JPH1088948A - 引 戸 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型の支持体によって扉体を横行自在に支持
することができると共に、扉体に形状的な制限がなく、
しかも、支持体に対する扉体の取付位置調整を容易かつ
自由に行うことができるノンレール式引戸を提供する。 【解決手段】 ボルト９ａの頭部あるいはナット９ｂを
摺動自在かつ回転不能に収納するねじ収納溝４ｅを長手
方向に備えた２本の支柱４ａにより支持体４を形成し、
頭部をねじ収納溝４ｅに収納したボルト９ａ，ナット９
ｂおよび長孔状ボルト挿通孔８ａ，８ａを備えたブラケ
ット８によって、扉体のガイドレールに係合して扉体を
横行自在に支持するガイドローラを備えたローラベース
７を支柱４ａに固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、扉体の横行をガイ
ドするレールを床面に設置する必要のない、いわゆるノ
ンレールタイプの引戸に係わり、とくに、現場施工に際
して支持体に対する扉体の取付け位置を自由に調整した
り、扉体をがたつきなく支持体に配設したり、異常な負
荷による扉体や支持体の変形や破損を防止したりするた
めの構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、支持体によって扉体を地上から浮
揚した状態に保持したノンレールタイプの引戸は、床面
仕上げの制約を受けず、傾斜地や階段の直前位置などに
広く適用されおり、例えば、実開昭６４−４７９７号公
報、あるいは実開昭６３−２３４９７号公報に記載され
たものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開昭
６４−４７９７号公報に記載された引戸式門扉において
は、扉体の上下框を案内支柱の上下に配置された走行ロ
ーラによって挟むことによって扉体を横行自在に支持し
ていることから、扉体の形状が矩形状の比較的単純なも
のに限定されざるを得ないという問題点があり、一方、
実開昭６３−２３４９７号公報記載の門扉においては、
扉体が形状的に限定されることはないものの、扉体およ
び回転支持体の移動長さに相当する長さのレールを必要
とすることから、扉体および回転支持体を横行自在に支
持する塀あるいは門柱が大きなものとならざるを得ず、
設置場所が限定されてしまうという問題点があり、この
ような問題点を解決することがこのようなノンレールタ
イプの引戸のバリエーションを増やし、ユーザーの要望
や種々の施工条件などに広く対応するための課題となっ
ていた。

【０００４】また、このような引戸を設置するに際し
て、施工現場の状況に応じて、扉体を最適な位置にがた
つきなく支持体に取付けるための構造や、完成後の扉体
に異常な荷重がかかった場合、例えば扉体に子供が乗っ
たような場合に扉体や支持体の変形や破損を防止するた
めの構造などが求められていた。

【０００５】

【発明の目的】本発明は、従来のノンレール式引戸にお
ける上記課題に着目してなされたものであって、扉体の
形状的な制約がなく、しかも扉体を支持する支持体の大
型化を避けることができ設置場所が限定されることがな
く、さらに扉体の位置を容易かつ自由にに調整すること
ができ、扉体に異常な荷重が負荷されたとしても扉体や
支持体が容易に変形することのないノンレール式引戸を
提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に係わ
る引戸は、水平方向のガイドレールを備えた扉体と、扉
体のガイドレールに係合して扉体を横行自在に支持する
複数のガイドローラを備えた支持体を有し、支持体が２
本の支柱を有し、両支柱の相対向する面の長手方向にボ
ルト頭部あるいはナットを摺動可能かつ回転不能に収納
するねじ収納溝を備え、ガイドローラがねじ収納溝に頭
部を収納したボルトあるいはねじ収納溝に収納したナッ
トに螺合するボルトを挿通する長孔をねじ収納溝に直交
する方向に備えたブラケットで両支柱に固定してある構
成としたことを特徴とし、本発明の請求項１に係わる引
戸の実施態様として請求項２に係わる引戸においては、
支持体が両支柱間に形成される空間部を覆うカバー材を
備えている構成とし、同じく実施態様として請求項３に
係わる引戸においては、ねじ収納溝の底部にボルトの先
端部を挿通する仮止め用長孔が形成してある構成とした
ことを特徴としており、このようなな引戸の構成を前述
した従来の課題を解決するための手段としている。

【０００７】本発明の請求項４に係わる引戸は、水平方
向のガイドレールを備えた扉体と、扉体のガイドレール
に係合して扉体を横行自在に支持する複数のガイドロー
ラを備えた支持体を有し、ガイドローラが、軸部を支持
体に固着した固定ローラと、軸部を支持体に対して上下
動自在に配設した調整ローラを備えている構成としてい
る。

【０００８】本発明の請求項５に係わる引戸は、水平方
向のガイドレールを備えた扉体と、扉体のガイドレール
に係合して扉体を横行自在に支持する複数のガイドロー
ラを備えた支持体を有し、扉体の戸先側に、地面から所
定距離だけ離間した戸先支持部材が取付けてある備えて
いる構成とし、請求項５に係わる引戸の実施態様として
請求項６に係わる引戸においては、戸先支持部材が硬質
ゴムからなるタイヤである構成としており、このような
引戸の構成を前述した従来の課題を解決するための手段
としたことを特徴としている。

【０００９】本発明の請求項７に係わる引戸は、同様
に、水平方向のガイドレールを備えた扉体と、扉体のガ
イドレールに係合して扉体を横行自在に支持する複数の
ガイドローラを備えた支持体を有し、ガイドレールが扉
体を形成する框材に一体に形成してある構成とし、請求
項７に係わる引戸の実施態様として請求項８に係わる引
戸においては、ガイドレールが框材の表裏両面に形成し
てある構成としたことを特徴としている。

【００１０】さらに本発明の請求項９に係わる引戸は、
水平方向のガイドレールを備えた扉体と、扉体のガイド
レールに係合して扉体を横行自在に支持する複数のガイ
ドローラを備えた支持体を有し、支持体には、支持体と
扉体との間に形成される隙間を隠蔽するクッション材が
取付けてある構成としており、引戸におけるこのような
構成を前述した従来の課題を解決するための手段とした
ことを特徴としている。

【００１１】

【発明の作用】本発明の請求項１に係わる引戸において
は、扉体の側に設けたガイドレールに、支持体の側に設
けた複数のガイドローラが係合することによって扉体が
横行自在に支持され、扉体の支持機構が扉体の上下縁部
から独立しているので、扉体の形状に制限がなくなると
共に、ガイドレールが扉体の側に設けてあるので支持体
の寸法を大きくする必要がなくなる。そして、支持体が
２本の支柱を有し、これら支柱の相対向する面に長手方
向のねじ収納溝を備え、ボルト頭部あるいはナットがね
じ収納溝に収納されたボルト・ナットおよびねじ収納溝
に直交する長孔状ボルト挿通孔を備えたブラケットによ
ってガイドローラが両支柱に固定されていることから、
ガイドローラの支持体への取付け位置が上下および前後
方向に自由に調整されることになり、扉体の高さ調整，
傾き調整および前後調整が容易なものとなる。

【００１２】本発明の請求項１に係わる引戸の実施態様
として請求項２に係わる引戸においては、両支柱間の形
成される空間部がカバー材によって覆ってあるので、両
支柱にガイドローラを固定するためのねじ収納溝やブラ
ケット、ボルトなどが外部から見えなくなり、引戸の外
観意匠性が向上することになる。また、同じく実施態様
として請求項３に係わる引戸においては、支柱のねじ収
納溝の底部に、ボルトの先端を挿通する仮止め孔用長孔
が形成してあるので、扉体の位置調整に際して、ねじ収
納溝に収納したナットにねじ込んだボルトの先端部をこ
の長孔に挿通することによって、他のボルトをすべて弛
めたとしても扉体がずり落ちるようなことがなくなり、
位置調整作業の作業性が向上することになる。

【００１３】本発明の請求項４に係わる引戸において
は、同様の構造によって扉体が支持体に支持されている
ので、扉体の形状的制限や支持体の寸法を大きくする必
要がなくなると共に、ガイドローラが固定ローラと上下
動可能な調整ローラを備えているので、ガイドレール幅
にばらつきがあったとしても扉体の横行にがたつきが生
じることがない。

【００１４】本発明の請求項５に係わる引戸において
は、同様の構造によって扉体が支持体に支持されている
ので、同様に、扉体の形状の制限がなくなり、支持体の
大型化が回避されると共に、扉体の戸先側に、例えば請
求項６に規定するように硬質ゴム製タイヤのような戸先
支持部材が地面から離間した状態に取付けてあるので、
例えば子供が扉体に乗って遊んだとしても、扉体や支持
体が大きく変形するようなことがなく、破損したり、扉
体の円滑な走行が阻害されたりすることがなくなる。

【００１５】また、本発明の請求項７に係わる引戸にお
いては、同様の構造によって扉体が支持体に支持されて
いるので、扉体の形状の制限がなくなり、支持体の大型
化が回避されると共に、ガイドレールが扉体の框材と一
体に形成してあるので、ガイドレールを扉体に取付ける
ための工数が削減されるばかりでなく、すっきりした一
体感のある外観となり、扉体の意匠性が向上することに
なる。また、請求項７に係わる引戸の実施態様として請
求項８に係わる引戸においては、ガイドレールが框材の
表裏両面に形成してあるので、扉体の表裏，左右がなく
なって、右開き用，左開き用それぞれの扉体を用意する
必要がなくなり、在庫数が減少することになる。

【００１６】さらに、本発明の請求項９に係わる引戸に
おいては、同様の構造によって扉体が支持体に支持され
ているので、扉体の形状的制限や支持体の寸法を大きく
する必要がなくなると共に、支持体と扉体との隙間を隠
蔽するクッション材が、支持体の例えばコーナー部に取
付けてあるので、支持体の内部構造が外部から見えにく
くなり、引戸の外観意匠性が向上と共に、万一、支持体
と扉体との間に指などが入ったとしても、怪我をする危
険がクッション材の変形によって避けられることにな
る。

【００１７】

【実施例】以下、本発明を図面に基づいて具体的に説明
する。

【００１８】実施例１ 図１ないし図５は、本発明の一実施例に係わる引戸の構
造を示すものであって、この実施例では、本発明に係わ
る引戸を門扉として利用した例について説明する。

【００１９】すなわち、図１は、本発明に係わる引戸の
閉鎖状態を示す建物側（反道路側）からの正面図であっ
て、図に示す引戸１は、地上に立設された戸当り側門柱
２と、この戸当り側門柱２に、図示しない蝶番を介して
回動自在に取付けられた子扉３と、戸当り側門柱２から
離間した地上に立設された吊元側門柱（支持体）４と、
吊元側門柱４に横行自在に支持された扉体５から主に構
成されている。

【００２０】扉体５は、戸先側竪框５ａおよび吊元側竪
框５ｂの間に、上下框５ｃ，５ｄと横桟５ｅを取付けて
なる格子扉であって、上框５ｃおよび下框５ｄを構成す
る形材の建物側面には、ガイドレール６，６が一体的に
形成してある（図２参照）。

【００２１】一方、扉体５を横行自在に支持する吊元側
門柱４は、図２および図３にも示すように、図１の左右
方向に離間した２本の支柱４ａ，４ａ、と両支柱４ａ，
４ａの間を連結する連結材４ｂと、両支柱４ａ，４ａの
間に形成される空間部を覆い、後述するガイドローラ取
付用のブラケットやボルトなどを隠蔽する門柱パネル
（カバー材）４ｃから主に形成され、支柱４ａ，４ａの
上端部にはキャップ４ｄが装着されている。なお、両支
柱４ａ，４ａの相対向する垂直面上には、長手方向に沿
って、六角形をなすナットおよびボルト頭部の幅にほぼ
等しい溝幅を有し、後述するブラケット締結用のボルト
９ａの頭部あるいはナット９ｂを摺動自在かつ回転不能
に収納するねじ収納溝４ｅがそれぞれ形成されていると
共に、両支柱４ａ，４ａの扉体側角部には、図３に示す
ように、クッション材１０を装着するためのホルダー部
４ｆ，４ｆが形成されている。

【００２２】そして、両支柱４ａ，４ａの上端部および
下端部寄りの位置には、扉体５のガイドレール６に嵌合
する４個のガイドローラ７ａを備えたローラベース７，
７が断面Ｌ字状のブラケット８，８を介して支柱４ａ，
４ａのねじ収納溝４ｅに頭部が収納されたボルト９ａお
よびナット９ｂによって固定されている。

【００２３】次に、このような構造の引戸１の施工手順
について簡単に説明する。

【００２４】まず、ローラベース７，７のガイドローラ
７ａを上框５ｃおよび下框５ｄのガイドレール６，６内
に嵌め込むと共に、上框５ｃおよび下框５ｄの竪枠５
ａ，５ｂとの近傍部に、ガイドローラ７ａに当接して扉
体のそれ以上の移動を阻止するストッパー１１，１１
（図３参照）をねじ止めし、この状態で扉体５を組立て
たのち、ローラベース７，７の裏面側にブラケット８，
８をそれぞれねじ止めする。なお、ブラケット８，８に
は、ボルト９ａを挿通するための長孔８ａ，８ａが支柱
４ａに形成されたねじ収納溝４ｅに直交する方向に形成
してある。

【００２５】そして、図４に示すように、支柱４ａに形
成されたねじ収納溝４ｅ内に頭部を収納したボルト９
ａ，９ａにブラケット８に形成された長孔８ａ，８ａを
通し、ナット９ｂ，９ｂを締付けることによってローラ
ベース７，７を支柱４ａ，４ａに固定する。このとき、
ボルト９ａ，９ａは、支柱４ａのねじ収納溝４ｅに沿っ
て摺動できると共に、ブラケット８の長孔８ａ，８ａが
水平方向に形成されているので、ローラベース７，７の
取付位置を所定の範囲内で上下，前後いずれの方向にも
移動させることができ、施工現場の状況に応じて扉体５
の高さや傾きを正確に調整することができる。

【００２６】なお、図５に示すように、支柱４ａに形成
されたねじ収納溝４ｅの底部には、その長手方向（鉛直
方向）に長さを有する仮止め用長孔４ｇが設けてあるの
で、扉体５の位置調整に際して、ねじ収納溝４ｅに収納
したナット９ｂにねじ込んだ長尺ボルト９ａ´の先端部
をこの長孔４ｇに挿通することによって、他のボルト９
ａをすべて弛めたとしても扉体５がずり落ちるようなこ
とがなくなり、位置調整作業の作業性を向上させること
ができる。

【００２７】そして最後に、支柱４ａ，４ａのホルダー
部４ｆ，４ｆに合成ゴム製のクッション材１０，１０を
装着すると共に、支柱４ａ，４ａの上端部にキャップ４
ｄを取り付ける。なお、クッション材１０としては、合
成ゴム製のものに替えて、例えば金属製の可倒式のもの
を用いてもよい。

【００２８】実施例２ 図６（ａ）ないし（ｃ）は、本発明に係わる引戸の第２
の実施例に用いたガイドローラの構造を示すものであっ
て、この実施例に係わる引戸においては、ガイドローラ
およびこのガイドローラを支持するローラベース部分を
除いて、実施例１に示した引戸１と基本的に同一の構造
を備えている。

【００２９】この実施例に係わる引戸に用いたガイドロ
ーラ２０は、ローラベース２１上に固定された軸部２１
ａに軸支された固定ローラ２０ａと、この固定ローラ２
０ａの軸部２１ａに回動可能に取付けられたカム板２２
上に固定された軸部２２ａに軸支された調整ローラ２０
ｂを備え、曲げ成形されたカム板２２の上部に設けた長
孔状の通し孔２２ａを挿通し、ローラベース２１に形成
しためねじ孔２１ｂに螺着された調整ねじ２３のねじ込
み、あるいはねじ戻しによって、カム板２２が固定ロー
ラ２０ａの軸部２１ａを中心に回動し、これによって調
整ローラ２０ｂが上下方向に移動するようになってい
る。

【００３０】したがって、固定ローラ２０ａおよび調整
ローラ２０ｂを扉体５のガイドレール６に嵌め込んだの
ち、ガイドレール６の幅に応じて調整ねじ２３をねじ込
むことによって、仮想線で示すガイドレール６の上壁部
６ａに固定ローラ２０ａを、同じく仮想線で示す下壁部
６ｂに調整ローラ２０ｂをそれぞれ当接させることがで
き、ガイドレール６の幅が変動したとしても、ガイドロ
ーラ２０とガイドレール６との間のがたつきを防止する
ことができ、扉体５を常に円滑に支持することができ
る。

【００３１】なお、この実施例２においては、ガイドロ
ーラ２０が２個の固定ローラ２０ａと１個の調整ローラ
２０ｂからなる例を示したが、本発明に係わる引戸のガ
イドローラとしては、このような組合わせのみに限定さ
れる訳ではなく、例えばすべてのローラを上下動自在と
しておくこともでき、この場合には、取付けに際して最
初に固定するローラが固定ローラに相当することにな
る。

【００３２】実施例３ 図７は、本発明に係わる引戸の第３の実施例を示し、こ
の実施例に係わる引戸１においては、扉体５の戸先側竪
框５ａの下端部に、戸先支持部材として硬質ゴムからな
るタイヤ３０が地面からわずかに離間した状態に取付け
てあり、この点を除いて実施例１に係わる引戸１と同様
の構造となっている。

【００３３】この実施例に係わる引戸１においては、戸
先支持部材としてのタイヤ３０が地面から離間している
ので、扉体５の通常の開閉動作には何らの影響もなく、
扉体５に異常な荷重がかかったときのみ、タイヤ３０が
接地して扉体５の所定以上の変位を防止するので、例え
ば、扉体５に子供が乗るようなことがあったとしても、
タイヤ３１によって扉体５の離間距離以上のたわみが防
止されることから、扉体５のガイドレール６が変形した
り、支持体４のガイドローラ７ａが破損したりすること
がなく、引戸１の性能を長期にわたって良好に維持する
ことができる。

【００３４】なお、この実施例においては、戸先支持部
材として硬質ゴム製のタイヤ３０を用いた例を示した
が、本発明における戸先支持部材としては、扉体に荷重
がかかったときに接地して扉体のそれ以上の変位を防止
するに足るものであればよく、硬質ゴム製タイヤのみな
らず、例えば金属や樹脂からなるブロック状あるいは棒
状のものなどを用いることも可能である。

【００３５】実施例４ 図８は、本発明に係わる引戸の第４の実施例における扉
体の上框部分を示し、この実施例に係わる引戸１におい
ては、扉体５の上框５ｃおよび下框５ｄ（図示せず）の
表裏両面にガイドレール６が形成されている。

【００３６】したがって、扉体５に表裏，左右の区別が
なくなって、右開き用，左開き用それぞれの扉体を常時
在庫する必要がなくなり、在庫数および在庫管理コスト
を削減することができ、引戸１を安価に供給することが
できるようになる。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項１
に係わる引戸においては、扉体の側に設けたガイドレー
ルに、支持体の側に設けた複数のガイドローラが係合す
ることによって扉体を横行自在に支持するようになって
おり、扉体の支持機構が扉体の上下縁部から独立してい
るので、扉体の形状に制限がなくなると共に、支持体の
小型化が可能になり、支持体が長手方向にねじ収納溝を
備えた２本の支柱から構成され、ボルト頭部あるいはナ
ットがねじ収納溝に収納されたボルト，ナットおよび長
孔状ボルト挿通孔を備えたブラケットによってガイドロ
ーラが両支柱に固定されているので、ガイドローラの支
持体への取付け位置を自由に調整することができ、扉体
の高さ調整，傾き調整および前後調整を容易に行うこと
ができるという優れた効果がもたらされる。

【００３８】本発明の請求項１に係わる引戸の実施態様
として請求項２に係わる引戸は、両支柱間の形成される
空間部をカバー材によって覆った構成を備えたものであ
るから、両支柱にガイドローラを固定するためのねじ収
納溝やブラケット、ボルト，ナットなどが外部から見え
なくなって、引戸の外観を向上させることができ、同じ
く実施態様として請求項３に係わる引戸においては、支
柱に設けたねじ収納溝の底部に、ボルトの先端を挿通す
る仮止め孔用長孔が形成されているので、扉体の位置調
整に際して、ねじ収納溝に収納したナットにねじ込んだ
ボルトの先端部をこの長孔に挿通するようになすことに
よって、扉体を一時的に支持体の所定位置に保持するこ
とができ、位置調整作業を容易に行うことができる。

【００３９】本発明の請求項４に係わる引戸において
は、同様の構造によって扉体の形状的な制限および支持
体の大型化を解消することができると共に、ガイドロー
ラが固定ローラと上下動可能な調整ローラを備えている
ので、固定ローラと調整ローラを常時ガイドレールに当
接させることができ、ガイドレールの幅が変動したとし
ても扉体移動時のがたつきを防止することができるとい
う優れた効果がもたらされる。

【００４０】本発明の請求項５に係わる引戸は、同様の
構造によって扉体の形状的な制限および支持体の大型化
を解消することができると共に、扉体の戸先側に、例え
ば請求項６において規定する硬質ゴム製タイヤのような
戸先支持部材を地面から離間した状態に取付けた構成を
備えたものであるから、例えば子供が扉体に乗ることに
よって、扉体に異常な荷重がかかったとしても扉体や支
持体が大きく変形するようなことがなく、扉体や支持体
の破損や、扉体の走行障害を有効に防止することができ
るという優れた効果が得られる。

【００４１】また、本発明の請求項７に係わる引戸にお
いては、同様の構造によって扉体が支持体に支持されて
いるので、扉体の形状的な制限および支持体の大型化を
解消することができると共に、ガイドレールが扉体の框
材と一体に形成してあることから、ガイドレール部品お
よびその取付け工数が不要となると共に、扉体の一体感
が増し、外観意匠性を向上させることができる。また、
請求項７に係わる引戸の実施態様として請求項８に係わ
る引戸は、ガイドレールを框材の表裏両面に形成した構
成のものであるから、扉体の方向性がなくなって、右開
き用，左開き用それぞれの扉体を常時備えておく必要が
なくなり、在庫量および在庫管理コストを削減すること
ができるという優れた効果がもたらされる。

【００４２】さらに、本発明の請求項９に係わる引戸に
おいては、同様の構造によって扉体の形状的な制限およ
び支持体の大型化を解消することができると共に、支持
体と扉体との隙間を隠蔽するクッション材を支持体に取
付けた構成を備えているので、支持体の内部構造が外部
から見えにくくなり、引戸の外観意匠性を向上させるこ
とができると共に、万一、支持体と扉体との間に指など
が入ったとしても、怪我の危険性を解消することができ
るという優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係わる引戸の全体構造を
示す正面図である。

【図２】図１に示した引戸における吊元側門柱部分の縦
断面図である。

【図３】図１に示した引戸における上框部分の水平縦断
面図である。

【図４】図１に示した引戸におけるローラベースの固定
要領を示す分解斜視図である。

【図５】図１に示した引戸におけるローラベースの仮止
め要領を示す拡大水平縦断面図である。

【図６】（ａ） 本発明の第２実施例におけるガイドロ
ーラおよびローラベースの構造を示す正面図である。 （ｂ） 図６（ａ）に示したガイドローラおよびローラ
ベースの平面図である。 （ｃ） 図６（ａ）の切断線Ｃ−Ｃについての縦断面図
である。

【図７】本発明の第３実施例に係わる引戸の全体構造を
示す正面図である。

【図８】本発明の第４実施例に係わる引戸の上框部分を
示す拡大縦断面図である。

【符号の説明】

１ 引戸 ４ 吊元側門柱（支持体） ４ａ 支柱 ４ｃ 門柱パネル（カバー材） ４ｅ ねじ収納溝 ４ｇ 仮止め用長孔 ５ 扉体 ５ｃ 上框（框材） ５ｄ 下框（框材） ５ｃ 内壁下面 ６ ガイドレール ７ａ ガイドローラ ７ ローラベース ８ ブラケット ８ａ 長孔 ９ａ ボルト ９ａ´ 長尺ボルト（ボルト） ９ｂ ナット １０ クッション材 ２０ａ 固定ローラ ２０ｂ 調整ローラ ３０ タイヤ（戸先支持部材）

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平方向のガイドレールを備えた扉体
   と、 扉体のガイドレールに係合して扉体を横行自在に支持す
   る複数のガイドローラを備えた支持体を有し、 支持体が２本の支柱を有し、両支柱の相対向する面の長
   手方向にボルト頭部あるいはナットを摺動可能かつ回転
   不能に収納するねじ収納溝を備え、ガイドローラがねじ
   収納溝に頭部を収納したボルトあるいはねじ収納溝に収
   納したナットに螺合するボルトを挿通する長孔をねじ収
   納溝に直交する方向に備えたブラケットで両支柱に固定
   してあることを特徴とする引戸。
2. 【請求項２】 支持体が両支柱間に形成される空間部を
   覆うカバー材を備えていることを特徴とする請求項１記
   載の引戸。
3. 【請求項３】 ねじ収納溝の底部に、ボルトの先端部を
   挿通する仮止め用長孔が形成してあることを特徴とする
   請求項１または請求項２記載の引戸。
4. 【請求項４】 水平方向のガイドレールを備えた扉体
   と、 扉体のガイドレールに係合して扉体を横行自在に支持す
   る複数のガイドローラを備えた支持体を有し、 ガイドローラが、軸部を支持体に固着した固定ローラ
   と、軸部を支持体に対して上下動自在に配設した調整ロ
   ーラを備えていることを特徴とする引戸。
5. 【請求項５】 水平方向のガイドレールを備えた扉体
   と、 扉体のガイドレールに係合して扉体を横行自在に支持す
   る複数のガイドローラを備えた支持体を有し、 扉体の戸先側に、地面から所定距離だけ離間した戸先支
   持部材が取付けてあることを特徴とする引戸。
6. 【請求項６】 戸先支持部材が硬質ゴムからなるタイヤ
   であることを特徴とする請求項５記載の引戸。
7. 【請求項７】 水平方向のガイドレールを備えた扉体
   と、 扉体のガイドレールに係合して扉体を横行自在に支持す
   る複数のガイドローラを備えた支持体を有し、 ガイドレールが扉体を形成する框材に一体に形成してあ
   ることを特徴とする引戸。
8. 【請求項８】 ガイドレールが框材の表裏両面に形成し
   てあることを特徴とする請求項７記載の引戸。
9. 【請求項９】 水平方向のガイドレールを備えた扉体
   と、 扉体のガイドレールに係合して扉体を横行自在に支持す
   る複数のガイドローラを備えた支持体を有し、 支持体には、支持体と扉体との間に形成される隙間を隠
   蔽するクッション材が取付けてあることを特徴とする引
   戸。