JPH1088294A - 硬磁性材料 - Google Patents

硬磁性材料

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JPH1088294A
JPH1088294A JP8242356A JP24235696A JPH1088294A JP H1088294 A JPH1088294 A JP H1088294A JP 8242356 A JP8242356 A JP 8242356A JP 24235696 A JP24235696 A JP 24235696A JP H1088294 A JPH1088294 A JP H1088294A
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Akinobu Kojima
章伸 小島
Fujiya Hagiwara
富士弥 萩原
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
Akihisa Inoue
明久 井上
Takeshi Masumoto
健 増本
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで優れた硬磁気特性を備えた硬磁性
材料を提供できるようにする。 【解決手段】 本発明の硬磁性材料は、Fe,Co,N
iのうちの1種以上の元素T、希土類元素のうちの1種
以上の元素R、およびBを含み、平均結晶粒径100n
m以下のT相と、平均結晶粒径100nm以下のR2
141相と、非晶質相との複相組織を主相とし、非晶
質相中のRの平均濃度が、R2Fe141相中のRの平均
濃度より小さく、かつT相中のRの平均濃度より大きい
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石などの硬
磁性材料に関し、特にモーター、アクチュエータ、スピ
ーカーなどに使用できる磁気性能に優れた硬磁性材料に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、フェライト磁石よりも優れた性
能を有する磁石材料としては、Nd−Fe−B焼結磁
石、Nd−Fe−B急冷磁石などが知られており、また
さらに高い性能を目指してSm−Fe−N系磁石などの
新しい合金磁石の研究も数多くなされている。しかしな
がら、これらの磁石材料においては、10原子%以上の
Nd、または8原子%以上のSmが必要であり、高価な
希土類元素の使用量が多いことからフェライト磁石より
も製造コストが高くなってしまうという欠点があった。
またフェライト磁石は、これらの希土類磁石に比べてコ
ストは低いが、磁気的特性が不十分であった。このた
め、より低濃度の希土類元素を含んだ材料で、フェライ
ト磁石以上の硬磁気特性を示すような磁石材料の出現が
望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】よって、この発明にお
ける課題は、低コストで優れた硬磁気特性を備えた硬磁
性材料を提供できるようにすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】近年、硬磁性材料の分野
においては、微細な軟磁性相と硬磁性相とを磁気的に結
合させることによって得られる交換結合磁石が、比較的
高い残留磁化を有する新しい磁石材料として着目されて
いる。本発明者等は、Fe基非晶質材料(Fe-(Zr,
Hf,Nb)-B材)を熱処理することによって得られる
数十ナノメートルの微結晶合金が高い飽和磁化と優れた
軟磁気特性を有することを見い出し、既に特許出願して
いる(特開平5−93249号公報等)。本発明の硬磁
性材料は、この優れた軟磁気特性を示すFe基合金材料
と、高い硬磁気特性を示すR-Fe-B系の合金材料と
が、いずれもFeとBとを含んでいることに着目し、こ
れらの合金材料を複合化させてナノ結晶材料としたもの
で、従来にない組成で優れた磁気特性が得られるもので
ある。本発明の硬磁性材料は、非晶質相を熱処理するこ
とによってナノ粒径の結晶相と残部の非晶質相とからな
る複相組織を形成する際に、特に各相におけるR濃度お
よびM濃度の差、および各相の結晶化温度の差を制御す
ることによって好ましく実現できる。
【0005】すなわち、前記課題を解決するために本発
明の硬磁性材料は、Fe,Co,Niのうちの1種以上
の元素T、希土類元素のうちの1種以上の元素R、およ
びBを含み、平均結晶粒径100nm以下のT相と、平
均結晶粒径100nm以下のR2Fe141相と、非晶質
相との複相組織を主相とした構造を形成し、かつ非晶質
相中の元素Rの平均濃度が、R2Fe141相中の元素R
の平均濃度より小さく、かつT相中の元素Rの平均濃度
より大きくなるように制御することによって好ましい硬
磁気特性が得られる。また本発明の硬磁性材料は、Z
r,Nb,Ta,Hf,V,Ti,Mo,Wのうちの1
種以上の元素Mをさらに含んでいてもよく、この場合に
は、非晶質相中の元素Mの平均濃度が、R2Fe141
中の元素Mの平均濃度より小さく、かつT相中の元素M
の平均濃度より大きくなるように制御することによっ
て、好ましい硬磁気特性が得られる。これらM元素の中
で特に効果的なのは、Zr,Nb,Ta,Hfである。
【0006】本発明の硬磁性材料は、T、R、およびB
を含み、50vol%以上の非晶質相を含む合金を熱処
理して、平均結晶粒径100nm以下のT相と、平均結
晶粒径100nm以下のR2Fe141相と、非晶質相と
の複相組織を主相とする構造を形成することによって好
ましく得られる。この場合、前記非晶質相からのT相の
析出温度とR2Fe141相の析出温度との差が500℃
以下であれば、より低温で先に析出した一方の相の結晶
が、他方の相が析出する前に成長して粒径が大きくなる
のを抑えることができ、好ましい微細結晶相が形成され
る。具体的には、前記非晶質相からのT相の析出温度お
よびR2Fe141相の析出温度が500〜1000℃で
あることが好ましい。このように非結晶相を含む合金を
熱処理することによって本発明の硬磁性材料を得る場合
には、非晶質相のキュリー温度が室温以上であることが
好ましい。このような強磁性の非晶質相を残存させるこ
とにより、ナノ結晶どうしが磁気的結合することがで
き、良好な硬磁気特性が得られる。
【0007】本発明の硬磁性材料によれば、T、R、お
よびBを含み、平均結晶粒径100nm以下のT相と、
平均結晶粒径100nm以下のR2Fe141相と、非晶
質相との複相組織を主相とし、残留磁化Irが0.8T
以上の優れた硬磁気特性を有する硬磁性材料を実現でき
る。また本発明の硬磁性材料によれば、T、R、および
Bを含み、平均結晶粒径100nm以下のT相と、平均
結晶粒径100nm以下のR2Fe141相と、非晶質相
との複相組織を主相とし、残留磁化Irと飽和磁化Is
との比率 Ir/Isが0.6以上の優れた硬磁気特性
を有する硬磁性材料を実現できる。このような優れた硬
磁気特性を有する硬磁性材料は、特にT、R、およびB
を含み、50vol%以上の非晶質相を含む合金を50
0〜1000℃で熱処理することによって好ましく得ら
れる。本発明の硬磁性材料において、T、R、およびB
を含み、平均結晶粒径100nm以下のT相と、平均結
晶粒径100nm以下のR2Fe141相と、非晶質相と
の複相組織を主相とし、特にT相の体積分率が30〜8
0%であれば、T相とR2Fe141相が良好な磁気的結
合状態にあるので好ましい。
【0008】本発明の硬磁性材料の好ましい組成は、T
xRzBwXv;XはCr、Al、Pt、白金族のうち1種
以上を表し、x,z,w,vは原子%で、50≦x、3
≦z≦15、3≦w≦20、0≦v≦10であり、より
好ましくは80≦x≦92、4≦z≦10、3≦w≦
7、0≦v≦5である。Xを添加することによって硬磁
性材料の耐食性を向上させることができる。またTxRz
Bw;x,z,wは原子%で、86≦x≦92、3≦z
≦7、3≦w≦7とすれば、120emu/g以上の高
い残留磁化Irを達成することができる。
【0009】また本発明の硬磁性材料の好ましい組成
は、TxMyRzBwXv;x,y,z,w,vは原子%
で、50≦x、0≦y≦10、3≦z≦15、3≦w≦
20、0≦v≦10であり、より好ましくは、80≦x
≦92、1≦y≦5、4≦z≦10、3≦w≦7、0≦
v≦5である。さらに、TxMyRzBw;x,y,z,w
は原子%で、86≦x≦92、0.5≦y≦3、3≦z
≦7、3≦w≦7とすれば、120emu/g以上の高
い残留磁化Irを達成することができる。
【0010】またT元素置換でSiを5原子%以下、好
ましくは0.5〜5原子%、より好ましくは0.5〜3
原子%添加することによって、硬磁性材料の磁気特性、
特に保磁力Hc、および最大磁気エネルギー積(BH)
maxをさらに向上させることができる。
【0011】本発明の硬磁性材料によれば、最大エネル
ギー積(BH)maxが50kJ/m3を越える優れた硬磁
気特性を実現できる。本発明の硬磁性材料からなる粉末
を、焼結法により成形しても、あるいは樹脂等の接着材
料と混合して成形してもよく、優れた硬磁気特性を有す
る圧密体の硬磁性材料が得られる。また特に、非晶質相
を50%以上含む非晶質合金粉末を、該非晶質相の結晶
化反応時に起こる軟化現象を利用して固化成形すると、
強固な結合が得られ、かつ強力な硬磁性を有する硬磁性
材料が得られるので好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明に係る硬磁性材料は、Fe,Co,Niのうちの
1種以上の元素T、希土類元素のうちの1種以上の元素
R、およびBを含み、平均結晶粒径100nm以下のT
相と、平均結晶粒径100nm以下のR2Fe141
と、非晶質相との複相組織を主相とするものである。
【0013】元素Tは、本発明に係る硬磁性材料の主成
分であり、磁性を担う元素である。Tの組成比xを増加
させると、それに伴って飽和磁化Isが増加する。Tの
濃度は好ましくは50at%以上、より好ましくは80
at%以上92at%以下であり、120emu/g以
上の高い残留磁化(Ir)を実現するには86at%以
上92at%以下とするのが好ましい。。本発明の硬磁
性材料においては、元素Tの少なくとも一部としてFe
が含まれていることが必要である。
【0014】Rは希土類金属(Sc、Y、La、Ce、
Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb、およびLu)のうちの1種以上
の元素を表わす。RとFeとBとを含む非晶質合金を適
切な温度で加熱したときに析出する金属間化合物R2
141は、本発明の材料に優れた硬磁気特性を付与す
るものである。Rの組成比zを増加させると、それに伴
って飽和磁化(Ir)が減少する。またRは非晶質を形
成し易い元素であり、Rの組成比が小さ過ぎると良好な
非晶質相または微細結晶相が得られない。したがってR
の濃度は、好ましくは3at%以上15at%以下、よ
り好ましくは4at%以上10at%以下であり、12
0emu/g以上の高い残留磁化(Ir)を実現するに
は3at%以上7at%以下とするのが好ましい。さら
にRの一部または全部をNdおよび/またはPrで構成
すると、さらに高い硬磁気特性が得られる。
【0015】本発明の硬磁性材料にはホウ素Bが添加さ
れている。Bも非晶質を形成し易い元素である。またF
eとBとを含む非晶質相を適切な温度で加熱したときに
析出する化合物R2Fe141は、本発明の材料に硬磁気
特性を付与するものである。非晶質相または微細結晶相
を得るためには、Bの濃度を3at%以上とするのが望
ましい。またBの組成比(w)の増加に伴って飽和磁化
(Is)、残留磁化(Ir)、および保磁力(iHc)
が減少するので、良好な硬磁気特性を得るためには、B
の濃度は好ましくは20at%以下、より好ましくは7
at%以下とされる。
【0016】また、本発明の硬磁性材料には、Cr、A
l、Pt、白金族のうち1種以上の元素Xを添加しても
よい。Xを添加することによって硬磁性材料の耐食性が
向上する。ただし、Xの濃度が高すぎると硬磁気特性が
劣化するので、X濃度は、好ましくは10at%以下、
より好ましくは5at%以下とされる。また120em
u/g以上の高い残留磁化(Ir)を達成するために
は、Xを添加しない方が好ましい。
【0017】また本発明の硬磁性材料は、さらにZr,
Nb,Ta,Hf,V,Ti,Mo,Wのうちの1種以
上の元素Mを含んでいてもよい。これらの元素は非晶質
形成能が高いものである。本発明に係る硬磁性材料にお
いて、Mを添加することにより、希土類元素(R)が低
濃度の場合も非晶質相を形成することができる。希土類
元素(R)置換でMの組成比yを増加させると、それに
伴って残留磁化(Ir)は増加するが、保磁力(iH
c)が低下し、硬磁気特性から軟磁気特性へと変化す
る。またT元素置換でMを増加させると、飽和磁化(I
s)、残留磁化(Ir)の減少が生じる。したがって良
好な硬磁気特性を得るために、Mの濃度は、好ましくは
10at%以下、より好ましくは1at%以上5at%
以下とされ、120emu/g以上の高い残留磁化(I
r)を実現するためには0.5at%以上3at%以下
であることが好ましい。元素Mは、Zr,Nb,Ta,
Hfが特に効果的であり、これらの元素のうちの1種以
上とするとより好ましい。
【0018】本発明に係る硬磁性材料は、上記T、R、
およびBを含み、好ましくは50vol%以上の非晶質
相を含む非晶質合金を形成する工程と、その非晶質合金
に対して適切な温度で熱処理を施して、平均結晶粒径1
00nm以下のbcc−Fe相と、平均結晶粒径100
nm以下のR2Fe141相を析出させる工程を経ること
により好ましく得ることができる。
【0019】前記非晶質合金を得る方法は、回転ドラム
に溶湯を吹き付けて急冷して薄帯状に形成する方法、溶
湯を冷却用気体中に噴出して液滴状態で急冷して粉末状
に形成する方法、あるいはスパッタリングやCVD法に
よる方法等を用いることができる。また前記非晶質合金
に対する熱処理は、任意の加熱手段を用いて行なうこと
ができる。
【0020】例えば本発明の硬磁性材料からなる圧密体
を得る場合には、非晶質合金を粉末状にし、その合金粉
末を焼結法により成形すると同時に所定の温度で熱処理
する方法を用いることができる。また特に、非晶質合金
が非晶質相を50vol%含む場合には、この非晶質合
金を加熱して結晶化させる際に非結晶相が軟化する現象
を利用して固化成形すると、強固な結合が得られ、かつ
強力な硬磁性を有する永久磁石が得られるので好まし
い。あるいは、非晶質合金を任意の加熱手段で熱処理し
て得られた硬磁性材料を粉末化したものを、焼結法によ
り、または樹脂等の接着材料と混合して、成形してもよ
い。
【0021】本発明の硬磁性材料においては、T相およ
びR2Fe141相の平均結晶粒径がいずれも100nm
以下で、かつ非晶質相中のRの平均濃度が、R2Fe14
1相中のRの平均濃度より小さく、かつT相中のRの
平均濃度より大きいことが好ましい。またT、R、Bの
他に、さらにMを含む場合には、非晶質相中のMの平均
濃度が、R2Fe141相中のMの平均濃度より小さく、
かつT相中のMの平均濃度より大きいことが好ましい。
このような硬磁性材料中の結晶相の平均結晶粒径、およ
び各相中における各原子の濃度の制御は、非晶質合金を
熱処理して硬磁性材料を得る際の熱処理条件を制御する
ことによって実現できる。
【0022】また本発明の硬磁性材料においては、非晶
質合金を熱処理する際の、非晶質相からのT相の析出温
度とR2Fe141相の析出温度との差が500℃以下で
あることが好ましく、さらに好ましくは200℃以下で
ある。このようにT相の析出温度とR2Fe141相の析
出温度とが非常に近いことにより、より低温で先に析出
する相の粒成長が抑えられるので、T相およびR2Fe
141相の平均結晶粒径がいずれも100nm以下であ
る硬磁性材料を好ましく得ることができる。具体的に、
T相およびR2Fe141相の析出温度は、合金の組成に
よって変化するが、好ましくは500〜1000℃であ
る。したがって、非晶質合金を熱処理して本発明の硬磁
性材料を得る際の加熱温度は、500〜1000℃の範
囲で、非晶質合金の組成により好ましく設定される。
【0023】さらに本発明の硬磁性材料においては、熱
処理前の非晶質相のキュリー温度が50℃以上であるこ
とを特徴としている。したがって、本発明の硬磁性材料
には、このような強磁性の非晶質相が残存しているの
で、ナノ結晶どうしが磁気的結合することができ、良好
な硬磁気特性が得られる。
【0024】また本発明の硬磁性材料においては、T相
の体積分率が30〜80%であることが好ましい。T相
がこれより少ないと残留磁化Irが低くなり、これより
多いと保磁力iHcが低くなる。本発明の硬磁性材料に
おけるT相の体積分率は、組成制御および熱処理温度の
制御によって制御することができる。
【0025】本発明に係る硬磁性材料は、微細組織を実
現することによって得られる微細な軟磁性相と硬磁性相
とを結合させた交換結合磁石特性を示すものであり、優
れた硬磁気特性が得られる。具体的には、0.8T以上
の残留磁化を有する硬磁性材料、残留磁化Irと飽和磁
化Isとの比率 Ir/Is が0.6以上である硬磁
性材料、最大エネルギー積(BH)maxが50kJ/m3
を越える硬磁性材料を実現することができる。また本発
明に係る硬磁性材料は、希土類元素の含有量を少なくし
ても良好な硬磁気特性が得られるので、比較的低い製造
コストで製造することができる。
【0026】また、本発明の硬磁性材料において、Si
元素をT元素置換で添加すれば、磁気特性、特に保磁力
Hc、および最大磁気エネルギー積(BH)maxをさら
に向上させることができる。Si元素の添加量は、多す
ぎるとT元素の組成比が低くるために硬磁性材料の磁気
特性がかえって悪くなるので、好ましくは5原子%以
下、より好ましくは0.5〜5原子%、さらに好ましく
は0.5〜3原子%の範囲とされ、合金の組成や熱処理
条件等に応じて適宜設定するのが好ましい。このように
して保磁力が改善された硬磁性材料は、特に小型モータ
ー用磁石として有効である。
【0027】
【実施例】以下のようにして、各種組成の合金薄帯をそ
れぞれ約20μmの板厚で形成した。まず、アーク溶解
法によりインゴットを作製し、Ar雰囲気中において回
転しているCuロール上へ溶解した金属を吹出すことに
より約20μmの厚さの急冷薄帯を作製した。次いで、
得られた急冷薄帯を1×10-2Pa以下の雰囲気中にお
いて、所定の温度で約180秒間熱処理した。得られた
試料について、磁気特性はVSM(振動試料型磁力計)
を用い、1430kA/mの印加磁場中で室温にて測定
した。また組織の構造は、Cu−Kα線を用いたX線デ
ィフラクトメーターおよび高分解能透過電子顕微鏡観察
により行なった。試料によっては、1430kA/mの
印加磁場では磁化が飽和していない場合もあるが、本説
明の中では飽和磁化として取り扱った。
【0028】図1および図2は急冷直後の薄帯試料の高
分解能透過電子顕微鏡像を示すもので、図1は組成がF
88Pr75のもの、図2は組成がFe88Nb2Pr5
5のものをそれぞれ示す。この図に示されるように、本
発明の組成の範囲内にあるFe88Pr75、Fe88Nb
2Pr55はいずれも、希土類元素Prが5〜7原子%
と低濃度にも拘らず急冷直後は非晶質相を形成している
ことが認められる。
【0029】図3および図4は、Fe88Pr75(図
3)の非晶質合金薄帯、およびFe88Nb2Pr5
5(図4)の非晶質合金薄帯を、各加熱温度Taでそれ
ぞれ熱処理して得られた薄帯試料のX線回折結果を示し
たものである。図中○はbcc−Feによる回折ピーク
を示し、●はR2Fe141による回折ピークを示す。こ
れらの図より、Fe88Pr75にあっては650℃の熱
処理後、Fe88Nb 2Pr55にあっては700℃の熱
処理後において、bcc−Fe相およびFe1 4Pr21
相が析出していることが認められ、bcc−Fe相と、
Fe14Pr2 1相と、非晶質相の3相を主相とした複相
組織構造が形成されていることがわかる。また図示しな
いが、本発明の範囲内の組成によっては熱処理後のX線
回折によりFe3B相の回折ピークが見られるものもあ
り、この場合にはbcc−Fe相と、R2Fe141
と、Fe3B相と非晶質相とを主相とした複相組織構造
となっていることがわかる。
【0030】図5は、Fe88Pr75の非晶質合金薄
帯、およびFe88Nb2Pr55の非晶質合金薄帯を
0.66℃/秒で昇温したときのDSC曲線(Differen
tial Scanning Caloriemeter:示差熱分析計による測定
値)を示すものである。このDSC曲線において、Fe
88Pr75の非晶質合金薄帯にあっては、約577℃付
近にbcc−Fe相およびFe14Pr21相の同時析出
に伴う発熱ピークが見られる。また、Fe88Nb2Pr5
5の非晶質合金薄帯にあっては、約577℃付近にb
cc−Fe相の析出に伴う発熱ピークが見られ、約67
7℃付近にFe14Pr 21相の析出に伴う発熱ピークが
見られ、bcc−Fe相の析出温度とFe14Pr21
の析出温度との差が約100℃であることがわかる。
【0031】図6は、Fe88Pr75の非晶質合金薄
帯、およびFe88Nb2Pr55の非晶質合金薄帯の磁
化の温度変化を示す。この図に示されるように、温度の
上昇とともに磁化は減少し、約127℃で0となる。こ
のことから、これらの非晶質合金のキュリー温度が約1
27℃であり、室温以上であることがわかる。また、5
27〜577℃の高温において磁化が一端増加した後、
再び減少していき、約827℃で0になる傾向が見られ
る。このことは、非晶質相の結晶化温度が約527〜5
77℃であり、結晶相のキュリー温度が約827℃であ
ることを示している。
【0032】図7は、Fe88Pr75の非晶質合金薄
帯、およびFe88Nb2Pr55の非晶質合金薄帯につ
いて、熱処理後の残留磁化(Ir)、残留磁化Irと飽
和磁化Is(印加磁場1430kA)との比(角型比:
Ir/I1430)、および保磁力(iHc)の熱処理温度
依存性を示すものである。この結果より、熱処理温度が
650〜800℃の範囲で良好な硬磁気特性が得られ、
特に、Fe88Pr75の熱処理温度としては約700℃
が好ましく、Fe 88Nb2Pr55の熱処理温度として
は約750℃が好ましいことがわかる。
【0033】図8は、Fe88Pr75の非晶質合金薄帯
の熱処理による金属組織の変化を模式的に示したもの
で、(a)は急冷直後、(b)は650℃で熱処理後、
(c)は800℃で熱処理後の状態をそれぞれ示す。こ
の図に示されるように、Fe88Pr75の非晶質合金薄
帯にあっては、急冷直後(a)は非晶質相1が形成され
ており、650℃で熱処理した後(b)は、bcc−F
e相2、Fe14Pr21相3、および非晶質相1の3相
からなる組織構造が形成されており、熱処理温度が80
0℃になる(c)ではbcc−Feの結晶およびFe14
Pr21の結晶が成長し、非晶質相がほとんどなくなっ
ている。
【0034】図9は、図8(b)、すなわち650℃で
熱処理後の状態の薄帯試料の透過電子顕微鏡写真による
組織状態を示すものである。また図10(a)〜(c)
は、図9中の点3,7,5におけるナノビームによるE
DS分析(エネルギー分散型分光分析)の結果をそれぞ
れ示すものである。このEDS分析については、B以外
の元素の濃度を100%としている。図9中の点2,3
はbcc−Fe相、点4.7はFe14Pr21相、点5
は非晶質相である。また図10より各相におけるPr濃
度は、多い順にFe14Pr21相で14.1原子%、非
晶質相で11.9原子%、bcc−Fe相で0.4原子
%であった。
【0035】また図11は、図8(c)、すなわち80
0℃で熱処理後の状態の薄帯試料の透過電子顕微鏡写真
による組織状態を示すものであり、図12(a),
(b)は、図11中の点1,2におけるEDS分析の結
果をそれぞれ示すものである。図12に示されるよう
に、図11中の点1はbcc−Fe相、点2はFe14
21相で、非晶質相はほとんど認められなかった。ま
たPr濃度はFe14Pr2 1相で12.8原子%、bc
c−Fe相で0.7原子%であった。
【0036】図13は、Fe88Nb2Pr55の非晶質
合金薄帯の熱処理による金属組織の変化を模式的に示し
たもので、(a)は急冷直後、(b)は650℃で熱処
理後、(c)は750℃で熱処理後の状態、(d)は8
50℃で熱処理後の状態をそれぞれ示す。この図に示さ
れるように、Fe88Nb2Pr55の非晶質合金薄帯に
あっては、急冷直後(a)は非晶質相1が形成されてお
り、650℃で熱処理した後(b)は、bcc−Fe相
2およびFe14Pr21相3がわずかに析出しており、
750℃で熱処理した後(c)は、bcc−Fe相2、
Fe14Pr21相3、および非晶質相1の3相からなる
好適な組織構造が形成されている。そして熱処理温度が
850℃になる(d)ではbcc−Feの結晶およびF
14Pr21の結晶が成長し、非晶質相がほとんどなく
なっている。またFe−Nb相4も析出している。
【0037】図14は、図13(b)、すなわち650
℃で熱処理後の状態の薄帯試料の透過電子顕微鏡写真に
よる組織状態を示すものである。また図15(a)〜
(c)は、図14中の点1〜3におけるEDS分析の結
果をそれぞれ示すものである。図14中の点1はbcc
−Fe相、点2はFe14Pr21相、点3は非晶質相で
ある。Pr濃度は、多い順にFe14Pr21相で11.
4原子%、非晶質相で6.5原子%、bcc−Fe相で
2.0原子%であった。またNb濃度は、多い順に非晶
質相で2.4原子%、Fe14Pr21相で1.5原子
%、bcc−Fe相で1.4原子%であった。この状態
では非晶質相におけるNb濃度が、Fe14Pr21相に
おけるNb濃度よりも高くなっている。
【0038】図16は、図13(c)、すなわち750
℃で熱処理後の状態の薄帯試料の透過電子顕微鏡写真に
よる組織状態を示すものであり、図17(a),(b)
は、図16中の点1,2におけるEDS分析の結果をそ
れぞれ示すものである。図16中の点1はbcc−Fe
相で、点2はFe14Pr21相である。Pr濃度はFe
14Pr21相で12.0原子%、bcc−Fe相で2.
0原子%であった。またNb濃度は、Fe14Pr2
1相、bcc−Fe相のいずれも1.2原子%であっ
た。前記図7の結果を考え合わせると、この状態におい
て好ましい硬磁性特性が得られていることがわかる。
【0039】図18は、図13(d)、すなわち850
℃で熱処理後の状態の薄帯試料の透過電子顕微鏡写真に
よる組織状態を示すものであり、図19(a)〜(c)
は、図18中の点1,2,3におけるEDS分析の結果
をそれぞれ示すものである。図18中の点1はbcc−
Fe相、点2はFe14Pr21相、点3はFe−Nb相
と思われるNbリッチの相で、非晶質相はほとんど認め
られなかった。Pr濃度は、Fe14Pr21相で14.
1原子%、Fe−Nb相で0.9原子%、bcc−Fe
相で0.7原子%であった。またNb濃度は、Fe−N
b相で12.4原子%であり、Fe14Pr21相および
bcc−Fe相ではほとんど0であった。このようにN
bを含有するFe88Nb2Pr55の非晶質合金薄帯は
Fe88Pr75の非晶質合金薄帯に比べて、より高い加
熱温度まで非晶質相が残存しており、Fe88Pr75
りも高い加熱温度で好ましい磁気特性が得られることが
わかる。
【0040】図20は、Fe88Pr75の非晶質合金薄
帯を650℃で熱処理して得られた硬磁性材料、および
Fe88Nb2Pr55の非晶質合金薄帯を750℃で熱
処理して得られた硬磁性材料の磁化の温度変化を示す。
この図に示されるように、温度の上昇とともに磁化は2
ステップで減少している。このことから、硬磁性材料の
磁化に関与する相が2相存在していることがわかる。ま
た307℃付近で磁化の減少の度合いが変化しているこ
とから、この付近がFe14Pr21相のキュリー温度で
あり、807℃付近で磁化の減少の度合いが変化してい
ることから、この付近がbcc−Fe相のキュリー温度
であることがわかる。ここで、非晶質相に起因する磁化
のステップが見られないのは、磁化が低いことと体積分
率が小さいことによるものと思われる。
【0041】図21は、Fe88Pr75の非晶質合金薄
帯を650℃で熱処理して得られた硬磁性材料、および
Fe88Nb2Pr55の非晶質合金薄帯を750℃で熱
処理して得られた硬磁性材料の磁化曲線の第2象限を示
したものである。また下記表1に、これらの硬磁性材料
の磁気特性として飽和磁化I1430(T)、残留磁化Ir
(T)、残留磁化Irと飽和磁化Isとの比率Ir/I
s、保磁力iHc(kA/m)、および最大磁気エネル
ギー積(BH)max(kJ/m3)と、bcc−Fe相お
よびFe14Pr21相の平均結晶粒径と、bcc−Fe
相の体積分率を示す。磁気特性の測定は、VSM(振動
試料型磁力計)を用いて、1430kA/mの印加磁場
中で室温にて行った。このように、いずれの硬磁性材料
も、平均結晶粒径50nm以下のbcc−Fe相と、平
均結晶粒径10nm以下のFe14Pr21相とを有して
おり、体積の半分以上がbcc−Fe相であった。そし
ていずれの硬磁性材料も、残留磁化が1.0T以上、I
r/Isが0.7以上、最大エネルギー積が60kJ/
3を越える優れた硬磁気特性を有していた。また磁化
曲線は、単一相からなる磁性材料と同様な、ステップの
見られない磁化曲線となっており、微細な軟磁性相と硬
磁性相とが磁気的に結合した交換結合磁石が形成されて
いることがわかる。
【0042】
【表1】
【0043】図22は、Fe86Nb2Pr75にFe置
換でSiを添加した組成の非晶質合金薄帯を熱処理して
得られた硬磁性材料の磁気特性を示したものである。S
i濃度を0〜3原子%の範囲で変化させ、硬磁性材料の
磁気特性として、飽和磁化Bs(T)、残留磁化Br
(T)、保磁力iHc(kA/m)、および最大磁気エ
ネルギー積(BH)max(kJ/m3)を測定した。非晶
質合金薄帯の熱処理温度は750℃とした。このグラフ
に示されるように、Siを添加した硬磁性材料において
も最大磁気エネルギー積(BH)maxが50kJ/m3
上の良好な硬磁気特性が得られ、特にFe86Nb2Pr7
5にSiを2原子%添加したFe84Si2Nb2Pr7
5にあっては、保磁力iHc=4.05kA/m、最大
磁気エネルギー積(BH)max=71.05kJ/m3
優れた値が得られた。
【0044】下記表2〜8に、本発明に係る各種組成の
合金に、Fe置換でSiを添加して得られた硬磁性材料
の磁気特性の詳細なデータを示す。Si濃度は0〜6原
子%の範囲内で変化させ、硬磁性材料の磁気特性とし
て、飽和磁化Bs(T)、残留磁化Br(T)、保磁力
iHc(kA/m)、および最大磁気エネルギー積(B
H)max(kJ/m3)を測定した。また表中()に非晶
質合金薄帯の熱処理温度(℃)を示す。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】
【表9】
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明の硬磁性材料
は、Fe,Co,Niのうちの1種以上の元素T、希土
類元素のうちの1種以上の元素R、およびBを含み、平
均結晶粒径100nm以下のT相と、平均結晶粒径10
0nm以下のR2Fe141相と、非晶質相との複相組織
を主相とした構造を形成し、かつ非晶質相中の元素Rの
平均濃度が、R2Fe141相中の元素Rの平均濃度より
小さく、かつT相中の元素Rの平均濃度より大きくなる
ように制御することによって好ましい硬磁気特性が得ら
れる。また、希土類元素の含有量を少なくしても良好な
硬磁気特性が得られるので、比較的低い製造コストで製
造することができる。
【0053】また本発明の硬磁性材料は、Zr,Nb,
Ta,Hf,V,Ti,Mo,Wのうちの1種以上の元
素Mをさらに含んでいてもよく、この場合には、非晶質
相中の元素Mの平均濃度が、R2Fe141相中の元素M
の平均濃度より小さく、かつT相中の元素Mの平均濃度
より大きくなるように制御することによって、好ましい
硬磁気特性が得られる。これらの元素Mは非晶質形成能
が高いものであるので、元素Mを添加すれば希土類元素
(R)が低濃度の場合も非晶質相を形成することができ
るので好ましい。
【0054】本発明の硬磁性材料は、T、R、およびB
を含み、50vol%以上の非晶質相を含む合金を熱処
理して、平均結晶粒径100nm以下のT相と、平均結
晶粒径100nm以下のR2Fe141相と、非晶質相と
の複相組織を主相とする構造を形成することによって好
ましく得られる。この場合、前記非晶質相からのT相の
析出温度とR2Fe141相の析出温度との差が500℃
以下であれば、より低温で先に析出した一方の相の結晶
が、他方の相が析出する前に成長して粒径が大きくなる
のを抑えることができ、好ましい微細結晶相が形成さ
れ、良好な硬磁気特性が得られる。具体的には、前記非
晶質相からのT相の析出温度およびR2Fe141相の析
出温度が500〜1000℃であることが好ましい。こ
のように非結晶相を含む合金を熱処理することによって
本発明の硬磁性材料を得る場合には、前記熱処理前の非
晶質相のキュリー温度が50℃以上であることが好まし
い。このような強磁性の非晶質相を残存させることによ
り、ナノ結晶どうしが磁気的結合することができ、良好
な硬磁気特性が得られる。
【0055】本発明の硬磁性材料によれば、T、R、お
よびBを含み、平均結晶粒径100nm以下のT相と、
平均結晶粒径100nm以下のR2Fe141相と、非晶
質相との複相組織を主相とし、残留磁化Irが0.8T
以上の優れた硬磁気特性を有する硬磁性材料を実現でき
る。また本発明の硬磁性材料によれば、T、R、および
Bを含み、平均結晶粒径100nm以下のT相と、平均
結晶粒径100nm以下のR2Fe141相と、非晶質相
との複相組織を主相とし、残留磁化Irと飽和磁化Is
との比率 Ir/Is が0.6以上の優れた硬磁気特
性を有する硬磁性材料を実現できる。このような優れた
硬磁気特性を有する硬磁性材料は、特にT、R、および
Bを含み、50vol%以上の非晶質相を含む合金を5
00〜1000℃で熱処理することによって好ましく得
られる。本発明の硬磁性材料において、T、R、および
Bを含み、平均結晶粒径100nm以下のT相と、平均
結晶粒径100nm以下のR2Fe141相と、非晶質相
との複相組織を主相とし、特にT相の体積分率が30〜
80%であれば、高い残留磁化Irと高い保磁力iHc
を保持することができるので好ましい。
【0056】本発明の硬磁性材料の好ましい組成は、T
xRzBwXv;XはCr、Al、Pt、白金族のうち1種
以上を表し、x,z,w,vは原子%で、50≦x、3
≦z≦15、3≦w≦20、0≦v≦10であり、より
好ましくは80≦x≦92、4≦z≦10、3≦w≦
7、0≦v≦5である。Xを添加することによって硬磁
性材料の耐食性を向上させることができる。またTxRz
Bw;x,z,wは原子%で、86≦x≦92、3≦z
≦7、3≦w≦7とすれば、120emu/g以上の高
い残留磁化Irを達成することができる。
【0057】また本発明の硬磁性材料の好ましい組成
は、TxMyRzBwXv;x,y,z,w,vは原子%
で、50≦x、0≦y≦10、3≦z≦15、3≦w≦
20、0≦v≦10であり、より好ましくは、80≦x
≦92、1≦y≦5、4≦z≦10、3≦w≦7、0≦
v≦5である。さらに、TxMyRzBw;x,y,z,w
は原子%で、86≦x≦92、0.5≦y≦3、3≦z
≦7、3≦w≦7とすれば、120emu/g以上の高
い残留磁化Irを達成することができる。
【0058】またT元素置換でSiを5原子%以下、好
ましくは0.5〜5原子%、より好ましくは0.5〜3
原子%添加することによって、硬磁性材料の磁気特性、
特に保磁力Hc、および最大磁気エネルギー積(BH)
maxをさらに向上させることができる。
【0059】本発明の硬磁性材料によれば、最大エネル
ギー積(BH)maxが50kJ/m3を越える優れた硬磁
気特性を実現できる。本発明の硬磁性材料からなる粉末
を、焼結法により成形しても、あるいは樹脂等の接着材
料と混合して成形してもよく、優れた硬磁気特性を有す
る圧密体の硬磁性材料が得られる。また特に、非晶質相
を50%以上含む非晶質合金粉末を、該非晶質相の結晶
化反応時に起こる軟化現象を利用して固化成形すると、
強固な結合が得られ、かつ強力な硬磁性を有する硬磁性
材料が得られるので好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る非晶質合金薄帯の急冷直後の金
属組織を示す電子顕微鏡写真である。
【図2】 本発明に係る非晶質合金薄帯の急冷直後の金
属組織を示す電子顕微鏡写真である。
【図3】 本発明に係る非晶質合金薄帯を熱処理して得
られる試料のX線回折結果を示すグラフである。
【図4】 本発明に係る非晶質合金薄帯を熱処理して得
られる試料のX線回折結果を示すグラフである。
【図5】 本発明に係る非晶質合金薄帯のDSC曲線を
示すグラフである。
【図6】 本発明に係る非晶質合金薄帯の磁化の温度変
化を示すグラフである。
【図7】 本発明に係る硬磁性材料の磁気特性の熱処理
温度特性を示すグラフである。
【図8】 本発明に係る非晶質合金薄帯の金属組織を模
式的に示したもので、(a)は急冷直後、(b)は65
0℃で熱処理後、(c)は800℃で熱処理後の状態を
それぞれ示す説明図である。
【図9】 本発明に係る非晶質合金薄帯を熱処理して得
られる試料の金属組織を示す電子顕微鏡写真を模式的に
示した図である。
【図10】 (a)〜(c)は本発明に係る非晶質合金
薄帯を熱処理して得られる試料の各点におけるEDS分
析結果を示すグラフである。
【図11】 本発明に係る非晶質合金薄帯を熱処理して
得られる試料の金属組織を示す電子顕微鏡写真を模式的
に示した図である。
【図12】 (a),(b)は本発明に係る非晶質合金
薄帯を熱処理して得られる試料の各点におけるEDS分
析結果を示すグラフである。
【図13】 本発明に係る非晶質合金薄帯の金属組織を
模式的に示したもので、(a)は急冷直後、(b)は6
50℃で熱処理後、(c)は750℃で熱処理後、
(d)は850℃で熱処理後の状態をそれぞれ示す説明
図である。
【図14】 本発明に係る非晶質合金薄帯を熱処理して
得られる試料の金属組織を示す電子顕微鏡写真を模式的
に示した図である。
【図15】 (a)〜(c)は本発明に係る非晶質合金
薄帯を熱処理して得られる試料の各点におけるEDS分
析結果を示すグラフである。
【図16】 本発明に係る非晶質合金薄帯を熱処理して
得られる試料の金属組織を示す電子顕微鏡写真を模式的
に示した図である。
【図17】 (a),(b)は本発明に係る非晶質合金
薄帯を熱処理して得られる試料の各点におけるEDS分
析結果を示すグラフである。
【図18】 本発明に係る非晶質合金薄帯を熱処理して
得られる試料の金属組織を示す電子顕微鏡写真を模式的
に示した図である。
【図19】 (a)〜(c)は本発明に係る非晶質合金
薄帯を熱処理して得られる試料の各点におけるEDS分
析結果を示すグラフである。
【図20】 本発明に係る硬磁性材料の磁化の温度変化
を示すグラフである。
【図21】 本発明に係る硬磁性材料の磁化曲線の第2
象限を示すグラフである。
【図22】 本発明に係る硬磁性材料の磁気特性のSi
濃度依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 非晶質相 2 bcc−Fe相 3 Fe14Pr21相 4 Fe−Nb相
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01F 1/053 C22F 1/00 608 // C22F 1/00 608 660D 660 691B 691 692A 692 H01F 1/04 H (72)発明者 小島 章伸 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 萩原 富士弥 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内元支倉35番地 川 内住宅11−806 (72)発明者 増本 健 宮城県仙台市青葉区上杉3丁目8番22号

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe,Co,Niのうちの1種以上の元
    素T、希土類元素のうちの1種以上の元素R、およびB
    を含み、平均結晶粒径100nm以下のT相と、平均結
    晶粒径100nm以下のR2Fe141相と、非晶質相と
    の複相組織を主相とし、非晶質相中の元素Rの平均濃度
    が、R2Fe141相中の元素Rの平均濃度より小さく、
    かつT相中の元素Rの平均濃度より大きいことを特徴と
    する硬磁性材料。
  2. 【請求項2】 Zr,Nb,Ta,Hf,V,Ti,M
    o,Wのうちの1種以上の元素Mをさらに含み、非晶質
    相中の元素Mの平均濃度が、R2Fe141相中の元素M
    の平均濃度より小さく、かつT相中の元素Mの平均濃度
    より大きいことを特徴とする請求項1記載の硬磁性材
    料。
  3. 【請求項3】 Fe,Co,Niのうちの1種以上の元
    素T、希土類元素のうちの1種以上の元素R、およびB
    を含み、50vol(体積)%以上の非晶質相を含む合
    金を熱処理することにより、平均結晶粒径100nm以
    下のT相と、平均結晶粒径100nm以下のR2Fe14
    1相と、非晶質相との複相組織を主相とする構造を形
    成してなり、前記非晶質相からのT相の析出温度とR2
    Fe141相の析出温度との差が500℃以下であるこ
    とを特徴とする硬磁性材料。
  4. 【請求項4】 Fe,Co,Niのうちの1種以上の元
    素T、希土類元素のうちの1種以上の元素R、およびB
    を含み、50vol%以上の非晶質相を含む合金を熱処
    理することにより、平均結晶粒径100nm以下のT相
    と、平均結晶粒径100nm以下のR2Fe141相と、
    非晶質相との複相組織を主相とする構造を形成してな
    り、前記非晶質相からのT相の析出温度およびR2Fe
    141相の析出温度が500〜1000℃であることを
    特徴とする硬磁性材料。
  5. 【請求項5】 前記熱処理前の非晶質相のキュリー温度
    が50℃以上であることを特徴とする請求項3または4
    記載の硬磁性材料。
  6. 【請求項6】 Fe,Co,Niのうちの1種以上の元
    素T、希土類元素のうちの1種以上の元素R、およびB
    を含み、平均結晶粒径100nm以下のT相と、平均結
    晶粒径100nm以下のR2Fe141相と、非晶質相と
    の複相組織を主相とし、残留磁化Irが0.8T以上で
    あることを特徴とする硬磁性材料。
  7. 【請求項7】 Fe,Co,Niのうちの1種以上の元
    素T、希土類元素のうちの1種以上の元素R、およびB
    を含み、平均結晶粒径100nm以下のT相と、平均結
    晶粒径100nm以下のR2Fe141相と、非晶質相と
    の複相組織を主相とし、残留磁化Irと飽和磁化Isと
    の比率 Ir/Is が0.6以上であることを特徴と
    する硬磁性材料。
  8. 【請求項8】 Fe,Co,Niのうちの1種以上の元
    素T、希土類元素のうちの1種以上の元素R、およびB
    を含み、50vol%以上の非晶質相を含む合金を50
    0〜1000℃で熱処理して得られたことを特徴とする
    請求項6または7記載の硬磁性材料。
  9. 【請求項9】 Fe,Co,Niのうちの1種以上の元
    素T、希土類元素のうちの1種以上の元素R、およびB
    を含み、平均結晶粒径100nm以下のT相と、平均結
    晶粒径100nm以下のR2Fe141相と、非晶質相と
    の複相組織を主相とし、T相の体積分率が30〜80%
    であることを特徴とする硬磁性材料。
  10. 【請求項10】 下記組成式を有することを特徴とする
    請求項1〜9のいずれかに記載の硬磁性材料。 TxRzBwXv ただし、TはFe,Co,Niのうち1種以上の元素を
    表わし、Rは希土類元素のうち1種以上を表わし、Xは
    Cr、Al、Pt、白金族のうち1種以上を表すととも
    に、組成比を示すx,z,w,vは原子%で、 50≦x、3≦z≦15、3≦w≦20、0≦v≦10
    である。
  11. 【請求項11】 下記組成式を有することを特徴とする
    請求項1〜9のいずれかに記載の硬磁性材料。 TxRzBwXv ただし、TはFe,Co,Niのうち1種以上の元素を
    表わし、Rは希土類元素のうち1種以上を表わし、Xは
    Cr、Al、Pt、白金族のうち1種以上を表すととも
    に、組成比を示すx,z,w,vは原子%で、 80≦x≦92、4≦z≦10、3≦w≦7、0≦v≦
    5である。
  12. 【請求項12】 下記組成式を有し、かつ、残留磁化I
    rが120emu/g以上であることを特徴とする請求
    項1〜9のいずれかに記載の硬磁性材料。 TxRzBw ただし、TはFe,Co,Niのうち1種以上の元素を
    表わし、Rは希土類元素のうち1種以上を表わすととも
    に、組成比を示すx,z,wは原子%で、 86≦x≦92、3≦z≦7、3≦w≦7である。
  13. 【請求項13】 下記組成式を有することを特徴とする
    請求項1〜9のいずれかに記載の硬磁性材料。 TxMyRzBwXv ただし、TはFe,Co,Niのうち1種以上の元素を
    表わし、MはZr,Nb,Ta,Hf,V,Ti,M
    o,Wのうち1種以上の元素を表わし、Rは希土類元素
    のうち1種以上を表わし、XはCr、Al、Pt、白金
    族のうち1種以上を表すとともに、組成比を示すx,
    y,z,w,vは原子%で、 50≦x、0≦y≦10、3≦z≦15、3≦w≦2
    0、0≦v≦10である。
  14. 【請求項14】 下記組成式を有することを特徴とする
    請求項1〜9のいずれかに記載の硬磁性材料。 TxMyRzBwXv ただし、TはFe,Co,Niのうち1種以上の元素を
    表わし、MはZr,Nb,Ta,Hf,V,Ti,M
    o,Wのうち1種以上の元素を表わし、Rは希土類元素
    のうち1種以上を表わし、XはCr、Al、Pt、白金
    族のうち1種以上を表すとともに、組成比を示すx,
    y,z,w,vは原子%で、 80≦x≦92、1≦y≦5、4≦z≦10、3≦w≦
    7、0≦v≦5である。
  15. 【請求項15】 下記組成式を有し、かつ、残留磁化I
    rが120emu/g以上であることを特徴とする請求
    項1〜9のいずれかに記載の硬磁性材料。 TxMyRzBw ただし、TはFe,Co,Niのうち1種以上の元素を
    表わし、MはZr,Nb,Ta,Hf,V,Ti,M
    o,Wのうち1種以上の元素を表わし、Rは希土類元素
    のうち1種以上を表わすとともに、組成比を示すx,
    y,z,wは原子%で、 86≦x≦92、0.5≦y≦3、3≦z≦7、3≦w
    ≦7である。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかに記載の硬
    磁性材料において、SiをT元素置換で5原子%以下添
    加してなることを特徴とする硬磁性材料。
  17. 【請求項17】 請求項1〜15のいずれかに記載の硬
    磁性材料において、SiをT元素置換で0.5〜5原子
    %添加してなることを特徴とする硬磁性材料。
  18. 【請求項18】 請求項1〜15のいずれかに記載の硬
    磁性材料において、SiをT元素置換で0.5〜3原子
    %添加してなることを特徴とする硬磁性材料。
  19. 【請求項19】 最大エネルギー積(BH)maxが50
    kJ/m3より大きいことを特徴とする請求項1〜18
    のいずれかに記載の硬磁性材料。
  20. 【請求項20】 請求項1〜19のいずれかに記載の硬
    磁性材料からなる粉末を、焼結法により成形してなるこ
    とを特徴とする硬磁性材料。
  21. 【請求項21】 請求項1〜19のいずれかに記載の硬
    磁性材料からなる粉末を、樹脂等の接着材料と混合して
    成形してなることを特徴とする硬磁性材料。
  22. 【請求項22】 非晶質相を50%以上含む合金粉末
    を、該非晶質相の結晶化反応時に起こる軟化現象を利用
    して固化成形してなることを特徴とする請求項1〜19
    のいずれかに記載の硬磁性材料。
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