JP2000144347A - Fe基軟磁性合金及びその磁歪の調整方法 - Google Patents

Fe基軟磁性合金及びその磁歪の調整方法

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JP2000144347A JP11240618A JP24061899A JP2000144347A JP 2000144347 A JP2000144347 A JP 2000144347A JP 11240618 A JP11240618 A JP 11240618A JP 24061899 A JP24061899 A JP 24061899A JP 2000144347 A JP2000144347 A JP 2000144347A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高飽和磁束密度及び高透磁率を維持したまま
で磁歪が制御できるFe基軟磁性合金及びその磁歪の調
整方法の提供。 【解決手段】 下記のいずれかの組成式により示される
ことを特徴とするFe基軟磁性合金。 (Fe1-aabxyRez (Fe1-aabxyRezt ただし、ZはNi,Coのうち1種または2種以上の元
素、MはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選
ばれた1種または2種以上の元素、ReはYを含む希土
類元素のうちの1種または2種以上の元素、TはSi,
Al,Ge,Gaから選ばれた1種または2種以上の元素
であり、組成比を示すa、b、x、y、z、tは原子%
で、0≦a≦0.2、75≦b≦93、0.5≦x≦1
8、3<y≦9、0<z≦5、0≦t≦5である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッド、トラ
ンス、チョークコイル等に用いられるFe基軟磁性合金
及びその磁歪の調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ヘッド、トランス、チョークコイル
等に用いられる軟磁性合金において、一般的に要求され
る諸特性は以下の通りである。 飽和磁束密度が高いこと。 透磁率が高いこと。 低保磁力であること。 従って、軟磁性合金あるいは磁気ヘッドを製造する場
合、これらの観点から種々の合金系において材料研究が
なされている。従来、前述の用途に対しては、センダス
ト(Fe-Si-Al合金)、パーマロイ(Fe-Ni合
金)、けい素鋼等の結晶質合金が用いられ、最近ではF
e基およびCo基の非晶質合金も使用されるようになっ
てきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、磁気ヘッド
の場合、高記録密度化に伴う磁気記録媒体の高保磁力化
に対応するため、より好適な高性能磁気ヘッド用の磁性
材料が望まれている。また、トランス、チョークコイル
の場合は、電子機器の小型化に伴い、小型化が必要であ
るため、高性能の磁性材料が望まれている。ところが、
前述のセンダストは、軟磁気特性には優れているもの
の、飽和磁束密度が約11kGと低い欠点があり、パー
マロイも同様に、軟磁気特性に優れる合金組成において
は、飽和磁束密度が約8kGと低い欠点があり、けい素
鋼は飽和磁束密度は高いものの軟磁気特性に劣る欠点が
ある。
【0004】更に、前述の非晶質合金において、Co基
合金は軟磁気特性に優れているものの、飽和磁束密度が
10kG程度と不十分である。また、Fe基合金は飽和
磁束密度が高く、15kGあるいはそれ以上のものが得
られるが、軟磁気特性が不十分である。また、非晶質合
金の熱安定性は充分でなく、未だ未解決の面がある。前
述のごとく高飽和磁束密度と優れた軟磁気特性を兼備す
ることは難しい。
【0005】そこで本発明者らは、上記の問題を解決し
た高飽和磁束密度Fe系軟磁性合金を特開平5−932
49号(特願平2−108308号)において特許出願
している。この特許出願に係る合金の1つは、次式で示
される組成からなることを特徴とする高飽和磁束密度F
e系軟磁性合金であった。 (Fe1-fCofgh1i2j 但しT1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、M
o、Wからなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素
であり、且つ、Zr、Hfのいずれか、または両方を含
み、T2は、Cu、Ag、Au、Ni、Pd、Ptから
なる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、f
≦0.05、g≦92原子%、 h=0.5〜16原子%、i
=4〜10原子%、j=0.2〜4.5原子%である。
【0006】また、上記特許出願に係る合金の他の1つ
は、次式で示される組成からなることを特徴とする高飽
和磁束密度合金であった。 Fegh1i2j 但しT1は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、M
o、Wからなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素
であり、且つ、Zr、Hfのいずれか、又は両方を含
み、T2は、Cu、Ag、Au、Ni、Pd、Ptから
なる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、g
≦92原子%、h=0.5〜16原子%、i=4〜10原
子%、j=0.2〜4.5原子%である。
【0007】次に、本発明者らは、上記合金の発展型の
合金として、特開平4−333546号(特願平2−2
30135号)において以下に示す組成の合金について
特許出願を行なっている。この特許出願に係る合金の1
つは、次式で示される組成からなることを特徴とする高
飽和磁束密度の合金であった。 (Fe1-aabxy 但し、QはCo、Niのいずれか又は両方であり、T
は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、Wから
なる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、且
つ、Zr、Hfのいずれか、または両方を含み、a≦
0.05、b≦93原子%、x=0.5〜8原子%、y=
4〜9原子%である。
【0008】また、上記特許出願に係る合金の他の1つ
は、次式で示される組成からなることを特徴とするもの
である。 Febxy 但しTは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、
Wからなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であ
り、且つ、Zr、Hfのいずれか、又は両方を含み、b
≦93原子%、x=0.5〜8原子%、y=4〜9原子
%である。
【0009】ところで、軟磁性合金を磁気ヘッドやトラ
ンス等のコア材として用いる場合には、液体急冷法等に
より作製した軟磁性合金薄帯をリング状に巻回あるいは
積層し、これを樹脂で被覆する絶縁加工等の種々の加工
が施されてた後用いられる。しかしながら特開平5−9
3249号の(Fe1-fCofgh1i2jなる組
成の軟磁性合金、Fegh1i2jなる組成の軟磁
性合金、特開平4−333546号に記載の(Fe1-a
abxyなる組成の軟磁性合金、Febxy
る組成の軟磁性合金からなる薄帯を用いる場合において
は、上記絶縁のための樹脂の硬化収縮時に上記軟磁性合
金からなるコアに圧縮応力がかかり磁歪が生じ、これに
より磁気特性が変化し、目的とする磁気特性を有するも
のが得られにくいという問題があった。
【0010】そこで、本発明者らは、先に出願した特開
平5−93249号に記載の軟磁性合金について更に研
究を進め、これらの系に添加する元素の中でもSi、A
l、Ge、Gaのうちから選ばれる元素をFeを主成分
とするbcc相中に固溶させることにより、磁歪を調整
できるようにしたFe基軟磁性合金を特開平9−360
8号(特願平7−147838号)に特許出願してい
る。しかしながら特開平9−3608号に記載のFe基
軟磁性合金においては、Feを主成分とするbcc相
(体心立方の結晶相)中にSi、Al、Ge、Gaのう
ちから選ばれる元素を固溶させたものであるので、体心
立方の結晶相中に不純物が混在したものとなり、しかも
軟磁性合金中のFeやNiやCoの濃度の減少が大きく
なり、飽和磁束密度や透磁率が低下してしまうという問
題があった。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、高飽和磁束密度及び高透磁率を維持したままで磁歪
が制御できるFe基軟磁性合金及びその磁歪の調整方法
を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明のFe基
軟磁性合金は、下記組成式により示されることを特徴と
する。 (Fe1-aabxyRez ただし、ZはNi,Coのうち1種または2種以上の元
素、MはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選
ばれた1種または2種以上の元素、ReはYを含む希土
類元素のうちの1種または2種以上の元素であり、組成
比を示すa、b、x、y、zは原子%で、0≦a≦0.
2、75≦b≦93、0.5≦x≦18、3<y≦9、
0<z≦5である。
【0013】また、本発明のFe基軟磁性合金は、下記
組成式により示されることを特徴とするものであっても
よい。 (Fe1-aabxyRezt ただし、ZはNi,Coのうち1種または2種以上の元
素、MはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選
ばれた1種または2種以上の元素、ReはYを含む希土
類元素のうちの1種または2種以上の元素、TはSi,
Al,Ge,Gaから選ばれた1種または2種以上の元素
であり、組成比を示すa、b、x、y、z、tは原子%
で、0≦a≦0.2、75≦b≦93、0.5≦x≦1
8、3<y≦9、0<z≦5、0≦t≦5である。
【0014】また、本発明のFe基軟磁性合金の磁歪の
調整方法は、Feと、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,M
o,Wから選ばれた1種または2種以上の元素Mと、B
を少なくとも含む合金溶湯を急冷することにより非晶質
合金を得た後、熱処理によりbcc構造のFeを主体と
する平均結晶粒径30nm以下の微細な結晶相を析出さ
せてFe基軟磁性合金を製造するに際して、上記合金溶
湯にさらにYを含む希土類元素のうちから選ばれる1種
または2種以上の元素Reを添加し、このとき添加する
元素Reの種類と添加量を調整することにより、得られ
るFe基軟磁性合金の磁歪を制御することを特徴とす
る。
【0015】本発明にあっては、(Fe又はFe−Z)
−B−M系の合金または(Fe又はFe−Z)−B−M
−T系の合金に、Yを含む希土類元素のうちの1種また
は2種以上の元素Reを添加することにより、高飽和磁
束密度及び高透磁率を維持したままで磁歪が制御でき
る。
【0016】それは、上記組成のFe基軟磁性合金は、
Feと、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選
ばれた1種または2種以上の元素Mと、Bと、Yを含む
希土類元素のうちから選ばれる1種または2種以上の元
素Reと、必要によりさらにSi,Al,Ge,Gaから
選ばれた1種または2種以上の元素Tを含む合金溶湯を
急冷することにより非晶質合金を得た後、熱処理により
bcc構造のFeを主体とする平均結晶粒径30nm以
下の微細な結晶相を析出させることにより得ることがで
きるが、結晶相であるFeを主成分とするbcc相(体
心立方の相)は負の磁歪を示しており、非晶質相(アモ
ルファス相)は正の磁歪を示しているため、非晶質相の
体積分率をコントロールすることにより、得られるFe
基軟磁性合金が示す磁歪を調整することができる。
【0017】結晶相と非晶質相の体積分率をコントロー
ルする手段としては、Yを含む希土類元素のうちから選
ばれる1種または2種以上の元素Reは非晶質形成能を
有する元素であるため、添加する元素Reの種類や添加
量を調整することによりFe基軟磁性合金中の非晶質相
の体積分率をコントロールできる。その理由は、上記元
素Reは、上記Mとの親和力が強いため、Feを主成分
とするbcc相(体心立方の相)に固溶せず、非晶質相
に残留し、また、用いる元素を変更することにより、F
e基軟磁性合金が示す磁歪を変更することができるから
である。
【0018】従って、絶縁のための樹脂の硬化収縮によ
る圧縮応力により(Fe又はFe−Z)−B−M系の合
金または(Fe又はFe−Z)−B−M−T系の合金に
生じる磁歪を測定しておき、絶縁加工後に得られるFe
基軟磁性合金が目的とする磁歪を示すように、(Fe又
はFe−Z)−B−M系の合金または(Fe又はFe−
Z)−B−M−T系の合金に添加する元素Reの種類や
添加量を調整することにより、絶縁加工後の磁歪が所望
の値を示すものを得ることができる。例えば、絶縁加工
後の磁歪が0に近いFe基軟磁性合金からなるコアを得
るには、予め、絶縁のための樹脂の硬化収縮による圧縮
応力により(Fe又はFe−Z)−B−M系の合金また
は(Fe又はFe−Z)−B−M−T系の合金に生じる
磁歪を測定しておき、予め測定した圧縮応力による磁歪
と逆向きで同じ大きさの磁歪が絶縁加工前のFe基軟磁
性合金に付与されるように(Fe又はFe−Z)−B−
M系の合金または(Fe又はFe−Z)−B−M−T系
の合金に添加する元素Reの種類や添加量を調整するこ
とにより、絶縁加工後の磁歪が0に近いFe基軟磁性合
金からなるコアを得ることができる。
【0019】また、上記元素Reは、(Fe又はFe−
Z)−B−M系の合金または(Fe又はFe−Z)−B
−M−T系の合金に少量添加するだけで、磁歪を調整で
きるので、軟磁性合金中のFeやCoやNiの濃度の減
少が少なくて済むので、飽和磁束密度は高いまま維持で
きる。また、上記元素Reは安価であり、また、非晶質
形成能を有するものであるので、この元素Reを添加す
ることにより、高価なBやMの添加量を少なくしても、
例えば、Mの添加量が3原子%をわずかに超える程度す
ることができるので、コストダウンが可能である。それ
は、上記元素Reは、Feを主成分とするbcc相(体
心立方の相)に固溶せず、非晶質相に残留するので、不
純物とならず、また、BやMと同様の役目をするので、
その分、BやMの添加量を減らすことができるからであ
る。
【0020】また、本発明のFe基軟磁性合金において
は、上記組成式中のMは、ZrとNbのうちの少なくと
も1種を含むことが好ましい。上記組成式中のMに、Z
rとNbのうちの少なくとも1種が含まれていると、微
細結晶核の成長速度を小さくする効果、非晶質形成能を
維持したままで、コストを低く抑えることができる。
【0021】本発明のFe基軟磁性合金においては、上
記組成式中のReは、Y、La、Ce、Pr、Ndのう
ちの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。ま
た、本発明のFe基軟磁性合金にあっては、上記組成式
中の組成比を示すzは、原子%で、0<z≦5、好まし
くは0.1≦z≦5、より好ましくは0.1≦z≦1、
最も好ましくは0.1≦z≦0.5である。Reの添加
量が5原子%を超えると、保磁力が大きくなり過ぎて好
ましくないからである。また、Reの添加量が原子%で
0.1以上1以下の範囲であると高い飽和磁束密度が得
られ、Reの添加量が原子%で0.1以上0.5以下の
範囲であるとさらに高い飽和磁束密度が得られるからで
ある。また、本発明のFe基軟磁性合金にあっては、上
記組成式中の組成比を示すyは、原子%で、4≦y≦9
であることが非晶質形成能が向上する点で好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明のFe基軟磁性合金
及びその磁歪の調整方法の実施の形態を説明する。本発
明のFe基軟磁性合金は、下記のいずれかの組成式で示
されるものである。 (Fe1-aabxyRez (Fe1-aabxyRezt
【0023】但し、ZはNi、Coのうち1種または2
種以上の元素、Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、T
a、Mo、Wのうちの1種または2種以上の元素、Re
は、Yを含む希土類元素のうちの1種または2種以上の
元素であり、組成比を示すa、b、x、y、zは原子%
で、0≦a≦0.2、75≦b≦93、0.5≦x≦1
8、3<y≦9、0<z≦5である。また、本発明のF
e基軟磁性合金には、上記Fe又はFe−Zと、Bと、
Mと、ReにTが添加されていてもよく、その場合のT
はSi,Al,Ge,Gaから選ばれた1種または2種以
上の元素であり、組成比を示すtは原子%で0≦t≦5
である。
【0024】上記の組成の本発明のFe基軟磁性合金
は、平均結晶粒径30nm以下の体心立方構造(bcc
構造)のFeの結晶粒からなる微結晶質相を主体とし、
該微結晶質相と非晶質相とから構成される組織からなる
ものであるので、高飽和磁束密度及び高透磁率を維持す
ることができ、磁気ヘッド、トランス、チョークコイル
等に用いられるコア材として好適である。また、本発明
のFe基軟磁性合金は、元素Reの種類や添加量等を調
整することにより、磁歪を制御することができる。
【0025】本発明に用いられるFe基軟磁性合金の組
成系において、主成分であるFe、Co、Niは、磁性
を担う元素であり、高い飽和磁束密度と優れた軟磁気特
性を得るために重要である。
【0026】これらの組成の軟磁性合金においては、F
eの添加量を示すbの値あるいはFeと、Coおよび/
またはNiの添加量の合計を示すbの値は、93原子%
以下である。bが93原子%を超えると液体急冷法によ
って非晶質単相を得ることが困難になり、この結果、熱
処理してから得られる合金の組織が不均一になって高い
透磁率が得られないので好ましくない。また、bが75
原子%未満では、飽和磁束密度(Bs)1T以上を得る
ことができず、好ましくない。従って、bの範囲を75
原子%≦b≦93原子%とした。また、Feの一部は、
磁歪等の調整のためにCo,Niのうち1種または2種
以上の元素Zで置換してもよく、この場合、好ましくは
Feの25%以下とするのがよい。この範囲外であると
透磁率が劣化する。従って上記組成式においてZの組成
比aは、0.2以下の範囲が好ましい。
【0027】Bには、軟磁性合金の非晶質形成能を高め
る効果、結晶組織の粗大化を防ぐ効果、および熱処理工
程において磁気特性に悪影響を及ぼす化合物相の生成を
抑制する効果があると考えられる。また、Zr、Hf、
Nbは、α-Feに対してほとんど固溶しないとされる
が、合金を急冷して非晶質化することで、ZrとHfま
たはNbを過飽和に固溶させ、この後に施す熱処理によ
りこれら元素の固溶量を調節して一部結晶化し、微細結
晶相として析出させることで、得られる軟磁性合金の軟
磁気特性を向上させる作用がある。また、微細結晶相を
析出させ、その微細結晶相の結晶粒の粗大化を抑制する
には、結晶粒成長の障害となり得る非晶質相を粒界に残
存させることが必要であると考えられる。さらに、この
粒界非晶質相は、熱処理温度の上昇によってα−Feか
ら排出されるZr、Hf、Nb等の元素Mを固溶するこ
とで軟磁気特性を劣化させるFe−M系化合物の生成を
抑制すると考えられる。よって、Fe−Zr(Hf、N
b)系の合金にBを添加することが重要となる。
【0028】Bの添加量を示すxが、0.5原子%未満
では、粒界の非晶質相が不安定となるため、十分な添加
効果が得られない。また、xが18原子%を越えると、
B−M系およびFe−B系において、ホウ化物の生成傾
向が強くなり、微細結晶組織を得るための熱処理条件が
制約され、良好な軟磁気特性が得られなくなる。このよ
うにBの添加量を適切にすることで、析出する微細結晶
相の平均結晶粒径を30nm以下に調整することができ
る。
【0029】また、非晶質相を得やすくするためには、
非晶質形成能の特に高いZr、Hf、Nbのいずれかを
含むことが好ましく、Zr、Hf、Nbの一部は他の4
A〜7A族元素のうち、Ti、V、Ta、Mo、Wのい
ずれかと置換することができる。また、Zr、Hf、N
bのうち、Hfは非常に高価な元素であるため、原料コ
ストを考慮すると、Zr、Nbのいずれか一方を含むこ
とがより好ましい。こうした元素Mは、比較的遅い拡散
種であり、元素Mの添加は、微細結晶核の成長速度を小
さくする効果、非晶質形成能を持つと考えられ、組織の
微細化に有効である。
【0030】元素Mの添加量を示すyが3原子%以下で
は、核成長速度を小さくする効果が失われ、結晶粒径が
粗大化して良好な軟磁性が得られない。Fe−Hf−B
系合金の場合、Hf=5原子%での平均結晶粒径は13
nmであるのに対してHf=3原子%では39nmと粗
大化する。元素Mの添加量を示すyが9原子%を越える
と、M−B系またはFe−M系の化合物の生成傾向が大
きくなり、良好な特性が得られない。
【0031】中でもNb、Mo、Wは、酸化物の生成自
由エネルギーの絶対値が小さく、熱的に安定であり、酸
化物を生成しにくい。よって、これらの元素を添加して
軟磁性合金を製造する場合には、製造時の雰囲気全体を
不活性ガス雰囲気ではなく大気中の雰囲気で、もしくは
溶湯を急冷する際に使用するるつぼのノズルの先端部に
不活性ガスを供給しつつ大気中で製造することができる
ので、製造条件が容易となり、上述のような用途に用い
る磁性コア材等を安価に製造することができる。 元素
Mの添加量としては、4原子%以上9原子%以下とする
ことが、非晶質形成能が向上する点で好ましい。
【0032】また、高飽和磁束密度や高透磁率を維持し
たままで、磁歪を制御するためには、Yを含む希土類元
素のうちの1種または2種以上の元素Reが含まれてい
る。ここで用いる元素Reとしては、Y、La、Ce、
Pr、Ndのうちの少なくとも1種を含んでいることが
好ましい。その理由は、結晶相であるFeを主成分とす
るbcc相(体心立方の相)は負の磁歪を示しており、
非晶質相(アモルファス相)は正の磁歪を示しているた
め、非晶質相の体積分率をコントロールすることによ
り、得られるFe基軟磁性合金が示す磁歪を調整するこ
とができるが、上記の元素Reは非晶質形成能を有する
元素であり、また、添加する元素Reの種類や添加量を
調整することにより、Fe基軟磁性合金中の非晶質相の
体積分率をコントロールできるからである。それは上記
元素Reは、上記Mとの親和力が強いため、Feを主成
分とするbcc相(体心立方の相)に固溶せず、非晶質
相に残留し、また、用いる元素を変更することにより、
Fe基軟磁性合金が示す磁歪を変更することができるか
らである。従って、絶縁のための樹脂の硬化収縮による
圧縮応力により(Fe又はFe−Z)−B−M系の合金
または(Fe又はFe−Z)−B−M−T系の合金に生
じる磁歪を測定しておき、絶縁加工後に得られるFe基
軟磁性合金が目的とする磁歪を示すように、(Fe又は
Fe−Z)−B−M系の合金または(Fe又はFe−
Z)−B−M−T系の合金に添加する元素Reの種類や
添加量を調整することにより、絶縁加工後の磁歪が所望
の値を示すものを得ることができる。
【0033】例えば、絶縁加工後の磁歪が0に近いFe
基軟磁性合金からなるコアを得るには、予め、絶縁のた
めの樹脂の硬化収縮による圧縮応力により(Fe又はF
e−Z)−B−M系の合金または(Fe又はFe−Z)
−B−M−T系の合金に生じる磁歪を測定しておき、予
め測定した圧縮応力による磁歪と逆向きで同じ大きさの
磁歪が絶縁加工前のFe基軟磁性合金に付与されるよう
に(Fe又はFe−Z)−B−M系の合金または(Fe
又はFe−Z)−B−M−T系の合金に添加する元素R
eの種類や添加量を調整することにより、絶縁加工後の
磁歪が0に近いFe基軟磁性合金からなるコアを得るこ
とができる。
【0034】また、上記元素Reは、(Fe又はFe−
Z)−B−M系の合金または(Fe又はFe−Z)−B
−M−T系の合金に少量添加するだけで、磁歪を調整で
きるので、軟磁性合金中のFeやCoやNiの濃度の減
少が少なくて済むので、飽和磁束密度は高いまま維持で
きる。また、上記元素Reは安価であり、また、非晶質
形成能を有するので、この元素Reを添加することによ
り、高価なBやMの添加量を少なくすることができるの
で、コストダウンが可能である。それは、上記元素Re
は、Feを主成分とするbcc相(体心立方の相)に固
溶せず、非晶質相に残留するので、不純物とならず、ま
た、BやMと同様の役目をするので、その分、BやMの
添加量を減らすことができるからである。
【0035】Reの添加量を示すzは、原子%で、0<
z≦5、好ましくは0.1≦z≦5、より好ましくは
0.1≦z≦1、最も好ましくは0.1≦z≦0.5で
ある。Reの添加量が5原子%を超えると、保磁力が大
きくなり過ぎて好ましくないからである。また、Reの
添加量が原子%で0.1以上1以下の範囲であると高い
飽和磁束密度が得られ、Reの添加量が原子%で0.1
以上0.5以下の範囲であるとさらに高い飽和磁束密度
が得られるからである。
【0036】また、本発明の軟磁性合金には、Si、A
l、Ge、Gaのうちの1種または2種以上の元素T
を、0以上5原子%以下含有していてもよい。これらは
半金属元素として知られており、Feを主成分とする体
心立方晶の相に固溶する。これらの元素の含有量が5原
子%を越えると磁歪が大きくなるか、飽和磁束密度が低
下するか、透磁率が低下するので好ましくない。
【0037】また、元素Tには、軟磁性合金の電気抵抗
を上昇させ、鉄損を低下させる効果があるが、Alはそ
の効果が大きい。またGe、Gaは結晶粒の径を微細化
させる効果がある。従ってSi、Al、Ge、Gaのう
ち、Al、Ge、Gaは添加した効果が特に大きく、A
l、Ge、Gaの単独添加もしくはAlとGe、Alと
Ga、GeとGa、AlとGeとGaの複合添加とする
ことがより好ましい。
【0038】また、上記組成系の軟磁性合金において、
他に、必要に応じてZn、Cd、In、Sn、Pb、A
s、Sb、Bi、Se、Te、Li、Be、Mg、C
a、Sr、Ba等の元素を添加することで軟磁性合金の
磁歪を調整することもできる。上記組成系の軟磁性合金
において、H、N、O、S等の不可避的不純物について
は所望の特性が劣化しない程度に含有していても本発明
で用いるFe基軟磁性合金の組成と同一とみなすことが
できるのは勿論である。
【0039】本発明のFe基軟磁性合金を製造するに
は、例えば、(Fe又はFe−Z)−B−M系、又は
(Fe又はFe−Z)−B−M−T系の非晶質合金ある
いは非晶質相を含む結晶質合金(ただし、ZはNi,C
oのうち1種または2種以上の元素、MはTi,Zr,H
f,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれた1種または2種
以上の元素、TはSi,Al,Ge,Gaから選ばれた1
種または2種以上の元素である。)をアーク溶解、高周
波誘導溶解等の手段で溶解した合金溶湯を急冷し、非晶
質相を非晶質相を主体とする薄帯を作製するに際して、
上記合金溶湯にさらにYを含む希土類元素のうちから選
ばれる1種または2種以上の元素Reを添加し、このと
き添加する元素Reの種類と添加量を調整する。ここで
薄帯を作製する具体的方法としては、特開平4−323
351号公報に記載されているような流体冷却法や、単
ロールを用いた急冷法等を採用することができる。
【0040】ついで、作製した薄帯を熱処理することに
より、上記薄帯の非晶質相の中の一部が結晶化し、非晶
質相と、平均粒径30nm以下の微細なbcc構造のF
eの結晶粒からなる微細結晶相とが混合した組織が得ら
れ、目的とするFe基軟磁性合金が得られる。
【0041】熱処理により平均結晶粒径30nm以下の
微細なbcc構造のFeの結晶粒からなる微細結晶組織
が析出したのは、急冷状態の非晶質合金薄帯等が非晶質
相を主体とする組織となっており、これを加熱すると、
ある温度以上で平均結晶粒径が30nm以下のFeを主
成分とする体心立方構造の結晶粒からなる微細結晶相が
析出するからである。このbcc構造を有するFeの結
晶粒からなる微細結晶相が析出する温度は、合金の組成
によるが480〜550℃程度である。またこのFeの
微細結晶相が析出する温度よりも高い温度では、Fe3
B、あるいは合金にZrが含まれる場合にはFe3Zr
等の軟磁気特性を悪化させる化合物相が析出する。この
ような化合物相が析出する温度は、合金の組成によるが
740〜810℃程度である。
【0042】したがって、本発明において、非晶質合金
薄帯等を熱処理する際の保持温度は480℃〜810℃
の範囲で、体心立方構造を有するFeの結晶粒を主成分
とする微細結晶相が好ましく析出しかつ上記化合物相が
析出しないように、合金の組成に応じて好ましく設定さ
れる。
【0043】上記の熱処理温度まで昇温するときの昇温
速度は、20〜200℃/分の範囲が好ましく、40〜
200℃/分の範囲とするのがより好ましい。昇温速度
が遅いと製造時間が長くなるので昇温速度は速い方が好
ましいが、加熱装置の性能上、200℃/分程度が上限
とされる。
【0044】また、非晶質合金薄帯等を上記保持温度に
保持する時間は、0〜60分間とすることができ、合金
の組成によっては0分、すなわち昇温後直ちに降温させ
て保持時間無しとしても、目的とする効果を得ることが
できる。また、保持時間は60分より長くしても磁気特
性は向上せず、製造時間が長くなり生産性が悪くなるの
で好ましくない。また、特にSiを含まない組成の場合
には、10分以下の保持時間としても目的とする効果を
得ることができる。これは、Siを添加した場合には、
FeにSiを充分に固溶させる必要があり、保持時間を
長くする必要があるからである。
【0045】
【実施例】以下、実施例、比較例により更に具体的に説
明する。 [実施例1] (試料の作製)Fe89.5Zr73Re0.5(Re=Y、
La、Ce、Pr、Nd)なる組成になるように原料を
調整し、それをN2ガス雰囲気中で 高周波溶解し、溶け
た原料を鋳型に流し込み母合金を得る。その母合金か
ら、N2ガス雰囲気中においてノズル内で高周波溶解
し、溶湯をノズルより高速回転し ている銅ロールに吹
き出させて急冷する液体急冷法を用いて、厚さ約20μ
m、幅約15mmの合金薄帯を得た。次に得られた薄帯
を、外径10mm、内径6mmの円環状に機械的に打ち
抜き、熱処理を行い試料(実施例の試料)を得た。熱処
理条件は、昇温速度180゜C/分、熱処理温度560
゜C(833K)から660゜C(933K)、この熱
処理温度での保持時間は5分、降温速度(冷却速度)は
180゜C/分とした。 [比較例]また、比較のためにFe89.5Zr73Re
0.5(Re=Fe)、すな わちFe 90Zr73なる組成
になるように調整した原料を用いる以外は、先に述べた
方法と同様にして試料(比較例の試料)を得た。
【0046】[測定]上記の実施例1、比較例で得られ
た各試料の10kHz、5mOeにおける実効透磁率
(μ’)と保磁力の熱処理温度依存性について測定し
た。その結果を図1に示す。図1に示した結果から明ら
かなようにFe90Zr73なる組成の合金からなる比較
例の試料は、熱処理温度を変更しても保磁力はあまり変
化しないが、透磁率については熱処理温度が610゜C
(883K)を超えると低下していることがわかる。F
89.5Zr73Re0.5(Re=Y、La、Ce、P
r、Nd)なる組成の合金からなる実施例1の各試料
は、熱処理温度を変更しても実効透磁率や保磁力があま
り変化しないことがわかる。これら実施例1の試料のう
ちでFe89.5Zr 73Nd0.5な る組成の合金からなる
試料は、透磁率が最も高く、保磁力も低いことがわか
る。
【0047】次に、熱処理温度610゜C(883
K)、保持時間5分とした以外は先に述べた方法と同様
にして作製したFe89.5Zr73Re0.5(Re=Y、
La、Ce、Pr、Nd、Fe)なる組成の合金薄帯か
らなる試料の飽和磁束密度(Bs)、10kHz、5m
Oeにおける実効透磁率(μ’)と、保磁力と、磁歪
(λs)の添加する元素Re依存性について調べた結果
を図2に示す。図2に示した結果から飽和磁束密度につ
いては、Fe−Zr−B系の合金に添加する元素Reが
Y、La、Ce、Pr、Ndのいずれの場合においても
Fe90Zr73なる組成の合金薄帯からなる試料と同じ
程度の約1.5T以上のものが得られていることがわか
る。また、実効透磁率については、Y、La、Ce、P
r、Ndの順に直線状に大きくなっており、保磁力につ
いては、Y、La、Ce、Pr、Ndの順に直線状に低
下していることがわかる。また、磁歪については、Y、
La、Ce、Pr、Ndの順に直線状に低下しており、
従って、添加するReが0.5原子%と少なくしても、
Reとして用いる元素の種類を変更することにより、得
られるFe基軟磁性合金が示す磁歪を変更できることが
わかる。
【0048】図3に、Fe89.5Zr73Re0.5(Re
=Y、La、Ce、Pr、Nd、Fe)なる組成の合金
薄帯の自由面(銅ロールに接触していない側の面)の熱
処理前の構造をX線回析法により調べた結果を示す。ま
た、図4に、Fe89.5Zr73Re0.5(Re=Y、L
a、Ce、Pr、Nd、Fe)なる組成の合金薄帯の自
由面(銅ロールに接触していない側の面)の熱処理後の
構造をX線回析法により調べた結果を示す。ここでの熱
処理条件は、昇温速度180゜C/分、熱処理温度61
0゜C(883K)、この熱処理温度での保持時間は5
分、降温速度(冷却速度)は180゜C/分としたもの
である。図3より、急冷状態では非晶質に特有のハロー
な回析図形が認められ、熱処理後には体心立方晶に独特
の回析図形が認められ、また、図4より本合金の構造が
熱処理により、非晶質から非晶質相中に体心立方晶のF
eを主成分とするbcc相(bcc−Fe)が析出した
ものに変化したことがわかる。また、熱処理後のものに
はY、La、Ce、Pr、Ndやこれらの化合物の結晶
の析出は認められないことから、Y、La、Ce、P
r、Ndは非晶質相に残留しているものと考えられる。
【0049】図5に、Fe89.5Zr73Re0.5(Re
=Y、La、Ce、Pr、Nd、Fe)なる組成の合金
薄帯の熱処理後に析出するFeを主成分とするbcc相
の平均結晶粒径と(110)面の格子定数の添加する元
素Re依存性を示す。図5に示した結果からReとして
Y、La、Ce、Pr、Ndのいずれかを添加した合金
薄帯の熱処理したものは、ReとしてFeを添加した合
金薄帯(Fe 90Zr73)よりもFeを主成分とするb
cc相の平均結晶粒径が大きくなっていることが分か
る。また、ReとしてY、La、Ce、Pr、Ndのい
ずれかを添加した合金薄帯を熱処理したものの(11
0)面の格子定数は、ReとしてFeを添加した合金薄
帯を熱処理したものとほぼ同じ値であることから、Y、
La、Ce、Pr、Ndは非晶質に残留していることが
わかる。なお、ReとしてY、La、Ce、Pr、N
d、Feのいずれかを添加した合金薄帯の熱処理後の
(110面)の格子定数がbcc−Feの格子定数より
大きくなっているのは、ZrやBが結晶相に固溶したた
めであると考えられる。
【0050】以上のことからReとしてY、La、C
e、Pr、Ndのいずれかを添加した合金薄帯を熱処理
したものは、Reが非晶質相に残留し、また、Reとし
てFeを添加したものに比べてbcc−Feの結晶粒の
数が少なく、これによってbcc−Feの粒径が大きく
なったためであると考えられる。一方、ReとしてFe
を添加した合金薄帯を熱処理したものは、bcc−Fe
の粒径が小さくなっており、これは、ReとしてY、L
a、Ce、Pr、Ndのいずれかを添加したものに比べ
て、bcc−Feの結晶粒が多数生成し、これによっ
て、bcc−Feの粒径が微細となったためであると考
えられる。
【0051】Fe90-zZr73Ndz(z=0〜10)
なる組成になるように調整した原料を用いる以外は、先
に述べた方法と同様にして試料の飽和磁束密度(B
s)、10kHz、5mOeにおける実効透磁率
(μ’)と、保磁力(Hc)と、磁歪(λs)の添加す
る元素Reの添加量依存性について調べた結果を図6に
示す。ここでの熱処理条件は、昇温速度180゜C/
分、熱処理温度610゜C(883K)、この熱処理温
度での保持時間は5分、降温速度(冷却速度)は180
゜C/分としたものである。図6に示した結果からRe
の添加量が増加すると、磁歪が増大していることがわか
り、それは非晶質相の体積分率が増加したためである。
また、Reの添加量が6原子%を超えると、保磁力が大
きくなることがわかる。
【0052】(実施例2)下記表1、表2に示す各組成
になるように原料を調整し、それを実施例1の試料を作
製したときと同様の条件にて、母合金としたのち液体急
冷法を用いて、厚さ約20μm、幅約15mmの合金薄
帯を得た後、外径10mm、内径6mmの円環状に打ち
抜いたものを15枚程度重ねて熱処理を行って、各種の
試料(No.1〜32)を得た。なお、ここでの熱処理
温度については下記表1、表2に記載された通り、61
0゜C(883K)、620゜C(893K)、630
゜C(903K)、640゜C(913K)のいずれか
であり、上記の熱処理温度までの昇温速度は180℃/
分、保持時間は5分、降温速度(冷却速度)は180℃
/分とした。得られた各種の試料の磁気特性と、磁歪
と、試料を構成する組織中に析出したbcc構造を有す
るFe(bccFe)の結晶粒の粒径を調べた結果を表
1、表2に合わせて示す。なお、透磁率については、1
0kHz、5mOeの磁界をかけて測定を行った。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】表1乃至表2に示す結果から、FeとBと
M(Nb、又はNbとZr)に、元素Reとして、Y、
La、Ce、Pr、Ndを添加した各組成の試料は、飽
和磁束密度が1.37T以上で、最高1.60T(試料
No.29)と大きな値を示していることがわかる。ま
た、10kHz、5mOeにおける透磁率は7000以
上で最高45000(試料No.31)の大きな値とな
っており、さらに、保磁力は0.04Oe(試料No.
31)〜0.39Oeと小さな値となっており、組成及
び組成比が本発明の範囲である各試料が優れた軟磁気特
性を示していることがわかる。また磁歪についても10
-7の小さな値が得られており、特に試料No.23にお
いては零であった。さらに、各試料のbccFeの結晶
粒の平均結晶粒径は表1乃至表2にも示されている通
り、12〜18nmの値を示しており、このように小さ
な結晶粒径を有していることにより、組成及び組成比が
本発明の範囲である各試料が優れた軟磁気特性が得られ
ていることがわかる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明にあっては、
(Fe又はFe−Z)−B−M系の合金または(Fe又
はFe−Z)−B−M−T系の合金に、Yを含む希土類
元素のうちの1種または2種以上の元素Reを添加する
ことにより、高飽和磁束密度及び高透磁率を維持したま
まで磁歪が制御できる。それは、元素Reは非晶質形成
能を有する元素であるため、添加する元素Reの種類や
添加量を調整することによりFe基軟磁性合金中の非晶
質相の体積分率をコントロールでき、これにより磁歪を
調整できるからである。また、上記元素Reは、(Fe
又はFe−Z)−B−M系の合金または(Fe又はFe
−Z)−B−M−T系の合金に少量添加するだけで、磁
歪を調整できるので、軟磁性合金中のFeやCoやNi
の濃度の減少が少なくて済むので、飽和磁束密度は高い
まま維持できる。また、上記元素Reは安価であり、非
晶質形成能を有する元素であるので、この元素Reを添
加することにより、高価なBやMの添加量を少なくでき
るので、コストダウンが可能である。それは、上記元素
Reは、Feを主成分とするbcc相(体心立方の相)
に固溶せず、非晶質相に残留するので、不純物となら
ず、また、BやMと同様の役目をするので、その分、B
やMの添加量を減らすことができるからである。また、
本発明のFe基軟磁性合金において、上記組成式中のM
に、ZrとNbのうちの少なくとも1種が含まれるよう
にしたものにあっては、微細結晶核の成長速度を小さく
する効果と非晶質形成能を維持したままで、コストを低
く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Fe89.5Zr73Re0.5(Re=Y、L
a、Ce、Pr、Nd)なる合金からなる試料と、Fe
90Zr73なる組成の合金からなる試料の実効透磁率
(μ’)と保磁力の熱処理温度依存性を調べた結果を示
すグラフである。
【図2】 Fe89.5Zr73Re0.5(Re=Y、L
a、Ce、Pr、Nd、Fe)なる組成の合金薄帯から
なる試料の飽和磁束密度、実効透磁率と、保磁力と、磁
歪の添加する元素Re依存性を示すグラフである。
【図3】 Fe89.5Zr73Re0.5(Re=Y、L
a、Ce、Pr、Nd、Fe)なる組成の合金薄帯の自
由面(銅ロールに接触していない側の面)の熱処理前の
構造のX線回析図形を示すグラフである。
【図4】 Fe89.5Zr73Re0.5(Re=Y、L
a、Ce、Pr、Nd)なる組成の合金薄帯の自由面
(銅ロールに接触していない側の面)の熱処理後の構造
のX線回析図形を示すグラフである。
【図5】 Fe89.5Zr73Re0.5(Re=Y、L
a、Ce、Pr、Nd、Fe)なる組成の合金薄帯の熱
処理後に析出するFeを主成分とするbcc相の平均結
晶粒径と(110)面の格子定数の添加する元素Re依
存性を示すグラフである。
【図6】 Fe90-zZr73Ndz(z=0〜10)な
る組成の合金薄帯からなる試料の飽和磁束密度、実効透
磁率と、保磁力と、磁歪の添加する元素Reの添加量依
存性を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 尾藤 輝夫 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 小島 章伸 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内元支倉35番地 川 内住宅11−806 (72)発明者 増本 健 宮城県仙台市青葉区上杉3丁目8番22号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記組成式により示されることを特徴と
    するFe基軟磁性合金。 (Fe1-aabxyRez ただし、ZはNi,Coのうち1種または2種以上の元
    素、MはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選
    ばれた1種または2種以上の元素、ReはYを含む希土
    類元素のうちの1種または2種以上の元素であり、組成
    比を示すa、b、x、y、zは原子%で、0≦a≦0.
    2、75≦b≦93、0.5≦x≦18、3<y≦9、
    0<z≦5である。
  2. 【請求項2】 下記組成式により示されることを特徴と
    するFe基軟磁性合金。 (Fe1-aabxyRezt ただし、ZはNi,Coのうち1種または2種以上の元
    素、MはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選
    ばれた1種または2種以上の元素、ReはYを含む希土
    類元素のうちの1種または2種以上の元素、TはSi,
    Al,Ge,Gaから選ばれた1種または2種以上の元素
    であり、組成比を示すa、b、x、y、z、tは原子%
    で、0≦a≦0.2、75≦b≦93、0.5≦x≦1
    8、3<y≦9、0<z≦5、0≦t≦5である。
  3. 【請求項3】 前記組成式中のMは、ZrとNbのうち
    の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は
    2に記載のFe基軟磁性合金。
  4. 【請求項4】 前記組成式中のReは、Y、La、C
    e、Pr、Ndのうちの少なくとも1種を含んでいるこ
    とを特徴とする請求項1、2又は3に記載のFe基軟磁
    性合金。
  5. 【請求項5】 前記組成式中の組成比を示すzは、原子
    %で、0.1≦z≦5であることを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれかに記載のFe基軟磁性合金。
  6. 【請求項6】 前記組成式中の組成比を示すzは、原子
    %で、0.1≦z≦1であることを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれかに記載のFe基軟磁性合金。
  7. 【請求項7】 前記組成式中の組成比を示すyは、原子
    %で、4≦y≦9であることを特徴とする請求項1乃至
    6のいずれかに記載のFe基軟磁性合金。
  8. 【請求項8】 Feと、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,
    Mo,Wから選ばれた1種または2種以上の元素Mと、
    Bを少なくとも含む合金溶湯を急冷することにより非晶
    質合金を得た後、熱処理によりbcc構造のFeを主体
    とする平均結晶粒径30nm以下の微細な結晶相を析出
    させてFe基軟磁性合金を製造するに際して、 前記合金溶湯にさらにYを含む希土類元素のうちから選
    ばれる1種または2種以上の元素Reを添加し、このと
    き添加する元素Reの種類と添加量を調整することによ
    り、得られるFe基軟磁性合金の磁歪を制御することを
    特徴とするFe基軟磁性合金の磁歪の調整方法。
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