised by fuel-air mixture compression
    • F02B1/12Engines characterised by fuel-air mixture compression with compression ignition

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気筒内に燃料と吸気との予混合気が形成され、該予混合気が燃焼に供される予混合圧縮着火燃焼内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関において、吸気行程中および/または圧縮行程中に気筒内へ燃料を噴射することで、該燃料と吸気との予混合気を形成し、該予混合気を燃焼に供することによって、NOxや煙の排出が抑制される予混合圧縮着火燃焼内燃機関の開発が進められている。
【0003】
このような予混合圧縮着火燃焼内燃機関においては、気筒内の温度上昇に伴って予混合気の温度も上昇するため、圧縮行程上死点近傍となる前に該予混合気が着火燃焼する、いわゆる過早着火が発生する虞がある。そこで、予混合圧縮着火燃焼内燃機関では、気筒内に排気(EGRガスや内部EGRガス含む)を供給し、この排気の供給量を制御することで着火時期を制御している。気筒内の排気の量が増加すると酸素濃度が低下し、予混合気の着火性が低下するため、過早着火の発生を抑制することが出来る。
【0004】
このような予混合圧縮着火燃焼内燃機関としては、吸気弁および排気弁の閉弁時期を制御し、気筒内の内部EGRガス量および予混合気の実圧縮比を制御するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−120457号公報
【特許文献2】
特開2001−214741号公報
【特許文献3】
特開2001−263067号公報
【特許文献4】
特開2000−97017号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
予混合圧縮着火燃焼内燃機関では、該内燃機関の運転状態が高負荷運転領域にあるときは、気筒内の温度が高くなるため過早着火が発生し易くなる。一方、該内燃機関の運転状態が低負荷運転領域にあるときや該内燃機関の暖機前は、気筒内、特に気筒内の側壁面付近やピストン頂面付近の温度が低いため失火が発生したり未燃成分の排出量が増加したりする虞がある。
【0007】
本発明は、上記したような問題に鑑みてなされたものであり、予混合圧縮着火燃焼内燃機関において、より広い運転領域でより好適な予混合圧縮着火燃焼を行うことが可能な技術を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
即ち、本発明は、予混合圧縮着火燃焼内燃機関において、気筒内から排出された排気の一部をそれぞれ温度の異なる状態で燃焼室に直接供給するものであって、内燃機関の負荷が高い程、燃焼室に供給される排気の全体量を増加させ、且つ該排気における温度の低い方の排気の割合を増加させるものである。
【0009】
より詳しくは、本発明に係る予混合圧縮着火燃焼内燃機関の燃焼制御システムは、吸気行程中および/または圧縮行程中に、気筒内に燃料と吸気との予混合気が形成され、該予混合気が燃焼に供される予混合圧縮着火燃焼内燃機関において、前記気筒内から排出された排気の一部をそれぞれ温度の異なる状態で燃焼室に直接供給する少なくとも2つの排気供給路と、前記各排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給をそれぞれ制御する排気供給制御弁と、前記各排気供給制御弁の開閉時期および開度をそれぞれ調整する排気供給制御弁調整手段と、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、を備えており、前記排気供給制御弁調整手段によって、前記排気供給制御弁の少なくとも一方を吸気行程において開弁状態とすると共に、前記各排気供給制御弁の開度をそれぞれ調整することで、前記運転状態検出手段によって検出された前記内燃機関の負荷が高い程、前記燃焼室に供給される排気の全体量を増加させ、且つ該排気全体における温度の低い方の排気の割合を増加させることで前記燃焼室に供給される排気の全体としての温度を低下させることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、排気供給路によって、排気が燃焼室に直接供給されることで気筒内に排気が供給される。また、本発明における吸気とは、内燃機関の吸気系から気筒内に供給される新気(空気)と排気供給路から気筒内に供給される排気とを含んでいる。
【0011】
ここで、排気供給路は、内燃機関の排気系と燃焼室とを連通する少なくとも2つの排気再循環通路(EGR通路)を含む構成としても良い。この場合、少なくとも一方の排気再循環通路にクーラーを備えたりすることによって各排気再循環通路内を流通する排気(EGRガス)の温度をそれぞれ異なる状態にして燃焼室に供給する。また、排気供給路のうち、一方を排気ポートを含む構成とし、他方を途中にクーラーを備えた排気再循環通路を含む構成としても良い。この場合、排気ポート内を通して排気を逆流させて温度の高い方の排気を燃焼室に供給し、一方、排気再循環通路内を流通する排気をクーラーによって冷却して温度の低い方の排気を燃焼室に供給する。
【0012】
本発明によれば、排気供給制御弁の少なくとも一方を吸気行程において開弁状態とすることによって排気が気筒内に供給される。そして、内燃機関の負荷が高くなる程、気筒内の排気の量が増加するため、予混合気の排気率(予混合気中の排気の量の割合)が高くなる。さらに、内燃機関の負荷が高くなる程、気筒内に供給される排気の全体としての温度は低下するため、予混合気の温度が過剰に高くなることを抑制することが出来る。従って、予混合気の着火性が抑えられ過早着火の発生を抑制することが可能となる。
【0013】
一方、内燃機関の負荷が低い程、気筒内の排気の量が減少するため、予混合気の排気率が低くなる。さらに、内燃機関の負荷が低くなる程、気筒内に供給される排気の全体としての温度は上昇するため、予混合気の温度が過剰に低くなることを抑制することが出来る。従って、予混合気の着火性が確保され失火の発生を抑制することが可能となる。また、未燃成分の排出も抑制することが可能となる。
【0014】
本発明では、排気を吸気系にて空気と混合させることなく燃焼室へ直接供給するため、燃焼室に供給される空気量と排気の量との両方を同時に増加させることが出来る。そのため、内燃機関の運転状態がより高負荷となったときでも、気筒内により多量の排気を供給することが出来る。従って、予混合圧縮着火燃焼を、過早着火の発生を抑制しつつ、より高負荷の運転領域で行うことが可能となる。
【0015】
また、燃焼室に直接供給される排気の供給量や供給時期を制御するため、吸気系に排気を供給することで排気と空気とを混合し、この混合気の気筒内への供給を制御する場合に比べて、気筒内への排気の供給量や供給時期の制御の応答遅れを小さくすることが出来る。
【0016】
本発明においては、排気供給制御弁は各排気供給路の燃焼室への開口部に設けられ、該開口部を開閉するよう形成されることが好ましい。このような構成では、排気供給制御弁を排気供給路の途中に設けた場合に比べて、気筒内への排気の供給量や供給時期の制御の応答遅れを小さくすることが出来る。
【0017】
尚、本発明においては、排気供給路は気筒に対して接線方向に設置されても良い。このような構成によれば、排気供給路から供給された排気は、気筒内において、壁面に沿って横旋回流を生起するように流れるため、該排気によって気筒内における空気と燃料との混合度合いが悪化することを抑制することが出来る。
【0018】
本発明においては、前記排気供給路のうち、温度の高い方の排気を前記燃焼室に供給する排気供給路を高温排気供給路とし、温度の低い方の排気を前記燃焼室に供給する排気供給路を低温排気供給路とし、また、前記排気供給制御弁のうち、前記高温排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給を制御する排気供給制御弁を高温排気供給制御弁とし、前記低温排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給を制御する排気供給制御弁を低温排気供給制御弁とした場合、前記内燃機関の運転状態が、前記気筒内の排気の量を増加させる過渡運転となったときには、前記内燃機関の負荷に応じて、前記高温排気供給制御弁および前記低温排気供給制御弁のうち少なくともいずれか一方の開度を、第一の所定期間、同負荷での定常運転時の開度より大きくしても良い。
【0019】
ここで、過渡運転とは、気筒内の排気の量を定常運転時の排気の量の変化よりも大きく変化させる運転状態のことである。気筒内の排気の量を増加させる過渡運転としては、内燃機関を備えた車両が加速している時の内燃機関の運転状態が例示出来る。
【0020】
本発明においては、高温排気供給制御弁および/または低温排気供給制御弁の開度を内燃機関の負荷に基づいて定めることで、気筒内への排気の供給量を内燃機関の負荷に応じた量に調整している。ここで、上記のような制御によれば、内燃機関の運転状態が、気筒内の排気の量を増加させる過渡運転となったときは、高温排気供給制御弁および低温排気供給制御弁のうち少なくともいずれか一方の開度を、内燃機関の負荷が同じときの定常運転時の開度よりも、第一の所定期間、大きくする。そのため、燃焼室内に供給される排気の量をより速やかに増加させることが出来る。即ち、気筒内の排気の量がより速やかに増加する。従って、過渡運転時における気筒内の排気の量の応答遅れを抑制することが出来る。
【0021】
尚、ここでの第一の所定期間とは、内燃機関の運転状態が、気筒内の排気の量を増加させる過渡運転となってから、高温排気供給制御弁および低温排気供給制御弁のうち少なくともいずれか一方の開度を定常運転時よりも大きくすることによって、気筒内の排気の量が要求排気の量となるまでの期間のことである。この要求排気の量とは、気筒内の排気の量が該要求排気の量となった場合、燃焼室での燃焼状態がより良好となる、即ち、過早着火や失火の発生、未燃成分の排出が抑制されることとなる排気の量である。高温排気供給制御弁および前記低温排気供給制御弁のうち少なくともいずれか一方の開度を定常運転時よりも大きくした後、この所定期間が経過したときは、これらの開度制御を定常運転時と同様の制御に戻す。
【0022】
上記のような制御において、前記内燃機関の運転状態が、低負荷運転領域にあり、且つ前記気筒内の排気の量を増加させる過渡運転となったときには、前記第一の所定期間、前記高温排気供給制御弁の開度を定常運転時の開度より大きくしても良い。一方、前記内燃機関の運転状態が、中負荷または高負荷運転領域にあり、且つ前記気筒内の排気の量を増加させる過渡運転となったときには、前記第一の所定期間、前記低温排気供給制御弁の開度を、同負荷での定常運転時の開度より大きくしても良い。
【0023】
このような制御によれば、内燃機関の運転状態が、気筒内の温度が比較的低い低負荷運転領域にあるときに、気筒内の排気の量を増加させる過渡運転となった場合、温度の高い方の排気の燃焼室への供給量がより速やかに増加する。従って、気筒内の温度が過剰に低くなることを抑制しつつ気筒内の排気の量をより速やかに増加させることが出来る。一方、内燃機関の運転状態が、気筒内の温度が比較的高い中負荷または高負荷運転領域にあるときに、気筒内の排気の量を増加させる過渡運転となった場合、温度の低い方の排気の燃焼室への供給量がより速やかに増加する。従って、気筒内の温度が過剰に上昇することを抑制しつつ気筒内の排気の量をより速やかに増加させること出来る。
【0024】
一方、本発明において、前記内燃機関の運転状態が、前記気筒内の排気の量を減少させる過渡運転となったときには、前記内燃機関の負荷に応じて、前記高温排気供給制御弁および前記低温排気供給制御弁のうち少なくともいずれか一方の開度を、第二の所定期間、同負荷での定常運転時の開度より小さくしても良い。
【0025】
ここで、気筒内の排気の量を減少させる過渡運転としては、内燃機関を備えた車両が減速しているときの内燃機関の運転状態が例示出来る。
【0026】
上記のような制御によれば、内燃機関の運転状態が気筒内の排気の量を減少させる過渡運転となったときは、高温排気供給制御弁および低温排気供給制御弁のうち少なくともいずれか一方の開度を、内燃機関の負荷が同じときの定常運転時の開度よりも、第二の所定期間、小さくする。そのため、燃焼室に供給される排気の量をより速やかに減少させることが出来る。即ち、気筒内の排気の量がより速やかに減少する。従って、過渡運転時における気筒内の排気の量の応答遅れを抑制することが出来る。
【0027】
尚、ここでの第二の所定期間とは、内燃機関の運転状態が、気筒内の排気の量を減少させる過渡運転となってから、高温排気供給制御弁および前記低温排気供給制御弁のうち少なくともいずれか一方の開度を定常運転時よりも小さくすることによって、気筒内の排気の量が前記要求排気の量となるまでの期間のことである。高温排気供給制御弁および前記低温排気供給制御弁のうち少なくともいずれか一方の開度を定常運転時よりも小さくした後、この第二の所定期間が経過したときは、これらの開度制御を定常運転時と同様の制御に戻す。
【0028】
上記のような制御において、前記内燃機関の運転状態が、低負荷運転領域にあり、且つ前記気筒内の排気の量を減少させる過渡運転となったときには、前記第二の所定期間、前記低温排気供給制御弁の開度を、同負荷での定常運転時の開度より小さくしても良い。一方、前記内燃機関の運転状態が、中負荷または高負荷運転領域にあり、且つ前記気筒内の排気の量を減少させる過渡運転となったときには、前記第二の所定期間、前記高温排気供給制御弁の開度を、同負荷での定常運転時の開度より小さくしても良い。
【0029】
このような制御によれば、内燃機関の運転状態が、気筒内の温度が比較的低い低負荷運転領域にあるときに、気筒内の排気の量を減少させる過渡運転となった場合、温度の低い方の排気の燃焼室への供給量がより速やかに減少する。従って、気筒内の温度が過剰に低下することを抑制しつつ気筒内の排気をより速やかに減少させることが出来る。一方、内燃機関の運転状態が、気筒内の温度が比較的高い中負荷または高負荷運転領域にあるときに、気筒内の排気の量を減少させる過渡運転となった場合、温度の高い方の排気の燃焼室への供給量がより速やかに減少する。従って、気筒内の温度が過剰に高くなることを抑制しつつ気筒内の排気をより速やかに減少させることが出来る。
【0030】
本発明において、前記内燃機関が、排気通路に設けられたタービン側に開閉駆動可能なノズルベーンを有しており、該ノズルベーンの開度を変化させることで過給圧を可変とする可変容量型ターボチャージャと、 前記ノズルベーンの開度を調整するノズルベーン開度調整手段と、をさらに備えており、前記排気供給路は、前記タービンより上流側で排気の一部を燃焼室に供給するものであった場合、前記ノズルベーン開度調整手段は、前記運転状態検出手段によって検出された前記内燃機関の負荷が高い程、前記ノズルベーンの開度を小さくしても良い。
【0031】
このようなノズルベーンの制御によれば、内燃機関の負荷が高くなる程、過給圧が高くなるため、気筒内に供給される空気が多くなる。また、内燃機関の負荷が高くなる程、タービンより上流側の圧力も高くなるため、気筒内に供給される排気も多くなる。一方、内燃機関の負荷が低くなる程、過給圧が低くなるため、気筒内に供給される空気量が少なくなる。また、内燃機関の負荷が低くなる程、タービンより上流側の圧力も低くなるため、燃焼室に供給される排気も少なくなる。
【0032】
このように、各排気供給制御弁の開度調整に加えて、ノズルベーンの開度を調整することによって気筒内の排気の量をより正確に制御することが出来る。
【0033】
本発明においては、上記課題を解決するために以下の手段を採用しても良い。即ち、本発明は、予混合圧縮着火燃焼内燃機関において、気筒内から排出された排気の一部をそれぞれ温度の異なる状態で燃焼室に直接供給するものであって、内燃機関の負荷に応じて、気筒内の予混合気の温度分布を制御するものである。
【0034】
より詳しくは、本発明に係る予混合圧縮着火燃焼内燃機関の燃焼制御システムは、吸気行程中および/または圧縮行程中に、気筒内に燃料と吸気との予混合気が形成され、該予混合気が燃焼に供される予混合圧縮着火燃焼内燃機関において、前記気筒内から排出された排気の一部をそれぞれ温度の異なる状態で燃焼室に直接供給する少なくとも2つの排気供給路と、前記各排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給をそれぞれ制御する排気供給制御弁と、前記各排気供給制御弁の開閉時期をそれぞれ調整する開閉時期調整手段と、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、を備え、前記排気供給路のうち、温度の高い方の排気を前記燃焼室に供給する排気供給路は、該排気供給路から供給される排気が前記気筒内の側壁面付近に供給されるように形成されており、前記運転状態検出手段によって検出された前記内燃機関の運転状態が低負荷運転領域にあるときは、前記開閉時期調整手段によって前記各排気供給制御弁の開閉時期をそれぞれ調整することで、前記気筒内の側壁面付近の温度およびピストン頂面(気筒内における下壁面)付近の温度を前記気筒内のシリンダヘッド側壁面(気筒内における上壁面)付近の温度よりも高くしても良い。
【0035】
本発明においても、前記と同様、排気供給路によって、排気が燃焼室に直接供給されることで気筒内に排気が供給される。また、本発明においても、吸気とは、内燃機関の吸気系から気筒内に供給される新気(空気)と排気供給路から気筒内に供給される排気とを含んでいる。
【0036】
内燃機関の運転状態が低負荷運転領域にあるときは、特に、気筒内の側壁面付近やピストン頂面付近の温度が低いため、この気筒内の側壁面付近やピストン頂面付近の予混合気の温度が低くなり、失火が発生したり未燃成分が生成されたりする虞がある。
【0037】
本発明によれば、内燃機関の運転状態が低負荷運転領域にあるときに、気筒内の側壁面付近やピストン頂面付近の予混合気の温度が過剰に低くなることを抑制することが出来る。そのため、失火の発生や未燃成分の生成を抑制することが出来る。
【0038】
本発明において、前記排気供給路のうち、温度の高い方の排気を前記燃焼室に供給する排気供給路を高温排気供給路とし、温度の低い方の排気を前記燃焼室に供給する排気供給路を低温排気供給路とし、また、前記排気供給制御弁のうち、前記高温排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給を制御する排気供給制御弁を高温排気供給制御弁とし、前記低温排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給を制御する排気供給制御弁を低温排気供給制御弁とした場合、前記内燃機関の運転状態が低負荷運転領域にあるときは、吸気行程初期では前記高温排気供給制御弁のみ開弁状態とすると共に、吸気行程後期に前記低温排気供給制御弁を開弁状態としても良い。
【0039】
本発明においては、高温排気供給路が、排気を気筒内の側壁面付近に供給するように形成されており、さらに上記ような制御によれば、吸気行程初期には温度の高い方の排気のみ気筒内に供給される。そのため、温度の高い方の排気が気筒内の側壁面付近およびピストン頂面付近に分布し易い。また、温度の低い方の排気は吸気行程後期に気筒内に供給されるため、該排気は気筒内のシリンダヘッド側壁面付近に分布し易い。従って、気筒内の側壁面付近の温度およびピストン頂面付近の温度を気筒内のシリンダヘッド側壁面付近の温度よりも高くすることが出来る。
【0040】
また、本発明によれば、気筒内において、側壁面付近およびピストン頂面付近の温度とシリンダヘッド側壁面付近とでは温度が異なることになるため、混合気の着火遅れも不均一となる。そのため、混合気の急激な燃焼が抑制され、以て燃焼騒音の悪化を抑制することが可能となる。
【0041】
また、本発明に係る予混合圧縮着火燃焼内燃機関の燃焼制御システムは、吸気行程中および/または圧縮行程中に、気筒内に燃料と吸気との予混合気が形成され、該予混合気が燃焼に供される予混合圧縮着火燃焼内燃機関において、前記気筒内から排出された排気の一部をそれぞれ温度の異なる状態で燃焼室に直接供給する少なくとも2つの排気供給路と、前記各排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給をそれぞれ制御する排気供給制御弁と、前記各排気供給制御弁の開閉時期をそれぞれ調整する開閉時期調整手段と、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、を備え、前記排気供給路のうち、温度の低い方の排気を前記燃焼室に供給する排気供給路は、該排気供給路から供給される排気が前記気筒内の側壁面付近に供給されるように形成されており、前記運転状態検出手段によって検出された前記内燃機関の運転状態が高負荷運転領域にあるときは、前記開閉時期調整手段によって前記各排気供給制御弁の開閉時期をそれぞれ調整することで、温度の低い方の排気をより多量に前記燃焼室に供給すると共に、前記気筒内のシリンダヘッド側壁面付近の温度を前記気筒内の側壁面付近の温度およびピストン頂面付近の温度よりも高くしても良い。
【0042】
内燃機関の運転状態が高負荷運転領域にあるときは、気筒内の温度が高くなり過早着火が発生し易くなる。
【0043】
本発明によれば、内燃機関の運転状態が高負荷運転領域にあるときには、温度の低い方の排気がより多量に気筒内に供給されるため、気筒内の温度が過剰に高くなることを抑制することが出来る。そのため、過早着火の発生を抑制することが出来る。一方、温度の低い方の排気がより多量に気筒内に供給された場合であっても、気筒内のシリンダヘッド側壁面付近の温度を気筒内の側壁面付近の温度およびピストン頂面付近の温度よりも高くすることで、圧縮行程上死点近傍で燃焼室に噴射される燃料の霧化が促進されるため、着火性を確保することが出来る。
【0044】
本発明において、前記排気供給路のうち、温度の高い方の排気を前記燃焼室に供給する排気供給路を高温排気供給路とし、温度の低い方の排気を前記燃焼室に供給する排気供給路を低温排気供給路とし、また、前記排気供給制御弁のうち、前記高温排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給を制御する排気供給制御弁を高温排気供給制御弁とし、前記低温排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給を制御する排気供給制御弁を低温排気供給制御弁とした場合、前記内燃機関の運転状態が高負荷運転領域にあるときは、吸気行程初期では前記低温排気供給制御弁のみ開弁状態とすると共に、吸気行程後期では前記高温排気供給制御弁を開弁状態としても良い。
【0045】
本発明においては、吸気行程初期には温度の低い方の排気のみ気筒内に供給される。吸気行程初期は吸気行程後期に比べて吸入効率が高いため、温度の低い方の排気をより多量に気筒内へ供給することが出来る。
さらに、低温排気供給路が、排気を気筒内の側壁面付近に供給するように形成されており、さらに上記のような制御によれば、吸気行程初期には、温度の低い方の排気のみ気筒内に供給される。そのため、温度の低い方の排気が気筒内の側壁面およびピストン頂面付近に分布し易い。また、温度の高い方の排気は吸気行程後期に気筒内に供給されるため、該排気は気筒内のシリンダヘッド側壁面付近に分布し易い。従って、気筒内のシリンダヘッド側壁面付近の温度を気筒内の側壁面付近の温度およびピストン頂面付近の温度よりも高くすることが出来る。
【0046】
また、本発明によれば、前記と同様、気筒内において、側壁面付近およびピストン頂面付近の温度とシリンダヘッド側壁面付近とでは温度が異なることになるため、ため混合気の着火遅れも不均一となる。そのため、混合気の急激な燃焼が抑制され、以て燃焼騒音の悪化を抑制することが可能となる。
【0047】
尚、本発明では、気筒内のシリンダヘッド側壁面付近の温度を高くすることで、圧縮行程上死点近傍で燃焼室に噴射される燃料の霧化を促進させる。そこで、燃料がより霧化し易いように、該燃料は直接燃焼室へ噴射されることが好ましい。
【0048】
以上説明した構成は可能な限り組み合わせることが出来る。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る予混合圧縮着火燃焼内燃機関の燃焼制御システムの具体的な実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0050】
<第1の実施の形態>
図1,2は本実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの概略構成を示す図である。
図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2(1つの気筒のみ図示)を有する多気筒ディーゼル機関である。気筒2の略中心部には燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁3が備えられている。また、気筒2には、2つの吸気ポート4と2つの排気ポート5とが接続されている。これらの吸気ポート4と排気ポート5との気筒2への開口部は燃焼室に開口している。
【0051】
吸気ポート4の燃焼室への開口部には、該開口部を開閉するように吸気弁6が設けられている。一方、排気ポート5の燃焼室への開口部にも同様に、該開口部を開閉するように排気弁7が設けられている。これら吸気弁6および排気弁7には、図2に示すように、それぞれのリフト量および開閉時期を制御する可変動弁機構25が設けられている。可変動弁機構としては電磁駆動弁等が例示出来る。
【0052】
2つの吸気ポート4はインテークマニホルド9に接続されており、インテークマニホルド9は吸気通路8に接続されている。吸気通路8の途中には、遠心過給器(ターボチャージャ)24のコンプレッサハウジング24aが設置されている。コンプレッサハウジング24aより下流側の吸気通路8には、コンプレッサハウジング24a内で圧縮されて高温となった新気(空気)を冷却するインタークーラ10が取り付けられている。
【0053】
一方、2つの排気ポート5はエキゾーストマニホルド12に接続されており、エキゾーストマニホルド12は排気通路11に接続されている。排気通路11の途中には、ターボチャージャ24のタービンハウジング24bが設置されている。排気通路11は、タービンハウジング24bより下流側で図示しないマフラーに接続されている。
【0054】
また、内燃機関1には、気筒2から排出された排気の一部を気筒2内へ再循環させる排気再循環装置15が備えられている。排気再循環装置15は、一端がエキゾーストマニホルド12に接続されている第1EGR通路17と、該第1EGR通路17の他端に接続されているEGR用インテークマニホルド16と、該EGR用インテークマニホルド16とインタークーラ10より下流側の吸気通路8とを連通する第2EGR通路18と、EGR用インテークマニホルド16と気筒2の燃焼室とを連通するEGRポート22と、を備えている。
【0055】
第1EGR通路17と第2EGR通路18とには、電磁弁等からなり印加電圧の大きさに応じて、第1EGR通路17もしくは第2EGR通路18内を流れる排気(EGRガス)の流量を調整する第1EGR流量調整弁19と第2EGR流量調整弁20とがそれぞれ設けられている。EGRポート22の燃焼室への開口部には、吸気弁6および排気弁7と略同様に構成されたEGR弁23が該開口部を開閉するように設けられている。このEGR弁23にも、図2に示すように、吸気弁6および排気弁7と同様、リフト量および開閉時期を制御する可変動弁機構25が設けられている。第1EGR流量調整弁19より下流側の第1EGR通路17には、該第1EGR通路17を流通する排気を冷却するEGRクーラー21が設置されている。
【0056】
このように構成された排気再循環装置15では、第1EGR流量調整弁19が開弁されると、気筒2から排出された排気の一部がエキゾーストマニホルド12を介して第1EGR通路17へ流入する。第1EGR流量調整弁19より下流側通路の流入した排気はEGRクーラー21によって冷却され、EGR用インテークマニホルド16に流入する。そして、EGR用インテークマニホルド16に流入した排気は、EGR弁23が開弁されると燃焼室へ直接流入し、気筒2内に供給される。また、第2EGR流量調整弁20が開弁されると、EGR用インテークマニホルド16に流入した排気は、第2EGR通路18を介して吸気通路8へ流入し、この吸気通路8を流通する空気と混合される。この排気と空気との混合気はインテークマニホルド9と吸気ポート4とを介して燃焼室へ流入し、気筒2内へ供給される。
【0057】
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)30が併設されている。このECU30は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
【0058】
ECU30は、内燃機関1の出力軸の回転角に応じた信号を出力するクランクポジションセンサ13や、アクセル開度に応じた信号を出力するアクセル開度センサ14等の各種センサと電気的に接続されており、これらセンサの出力信号がECU30に入力される。
【0059】
一方、ECU30は、吸気弁6および排気弁7およびEGR弁23それぞれに設けられた各可変動弁機構25、燃料噴射弁3、第1EGR流量調整弁19、第2EGR流量調整弁20等と電気的に接続されており、上記各部がECU30によって制御される。
【0060】
ECU30は、CPU、ROM、RAM等を備えており、例えば、クランクポジションセンサ13がパルス信号を出力する時間的な間隔等に基づき内燃機関1の機関回転数を算出し、アクセル開度センサ14の出力信号等に基づき内燃機関1の負荷を算出する。
【0061】
また、本実施の形態に係る内燃機関1は、ECU30からの指令によって吸気行程中または圧縮行程中に燃料噴射弁3から気筒2内へ燃料を噴射することで、気筒2内において燃料と吸気との予混合気が形成され、該予混合気が燃焼に供される、いわゆる予混合圧縮着火燃焼を行う内燃機関である。ここでの吸気とは、吸気ポート4を介して気筒2内に供給される新気(空気)と、排気ポート5またはEGRポート22を介して気筒2内に供給される排気とを含むものである。
【0062】
予混合圧縮着火燃焼内燃機関では、着火時期を制御するために、気筒2内に排気を供給し、その供給量を制御する必要がある。そこで、本実施の形態に係る内燃機関1では、ECU30は、排気弁7とEGR弁23との開閉時期とリフト量とを、それぞれの可変動弁機構25を制御することによって調整する。そして、そのことによって、気筒2内に排気を供給すると共に、内燃機関1の運転状態に応じて、その供給量を制御している。即ち、吸気行程中に排気弁7を開弁状態とすると、気筒2から一旦排出された排気が排気ポート5内を逆流することになり、この排気が燃焼室へ供給され気筒2内へ供給される。また、吸気行程中にEGR弁23を開弁状態とすると、EGR用インテークマニホルド16からEGRポート22を介して燃焼室へ排気が供給され気筒2内へ供給される。
【0063】
吸気行程において排気弁7を開弁状態とする場合、排気行程において開弁状態にある排気弁7の閉弁時期を排気行程上死点近傍よりも遅角しても良く、また、排気行程上死点近傍で一旦閉じた排気弁7を吸気行程において再度開弁しても良い。
【0064】
排気ポート5を介して気筒2内に供給される排気は、気筒2から一旦排出された排気と略同等の状態であるため温度が高い。以下、この排気を高温排気と称する。一方、EGRポート22を介して気筒2内に供給される排気は、EGRクーラー21にて冷却された排気であるため温度が低い。以下、この排気を低温排気と称する。
【0065】
本発明に係る排気供給路のうち、温度の高い方の排気を燃焼室に供給する排気供給路は排気ポート5を含んで構成され、温度の低い方の排気を燃焼室に供給する排気供給路は、第1EGR通路17と、EGR用インテークマニホルド16と、EGRポート22とを含んで構成される。また、本発明に係る排気供給制御弁は、排気弁7とEGR弁23とを含んで構成される。また、本発明に係る排気供給制御弁調整手段は、可変動弁機構25とECU30とを含んで構成される。
【0066】
次に、本実施の形態に係る排気弁7とEGR弁23との吸気行程におけるリフト量制御について説明する。図3は、本実施の形態に係る吸気弁6と排気弁7とEGR弁23とのバルブプロフィールを示す図である。図3における矢印は排気弁7またはEGR弁23のリフト量を大きくすること、または小さくすることを示す。
尚、本実施の形態においては、吸気行程における排気弁7とEGR弁23との開閉時期は吸気弁6の開閉時期と略同様とする。
【0067】
内燃機関1の運転状態が低負荷運転領域にある場合は、図3の(a)に示すように、内燃機関1の負荷が高くなる程、排気弁7とEGR弁23との吸気行程中でのリフト量を双方とも大きくする。このとき、高温排気の方が低温排気に比べてより多く燃焼室に供給され、且つ、内燃機関1の負荷が高くなる程、燃焼室に供給される排気全体における低温排気の割合が増加するように、排気弁7とEGR弁23とのリフト量を調整する。
【0068】
内燃機関1の運転状態が中負荷または高負荷運転領域にある場合は、図3の(b)、(c)に示すように、内燃機関1の負荷が高くなる程、吸気行程中での、排気弁7のリフト量を小さくすると共に、EGR弁23のリフト量を大きくする。また、このとき、燃焼室に供給される排気の全体量は、内燃機関1の負荷が高くなる程、増加するように、排気弁7とEGR弁23とのリフト量を調整する。
【0069】
尚、排気弁7とEGR弁23とのリフト量の調整量は、内燃機関1の負荷や機関回転数等に基づくMAPから算出しても良い。
【0070】
上記のような排気弁7とEGR弁23とのリフト量制御によれば、内燃機関1の負荷が高くなる程、気筒2内の排気の量が増加するため、気筒2内に形成される予混合気の排気率(予混合気中の排気の量の割合)が高くなる。さらに、内燃機関1の負荷が高くなる程、気筒2内に供給される排気の全体としての温度は低下するため、予混合気の温度が過剰に高くなることを抑制することが出来る。従って、予混合気の着火性が抑えられ過早着火の発生を抑制することが可能となる。
【0071】
一方、内燃機関1の負荷が低い程、気筒2内の排気の量が減少するため、予混合気の排気率が低くなる。さらに、内燃機関1の負荷が低くなる程、気筒2内に供給される排気の全体としての温度は上昇するため、予混合気の温度が過剰に低くなることを抑制することが出来る。従って、予混合気の着火性が確保され失火の発生を抑制することが可能となる。また、未燃成分の排出も抑制することが可能となる。
【0072】
本実施の形態に係る内燃機関の燃焼制御システムでは、排気を吸気系にて空気と混合させることなく燃焼室へ直接供給するため、燃焼室に供給される空気量と排気の量との両方を同時に増加させることが出来る。そのため、内燃機関1の運転状態がより高負荷となったときでも、より多量の排気を気筒2内に供給することが出来る。従って、予混合圧縮着火燃焼を過早着火の発生を抑制しつつ、より高負荷領域で行うことが可能となる。
【0073】
また、燃焼室に直接供給される排気の供給量や供給時期を制御するため、吸気系に排気を供給することで排気と空気とを混合し、この混合気の気筒2内への供給を制御する場合に比べて、気筒2内への排気の供給量や供給時期の制御の応答遅れを小さくすることが出来る。
【0074】
また、排気ポート5とEGRポート22との燃焼室への開口部に設けられた排気弁7とEGR弁23とによって気筒2内へ排気の供給量や供給時期を制御するため、応答遅れを小さくすることが出来る。
【0075】
本実施の形態に係る内燃機関の燃焼制御システムにおいては、内燃機関1の運転状態が低負荷運転状態にある場合は、吸気行程においてEGR弁23を閉弁状態としても良い。この場合、高温排気のみが気筒2内に供給されるため、予混合気の温度が過剰に低くなることをより確実に抑制することが出来る。上記したように、内燃機関1の運転状態が低負荷運転状態にあるときは、気筒2内の温度は比較的低いため、高温排気のみを気筒2内に供給した場合であっても過早着火は発生しにくい。
【0076】
また、内燃機関1の運転状態が高負荷運転状態にある場合は、吸気行程において排気弁7を閉弁状態としても良い。この場合、低温排気のみが気筒2内に供給されるため、予混合気の温度が過剰に高くなることをより確実に抑制することが出来る。上記したように、内燃機関1の運転状態が高負荷運転状態にあるときは、気筒2内の温度は比較的高いため、低温排気のみを気筒2内に供給した場合であっても失火は発生しにくい。
【0077】
尚、本実施の形態に係る内燃機関の燃焼制御システムでは、内燃機関1の運転状態がいずれの負荷領域にあるかにかかわらず、内燃機関1の負荷が高い程、吸気行程において、排気弁7のリフト量を小さくすると共に、EGR弁23のリフト量を大きくしても良い。このような制御によっても、予混合気の温度が過剰に低くなること、または高くなることを抑制することが出来る。また、この場合でも、気筒2内に供給される排気の全体量は、内燃機関1の負荷が高い程、多くなるように排気弁7およびEGR弁23のリフト量を調整する。
【0078】
冷間始動直後のように内燃機関1の温度が低いときは、気筒2内の温度も低いため、排気弁7とEGR弁23とを上記した内燃機関1の運転状態が低負荷運転領域にあるときと同様に制御しても良い。
【0079】
排気ポート5および/またはEGRポート22は、これらのポートを介して供給される排気によって気筒2内の側壁面に沿った横旋回流が生起されるように、気筒に対して接線方向に設置されても良い(以下、このような構成のポートをタンジェンシャルポートと称する)。このような構成によれば、排気ポート5またはEGRポート22を介して供給された排気によって気筒2内における空気と燃料との混合度合いが悪化することを抑制することが出来る。
【0080】
また、排気再循環装置15を少なくとも2つ設け、一方の排気再循環装置15の第1EGR通路17にはEGRクーラー21を設置しない構成としても良い。このような構成によれば、吸気行程中に排気弁7を開弁状態とすることなく、一方の排気再循環装置15によって高温排気を燃焼室に供給することが出来、他方の排気再循環装置15によって低温排気を燃焼室に供給することが出来る。
【0081】
次に、本実施の形態に係る内燃機関1の運転状態が過渡運転となったときの吸気行程における排気弁7およびEGR弁23のリフト量の制御について図4から図9に基づいて説明する。
図4から図9において、燃料噴射量は燃焼室への燃料噴射量を示し、筒内排気量は気筒2内の排気の量を示し、供給排気温度は気筒2内に供給される排気の全体としての温度を示す。また、矢印は吸気弁6または排気弁7またはEGR弁23のリフト量を大きくすること、または小さくすることを示す。
【0082】
図4は、内燃機関1の運転状態が低負荷運転領域にあるときに内燃機関1を備えた車両が加速したとき、即ち気筒2内の排気の量を増加させる過渡運転となったときの、吸気行程における吸気弁6と排気弁7とEGR弁23とのリフト量と、燃焼室への燃料噴射量と、気筒2内の排気の量と、気筒2内に供給される排気全体の温度と、着火時期との関係を示すタイムチャート図である。
【0083】
車両が加速したとき、即ち燃焼室への燃料噴射量が増加したときは、気筒2内への空気の供給量を増加させるために、吸気弁6のリフト量を大きくする。また、気筒2内の排気の供給量を増加させるために、排気弁7とEGR弁23とのリフト量も大きくする。このとき、図4に示すように、燃料噴射量の増加が開始されてから、即ち車両の加速が開始されてから、所定期間、排気弁7のリフト量を、同じ燃料噴射量で定常運転を行う場合の排気弁7のリフト量より大きくする。所定期間経過後、排気弁7のリフト量は定常運転時のリフト量と同様のリフト量に戻される。
【0084】
図4において、気筒2内の排気の量を示す線および予混合気の着火時期を示す線の内、実線は、上記のような排気弁7のリフト量の制御を行った場合を示すものであり、破線は、排気弁7のリフト量を定常運転時と同様のリフト量とした場合を示すものである。
【0085】
上記のような排気弁7およびEGR弁23のリフト量の制御によれば、内燃機関1の運転状態が、低負荷運転領域にあるときに気筒2内の排気の量を増加させる過渡運転となったときは、排気弁7のリフト量を一時的に定常運転時より大きくすることによって、図4に示すように、気筒2内の排気の量がより速やかに増加する。そのため、気筒2内の実際の排気の量が応答遅れによって要求排気の量より少なくなることを抑制することが出来る。従って、過早着火の発生を抑制することが可能となる。
【0086】
また、図4に示すように、内燃機関1の負荷が高くなる程、気筒2内に供給される排気全体での温度を低下させるために、上記のような過渡運転後の定常運転時に気筒2内に供給される排気全体における低温排気の割合が過渡運転前の定常運転時よりも増加するように排気弁7とEGR弁23とのリフト量は調整される。しかしながら、上記のような過渡運転となったときは、高温排気の方の供給量がより速やかに増加する。そのため、気筒2内に供給される排気全体での温度を低下させる場合であっても、気筒2内の温度が過剰に低くなることを抑制することが出来る。従って、失火の発生や未燃成分の生成を抑制することが出来る。
【0087】
尚、所定期間とは、内燃機関1の運転状態が過渡運転となってから、排気弁7とEGR弁23とを内燃機関1の負荷に応じて制御することで、気筒2内の実際の排気の量が要求排気の量となるまでの期間である。
【0088】
図5は、内燃機関1の運転状態が中負荷または高負荷運転領域にあるときに内燃機関1を備えた車両が加速したとき、即ち気筒2内の排気の量を増加させる過渡運転となったときの、吸気行程における吸気弁6と排気弁7とEGR弁23のリフト量と、燃焼室への燃料噴射量と、気筒2内の排気の量と、気筒2内に供給される排気全体の温度と、着火時期との関係を示すタイムチャート図である。
【0089】
車両が加速したときは、即ち燃焼室への燃料噴射量が増加したときは、前記と同様、気筒2内への空気の供給量を増加させるために、吸気弁6のリフト量を大きくする。また、気筒2内への排気の供給量を増加させつつ、この排気の全体としての温度を低下させるために、EGR弁23のリフト量を大きくすると共に、排気弁7のリフト量を小さくする。即ち、低温排気の供給量を増加させると共に、高温排気の供給量を減少させる。このとき、図5に示すように、燃料噴射量の増加が開始されてから、即ち車両の加速が開始されてから、所定期間、EGR弁23のリフト量を、同じ燃料噴射量で定常運転を行う場合のEGR弁23のリフト量より大きくする。所定期間経過後、EGR弁23のリフト量は定常運転時のリフト量と同様のリフト量に戻される。
【0090】
図5において、気筒2内の排気の量を示す線および予混合気の着火時期を示す線の内、実線は、上記のような排気弁7およびEGR弁23のリフト量の制御を行った場合を示すものであり、破線は、排気弁7およびEGR弁のリフト量を定常運転時と同様のリフト量とした場合を示すものである。
【0091】
上記のような排気弁7およびEGR弁23のリフト量の制御によれば、内燃機関1の運転状態が、中負荷または高負荷運転領域にあるときに気筒2内の排気の量を増加させる過渡運転となったときは、EGR弁23のリフト量を一時的に定常運転時より大きくすることによって、図5に示すように、気筒2内の排気の全体量もより速やかに増加する。そのため、気筒2内の実際の排気の量が応答遅れによって要求排気の量より少なくなることを抑制することが出来る。従って、過早着火の発生を抑制することが可能となる。
【0092】
また、上記のような過渡運転となったときは、低温排気の気筒2内への供給量がより速やかに増加し、高温排気の気筒2内への供給量は減少する。即ち、気筒2内へ供給する排気全体における低温排気の割合が増加する。そのため、気筒2内の温度が過剰に高くなることを抑制することが出来る。従って、過早着火の発生をより確実に抑制することが可能となる。
【0093】
また、内燃機関1の運転状態が中負荷または高負荷運転領域にあるときに、気筒2内の排気の量を増加させる過渡運転となったときは、排気弁7とEGR弁23とのリフト量を図6に示すように制御しても良い。図6は、図5と同様、内燃機関1の運転状態が中負荷または高負荷運転領域にあるときに、気筒2内の排気の量を増加させる過渡運転となったときの、吸気行程における吸気弁6と排気弁7とEGR弁23のリフト量と、燃焼室への燃料噴射量と、気筒2内の排気の量と、気筒2内に供給される排気全体の温度と、着火時期との関係を示すタイムチャート図である。
【0094】
図6に示すような制御では、内燃機関1の運転状態が過渡運転となったとき、排気弁7のリフト量は変化させずに、EGR弁23のリフト量を、同じ燃料噴射量で定常運転を行う場合のEGR弁23のリフト量と同程度に大きくする。そして、過渡運転終了後、排気弁7のリフト量を小さくする。
【0095】
このような制御によれば、内燃機関1の運転状態が過渡運転となったときのEGR弁23のリフト量は、図5に示した制御を行ったときよりも小さいが、排気弁7のリフト量を小さくしないため、気筒2内の排気の全体量は、図5に示した制御を行った場合と同様、より速やかに増加する。また、低温排気の気筒2内への供給量のみが増加するため、図5に示した制御を行った場合と同様、気筒2内へ供給する排気全体における低温排気の割合が増加する。従って、上記した図5に示した制御を行った場合とほぼ同様の効果を得ることが出来る。
【0096】
図7は、内燃機関1の運転状態が低負荷運転領域にあるときに内燃機関1を備えた車両が減速したとき、即ち気筒2内の排気の量を減少させる過渡運転となったときの、吸気行程における吸気弁6と排気弁7とEGR弁23のリフト量と、燃焼室への燃料噴射量と、気筒2内の排気の量と、気筒2内に供給される排気全体の温度と、着火時期との関係を示すタイムチャート図である。
【0097】
車両が減速したとき、即ち燃焼室への燃料噴射量が減少したときは、気筒2内への空気の供給量を減少させるために、吸気弁6のリフト量を小さくする。また、気筒2内の排気の供給量を減少させるために、排気弁7とEGR弁23とのリフト量も小さくする。このとき、図7に示すように、燃料噴射量の減少が開始されてから、即ち車両の減速が開始されてから、所定期間、排気弁7のリフト量を、同じ燃料噴射量で定常運転を行う場合の排気弁7のリフト量より小さくする。所定期間経過後、排気弁7のリフト量は定常運転時のリフト量と同様のリフト量に戻される。
【0098】
図7において、気筒2内の排気の量を示す線および予混合気の着火時期を示す線の内、実線は、上記のような排気弁7のリフト量の制御を行った場合を示すものであり、破線は、排気弁7のリフト量を定常運転時と同様のリフト量とした場合を示すものである。
【0099】
上記のような排気弁7およびEGR弁23のリフト量の制御によれば、内燃機関1の運転状態が、低負荷運転領域にあるときに気筒2内の排気の量を減少させる過渡運転となったときは、排気弁7のリフト量を一時的に定常運転時より小さくすることによって、図7に示すように、気筒2内の排気の量がより速やかに減少する。そのため、気筒2内の実際の排気の量が応答遅れによって要求排気の量より多くなることを抑制することが出来る。従って、失火の発生や未燃成分の生成を抑制することが可能となる。
【0100】
また、図7に示すように、内燃機関1の負荷が低くなる程、気筒2内に供給される排気全体での温度を上昇させるために、上記のような過渡運転後の定常運転時に気筒2内に供給される排気全体における高温排気の割合が過渡運転前の定常運転時よりも増加するように排気弁7とEGR弁23とのリフト量は調整される。しかしながら、上記のような過渡運転となったときは、高温排気の方の供給量がより速やかに減少する。そのため、気筒2内に供給される排気全体での温度を上昇させる場合であっても、気筒2内の温度が過剰に高くなることを抑制することが出来る。従って、過早着火の発生を抑制することが可能となる。
【0101】
図8は、内燃機関1の運転状態が中負荷または高負荷運転領域にあるときに、内燃機関1を備えた車両が減速したとき、即ち気筒2内の排気の量を減少させる過渡運転となったときの、吸気行程における吸気弁6と排気弁7とEGR弁23のリフト量と、燃焼室への燃料噴射量と、気筒2内の排気の量と、気筒2内に供給される排気全体の温度と、着火時期との関係を示すタイムチャート図である。
【0102】
車両が減速したとき、即ち燃焼室への燃料噴射量が減少したときは、前記と同様、気筒2内への空気の供給量を減少させるために、吸気弁6のリフト量を小さくする。また、気筒2内の排気の供給量を減少させつつ、この排気の全体としての温度を上昇させるために、EGR弁23のリフト量を小さくすると共に、排気弁7のリフト量を大きくする。即ち、低温排気の供給量を減少させると共に、高温排気の供給量を増加させる。このとき、図8に示すように、車両の減速が開始されてから、即ち燃料噴射量の減少が開始されてから、所定期間、EGR弁23のリフト量を、同じ燃料噴射量で定常運転を行う場合のEGR弁23のリフト量より小さくする。所定期間経過後、EGR弁23のリフト量は定常運転時のリフト量と同様のリフト量に戻される。
【0103】
図8において、気筒2内の排気の量を示す線および予混合気の着火時期を示す線の内、実線は、上記のような排気弁7およびEGR弁23のリフト量の制御を行った場合を示すものであり、破線は、排気弁7およびEGR弁23のリフト量を定常運転時と同様のリフト量とした場合を示すものである。
【0104】
上記のような排気弁7およびEGR弁23のリフト量の制御によれば、内燃機関1の運転状態が、中負荷または高負荷運転領域にあるときに気筒2内の排気の量を減少させる過渡運転となったときは、EGR弁23のリフト量を一時的に定常運転時より小さくすることによって、図8に示すように、気筒2内の排気の全体量もより速やかに減少する。そのため、気筒2内の実際の排気の量が応答遅れによって要求排気の量より多くなることを抑制することが出来る。従って、失火の発生や未燃成分の生成を抑制することが可能となる。
【0105】
また、上記のよう過渡運転となったときは、低温排気の気筒2内への供給量がより速やかに減少し、高温排気の気筒2内への供給量は増加する。即ち、気筒2内へ供給する排気全体における高温排気の割合が増加する。そのため、気筒2内の温度が過剰に低くなることを抑制することが出来る。従って、失火の発生や未燃成分の生成をより確実に抑制することが可能となる。
【0106】
また、内燃機関1の運転状態が中負荷または高負荷運転領域にあるときに、気筒2内の排気の量を減少させる過渡運転となったときは、排気弁7とEGR弁23とのリフト量を図9に示すように制御しても良い。図9は、図8と同様、内燃機関1の運転状態が中負荷または高負荷運転領域にあるときに、気筒2内の排気の量を減少させる過渡運転となったときの、吸気行程における吸気弁6と排気弁7とEGR弁23のリフト量と、燃焼室への燃料噴射量と、気筒2内の排気の量と、気筒2内に供給される排気全体の温度と、着火時期との関係を示すタイムチャート図である。
【0107】
図9に示すような制御では、内燃機関1の運転状態が過渡運転となったとき、排気弁7のリフト量は変化させずに、EGR弁23のリフト量を、同じ燃料噴射量で定常運転を行う場合のEGR弁23のリフト量と同程度に小さくする。そして、過渡運転終了後、排気弁7のリフト量を大きくする。
【0108】
このような制御によれば、内燃機関1の運転状態が過渡運転となったときのEGR弁23のリフト量は、図8に示した制御を行ったときよりも大きいが、排気弁7のリフト量を大きくしないため、気筒2内の排気の全体量は、図8に示した制御を行った場合と同様、より速やかに減少する。また、低温排気の気筒2内への供給量のみが減少するため、図8に示した制御を行った場合と同様、気筒2内へ供給する排気全体における高温排気の割合が増加する。従って、上記した図8に示した制御を行った場合とほぼ同様の効果を得ることが出来る。
【0109】
尚、上記に説明したように、内燃機関1の運転状態が過渡運転となったときに、排気弁7またはEGR弁23のリフト量を一時的に増加または減少させる場合、その増加分または減少分は、そのときの内燃機関1の負荷や機関回転数等に基づくMAPから算出しても良い。
【0110】
<第2の実施の形態>
図10は本実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの概略構成を示す図である。本実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの概略構成は、後述するように、上記に説明したような図1,2に示す第1の実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの構成と排気ポート5の構成のみが異なり、その他は同様である。そのため、上記第1の実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムと同様の構成には同様の符号を付し、その説明を割愛する。
【0111】
図10に示すように、本実施の形態に係る排気ポート5は、タンジェンシャルポートである。このような構成によって、排気ポート5を介して供給される高温排気は気筒2内の側壁面付近に導入される。尚、本実施の形態においては、排気ポート5のうち、いずれか一方のみがタンジェンシャルポートである構成でも良い。
【0112】
次に、本実施の形態に係る燃焼制御システムにおいて、内燃機関1の運転状態が低負荷運転領域にあるときの吸気行程における吸気弁6と排気弁7とEGR弁23との制御について説明する。図11は、本実施の形態に係る吸気弁6と排気弁7とEGR弁23とのバルブプロフィールを示す図である。図11における矢印は吸気弁6または排気弁7またはEGR弁23の開弁時期または閉弁時期を、遅角すること、または進角することを示す。
【0113】
図11の(a)に示すように、内燃機関1の運転状態が低負荷運転領域にある場合は、吸気弁6の開弁時期を吸気行程上死点近傍よりも遅角する。そして、排気弁7は吸気行程上死点近傍で開弁し、EGR弁23は吸気行程後期に開弁する。即ち、吸気行程初期では排気弁7のみ開弁状態とする。
【0114】
本実施の形態においては、上述したように、高温排気は気筒2内の側壁面付近に供給される。そして、上記制御によれば、吸気行程初期には高温排気のみ気筒2内に供給される。そのため、高温排気が気筒2内の側壁面付近およびピストン頂面(気筒2内における下壁面)付近に分布し易い。一方、低温排気は吸気行程後期に気筒2内に供給されるため、該排気は気筒2内のシリンダヘッド側壁面(気筒2内における上壁面)付近に分布し易い。従って、図12に示すように、気筒2内の側壁面付近およびピストン頂面付近の温度を気筒2内のシリンダヘッド側壁面付近の温度よりも高くすることが出来る。
【0115】
そのため、内燃機関の運転状態が低負荷運転領域にあるときに、気筒2内の側壁面付近およびピストン頂面付近の予混合気の温度が過剰に低くなることを抑制することが出来る。以て、失火の発生や未燃成分の生成を抑制することが出来る。
【0116】
また、気筒2内において、側壁面付近およびピストン頂面付近とシリンダヘッド側壁面付近とでは温度が異なるため混合気の着火遅れも不均一となる。そのため、混合気の急激な燃焼が抑制され、以て燃焼騒音の悪化を抑制することが可能となる。
【0117】
尚、本実施の形態においては、図11の(b)に示すように、排気弁7を吸気行程の途中で閉弁しても良い。この場合、吸気行程後期では低温排気のみ気筒2内に供給されるため、気筒2内の温度分布をより不均一とし易い。
【0118】
また、図11の(c)に示すように、排気行程圧縮上死点近傍において排気弁7を閉弁せずに閉弁時期を遅角することで、吸気行程初期に該排気弁7を開弁状態としても良い。
【0119】
また、本実施の形態においては、内燃機関1の運転状態が低負荷運転領域にあるときには、吸気行程においてはEGR弁を開弁しない、即ち閉弁状態としても良い。この場合でも、気筒2内の側壁面付近およびピストン頂面付近の温度が過剰に低くなることを抑制することが出来る。
【0120】
本実施の形態においては、内燃機関1の負荷と機関回転数とに応じて、吸気行程における排気弁7とEGR弁23と吸気弁6とのそれぞれのリフト量を図13に示すように制御しても良い。
【0121】
即ち、内燃機関1の負荷と機関回転数とが低くなる程、図13の(a)に示すように排気弁7のリフト量を大きくし、図13の(b)および(c)に示すようにEGR弁23と吸気弁6とのリフト量を小さくしても良い。このとき、EGR弁23は、内燃機関1の運転状態が低負荷低回転領域にある場合、図13の(b)に示すように、閉弁状態としても良い。
【0122】
このような制御によれば、内燃機関1の負荷が低い程、気筒2内に供給される排気全体における高温排気の割合が増加し、より多量の高温排気を気筒2内の側壁面付近およびピストン頂面付近に供給することが出来る。そのため、気筒2内の温度、特に気筒2内の側壁面付近およびピストン頂面付近の温度が過剰に低くなることをより確実に抑制することが出来る。従って、失火の発生や未燃成分の生成をより確実に抑制することが出来る。一方、内燃機関1の負荷が高い程、気筒2内に供給される排気全体における低温排気の割合が増加する。そのため、気筒2内の温度が過剰に高くなることを抑制することが出来る。従って、過早着火の発生を抑制することが出来る。
【0123】
また、本実施の形態においては、内燃機関1の負荷と機関回転数とに応じて、吸気行程における排気弁7とEGR弁23と吸気弁6とのそれぞれの開弁時期および開弁時間を図14に示すように制御しても良い。
【0124】
即ち、図14の(a)に示すように、排気弁7の開弁時期を、内燃機関1の負荷と機関回転数とが低くなるほど上死点に近い時期とし、内燃機関1の負荷と機関回転数とが高くなるほど遅角しても良い。そして、図14の(d)に示すように、排気弁7の開弁時間を、内燃機関1の負荷と機関回転数とが低くなるほど長くする。また、図14の(b)に示すように、EGR弁23の開弁時期を、内燃機関1の負荷と機関回転数とが低くなるほど遅角し、内燃機関1の負荷と機関回転数とが高くなるほど上死点に近い時期としても良い。そして、図14の(e)に示すように、EGR弁23の開弁時間を、内燃機関1の負荷と機関回転数とが低くなるほど短くする。また、図14(c)に示すように、吸気弁6の開弁時期を、内燃機関1の負荷と機関回転数とが低くなるほど遅角し、内燃機関1の負荷と機関回転数とが高くなるほど上死点に近い時期としても良い。そして、図14の(f)に示すように、吸気弁6の開弁時間を、内燃機関1の負荷と機関回転数とが低くなるほど短くする。このとき、内燃機関1を中負荷以上で運転するためには、ある程度以上の空気を気筒2内に供給する必要があるため、図14の(c)に示すように、内燃機関1の運転状態が中負荷中回転領域にあるときには、吸気弁6の開弁時期は上死点近傍とする。
【0125】
このような制御によれば、内燃機関1の負荷が低い程、吸気行程におけるより早い時期に高温排気が気筒2内に供給されるため、高温排気が気筒2内の側壁面付近およびピストン頂面付近により分布し易くなる。従って、気筒2内の温度、特に気筒2内の側壁面付近およびピストン頂面付近の温度が過剰に低くなることをより確実に抑制することが出来る。
【0126】
また、このような各弁の開弁時期と開弁時間との制御によっても、上記した各弁のリフト量の制御と同様、内燃機関1の負荷が低い程、気筒2内に供給される排気全体における高温排気の割合が増加し、より多量の高温排気を気筒2内の側壁面付近およびピストン頂面付近壁面付近に供給することが出来る。一方、内燃機関1の負荷が大きくなる程、気筒2内に供給される排気における低温排気の割合が増加する。
【0127】
<第3の実施の形態>
図15は本実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの概略構成を示す図である。本実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの概略構成は、後述するように、上記に説明したような図1,2に示す第1の実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの構成とEGRポート22の構成のみが異なり、その他は同様である。そのため、上記第1の実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムと同様の構成には同様の符号を付し、その説明を割愛する。
【0128】
図15に示すように、本実施の形態に係るEGRポート22は、タンジェンシャルポートである。このような構成によって、EGRポート22を介して供給される低温排気は気筒2内の側壁面付近に導入される。尚、本実施の形態においては、EGRポート22のうち、いずれか一方のみがタンジェンシャルポートである構成でも良い。
【0129】
次に、本実施の形態に係る燃焼制御システムにおいて、内燃機関1の運転状態が高負荷運転領域にあるときの吸気行程における吸気弁6と排気弁7とEGR弁23との制御について説明する。図16は、本実施の形態に係る吸気弁6と排気弁7とEGR弁23とのバルブプロフィールを示す図である。図16における矢印は吸気弁6または排気弁7またはEGR弁23の開弁時期または閉弁時期を遅角すること、または進角することを示す。
【0130】
図16の(a)に示すように、内燃機関1の運転状態が高負荷運転領域にある場合は、EGR弁23は吸気行程上死点近傍で開弁し、排気弁7は吸気行程後期で開弁する。即ち、吸気行程初期ではEGR弁23のみ開弁状態とする。
【0131】
このような制御によれば、吸気行程初期には低温排気のみ気筒2内に供給される。吸気行程初期は吸気行程後期に比べて吸入効率が高いため、低温排気をより多量に気筒2内に供給することが出来る。そのため、気筒2内の温度が過剰に高くなることを抑制することが出来る。従って、過早着火の発生を抑制することが出来る。
【0132】
また、本実施の形態においては、上述したように、低温排気は気筒2内の側壁面付近に供給される。そして、上記制御によれば、吸気行程初期には低温排気のみ気筒2内に供給される。そのため、低温排気が気筒2内の側壁面付近およびピストン頂面(気筒2内における下壁面)付近に分布し易い。一方、高温排気は吸気行程後期に気筒2内に供給されるため、気筒2内のシリンダヘッド側壁面(気筒2内における上壁面)付近に分布し易い。従って、図17に示すように、気筒2内のシリンダヘッド側壁面付近の温度を気筒2内の側壁面付近およびピストン頂面付近の温度よりも高くすることが出来る。従って、低温排気がより多量に気筒2内に供給された場合であっても、圧縮行程上死点近傍で燃焼室に噴射される燃料の霧化がシリンダヘッド側壁面付近において促進されるため、着火性を確保することが出来る。
【0133】
また、上記第2の実施の形態と同様、気筒2内において、側壁面付近およびピストン頂面付近とシリンダヘッド側壁面付近とでは温度が異なるため混合気の着火遅れも不均一となる。そのため、混合気の急激な燃焼が抑制され、以て燃焼騒音の悪化を抑制することが可能となる。
【0134】
尚、本実施の形態においては、図16の(b)に示すように、EGR弁23を吸気行程の途中で閉弁しても良い。この場合、吸気行程後期では高温排気のみ気筒2内に供給されるため、気筒2内の温度分布をより不均一とし易い。
【0135】
本実施の形態においては、内燃機関1の負荷と機関回転数とに応じて、吸気行程における排気弁7とEGR弁23と吸気弁6とのそれぞれのリフト量を図18に示すように制御しても良い。
【0136】
即ち、図18の(a)に示すように、排気弁7のリフト量を、内燃機関1の運転状態が中負荷中回転領域にあるときには小さくし、内燃機関1の負荷と機関回転数とが低くなるほど、または、内燃機関1の負荷と機関回転数とが高くなるほど大きくしても良い。そして、EGR弁23と吸気弁6とのリフト量を、内燃図18の(b)と(c)とに示すようにEGR弁23と吸気弁6とのリフト量を、内燃機関1の負荷と機関回転数とが低くなるほど小さくしても良い。このとき、EGR弁23は、内燃機関1の運転状態が低負荷低回転領域にある場合、図18の(b)に示すように、閉弁状態としても良い。
【0137】
このような制御によれば、内燃機関1の運転状態が低負荷低回転運転領域にあるときは、該内燃機関1の負荷が低い程、気筒2内に供給される排気全体における高温排気の割合が増加する。そのため、気筒2内の温度が過剰に低くなることを抑制することが出来る。従って、失火の発生や未燃成分の生成をより確実に抑制することが出来る。また、内燃機関1の運転状態が中負荷中回転運転領域にあるときは、該内燃機関1の負荷が高くなる程、気筒2内に供給される排気全体における低温排気の割合が増加する。そのため、気筒2内の温度が過剰に高くなることを抑制することが出来る。従って、過早着火の発生を抑制することが出来る。また、内燃機関1の運転状態が高負荷高回転運転領域にあるときは、該内燃機関1の負荷が高くなる程、気筒2内に供給される高温排気と低温排気とが共に増加する。そのため、気筒2のシリンダヘッド側壁面付近において着火性を確保しつつ過早着火の発生を抑制することが出来る。
【0138】
また、本実施の形態においては、上記第2の実施の形態と同様、内燃機関1の負荷と機関回転数とに応じて、吸気行程における排気弁7とEGR弁23と吸気弁6とのそれぞれの開弁時期と開弁時間を図14に示すように制御しても良い。
【0139】
このような制御によれば、内燃機関1の負荷が高い程、吸気行程におけるより早い時期に低温排気が気筒2内に供給されるため、より多量の低温排気が気筒2内に供給される。従って、過早着火の発生を抑制することが出来る。
【0140】
<第4の実施の形態>
図19は本実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの概略構成を示す図である。本実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの概略構成は、後述するように、上記に説明したような図1,2に示す第1の実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの構成とは排気弁ポート5(5a、5b)とEGRポート22(22a、22b)との構成のみが異なり、その他は同様である。そのため、上記第1の実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムと同様の構成には同様の符号を付し、その説明を割愛する。
【0141】
図19に示すように、本実施の形態に係る排気再循環装置15は、EGR用インテークマニホルド16と気筒2の燃焼室とを連通するEGRポート22(22a、22b)を2つ備えている。このEGRポート22のうち、一方のEGRポート22aはタンジェンシャルポートである。以下、この一方のEGRポート22aを第1EGRポート22aと称し、他方のEGRポート22bを第2EGRポート22bと称する。
【0142】
また、本実施の形態に係る排気ポート5(5a、5b)のうち、一方の排気ポート5aはタンジェンシャルポートである。以下、この一方の排気ポート5aを第1排気ポート5aと称し、他方の排気ポート5bを第2排気ポート5bと称する。
【0143】
このような構成によって、第1EGRポート22aまたは第1排気ポート5aを介して供給される排気は気筒2内の側壁面付近に導入される。
【0144】
また、第1排気ポート5aと第2排気ポート5bとのそれぞれに設けられた排気弁7(7a、7b)をそれぞれ第1排気弁7a、第2排気弁7bと称する。第1EGRポート22aと第2EGRポート22bとのそれぞれに設けられたEGR弁23(23a、23b)をそれぞれ第1EGR弁23a、第2EGR弁23bと称する。第1排気弁7aと第2排気弁7bと第1EGR弁23aと第2EGR弁23bとは、第1の実施の形態における各弁と同様、図2に示すように、それぞれ可変動弁機構25が設けられている。
【0145】
本実施の形態においては、内燃機関1の運転状態が低負荷運転領域にあるときは、吸気行程において第1EGR弁23aを閉弁状態とする。そして、第1排気弁7aおよび第2排気弁7bと、第2EGR弁23bとのリフト量および開閉時期を、それぞれ上記第2の実施の形態において説明した排気弁7とEGR弁23とのリフト量および開閉時期の制御と同様に制御する。一方、内燃機関1の運転状態が高負荷運転領域にあるときは、吸気行程において第1排気弁7aを閉弁状態とする。そして、第2排気弁7bと、第1EGR弁および第2EGR弁23bとのリフト量および開閉時期を、それぞれ上記第3の実施の形態において説明した排気弁7とEGR弁23とのリフト量および開閉時期の制御と同様に制御する。
【0146】
本実施の形態によれば、内燃機関1の運転状態が、低負荷運転領域にあるときは上記第2の実施の形態と略同様の効果を得ることが出来、高負荷運転領域にあるときは上記第3の実施の形態と略同様の効果を得ることが出来る。
【0147】
<第5の実施の形態>
図20は本実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの概略構成を示す図である。本実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの概略構成は、
後述するように、ターボチャージャ24を本発明に係る可変容量型ターボチャージャとした点のみが、上記に説明したような図1,2に示す第1の実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの構成と異なり、その他は同様である。そのため、上記第1の実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムと同様の構成には同様の符号を付し、その説明を割愛する。
【0148】
以下、本実施の形態に係るターボチャージャ24の概略構成について図面に基づいて説明する。
図21は、本実施の形態に係るターボチャージャ24の概略構成を示す断面図である。
【0149】
ターボチャージャ24は、吸気通路8の途中に配置されたコンプレッサハウジング24aと、排気通路11の途中に配置されたタービンハウジング24bと、該コンプレッサハウジング24aと該タービンハウジング24bとの間に設けられたセンタハウジング24cと、を備えている。センタハウジング24cにはロータシャフト54がその軸心を中心に回転可能な状態で支持されており、該ロータシャフト54の一端は、コンプレッサハウジング24a内に配置されたコンプレッサホイール52に取り付けられており、また、該ロータシャフト54の他端は、タービンハウジング24b内に配置されたタービンホイール53に取り付けられている。
【0150】
このような構成のターボチャージャ24においては、排気が吹き付けられることによってタービンホイール53が回転し、該タービンホイール53が回転することによってコンプレッサホイール52も回転する。そして、該コンプレッサホイール52の回転によって、該コンプレッサホイール52より下流の吸気通路8に送り込まれる空気量を増加させる、いわゆる過給が行われる。
【0151】
さらに、タービンハウジング24b内においては、図22に示すように、羽形状のノズルベーン55がタービンホイール53の円周方向に複数取り付けられている。ここで、図22は、ノズルベーン55の概略配置を示すタービンハウジング24bの側面断面図である。また、タービンハウジング24bには、図21に示すように、該ノズルベーン55を開閉駆動させるノズルベーン用アクチュエータ50が設けられている。該ノズルベーン用アクチュエータ50によりノズルベーン55が開閉駆動されることによって、隣り合うノズルベーン55間の隙間の大きさが変化し、タービンホイール53に吹き付けられる排気の流速が変化することになる。その結果、タービンホイール53およびコンプレッサホイール52の回転速度やトルクも変化するため、コンプレッサホイール52より下流の吸気通路8への過給圧を調整することが可能となる。
【0152】
本実施の形態において、ノズルベーン用アクチュエータ50はECU30と電気的に接続されており、ノズルベーン55の開度は該ECU30によって制御される。
【0153】
次に、本実施の形態に係るノズルベーン55の開度制御について図23に基づいて説明する。図23は、本実施の形態に係る、内燃機関1の負荷と機関回転数と、ノズルベーン55の開度との関係を示す図である。
【0154】
図23に示すとおり、内燃機関1の負荷と機関回転数とが高くなる程、ノズルベーン55の開度を小さくする。
【0155】
このような制御によれば、内燃機関1の負荷が高くなる程、過給圧が高くなるため、気筒2内に供給される空気が多くなる。また、内燃機関1の負荷が高くなる程、タービンハウジング24bより上流側の圧力も高くなるため、気筒2内に供給される排気も多くなる。一方、内燃機関の負荷が低くなる程、過給圧が低くなるため、気筒2内に供給される空気量が少なくなる。また、内燃機関1の負荷が低くなる程、タービンより上流側の圧力も低くなるため、気筒2内に供給される排気も少なくなる。
【0156】
本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態において説明したように排気弁7およびEGR弁23の開度を調整することに加えて、上記のようにノズルベーン55の開度を調整することによって気筒2内の排気の量をより正確に制御することが出来る。
【0157】
次に、本実施の形態に係る内燃機関1の運転状態が過渡運転となったときのノズルベーン55の開度制御について図24,25に基づいて説明する。
図24,25において、燃料噴射量は燃焼室への燃料噴射量を示し、筒内排気量は気筒2内の排気の量を示す。
【0158】
図24は、内燃機関1を備えた車両が加速したとき、即ち内燃機関1の運転状態が、気筒2内の排気の量を増加させる過渡運転となったときの、ノズルベーン55の開度と、燃焼室への燃料噴射量と、気筒2内の排気の量と、着火時期との関係を示すタイムチャート図である。
【0159】
車両が加速したとき、即ち燃焼室への燃料噴射量が増加したときは、ノズルベーン55の開度を、同じ燃料噴射量で定常運転を行う場合のノズルベーン55の開度より小さくする。過渡運転終了後、ノズルベーン55の開度は定常運転時の開度に戻される。
【0160】
図24において、気筒2内の排気の量を示す線および予混合気の着火時期を示す線の内、実線は、上記のようなノズルベーン55の開度制御を行った場合を示すものであり、破線は、ノズルベーン55の開度を定常運転時と同様の開度とした場合を示すものである。
【0161】
上記のようなノズルベー55の開度制御によれば、内燃機関1の運転状態が、気筒2内の排気の量を増加させる過渡運転となったときは、気筒2内への排気の供給量がより速やかに増加する。そのため、気筒2内の実際の排気の量が応答遅れによって要求排気の量より少なくなることを抑制することが出来る。従って、過早着火の発生を抑制することが可能となる。また、同時に、気筒2内への空気の供給量もより速やかに増加させることが出来るため、車両の加速性を向上させることが出来る。
【0162】
図25は、内燃機関1を備えた車両が減速したとき、即ち内燃機関1の運転状態が、気筒2内の排気の量を減少させる過渡運転となったときの、ノズルベーン55の開度と、燃焼室への燃料噴射量と、気筒2内の排気の量と、着火時期との関係を示すタイムチャート図である。
【0163】
車両が減速したとき、即ち燃焼室への燃料噴射量が減少したときは、ノズルベーン55の開度を、同じ燃料噴射量で定常運転を行う場合のノズルベーン55の開度より大きくする。過渡運転終了後、ノズルベーン55の開度は定常運転時の開度に戻される。
【0164】
図25において、気筒2内の排気の量を示す線および予混合気の着火時期を示す線の内、実線は、上記のようなノズルベーン55の開度制御を行った場合を示すものであり、破線は、ノズルベーン55の開度を定常運転時と同様の開度とした場合を示すものである。
【0165】
上記のようなノズルベー55の開度制御によれば、内燃機関1の運転状態が排気の量を減少させる過渡運転となったときは、気筒2内への排気の供給量がより速やかに減少する。そのため、気筒2内の実際の排気の量が応答遅れによって要求排気の量より多くなることを抑制することが出来る。従って、失火の発生や未燃成分の生成を抑制することが可能となる。また、同時に、気筒2内への空気の供給量もより速やかに減少させることが出来るため、車両の減速性を向上させることが出来る。
【0166】
尚、上記に説明したように内燃機関1の運転状態が過渡運転となったときに、ノズルベーン55の開度を増加または減少させる場合、その増加分または減少分は、そのときの内燃機関1の負荷や機関回転数等のMAPから算出しても良い。
【0167】
【発明の効果】
本発明に係る予混合圧縮着火内燃機関の燃焼制御システムによれば、過早着火または失火の発生等を抑制し、より広い運転領域でより好適な予混合圧縮着火燃焼を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの概略構成を示す第1の図。
【図2】 第1の実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの概略構成を示す第2の図。
【図3】 (a)は、内燃機関の運転状態が低負荷運転領域にある場合の吸気弁と排気弁とEGR弁とのバルブプロフィールを示す図。(b)は、内燃機関の運転状態が中負荷運転領域にある場合の吸気弁と排気弁とEGR弁とのバルブプロフィールを示す図。(c)は、内燃機関の運転状態が高負荷運転領域にある場合の吸気弁と排気弁とEGR弁とのバルブプロフィールを示す図。
【図4】 内燃機関の運転状態が低負荷運転領域にあるときに、気筒内の排気の量を増加させる過渡運転となったときの、吸気行程における吸気弁と排気弁とEGR弁のリフト量と、燃焼室への燃料噴射量と、気筒内の排気の量と、気筒内に供給される排気全体の温度と、着火時期との関係を示すタイムチャート図。
【図5】 内燃機関の運転状態が中負荷または高負荷運転領域にあるときに、気筒内の排気の量を増加させる過渡運転となったときの、吸気行程における吸気弁と排気弁とEGR弁のリフト量と、燃焼室への燃料噴射量と、気筒内の排気の量と、気筒内に供給される排気全体の温度と、着火時期との関係を示す第1のタイムチャート図。
【図6】 内燃機関の運転状態が中負荷または高負荷運転領域にあるときに、気筒内の排気の量を増加させる過渡運転となったときの、吸気行程における吸気弁と排気弁とEGR弁のリフト量と、燃焼室への燃料噴射量と、気筒内の排気の量と、気筒内に供給される排気全体の温度と、着火時期との関係を示す第2のタイムチャート図。
【図7】 内燃機関の運転状態が低負荷運転領域にあるときに、気筒内の排気の量を減少させる過渡運転となったときの、吸気行程における吸気弁と排気弁とEGR弁のリフト量と、燃焼室への燃料噴射量と、気筒内の排気の量と、気筒内に供給される排気全体の温度と、着火時期との関係を示すタイムチャート図。
【図8】 内燃機関の運転状態が中負荷または高負荷運転領域にあるときに、気筒内の排気の量を減少させる過渡運転となったときの、吸気行程における吸気弁と排気弁とEGR弁のリフト量と、燃焼室への燃料噴射量と、気筒内の排気の量と、気筒内に供給される排気全体の温度と、着火時期との関係を示す第1のタイムチャート図。
【図9】 内燃機関の運転状態が中負荷または高負荷運転領域にあるときに、気筒内の排気の量を減少させる過渡運転となったときの、吸気行程における吸気弁と排気弁とEGR弁のリフト量と、燃焼室への燃料噴射量と、気筒内の排気の量と、気筒内に供給される排気全体の温度と、着火時期との関係を示す第2のタイムチャート図。
【図10】 第2の実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの概略構成を示す図。
【図11】 (a)は、内燃機関の運転状態が低負荷運転領域にある場合の吸気弁と排気弁とEGR弁とのバルブプロフィールを示す図。(b)は、内燃機関の運転状態が低負荷運転領域にある場合の吸気弁と排気弁とEGR弁とのバルブプロフィールを示す図。(c)は、内燃機関の運転状態が低負荷運転領域にある場合の吸気弁と排気弁とEGR弁とのバルブプロフィールを示す図。
【図12】 第2の実施の形態に係る気筒内の温度分布を示す図。
【図13】 (a)は、内燃機関の負荷と機関回転数と、吸気行程における排気弁のリフト量との関係を示す図。(b)は、内燃機関の負荷と機関回転数と、吸気行程におけるEGR弁のリフト量との関係を示す図。(c)は、内燃機関の負荷と機関回転数と、吸気行程における吸気弁のリフト量との関係を示す図。
【図14】 (a)は、内燃機関の負荷と機関回転数と、吸気行程における排気弁の開弁時期との関係を示す図。(b)は、内燃機関の負荷と機関回転数と、吸気行程におけるEGR弁の開弁時期との関係を示す図。(c)は、内燃機関の負荷と機関回転数と、吸気行程における吸気弁の開弁時期との関係を示す図。(d)は、内燃機関の負荷と機関回転数と、吸気行程における排気弁の開弁時間との関係を示す図。(b)は、内燃機関の負荷と機関回転数と、吸気行程におけるEGR弁の開弁時間との関係を示す図。(c)は、内燃機関の負荷と機関回転数と、吸気行程における吸気弁の開弁時間との関係を示す図。
【図15】 第3の実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの概略構成を示す図。
【図16】 (a)は、内燃機関の運転状態が高負荷運転領域にある場合の吸気弁と排気弁とEGR弁とのバルブプロフィールを示す図。(b)は、内燃機関の運転状態が高負荷運転領域にある場合の吸気弁と排気弁とEGR弁とのバルブプロフィールを示す図。
【図17】 第3の実施の形態に係る気筒内の温度分布を示す図。
【図18】 (a)は、内燃機関の負荷と機関回転数と、吸気行程における排気弁の開弁時期との関係を示す図。(b)は、内燃機関の負荷と機関回転数と、吸気行程におけるEGR弁の開弁時期との関係を示す図。(c)は、内燃機関の負荷と機関回転数と、吸気行程における吸気弁の開弁時期との関係を示す図。
【図19】 第4の実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの概略構成を示す図。
【図20】 第5の実施の形態に係る内燃機関とその燃焼制御システムの概略構成を示す図。
【図21】 ターボチャージャの概略構成を示す断面図。
【図22】 ノズルベーンの概略配置を示すタービンハウジングの側面断面図。
【図23】 内燃機関の負荷と機関回転数と、ノズルベーンの開度との関係を示す図。
【図24】 内燃機関の運転状態が、気筒内の排気の量を増加させる過渡運転となったときの、ノズルベーンの開度と、燃焼室への燃料噴射量と、気筒内の排気の量と、着火時期との関係を示すタイムチャート図。
【図25】 内燃機関の運転状態が、気筒内の排気の量を減少させる過渡運転となったときの、ノズルベーンの開度と、燃焼室への燃料噴射量と、気筒内の排気の量と、着火時期との関係を示すタイムチャート図。
【符号の説明】
1・・・内燃機関
2・・・気筒
3・・・燃料噴射弁
4・・・吸気ポート
5・・・排気ポート
5a・・第1排気ポート
5b・・第2排気ポート
6・・・吸気弁
7・・・排気弁
7a・・第1排気弁
7b・・第2排気弁
8・・・吸気通路
9・・・インテークマニホルド
10・・インタークーラ
11・・排気通路
12・・エキゾーストマニホルド
13・・クランクポジションセンサ
14・・アクセル開度センサ
15・・排気再循環装置
16・・EGR用インテークマニホルド
17・・第1EGR通路
18・・第2EGR通路
19・・第1EGR流量調整弁
20・・第2EGR流量調整弁
21・・EGRクーラー
22・・EGRポート
22a・・第1EGRポート
22b・・第2EGRポート
23・・EGR弁
23a・・第1EGR弁
23b・・第2EGR弁
24・・遠心過給器(ターボチャージャ)
24a・・コンプレッサハウジング
24b・・タービンハウジング
24c・・センタハウジング
25・・可変動弁機構
30・・ECU
50・・ノズルベーン用アクチュエータ
52・・コンプレッサホイール
53・・タービンホイール
54・・ロータシャフト
55・・ノズルベーン

Claims (8)

  1. 吸気行程中および/または圧縮行程中に、気筒内に燃料と吸気との予混合気が形成され、該予混合気が燃焼に供される予混合圧縮着火燃焼内燃機関において、
    前記気筒内から排出された排気の一部を比較的温度高い状態で燃焼室に直接供給する高温排気供給路と、
    前記気筒内から排出された排気の一部を比較的温度の低い状態で前記燃焼室に供給する低温排気供給路と、
    前記高温排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給を制御する高温排気供給制御弁と、
    前記低温排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給を制御する低温排気供給制御弁と、
    前記高温排気供給制御弁および前記低温排気供給制御弁の開閉時期および開度をそれぞれ調整する排気供給制御弁調整手段と、
    前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    を備え、
    前記排気供給制御弁調整手段によって、前記排気供給制御弁の少なくとも一方を吸気行程において開弁状態とすると共に、前記高温排気供給制御弁および前記低温排気供給制御弁の開度をそれぞれ調整することで、前記運転状態検出手段によって検出された前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の負荷が高い程、前記燃焼室に供給される排気の全体量を増加させ、且つ該排気全体における温度の低い方の排気の割合を増加させることで前記燃焼室に供給される排気の全体としての温度を低下させ、且つ、
    前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の運転状態が、前記気筒内の排気の量を増加させる過渡運転となったときには、前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の負荷に応じて、前記高温排気供給制御弁および前記低温排気供給制御弁のうち少なくともいずれか一方の開度を、第一の所定期間、同負荷での定常運転時の開度より大きくし、
    前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の運転状態が、前記気筒内の排気の量を減少させる過渡運転となったときには、前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の負荷に応じて、前記高温排気供給制御弁および前記低温排気供給制御弁のうち少なくともいずれか一方の開度を、第二の所定期間、同負荷での定常運転時の開度より小さくすることを特徴とする予混合圧縮着火燃焼内燃機関の燃焼制御システム。
  2. 前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の運転状態が、低負荷運転領域にあり、且つ前記気筒内の排気の量を増加させる過渡運転となったときには、前記第一の所定期間
    、前記高温排気供給制御弁の開度を定常運転時の開度より大きくし、
    前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の運転状態が、中負荷または高負荷運転領域にあり、且つ前記気筒内の排気の量を増加させる過渡運転となったときには、前記第一の所定期間、前記低温排気供給制御弁の開度を、同負荷での定常運転時の開度より大きくすることを特徴とする請求項記載の予混合圧縮着火燃焼内燃機関の燃焼制御システム。
  3. 前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の運転状態が、低負荷運転領域にあり、且つ前記気筒内の排気の量を減少させる過渡運転となったときには、前記第二の所定期間、前記低温排気供給制御弁の開度を、同負荷での定常運転時の開度より小さくし、
    前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の運転状態が、中負荷または高負荷運転領域にあり、且つ前記気筒内の排気の量を減少させる過渡運転となったときには、前記第二の所定期間、前記高温排気供給制御弁の開度を、同負荷での定常運転時の開度より小さくすることを特徴とする請求項記載の予混合圧縮着火燃焼内燃機関の燃焼制御システム。
  4. 排気通路に設けられたタービン側に開閉駆動可能なノズルベーンを有し、該ノズルベーンの開度を変化させることで過給圧を可変とする可変容量型ターボチャージャと、
    前記ノズルベーンの開度を調整するノズルベーン開度調整手段と、
    をさらに備え、
    前記排気供給路は、前記タービンより上流側の排気の一部を燃焼室に供給し、
    前記ノズルベーン開度調整手段は、前記運転状態検出手段によって検出された前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の負荷が高い程、前記ノズルベーンの開度を小さくすることを特徴とする請求項1記載の予混合圧縮着火燃焼内燃機関の燃焼制御システム。
  5. 吸気行程中および/または圧縮行程中に、気筒内に燃料と吸気との予混合気が形成され、該予混合気が燃焼に供される予混合圧縮着火燃焼内燃機関において、
    前記気筒内から排出された排気の一部をそれぞれ温度の異なる状態で燃焼室に直接供給する少なくとも2つの排気供給路と、
    前記各排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給をそれぞれ制御する排気供給制御弁と、
    前記各排気供給制御弁の開閉時期をそれぞれ調整する開閉時期調整手段と、
    前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    を備え、
    前記排気供給路のうち、温度の高い方の排気を前記燃焼室に供給する排気供給路は、該排気供給路から供給される排気が前記気筒内の側壁面付近に供給されるように形成され、
    前記運転状態検出手段によって検出された前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の運転状態が低負荷運転領域にあるときは、前記開閉時期調整手段によって前記各排気供給制御弁の開閉時期をそれぞれ調整することで、前記気筒内の側壁面付近の温度およびピストン頂面付近の温度を前記気筒内のシリンダヘッド側壁面付近の温度よりも高くすることを特徴とする予混合圧縮着火燃焼内燃機関の燃焼制御システム。
  6. 前記排気供給路のうち、温度の高い方の排気を前記燃焼室に供給する排気供給路を高温排気供給路とし、温度の低い方の排気を前記燃焼室に供給する排気供給路を低温排気供給路とし、
    前記排気供給制御弁のうち、前記高温排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給を制御する排気供給制御弁を高温排気供給制御弁とし、前記低温排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給を制御する排気供給制御弁を低温排気供給制御弁とし、
    前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の運転状態が低負荷運転領域にあるときは、吸気行程初期では前記高温排気供給制御弁のみ開弁状態とすると共に、吸気行程後期に前記低温排気供給制御弁を開弁状態とすることを特徴とする請求項記載の予混合圧縮着火燃焼内燃機関の燃焼制御システム。
  7. 吸気行程中および/または圧縮行程中に、気筒内に燃料と吸気との予混合気が形成され、該予混合気が燃焼に供される予混合圧縮着火燃焼内燃機関において、
    前記気筒内から排出された排気の一部をそれぞれ温度の異なる状態で燃焼室に直接供給
    する少なくとも2つの排気供給路と、
    前記各排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給をそれぞれ制御する排気供給制御弁と、
    前記各排気供給制御弁の開閉時期をそれぞれ調整する開閉時期調整手段と、
    前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    を備え、
    前記排気供給路のうち、温度の低い方の排気を前記燃焼室に供給する排気供給路は、該排気供給路から供給される排気が前記気筒内の側壁面付近に供給されるように形成され、
    前記運転状態検出手段によって検出された前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の運転状態が高負荷運転領域にあるときは、前記開閉時期調整手段によって前記各排気供給制御弁の開閉時期をそれぞれ調整することで、温度の低い方の排気をより多量に前記気筒内に供給すると共に、前記気筒内のシリンダヘッド側壁面付近の温度を前記気筒内の側壁面付近の温度およびピストン頂面付近の温度よりも高くすることを特徴とする予混合圧縮着火燃焼内燃機関の燃焼制御システム。
  8. 前記排気供給路のうち、温度の高い方の排気を前記燃焼室に供給する排気供給路を高温排気供給路とし、温度の低い方の排気を前記燃焼室に供給する排気供給路を低温排気供給路とし、
    前記排気供給制御弁のうち、前記高温排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給を制御する排気供給制御弁を高温排気供給制御弁とし、前記低温排気供給路からの前記燃焼室への排気の供給を制御する排気供給制御弁を低温排気供給制御弁とし、
    前記予混合圧縮着火燃焼内燃機関の運転状態が高負荷運転領域にあるときは、吸気行程初期では前記低温排気供給制御弁のみ開弁状態とすると共に、吸気行程後期では前記高温排気供給制御弁を開弁状態とすることを特徴とする請求項記載の予混合圧縮着火燃焼内燃機関の燃焼制御システム。
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